JP3242814B2 - 電力系統の補償制御装置 - Google Patents

電力系統の補償制御装置

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JP3242814B2
JP3242814B2 JP14502995A JP14502995A JP3242814B2 JP 3242814 B2 JP3242814 B2 JP 3242814B2 JP 14502995 A JP14502995 A JP 14502995A JP 14502995 A JP14502995 A JP 14502995A JP 3242814 B2 JP3242814 B2 JP 3242814B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/30Reactive power compensation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直列コンデンサによ
り電力系統のリャクタンス電圧を補償する電力系統の補
償制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は例えば「計測と制御 第32巻
第9号(1993年9月号)PP742〜749」に
示された従来の直列コンデンサによる交流電力系統の補
償方式の例を示す図である。同図において、1は送電側
電源、2は送電側母線、3は受電側系統、4は受電側母
線、5は送電線路、6は送電線路5のインダクタンスを
含む電力系統のインダクタンス、7は直列コンデンサ、
ILは送電線路5の線路電流である。
【0003】電力系統の線路に直列コンデンサ7を設け
た上記従来の補償方式は、長距離大電力送電において電
力系統インダクタンスひいては同リャクタンスが大きい
場合、そのリャクタンスを相殺して送電限界を向上させ
る上で有用である。特に、コンデンサの損失が極めて小
さく、かつ、安価であるため電力変換器による補償法よ
り優れている面がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の電力系統の補償
制御装置は以上のように構成されているので、送電線投
入時,地絡事故時および回復時,系統切り換え時,その
他電圧急変が生じる時、基本周波数成分の電流以外に直
列コンデンサ7とインダクタンス6とによる共振周波数
成分(過渡的成分)の電流が流れる。この共振周波数成
分が基本周波数成分と重畳されるのでビートを生じ、線
路電流ILの振幅と位相が脈動する。上記線路電流IL
をその実軸成分ILPと虚軸成分ILQとに分解して示
すと、図12の如く表される。即ち、同図(a)は時間
tに対する変化を示し、同図(b)は軌跡(リサージ
ュ)を示す。このとき、脈動周波数は上記2つの周波数
の差の周波数になる。この内、実軸成分ILP、即ち有
効電流の脈動は発電機の軸トルク脈動として現れ、軸捩
れ振動を誘発する。特に、発電機軸の共振周波数に近い
とさらに軸捩れ振動が増幅されると云う問題点があっ
た。他方、虚軸成分ILQ、即ち無効電流の脈動は電圧
変動を誘発する。この他、直列コンデンサ7が電流を積
分した電圧を生じるのに対して、インダクタンス6が電
流の微分比例電圧を生じるため、制御上の過渡特性や動
特性が悪化すると云う問題点もあった。以上、要約する
と交流電力系統の直列コンデンサ補償方式において、直
列コンデンサ7が過渡特性や動特性を悪くする問題点が
あった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、補償電圧印加手段の過電流耐量
または過負荷耐量の向上、或いは、系統安定化に必要な
可変制御幅を広げることができる電力系統の補償制御装
置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電力系統
の補償制御装置は、電力系統の線路に直列に挿入され指
令値に基づく電圧を発生する、二次巻線に励磁電源を備
えた巻線形交流機と、上記電力系統の線路電流または電
力の検出手段と、上記検出手段の出力を受けて上記巻線
形交流機の二次巻線に励磁電源への指令値を生成する指
令値生成手段とを備えたものである。
【0007】
【作用】この発明における電力系統の補償制御装置は、
電力系統の線路に直列に挿入され指令値に基づく電圧を
発生する、二次巻線に励磁電源を備えた巻線形交流機
と、上記電力系統の線路電流または電力の検出手段と、
上記検出手段の出力を受けて上記巻線形交流機の二次巻
線に励磁電源への指令値を生成する指令値生成手段とを
備えたことにより、巻線形交流機は、所望の一次電圧ひ
いては一次磁束鎖交数に対して、所与の一次電流を考慮
して二次電流を制御すれば、所望の一次電圧となるよう
制御できる。即ち、従属電圧源として活用できる。従っ
て、過電流耐量が大きい巻線形交流機を用いることによ
り、上記補償電圧印加手段の過電流耐量および過負荷耐
量が大きくなる。
【0008】
【実施例】実施例1. 図1にこの発明の一実施例を示し、同図において、6は
線路リャクタンス,変圧器リーケージリャクタンス,積
極的に挿入する変圧器リーケージリャクタンス及び積極
的に挿入する限流リャクタンス等からなる系統リャクタ
ンス、7は直列コンデンサ、8は電流検出手段、9は電
