JP3241969U - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

Figure 0003241969000001
【課題】尿センサーを所望の位置に保持できるとともに、尿センサーを所望の位置に取り付けやすく、且つ該センサーを取り外しやすい吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品1は、肌対向面側に配される表面シート2と、非肌対向面側に配される裏面シート3と、両シート間に配される吸収体4とを備える。吸収性物品は、肌に最も近い側に位置するシートと吸収体との間に、尿センサーUの保持領域を有する。肌に最も近い側に位置するシートが表面シートであり、尿センサーを出し入れ可能な開口部1Pが前記表面シートに形成されていることも好適である。また、肌に最も近い側に位置するシートが、表面シートの肌対向面側に配された肌側保持シートであり、前記表面シートと肌側保持シートとの間に、尿センサーの保持領域を有することも好適である。
【選択図】図1

Description

本考案は、吸収性物品に関する。
近年、排泄物の検知センサーを用いて着用者の排泄の有無の検知や、排泄物の成分等を分析するおむつが提案されている。例えば特許文献1には、液体を透過する内面シートと、外面シートと、これらのシートとの間に配置される吸収体と、排泄物を検知する排泄検知素子とを備えるおむつが開示されている。このおむつは、排泄物を流すための凹部を前記内面シート側に有しており、排泄検知素子が該凹部に配置されることも同文献に開示されている。
特開2018-68321号公報
ところで、尿センサーなどの排泄検知センサーは、その目的に応じて、寸法や適切な配置が異なる。これらの尿センサーを特許文献1に記載のおむつに適用した場合、該センサーを適切な位置に取り付けることが困難となり、排泄の検知や排泄物の成分分析がうまく行えないことがあった。また、尿センサーは一般に高価であり、再利用することが通常の使用方法であるところ、特許文献1に記載のおむつではセンサーの取り付け及び取り外しが困難であり、センサーの再利用のための手間やコストが増大してしまう。
したがって、本考案は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品に関する。
本考案は、肌対向面側に配される表面シートと、非肌対向面側に配される裏面シートと、両シート間に配される吸収体とを備え、
肌に最も近い側に位置するシートと前記吸収体との間に、尿センサーを保持する保持領域を有する、吸収性物品を提供するものである。
本考案によれば、尿センサーを所望の位置に保持できるとともに、尿センサーを所望の位置に取り付けやすく、且つ該センサーを取り外しやすい吸収性物品が提供される。
図1(a)は、本考案の吸収性物品の一実施形態を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す吸収性物品のI-I線での断面図である。 図2(a)ないし(e)は、図1に示す吸収性物品に形成された開口部の形態を示す模式図である。 図3(a)は、本考案の吸収性物品の別の実施形態を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す吸収性物品のII-II線での断面図である。 図4(a)ないし(c)は、接合部列の形態を示す模式図である。 図5(a)は、本考案の吸収性物品の更に別の実施形態を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す吸収性物品のIII-III線での断面図である。 図6(a)ないし(c)は、本考案の吸収性物品における凹陥部の形態を示す断面図である。 図7(a)は、本考案の吸収性物品の更に別の実施形態を示す平面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す吸収性物品のIV-IV線での断面図である。
以下本考案を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本考案の吸収性物品の一実施形態である尿取りパッドが示されている。図1に示す吸収性物品1は、肌対向面側に配される表面シート2と、非肌対向面側に配される裏面シート3と、表面シート2と裏面シート3との間に配される液保持性の吸収体4とを備える。吸収性物品1は、裏面シート3の非肌対向面側に配され、吸収性物品1の外面を形成する外装体を備えていてもよい。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)に着目したときに、吸収性物品の着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、吸収性物品の着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。「着用時」は、吸収性物品の適正な着用位置が維持された状態を指す。
