JP3242129B2 - 油性化粧料 - Google Patents

油性化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密着感がありながら、
塗膜に均一性があり、かつ肌あたりのなめらかなのびを
有する固型ないし半固型状の油性化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】固型ないし半固型状の油性化粧料は、固
体油、半固体油及び液体油を適宜組合せて配合した油性
基剤か、これに更に油性ゲル化剤を配合してゲル化した
油性基剤を用い、必要に応じて、これに化粧用粉体等を
混合、分散させ、固化、成型することにより製造され
る。
【0003】斯かる油性化粧料の使用感、使用性は油性
基剤の組成に左右されるものである。油分として、固体
油である融点の高いワックスを多量配合すると、密着感
の優れたものが得られるが、その反面、肌あたりが硬
く、のびが重く、かつつやがなくなるという欠点があ
る。また、油分として、融点の低いワックスを配合する
と、肌あたりのなめらかさは得られるが、油っぽいずる
つきが出て、密着感、化粧持ちが悪くなるという欠点が
ある。更にまた、半固体油を多量配合すると、密着感は
得られるが、のびが重く、べたつき感が出るという欠点
がある。このように、従来の固体油、半固体油を配合し
ただけでは、満足できる油性化粧料は得られなかった。
【0004】一方、フラクトオリゴ糖については、麦門
冬抽出糖類を、保湿剤として、皮膚又は頭髪用化粧料中
に配合することが報告されている(特開昭62−813
05号)が、固型ないし半固型状の油性化粧料に配合す
ることについての試みは全くなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、密
着感がありながら、塗膜に均一性があり、かつなめらか
なのびを有する固型ないし半固型状の油性化粧料を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、粉末状のフラクト
オリゴ糖を油性化粧料中に配合することにより、上記油
性化粧料の使用感、使用性の悪さが著しく改善されるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、30重量%以上の油
分及びフラクトオリゴ糖粉末を含有する固型ないし半固
型状の油性化粧料を提供するものである。
【0008】本発明において、油分としては、通常化粧
料に使用されているものであれば何れのものも使用で
き、例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、
キャンデリラワックス、ミツロウ、モクロウ、ゲイロ
ウ、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリ
マー、硬化ヒマシ油、ロジン酸ペンタエリトリット、ス
テアリン酸、ベヘニン酸、セチルアルコール、ステアリ
ルアルコール等の固体油;流動パラフィン、スクワラ
ン、ヒマシ油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン
酸イソプロピル、ラノリン、ワセリン、ポリブテン、オ
リーブ油、ホホバ油、マカデミア油、ミリスチン酸オク
チルドデシル、ジメチルポリシロキサン等の液体油もし
くは半固体油が挙げられる。これらの油分は、油性化粧
料全体の30〜99.9重量%配合される。
【0009】また、フラクトオリゴ糖はフルクトースを
主要構成糖とするオリゴ糖であって、例えばユリ科のジ
ャノヒゲまたはその同属植物の根、または根の膨大部を
乾燥した麦門冬から抽出した糖類や、キク科のダリア、
キクイモ、オグルマ等から得られるイヌリン等が挙げら
れ、その中でも分子量が300〜10,000の範囲の
ものが好ましい。
【0010】本発明において、フラクトオリゴ糖粉末
は、上記の如くして得られた抽出液をそのまま乾燥した
ものでも良いが、濾過、脱色等の処理を行ない、精製し
た後に乾燥したものが好ましい。粉末化されていないフ
ラクトオリゴ糖は、油性化粧料中に均一に分散させるこ
と難しく、分散できたとしても、化粧料中の水性成分が
多くなり、好ましい使用感が得られない。
【0011】本発明の油性化粧料への上記フラクトオリ
ゴ糖粉末の配合量は、油分100重量部に対して0.1
〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
0.1重量部より少ない場合には目的とする効果が得難
く、20重量部を超えて配合してもそれ以上の効果が得
られないばかりでなく、外観、使用性に悪影響を及ぼす
ため好ましくない。
【0012】本発明の油性化粧料には、上記必須成分の
他に、本発明の効果を損なわない範囲で、体質顔料、白
色顔料、着色顔料、有機粉末、パール剤、染料等の粉
体、界面活性剤、油性ゲル化剤、香料、防腐剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、美容成分等を適宜選択して配合す
ることができる。
【0013】本発明の油性化粧料としは、口紅、リップ
クリーム、コントロールカラー、油性ファンデーショ
ン、油性白粉等の固型ないし半固型状の製品が挙げら
れ、これらは上記成分から常法によって製造される。こ
こで、本発明に係るフラクトオリゴ糖粉末は、一般の粉
体成分と同様にして分散して配合すれば良い。
【0014】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。
【0015】実施例1〜6、比較例1〜6(口紅) 表1の組成の口紅を調製し、表1に示す評価項目につい