圧検出手段、10は電力検出手段、11は指令値生成手
段、12は補償電圧印加手段(従属電圧源)、Vi*
電圧指令値(ベクトルまたはスカラ)、ILは線路電流
(ベクトルまたはスカラ)である。上記補償電圧印加手
段12として、直流交流間電力変換器,高周波リンク形
サイクロコンバータ,巻線形交流機など、静止形または
回転機形の従属可変電圧源を用い得る。なお、同一符号
は同一手段または相当手段を示す。
【0009】 上記実施例において、簡単化する場合、電
力検出手段10を省略して線路電流を代表する電流検出
手段8に応答して補償電圧印加手段12を制御すること
ができる。このとき、検出された電流ILに応じた挿入
電圧Viを与えることにより、種々の制御ができるが詳
細は後記実施例で説明することとし、ここでは、電力に
応答して制御する場合につき説明する。
【0010】 ここで、直列コンデンサ7は系統リャクタ
ンス6を相殺して合成リャクタンスを低くし、挿入電圧
Viの変化に対して線路電流がより敏感に変化するよう
になる。即ち、より低い挿入電圧で済み、補償電圧印加
手段12の所要容量を軽減できる条件になっている。
【0011】 さて、電流検出手段8と電圧検出手段9と
からの出力を受けて、電力検出手段10が送電線路5を
介して送電される電力を演算または検出する。次いで、
この電力に応じて指令値生成手段11が挿入電圧指令V
* を出力し、この指令値を受けて補償電圧印加手段1
2が線路に直列に補償電圧Viを印加する。これに際
し、指令値生成手段11に電力の動揺を抑制する伝達特
性を持たせる方法(少なくとも微分的伝達特性を持たせ
る)や所望の電力に対する偏差に応じて帰還制御する方
法,変分電力に応じて電力の動揺を抑制する伝達特性を
持たせる方法等が採用できる。さらに、線路電流に対し
て直交しかつ系統リャクタンス6の電圧と逆極性の電圧
を挿入すれば送電電力が増加し、同極性の電圧を挿入す
れば送電電力が減少するので、このメカニズムを活用す
ることができる。さらに、送電電力の所望値を外部より
指令として受ける場合、上位の系統安定化制御手段(例
えばパワーシステムスタビライザPSS)より指令を与
えられ得る。
【0012】 以上の結果、直列コンデンサ補償のみで
は、直列コンデンサ7が電流の時間積分値に比例する電
圧を生じ、系統リャクタンス6が電流の時間微分値に比
例する電圧を生じるため前記共振問題を生じたのに対し
て、補償電圧印加手段12はそのどちらでもない自由な
電圧を挿入できる。このため、直列コンデンサ7と系統
リャクタンス6との共振による動揺を生じようとする
と、適宜な指令値生成手段11によりその動揺を抑制す
る挿入電圧を補償電圧印加手段12より与え得る。従っ
て、低損失かつ経済的な直列コンデンサ7による補償を
ベースとする補償方式における前記LC共振現象とその
波及による悪影響を軽減ないし抑える作用をすることが
できる。即ち、直列コンデンサ補償方式における過渡特
性や動特性の改善ができる。
【0013】 以上要約すると、定常的なリャクタンス電
圧の補償の内、基盤的部分を低損失かつ経済的な直列コ
ンデンサ7により補償し、動特性が関わるところで補佐
的に補償電圧印加手段12を備え、LC共振現象とその
波及による悪影響を軽減ないし抑えることができる。特
に、送電端側に発電機がある電源線の場合、発電機のト
ルク脈動による軸捩れ共振を防止する効果がある点も特
筆される。また、補償電圧印加手段12と直列コンデン
サ7との併用で補償電圧印加手段12の所要電圧が低く
なり、所要容量が軽減される。
【0014】 実施例2. 図2(a)は補償電圧印加手段12に関する一実施例を
示す図で、同図において、31は送電線路5に直列接続
された一次巻線311と二次巻線312とを備えた絶縁
変圧器、33は二次巻線312に交流側端子が接続され
た静止形直流交流間電力変換器、35は静止形電力変換
器33の直流端子に接続された直流コンデンサである。
静止形電力変換器33は電流源形において出力電圧を制
御する電圧制御形でもよく、この場合直流コンデンサ3
5に代わり直流リャクトルを用いることができる。ま
た、反電力系統側に高周波回路(高周波コンデンサ)を
持つ高周波リンク形サイクロコンバータでもよい。いず
れにせよ、何等かの電圧指令Vi* を受けて出力電圧を
制御するものであればよい。
【0015】 補償電圧印加手段12を静止形電力変換器
33により構成することにより、上記補償電圧印加手段
12の制御に対する応答速度が速くなり、ひいては上記
脈動の抑制や電圧,電流,電力などの実軸虚軸2成分の
制御の応答速度が速くなる。ひいては、系統安定化制御
の応答速度を向上できる効果が得られる。なお、詳細は
後述実施例で説明する。
【0016】 実施例3. 図2(b)は補償電圧印加手段の別の実施例を示す図
で、同図において、50は一次巻線50aと二次巻線5
0bとを備えた巻線形交流機、600は二次巻線50b
の励磁制御装置である。巻線形交流機50は、一次電流
と二次電流とで決まる一次磁束鎖交数に応じた一次電圧
を発生する。即ち、必要な一次電圧と実一次電流が与え
られれば必要な二次電流を決め得る。また、送電線路5
が絶縁変圧器31を介して一次巻線50aに結合されて
いるので、線路電流iLを代表する電流が一次巻線50
aにも流れ、この電流検出手段8を内在させて送電線路
5の電流検出手段に替えることができる。