図1(a)に示すように、吸収性物品1は、着用者の前後方向に相当する方向であって、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる長手方向Xとこれに直交する幅方向Yとを有している。また吸収性物品1は、幅方向Yの中央部を通り且つ長手方向Xに延びる長手方向中央線に対して左右対称の形状を有している。また図1(b)に示すように、吸収性物品1は厚み方向Zを有する。
吸収性物品1は、その長手方向Xの中央部に、着用時に着用者の股間部に配される股下域1Cを有し、該股下域1Cを挟んで前方域1A及び後方域1Bを有している。股下域1Cは、吸収性物品1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有している。前方域1Aは、吸収性物品1の着用時に股下域1Cよりも着用者の腹側に配され、後方域1Bは、着用時に股下域1Cよりも着用者の背側に配される。前方域1A、後方域1B及び股下域1Cはそれぞれ、吸収性物品1をその長手方向Xにおける全長を三分して3つの領域に区分したときの各領域である。本実施形態の尿取りパッド1は、股下域1Cに、幅方向Yの内方に向けて括れた部分を有している。前方域1A及び後方域1Bは、該括れた部分よりも広い幅を有している。また、後方域1Bは、前方域1Aよりも広い幅を有している。
図1(a)に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆している。また、吸収体4の非肌対向面側に配された裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆している。表面シート2及び裏面シート3は、更に吸収体4の長手方向Xに沿う両側縁それぞれから幅方向Yの外方に延出する延出部をそれぞれ有している。表面シート2の延出部において、後述する防漏カフ7と公知の接合手段によって接合されている。公知の接合手段としては、例えば、接着剤、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等が挙げられる。
図1(a)及び(b)に示す吸収体4は、吸収性物品1の主たる吸液部位であり、平面視において吸収性物品1の形状と略相似の形状を有している。吸収体4は、図1(b)に示すように、尿等の体液を吸収保持可能な吸収性コア41と、該吸収性コア41の肌対向面及び非肌対向面に配されたコアラップシート42とを有している。本実施形態では、吸収性コア41が二枚のコアラップシート42,42の間に配された形態となっているが、この形態に限られず、吸収性コア41の各面を一枚のコアラップシート42で被覆していてもよく、また、吸収性コア41はコアラップシートで被覆されていなくてもよい。このような吸収体4は、例えば、目的とする吸収性物品1の平面視形状と略相似の形状を有する二枚のコアラップシート42,42の間に、目的とする吸収性物品1の平面視形状と略相似の形状を有する吸収性コア41を配したり、あるいは、一枚のコアラップシート42で吸収性コア41を被覆したあと、目的とする吸収性物品1の平面視形状と略相似の形状となるように厚み方向に切断することで得ることができる。
吸収性物品1の肌対向面における長手方向Xに沿う両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性のシートから構成された一対の防漏カフ7,7が設けられている。各防漏カフ7の自由端部の近傍には防漏カフ形成用弾性部材71が長手方向Xに伸長状態で一本以上配されている。防漏カフ7は、伸長状態で配された弾性部材71が収縮することによって少なくとも股下域1Cで起立し、それによって尿等の排泄物の幅方向Yの外方への流出を阻止する。
吸収性物品1の厚み方向について着目すると、吸収性物品1は、肌に最も近い側に位置するシートと、吸収体4との間に尿センサーUを保持可能になっている。図1(a)に示す実施形態では、表面シート2が、肌に最も近い側に位置するシートを構成している。尿センサーUの保持は、例えば肌に最も近い側に位置するシートと吸収体4との間の接合されていない領域を保持領域として、該領域に尿センサーUを挟持したり、あるいは後述するように、吸収性物品を構成する部材によって尿センサーUを保持可能な領域を形成して該領域に該センサーを配置したりする態様を包含する。本実施形態では、図1(b)に示すように、表面シート2と、吸収体4との間の接合されていない領域に尿センサーUを挟持できるようになっている。尿の検知及び分析を精度よく行う観点から、尿センサーUは、股下域1Cに少なくとも配されることが好ましい。
