JP3241736B2 - 17q−連鎖乳癌および卵巣癌感受性遺伝子 - Google Patents

17q−連鎖乳癌および卵巣癌感受性遺伝子

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JP3241736B2 JP50750896A JP50750896A JP3241736B2 JP 3241736 B2 JP3241736 B2 JP 3241736B2 JP 50750896 A JP50750896 A JP 50750896A JP 50750896 A JP50750896 A JP 50750896A JP 3241736 B2 JP3241736 B2 JP 3241736B2
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【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、一般的にヒト遺伝学の分野に関する。詳細
には、本発明は、そのいくつかの突然変異対立遺伝子
が、癌、特に乳癌および卵巣癌に感受性を引き起こすヒ
ト乳癌および卵巣癌病気素因遺伝子(BRCA1)を単離
し、検出するのに用いる方法および材料に関する。より
詳細には、本発明は、BRCA1遺伝子における生殖細胞系
突然変異、ならびに乳癌および卵巣癌に対する病気素因
の診断におけるその使用に関する。本発明は、さらに、
ヒト乳癌および卵巣癌におけるBRCA1遺伝子における体
細胞突然変異、ならびにヒト乳癌および卵巣癌の診断お
よび予診におけるその使用に関する。加えて、本発明
は、他のヒト癌におけるBRCA1遺伝子の体細胞突然変
異、ならびにヒト癌の診断および予診におけるその使用
に関する。また、本発明は、遺伝子療法、蛋白質置換療
法および蛋白質ミメティックスを包含する、BRCA1遺伝
子中に突然変異を有するヒト癌の療法にも関する。本発
明は、さらに、癌療法用薬剤のスクリーニングにも関す
る。最後に、本発明は、乳癌および卵巣癌の病気素因の
診断に有用な、突然変異についてのBRCA1遺伝子のスク
リーニングに関する。
本発明の背景、および特に、実施に関するさらなる詳
細を提供する場合を明らかにするために本明細書中で用
いる刊行物および他の材料は、出典明示して本明細書の
一部とみなし、簡便のために、以下の明細書中の著者お
よび日付けによって示し、添付する参照リスト中に各々
グループ化する。
発明の背景 トランスフォーム状態の優性で正の多くの調節遺伝子
(オンコジーン)、ならびに劣性で負の多くの調節遺伝
子(腫瘍サプレッサー遺伝子)を包含する癌の遺伝学は
複雑である。百を超えるオンコジーンが特徴付けられて
いる。1ダースに満たない腫瘍サプレッサー遺伝子しか
同定されていないが、その数は50を超えて増加すると予
想される(Knudson,1993)。
そのように多数の遺伝子の関与は、細胞で作動して正
常組織の完全性を維持する増殖制御機構の複雑さを強調
している。この複雑性は他の方法で明白である。現在ま
で、単一の遺伝子がすべての、または大部分のヒト癌の
成長に関与していることが示されたことはない。最も普
遍的なオンコジーン突然変異はH−ras遺伝子に存在
し、全ての充実性腫瘍の10−15%に見出されている(An
dersonら,1992)。最も頻繁に突然変異する腫瘍サプレ
ッサー遺伝子は、全腫瘍のほぼ50%でホモ接合的に欠損
したTP53遺伝子、および検査した腫瘍細胞系統の46%で
ホモ接合的に欠損したCDKN2である(Kambら,1994)。す
べてのトランスフォーム細胞に共通する標的なしには、
癌細胞を破壊または復帰させる一方で害されていない正
常組織を残し得る「魔法の弾丸」の夢はありそうにな
い。特異的に標的化した抗癌剤の新たな創薬の望みは、
細胞分裂の制御において一般的な役割を演じている腫瘍
サプレッサー遺伝子またはオンコジーンを同定する能力
に支えられ得る。
クローン化され特徴付けられた腫瘍サプレッサー遺伝
子は、1)網膜芽細胞腫(RB1);2)Wilms腫瘍(WT1);
3)Li−Fraumeni症候群(TP53);4)家族性腺腫性茸腫
症(APC);5)神経線維腫症1型(NF1);6)神経線維腫
症2型(NF2);7)von Hippel−Lindau病(VHL);8)多
発性内分泌腺腫症2A型(MEN2A);および9)メラノー
マ(CDKN2)に対する感受性に影響する。
遺伝子的にマッピングされているが未だ単離されてい
ない腫瘍サプレッサー遺伝子座には:多発性内分泌腺腫
症1型(MEN1);リンチ癌家族性症候群2型(LCFS
2);神経芽細胞腫(NB);基底細胞母斑症候群(BCN
S);Beckwith−Wiedemann症候群(BWS);腎細胞腫(RC
C);結節性硬化症1型(TSC1);および結節性硬化症
2型(TSC2)に関する遺伝子が包含される。今日までに
特徴付けられている腫瘍サプレッサー遺伝子は、DNA結
合蛋白質(WT1)、補助転写因子(RB1)、GTPアーゼ活
性化蛋白質またはGAP(NF1)、細胞骨格因子(NF2)、
膜結合受容体キナーゼ(MEN2A)、細胞サイクル調節因
子(CDKN2)および公知の蛋白質に明白な同一性をなん
ら有しない他のもの(APCおよびVHL)を包含する、種々
のタイプの蛋白質と同類の産物をコードする。
多くの場合、遺伝的研究を通して元来同定された腫瘍
サプレッサー遺伝子は、ある腫の散発性腫瘍においては
欠失または突然変異していることが示されている。この
結果は、染色体異常の領域が、癌への遺伝的病気素因お
よび散発性癌の両方に関与する重要な腫瘍サプレッサー
遺伝子の位置を知り得ることを示している。
今日までに特徴付けられた数種の腫瘍サプレッサー遺
伝子の顕著な特徴の1つは、特定の腫瘍型においてそれ
が高率で欠失しているということである。該欠失には、
しばしば、単一対立遺伝子の欠失、いわゆるヘテロ接合
体の欠失(LOH)が含まれるが、また、両方の対立遺伝
子のホモ接合体欠失も含まれ得る。LOHに関しては、予
め存在する突然変異のためか、二次的散発性突然変異の
ためかのいずれかによって、残りの対立遺伝子が非機能
性になると予想される。
乳癌は、女性に影響する最も重要な疾病の1つであ
る。最近の比率では、米国女性は、95歳までに乳癌を発
症する1/8の危険度を有する(American Cancer Societ
y,1992)。後期ステージの乳癌の治療は、しばしば、無
駄で、かつ醜く、疾病の医療管理において早期の検出を
高い優先としている。乳癌よりもより頻繁ではないが、
卵巣癌はしばしば迅速に死に至り、米国女性における癌
致死率の第4番目の最も普遍的原因である。乳癌発症率
の疾病−規定比率に寄与する遺伝的因子は全ケースの約
5%と概算されるが、約25%のケースが40歳前に診断さ
れている(Clausら,1991)。乳癌は50歳付近の年齢−特
異的発症率曲線の変曲に基づき、2種のタイプ、すなわ
ち、低齢発症および高齢発症に分けられる。1つの遺伝
子、すなわちBRCA1の突然変異が家族性乳癌の約45%の
原因と考えられるが、乳癌および卵巣癌の両方を有する
家族の少なくとも80%の原因と考えられる(Eastonら,1
993)。
BRCA1遺伝子が1990年に最初にマッピングされてか
ら、それを単離する激しい努力がなされてきている(Ha
llら,1990;Narodら,1991)。第2の遺伝子座、BRCA2は
最近、染色体13qにマッピングされ(Woosterら,199
4)、BRCA1とほぼ同等な低齢−発症乳癌の比率と考えら
れるようであるが、卵巣癌の低い危険性に寄与してい
る。低齢−発症乳癌に対する残りの感受性は、家族性癌
の未だマッピングされていない遺伝子と、TP53のごとき
珍しい生殖細胞系突然変異との間に分けられる(Malkin
ら,1990)。また、血管拡張性失調症遺伝子のヘテロ接
合体キャリアーが、乳癌につき高危険性であることも示
唆されている(Swiftら,1976;Swiftら,1991)。高齢−
発症乳癌はしばしば家族性であるが、血縁における危険
度は低齢−発症乳癌ほど高くない(Cannon−Albright
ら,1994;Mettlinら,1990)。しかしながら、遺伝的感受
性によるかかるケースのパーセンテージは知られていな
い。
乳癌は、部分的に、家族性疾病であると長い間認識さ
れている(Anderson,1972)。膨大な数の研究者が遺伝
的受継の証拠を検査し、データは主要な感受性遺伝子座
または遺伝子座群の優性遺伝とほとんど一致すると結論
している(BishopおよびGardner,1980;Goら,1983;Willi
amsおよびAnderson,1984;Bishopら,1988;Newmanら,198
8;Clausら,1991)。最近の結果は、少なくとも3つの遺
伝子座が存在し、これらが乳癌ならびに他の癌に対する
感受性を運んでいることを証明している。これらの遺伝
子座は染色体17p上のTP53遺伝子座(Malkinら,1990)、
BRCA1として知られている17q−連鎖感受性遺伝子座(Ha
llら,1990)、および未マッピングの残りのものに寄与
する1または2以上の遺伝子座である。Hallら(1990)
は、低齢発症を有する家系において遺伝した乳癌感受性
が染色体17q21に連鎖していることを示したが;より適
当な遺伝的モデルを使用したこのグループによるつづく
研究は、低齢発症乳癌への限定を部分的に論駁された
(Margaritteら,1992)。
17q−連鎖乳癌病気素因遺伝子(BRCA1)をクローン化
する大部分の戦略は正確な遺伝的位置決定研究を要す
る。BRCA1の機能的な役割に関する最もシンプルなモデ
ルは、癌となる病気素因であるBRCA1の対立遺伝子が野
生型対立遺伝子に対して劣性であり;すなわち、少なく
とも1つの野生型BRCA1対立遺伝子を含む細胞は癌にか
からないことを支持している。しかしながら、1つの野
生型BRCA1対立遺伝子および1つの病気素因対立遺伝子
を含有する細胞は、ランダム突然変異によってか、また
は細胞分裂の間の染色体欠失(非染色体分離)によるか
のいずれかで野生型対立遺伝子の欠失にしばしば遭遇し
得る。かかる突然変異細胞の子孫はすべて、BRCA1の野
生型機能を欠いており、腫瘍に発展し得る。このモデル
によれば、BRCA1の病気素因対立遺伝子は劣性で、癌に
対する感受性を優性で受け継いでいても:1つの病気素因
対立遺伝子(および1つの野生型対立遺伝子)を有する
女性は癌を発症する危険性を有する。なぜならば、彼女
の乳房上皮細胞が、自然発生的に野生型BRCA1対立遺伝
子を欠失し得るからである。このモデルは、網膜芽細胞
腫遺伝子および神経芽細胞腫遺伝子を包含するクラスの
遺伝子、腫瘍サプレッサーまたは抗オンコジーンとして
知られている癌感受性対立遺伝子の群に適用する。推論
により、このモデルは、最近示されているごとく(Smit
hら,1992)、BRCA1機能を説明することもできる。
第2の可能性は、BRCA1病気素因対立遺伝子が実際に
優性であり;すなわち、BRCA1の野生型対立遺伝子は病
気素因対立遺伝子の腫瘍形成役割を克服し得ないという
ことである。したがって、野生型と突然変異対立遺伝子
との両方を運ぶ細胞は、悪性腫瘍細胞を生じる前にBRCA
1の野生型コピーを欠失しているとは限らない。その代
わりに、病気素因個人における乳房細胞は、癌に通じる
ある種の他の確率的変化(群)が起きているであろう。
BRCA1病気素因対立遺伝子が劣性である場合、該BRCA1
遺伝子は正常な乳房組織で発現するが、乳癌で機能的に
発現しないと予想される。それとは反対に、BRCA1病気
素因対立遺伝子が優性である場合、野生型BRCA1遺伝子
は正常な乳房組織で発現し得るか、またはし得ない。し
かしながら、該病気素因対立遺伝子は、乳癌細胞で発現
するようである。
BRCA1の17q連鎖は、乳癌と卵巣癌の両方を有する5人
の家系のうちの3人で独立して確認された(Narodら,19
91)。これらの研究は、連鎖したマーカーpCMM86(D17S
74)のいずれか側に対して15センチモルガン(cM)、ま
たは約15Mbpの非常に広範な領域の中に該遺伝子が位置
決定されると主張している。しかしながら、pCMMS6を取
り囲むマーカーを用いた遺伝的研究によって該領域をさ
らに画定する試行は首尾よくいかないことが証明され
た。つづく研究は、該遺伝子がかなり接近していて(Ea
stonら,1993)、元来の分析が欠陥であったことを示し
ている(Margaritteら,1992)。Hallら(1992)は、最
近、BRCA1遺伝子を、基部側のMfdl5(D17S250)および
末端側のヒトGIP遺伝子と境を接する約8cM(約8Mbp)の
間隔に位置決定した。公的に入手可能なデータに基づく
BRCA1対立遺伝子についてのわずかに狭い間隔は、1992
年3月の「染色体17研究会」(Fain,1992)で合意に達
した。これらの領域のサイズおよびそれと関連する不確
実性は、BRCA1遺伝子を単離する物理的マッピングおよ
び/またはクローニング戦略の設計および器具を過剰に
困難としている。
乳癌感受性対立遺伝子の同定により、感受性個人を早
期に検出することができ、癌に通じる初期工程を理解す
る我々の能力を大きく増すであろう。感受性対立遺伝子
は腫瘍が進展する間にしばしば変化するため、これらの
遺伝子のクローニングも、より良好な診断および予診産
物の開発、ならびにより良好な癌療法においても重要と
なり得る。
発明の概要 本発明は、一般的にヒト遺伝学の分野に関する。詳細
には、本発明は、癌、特に乳癌および卵巣癌に対する感
受性を生じるある種の対立遺伝子である、ヒト乳癌病気
素因遺伝子(BRCA1)を単離し、かつ検出するのに用い
る方法および材料に関する。より詳細には、本発明は、
BRCA1遺伝子における生殖細胞系突然変異、ならびに乳
癌および卵巣癌の病気素因の診断におけるその使用に関
する。本発明は、さらに、ヒト乳癌におけるBRCA1遺伝
子の体細胞突然変異、ならびにヒト乳癌および卵巣癌の
診断および予診におけるその使用に関する。加えて、本
発明は、他のヒト癌におけるBRCA1遺伝子の体細胞突然
変異、ならびにヒト癌の診断および予診におけるその使
用に関する。本発明は、また、遺伝子療法、蛋白質置換
療法および蛋白質ミメティックスを包含する、BRCA1遺
伝子に突然変異を有するヒト癌の療法に関する。本発明
は、さらに、癌療法用の薬剤のスクリーニングに関す
る。最後に、本発明は、突然変異についてのBRCA1遺伝
子のスクリーニングに関し、それは乳癌および卵巣癌の
病気素因を診断するのに有用である。
図面の簡単な説明 図1は、「染色体17研究会」によって決定されたBRCA
1近辺の遺伝子座の順序を示す図である。図1はFain,19
92から再現した。
図2は、Mfd15−Mfd188領域部分を画定するYACの模式
的地図である。
図3は、BRCA1領域中のSTS、P1およびBACの模式的地
図である。
図4は、ヒト染色体17の模式的地図である。BRCA1を
含む直接関係する領域は、2つの以前に同定された遺伝
子、CA125およびRNU2の相対的な位置を示すために拡大
されており、BRCA1はマーカーD17S855にわたって広がっ
ている。
図5は、Smith−Waterman配列に最もよく記録される
3つの他の亜鉛−フィンガードメインを有するBRCA1亜
鉛−フィンガードメインの配列を示している。RPT1は、
マウスにおいてIL−2受容体の負の調節因子であるよう
である蛋白質をコードしている。RIN1は、亜鉛−フィン
ガーに関連する環(RING)−フィンガーモチーフを含む
DNA−結合蛋白質をコードしている。RFP1は、RETオンコ
ジーン産物のN−末端ドメインである予想転写因子をコ
ードしている。下線部分は、亜鉛イオン結合ポケットを
形成するシステインおよび1つのヒスチジンの位置を示
すC3HC4共通亜鉛−フィンガー配列を含む。
図6は、別のスプライシングによって生成したイント
ロンの位置、およびBRCA1 mRNAの変形を示すBRCA1 mRNA
の図である。イントロン位置は▲によって示し、エキソ
ンはcDNAを表す線の下側に番号付けしている。最上段の
cDNAは、BRCA1のペプチド配列を作製するのに用いる組
成である。cDNAクローンまたはハイブリッド選抜クロー
ンとして同定した別の形態を下側に示す。
図7はBRCA1の組織発現パターンを示している。ブロ
ットはClontech社から得、それは示した組織からのRNA
を含む。ハイブリダイゼーション条件は製造業者によっ
て推奨されたもので、BRCA1のヌクレオチド位3631〜393
0よりなるプローブを使用している。乳房および卵巣の
両方がヘテロ接合体組織であり、関連する上皮細胞のパ
ーセンテージが変動し得ることは注記しておく。分子量
マーカーはkbである。
図8は、別のスプライシングによって生成したイント
ロンの位置およびBRCA1 mRNAの変形を示すBRCA1の5′
非翻訳領域+翻訳領域の開始点の図である。イントロン
の位置を破線で示す。6つの別のスプライシング形態を