【0017】 以上により、発生すべき挿入電圧Vi*
一次電流i1・ILとから必要な二次励磁電流i2を決
めることができ、ひいては励磁電圧の操作により二次電
流i2や挿入電圧Viを制御できる。この詳細も、後記
詳細実施例で説明する。さて、巻線形交流機50は、所
望の一次電圧ひいては一次磁束鎖交数に対して、所与の
一次電流を考慮して二次電流を制御すれば、上記所望の
一次電圧となるよう制御できる。即ち、従属電圧源とし
て活用できる。従って、過電流耐量が大きい巻線形交流
機50を用いることにより、上記補償電圧印加手段12
の過電流耐量および過負荷耐量が大きくなる。さらに、
系統安定化に必要な制御上の電流可変幅を大きく取り得
る効果もある。換言すれば、過負荷耐量が大きいことを
利用して大きな安定化効果が得られる。なお、詳細は後
述実施例で説明する。
【0018】 実施例4. 図3(a)(b)は挿入電圧Viのベクトル関係の取り
方を示す図で、都合上本文では交流ベクトルを表すドッ
トマーク“・”を省略して記述する。同図において、V
s,Vrはそれぞれ送電側電圧ベクトルおよび受電側電
圧ベクトル、ILは線路電流ベクトル、Vx,Vcはそ
れぞれ系統リャクタンス電圧ベクトルおよび直列コンデ
ンサ電圧ベクトルである。受電側電圧を基準に考える
と、系統リャクタンス電圧Vxを直列コンデンサ電圧V
cで打ち消した点の送電側電圧Vs(実線表示)を中心
に、挿入電圧Viを電流に対して直交関係を保ちながら
正負極性に渡って制御すると、点線で示した送電側電圧
ベクトルの変化幅に対処できるわけである。
【0019】 同図(a)は受電側電圧と線路電流が同相
となるよう送電側電圧ベクトルを維持した典型的実施例
を示し、同図(b)は線路電流が受電側電圧と送電側電
圧との間の位相となるよう維持した典型的実施例を示
す。これらの維持関係は、送電側または受電側の発電機
を始め両側の機器との協調制御、または、送受電両側電
圧ベクトルに対して線路電流ベクトルの位相をどの範囲
に定めるかによって実現法の細部を決め得る。
【0020】 補償電圧印加手段12を設置するノードで
のローカルかつ検出容易な変数をベクトルの基準とし、
補償電圧印加手段12に介在する有効電力の積算値ひい
てはエネルギ貯蔵を最小化する上で、線路電流ベクトル
自体を基準にするのがよい。これにより、線路電流ベク
トルに対して挿入電圧ベクトルを直交させることを基本
とし、かつ、幾らかの同相(同軸)電圧成分または過渡
的な同相(同軸)電圧成分を補助的に挿入することがで
きる。この詳細実施例も後述する。
【0021】 上記ベクトル関係の取り方で重要なこと
は、定常的な系統リャクタンス電圧Vxの一部分ないし
大部分を定常的な直列コンデンサ電圧Vcで補償し、過
渡特性や動特性(例えば、変数の変分に関して論じられ
る固有値による安定性や変分に対する周波数特性)を補
佐的挿入電圧Viで改善することである。また、地絡事
故時の事故電流制限のような過渡時には、インダクティ
ブな系統リャクタンスと同方向の挿入電圧を与える。こ
のような作用は、指令値生成手段11に線路電流の制御
系を持たせることにより実現できる。
【0022】 以上要約すると、線路電流ベクトルに対し
て直交する電圧ベクトルを補償電圧印加手段12から線
路に直列に印加することにより、線路電流制御や送受電
端間電圧変動に対処でき、かつ、補償電圧印加手段12
に介在する電力を最少化できる効果が得られる。さらに
このため、補償電圧印加手段12を簡略化でき経済性が
向上する効果が得られる。
【0023】 実施例5. 図4は電力検出手段10および指令値生成手段11に関
する詳細部分実施例を示す図である。同図の電力検出手
段10において、13,14は3相/2相変換手段又は
同演算手段で次式の演算を行うものである。電流に関す
る3相/2相変換手段14も、電圧が電流に変わるだけ
で同様の演算でよく、同一の変換行列を用いて変換でき
る。
【0024】
【数1】
【0025】さらに、15は電流検出手段8及び電圧検
出手段9の出力を受けて送電電力を検出または演算する
電力検出手段または電力演算手段である。これら検出出
力は指令値生成手段11へ与えられる。
【0026】 次に、指令値生成手段11の内制御や演算
上で必要な基準ベクトルの導出法につき先に説明する。
指令値生成手段11において、16,17は積分手段ま
たは積分演算手段で、位相が90゜遅れ方向に回転し
(軸が入れ代わり一方の極性が負になり)α−β軸の磁
束鎖交数λα,λβを出力する。この時、極性が変わる
β軸の積分手段17に対して符号を変えてβ軸の磁束鎖
交数λβを得る。18はベクトルの絶対値演算手段、1
9,20は基準ベクトルとなる単位ベクトル[eα,e
β]T =[sinθe,cosθe]T を出力する除算
手段、21は単位ベクトル[eα,eβ]T から基準ベ
クトルの回転角θeを演算する手段(逆三角関数演算手
段)である。以上16〜21は、観測および制御上の基
準座標(単位ベクトルeまたは、基準ベクトルの回転角
θe)を決める座標規準演算手段である。上記実施例で
は電圧を積分した磁束鎖交数λα,λβを基準にしてい
るので、瞬時電圧変動の影響を受けにくく、サージによ
る誤動作も起こしにくいと云う特長がある。
【0027】 他の実施例として、磁束鎖交数λα,λβ
にかえて電圧ベクトルVα,Vβや電流ベクトルiα,