尿センサーUは、本考案の吸収性物品に保持可能である限り、尿の検知及び分析の対象、並びに配置位置及び寸法は特に限定されない。尿センサーUの検知対象としては、例えば尿の排泄の有無及び範囲等が挙げられる。また、尿センサーUの分析対象としては、尿中の成分が挙げられ、具体的には尿中の組成、含有成分及びその濃度が挙げられる。尿センサーUは、これらのうち一つ又は複数を検知及び分析するものであってよい。また、尿センサーUは、一個のセンサーを用いて一種以上の対象を検知及び分析してもよく、複数個のセンサーを用いて複数の対象を検知及び分析してもよい。分析対象となる尿中の組成及び含有成分としては、例えば水分、pH(水素イオン)、尿糖、尿タンパク、尿潜血、尿酸、クレアチン、クレアチニン、各種ホルモン類等が挙げられる。尿センサーUは、無線又は有線で他の機器と接続されて、測定データを他の機器へ送受信する機能を有していてもよい。
尿センサーUの寸法としては、その長さが好ましくは30mm以上、更に好ましくは50mm以上であり、また、好ましくは150mm以下、更に好ましくは100mm以下である。尿センサーUの幅は、好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、また、好ましくは50mm以下、更に好ましくは40mm以下である。尿センサーUの厚みは、好ましくは2mm以上であり、また、好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。尿センサーUの平面視の形状は、シート状、板状、円柱状、角柱状等であり得る。
図1(a)に示すように、肌に最も近い側に位置するシートが表面シート2である吸収性物品1は、尿センサーUを出し入れするための開口部1Pが表面シートに形成されていることが好ましい。本実施形態における開口部1Pは、尿センサーUを股下域1Cに配置可能な位置であって、且つ表面シート2を厚み方向Zに貫通するように形成されている。これによって、開口部1Pを介して、表面シート2と吸収体4との間に尿センサーUを取り付けて保持させたり、取り外したりできるようになっている。すなわち、開口部1Pは、尿センサーUを出し入れする出入り口となっている。開口部1Pは、同図に示すような切れ込みの態様であってもよく、平面視において開口部が視認可能な態様であってもよい。詳細には、図2(a)及び(b)に示すように、開口部1Pは、例えば一直線状、V字状の切れ込みや、図2(c)ないし(e)に示すように、円形状、三角形状、四角形状、半円状、半楕円状等の幾何学形状を有する開口とすることができる。その他の態様としては、例えば半円状、半楕円状の切れ込みとすることができる。このような構成を有していることによって、吸収性物品1への尿センサーUの取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
開口部1Pが一直線状の切れ込みである場合、該開口部1Pは、前方域1Aにおける吸収性物品の長手方向の端部と一致していてもよく、一致していなくてもよい。開口部1Pと前方域1Aにおける吸収性物品の長手方向の端部とが一致していない場合、開口部1Pは、前方域1Aにおける吸収性物品の長手方向の端部と開口部1Pとの間の距離D1(図1参照)が、好ましくは0mm超5mm未満となる位置に形成される。これに代えて、開口部1Pは、距離D1が好ましくは0mm超、より好ましくは5mm以上、更に好ましくは10mm以上となる位置に形成されていてもよい。
開口部1Pの幅方向Yの長さW1(図1参照)は、尿センサーUを出し入れ可能であれば特に制限されないが、好ましくは20mm以上、更に好ましくは30mm以上、また、好ましくは60mm以下、更に好ましくは50mm以下である。開口部1Pの幅方向Yの長さW1は、幅方向Yに沿う最大の長さとする。開口部1Pの幅方向Yにおける配置は、尿センサーUによる尿の検知及び分析を精度よく行う観点から、好ましくは吸収性物品1の幅方向中央域に形成される。
本考案の吸収性物品1によれば、尿センサーUを排泄部対向部などの適切な位置に取り付けやすいので、尿センサーUを配置する際のずれが生じにくく、尿の検知及び分析を首尾よく行うことができる。また、使用後に尿センサーUを吸収性物品から容易に取り外すことができるので、取り外しの手間やコストが低減される。特に、本実施形態によれば、肌に最も近い側に位置するシートに開口部が形成されていることによって、尿センサーUの取り付け及び取り外しが一層容易となる利点がある。