て評価した。 (製法) A.成分(1)〜(9)を加温溶解する。 B.Aに成分(10)〜(13)を分散する。 C.Bを充填後、冷却して製品とする。 (評価基準) ◎……非常に良い ○……良い △……普通〜やや悪い ×……悪い (結果) 結果は表1及び表2に示すとおりである。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表1及び表2に示す結果から明らかな如
く、比較例1の基本処方に対してフラクトオリゴ糖粉末
を配合した実施例1〜6は、いずれの評価項目について
も満足すべきものが得られ、使用感、使用性共に非常に
優れたものであった。これに対して、融点の低いワック
スを配合したり(比較例2)、ワックス量を少なくした
り(比較例5)した場合には、のびの軽さやつや等の良
さが出る反面、密着感や膜の均一性、化粧もちが悪くな
り、ペースト油剤を多量に配合したり(比較例3、
4)、ワックス量を多くしたり(比較例6)した場合に
は、密着感が高まり、化粧もちが向上する等の良さが出
る反面、のびが重い、つやが悪い、べたつきがあるとい
った悪さが生じ、満足すべき製品は得られなかった。
【0019】実施例7(油性ファンデーション) (処方) (重量部) (1)パラフィンワックス 3.5 (2)カルナウバワックス 2.5 (3)ジメチルポリシロキサン(6cs) 12.0 (4)イソプロピルミリステート 12.0 (5)ホホバ油 4.0 (6)デンプン脂肪酸エステル 1.7 (7)ショ糖パルミチン酸エステル 0.3 (8)有機粉末 6.0 (9)酸化チタン 20.0 (10)タルク 20.0 (11)マイカ 8.0 (12)雲母チタン 5.0 (13)着色顔料 5.0 (14)バクモンドウエキスパウダー* 1.0 *一丸ファルコス(株)社製 (製法) A.成分(1)〜(7)を加温溶解する。 B.Aに成分(8)〜(14)を分散する。 C.Bを充填後、冷却して製品とする。
【0020】実施例8(皿状口紅) (処方) (重量部) (1)マイクロクリスタリンワックス 8.0 (2)エチレンプロピレンコポリマー(融点90℃) 4.0 (3)ロジン酸ペンタエリトリット 10.0 (4)ラノリン 20.0 (5)ワセリン 5.0 (6)ホホバ油 10.0 (7)ヒマシ油 43.0 (8)酸化チタン 1.0 (9)着色顔料 4.0 (10)バクモンドウエキスパウダー* 1.0 *一丸ファルコス(株)社製 (製法) A.成分(1)〜(7)を加温溶解する。 B.Aに成分(8)〜(10)を分散する。 C.Bを充填後、冷却して製品とする。
【0021】実施例9(リップクリーム) (処方) (重量部) (1)マイクロクリスタリンワックス 9.0 (2)セレシン 11.0 (3)ラノリン 10.0 (4)イソプロピルミリステート 5.0 (5)ホホバ油 10.0 (6)ヒマシ油 30.0 (7)マカデミア油 15.0 (8)バクモンドウエキスパウダー* 1.0 *一丸ファルコス(株)社製 (製法) A.成分(1)〜(7)を加温溶解する。 B.Aに成分(8)を分散する。 C.Bを充填後、冷却して製品とする。
【0022】実施例10(コントロールカラー) (処方) (重量部) (1)カルナウバワックス 3.0 (2)キャンデリラワックス 2.0 (3)パラフィンワックス 4.0 (4)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0 (5)ショ糖パルミチン酸エステル 2.5 (6)スクワラン 15.0 (7)ホホバ油 5.0 (8)メチルフェニルポリシロキサン 5.0 (9)ヒマシ油 2.5 (10)ジメチルポリシロキサン(100cs) 1.0 (11)酸化チタン 30.0 (12)有機粉末 6.0 (13)マイカ 15.0 (14)着色顔料 7.0 (15)バクモンドウエキスパウダー* 2.0 *一丸ファルコス(株)社製(製法) A.成分(1)〜(10)を加温溶解する。 B.Aに成分(11)〜(15)を分散する。 C.Bを充填後、冷却して製品とする。
【0023】実施例11(油性アイシャドウ) (処方) (重量部) (1)ワセリン 2.0 (2)ショ糖パルミチン酸エステル 5.0 (3)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0 (4)パラフィンワックス 3.0 (5)キャンデリラワックス 1.0 (6)ジメチルポリシロキサン(20cs) 15.0 (7)スクワラン 19.5 (8)大豆リン脂質 0.5 (9)有機ベントナイト 0.2 (10)エチルアルコール 0.1 (11)流動パラフィン 1.8 (12)マイカ 20.0 (13)有機粉末 8.0 (14)雲母チタン 20.0 (15)着色顔料 2.0 (16)バクモンドウエキスパウダー* 1.0 *一丸ファルコス(株)社製 (製法) A.成分(1)〜(8)を加温溶解する。 B.Aに成分(9)、(11)〜(16)を分散する。 C.Bに成分(10)を加え、分散する。 D.Cを充填後、冷却して製品とする。
【0024】
【発明の効果】本発明の油性化粧料は、密着感がありな
がら、塗膜に均一性があり、かつ肌あたりがなめらかで
のびがよいという優れた効果を有すると共に、フラクト
オリゴ糖粉末による保湿効果及び製品の乾燥防止効果が
期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−197409(JP,A) 特開 昭62−81305(JP,A) 特開 昭60−190703(JP,A) 特開 昭61−280291(JP,A) 特開 昭63−287710(JP,A) 特表 平6−508832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30重量%以上の油分及びフラクトオリ
    ゴ糖粉末を含有する固型ないし半固型状の油性化粧料。
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