iβを基準ベクトルに選ぶことができる。この場合、電
圧検出手段9または電流検出手段8の出力から得られる
電圧または電流を3相/2相変換手段13,14で3相
/2相変換し、その出力Vα,Vβまたはiα,iβを
絶対値演算手段18及び除算手段19,20に入れれば
よい。これらは、基準ベクトルの導出が簡単になる特長
がある。また、電流ベクトルは、地絡事故時に存続しや
すい量で、かつ、電圧サージの影響を受けにくい特長が
ある。更に、これらをPLL(フェーズ・ロックド・ル
ープ)と組み合わせて基準ベクトルの回転角θeを決め
たり、単位ベクトル[eα,eβ]T =[sinθe,
cosθe]T を演算できる。
【0028】 次いで、送電電力を制御するために、補償
電圧印加手段が印加すべき挿入電圧ベクトルの指令値V
* を演算する部分につき説明する。同図において、2
2,23は電力制御手段で、22はその電力比較部,2
3は電力制御演算部である。更に、24は電流ベクトル
iα,iβを単位ベクトルeα,eβにより同期回転座
標の量id,iqへ変換する座標変換手段で次式の演算
を行うものである。
【0029】
【数2】
【0030】即ち、電気角θeで回転している電流ベク
トルiα,iβを上式により、θeだけ逆回転させ、静
止ベクトルに変換するベクトル回転器である。更に、2
5,26は乗算手段、27は直交変換手段(直交切り換
え手段)、28はベクトル回転手段である。
【0031】 次いで、作用を説明する。先ず、電力比較
部22で電力指令P* と送電電力Pとが比較され,その
偏差が電力制御演算部23に与えられ比例係数(挿入リ
ャクタンス)Xiを出力する。この時、電力制御演算部
23は比例演算P,比例積分演算PI,比例積分微分演
算PIDなどの制御演算を行えばよい。次いで、乗算手
段25,26で各軸電流id,iqに上記比例係数Xi
を掛けて挿入すべき電圧ベクトルVid* ,Viq*
出力する。この時、挿入すべきリャクタンス電圧は電流
より位相を90゜(π/2)進める必要がある。即ち、
直交変換する必要があり、直交変換手段27がこの手段
で、乗算手段25,26の出力は互いに他軸へ与えると
共に、虚軸(q軸)から実軸(d軸)へ与える符号を反
転する。これらの演算を固定子座標(α−β軸や、RS
T軸)で行ってもよい。
【0032】 これら送電電力制御を行うことにより、フ
ィードバック制御作用による送電電力の脈動抑制作用が
働く。従って、前記LC共振とのビートによる有効電力
の脈動が生じようとしても電力制御が働くので、それら
脈動の抑制作用がさらに確実なものとなる特長がある。
また、上記挿入リャクタンスXiは、可変リャクタンス
制御により線路電流を制御する場合にも使用できる。さ
らに、補償電圧印加手段12からの変分回転角指令△θ
だけ回転を加えるベクトル回転手段28を備え、この出
力Vi* が前記補償電圧印加手段12への電圧ベクトル
指令になる。ここで、上記変分回転角指令△θ* は補償
電圧印加手段12に介在する電力を調整する機能を果た
し、その積算値に対応する量(補償電圧印加手段12の
反電源側電圧や速度)を制御する作用を受け持つ。な
お、ベクトルの回転は入力ベクトルに次式の行列を左か
ら掛けて得られる。
【0033】
【数3】
【0034】この実施例は、簡単な係数の乗算で済み、
かつ、直交電圧を印加するので補償電圧印加手段12に
介在する電力の平均値や積算値をほぼゼロにできる。従
って、経済的となる特長がある。
【0035】 実施例6.図5は電力検出手段10および
指令値生成手段11に関する他の詳細部分実施例を示す
図である。同図において、51,53はd軸(実軸)電
流制御手段で、51はその電流比較部,53はその電流
制御演算部、52,54はq軸(虚軸)電流制御手段
で、52はその電流比較部,54はその電流制御演算部
である。さらに、55,58は同一軸へ与える電圧指令
値を決める係数掛け算手段(係数器)、56,57は他
軸(直交軸)へ与える電圧指令値を決める係数掛け算手
段(係数器)、59,60は指令値の合成手段(加減算
手段)である。
【0036】 電流,電圧,電力および基準ベクトルの検
出演算部は前記図4と同じゆえ説明を省略する。次に、
内側制御ループで線路電流の制御を行う場合の電圧指令
値生成部の動作を説明する。電力比較部22で電力指令
* と送電電力Pとが比較され,その偏差が電力制御演
算部23に与えられ実軸電流指令値id* を出力する。
この時、電力制御演算部23は比例演算P,比例積分演
算PI,比例積分微分演算PIDなどの制御演算を行え
ばよい。さらに、実軸電流指令値id* は電流比較部5
1で実軸電流idと比較され、この電流偏差を電流制御
演算部53に与えて電流偏差応答量iedを出力する。
この時、電流制御演算部53は比例演算P,比例積分演
算PIなどの制御演算を行えばよい。
【0037】 他方、q軸電流制御側(虚軸電流制御側)
は、後述の補償電圧印加手段に介在する電力またはその
積分応答量を制御するために活用し、このq軸電流指令
値iq* は補償電圧印加手段12から与えられる。q軸
電流制御手段52,54の動作および特性付けは上記d
軸の場合と同様でよい。これら線路電流制御を行うこと
により、フィードバック制御作用による線路電流の脈動
抑制作用が働き、前記LC共振の抑制作用がさらに確実
なものとなる特長がある。ここでは、線路電流の2軸成