図3(a)及び(b)には、肌に最も近い側に位置するシートが表面シート2である場合における別の実施形態が示されている。図3(a)に示すように、吸収性物品1は、表面シート2が肌に最も近い側に位置するシートとなっており、表面シート2の非肌対向面側に非肌側保持シート8aが配されている。つまり、表面シート2と、表面シート2及び吸収体4の間に配された非肌側保持シート8aとの間に尿センサーの保持領域が形成され、尿センサーUを保持可能になっている。同図に示す非肌側保持シート8aは、平面視で矩形状のシートであり、吸収性物品1の長手方向Xと非肌側保持シート8aの長手方向とを一致させて、吸収性物品1の幅方向Yの中央域且つ長手方向Xの少なくとも股下域1Cに配されている。表面シート2には、吸収性物品1の厚み方向において非肌側保持シート8a又はその近傍に開口部1Pが形成されており、好ましくは非肌側保持シート8aと重なる位置に開口部1Pが形成されている。この開口部1Pを介して尿センサーUを出し入れ可能になっている。表面シート2における開口部1Pの近傍と非肌側保持シート8aとは、尿センサーUを出し入れ可能となるような幅が形成される位置で互いに接合されていることが、尿センサーUの取り付け及び取り外しを首尾よく行える点で好ましい。表面シート2と非肌側保持シート8aとの接合は、例えば後述する接合部列L1によって行うことができる。また、該接合部列L1間の幅方向の長さを適宜調整することによって、尿センサーUを出し入れ可能とすることができる。
非肌側保持シート8aの配置形態としては、表面シート2と平坦状の非肌側保持シート8aとが積層された状態で接合されて、表面シート2と非肌側保持シート8aとの間に尿センサーUを挟持してもよく、あるいは、図3(b)に示すように、非肌側保持シート8aの幅方向両端部が表面シート2側に折り曲げられた状態で表面シート2の非肌対向面に接合されて、後述する空間を形成してもよい。いずれの場合であっても、例えば後述する接合部列を形成して、容易に接合することができる。
これらのうち、図3(b)に示すように、非肌側保持シート8aの幅方向両端部が表面シート2側に折り曲げられた状態で表面シート2の非肌対向面に接合されることによって、表面シート2と非肌側保持シート8aとの間に形成されたセンサー保持部1Sに、尿センサーUが保持されていることが好ましい。詳細には、非肌側保持シート8aの幅方向両端部における表面シート2側に折り曲げられている部分が厚み方向Zに拡がるように変形することによって、センサー保持部1Sが表面シート2と非肌側保持シート8aとで画成された空間として形成され、該空間が尿センサーUの保持領域となる。このような構成を有していることによって、尿センサーUを保持可能な空間が広く形成されやすくなるので、尿センサーUの取り付け及び取り外しが更に容易になる。これに加えて、尿センサーUの取り付け時や、及び尿センサーUを取り付けた吸収性物品1を用いるときに、尿センサーUと厚み方向Zに重なる領域に位置する吸収体4の損傷などの不具合を低減させることができ、吸収性物品が有する排泄物の吸収性能を損ないにくくすることができる。また、尿センサーUが所定の位置に保持された状態を維持することができるので、尿センサーUの尿の検知分析機能を十分に発揮させることができる。
非肌側保持シート8aの長手方向の長さD2(図3(a)参照)は、好ましくは30mm以上、更に好ましくは50mm以上であり、また、好ましくは150mm以下、更に好ましくは100mm以下である。また、非肌側保持シート8aの幅方向の長さW2(図3(a)参照)は、好ましくは40mm以上、更に好ましくは50mm以上であり、また、好ましくは100mm以下、更に好ましくは90mm以下である。前方域1Aにおける吸収性物品1の長手方向端部と非肌側保持シート8aの長手方向端部との間の距離D3(図3(a)参照)は、好ましくは100mm以上、更に好ましくは120mm以上、また、好ましくは200mm以下、更に好ましくは180mm以下である。
図3(a)に示すように、吸収性物品1には、表面シート2と非肌側保持シート8aとを接合する一対の接合部列L1,L1が形成されていることが好ましい。同図に示す接合部列L1,L1のうち少なくとも一方は、吸収性物品1の幅方向中央部から距離を隔てて位置しており、吸収性物品1の長手方向Xにそれぞれ延びている。一方の接合部列L1から吸収性物品1の幅方向中央部までの幅方向における距離と、一方の接合部列L1から吸収性物品1の幅方向中央部までの幅方向における距離とはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。尿の検知及び分析を精度よく行う観点から、接合部列L1,L1はともに、吸収性物品1の幅方向中央部から距離を隔てて位置し、且つ吸収性物品1の長手方向Xに延びる中心線に対して対称に配置されていることが更に好ましい。各接合部列L1,L1間の領域は、表面シート2及び非肌側保持シート8aとともに、尿センサーUを保持可能な領域となっている。なお、表面シート2と非肌側保持シート8aとの接合は、接合部列L1以外の一箇所以上の部位で行われていてもよい。