示す。
図9AはKindred2082におけるナンセンス突然変異を示
している。Pとは、元来スクリーニングした個人を示
し、bおよびcはハロタイプキャリアーで、a、d、
e、fおよびgはBRCA1ハロタイプを運んでいない。C
からTへの突然変異は終止コドンを生じ、制限酵素Avr
IIの部位を生成する。PCR増幅産物はこの酵素で切断さ
れる。キャリアーは、該部位についてヘテロ接合体であ
り、それ故、3つのバンドを示す。非−キャリアーは切
断されないまま残る。
図9BはBRCA1家系における突然変異および共分離分析
を示している。キャリアー個人は家系図中の●および■
として示す。Kindred1910におけるフレームシフト突然
変異。最初の3レーンは対照、非キャリアー試料であ
る。1−3で標識したレーンはキャリアー個人からの配
列を含む。レーン4には、BRCA1突然変異を運んでいな
い家系構成員からのDNAが含まれる。菱形を用いて家系
の同定を防いでいる。さらなるCから生じたフレームシ
フトは1、2および3で標識したレーンで明らかであ
る。
図9CはBRCA1家系における突然変異および共分離分析
を示している。キャリアー個人は、家系図中の●および
■として示す。推論する調節突然変異がKindred2035に
ある。2つの異なる多形(PM1およびPM7)のキャリアー
および非キャリアーのASO分析を生殖細胞系におけるヘ
テロ接合性について検査し、リンパ球mRNAのヘテロ接合
性と比較した。各パネルの最上段の2列はゲノムDNAか
ら増幅したPCR産物を含み、下の2列はcDNAから増幅し
たPCR産物を含んでいる。「A」および「G」はASOによ
って検出した2つの対立遺伝子である。暗いスポット
は、特定の対立遺伝子が試料中に存在することを示して
いる。PM7の最初の3レーンは、一般集団の3種の遺伝
子型を表している。
図10A−10Hは、BRCA1のゲノム配列を示している。よ
り下のケースの文字はイントロン配列を示す一方、より
上のケースの文字はエキソン配列を示す。イントロン内
の不明瞭な間隔は、vvvvvvvvvvvvvvで示した。知られて
いる多形部位は下線および肉付太字タイプとして示す。
発明の詳細な説明 本発明は、一般的にヒト遺伝学の分野に関する。詳細
には、本発明は、癌、特に乳癌および卵巣癌に対して感
受性を生じるある種の対立遺伝子である、ヒト乳癌病気
素因遺伝子(BRCA1)を単離し、かつ検出するのに用い
る方法および材料に関する。より詳細には、本発明は、
BRCA1遺伝子における生殖細胞系突然変異、ならびに乳
癌および卵巣癌の病気素因の診断におけるその使用に関
する。本発明は、さらに、ヒト乳癌におけるBRCA1遺伝
子における体細胞突然変異、ならびにヒト乳癌および卵
巣癌の診断および予診におけるその使用に関する。加え
て、本発明は、他のヒト癌におけるBRCA1遺伝子中の体
細胞突然変異、ならびにヒト癌の診断および予診におけ
るその使用に関する。また、本発明は、遺伝子療法、蛋
白質置換療法および蛋白質ミメティックスを包含する、
BRCA1遺伝子中に突然変異を有するヒト癌の療法に関す
る。本発明は、さらに癌治療用の薬剤のスクリーニング
に関する。最後に、本発明は、突然変異についてのBRCA
1遺伝子のスクリーニングに関し、それは乳癌および卵
巣癌の病気素因を診断するのに有用である。
本発明は、好ましくは少なくとも8塩基長〜約100kb
長の、BRCA1遺伝子座または突然変異BRCA1遺伝子座の全
体または一部分よりなる単離ポリヌクレオチドを提供す
る。かかるポリヌクレオチドはアンチセンス・ポリヌク
レオチドとし得る。本発明は、また、かかる単離ポリヌ
クレオチドよりなる組換え構築物、例えば、形質転換宿
主細胞における発現に適した組換え構築物を提供する。
また、本発明により、分析物中のBRCA1遺伝子座また
はその発現産物の一部分を含むポリヌクレオチドを検出
する方法を提供する。かかる方法は、さらに、BRCA1遺
伝子座の一部分を増幅する工程を含んでよく、さらに、
BRCA1遺伝子座の該一部分を増幅するためのプライマー
である1セットのポリヌクレオチドを提供する工程を含
んでよい。該方法は、癌に対する病気素因の診断、また
は癌の診断もしくは予診のいずれかに有用である。
本発明は、また、BRCA1遺伝子座によってコードされ
る少なくとも5個のアミノ酸残基よりなる単離ポリペプ
チドに特異的に結合する単離抗体、好ましくはモノクロ
ーナル抗体も提供する。
本発明は、また、BRCA1遺伝子座の一部分よりなるポ
リヌクレオチドを分析物中で検出するためのキットを提
供し、該キットは適当な容器中に密閉したBRCA1遺伝子
座の一部分に相補的なポリヌクレオチドおよびそれを使
用するための指示書を含む。
本発明は、さらに、重合性ヌクレオチドを含むポリヌ
クレオチドを調製し、BRCA1遺伝子座の少なくとも8つ
の隣接したヌクレオチドよりなる配列を得る方法;なら
びに、重合性アミノ酸を含むポリペプチドを調製して、
BRCA1遺伝子座内にコードされる少なくとも5個のアミ
ノ酸を含む配列を得る方法を提供する。
本発明は、さらに、突然変異を同定するためにBRCA1
遺伝子をスクリーニングする方法を提供する。かかる方
法は、さらに、BRCA1遺伝子座の一部分を増幅する工程
をさらに含み得、かつ、BRCA1遺伝子算の該一部分を増
幅するためのプライマーである1セットのポリヌクレオ
チドを提供する工程を含み得る。該方法は、癌に対する
病気素因の診断または癌の診断もしくは予診のいずれか
で使用する突然変異の同定に有用である。
本発明は、さらに、BRCA1遺伝子中の突然変異を同定
するための予想BRCA1突然変異対立遺伝子をスクリーニ
ングする方法を提供する。
加えて、本発明は、BRCA1遺伝子産物機能を回復する
のに適当な薬剤を同定するために、癌療法用の薬剤をス
クリーニングする方法を提供する。
最後に、本発明は、癌細胞に指向する遺伝子−ベース
の療法の作成に必要な手段を提供する。これらの療法剤
は、BRCA1蛋白質の機能が再構成されるように適当なベ
クターに設置するか、または、より直接的な方法で標的
細胞にデリバリーするかのBRCA1遺伝子座の全体または
一部分を含むポリヌクレオチドの形態を採り得る。療法
剤は、また、BRCA1の部分的または全体的な蛋白質配列
のいずれかに基づいたポリペプチドの形態も採り得る。
これらは、イン・ビボ(in vivo)でBRCA1の活性を機能
的に置換し得る。
個人が乳癌および卵巣癌に対する病気素因を作るBRCA
1遺伝子は、BRCA1蛋白質をコードする遺伝子であり、こ
の蛋白質が、公知の蛋白質またはDNA配列となんら意味
深い相同性を有しないことが判明したことは本発明の知
見である。この遺伝子は、本明細書中でBRCA1と命名す
る。生殖細胞系におけるBRCA1遺伝子座中の突然変異
が、乳癌および卵巣癌に対する病気素因の指標になると
いうことは本発明の知見である。最後に、BRCA1遺伝子
座における体細胞突然変異も、乳癌、卵巣癌および他の
癌と関連しており、このことが、これらの癌の指標、ま
たはこれらの癌の病気素因を表していることが本発明の
知見である。BRCA1遺伝子座の突然変異事象には、コー
ド配列および非−コード配列内における欠失、挿入およ
び点突然変異が含まれ得る。
ヒトゲノムのヒト染色体17の長腕上の領域から開始す
る17qは、約8Mbpと概算されるサイズ、遺伝子座を含む
領域、BRCA1を有し、乳癌および卵巣癌を含む癌に対し
て感受性を引き起こすことが突き止められている。
BRCA1遺伝子座を含む領域は、種々の遺伝的技術を用
いて同定した。遺伝子マッピング技術は、遺伝子マーカ
ーでの組換えによりBRCA1領域を最初に画定した。多重
ケースの乳癌(およびある家系では卵巣癌ケース)を有
する大きく広がった家族(「家系」)の研究に基づい
て、BRCA1遺伝子ならびにBRCA1遺伝子座中の他の予想感
受性対立遺伝子を含む染色体領域の正確な位置を示し
た。2つの分裂中止点が、遺伝子マーカーと該疾病との
間の組換体として、およびBRCA1遺伝子座の基部側の1
つの組換体として発現されるBRCA1遺伝子座の末端側に
発見された。したがって、BRCA1遺伝子座を含む領域は
これらのマーカーと物理的に境を接する。
本発明により提供される遺伝子マーカーの使用は、ヒ
ト酵母人工染色体(YAC)またはヒト細菌人工染色体(B
AC)ライブラリーからの領域をカバーするクローンの同
定を許容する。また、この領域からのより簡便に操作し
たコスミド、P1およびBACクローンの同定および調製、
ならびにサブセットのクローンからのコンチグ(conti
g)の構築も許容する。これらのコスミド、P1、YACおよ
びBACは、BRCA1遺伝子座のクローニングの基礎を提供
し、例えば、乳癌および/または卵巣癌の診断および治
療に有効な試薬を開発する基礎を提供する。BRCA1遺伝
子および他の可能性のある感受性遺伝子はこの領域から
単離した。単離は、cDNAライブラリーをスクリーニング
する領域において、コスミド、P1およびBACからの全体
または部分的cDNAインサートと共に、ソフトウェア・ト
ラッピング(連続的または非連続的ゲノムDNA配列か
ら、コードエキソンを含んでいそうな配列を同定するコ
ンピュータ的方法)、ハイブリッド選抜技術および直接
的スクリーニングを用いて行った。これらの方法を用い
て、乳房および他の組織中に発現される遺伝子座の配列
を得た。これらの候補遺伝子座を分析して、癌感受性を
供する配列を同定した。本発明者らは、BRCA1として知
られている17q−連鎖癌感受性の原因となる家系におい
て、BRCA1遺伝子座のコード配列中に突然変異が存在す
ることを発見した。この遺伝子がこの領域中に存在する
ことは知られていなかった。本発明は、特定の癌の早期
検出を容易にして患者の生存に活力を与えるのみなら
ず、感受性の個人が癌を発症する前に彼らを検出するこ
ともできる。
母集団−源 広くよく記録されているユタ州の家系は、ヒト遺伝学
研究の良好な入手源を提供する点において特に重要であ
る。各大きな家系は、独立して、BRCA1感受性対立遺伝
子がその家族中で分離しているか否かを決定する能力を
提供する。BRCA1遺伝子座の位置決定および単離に関す
る組換え情報性は、感受性対立遺伝子の存在を確認する
のに十分に大きな家系からのみ得ることができた。大き
な兄弟姉妹は乳癌を研究する上で特に重要である。なぜ
ならば、BRCA1感受性対立遺伝子の浸透度が年齢および
性別の両方によって減じられ、情報的兄弟姉妹を発見す
ることを困難としているためである。さらに、大きな兄
弟姉妹はその接近した血縁のハロタイプからの影響によ
って、死亡した個人のハロタイプを構築するのに必須で
ある。
他の母集団も有益な情報を提供し得るが、かかる研究
には一般的により大きな努力を要し、家族は通常遥かに
小さく、それ故、あまり情報を得ることができない。ユ
タ州の年齢を調整した乳癌発症率は20%で、平均米国の
比率よりも低い。ユタ州における低い発症率は、恐ら
く、大部分は、最初の妊娠の低年齢によるもので、遺伝
的病気素因を運ぶユタ州の家系にそのケースが見出され
る確率は上昇する。
遺伝子マッピング 情報的な家族の組が与えられれば、疾病を染色体の領
域に連鎖するために遺伝マーカーは必須である。かかる
マーカーには、制限断片長多形(RELP)(Botsteinら,1
980)、変動する数の縦列反復を有するマーカー(VNT
R)(Jeffreysら,1985;Nakamuraら,1987)、および短縦
列反復(STR)、特にCpAの反復(WeberおよびMay,1989;
Littら,1989)に基づく豊富なクラスのDNA多形が含まれ
る。遺伝子地図を作製するためには、潜在的な遺伝子マ
ーカーを選抜し、研究する家系構成員から抽出したDNA
を用いてそれらを試験する。
疾病と関連する遺伝子座を探索するのに有用な遺伝子
マーカーは、特異的染色体を稠密にカバーするか、染色
体の特異的領域の詳細な分析による特にこの問題に基づ
いて選抜し得る。疾病と連鎖する遺伝マーカーを選抜す
る好ましい方法には、家系の情報性の程度を評価して所
与の程度の多形の遺伝子マーカーの間の理想的な距離を
決定し、ついで、最大の効率で理想的に離れた公知の遺
伝子地図からマーカーを選抜することが含まれる。家系
の情報性は、該マーカーが無関係な個人においてヘテロ
接合体である確率によって測定する。また、PCRを用い
た標的核酸配列の増幅によって検出したSTRマーカーを
用いることが最も効率的であり;かかるマーカーは非常
に情報性が高く、アッセイし易く(WeberおよびMay,198
9)、複合戦略を用いて同時にアッセイし得(Skolnick
およびWallace,1988)、要する実験数を顕著に低減し得
る。
連鎖性が確立されたら、疾病遺伝子座に隣接するマー
カー、すなわち、該疾病遺伝子座に近い1または2以上
のマーカー、および該疾病遺伝子座に対し基部側の1ま
たは2以上のマーカーを見付ける必要がある。可能なら
ば、公知の遺伝子地図から候補マーカーを選抜し得る。
知られているものがない場合には、実施例で示すSTR技
術によって新たなマーカーを同定し得る。
遺伝子マッピングは通常は反復的工程である。本発明
においては、BRCA1遺伝子座の周りの隣接遺伝子マーカ
ーを画定し、ついで、これらの隣接マーカーをBRCA1遺
伝子座に首尾よく近い他のマーカーに置き換えることに
よってそれを開始する。最初の工程、組換え事象では、
広範な家系によって画定して、特異的な遺伝子マーカー
から離れているか近いかとして、BRCA1遺伝子座を特異
的に位置決定することを補助する(Goldgarら,1994)。
本発明が開示されるまでは、BRCA1を囲む領域はよく
マッピングされておらず、マーカーもほとんどなかっ
た。したがって、物理的にマッピングされたYACからサ
ブクローン化したコスミド上の短い反復配列を分析し
て、新たな遺伝子マーカーを開発した。このアプローチ
を用いて、本発明の1つのマーカー、42D6が発見され、
これは、BRCA1領域用の末端側隣接マーカーとしてpCMM8
6で置換した。42D6はpCMM86からほぼ14cMに存在するた
め、それ故、BRCA1領域はほぼ14センチモルガン分減少
された(Eastonら,1993)。かくして、本発明は、BRCA1
領域のより接近して連鎖した末端側隣接マーカーを見出
すことによって開始した。ついで、BRCA1は、遺伝子マ
ーカーMfdl5に対して末端側に存在することを発見し
た。したがって、BRCA1は、Mfdl5および42D6と境を接す
る6Mbp〜10Mbpの領域に存在することが示された。つづ
いて、マーカーMfdl9lはMfdl5から末端側であって、BRC
A1から基部側にあることを発見した。かくして、Mdfl5
を、最も基部側の遺伝子マーカーとしてMfdl9lで置換し
た。同様にして、遺伝子マーカーMfdl88は、BRCA1遺伝
子座を含む領域をほぼ1.5Mbまで狭める、遺伝子マーカ
ー42D6を置換し得ることを発見した。ついで、当該分野
で知られており、かつ本明細書に記載した技術を用い
て、マーカーMfdl9lを基部側マーカーとしてのtdj1474
で置換し、Mfdl88を末端側マーカーとしてのU58で置き
換えて、BRCA1遺伝子座を単離し、特徴付けを得るに十
分に小さい領域までBRCA1領域を狭めた(図3参照)。
物理的マッピング 3つの異なる方法を用いて該領域を物理的にマッピン
グした。第一のものは、tdj1474およびU5Rによって隣接
して挟まれた領域をクローン化するための酵母人工染色
体(YAC)の使用であった。第二のものは、BRCA1遺伝子
座を含む領域をカバーするP1、BACおよびコスミドクロ
ーンのセットの作製であった。
酵母人工染色体(YAC) BRCA1遺伝子座を含む十分に小
さな領域を同定したら、該領域をカバーする重複YACの
セットを同定することによって、該領域中のDNAの物理
的単離を続行した。有用なYACは、各々、広範に分布
し、ほぼ50,000のYACを含むSt.LouisおよびCEPH YACラ
イブラリーのごとき公知のライブラリーから単離し得
る。YACをこれらの公的にアクセス可能なライブラリー
から単離し、Michigan Genome Centerを含む多数の供給
源から得ることができる。明らかに、これらのYACにア
クセスしたものは、本発明を開示することなしに、本発
明者らが選択した特異的YACの価値を理解しなかったで
あろう。なぜならば、彼らは、BRCA1遺伝子座を含む最
小の領域の中にどのYACが存在し、どのYACがその外側に
存在するかということを理解しなかったであろうからで
ある。
コスミド、P1およびBACクローン 本発明においては、
コスミド、P1およびBACクローンにより続行してこの領
域をカバーすることが有利である。YACインサートと比
較してより小さなサイズのこれらのインサートは、特異
的ハイブリダイゼーションプローブとしてそれをより有
用としている。さらに、酵母細胞よりもむしろ細菌細胞
中にクローン化DNAを有していれば、目的のDNAを操作し