分、即ち電流ベクトルを制御する精細制御例を示してい
るが、実軸電流制御系(線路の有効電流制御係)が主に
なる。従って、電流の絶対値や実効値など、スカラ制御
だけでもLC共振による脈動の抑制作用向上効果が得ら
れる。
【0038】 実施例7. 次に、2軸の線路電流制御手段から電圧指令値を決める
部分につき詳しい動作を説明する。夫々の軸ごとの制御
演算手段53,54からの出力に対して、係数掛け算手
段55〜58および合成手段59,60は次式の行列演
算を行う。
【0039】
【数4】
【0040】ここに、k2は自軸電流を流すための直交
リャクタンス電圧を与える係数、k3は自軸電流を与え
るための抵抗降下電圧やダンピングを加えるための係数
である。この様に、直交他軸へのリャクタンス電圧のみ
ならず、同一軸(自軸)の電圧成分も与えることによ
り、線路電流の制御特性が改善される点が特長となる。
また、実軸電流指令id* を有効電流指令ip* に代
え、虚軸電流指令iq*を無効電流指令iQ *に代えて利
用できる。さらに、虚軸電流指令iq* はゼロにして置
き、その変分が補償電圧印加手段12に介在する電力を
左右するので、補償電圧印加手段12からの変分虚軸電
流指令△iq* を受けて、これにより補償電圧印加手段
12に介在する電力およびその積算応答量を制御でき
る。以上の如くして得られた電圧指令値ベクトルVi*
は、補償電圧印加手段12への前記挿入電圧指令として
与えられる。
【0041】 さらに、上記指令値生成手段11の指令入
力id* ,iq* に替えて、線路電流指令(絶対値)i
L *,有効電流指令iP *,無効電流指令iQ *や有効電力指
令Pr,無効電流指令Qrなどを与え、上位制御手段
(図示せず)からこれら指令を与えることにより、系統
電流の制御,有効電流や無効電流の制御または有効電力
または無効電力の制御、ひいては潮流の制御,系統安定
化制御(電圧,電流,電力の安定化,脱調抑制,制御理
論的動特性上の安定化など)および系統の位相差動揺・
電力動揺の抑制,過渡特性および動特性のさらなる向上
などができる。
【0042】 実施例8. 図6は静止形の補償電圧印加
手段に関する部分実施例を示す図で、同図において、一
次巻線311a,311bが夫々送電線路5に直列接続
され、かつ、二次巻線312a,312bが夫々代表的
な2レベルまたは3レベルの3相インバータ33a,3
3bに接続される位相変圧器31a,31bを備える。
インバータに替えて高周波リンク形サイクロコンバータ
でもよい。更に、35は直流リンク用平滑コンデンサ
で、サイクロコンバータの場合は高周波リンク用交流コ
ンデンサである。この高周波リンク部の相数は単相以外
に3相などの多相にできる。
【0043】 以上主回路部において、二次巻線312
a,312b間に電気角30゜(π/6)の位相差を付
けた例を示し、この位相差を付けることにより一次巻線
311a,311bでの合成電圧の高調波を減少させる
とともに、二次巻線312a,312bの高調波電流も
軽減させる。当然、静止形電力変換器(3相インバー
タ)33a、33b間も電気角30゜(π/6)の位相
差を持たせて運転させる。上記主回路部の起動に先立
ち、初期充電回路や初期充電動作モードを持たせること
ができる。
【0044】 次に、同図において、リンク用交流コンデ
ンサ35の電圧は変換器に介在する電力の出入りの積算
値、即ちエネルギ収支により変化するので、この電圧を
所定範囲に調整することが必要になる。このためさら
に、下記制御部を備える。同図において、36は電圧検
出手段、37,38は電圧制御手段(レギュレータAV
R)で、37はその指令電圧Vdc* との比較部、38
はその電圧制御演算部である。ここに、電圧制御演算部
38は比例演算P,比例積分演算PI,比例積分微分演
算PIDなどの制御演算を行えばよい。この出力は前記
指令値生成手段11へ帰還され、挿入電圧指令Vi*
して帰還されてくる。この時、前記指令値生成手段11
で補償電圧印加手段12に介在する電力に関係する量
(iq* ,△θ* )が制御され、線路電流と同相の電圧
成分が挿入電圧指令Vi* に含まれ、この制御が行われ
る。この結果、各電力変換器ユニットの直流電流ひいて
は直流電圧が調整されて、電圧制御系が完結されるわけ
である。
【0045】 次いで、挿入電圧指令Vi* を受けて各電
力変換器ユニットを制御する部分について説明する。同
図において、39は座標変換手段、41はベクトル回転
手段、40,42は2相/3相変換手段である。さて、
座標変換手段39は複数の電力変換器33a,33bに
共通な電圧ベクトル指令Vi* を次式で表わされる“回
転角度θeを持つ基準ベクトル(単位ベクトル)”を用
いて固定座標(ステーショナリ・リファレンスフレー
ム)へ座標変換する。
【0046】
【数5】
【0047】即ち、次式の演算を行う。この演算に要す
る上記基準ベクトルは前記の指令値生成手段11より与
えられる。
【0048】
【数6】
【0049】電圧ベクトル指令Vi* は交流理論でよく
知られたRe−Im表示の実軸成分と虚軸成分に対応す
る任意な同期回転座標(シンクロナスリー・リファレン
スフレーム)のd−q2軸成分からなるベクトルで、上
記座標変換により固定座標のα−β軸の量(交流)に変
換される。相数変換手段40,42はα−β軸の2相指