図3(a)に示す吸収性物品では、各接合部列L1,L1の一端どうしを結ぶ曲線状の接合部が更に形成されており、全体としてU字状の接合部となっている。各接合部列L1,L1の他端又はその近傍には、開口部1Pが形成されている。これによって、吸収性物品1は、開口部1Pを介して尿センサーUを出し入れ可能になっているとともに、各接合部列L1,L1と、表面シート2及び非肌側保持シート8aとで画成された領域に尿センサーUを保持可能になっている。このような構成を有していることによって、尿センサーUの取り付け及び取り外しが容易になるとともに、着用者の動きに起因する尿センサーUのずれを防ぐことができ、その結果、尿の検知及び分析を精度よく行うことができる。
接合部列L1の配置形態としては、例えば図3(a)及び図4(a)ないし(c)に示す形態が挙げられる。詳細には、例えば図4(a)及び(b)に示す形態では、各接合部列L1,L1は、長手方向Xに沿って延びるように平行に配されているか、又は各接合部列L1,L1の間の幅方向の長さが吸収性物品1の長手方向Xの一端から他端に向けて漸次減少するように長手方向Xに延びて配されている。同図に示す形態では、各接合部列L1,L1の両端には接合部が形成されておらず、その一端に開口部1Pが設けられている。また、図3(a)及び図4(c)に示す形態では、各接合部列L1,L1が配され、且つ各接合部列L1,L1の一端どうしが曲線状に結ばれている。接合部列L1は、直線又は曲線であってもよい。あるいは、連続線でも破線等のような不連続線でもよく、例えば、不連続な多数の点エンボスのなす列や、接着剤等によって接合された列から構成されていてもよく、これらの組み合わせであってもよい。これに代えて、幅方向Yに延びるように配され、各接合部列L1,L1の一端どうしを直線状に結ぶ第2接合列が形成されていてもよい。また、接合部列に加えて、又はこれに代えて、他の接合手段が用いられてもよい。
接合部列L1の長手方向の長さD5(図3(a)及び図4(a)ないし(c)参照)は、好ましくは100mm以上、更に好ましくは120mm以上、また、好ましくは200mm以下、更に好ましくは180mm以下である。また、開口部1Pが位置する側における各接合部列L1の間の幅方向の長さW5(図4(a)ないし(c)参照)は、好ましくは20mm以上、更に好ましくは30mm以上、また、好ましくは60mm以下、更に好ましくは50mm以下である。
以上は、本考案の吸収性物品の一実施形態に関する説明であったところ、本考案の更に別の実施形態を、図5ないし図7を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態については、上述した実施形態と異なる点を中心に説明し、特に説明しない点については上述した各実施形態についての説明が適宜適用される。また、図5(a)及び(b)において、図1ないし図4と同じ部材には同じ符号を付してある。
図5(a)及び(b)には、尿センサーUを保持可能な構成を有する吸収性物品の別の実施形態が示されている。本実施形態では、上述した非肌側保持シート8aに代えて、図5(a)に示すように、表面シート2の肌対向面側に肌側保持シート8bが配されており、肌側保持シート8bが肌に最も近い側に位置するシートとなっている。つまり、本実施形態では、肌に最も近い側に位置する肌側保持シート8bと表面シート2との間に、尿センサーUを保持可能な保持領域が形成されている。肌側保持シート8bの配置形態は、表面シート2と平坦状の非肌側保持シート8aとが積層された状態で接合されて、表面シート2と肌側保持シート8bとの間に尿センサーUを挟持してもよく、あるいは、図5(b)に示すように、肌側保持シート8bの幅方向両端部が表面シート2側に折り曲げられた状態で表面シート2の肌対向面に接合されて、後述する空間を形成してもよい。
これらのうち、上述した図5(b)に示す形態によって、センサー保持部1Sが表面シート2と肌側保持シート8bとの間に空間として形成されていることが好ましい。詳細には、肌側保持シート8bの幅方向両端部における表面シート2側に折り曲げられている部分が厚み方向Zに拡がるように変形することによって、尿センサーUを保持可能な領域であるセンサー保持部1Sが表面シート2と肌側保持シート8bとの間に空間として形成されている。このような構成であっても、尿センサーUを所望の位置に取り付けやすく、且つ該センサーを取り外しやすいという本考案の効果は十分に奏される。特に、本実施形態によれば、センサー保持部1Sが吸収性物品1の肌対向面側に形成されているので、尿センサーUの取り付け時や、及び尿センサーUを取り付けた吸収性物品1を用いるときに、尿センサーUと厚み方向Zに重なる領域に位置する吸収体4の損傷などの不具合を更に低減させることができ、その結果、吸収性物品が有する排泄物の吸収性能を一層損ないにくくすることができる。また、吸収性物品1の使用時においても、尿センサーUが尿に接触しやすい位置に保持された状態を維持することができるので、尿センサーUの尿の検知分析機能を一層効果的に発揮させることができる。