得る簡便性が大きく上昇し、ハイブリダイゼーション・
アッセイのノイズに対する信号の比が改善される。YAC
のコスミドサブクローンについては、該DNAを制限酵素S
au3Aで部分消化し、pWE15コスミドベクター(Stratagen
e社,カタログ番号1251201)のBamH I部位にクローン化
する。ヒト配列を含むコスミドは、実施例に詳記するご
とく、ヒト反復DNA(例えば、Gibco/BRL社、ヒトC0t−1
kDNA、カタログ番号5279A)とのハイブリダイゼーショ
ンによってスクリーニングし、ついで、種々の技術によ
ってフィンガープリンティングする。
P1およびBACクローンは、前記のごとく単離した、YA
C、コスミドまたはP1およびBAC由来の特異配列標識部位
(STS)で全ヒトゲノムから構築したライブラリーをス
クリーニングすることによって得る。
これらのP1、BACおよびコスミドクローンは、散在反
復配列(IRS)PCRおよび/または制限酵素消化につづく
ゲル電気泳動、および得られたDNAフラグメントの比較
(フィンガープリント)(Maniatisら,1982)によって
比較し得る。該クローンは、また、STSの存在によって
も特徴付け得る。該フィンガープリントを用いて、該領
域をカバーするが冗長すぎないクローンの重複隣接セッ
ト(本明細書においては、「最小限タイル路(minimum
tiling path)という」)を画定する。かかる最小限タ
イル路は、つづく実験の基礎を形成し、BRCA1遺伝子座
由来となり得るcDNAを同定する。
P1およびBACクローンでのギャップの適用範囲 ゲノミ
ッククローンを有する同定コスミド間のBRCA1コンチグ
(contig)中のいずれのギャップもカバーするために、
P1用のコスミドよりもほぼ2倍大きく、BACについては
なおより大きなゲノミックDNAのインサートを含むBACベ
クターとP1中のクローン(Sternberg,1990;Sternberg
ら,1990;Pierceら,1992;Shizuyaら,1992)とを用いた。
P1クローンは、スクリーニング用に本発明らによって提
供されるPCRプライマーを用いてGenome Sciences社によ
って単離した。BACは、Dr.Mel Simon's laboratoryにお
けるハイブリダイゼーション技術によって得た。P1クロ
ーンを用いる戦略により、YAC由来でないクローンの独
立セットでゲノム領域をカバーすることも許容される。
これは、検出されていないYAC中の他の欠失の可能性に
対して保護する。P1クローン由来のこれらの新たな配列
は、以下に記載するごとく、候補遺伝子をさらにスクリ
ーニングするための材料を提供する。
遺伝子単離 単離しようと試行する遺伝子座のコード配列の候補と
なりそうな配列の存在につきゲノミッククローンを試験
する多くの技術が存在し、これには、限定するものでは
ないが: a.ズー・ブロット(zoo blot) b.HTF・アイランド(island)の同定 c.エキソントラッピング d.コスミドまたはYACへのcDNAのハイブリダイゼーショ
ン e.cDNAライブラリーのスクリーニング が含まれる。
(a)ズー・ブロット 第一の技術はコスミドをサザン
ブロットにハイブリダイズさせて進化の過程で保存さ
れ、従って、ヒトに対し種々の程度の関係を有する種
(サル、ウシ、ニワトリ、ブタ、マウスおよびラットの
ごとき)からのDNAと陽性のハイブリダイゼーション信
号を与えるDNA配列を同定する。種々の種からのかかるD
NAを含むサザンブロットは市販されている(Clonetech
社,カタログ番号7753−1)。
(b)HTFアイランドの同定 第二の技術には、ヌクレ
オチドCおよびGに富む領域を見出すことが含まれ、こ
の領域はしばしばコード配列の付近またはその中に生じ
る。かかる配列は、これらの領域において頻繁に切断さ
れるCpG二量体を含む部位に特異的な制限酵素として、H
TF(Hpa I小フラグメント)またはCpGアイランドと呼称
される(Lindsayら,1987)。
(c)エキソントラッピング 第三の技術は、スプライ
ス結合部を含有し、したがって遺伝子のコード配列を含
んでいそうなゲノミックDNA中の配列を同定する方法、
エキソントラッピングである。エキソン増幅(Buckler
ら,1991)を用いて、前記したDNAクローンからエキソン
を選抜し、増幅する。エキソン増幅は、機能性5′およ
び/または3′スプライス部位によって隣接して挟まれ
たRNA配列の選抜に基づいている。さらなる研究用の処
理可能な数の候補遺伝子を同定するために、エキソン増
幅の産物を用いて乳癌cDNAライブラリーをスクリーニン
グする。エキソントラッピングは、コンピュータプログ
ラムを用いた配列決定DNAの小セグメントで、またはソ
フトウェア捕捉によっても行い得る。
(d)コスミド、P1、BACまたはYACに対してハイブリダ
イズするcDNA 第四の技術は、コスミド、P1、BACまた
はYACに対するcDNAのハイブリダイゼーションを利用
し、転写された配列がクローン化ゲノムDNA中に同定さ
れ、かつ、それから回収されるのを可能とする選択的富
化技術の修飾法である(Kandpalら,1990)。本目的に修
飾した選択的富化技術には、YAC中に存在するBRCA1の領
域からのDNAをカラムマトリックスに結合させ、ついで
該結合DNAとハイブリダイズする適当なライブラリーか
らcDNAを選抜し、つづいて該結合DNAを増幅させて精製
することが含まれ、クローン化ゲノムDNAによって代表
される領域中のcDNAが非常に増大される。
(e)cDNAの同定 第五の技術は、BRCA1遺伝子座に対
応するcDNAを同定することである。前記した技術のいず
れかを用いて選抜した、予想コード配列を含むハイブリ
ダイゼーション・プローブを用いて、乳房組織cDNAライ
ブラリー、卵巣cDNAライブラリーおよびいずれかの他の
必要なライブラリーを包含する種々のライブラリーをス
クリーニングする。
また、主題のcDNAの直接的選抜の他の変形を用いて
も、BRCA1の候補遺伝子を見い出した(Lovettら,1991;F
utreal,1993)。この方法は、コスミド、P1またはBAC D
NAをプローブとして用いる。プローブDNAは、Hae IIIの
ごとき平滑切断制限酵素で消化する。ついで、二本鎖ア
ダプターを該DNAに連結し、これはビオチン化プライマ
ーを用いる続くPCR増幅反応においてプライマーの結合
部位として作用する。標的cDNAは、第一鎖のランダム起
点合成またはオリゴ(dT)起点合成のいずれかの合成に
つづく第二鎖合成によって、組織試料、例えば、乳房組
織由来のmRNAから作製する。cDNA末端を平滑にし、二本
鎖アダプターに連結する。これらのアダプターは、PCR
用の増幅部位として作用する。標的およびプローブ配列
を変性させ、ヒトC0t−1DNAと混合して反復配列を遮断
する。溶液ハイブリダイゼーションを高C0t−1/2値とし
て、稀な標的cDNA分子のハイブリダイゼーションを保証
する。ついで、アニーリングした材料をアビジンビーズ
上に捕捉し、高ストリンジェンシーで洗浄し、保持され
たcDNAを溶出し、PCRによって増幅する。選抜したcDNA
は、分析用のプラスミドベクターにクローニングする前
に増大のさらなるラウンドに付す。
候補性についてのcDNAの試験 cDNAが、異常BRCA1遺伝子産物または異常なレベルのB
RCA1遺伝子産物を生成する罹患された家系構成員から抽
出したDNA中に配列を見出すことによって得られるBRCA1
遺伝子座であることを立証する。かかるBRCA1感受性対
立遺伝子は、広範な家系中で該疾病に関し共−分離して
いるであろう。それは、また、乳癌および卵巣癌を有す
る非−家系個人、ついで一般集団中の個人において、よ
り高頻度で存在するであろう。最後に、腫瘍は、他の例
においては生殖細胞系で突然変異する遺伝子座でしばし
ば体細胞突然変異するため、本発明者らは、腫瘍組織か
ら抽出したDNA中のBRCA1感受性対立遺伝子と同一または
同様である配列に突然変異誘発した正常な生殖細胞系BR
CA1対立遺伝子を見出すことが期待される。腫瘍組織か
らのBRCA1配列を同一個人の生殖細胞系からのBRCA1対立
遺伝子と比較するか、癌ケースからの生殖細胞系BRCA1
対立遺伝子を非罹患個人からのものと比較するかのいず
れにせよ、遺伝子産物の正常機能を明らかに破壊するに
十分に重大である突然変異を見出すことが鍵となる。こ
れらの突然変異は多種の形態を採り得る。最も重大な形
態はフレームシフト突然変異または広範な欠失であり、
これらは、遺伝子に、異常蛋白質をコードさせるか、ま
たは重大に変化した蛋白質を発現させるであろう。より
重大でない破壊的突然変異には、小規模な枠内欠失およ
び非保存性塩基対置換が含まれ、これらは、システイン
残基へのまたはシステイン残基からの変化、塩基性アミ
ノ酸から酸性アミノ酸への変化またはその反対、疎水性
アミノ酸から親水性アミノ酸への変化またはその反対、
あるいは、蛋白質の二次、三次または四次の構造に影響
するであろう他の突然変異のごとき、産生蛋白質に重大
な影響を及ぼすであろう。サイレント突然変異または保
存性アミノ酸置換を生じるものは、一般的に蛋白質機能
を破壊するとは予想されない。
本発明の診断および予診によれば、野生型BRCA1遺伝
子座の変化が検出される。加えて、該方法は、野生型BR
CA1遺伝子座を検出し、BRCA1遺伝子座に癌の素因の欠失
を確認することによって行い得る。「野生型遺伝子の変
化」とは、コード領域および非コード領域における欠
失、挿入および点突然変異を含むすべての形態の突然変
異が包含される。欠失は、遺伝子全体のものであるか、
または遺伝子の一部分のみのものであり得る。点突然変
異は終止コドン、フレームシフト突然変異またはアミノ
酸置換を生じ得る。体細胞突然変異は、特定の組織、例
えば、腫瘍組織でのみ発生するものであり、生殖細胞系
において遺伝されない。生殖細胞系突然変異は体のいず
れの組織においても見出すことができ、遺伝される。単
一の対立遺伝子のみが体細胞的に突然変異した場合、初
期新生生物状態が示される。しかしながら、両方の対立
遺伝子が体細胞的に突然変異した場合、後期の新生生物
状態が示される。かくして、BRCA1突然変異の知見は、
診断および予診の情報を両方提供する。欠失していない
BRCA1対立遺伝子(例えば、姉妹染色体からBRCA1欠失を
運ぶ染色体の姉妹染色体で見出された)は、挿入、小さ
な欠失および点突然変異のごとき他の突然変異につきス
クリーニングし得る。腫瘍組織において見出された多く
の突然変異はBRCA1遺伝子産物の発現を低下に通じるも
のであろうと考えられる。しかしながら、非−機能的遺
伝子産物に通じる突然変異も、癌にかかった状態に通じ
るであろう。点突然変異事象は、遺伝子のプロモーター
でのごとき、調節領域中で起こり得、mRNAの発現の欠失
または減少に通じる。点突然変異も、また、適当なRNA
プロセシングを破壊し得、BRCA1遺伝子産物の発現の欠
失、あるいは、mRNA安定性または翻訳効率の低下に通じ
る。
有用な診断技術には、限定するものではないが、さら
に以下で詳細に論じる蛍光イン・サイチュ(in situ)
ハイブリダイゼーション(FISH)、直接DNA配列決定、P
FGE分析、サザンブロット分析、一本鎖構造解析(SSC
A)、RNアーゼ保護アッセイ、対立遺伝子−特異的オリ
ゴヌクレオチド(ASO)、ドットブロット分析およびPCR
−SSCPが包含される。
乳癌および卵巣癌および本明細書で同定した他の癌の
ごとき癌の素因は、BRCA1遺伝子の突然変異についてヒ
トのいずれかの組織を試験することによって確認し得
る。例えば、生殖細胞系BRCA1突然変異を遺伝した個人
は、癌を発症し易い傾向であろう。これは、該個人の体
のいずれかの組織からのDNAを試験することによって決
定し得る。最も単純には、採決しその血液の細胞からDN
Aを抽出する。加えて、BRCA1遺伝子の突然変異につい
て、胎児細胞、胎盤細胞または羊膜細胞を試験すること
によっても出生前診断を行い得る。点突然変異または欠
失のいずれによるにせよ、野生型BRCA1対立遺伝子の変
化は、本明細書で論じるいずれかの手段によって検出し
得る。
DNA配列変動を検出するのに用い得る幾つかの方法が
存在する。手動配列決定または自動化蛍光配列決定のい
ずれかの直接DNA配列決定は、配列変動を検出し得る。B
RCA1ほど大きな遺伝子については、非常に激しい労働で
あるが、最適条件下では遺伝子のコード配列における突
然変異をめったに見失わない。別のアプローチは、一本
鎖構造多形性アッセイ(SSCA)(Oritaら,1989)であ
る。この方法は、特にDNAフラグメントが200bpよりも大
きな場合、すべての配列変化を検出しないが、最適化し
て大部分のDNA配列変動を検出することができる。検出
感度が低下することは不利であるが、SSCAで可能な処理
量の増加は、それを、研究ベースの突然変異検出用の直
接配列決定の魅力的な、可能な別法としている。SSCAゲ
ル上でシフトした移動度を有するフラグメントをついで
配列決定して、正確なDNA配列変動の性質を決定する。
2つの相補的DNA鎖の間の誤対合の検出に基づく他のア
プローチには、締付変性電気泳動法(clamped denaturi
ng denaturing gel elctrophoresis)(CDGE)(Sheffi
eldら,1991)、ヘテロ二重らせん分析(heteroduplex a
nalysis)(HA)(Whiteら,1992)および化学的誤対合
切断(chemical mismatch cleavage)(CMC)(Grompe
ら,1989)が含まれる。前記した方法はいずれも大きな
欠失、二本鎖形成または挿入を検出せず、あるいは、蛋
白質の転写または翻訳に影響する調節的突然変異を検出
しないであろう。蛋白質先端切断アッセイまたは非対称
アッセイのごときこれらのクラスの突然変異を検出し得
る他の方法は、特異的な型の突然変異のみを検出し、ミ
スセンス突然変異は検出しないであろう。DNA配列変動
を検出する最近利用し得る方法の概説は、Grompe(199
3)による最近の概説において見出すことができる。突
然変異が判明したら、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオ
チド(ASO)ハイブリダイゼーションのごとき対立遺伝
子特異的検出アプローチを利用して、同突然変異につ
き、膨大な数の他の試料を迅速にスクリーニングするこ
とができる。
組織中の野生型BRCA1遺伝子の変化を検出するために
は、周囲の正常組織から遊離した組織を単離することが
有用である。腫瘍細胞の組織調製物を増やす方法は当該
分野で知られている。例えば、該組織は、パラフィンま
たはクライオスタット切片から単離し得る。癌細胞も、
フローサイトメトリーによって正常細胞から分離し得
る。これらの技術、ならびに、正常細胞から腫瘍細胞を
分離する他の技術は当該分野でよく知られている。腫瘍
組織が正常組織で非常に汚染されている場合、突然変異
の検出はより困難である。
DNA配列中の多形性を検出する迅速な予備分析は、1
または2以上の制限酵素、好ましくは多数の制限酵素で
切断したDNAの一連のサザンブロット法で見ることによ
って行い得る。各ブロットは一連の正常個人および一連
の癌ケース、腫瘍またはその両方を含む。(BRCA1遺伝
子座付近か、またはそれを包含する配列で釣り上げた場
合に対照とは長さが異なる)ハイブリダイズしたフラグ
メントを示すサザンブロットは、可能性のある突然変異
を示す。非常に大きな制限断片を生成する制限酵素を用
いる場合には、パルスフィールド電気泳動(PFGE)を用
いる。
点突然変異の検出は、当該分野でよく知られている技
術を用いて、BRCA1対立遺伝子(群)を分子クローン化
し、該対立遺伝子(群)を配列決定することによってな
し得る。別法として、該遺伝子配列は、公知技術を用い
て、腫瘍組織からのゲノムDNA調製物から直接増幅し得
る。ついで、増幅した配列のDNA配列を決定し得る。
感受性対立遺伝子の存在を確認するためのより完全
で、いまだ間接的である試験のよく知られた6種の方法
が存在する:1)一本鎖形成構造分析(SSCA)(Oritaら,
1989);2)変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Wartellら,
1990;Sheffieldら,1989);3)RAアーゼ保護アッセイ(F
inkelsteinら,1990;Kinszlerら,1991);4)対立遺伝子
−特異的オリゴヌクレオチド(AOS)(Connerら,198
3);5)イー・コリ(E.coli)mutS蛋白質のごときヌク
レオチド誤対合を認識する蛋白質の使用(Modrich,199
1);ならびに6)対立遺伝子−特異的PCR(Ranoおよび
Kidd,1989)。対立遺伝子−特異的PCRには、その3′末
端で特定のBRCA1突然変異にハイブリダイズするプライ
マーを使用する。特定のBRCA1突然変異が存在しない場