令を3相指令に変換する相数変換手段または相数変換演
算手段である。この相数変換は次式で表される。
【0050】
【数7】
【0051】さらに、同図において、41はベクトル回
転手段(VR)またはベクトル回転演算手段であり、そ
の演算は一般的回転角度入力をθとすると次式で表され
る。
【0052】
【数8】
【0053】 同図のベクトル回転手段41においては
θを−30゜(−π/6)にして演算することを意味す
る。これにより、前記主回路の位相差を付けた運転指令
が得られる。以上の結果、図4,図5の指令値生成手段
と併せて、メジャーループで電力潮流や線路電流の制御
ができる。さらに、LC共振による脈動が生じようとし
てもそれらの脈動を抑制できる。ひいては発電機の軸捩
れ振動も抑制される。さらに、それらの指令値を上位制
御手段から与えて電力動揺防止ほか様々な安定化制御が
実現される。
【0054】 実施例9. 図7は巻線形交流機を用いた補償電圧印加手段の部分実
施例を示す図で、図において、70は補助変圧器、15
1R,151S,151Tは線路電流の検出をも兼ね得
る一次巻線電流検出手段、169は二次励磁用電源(A
C/AC電力変換器,AC−DC−ACコンバータ・イ
ンバータまたはサイクロコンバータなど)、160a,
160b,160cは直流電流も交流電流も検出できる
電流検出手段、152,161は3相/2相変換手段
(電流の場合も電圧の場合と同じ変換行列を用いて変換
できる)、162,167はベクトル回転手段、16
3,164は二次励磁電流制御手段の比較部、165,
166は二次励磁電流制御手段の電流制御演算部、16
8は2相/3相変換手段である。
【0055】 さらに、155は機械的回転角度θmの検
出手段、156は上記回転角θmの出力に極対数npを
掛けて回転電気角θrに変換する手段である。さらに、
157は回転電気角θrから回転速度ωrを検出(演
算)する速度検出手段、158は速度制御手段、159
は電気角θeより回転電気角θrを引いて滑り角θsを
検出する滑り角検出手段、153はαβ軸の量から同期
回転座標のdq軸の量へ変換する座標変換手段、154
は挿入電圧指令Vi* および一次電流i1d,i1qか
ら二次励磁電流指令i2d* ,i2q* を生成する二次
励磁指令演算手段である。
【0056】 次に、動作を説明する。同図において、速
度制御手段158の出力は、前記指令値生成手段11へ
帰還され、挿入電圧指令Vi* として帰還されてくる。
この時、前記指令値生成手段11で補償電圧印加手段1
2に介在する電力、即ち巻線形交流機50の有効電力お
よびトルクに関係する量(iq* ,△θ* )が制御さ
れ、線路電流と同相の電圧成分が挿入電圧指令Vi*
含まれて、この制御が行われる。この結果、巻線形交流
機50のトルクひいては速度が調整されて、速度制御系
が完結されるわけである。これらにより、補償電圧印加
手段、即ち巻線形交流機50に介在する電力とトルクを
調整し、巻線形交流機50の速度を制御できる。この速
度制御系の指令ωr* を上限下限の範囲で指令するもの
にしておけば、速度の上限下限の範囲内で回転エネルギ
を有効電力に変換して出し入れできる。
【0057】 一方、ベクトル回転手段162が上記滑り
角θsだけ“滑り周波数の二次励磁電流ベクトルi2”
を逆回転させ(式8にてθ=−θsの変換行列を入力電
流ベクトルに左から掛ける)、同期回転座標の量に変換
する。この結果、同期回転座標の二次励磁電流ベクトル
i2d,i2qが得られ、同指令値i2d* ,i2q*
と比較される。この指令値i2d* ,i2q* は二次励
磁指令演算手段154で次式の演算を行うことにより得
られる。
【0058】
【数9】
【0059】ここに、ωeは系統の角周波数、Mは巻線
形交流機の一次二次相互インダクタンス、L1は巻線形
交流機の一次インダクタンス、Ltは変圧器のリーケー
ジインダクタンスである。即ち、一次電流ベクトル[i
1d,i1q]T と挿入電圧指令ベクトル[Vid
* ’,Viq* ’]T とから二次電流指令ベクトル[i
2d* ,i2q*T を決められる。これに先立ち、線
路電流に比例する巻線形交流機50の一次巻線電流i1
(R,S,T)は3相/2相変換手段152で3相/2
相変換した後、さらに座標変換手段153で固定座標の
量i1α,i1βを同期回転座標の量i1d,i1qへ
変換しておく。
【0060】 さらに、同図において、二次励磁電流制御
手段の比較部163,164で比較した後,二次励磁電
流制御手段の電流制御演算部165,166で演算し
て、二次電圧指令V2d* ,V2q* を出力する。この
出力をベクトル回転手段167により滑り角θsだけ回
転させ、回転子座標の量V2α* ,V2β* に変換す
る。さらに、この出力を2相/3相変換して二次励磁用
電源169に与えるべき3相電圧指令V2* =[v
2u * ,v2v * ,v2w *T を得ることができる。これ
ら、二次励磁電流制御系により所望の二次励磁が得られ
る結果、前記所望の挿入電圧、即ち一次巻線電圧が得ら
れるわけである。
【0061】 実施例10. 図8は巻線形交流機を用いた補償電圧印加手段の他の実
施例を示す図で、二次電流指令の決め方として一次電圧
制御系を設けるものである。同図において、71は一次
電圧検出手段、72は一括座標変換手段、73は電圧制