図5(a)に示すように、吸収性物品1には、表面シート2と肌側保持シート8bとを接合する一対の接合部列L1,L1が形成されていることが好ましい。同図に示す各接合部列L1,L1のうち少なくとも一方は、吸収性物品の幅方向中央部から距離を隔てて位置しており、吸収性物品1の長手方向Xにそれぞれ延びている。一方の接合部列L1から吸収性物品1の幅方向中央部までの幅方向における距離と、一方の接合部列L1から吸収性物品1の幅方向中央部までの幅方向における距離とはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。尿の検知及び分析を精度よく行う観点から、接合部列L1,L1はともに、吸収性物品1の幅方向中央部から距離を隔てて位置し、且つ吸収性物品1の長手方向Xに延びる中心線に対して対称に配置されていることが更に好ましい。各接合部列L1,L1間の領域は、表面シート2及び肌側保持シート8bとともに、尿センサーUを保持可能な領域となっている。
図5(a)に示す吸収性物品1は、各接合部列L1,L1の一端どうしを結ぶ曲線状の接合部が形成されており、全体としてU字状の接合部を形成している。各接合部列L1,L1の他端又はその近傍には、開口部1Pが形成されている。これによって、開口部1Pを介して尿センサーUを出し入れ可能になっているとともに、各接合部列L1,L1と、表面シート2及び肌側保持シート8bとで画成された領域に尿センサーUを保持可能になっている。このような構成を有していることによって、尿センサーUの取り付け及び取り外しが容易になるとともに、着用者の動きに起因する尿センサーUのずれを防ぐことができ、その結果、尿の検知及び分析を精度よく行うことができる。
本実施形態において、肌側保持シート8bの長手方向の長さ、幅方向の長さ、及び前方域1Aにおける吸収性物品1の長手方向端部と肌側保持シート8bの長手方向端部との間の距離はそれぞれ、非肌側保持シート8aにおける長さD2、長さW2及び距離D4と同様の寸法とすることができる。また、肌側保持シート8b及び表面シートに形成された接合部列L1の形態は、図4に示す形態とすることができる。また、本実施形態において、接合部列L1の長手方向の長さ及び各接合部列L1の間の幅方向の長さはそれぞれ、長さD5及び長さW5と同様の寸法とすることができる。
次に、上述の各実施形態に共通して適用可能な事項について説明する。排泄された尿を尿センサーUに当接させて、尿の検知及び分析を素早く且つ精度よく行う観点から、肌に最も近い側に位置するシートには、吸収性物品1の厚み方向Zに貫通する開孔又はスリットが形成されていることが好ましい。また、開孔又はスリットは、尿センサーUを保持可能な領域と厚み方向において重なる領域に位置していることも好ましい。以下の説明では、開孔は、シートの自然状態で開口しているものを指し、スリットはシートの自然状態で実質的に開口していない貫通又は非貫通の切れ込みを指す。
例えば、図1ないし図3に示す実施形態では、肌に最も近い側に位置するシートである表面シート2に、開孔又はスリットが設けられていることが好ましい。開孔又はスリットは、尿センサーUを保持可能な領域と厚み方向において重なる領域に設けられている。図1(a)及び(b)に示す形態では、尿センサーUを表面シート2と吸収体4との間に挟持可能な領域が尿センサーUを保持可能な領域となる。また、図3(a)及び(b)に示す形態では、表面シート2と非肌側保持シート8aとの間に尿センサーUを挟持可能な領域、又はセンサー保持部1Sが尿センサーUを保持可能な領域となる。特に、図1(a)及び(b)並びに図3(a)及び(b)に示す形態では、尿の検知及び分析をより素早く且つ精度よく行う観点から、開孔又はスリットは、尿センサーUを保持可能な領域と厚み方向において重なる領域にのみ位置していることが更に好ましい。
また、図5(a)に示す実施形態では、肌に最も近い側に位置するシートである肌側保持シート8bに、厚み方向に貫通する開孔又はスリットが設けられていることが好ましい。同図に示す実施形態では、表面シート2と肌側保持シート8bとの間に尿センサーUを挟持可能な領域、又はセンサー保持部1Sが尿センサーUを保持可能な領域となる。