合、増幅産物は認められない。欧州特許公開第0332435
号およびNewtonら,1989に開示された増幅耐性突然変異
系(Amplification Refractory Mutation System,ARM
S)も用い得る。
遺伝子の挿入および欠失は、クローニング、配列決定
および増幅によっても検出し得る。加えて、遺伝子また
は周辺マーカー遺伝子の制限酵素断片長多形(RFLP)プ
ローブを用いても、対立遺伝子の変化または多形フラグ
メント中の挿入を記録し得る。かかる方法は、影響され
た個人において見出されたBRCA1突然変異の存在につ
き、該個人の親類をスクリーニングするのに特に有用で
ある。当該分野で公知である挿入および欠失を検出する
他の技術を用い得る。
最初の3種の方法(SSCA、DGGEおよびRAアーゼ保護ア
ッセイ)においては、新たな電気泳動バンドが出現す
る。SSCAは、異なって移動するバンドを検出する。なぜ
ならば、配列の変化が一本鎖、すなわち分子内塩基対合
において差を生じるからである。RAアーゼ保護には、突
然変異ポリヌクレオチドの2または3以上のより小さな
フラグメントへの切断が含まれる。DGGEは、変性勾配ゲ
ルを用いて、野生型配列と比較した突然変異配列の移動
速度における差を検出する。対立遺伝子−特異的オリゴ
ヌクレオチドアッセイにおいては、特異的な配列を検出
するようにオリゴヌクレオチドが設定されており、ハイ
ブリダイゼーション信号の存在または不存在を検出する
ことによって該アッセイを行う。
mutSアッセイにおいては、突然変異と野生型配列との
間のヘテロ二重らせん中にヌクレオチド誤対合を含む配
列にのみ該蛋白質が結合する。
本発明による誤対合とは、2本の鎖が100%相補性で
ない場合のハイブリダイズした核酸二重らせんである。
全相補性の欠失は、欠失、挿入、逆位または置換に起因
し得る。誤対合検出を用いて、遺伝子中またはそのmRNA
産物中の点突然変異を検出し得る。これらの技術は配列
決定よりも感度が低いが、それらは、膨大な数の腫瘍試
料で行うのにより単純である。誤対合切断技術の一例
は、RAアーゼ保護法である。本発明の実施においては、
該方法は、ヒト野生型BRCA1遺伝子コード配列に相補的
な標識リボプローブの使用が含まれる。該リボプローブ
と腫瘍組織から単離したmRNAまたはDNAのいずれかとは
共にアニーリング(ハイブリダイズ)し、つづいて、二
重らせんRNA構造中のある種の誤対合を検出し得る酵素R
NアーゼAで消化する。誤対合をRAアーゼAによって検
出する場合、それは誤対合の部位で切断する。かくし
て、アニーリングしたRNA調製物を電気泳動ゲルマトリ
ックス上で分離する場合に、もし誤対合をRNアーゼAに
よって検出し切断したら、リボプローブおよびmRNAまた
はDNAの完全長二重らせんRNAよりも小さいRNA産物が示
されるであろう。該リボプローブは、完全長のBRCA1 mR
NAまたは遺伝子である必要はないが、そのいずれかのセ
グメントとし得る。リボプローブがBRCA1 mRNAまたは遺
伝子のセグメントのみを含む場合、多数のこれらのプロ
ーブを用いて、誤対合につき全mRNA配列をスクリーニン
グすることが望ましいであろう。
同様にして、DNAプローブを用いて、酵素的または化
学的切断を介して、誤対合を検出し得る(例えば、Cott
onら,1988;Shenkら,1975;Novackら,1986参照)。別法と
して、対合二重らせんに対する誤対合二重らせんの電気
泳動移動度のシフトによって、誤対合を検出し得る(例
えば、Cariello,1988参照)。リボプローブまたはDNAプ
ローブのいずれを用いるにせよ、突然変異を含有し得る
細胞性mRNAまたはDNAは、ハイブリダイゼーション前にP
CR(後記参照)を用いて増幅し得る。BRCA1遺伝子のDNA
における変化は、特に、欠失および挿入のごとき、変化
が全体の再配列の場合、サザン・ハイブリダイゼーショ
ンを用いても検出し得る。
PCRを使用することによって増幅したBRCA1遺伝子のDN
A配列は、対立遺伝子−特異的プローブを用いてもスク
リーニングし得る。これらのプローブは核酸オリゴマー
で、その各々は、公知の突然変異を隠し持つBRCA1遺伝
子配列の領域を含んでいる。例えば、1つのオリゴマー
は、BRCA1遺伝子配列の一部分に対応する、約30ヌクレ
オチド長とし得る。かかる一式の対立遺伝子−特異的プ
ローブを用いることにより、PCR増幅産物をスクリーニ
ングして、BRCA1遺伝子中に予め同定した突然変異の存
在を同定し得る。増幅したBRCA1配列と対立遺伝子−特
異的プローブとのハイブリダイゼーションは、例えば、
ナイロンフィルター上で行い得る。ストリンジェントな
ハイブリダイゼーション条件下の特定のプローブに対す
るハイブリダイゼーションは、対立遺伝子−特異的プロ
ーブ中のごとく腫瘍組織中に同突然変異が存在すること
を示している。
候補遺伝子座中の突然変異についての最も明確な試験
は、対照集団からのゲノムBRCA1配列と癌患者からのも
のとを直接比較することである。別法として、例えばPC
Rによって、増幅した後にmRNAを配列決定し、それによ
って候補遺伝子のエキソン構造を決定する必要を削除す
ることもできる。
BRCA1のコード領域の外側に落ちる癌患者からの突然
変異は、BRCA1遺伝子の付近またはその中のイントロン
および調節配列のごとき、非コード領域を検査すること
によって検出し得る。非コード領域中の突然変異が重要
であるという初期の示唆は、対照個人と比較しての癌患
者における異常なサイズの、または豊富なmRNA分子を明
らかにするノザンブロット実験から出て来得る。
BRCA1 mRNA発現の変化は、当該分野で公知のいずれか
の技術によって検出し得る。これらには、ノザンブロッ
ト分析、PCR増幅およびRAアーゼ保護が含まれる。mRNA
発現の低下は、野生型BRCA1遺伝子の変化を示してい
る。野生型BRCA1遺伝子の変化は、野生型BRCA1蛋白質の
変化についてスクリーニングすることによっても検出し
得る。例えば、BRCA1と免疫反応性であるモノクローナ
ル抗体を用いて組織をスクリーニングし得る。同起源抗
原を欠くことは、BRCA1突然変異を示しているであろ
う。突然変異対立遺伝子の産物に特異的な抗体を用いて
突然変異BRCA1遺伝子産物を検出することもできる。か
かる免疫学的アッセイは、当該分野で公知のいずれかの
簡便な形式で行い得る。これらには、ウェスタンブロッ
ト、免疫組織化学的アッセイおよびELISAアッセイが含
まれる。変化したBRCA1蛋白質を検出するいずれかの手
段を用いて、野生型BRCA1遺伝子の変化を検出し得る。
蛋白質結合性測定のごとき機能アッセイを用い得る。加
えて、BRCA1生化学的機能を検出するアッセイを用いる
ことができる。突然変異BRCA1遺伝子産物の発見は、野
生型BRCA1遺伝子の変化を示している。
突然変異BRCA1遺伝子または遺伝子産物は、血清、
便、尿および唾液のごとき、他のヒト身体試料中にも検
出し得る。組織中の突然変異BRCA1遺伝子または遺伝子
産物を検出するための前記に論じた同技術は、他の身体
試料にも適用し得る。癌細胞は腫瘍から脱皮し、かかる
身体試料中に出現する。加えて、BRCA1遺伝子産物それ
自体は、細胞外空間に分泌され得、癌細胞が不存在でも
これらの身体試料中に発見し得る。かかる身体試料をス
クリーニングすることによって、単純で早期の診断を多
くのタイプの癌について達成し得る。加えて、突然変異
BRCA1遺伝子または遺伝子産物についてかかる身体試料
を試験することによって、化学療法または放射線療法の
進展をより容易にモニターし得る。
本発明の診断方法は、BRCA1が腫瘍発生において役割
を有するいずれの腫瘍にも適用し得る。本発明の診断方
法は臨床医に有用で、彼は、治療の適当な過程で決定し
得る。
本発明のプライマー対は、PCRを用いた特定のBRCA1対
立遺伝子のヌクレオチド配列の決定に有用である。一本
鎖DNAプライマーの対は、染色体17q21上のBRCA1遺伝子
の中か、または周辺の配列にアニーリングして、BRCA1
遺伝子自体の増幅DNA合成を開始し得る。完全セットの
これらのプライマーにより、BRCA1遺伝子コード配列の
全ヌクレオチド、すなわち、エキソンの合成が許容され
る。プライマーセットは、好ましくは、イントロンおよ
びエキソン配列の両方の合成を許容する。対立遺伝子−
特異的プライマーも用い得る。かかるプライマーは特定
のBRCA1突然変異対立遺伝子にのみアニーリングし、し
たがって、鋳型としての突然変異対立遺伝子存在下で産
物を増幅するのみであろう。
増幅した配列のつづくクローニングを促進するため
に、プライマーはその5′末端に付加した制限酵素部位
配列を有し得る。かくして、プライマーの全ヌクレオチ
ドは、制限酵素部位を形成するに必要な幾つかのヌクレ
オチド以外は、BRCA1配列またはBRCA1付近の配列に由来
する。該プライマーそれ自体は、当該分野でよく知られ
ている技術を用いて合成し得る。一般的に、該プライマ
ーは、市販されているオリゴヌクレオチド合成器を用い
て作製し得る。BRCA1オープンリーディングフレームの
配列を配列番号:1に示す。特定のプライマーの設計は、
当業者の十分に範囲内である。
本発明により提供される核酸プローブは、多くの目的
に有用である。それは、ゲノムDNAに対するサザンハイ
ブリダイゼーション、およびすでに前記で論じた点突然
変異を検出するRAアーゼ保護法に用い得る。該プローブ
を用いてPCR増幅産物を検出し得る。それを用いて、他
の技術を用いたBRCA1遺伝子またはmRNAとの誤対合を検
出することもできる。
野生型BRCA1遺伝子を有する個人はBRCA1対立遺伝子か
ら生じた癌を有さないことが発見された。しかしなが
ら、BRCA1蛋白質の機能を妨害する突然変異は癌の病理
に関与している。したがって、機能を欠失したか、また
は変化した機能を有する蛋白質を産生する変化(または
突然変異)したBRCA1遺伝子の存在は、癌の危険性の増
加に直接関係する。BRCA1遺伝子突然変異を検出するた
めには、生物試料を調製し、分析するBRCA1対立遺伝子
の配列と野生型BRCA1対立遺伝子の配列との間の相違を
分析する。突然変異BRCA1対立遺伝子は、前記したいず
れかの技術によって最初同定し得る。ついで、突然変異
対立遺伝子を配列決定して、特定の突然変異対立遺伝子
の特異的な突然変異を同定する。別法として、突然変異
BRCA1対立遺伝子は、慣用的な技術を用いて、突然変異
(変化)したBRCA1蛋白質を同定することによって最初
に同定し得る。ついで、該突然変異対立遺伝子を配列決
定して、各対立遺伝子の特異的突然変異を同定する。突
然変異、特にBRCA1蛋白質の変化した機能に通じるもの
を、ついで、本発明の診断方法および予診方法に用い
る。
定義 本発明は、以下の定義を用いる: 「ポリヌクレオチドの増幅」には、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)、連結増幅(またはリガーゼ鎖反応(ligas
e chain reaction,LCR))およびQ−ベータレプリカー
ゼの使用に基づく増幅法のごとき方法を用いる。これら
の方法は、よく知られており、当該分野で広く実施され
ている(例えば、米国特許第4,683,195号および第4,68
3,202号、ならびに(PCRについては)Innisら,1990;お
よび(LCRについては)Wuら,1989a参照)。PCRを頂う試
薬およびハードウェアは市販されている。BRCA1領域か
らの配列を増幅するのに有用なプライマーは、好ましく
は、BRCA1領域中の配列、またはその中の標的領域に隣
接する領域中の配列に相補的であって、それに特異的に
ハイブリダイズする。増幅によって作製したBRCA1配列
は直接配列決定し得る。別法として、あまり望ましくは
ないが、増幅した配列(群)は配列分析に先んじてクロ
ーン化し得る。酵素的に増幅したゲノムセグメントの直
接クローン化および配列分析は、Scharf,1986によって
記載されている。
「分析ポリヌクレオチド」および「分析鎖」とは、標
的配列を含むと予想され、生物試料を包含する種々のタ
イプの試料中に存在し得る一本鎖または二本鎖ポリヌク
レオチドをいう。
「抗体」;本発明は、また、ポリクローナルおよび/
またはモノクローナル抗体およびその断片、ならびにそ
の免疫学的な結合同等物を提供し、これらは、BRCA1ポ
リペプチドおよびその断片、またはBRCA1領域からの、
特にBRCA1遺伝子座またはその一部分からのポリヌクレ
オチド配列に特異的に結合し得る。「抗体」なる語は、
均一な分子基、または複数の異なる分子基より構成され
る血清産物のごとき混合物をいうのに用法用いる。ポリ
ペプチドは、ペプチド合成器中で合成的に調製し、(例
えば、鍵穴吸着性ヘモシアニンのような)キャリアー分
子にカップリングさせ、ウサギに数カ月にわたって注射
し得る。ウサギ血清は、BRCA1ポリペプチドまたは断片
に対する免疫反応性につき試験する。モノクローナル抗
体は、蛋白質ポリペプチド、融合蛋白質またはそれらの
断片でマウスを注射することにより作製し得る。モノク
ローナル抗体は、ELISAによってスクリーンし、BRCA1ポ
リペプチドまたはその断片との特異的免疫反応性につい
て試験するであろう(HarlowおよびLane,1988参照)。
これらの抗体は、アッセイならびに医薬に有用であろ
う。
十分な量の所望のポリペプチドを得たら、種々の目的
にそれを用いることができる。典型的な用途は、結合に
ついて特異的な抗体の産生である。これらの抗体は、ポ
リクローナルまたはモノクローナルのいずれかであっ
て、当該分野でよく知られているイン・ビトロ(in vit
ro)またはイン・ビボ(in vivo)技術によって作製し
得る。ポリクローナル抗体の作製には、適当な標的免疫
系、典型的にはマウスまたはウサギを選択する。実質的
に純粋な抗原は、動物に適した方法によってか、または
免疫学者によく知られている他の指標によって決定した
様式で免疫系に提示する。注射の典型的な部位は、筋肉
内、腹膜内または皮膚内的なフットパッドである。勿
論、他の種をマウスまたはウサギと代替し得る。つい
で、当該分野で公知の技術を用いてポリクローナル抗体
を精製し、所望の特異性に調整する。
免疫学的応答性は、通常、免疫アッセイでアッセイす
る。通常、かかる免疫アッセイには、例えば、抗原と同
細胞かつ同様式によって作製した抗原源のある種の精製
が含まれる。種々の免疫アッセイ法が当該分野でよく知
られている(例えば、HarlowおよびLane,1988またはGod
ing,1986参照)。
10-8M-1、もしくは好ましくは10-9〜10-10M-1またよ
り強い親和性を有するモノクローナル抗体は、典型的
に、例えば、HarlowおよびLane,1988またはGoding,1986
に記載されている標準的な方法によって作製するであろ
う。簡単には、適当な動物を選抜し、所望の免疫化プロ
トコールに従う。適当な時間の後に、かかる動物の脾臓
を切除し、適当な選抜条件下にて個々の脾臓細胞を不死
化メラノーマ細胞に融合する。その後に、該細胞をクロ
ーン化的に分離し、各クローンの上清を、抗原の所望の
領域に特異的な適当な抗体のそれらを産生について試験
する。
他の適当な技術には、抗原ポリペプチドへか、または
別法としてファージまたは同様なベクター中の抗体の選
抜したライブラリーへのリンパ球のイン・ビトロ(in v
itro)暴露が含まれる(Huseら,1989参照)。本発明の
ポリペプチドおよび抗体は、修飾しても、しないでも用
い得る。しばしば、ポリペプチドおよび抗体は、共有的
または非共有的のいずれかで、検出可能なシグナルを供
する物質を結合することによって標識されるであろう。
広範な標識およびコンジュゲート技術が知られており、
科学文献および特許文献の両方において広範に報告され
ている。適当な標識には、放射性核種、酵素、基質、補
因子、インヒビター、蛍光剤、化学発光剤、磁性粒子他
が含まれる。かかる標識の使用を教示する特許には、米
国特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350
号;第3,996,345号;第4,277,437号;4,275,149号および
第4,366,241号が含まれる。また、組換え免疫グロブリ
ンを作製することもできる(米国特許第4,816,567号参
照)。
「結合パートナー」とは、例えば、抗原および抗原−
特異的抗体または酵素およびそのインヒビターのよう
な、高い特異性でリガンド分子と結合する能力を有する
分子をいう。一般的に、該特異的結合パートナーは、単
離条件下にて、十分な親和性で結合して、分析物コピー
/(ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションの場合に
は)相補鎖二重らせんを固定化しなければならない。特
異的結合パートナーは当該分野で公知であって、例え
ば、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジ
ン、IgGおよびプロテインA、膨大な公知の受容体−リ
ガンドカップリング物および相補的ポリヌクレオチド鎖
が包含される。相補的ポリヌクレオチド結合パートナー
の場合においては、該パートナーは、通常、少なくとも
約15塩基長、少なくとも40塩基長とし得る。該ポリヌク
レオチドは、DNA、RNAまたは合成ヌクレオチドアナログ
から構成され得る。
「生物試料」とは、個人からの分析物ポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドを含むと予想される組織または流
体の試料をいい、限定するものではないが、例えば、血
漿、血清、髄液、リンパ液、皮膚の外部切片、呼吸器、
腸および尿生殖器、涙、唾液、赤血球、腫瘍、器官、組
織およびイン・ビトロ(in vitro)細胞培養構成物の試
料が含まれる。
本明細書で用いるごとき、新生生物の文脈で用いる
「診断」または「予診」なる語は、処理の前、間および
その後の1)新生生物として病巣の分類、2)新生生物
の程度の測定、または3)疾病進展のモニターを示すの
に用いる。
「コードする」;ポリペプチドを「コードする」とい
うポリヌクレオチドは、その天然状態または当業者によ
く知られている方法によって操作されている場合、それ
は、mRNAおよび/または該ポリペプチドもしくはその断
片に転写および/または翻訳され得る。アンチセンス鎖
は、かかる核酸、および、それから予想し得る配列コー
ドの相補物である。
「単離した」または「実質的に純粋な」;「単離し
た」または「実質的に純粋な」核酸(例えば、RNA、DNA
または混合ポリマー)とは、天然のヒト配列または蛋白
質(例えば、リボソーム、ポリメラーゼ、多くの他のヒ
トゲノム配列および蛋白質)を自然に付随する他の細胞
成分から実質的に単離されたものである。該語には、核
酸配列および蛋白質の自然に発生する環境から除去した
それらを包含し、組換えまたはクローン化DNA単離物、
および化学合成したアナログまたは外来系によって生物
学的に合成したアナログが含まれる。
「BRCA1対立遺伝子」とは、BRCA1遺伝子座の正常対立
遺伝子、ならびに素因個人に、例えば、乳房、卵巣、結
腸直腸および前立腺癌を含む、多くの部位の癌を発症さ
せる変形を運んでいる対立遺伝子をいう。かかる素因対
立遺伝子は、「BRCA1感受性対立遺伝子」とも呼称す
る。
「BRCA1座」、「BRCA1遺伝子」、「BRCA1核酸」また
は「BRCA1ポリヌクレオチド」とは、各々、ポリヌクレ
オチドをいい、それら全部はBRCA1領域中に存在し、そ
れらは、個人に乳癌、卵巣癌、結腸直腸癌および前立腺
癌を発症する素因の特定の対立遺伝子を正常組織に発現
するようである。BRCA1における突然変異は、他のタイ
プの腫瘍の発生および/または進行に関与し得る。遺伝
子座は、素因個人に癌を発症させる突然変異によって部
分的に示される。これらの突然変異は下記するBRCA1領
域内に入る。BRCA1座は、コード配列、介在配列および
転写および/または翻訳を制御する調節因子を含むよう
意図される。BRCA1座は、該DNA配列の全ての対立遺伝子
変形を含むよう意図される。
核酸に適用する場合、これらの語は、BRCA1ポリペプ
チド、断片、同等物または変形をコードする核酸をい
い、例えば、蛋白質融合物または欠失物が包含される。
本発明の核酸は、天然BRCA1−コード遺伝子、または天
然BRCA1−コード遺伝子またはその一部分と実質的に相
同性を有するものに由来するか、またはそれに実質的に
同じものかのかのいずれかの配列を有するであろう。配
列番号:2に示すアミノ酸配列を有するBRCA1ポリペプチ
ドのコード配列を配列番号:1に示す。
本発明のポリヌクレオチド組成物には、当業者によっ
て容易に理解されるであろう、センス鎖またはアンチセ
ンス鎖の両方の、RNA、cDNA、ゲノムDNA、合成形態、お
よび混合ポリマーが含まれ、化学的または生化学的に修
飾され得、あるいは非−天然または誘導化ヌクレオチド
塩基を含み得る。かかる修飾物には、例えば、標識物、
メチル化物、1または2以上の天然に発生するヌクレオ
チドのアナログでの置換物、(例えば、ホスホン酸メチ
ル、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメ
ート他のような)非帯電リンケージのごときヌクレオチ
ド間修飾物、(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロ
ジチオエート他のような)荷電リンケージ、(例えば、
ポリペプチドのような)ペンダント型基、(アクリジ
ン、プソラレン他のような)インターカレター、キレー
ト剤、アルキル化剤および(例えば、アルファアノマー
核酸他のような)修飾リンケージが含まれる。また、水
素結合および他の化学的相互作用を介して指定した配列
に結合する能力のポリヌクレオチドをミメティックスす
る合成分子も包含される。かかる分子は、当該分野で知
られており、例えば、その中で分子骨格中のリン酸結合
の代わりにペプチド結合を用いるものが含まれる。
本発明は、BRCA1領域の全体または一部分を含む組換
え核酸を提供する。該組換え構築物は、宿主細胞中で自
律的に複製し得る。別法として、該組換え構築物は、宿
主細胞の染色体DNAに一体化するようになり得る。かか
る組換えポリヌクレオチドは、その起源または操作によ
る、1)天然では結合するポリヌクレオチドの全体また
は一部分と結合せず;2)天然では結合するもの以外のポ
リペプチドに結合し;または3)天然には生じない、ゲ
ノム、cDNA、半−合成または合成起源のポリヌクレオチ
ドを含む。
したがって、天然には生じない他の配列を含む組換え
核酸が本発明によって提供される。野生型配列を用いる
ことができるが、それは、しばしば、例えば、欠失、置
換または挿入によって改変されているであろう。
種々のタイプのcDNAまたはゲノムライブラリーを、本
発明の核酸の天然起源としてスクリーンし得、あるいは
かかる核酸は、ゲノムDNAまたは他の天然起源に存在す
る配列の増幅によって(例えば、PCRによって)提供し
得る。cDNAライブラリーの選択は、通常、所望の蛋白質
のmRNAに富む組織起源に対応する。ファージライブラリ
ーが通常好ましいが、他のタイプのライブラリーを用い
ることもできる。ライブラリーのクローンをプレートに
拡げ、スクリーニング用基質に移し、変性し、所望の配
列の存在につき釣上げる。
本発明で用いるDNA配列は、通常、少なくとも約5コ
ドン(15ヌクレオチド)、より通常は少なくとも7−15
コドン、最も好ましくは、少なくとも約35コドンを含
む。また、1または2以上のイントロンが存在し得る。
このヌクレオチド数は、通常、BRCA1−コード配列と特
異的にハイブリダイズするであろう首尾よいプローブに
要するおよそ最小限の長さである。
核酸操作用の技術は、一般的に、例えば、Sambrook
ら,1989またはAusbelら,1992に記載されている。制限酵
素のごときかかる技術に適用する試薬は当該分野で広く
知られており、New England BioLabs社、Boehringer Ma
nnheim社、Amersham社、Promega Biotec社、U.S.Bioche
micals社、New England Nuclear社および他の多くの供
給源のごとき業者から市販されている。本発明の融合蛋
白質を作製するのに用いる組換え核酸配列は、天然また
は合成配列由来とし得る。適当なプローブを用いて、種
々のcDNAまたはゲノムライブラリー(Gen Bank,Nationa
l Institute of Health参照)から多くの天然遺伝子配
列を得ることができる。
「BRCA1領域」とは、マーカーtdj1474およびU5Rによ
って結合されるヒト染色体17q21の部分をいう。この領
域には、BRCA1遺伝子を含むBRCA1座が含まれる。
本明細書で用いるごとく、「BRCA1座」、「BRCA対立
遺伝子」および「BRCA領域」は、すべて、遺伝子座、対
立遺伝子または領域を含む二本鎖DNA、ならびに遺伝子
座、対立遺伝子または領域を含むいずれかの一本鎖DNA
をいう。
本明細書で用いるごとく、BRCA1座または領域もしく
は対立遺伝子の「部分」とは、少なくとも約8ヌクレオ
チド、または好ましくは約15ヌクレオチド、またはより
好ましくは少なくとも約25ヌクレオチドの最小限サイズ
を有すると規定され、および少なくとも約40ヌクレオチ
ドの最小限サイズを有し得る。
「BRCA1蛋白質」または「BRCA1ポリペプチド」とは、
BRCA1座によってコードされる蛋白質またはポリペプチ
ド、その変形または断片をいう。「ポリペプチド」なる
語は、アミノ酸ポリマーまたはその相当物をいい、特異
的な長さの生成物をいうのではなく;したがって、ペプ
チド、オリゴペプチドおよび蛋白質がポリペプチドの定
義の中に含まれる。この語は、また、例えば、グルコシ
ル化、アセチル化、リン酸化他のポリペプチドの修飾物
をいうのではなく、または排除する。該定義の中に含ま
れるのは、天然および非天然に生じる(例えば、非天然
アミノ酸他を包含する)1または2以上のアナログのア
ミノ酸を含むポリペプチド、置換結合を有するポリペプ
チド、ならびに当該分野で公知の他の修飾物が含まれ
る。通常、かかるポリペプチドは、天然のBRCA1配列に
少なくとも約50%相同で、好ましくは約90%を超えて、
より好ましくは少なくとも約95%相同性である。また、
高または低ストリンジェンシー条件下にてBRCA1−コー
ド核酸にハイブリダイズし、BRCA1蛋白質(群)に対す
る抗血清によって回収される酷似したポリペプチドまた
は蛋白質も包含される。
相同性につき比較するポリペプチド配列の長さは、一
般的に、少なくとも約16アミノ酸、通常、少なくとも約
20残基、より通常は少なくとも約24残基で、典型的に
は、少なくとも約28残基、好ましくは約35残基を超える
であろう。
「作動可能に連結した」とは、かく記載した成分が、
その意図した様式の機能を許容する関係にある並列(ju
xtaposition)をいう。例えば、プロモーターがコード
配列の転写または発現に影響する場合には、該プロモー
ターは該配列に作動可能に連結されている。
「プローブ」;適当なストリンジェントハイブリダイ
ゼーションおよび洗浄条件下にて、標的配列のポリペプ
チドと安定なハイブリッドを形成するポリヌクレオチド
プローブとのハイブリダイゼーションによって検出し得
る、特定の癌の素因または大部分の癌に関連するBRCA1
対立遺伝子に関連するポリヌクレオチド多形性をいう。
プローブが標的配列に対して安全に相補的であると予想
される場合には、ストリンジェント条件を用いるであろ
う。例えば、変形が、プローブは完全に相補的でない結
果を有すると予想される場合のような幾つかの誤対合が
予想される場合、ハイブリダイゼーション・ストリンジ
ェンシーを低下させ得る。非特異的/偶然の結合を排除
する、すなわち、ノイズを最小限化する条件を選択す
る。かかる示唆は天然DNA多形性ならびに突然変異を同
定し、これらの示唆はさらに分析して、BRCA1感受性対
立遺伝子の検出を立証する必要がある。
BRCA1対立遺伝子のプローブは、BRCA1領域またはその
cDNAの配列由来とし得る。該プローブは、BRCA1領域の
全体または一部分に広がり、かつBRCA1領域への特異的
なハイブリダイゼーションを許容するいずれの適当な長
さともし得る。標的配列が該プローブと同一の配列を含
む場合、該プローブは、例えば、約8−30塩基対の範囲
に短くし得る。なぜならば、該ハイブリッドは、ストリ
ンジェント条件下でさえ比較的安定であろうからであ
る。プローブとある程度の誤対合が予想される場合、す
なわち、該プローブが種々の領域にハイブリダイズする
ことが予想される場合、必要な特異性で標的配列にハイ
ブリダイズするより長いプローブを用い得る。
プローブには、標識またはレポーター分子に結合する
単離ポリヌクレオチドが含まれ、それを用いて、標準的
な方法によって配列類似を有する他のポリヌクレオチド
配列を単離し得るであろう。プローブの調製および標識
の技術としては、例えば、Sambrookら,1989またはAusbe
lら,1992を参照せよ。他の同様なポリヌクレオチドは、
相同ポリヌクレオチドを用いることによって選抜し得
る。別法として、これらまたは同様のポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドは、遺伝子コード中の重複を
用いることによって合成または選抜し得る。例えば、サ
イレント変化(それによって種々の制限部位を作製す
る)または特定の系を最適化することによって、種々の
コドン置換を導入し得る。突然変異を導入して、ポリペ
プチドの特性(恐らくは、リガンド−結合親和性、鎖間
親和性の変化またはポリペプチド分解または代謝回転速
度の変化)を修飾することができる。
本発明の合成オリゴヌクレオチドまたは他のポリヌク
レオチドを含むプローブは、天然に発生するか、または
組換えの一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチド、あるい
は化学合成由来とし得る。プローブは、ニック・トラン
スレーション、クレノー酵素フィル−イン(fill−in)
反応または当該分野で公知の他の方法によっても標識し
得る。
BRCA1をコードするポリヌクレオチド配列からの、少
なくとも約8ヌクレオチド、通常少なくとも約15ヌクレ
オチドで、約6kbより短い、通常約1.0kbより短いヌクレ
オチドを有するポリヌクレオチド配列の一部分が、プロ
ーブとして好ましい。また、該プローブを用いて、BRCA
1をコードするmRNAが細胞または組織中に存在するか否
かを決定することもできる。
BRCA1ポリペプチドまたはその断片について本発明に
よって提供される「蛋白質修飾物または断片」は、一次
構造配列に実質的に相同性であるが、例えば、イン・ビ
ボ(in vivo)またはイン・ビトロ(in・vitro)の化学
的および生化学的修飾または異常なアミノ酸を取り込ん
だものが含まれる。かかる修飾には、当業者によって容
易に理解されるであろう、例えば、アセチル化、カルボ
キシ化、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、(例
えば、放射線核種での)標識、ならびに種々の酵素的修
飾が含まれる。かかる目的に有用なポリヌクレオチドを
標識する種々の方法およびその置換または標識は、当該
分野でよく知られており、32Pのごとき放射性同位体が
含まれ、これは、標識リガンドの特異的結合対メンバー
として作用し得る標識抗リガンド(例えば、抗体)、蛍
光団、化学白色剤、酵素および抗リガンドに結合する。
標識の選択は、要する感度、プライマーとコンジュゲー
ト容易性、安定性要件および入手可能な機器に依存す
る。ポリペプチドを標識する方法は当該分野でよく知ら
れている(例えば、Sambrookら,1989またはAusbelら,19
92参照)。
実質的に完全長のポリペプチドに加えて、本発明は、
偽ポリペプチドの生物学的に活性な断片を提供する。重
要な生物学的活性には、BRCA1ポリペプチドのリガンド
−結合性、免疫学的活性および他の生物学的活性特性が
含まれる。免疫学的活性には、標的免疫系の免疫源機
能、ならびに結合用の免疫学的エピトープを分け持って
いること、BRCA1蛋白質のエピトープにつき競合または
置換抗原のいずれかとして作用することの両方が含まれ
る。本明細書で用いる「エピトープ」とは、ポリペプチ
ドの抗原決定基をいう。エピトープは、エピトープにユ
ニークな空間立体配置に3個のアミノ酸を含み得る。一
般的に、エピトープは、少なくとも5個のかかるアミノ
酸、およびより通常は少なくとも8−10個のかかるアミ
ノ酸よりなる。かかるアミノ酸の空間立体配置を決定す
る方法は当該分野で知られている。
免疫学的目的には、直列反復ポリペプチド・セグメン
トを免疫原として用い、それによって抗原蛋白質を高度
に産生し得る。別法として、かかるポリペプチドは、特
異的結合につき高効率の競合物としても作用するであろ
う。BRCA1ポリペプチドまたはその断片に特異的な抗体
の作製を以下に記載する。
また、本発明は、BRCA1ポリペプチドおよび断片を含
む、融合ポリペプチドも提供する。ホモポリペプチド
は、2または3以上のBRCA1ポリペプチド配列の間の、
またはBRCA1の配列と関連蛋白質との間の融合とし得
る。同様に、誘導蛋白質の特性または活性の組合せを示
すであろうヘテロ融合物を構築し得る。例えば、リガン
ド−結合または他のドメインは、異なる新たな融合ポリ
ペプチドまたは断片の間で「交換」し得る。かかるホモ
またはヘテロ融合ポリペプチドは、例えば、変化した強
さまたは特異性の結合を示し得る。融合パートナーに
は、免疫グロブリン、細菌β−ガラクトシターゼ、trp
E、プロテインA、β−ラクタマーゼ、α−アミラー
ゼ、アルコール・デヒドロゲナーゼおよび酵母アルファ