御手段である。
【0062】 一括座標変換手段72は2相/3相変換手
段152と座標変換手段153とに別けて実行しても良
いが、まとめて次式の演算で行うことができる。この
点、前記実施例でも同様で、逆変換も同様にまとめて実
行できる。また、電流の変換についても同様である。
【0063】
【数10】
【0064】なお、逆変換は変換行列部が上式の変換行
列の転置で表される。さて、電圧制御手段73は前記図
7の電流制御手段163〜166と同様の構成でよく、
その出力を二次電流指令ベクトル[i2d* ,i2q
*T として用いればよい。ただし、d軸電圧はq軸励
磁電流により得られ、q軸電圧はd軸励磁電流により得
られるので、d軸電圧制御手段の出力を符号を変えてq
軸励磁電流指令にし、q軸電圧制御手段の出力をd軸励
磁電流指令にする。以上の結果、二次巻線の過電流防止
や電流制限機能をも持たせ得る二次電流制御系をマイナ
ーループに設け、その外側に挿入電圧の制御系を設ける
ことができる。さらに、前記図4,図5の指令値生成手
段11と併せて、メジャーループで電力潮流や線路電流
の制御ができる。さらに、LC共振による脈動が生じよ
うとしてもそれらの脈動を抑制できる。ひいては発電機
の軸捩れ振動も抑制される。さらに、それらの指令値を
上位制御手段から与えて電力動揺防止ほか様々な安定化
制御が実現される。
【0065】 実施例11. 図9はこの発明の他の一実施例を示す図で、同図におい
て、81は過電流検出手段、82はコンデンサの短絡手
段、83,84はコンデンサ短絡用メタリックスイッチ
手段および半導体スイッチ手段、85はコンデンサ放電
電流抑制リャクトル、86はコンデンサ過電圧抑制用ア
レスタ、87はアレスタの電流検出手段、88はアレス
タの電圧検出手段、89はアレスタの吸収エネルギ(積
算電力)および温度上昇演算手段、90は論理合成(O
R)手段である。
【0066】 さて、同図において、電流地絡事故などに
よる事故電流が発生した場合、過電流検出手段81の出
力に応答して短絡手段を働かせ、直列コンデンサ7を短
絡する。これにより、系統リャクタンス6(必要に応じ
て限流リャクトルや変圧器リーケージリャクタンスを追
加)が事故電流を制限する作用を行い、事故電流制限効
果を出す役割に転じることができる。さらに、この事故
時に、補償電圧印加手段12の出力を短絡せず、前述の
電流制御系を働かせておけば、補償電圧印加手段12が
線路電流を抑制するインダクティブな電圧、即ちリャク
タンス電圧に和動する電圧を発生する。さらには、過電
流検出時に挿入電圧指令を切り替えてリャクタンス電圧
に和動する電圧を発生させ得る。これにより、限流効果
がさらに向上する。勿論、平常時は直列コンデンサ7で
合成リャクタンスを適正に補償しておき、最大潮流に対
応させて置くことができる。
【0067】 さらに、電力系統間を連系する連系システ
ムとして連系線路にこの発明を用い、必要に応じて積極
的に系統リャクタンス6を調整すると共に直列コンデン
サ7による補償を行い、かつ、過電流検出手段81に応
答して上記直列コンデンサ7を短絡することにより、平
常時の必要連系(または送電)およびその制御機能と事
故時の限流機能との両者を満たすことができる。即ち、
電力系統間のAC連系制御方式として有用な装置が実現
される。なお、短絡手段82はアレスタ86の吸収エネ
ルギや温度上昇に応答する並列アレスタ保護用短絡手段
と兼用できる。この点、半導体スイッチ84を用いる場
合も同様である。
【0068】 実施例12. 図10はこの発明に係る他の一実施例を示す図である。
同図において、100は変圧器、101は発電機1の速
度検出手段、102は変分速度△ωr の検出または演算
手段、103は安定化制御手段、104は発電電力また
は発電機トルクの制御手段、105は速度制御手段、1
06はタービンの調速器またはタービンの入力調整手
段、107は分岐線路の電流検出手段、108は分岐線
路の電圧検出手段、109は分岐負荷系統である。な
お,ωr* は速度指令、ωeは同期角速度、Vi* は挿
入電圧指令である。
【0069】 同図のように、直列コンデンサを分散設置
することにより対地線路電圧の局所的急変を押さえるこ
とができる。すなわち、線路電圧分布の変化幅が狭くな
り、線路および機器の絶縁責務が軽減される。同図に示
すように直列接続する補償電圧印加手段を分散設置する
ことにより、対地線路電圧の直列挿入電圧による過渡的
変動幅も狭くなり、線路および機器の絶縁責務が軽減さ
れる。さらに、それだけでなく、挿入電源の1部または
1台が故障しても、静止形補償電圧印加手段は短絡状態
になりやすいので(そうでない場合も短絡させるゲート
制御などにより短絡できるので)、前述の機能を維持し
て系統補償や制御の運転を継続できる。即ち、冗長性が
得られる。
【0070】 また、分岐系統への分岐ノードの両側に分
散設置することにより、両側線路の都合に合わせた制御
が実現され、しかも、分岐点の電圧を安定に維持でき
る。なお、8b,9b,10bなど指令値生成系を分岐
線路側に設置してもよい。このとき、分岐線電流を考慮
した制御を同bグループの機器で実行してもよいし両グ
ループで実行してもよい。また、分岐点の上流のbグル
ープ機器で分岐点電圧の電圧調整を行うこともでき、こ
のために、検出手段10bの前記電力検出手段を電圧検