尿センサーUを出し入れしやすくするための空間を形成するとともに、尿センサーUの装着時のずれを効果的に防止して、尿の検知及び分析を精度よく行う観点から、図6(a)ないし(c)に示すように、吸収体4は、該吸収体4が裏面シート3側に向けて凹陥した凹陥部4Lを有していることが好ましい。凹陥部4Lは、その厚みが吸収体4における凹陥部4L以外の他の部位よりも相対的に薄くなっている部位であるか、又はその坪量が吸収体4における凹陥部4L以外の他の部位よりも相対的に低くなっている部位である。詳細には、凹陥部4Lは、図6(a)及び(b)に示すように、プレス等によって吸収体の厚みを薄くしたり、吸収性コア41の坪量を低くする等の構成によって、吸収性コア41の厚み若しくは坪量が他の部位よりも相対的に低い部位であるか、又は図6(c)に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア41が存在しない部位である。凹陥部4Lの凹陥の断面形状は特に限定されず、例えば断面視において直線状、曲線状又はこれらの組み合わせからなる稜線から形成することができる。
同様の観点から、凹陥部4Lは、尿センサーUを保持可能な領域と厚み方向Zにおいて重なる領域に位置していることも好ましい。図6(a)に示す形態では、肌に最も近い側に位置するシートである表面シート2と吸収体4との間に尿センサーUを保持可能な領域を有しており、該領域と、凹陥部4Lが形成された領域とが厚み方向Zにおいて重なっている。本形態では、凹陥部4Lが形成されていることによって、表面シート2と吸収体4との間には、尿センサーUを保持可能な領域であるセンサー保持部1Sが形成されている。
また、図6(b)及び(c)に示す形態では、肌に最も近い側に位置するシートである表面シート2と吸収体4との間に非肌側保持シート8aが配されており、非肌側保持シート8aと凹陥部4Lとが厚み方向に重なる位置に配置されている。これによって、尿センサーUを保持可能な領域であるセンサー保持部1Sが形成されている。本形態では、センサー保持部1Sと、凹陥部4Lが形成された領域とが厚み方向において重なっている。上述したいずれの形態であっても、凹陥部4Lは、吸収性物品1の幅方向Yの中央域且つ長手方向の股下域1Cに少なくとも設けられていることが好ましい。
図7(a)に示すように、吸収性コア41は、長手方向Xに沿って延び、且つ厚み方向Zに貫通又は非貫通の吸収体開口部4Sを有していることが好ましい。吸収性コア41に吸収体開口部4Sを備えることによって、吸収性物品1の着用時のフィット性を高めることができる。同図に示す吸収体開口部4Sは、吸収体4の幅方向Y中央部から距離を隔てて一対形成されており、吸収体4の長手方向Xにそれぞれ延びている。同図に示すように、吸収体4が凹陥部4Lを有する場合、各吸収体開口部4Sは、凹陥部4Lの幅方向Yの外方に位置していることが好ましい。本実施形態における吸収体開口部4Sは、吸収体4の自然状態で開口した溝又は空洞であってもよく、これに代えて、吸収体4の自然状態では実質的に開口していない貫通又は非貫通の切れ込みであってもよい。図7(b)に示す吸収体開口部4Sは、その幅方向Yの長さが、吸収体4の非肌対向面側から肌対向面側に向かうにつれて漸次減少した先細りの形状を有しているが、これに限られず、幅方向Yの長さが同一の形状となっていてもよい。
凹陥部4Lの幅方向Yにおける長さW9(図7(a)参照)は、好ましくは5mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、また、好ましくは50mm以下、更に好ましくは40mm以下である。また、凹陥部4Lの長手方向Xにおける長さD9(図7(a)参照)は、好ましくは5mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、またその上限は吸収体4の長手方向の全長以下であり、好ましくは50mm以下、更に好ましくは40mm以下である。
吸収体開口部4Sは、肌対向面側の開口幅が、好ましくは1.2mm以下、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。また、開口幅の下限値は、吸収体開口部4Sが切り込みで形成されていれば実質的に0mmであるが、0.01mm以上であってもよい。また、幅方向Yにおいて隣り合う吸収体開口部4S,4Sどうしの間隔は、凹陥部4Lを有する場合には、凹陥部4Lの幅W9よりも大きいことが好ましく、更に各保持シート8a,8bを有する場合には各保持シート8a,8bの幅W2よりも大きいことが好ましい。詳細には、幅方向Yにおいて隣り合う吸収体開口部4S,4Sどうしの間隔は、好ましくは20mm以上、より好ましくは40mm以上、そして、好ましくは100mm以下、より好ましくは70mm以下である。吸収体開口部4S,4Sどうしの間隔は、幅方向中央部に最も近い位置における稜線から測定したものとする。