接合因子が含まれる(例えば、Godowskiら,1988参
照)。
融合蛋白質は、典型的には、以下に記載するごとき、
いずれかの組換え核酸法によって作製し得、あるいは化
学合成法とし得る。ポリペプチドを合成する技術は、例
えば、Merrifield,1963に記載されている。
「蛋白質精製」とは、BRCA1をコードする組換え核酸
で形質転換した細胞からのごとき、他の生物材料からBR
CA1ポリペプチドを単離するための種々の方法、ならび
に当該分野でよく知られている方法をいう。例えば、か
かるポリペプチドは、例えば、本発明によって提供され
る抗体を用いる免疫アフィニティー・クロマトグラフィ
ーによって精製し得る。蛋白質精製の種々の方法は当該
分野でよく知られており、Deutscher,1990およびScope
s,1982に記載されたものが含まれる。
「単離した」、「実質的に純粋な」および「実質的に
均一な」なる語は、天然状態では蛋白質またはポリペプ
チドを付随する成分からそれらを分離することを記載す
るために相互変換可能に用いる。少なくとも約60〜75%
の試料が単一のポリペプチド配列を示す場合、単量体蛋
白質は実質的に純粋である。実質的に純粋な蛋白質は、
典型的には、約60%〜90%W/Wの蛋白質試料、より通常
には約95%、好ましくは約99%純粋を超える蛋白質試料
を含むであろう。蛋白質純度または均一性は、蛋白質試
料のポリアクリルアミドゲル電気泳動につづく該ゲルの
染色の際の単一ポリペプチドバンドの視覚化のごとき、
当該分野でよく知られている多くの手段によって示し得
る。特定の目的には、HPLCまたは精製に利用する当該分
野でよく知られた他の手段を用いることによって高解像
度を供し得る。
BRCA1蛋白質は、その天然状態でそれに付随する天然
の汚染物からそれを分離した場合、天然で関連する成分
を実質的に含まない。かくして、化学的に合成したか、
またはそれが天然に起源する細胞とは異なる細胞系で合
成したポリペプチドは、その天然に付随する成分を実質
的に含まないであろう。蛋白質は、当該分野でよく知ら
れた蛋白質精製技術を用いて単離することによって、天
然に付随する成分を実質的に含まないものとすることも
できる。
単離および操作した遺伝子配列の発現産物として生成
するポリペプチドは、ホモ細胞型で発現される場合でさ
え、本明細書で用いる「単離ポリペプチド」である。ヘ
テロ細胞によって発現される合成作製形態または分子
は、本来、単離分子である。
「組換え核酸」とは、天然に生じるものではない、ま
たは、配列の2の他の分離したセグメントの人工的組合
せによって作製した核酸である。この人工的な組合せ
は、しばしば、いずれかの化学合成手段によってか、ま
たは核酸の単離セグメントの人工操作によって、例え
ば、遺伝子工学技術によってなされる。かかるものは、
通常、同一または保存アミノ酸をコードする余分なコド
ンでコドンを置換して行うが、典型的には、配列認識部
位を導入するか、または除去する。別法として、それを
行って、所望の機能の核酸セグメントを一緒に結合し、
所望の組合せの機能を生成する。
「調節配列」とは、通常、遺伝子座のコード領域の10
0kb以内の配列をいうが、それはコード領域からさらに
離れていることもあり、それは、(遺伝子の転写、およ
びmRNAの翻訳、スプライシング、安定性などを含む)遺
伝子の発現に影響する。
「実質的に相同または同様な」;他の核酸(またはそ
の相補鎖)と(適当なヌクレオチド挿入または欠失を有
して)最適に並べた場合に、ヌクレオチド塩基の少なく
とも約60%、通常少なくとも約70%、より通常は少なく
とも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好まし
くは少なくとも約95−98%のヌクレオチド塩基のヌクレ
オチド配列同一性が存在する場合、核酸またはその断片
はもう1つのものに「実質的に相同性である」(「また
は実質的に同様である」)。
別法として、鎖またはその相補鎖に対して選択的なハ
イブリダイゼーション条件下で、他の核酸(またはその
相補鎖)に、核酸またはその断片がハイブリダイズする
場合、実質的な相補性または(同一性)が存在する。特
異性の全体的な欠乏よりも実質的により選択的なハイブ
リダイゼーションが起こる場合に、ハイブリダイゼーシ
ョンの選択性が存在する。典型的には、選択的ハイブリ
ダイゼーションは、少なくとも約14ヌクレオチド、好ま
しくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも約75
%、最も好ましくは少なくとも約90%のストレッチにわ
たって少なくとも約55%相同性が存在する場合に生じる
であろう(Kanehisa,1984参照)。記載した相同性比較
の長さは、より長いストレッチとすることもでき、特定
の具体例においては、しばしば、少なくとも約9ヌクレ
オチド、通常は少なくとも約20ヌクレオチド、より通常
は少なくとも約24ヌクレオチド、典型的には少なくとも
約28ヌクレオチド、より典型的には少なくとも約32ヌク
レオチド、好ましくは少なくとも約36またはそれを超え
るヌクレオチドのストレッチにわたるであろう。
核酸ハイブリダイゼーションは、当業者によって容易
に理解されるであろう、塩基組成、相補鎖の長さ、およ
びハイブリダイズする核酸の間のヌクレオチド塩基誤対
合の数に加えて、塩濃度、温度、または有機溶媒のごと
き条件によって影響されるでろう。ストリンジェントな
温度条件には、一般的に、30℃を超える、典型的には37
℃を超える、好ましくは45℃を超える温度が含まれるで
あろう。ストインジェントな塩条件には、通常、1000mM
未満、典型的には500mM未満、好ましくは200mM未満であ
ろう。しかしながら、指標の組合せはいずれの単一の指
標の測定よりも遥かにより重要である(例えば、Wetmur
およびDavidson,1968参照)。
プローブ配列は、また、特定の条件下にて二重らせん
DNAに特異的にハイブリダイズして、三重らせんまたは
他のより高次のDNA複合体を形成し得る。かかるプロー
ブの調製および適当なハイブリダイゼーション条件は当
該分野でよく知られている。
「実質的相同性」または「実質的同一性」なる語は、
ポリペプチドをいう場合、問題のポリペプチドまたは蛋
白質が自然に発生する全体蛋白質またはその一部分と少
なくとも約30%同一性、通常少なくとも約70%同一性、
好ましくは少なくとも約95%同一性を表すことを示す。
「実質的に同一の機能」とは、野生型BRCA1核酸また
は野生型BRCA1ポリペプチドに関しての、修飾核酸また
は修飾蛋白質の機能をいう。修飾ポリペプチドは野生型
BRCA1ポリペプチドに実質的に相同性であって、同一の
機能を実質的に有するであろう。修飾ポリペプチドは、
変化したアミノ酸配列を有し、および/または修飾アミ
ノ酸を含み得る。機能の同一性に加えて、修飾ポリペプ
チドは、より長い半減期のごとき他の有用な特性を有し
得る。修飾ポリペプチドの機能(活性)の同一性は、実
質的に野生型BRCA1ポリペプチドの活性と同一とし得
る。別法として、修飾ポリペプチドの機能(活性)の同
一性は、野生型BRCA1ポリペプチドの活性よりも高いも
のとし得る。修飾ポリペプチドは、慣用的な技術を用い
て合成し、あるいは、修飾した核酸によってコードさ
れ、慣用的な技術を用いて作製される。修飾核酸は慣用
的な技術によって調製する。野生型BRCA1遺伝子機能と
実質的に同様の機能を有する核酸は、前記した修飾蛋白
質を産生する。
ポリペプチドの相同性は、典型的に、配列分析ソフト
ウェアを用いて測定する(例えば、Sequence Analysis
Software Package of the Genetics Computer Group,Un
iversity of Wisconsin Biotechnology Center,910 Uni
versity Avenue,Madison,Wisconsin 53705参照)。蛋白
質分析ソフトウェアは、種々の置換、欠失および他の修
飾を指定した相同性の測定を用いて、同様配列を対合す
る。保存性置換には、典型的に、以下の群の中の置換が
含まれる:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシ
ン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパ
ラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、ア
ルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン。
ポリペプチド「断片」、「一部分」または「セグメン
ト」とは、少なくとも約5〜7個の隣接したアミノ酸、
しばしば、少なくとも約7〜9個の隣接したアミノ酸、
典型的には少なくとも約9〜13の隣接したアミノ酸、最
も好ましくは少なくとも約20〜30またはそれを超えて隣
接したアミノ酸のアミノ酸残基のストレッチである。
本発明のポリペプチドは、可溶性である場合、例え
ば、ニトロセルロース、ナイロン、カラム充填材(例え
ば、Sepharose beads)、磁性ビーズ、ガラスウール、
プラスチック、金属、ポリマーゲル、細胞または他の基
体のような固相支持体にカップリングし得る。かかる支
持体は、例えば、ビーズ、ウェル、計深棒または膜のよ
うな形態を採り得る。
「標的領域」とは、増幅および/または検出する核酸
の領域をいう。「標的配列」なる語は、所望の条件下に
て、それとプローブまたはプライマーとが安定なハイブ
リッドを形成するであろう配列をいう。
本発明の実施は、特に指摘しない限り、化学、分子生
物学、微生物学、組換えDNA、遺伝学および免疫学の慣
用的な技術を用いる(例えば、Maniatisら,1982;Sambro
okら,1989;Ausubelら,1992;Glover,1985;Anand,1992;Gu
thrieおよびFink,1991参照)。ヒト染色体17qのマップ
リングを含むヒト遺伝子マッピングの技術および材料の
一般的な議論は、例えば、WhiteおよびLalouel,1988に
記載されている。
組換えまたは化学的に合成した核酸;ベクター、形質転
換、宿主細胞の調製 本発明の大量のポリヌクレオチドは、適当な宿主細胞
中の複製によって産生し得る。所望の断片をコードする
天然または合成ポリヌクレオチド断片は、原核生物また
は真核生物細胞に導入し、複製する能力を有する、組換
えポリヌクレオチド構築物、通常DNA構築物に導入す
る。通常、ポリヌクレオチド構築物は、酵母または細菌
のごとき単細胞宿主における複製に適しているであろう
が、(ゲノム内に一体化されるか、またはされないで)
培養した哺乳動物または植物あるいは他の真核生物細胞
系統への導入を意図することもできる。本発明の方法に
よって作製した核酸の精製は、例えば、Sambrookら,198
9またはAusubelら,1992に記載されている。
本発明のポリペプチドは、例えば、BeaucageおよびCa
rruthers,1981によって記載されているホスホルアミダ
イト法、またはMatteucciおよびCaruthers,1981による
トリエステル法による化学合成によって作製し得、市販
の自動化オリゴヌクレオチド合成器で行うこともでき
る。二本鎖断片は、相補鎖を合成し、適当な条件下にて
それらの鎖を一緒にアニーリングさせることによって、
あるいは、適当なプライマー配列と一緒にDNAポリメラ
ーゼを用いて相補鎖を付加することによって、化学合成
の一本鎖から得ることができる。
原核生物または真核生物宿主へ導入するために調製す
るポリヌクレオチド構築物は、所望のポリヌクレオチド
をコードする目的のポリヌクレオチド断片を包含する宿
主によって認識される複製系を含み得、好ましくは該ポ
リヌクレオチドコードセグメントに作動可能に連結した
転写および翻訳の開始の調節配列も含むであろう。発現
ベクターには、例えば、複製開始点または自律複製配列
(ARS)、ならびに、リボソーム−結合部位、RNAスプラ
イシング部位、ポリアデニル化部位、転写ターミネータ
ー配列およびmRNA安定化配列のごとき、発現制御配列、
プロモーター、エンハンサーおよび必須のプロセシング
情報部位が含まれ得る。分泌シグナルには、適当には、
天然BRCA1蛋白質からか、または他の受容体、あるいは
同一または関連する種の分泌ポリペプチドからかのいず
れかからのもので、蛋白質を細胞膜貫通および/または
緊提させるもので、従って、その機能トポロジーを達成
する、あるいは細胞から分泌されるものが含まれ得る。
かかるベクターは、当該分野でよく知られ、例えば、Sa
mbrookら,1989またはAusbelら,1992中で論じられている
標準的な組換え技術によって調製し得る。
適当なプロモーターおよび他の必須のベクター配列
は、宿主で機能するように選択され、適当には、BRCA1
遺伝子と天然で関連するものが含まれ得る。細胞系統お
よび発現ベクターの作動し得る組合せの例は、Sambrook
ら,1989またはAusubelら,1992に記載されており;ま
た、例えば、Metzgerら,1988を参照せよ。多くの有用な
ベクターが当該分野で公知であり、Stratagene社、New
England Biolabs社、Promega Biotech社他のごとき業者
から入手し得る。trp、lacおよびファージプロモータ
ー、tRNAプロモーターおよび解糖酵素プロモーターのご
ときプロモーターを原核生物宿主に用い得る。有用な酵
母プロモーターには、メタロチオネイン、3−ホスホグ
リセレート・キナーゼ、または、エノラーゼもしくはグ
リセルアルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロゲナー
ゼのごとき他の解糖酵素、マルトースおよびガラクトー
ス利用に寄与する酵素他のプロモーター領域が含まれ
る。酵母発現の使用に適したベクターおよびプロモータ
ーは、さらに、Hitzemanら,EP 73,675A記号に記載され
ている。適当な非天然哺乳動物プロモーターには、SV40
からの初期および後期プロモーター(Fiersら,1978)ま
たはマウスモロニー白血病ウイルス、マウス腫瘍ウイル
ス、ニワトリ肉腫ウイルス、II型アデノウイルス、ウシ
乳頭腫ウイルスまたはポリオーマ由来のプロモーターが
含まれ得る。加えて、該構築物は、複数コピーの遺伝子
を作製し得るように、増幅性遺伝子(例えば、DHFR)に
連結し得る。適当なエンハンサーおよび他の発現制御配
列に関しては、例えば、Enhancers and Eukaryotic Gen
e Expression,Cold Spring Harbor Press社,Cold Sprin
g Harbor,New York(1983)を参照せよ。
かかる発現ベクターは自律的に複製し得るが、それら
は、当該分野でよく知られている方法によって、宿主細
胞のゲノムに挿入することによって複製することもでき
る。
発現およびクローニングベクターは、ベクターで形質
転換した宿主細胞の生存または増殖に必須な蛋白質をコ
ードする遺伝子である選択マーカーを含むようである。
この遺伝子が存在することにより、該インサートを発現
する宿主細胞のみの増殖が保証される。典型的な選択遺
伝子は、a)抗生物質または他の毒性物質、例えば、ア
ンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセート他への抵
抗性を付与する;b)栄養要求性欠損を補う、またはc)
複合培地から入手できない重要な栄養を供給する(例え
ば、悍菌(Bacilli)にはD−アラニン・ラセマーゼを
コードする遺伝子)蛋白質をコードしている。適当な選
択マーカーの選択は宿主細胞に依存し、種々の宿主に対
する適当なマーカーは当該分野でよく知られている。
目的の核酸を含むベクターはイン・ビトロ(in vitr
o)で転写し得、よく知られた方法(例えば、インジェ
クション(Kuboら,1988))によって、得られたRNAを宿
主細胞に導入し得、あるいは、該ベクターは細胞宿主の
タイプに依存して変動する当該分野でよく知られている
方法(エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化
ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストランま
たは他の物質を用いるトランスフェクション;マイクロ
プロジェクタイル衝撃;リポフェクション感染(ベクタ
ーがレトロウイルスゲノムのごとき感染性因子であ
る);ならびに他の方法)によって宿主細胞に直接導入
し得る(一般的に、Sambrookら,1989およびAusubelら,1
992参照)。とりわけ前記したものを包含する当該分野
で公知のいずれかの方法による宿主細胞へのポリヌクレ
オチドの導入は、本明細書中で「形質転換」という。前
記の核酸を導入した細胞は、かかる細胞の子孫も含むこ
とを意味する。
本発明の大量の核酸およびポリヌクレオチドは、BRCA