出手段に置き換えることができる。さらにまた、指令値
生成手段11bの電力制御手段の外側に電圧制御手段を
設け、電圧制御手段の出力により前記電力制御系への指
令や前記線路電流制御系への指令を与えてもよい。
【0071】 また、微分や積分の動特性が働かない対電
流直交電圧を加えるだけであれば、同図cグループのよ
うにjk1Xを線路電流に掛けて挿入電圧指令を決める
ことができる。これにより、制御手段を簡単にできる。
ただし、この場合電流に対して受動的要素となる。これ
に対し、線路電流に対して非比例の独立な電圧を与えて
電流を制御する前述の実施例の制御法の方が一層能動的
に電流制御できるので、これにより、過渡特性や動特性
の改善効果が大きいと云う特長がある。
【0072】 同図に示すように、昇圧前の発電機側に本
補償機器を設置すると絶縁変圧器の絶縁責務が軽減さ
れ、元々必要であった送電用昇圧変圧器の高圧絶縁機能
を共用できる。特に、変換器用多重化変圧器と昇圧(高
圧)変圧器とを二重に必要としていた静止形電力変換器
や巻線電圧の高圧絶縁が困難な巻線形交流機を補償電圧
印加手段に用いる場合上記効果は大きい。さらに、情報
伝送速度の観点からみた近距離(発電所,発電機および
これらに近く、高速伝送できる変電所など)に補償電圧
印加手段を設置すれば、発電機の速度または変分速度を
制御できる。さらに、タービンとの協調制御によりター
ビンの応答速度が間に合わない高速応答領域を補償電圧
印加手段が補えるので、送電系の事故時やその回復後の
速度を安定に保ち、同上期間中の位相の開きを抑制でき
る。この結果、回復後の脱調や位相差動揺を抑制でき、
第1波動揺の大きな抑制効果と過渡安定化効果が得られ
る。
【0073】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、補償
電圧印加手段を巻線形交流機により構 成したので、補償
電圧印加手段の過電流耐量または過負荷耐量を向上でき
る効果がある。或いは、系統安定化に必要な可変制御幅
を広げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による交流電力系統の補
償方式を示す構成図である。
【図2】 この発明に用いる補償電圧印加手段に関する
一実施例を示す構成図である。
【図3】 この発明の動作を説明するベクトル図であ
る。
【図4】 この発明に用いる補償電圧印加手段の制御手
段に関する一詳細実施例を示す構成図である。
【図5】 この発明に用いる補償電圧印加手段の制御手
段に関する一詳細実施例を示す構成図である。
【図6】 この発明に用いる補償手段に関する一詳細実
施例を示す構成図である。
【図7】 この発明に用いる補償電圧印加手段に関する
他の一詳細実施例を示す構成図である。
【図8】 この発明に用いる補償手段に関する他の一詳
細実施例を示す構成図である。
【図9】 この発明の他の一実施例による交流電力系統
の補償方式を示す構成図である。
【図10】 この発明の他の一実施例による交流電力系
統の補償方式を示す構成図である。
【図11】 従来の直列コンデンサによる交流電力系統
の補償方式を示す構成図である。
【図12】 直列共振によって線路電流の有効分と無効
分が動揺する様子を示すグラフ図である。
【符号の説明】
5 送電線路(電力系統の線路)、7 直列コンデン
サ、8 電流検出手段、9 電圧検出手段、10 電力
検出手段(電力演算手段)、11 指令値生成手段、1
2 補償電圧印加手段(従属電圧源)、33 静止形電
力変換器、50巻線形交流機。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/24 G05F 1/70 H02J 3/06 H02J 3/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の線路に直列に挿入され、その
    電力系統のリャクタンス電圧を補償するコンデンサを備
    えた電力系統の補償制御装置において、上記電力系統の
    線路に直列に挿入され電圧指令値に基づく電圧を発生す
    る、二次巻線に励磁電源を備えた巻線形交流機と、上記巻線形交流機の回転速度を検出する検出器と、上記
    巻線形交流機の回転速度指令値と上記回転速度検出値に
    従い、電圧指令を回転させる変分回転角指令または有効
    電力成分電流指令を出力する回転速度制御器と、 上記電力系統の電力の検出手段と、上記電力系統の線路
    電流検出手段と、上記電力の指令値発生手段と、上記電
    力系統の電力の検出値を上記指令値発生手段の出力に一
    致させる様に挿入リャクタンスまたは線路電流の無効電
    力成分指令を出力する電力制御手段と、 上記挿入リャクタンスまたは線路電流の無効電力成分指
    令と、上記変分回転角指令または有効電力成分電流指令
    と、上記線路電流検出値より、上記巻線形交流機の電圧
    指令値を生成する指令値生成手段と、 上記巻線形交流機の電圧指令より、巻線形交流機の二次
    巻線電流の指令値を生成し、二次巻線電流を制御するよ
    うに励磁電源の電圧指令を生成する制御器 を備えたこと
    を特徴とする電力系統の補償制御装置。
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