上述したいずれの形態であっても、吸収性物品1における開口部1Pの近傍には、尿センサーUを設置する位置を判別するための判別部を備えていることが好ましい。判別部の態様としては、例えば、表面シート2又は各保持シート8a,8bの所定の位置に印刷を施したり、開口部1Pの近傍に凹凸形状を施したりして、視覚又は触覚により尿センサーUを設置する位置を認識可能な態様が挙げられる。このような構成を有していることによって、尿センサーUを所望の位置に取り付けることが容易になり、尿の検知及び分析の精度を高めることができる。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4、非肌側保持シート8a及び肌側保持シート8bを構成する部材は、吸収性物品に用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2、及び非肌側保持シート8a及び肌側保持シート8bを形成するためのシートとしては、液透過性のものであればよく、例えば液透過性の各種の不織布や、凹凸賦形された不織布、開孔を有する不織布、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3を形成するためのシートとしては、液難透過性のものであればよく、例えば樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。また、外装体や防漏カフ7を形成するためのシートとしては、例えば裏面シート3と同様のものをそれぞれ用いることができる。
吸収体4は、吸収性コア41を構成する部材として、木材パルプ、親水化処理された合成繊維等の親水性繊維の集合体や、該集合体に吸水性ポリマーを保持させたものを用いることができる。コアラップシート42は、液透過性のものを用いることができ、例えばティッシュペーパー等の薄紙、透水性の不織布、又は表面シート2と同様のものを用いることができる。
以上、本考案をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本考案は前記実施形態に制限されない。本考案の吸収性物品は、尿取りパッドを例にとり説明したが、この形態に限られず、例えば吸収パッド、軽失禁パッド、展開型使い捨ておむつ、パンツ型使い捨ておむつ等の吸収性コアを具備する物品に適用可能である。
また、上述した各実施形態の吸収性物品は、単層の吸収性コアを有するものとして説明したが、これに限られず、複層の吸収性コアを有するものであってもよい。複層の吸収性コアとしては、例えば下層吸収性コアと、該下層吸収性コアの肌対向面側に配された上層吸収性コアとを有する形態が挙げられる。この場合、凹陥部は、例えば下層吸収性コア及び上層吸収性コアのうち少なくとも一方、好ましくは上層吸収性コアに形成することができる。
1 吸収性物品(尿取りパッド)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
4L 凹陥部
8a 非肌側保持シート
8b 肌側保持シート
L1 接合部列
U 尿センサー
X 長手方向
Y 幅方向
Z 厚み方向

Claims (3)

  1. 肌対向面側に配される表面シートと、非肌対向面側に配される裏面シートと、両シート間に配される吸収体とを備え、
    肌に最も近い側に位置するシートと前記吸収体との間に、尿センサーを保持する保持領域を有し、
    前記肌に最も近い側に位置するシートが前記表面シートであり、
    前記尿センサーを出し入れするための開口部が前記表面シートに形成されており、
    前記表面シートと前記吸収体との間に非肌側保持シートを備え、
    前記表面シートと前記非肌側保持シートとの間に、前記保持領域を有し、
    前記表面シートと、前記非肌側保持シートとを接合する一対の接合部列が形成されており、
    前記接合部列は、前記吸収性物品の幅方向中央部から距離を隔てて位置し、且つ前記吸収性物品の長手方向に延びており、
    前記接合部列間の領域によって、前記保持領域が形成されている、吸収性物品。
  2. 前記肌に最も近い側に位置するシートに、前記吸収性物品の厚み方向に貫通する開孔又はスリットが形成されており、
    前記開孔又は前記スリットが、前記保持領域と厚み方向において重なる領域に位置している、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体は、該吸収体が前記裏面シート側に向けて凹陥した凹陥部を有しており、
    前記凹陥部は、前記保持領域と厚み方向において重なる領域に位置している、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
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