1核酸またはその一部分を原核生物または真核生物宿主
細胞に和合性のベクターまたは他の発現ビヒクルで発現
させることによって調製し得る。最も通常用いる原核生
物宿主はエシェリキア・コリ(Escherichia coli)であ
るが、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)ま
たはシュードモナス(Pseudomonas)のごとき他の原核
生物も用い得る。
哺乳類宿主細胞、あるいは、酵母、糸状菌、植物、昆
虫、または両生類もしくは鳥類のごとき他の真核生物宿
主細胞も、また、本発明の蛋白質の産生に有用となり得
る。培養における哺乳動物細胞の増殖は、それ自体よく
知られている(JakobyおよびPastan,1979参照)。通常
用いられる哺乳動物宿主細胞系統の例はVEROおよびHeLa
細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、なら
びにWI38、BHKおよびCOS細胞系統であるが、他の細胞系
統も、例えば、より高い発現、望ましいグリコシル化パ
ターン、または他の特徴を供するに適当となり得ること
は当業者によって理解されるであろう。
ベクター構築物の様式に依存するマーカーを用いるこ
とによって、クローンを選抜し得る。マーカーは、同一
または異なるDNA分子上とし得るが、好ましくは同一DNA
分子上である。原核生物宿主においては、例えば、アン
ピシリン、テトラサイクリンまたは他の抗生物質に対す
る抵抗性によって、形質転換体を選抜し得る。温度感受
性に基づく特定の産物の産生も、適当なマーカーとして
作用し得る。
本発明のポリヌクレオチドで形質転換した原核生物ま
たは真核生物細胞は、本発明の核酸およびポリペプチド
の産生のみならず、例えば、BRCA1ポリペプチドの特性
の研究においても有用であろう。
アンチセンス・ポリヌクレオチド配列は、当業者によ
って理解されるであろうごとく、BRCA1座の発現を防ぐ
か、または減じるのに有用である。例えば、BRCA1座ま
たはBRCA1領域からの他の配列(特に、BRCA1座に隣接す
るもの)の全体もしくは一部分を含有するポリヌクレオ
チドベクターは、アンチセンス方向でプロモーターの制
御下に置き、細胞に導入することができる。細胞内にお
けるかかるアンチセンス構築物の発現は、BRCA1転写お
よび/または翻訳および/または複製を妨害するであろ
う。
本明細書で開示したBRCA1遺伝子配列に基づくプロー
ブおよびプライマーを用いて、他の種における相同性BR
CA1遺伝子配列および蛋白質を同定する。これらのBRCA1
遺伝子配列および蛋白質は、それを単離した種について
の、本明細書に記載した診断/予測、治療および薬剤ス
クリーニング方法に用いる。
使用方法:核酸診断および診断キット 個人が癌になる素因であるBRCA1対立遺伝子の存在を
検出するためには、血液のごとき生物試料を調製し、BR
CA1の感受性対立遺伝子の存在または不存在について分
析する。新生生物の存在を検出するためには、前駆体病
斑の悪性腫瘍に向けての進展、または、予測指標とし
て、病斑の生物試料を調製し、BRCA1の突然変異対立遺
伝子の存在または不存在について分析する。これらの試
験の結果および解釈情報は、試験した個人に対するコミ
ュニケーションのためにヘルスケア・プロバイダーに戻
す。かかる診断は、診断研究所によって行うか、別法と
して、診断キットを製造し、ヘルスケア・プロバイダー
または自己−診断用にプライベートな個人に対して販売
し得る。
最初に、スクリーニング法は適当なBRCA1配列の増幅
が含まれる。本発明のもう1つの好ましい具体例におい
て、該スクリーニング方法は、非−PCRベースの戦略を
含む。かかるスクリーニング法には、当該分野でよく知
られている2−段階標識増幅方法論が含まれる。PCRお
よび非−PCRの両方のベースのスクリーニング戦略は、
高レベルの感度で標的配列を検出し得る。
今日用いられている最もポピュラーな方法は、標的増
幅である。ここにおいては、標的核酸配列をポリメラー
ゼで増幅する。ポリメラーゼ作動増幅を用いる1つの特
に好ましい方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であ
る。ポリメラーゼ連鎖反応および他のポリメラーゼ−作
動増幅アッセイにより、ポリメラーゼ−作動増幅サイク
ルの使用を通して、コピー数にして百万倍を超える増加
を達成し得る。増幅したら、得られた核酸は配列決定し
得るか、またはDNAプローブ用の基質として用い得る。
プローブを用いて標的配列の存在を検出する(例え
ば、癌感受性についてのスクリーニングにおいて)場
合、所望により、血液または血清のごとき分析すべき生
物試料を処理して核酸を抽出し得る。試料核酸を種々の
方法で調製して、標的配列の検出;例えば、変性、制限
消化、電気泳動またはドット・ブロットを容易ならしめ
ることができる。分析核酸の標的化領域は、通常、少な
くとも部分的に一本鎖であって、プローブの標的配列と
ハイブリッドを形成しなければならない。配列が天然に
一本鎖である場合、変性は必要ないであろう。しかしな
がら、配列が二本鎖である場合、該配列は恐らく変性さ
せる必要がある。変性は、当該分野で公知の種々の技術
によって行い得る。
分析核酸およびプローブは、分析物中の予想標的化配
列とプローブ中の標的配列との安定なハイブリッド形成
を促進する条件下にてインキュベートする。分析物に結
合させるのに用いるプローブの領域は、ヒト染色体17q
の標的化領域に完全に相補的とし得る。したがって、誤
った陽性を防ぐためには、高ストリンジェンシー条件が
望ましい。しかしながら、高ストリンジェンシー条件
は、ゲノム中にユニークである染色体領域にプローブが
相補的である場合にのみ使用する。ハイブリダイゼーシ
ョンのストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーション
の間および洗浄工程の間の多数の因子によって決定さ
れ、これには、温度、イオン強度、塩基組成、プローブ
長およびホルムアミド濃度が含まれる。これらの因子
は、例えば、Maniatisら,1982およびSambrookら,1989に
概説されている。特定の環境下においては、三重らせ
ん、四重らせん他のごときより高次のハイブリッドを形
成させて、標的配列を検出する手段を提供することが望
ましいこともあり得る。
いずれにせよ、得られたハイブリッドの検出は、通
常、標的プローブを用いることによってなされる。別法
として、該プローブは非標識であってもよいが直接また
は間接的に標識したリガンドとの特異的な結合によって
検出し得る。適当な標識、ならびにプローブおよびリガ
ンドを標識する方法は当該分野で公知であって、これに
は、例えば、公知の方法(例えば、ニック・トランスレ
ーション、ランダム・プライミングまたはキナージング
(kinasing))、ビオチン、蛍光基、化学発光基(例え
ば、ジオキセタン、特に励起(triggered)ジオキセタ
ン)、酵素、抗体他によって取り込み得る放射能標識が
含まれる。この基本スキームの変形は当該分野で公知で
あって、外来物質から検出すべきハイブリッドの分離を
容易ならしめる変形、および/または標識基からの信号
を増幅する変形が含まれる。多くのこれらの変形は、例
えば、MatthewsおよびKricka,1988;Landegrenら,1988;M
ittlin,1989;米国特許第4,868,105号およびEPO公開第22
5,807号に概説されている。
前記したごとく、非−PCR−ベースのスクリーニング
アッセイも本発明で意図される。例示的な非−PCRに基
づく方法を実施例11に供する。この方法は、核酸プロー
ブ(または、ホスホン酸メチル骨格を正常なホスホジエ
ステルと置換えたごときアナログ)を低レベルのDNA標
的にハイブリダイズする。このプローブは、共有結合が
ハイブリダイゼーションの特異性を妨害しないように、
当該プローブに共有結合した酵素を有し得る。この酵素
−プローブ−コンジュゲート−標的核酸複合体は、つい
で、遊離プローブ酵素コンジュゲートから単離し得、酵
素検出用に基質を添加する。酵素活性は、感度にして10
3−106の増加が得られる発色または発光出力における変
化で観察認される。オリゴデオキシヌクレオチド−アル
カリホスファターゼ・コンジュゲートの調製およびハイ
ブリダイゼーション・プローブとしてのそれらの使用に
関する一例としては、Jablonskiら,1986を参照せよ。
二段階標識増幅方法論は、当該分野で公知である。こ
れらのアッセイは、(ジゴキシゲニン、ビオチン他のご
とき)小リガンドが、BRCA1に特異的に結合し得る核酸
プローブに結合するという原理で行う。例示的なプロー
ブを本明細書の表9に供し、これにはさらに、配列番
号:1のヌクレオチド位3631〜3930に対応する核酸プロー
ブが含まれる。対立遺伝子特異的プローブもまた、この
例の範囲内にあることが意図されており、例示的な対立
遺伝子特異的プローブには、本願明細書の表11および12
中に要約した素因突然変異を包含するプローブが含まれ
る。
一例において、核酸プローブに結合する小プローブ
は、抗体−酵素コンジュゲートによって特異的に認識さ
れる。この例の1つの具体例において、ジゴキシゲニン
が核酸プローブに結合する。ハイブリダイゼーション
は、化学発光基質になる抗体−アルカリホスファターゼ
・コンジュゲートによって検出する。この具体例による
核酸プローブを標識する方法については、Martinら,199
0を参照せよ。第二の実施例においては、第一リガンド
に特異的にコンプレックスを形成し得る第二リガンド−
酵素コンジュゲートによって小リガンドを認識する。こ
の例のよく知られた具体例は、ビオチン−アビジン型の
相互作用である。核酸プローブを標識する方法およびビ
オチン−アビジンに基づくアッセイにおけるそれらの使
用については、Rigbyら,1977およびNguyenら,1992を参
照せよ。
本発明の核酸プローブアッセイがBRCA1を検出し得る
核酸プローブのカクテルを用いるであろうことも、本発
明の範囲内で意図されている。かくして、細胞試料中の
BRCA1の存在を検出する一例において、BRCA1に相補的な
2以上のプローブを用い、特に、多くの異なるプローブ
を、別法として、2、3または5この異なる核酸プロー
ブ配列を用いる。もう1つの例において、患者における
BRCA1遺伝子配列中の突然変異の存在を検出するために
は、BRCA1に相補的な2以上のプローブを用い、ここ
に、カクテルは、BRCA1中に変化を有する患者の集団に
おいて同定された対立遺伝子−特異的突然変異に結合し
得るプローブを含む。この具体例においては、いずれの
数のプローブを用いることができるが、好ましくは、個
人が乳癌になる素因として同定された主遺伝子突然変異
に対応するプローブを含むであろう。本発明の範囲内に
意図される幾つかの候補プローブには、表11および12に
同定した対立遺伝子−特異的突然変異を含むプローブ、
ならびに、配列番号:1の5′および3′の両方の突然変
異サイトに対応するBRCA1領域を有するプローブが含ま
れる。
使用方法:ペプチド診断および診断キット 病斑の新生生物状態は、野生型BCA1ポリペプチドの変
化に基づいても検出し得る。かかる変化は、慣用的な技
術による配列分析によって決定し得る。より好ましく
は、抗体(ポリクローナルまたはモノクローナル抗体)
を用いて、BRCA1ペプチド中の相違、または不存在を検
出する。該抗体は、「抗体」なる標題下で前に論じ、実
施例12および13にさらに示すごとく調製し得る。抗体を
生起させて精製する他の技術は当該分野でよく知られて
おり、いずれのかかる技術を用いても、本発明に請求す
る調製物をなし得る。本発明の好ましい具体例におい
て、抗体は、溶液からBRCA1蛋白質を免疫沈降し、か
つ、ポリアクリルアミドゲルのウェスタンまたはイムノ
ブロット上でBRCA1蛋白質と反応するであろう。もう1
つの好ましい具体例において、抗体は、免疫細胞化学的
技術を用いて、パラフィンまたは凍結組織切片中のBRCA
1蛋白質を検出するであろう。
BRCA1またはその突然変異を検出する方法に関する好
ましい具体例には、モノクローナル抗体および/または
ポリクローナル抗体を用いたサンドウィッチアッセイを
含む、酵素結合免疫ソルベントアッセイ(ELISA)、ラ
ジオイムノアッセイ(RIA)、イムノラジオ分析アッセ
イ(IRMA)およびイムノ酵素アッセイ(IEMA)が含まれ
る。例示的なサンドウィッチアッセイは、(出典明示し
て本明細書の一部とみなし、実施例14で例示する)米国
特許第4,376,110号および第4,486,530号においてDavid
らによって記載されている。
使用方法:薬剤スクリーニング 本発明は、いずれかの種々の薬剤スクリーニング技術
においてBRCA1ポリペプチドまたはその結合フラグメン
トを使用することによって、化合物をスクリーニングす
るのに特に有用である。
かかる試験において使用するBRCA1ポリペプチドまた
はフラグメントは、溶液中で遊離させ得、固体支持体に
固定化し得、あるいは細胞表面上に支持し得る。薬剤ス
クリーニングの1つの方法は、好ましくは競合結合アッ
セイにおいて、ポリペプチドまたはフラグメントを発現
する組換えポリヌクレオチドで安定して形質転換した真
核生物または原核宿主生物細胞を使用する。生存能力を
有するか、または固定形態のいずれかのかかる細胞は、
標準結合アッセイに用いることができる。例えば、BRCA
1ポリペプチドまたはフラグメントと試験すべき剤との
間の複合体の形成について測定し得、または、BRCA1ポ
リペプチドまたはフラグメントと既知リガンドとの間の
複合体の形成が試験すべき剤によって妨害される程度を
検査し得る。
かくして、本発明は、薬剤とBRCA1ポリペプチドまた
はフラグメントとを接触させ、当該分野でよく知られて
いる方法によって、(i)該剤とBRCA1ポリペプチドま
たはフラグメントとの間の複合体の存在につき、または
(ii)BRCA1ポリペプチドまたはそのフラグメントとリ
ガンドとの間の複合体の存在につきアッセイすることを
特徴とする薬剤のスクリーニング方法を提供する。かか
る競合結合アッセイにおいて、BRCA1ポリペプチドまた
はフラグメントは、典型的に標識されている。遊離BRCA
1ポリペプチドまたはフラグメントは、蛋白質:蛋白質
複合体に存在するものから単離し、遊離(すなわち、非
コンプレックス形成)標識の量は、各々、BRCA1に対し
て試験すべき剤の結合の測定値、またはBRCA1:リガンド
結合で妨害された値である。
薬剤スクリーニングのもう1つの技術は、BRCA1ポリ
ペプチドに対して適当な結合アフィニティーを有する化
合物の高処理量スクリーニングを提供し、これは、Geys
en,1984年9月13日に公開されたPCT国際公開WO84/03564
号に詳記されている。簡単に説明すると、多数の異なる
小ペプチド試験化合物を、プラスチックピンまたはある
種の他の表面のごき固体支持体上で合成する。ペプチド
試験化合物をBRCA1ポリペプチドと反応させ、洗浄す
る。結合したBRCA1ポリペプチドを、ついで、当該分野
でよく知られている方法によって検出する。
精製したBRCA1は、前記した薬剤スクリーニング技術
において使用するために、プレート上に直接コートし得
る。しかしながら、該ポリペプチドに対する非−中和抗
体を用いて抗体を捕捉し、該固相上にBRCA1ポリペプチ
ドを固定化し得る。
また、本発明は、競合薬剤スクリーニングアッセイの
使用も意図しており、その中では、BRCA1ポリペプチド
に特異的に結合し得る中和抗体を、BRCAポリペプチドま
たはそのフラグメントに対する結合について、試験化合
物と競合させる。このようにして、抗体を用いて、1ま
たは2以上のBRCA1ポリペプチドの抗原決定基を有する
いずれのペプチドの存在も検出し得る。
薬剤スクリーニングのさらなる技術には、非機能性BR
CA1遺伝子を有する(前記したごとき)宿主真核生物細
胞系統または細胞の使用が含まれる。これらの宿主細胞
系統または細胞は、BRCA1ポリペプチドレベルで欠失し
ている。宿主細胞系統または細胞は、薬剤化合物存在下
で増殖する。宿主細胞の増殖速度を測定して、該化合物
がBRCA1欠失細胞の増殖を調節し得るか否かを判断す
る。
使用方法:合理的薬剤デザイン 合理的薬剤デザインの目標は、例えば、より活性な、
または安定な形態のポリペプチド、またはイン・ビボ
(in vivo)でポリペプチドの機能を向上する、または
妨害する薬剤を製造するために、目的の生物学的に活性
なポリペプチド、または、当該薬剤が相互作用する小分
子(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、インヒビタ
ー)の構造アナログを設計することである(例えば、Ho
dgson,1991参照)。1つのアプローチにおいて、最初に
目的の蛋白質(例えば、BRCA1ポリペプチド)または、
例えば、BRCA1−受容体もしくはリガンドコンプレック
スの三次元構造を、x−線結晶学、コンピュータ・モデ
リング、または最も典型的には、組合せたアプローチに
よって決定する。あまり頻繁ではないが、相同蛋白質の
構造に基づくモデリングによって、ポリペプチドの構造
に関する有用な情報を得ることができる。合理的薬剤デ
ザインの一例は、HIVプロテアーゼ・インヒビターの開
発である(Ericksonら,1990)。加えて、ペプチド(例
えば、BRCA1ポリペプチド)をアラニン・スキャンによ
って分析する(Wells,1991)。この技術においては、ア
ミノ酸残基をAlaに置換し、ペプチド活性に対するその
影響を測定する。ペプチドの各アミノ酸残基をこのよう
にして分析して、ペプチドの重要な領域を決定する。
また、機能アッセイによって選抜した標的−特異的抗
体を単離し、ついで、その結晶構造を解明することもで
きる。原則として、このアプローチにより、続く薬剤デ
ザインに基づき得るファーマコア(pharmacore)が得ら
れる。機能的な薬理学的に活性な抗体に対する抗−イデ
ィオタイプ抗体(抗−ids)を生起することによって、
蛋白質結晶学を全く回避することができる。鏡像の鏡像
のごとく、抗−idsの結合サイトは、元の受容体のアナ
ログであると予想される。ついで、抗−idsを用いて、
ペプチドの化学的または生物学的に作成したバンクのバ
ンクからペプチドを同定し、単離し得る。ついで、選抜
したペプチドは、ファーマコアとして作用するであろ
う。
かくして、例えば、改善されたBRCA1ポリペプチド活
性または安定性を有するか、または、例えば、BRCA1ポ
リペプチド活性のインヒビター、アゴニスト、アンタゴ
ニスト他として作用する薬剤をデザインすることができ
る。クローン化BRCA1配列の有効性によって、十分な量
のBRCA1ポリペプチドを利用して、x線結晶学のごとき
分析実験を行い得る。加えて、本明細書に供するBRCA1
蛋白質配列の知見は、x−線結晶学の代わりに、または
それに加えて、コンピュータモデリング技術を利用する
ものに導くであろう。
使用方法:遺伝子療法 本発明により、野生型BRCA1機能を突然変異BRCA対立
遺伝子を運ぶ細胞に供する方法が提供される。かかる機
能の提供は、受容細胞の新生生物増殖を抑制するにちが
いない。野生型BRCA1遺伝子またはその遺伝子の一部分
は、遺伝子が染色体外に残るようベクターで細胞に導入
し得る。かかる状態においては、遺伝子は、染色体外位
置から細胞によって発現されるであろう。遺伝子フラグ
メントを突然変異BRCA1対立遺伝子を運ぶ細胞に導入し
発現させた場合、該遺伝子フラグメントは、細胞の非−
新生生物増殖に要するBRCA1蛋白質の一部分をコードし
ているにちがいない。
より好ましくは、野生型BRCA1遺伝子またはその一部
分を、細胞に存在する内因性突然変異BRCA1遺伝子とそ
れが組換わるように、突然変異細胞に導入する状況であ
る。かかる組換えには、二重組換え事象が必要であり、
これはBRCA1遺伝子突然変異の訂正を生じる。組換えお
よび染色体外維持の両方の遺伝子を導入するベクターは
当該分野で公知であり、いずれかの適当なベクターを用
い得る。エレクトロポレーション、リン酸カルシウム共
沈およびウイルス形質導入のごとき細胞にDNAを導入す
る方法は当該分野で公知であり、方法の選択は日常従事
者の能力の範囲内にある。野生型BRCA1遺伝子で形質転
換した細胞をモデル系として使用し、癌の緩解およびか
かる緩解を促進する薬剤処理を研究し得る。
一般的に前に論じたごとく、BRCA1遺伝子またはフラ
グメントは、適用し得る場合には、癌細胞中のかかる遺
伝子の発現産物の量を増加させるために、遺伝子療法に
用いることができる。かかる遺伝子療法は、癌性および
前−癌性細胞の両方における使用に特に適しており、こ
の療法においては、正常細胞に比して、BRCA1ポリペプ
チドのレベルがなくなるかまたは減じられる。また、
「正常」レベルで突然変異遺伝子が発現しているが、該
遺伝子産物は完全に機能的でない腫瘍細胞中でさえ、所
与のBRCA1遺伝子の発現レベルを増加させるにも有用と
なり得る。
遺伝子療法は、(例えば、Friedman,1991によって記
載されたごとき)一般的に許容された方法によって行わ
れるであろう。患者の腫瘍からの細胞は、まず、前記し
た診断方法によって分析して、腫瘍細胞におけるBRCA1
ポリペプチドの産生を確認するであろう。発現制御因子
につなげたBRCA1遺伝子のコピーを含み、腫瘍細胞の内
側で複製能力を有するウイルスまたはプラスミドベクタ
ー(以下のさらなる詳細参照)を調製する。米国特許第
5,252,479号およびPCT国際公開WO93/07282号に開示のご
とき、適当なベクターは公知である。ついで、腫瘍部位
に局所的にか、または(他のサイトに転移し得るいずれ
かの腫瘍細胞に達するために)全身的にかのいずれかで
ベクターを患者に注射する。トランスフェクト遺伝子が
各標的化腫瘍細胞のゲノムに恒久的に取り込まれた場
合、該処理を定期的に反復し得る。
当該分野で公知である遺伝子移入系は、本発明の遺伝
子療法の実施に有用となり得る。これらには、ウイルス
および非ウイルス移入法が含まれる。SV40(Madzakら,1
992)、アデノウイルス(Berkner,1992;Berknerら,198
8;GorzigliaおよびKapikian,1992;Quantinら,1992;Rose
nfeldら,1992;Wilkinsonら,1992;Stratford−Perricaud
etら,1990)、ワクシニアウイルス(Moss,1992)、アデ
ノ関連ウイルス(Muzyczka,1992;Ohiら,1992)を含むパ
ポーバウイルス科、HSVおよびEBV(Margolskee,1992;Jo
hnsonら,1992;Finkら,1992;BreakfieldおよびGeller,19
87;Freeseら,1990)を含むヘルペスウイルス科、ならび
にニワトリ(BrandyopadhyayおよびTemin,1984;Petropo
ulosら,1992)、ネズミ(Miller,1992;Milerら,1985;So
rgeら,1984;MannおよびBaltimore,1985;Millerら,198
8)およびヒト起源(Shimadaら,1991;Helsethら,1990;P
ageら,1990;BuchschacherおよびPanganiban,1992)のレ
トロウイルスを包含する、多数のウイルスが遺伝子移入
ベクターとして用いられている。大部分のヒト遺伝子療
法プロトコールは、不活化ネズミレトロウイルスに基づ
いている。
当該分野で公知の非ウイルス遺伝子移入法には、リン
酸カルシウム共沈(Grahamおよびvan der Eb,1973;Pell
icerら,1980)のごとき化学的技術;例えば、マイクロ
インジェクション(Andersonら,1980;Godonら,1980;Bri
nsterら,1981;ConstantiniおよびLacy,1981)のごとき
機械的方法;リポソームを介した膜融合−介在移入(Fe
lgnerら,1987;WangおよびHaung,1989;Kanedaら,1989;St
ewartら,1992;Nabelら,1990;Limら,1992);ならびに直
接DNA取り込みおよび受容体−媒介DNA移入(Wolffら,19
90;Wuら,1991;Zenkeら,1990;Wuら,1989b;Wolffら,1991;
Wagnerら,1990;Wagnerら,1991;Cottenら,1990;Curiel
ら,1991a;Curielら,1991b)が含まれる。ウイルス−媒
介遺伝子移入は、リポソームデリバリーを用いる直接イ
ン・ビボ(in vivo)遺伝子移入と組み合わせることに
より、周囲の非分割細胞にではなく、腫瘍細胞にウイル
スベクターを指向することができる。別法として、レト
ロウイルスベクター産生細胞系統を腫瘍に注射し得る
(Culverら,1992)。ついで、産生細胞の注射は、ベク
ター粒子の連続供給源を提供する。この技術は、手術不
可能な脳腫瘍を有するヒトにおいて使用することが認可
されている。
生物および物理学的遺伝子移入法を組み合わせたアプ
ローチにおいては、いずれかのサイズのプラスミドDNA
を、アデノウイルス・ヘキソン蛋白質に特異的なポリリ
ジン−コンジュゲート抗体と組み合わせ、得られたコン
プレックスをアデノウイルスベクターに結合する。つい
で、三分子コンプレックスを用いて細胞を感染する。ア
デノウイルスベクターは、カップル化DNAが損傷される
前に、エンドソームの効率的な結合、内在化および消化
を許容する。
リポソーム/DNAコンプレックスは、直接イン・ビボ遺
伝子移入を媒介し得ることが示された。標準的なリポソ
ーム調製物において遺伝子移入プロセスは非特異的であ
るが、例えば、直接イン・サイチュ(in situ)投与後
に、局在化イン・ビボ(in vivo)取り込みおよび発現
が腫瘍沈着において報告されている(Nabel,1992)。
DNAを、乳房組織および卵巣組織(例えば、乳房また
は卵巣の上皮細胞)にDNAを直接標的化する遺伝子移入
技術が好ましい。受容体−媒介遺伝子移入は、例えば、
ポリリジンを介して、蛋白質リガンドにDNA(通常、共
有的に閉環したスーパーコイル化プラスミドの形態)を
コンジュゲートすることによってなす。リガンドは、標
的細胞/組織型の細胞表面上の対応するリガンド受容体
の存在に基づいて選択する。1つの適当な受容体/リガ
ンド対には、エストロゲン受容体およびそのリガンド、
エストロゲン(およびエストロゲン・アナログ)が含ま
れ得る。これらのリガンド−DNAコンジュゲートは、所
望により、血液に直接注射することができ、受容体結合
およびDNA−蛋白質コンプレックスの内在化が起こる標
的組織に指向し得る。DNAの細胞内破壊の問題を克服す
るため、アデノウイルスとの同時感染を関与させて、エ
ンドソーム機能を崩壊し得る。
該療法には、単独または結合して行い得る二工程が含
まれる。第一工程においては、BRCA1感受性対立遺伝子
を運ぶ思春期前女性を、彼女達の乳管上皮前駆細胞の幾
つかまたは全部が機能正常BRCA1対立遺伝子の少なくと
も1つのさらなるコピーを受けるように、遺伝子デリバ
リービヒクルで処理する。この工程においては、処理し
た個人は、正常な対立遺伝子が存在することによって感
受性対立遺伝子の作用を押しとどめる程度まで低下した
乳癌の危険性を有する。予防的な療法の第二工程におい
ては、予め処理した若年女性、特に、提起した遺伝子療
法治療を受けた女性をホルモン療法に付して、全期間妊
娠の乳房に対する影響を最小限とする。
使用方法:ペプチド療法 BRCA1活性を有するペプチドを、突然変異または欠失
したBRCA1対立遺伝子を運ぶ細胞に提供し得る。BRCA1蛋
白質の配列を開示する(配列番号:2)。蛋白質は、例え
ば、公知の発現ベクターを用いて、細菌中でcDNA配列を
発現させることによって産生し得る。別法として、BRCA
1ポリペプチドは、BRCA1産生−哺乳動物細胞から抽出す
ることもできる。加えて、合成化学の技術を用いて、BR
CA1蛋白質を合成することもできる。いずれのかかる技
術も、BRCA1蛋白質を含む本発明の調製物を提供し得
る。該調製物は、実質的に他のヒト蛋白質を含んでいな
い。このことは、微生物またはイン・ビトロ(in vitr
o)の合成によって最も容易になされる。
活性BRCA1分子は、マイクロインジェクションによっ
てか、または例えば、リポソームを使用することによっ
て細胞に導入し得る。別法としては、能動的または拡散
によって、ある種の活性分子が細胞によって取り込まれ
得る。BRCA1遺伝子産物の細胞外適用は、腫瘍増殖に十
分に影響し得る。BRCA1活性を有する分子の適用は、新
生生物状態の部分的逆転に通じるにちがいばい。BRCA1
活性を有する他の分子(例えば、ペプチド、薬剤または
有機化合物)を用いてもかかる逆転に影響し得る。実質
的に同様の機能を有する修飾ペプチドも、ペプチド療法
に用いられる。
使用方法:形質転換宿主 同様にして、突然変異BRCA1対立遺伝子を運ぶ細胞お
よび動物をモデル系として用いて、治療剤としての潜在
性を有する物質について実験および試験し得る。細胞
は、典型的には、培養上皮細胞である。これらは、体細
胞または生殖系列のいずれかのBRCA1突然変異を有する
個人から単離し得る。別法として、該細胞系統を設計し
て、前記したごとく、BRCA1対立遺伝子中に突然変異を
運ばせ得る。試験物質を該細胞に適用した後、該細胞の
新生生物的に形質転換した表現型を測定する。アンカレ
ッジ・インディペンデント増殖、ヌードマウスにおける
腫瘍形成性、細胞の非侵入性、および増殖因子依存性を
包含する、新生生物的に形質転換した細胞のいずれの特
色も評価し得る。これらの各特色のアッセイは、当該分
野で知られている。
治療剤を試験する動物は、全体動物の突然変異誘発後
または生殖系統細胞または接合体の処理後に選択し得
る。かかる処理には、通常は、第二動物種からの突然変
異BRCA1対立遺伝子の挿入、ならびに、破壊した相同遺
伝子の挿入が含まれる。別法として、動物の内在性BRCA
1遺伝子(群)は、挿入または欠失突然変異または従来
技術を用いた他の遺伝的変化によって破壊し得る(Cape
cchi,1989;ValanciusおよびSmithies,1991;Hastyら,199
1;Shinkaiら,1992;Mombaertsら,1992;Philpottら,1992;
Snouwaertら,1992;Donehowerら,1992)。試験物質を動
物に投与した後に、腫瘍の増殖を評価しなければならな
い。試験物質が腫瘍の増殖を防ぐか、または抑制した場
合には、該試験物質は、本明細書にて同定した癌の治療
の候補治療剤である。これらの動物モデルは、潜在的な
治療製品に極めて重要な試験ビヒクルを提供する。
本発明を以下の実施例に参照することにより記載する
が、これは説明目的で供するものであって、いかなる場
合においても本発明を限定するものではない。当該分野
でよく知られている標準技術、または以下に特別に記載
する技術を利用した。
実施例1 17q−連鎖乳癌感受性遺伝子座を有するような確認家系
および実験家系 広範な癌に罹り易い家系は、多くのケースの乳癌を持
つ広範な家系および実験に利用できる血縁者の大きな一
組を供する、はっきりとした集団から確認した。これら
の大家系に存在する非常に多数の減数分裂は、BRCA1遺
伝子座が分離しつつあるの否かを検出する能力を供し、
調査すべき小領域内に起こる情報的組換え体についての
機会を減少させた。これは、BRCA1領域への連鎖を確立
する機会を大いに改良し、BRCA1領域の取り扱い易いサ
イズへの縮小を容易とし、BRCA1遺伝子座自体の同定を
可能とする。
各家系を、すべての利用可能な関連血縁者を通じて、
各発端者または癌ケースのすべての情報的一親等血縁者
まで拡大した。これらの家系については、さらなる乳癌
ケース、および該家系で現れた注目する他の部位(例え
ば、卵巣)に癌を持つ個人を、腫瘍登録関連ファイルを
通じて捜し当てた。ユタ州癌登録で確認されなかった家
系で報告されているすべての乳癌を調査した。医学記録
または死亡証明書を、すべての癌の確認のために入手し
た。DNAを抽出した血液試料を供することによって、各
鍵となる個人およびすべての情報的個人を参加させた。
また、我々は、故人ケースの遺伝子型がその血縁者の遺
伝子型から推定できるように、故人ケースの配偶者およ
び血縁者からサンプリングした。
推定できる遺伝子型を持つ3以上の癌ケースを有する
10の家系を、増殖性乳病および乳癌の研究用の関連デー
タベータから元々は確認された29家系の組からの17qマ
ーカーに対する連鎖実験のために選択した(Skolnick
ら、1990)。これらの家系の選択の基準は、乳癌を持つ
2人の姉妹または母親および彼女の娘の存在であった。
さらに、1980年以来我々の乳癌連鎖研究の一部として研
究してきた2の家系(K1001、K9018)、乳癌および/ま
たは卵巣癌のクラスターの存在についての関連データベ
ースから確認した6の家系(K2019、K2073、K2079、K20
80、K2039、K2082)および早期開始乳癌を持つ自己推定
家系(K2035)を含めた。これらの家系を調査し、前記
したように我々の臨床で拡大させた。表1は、引き続い
ての実施例の主題であるこれらの19家系の特徴を示す。
表1では、各家系につき、我々のデータベースにおける
個人の合計数、タイプ分けした個人の数、および乳房/
卵巣癌の診断時の最小、メジアンおよび最大年齢を報告
する。乳癌の診断時のメジアン年齢が増加する順に家系
を分類する。卵巣および乳癌双方と診断された4人の婦
人は両方のカテゴリーに数える。
実施例2 染色体17qに連鎖した家系の選択およびインターバルMfd
15−Mfd188へのBRCA1の位置決め これらの19の家系で収集した各試料につき、標準的な
実験プロトコルを用いて、血液(2のケースでは、パラ
フィン包埋組織ブロック)からDNAを抽出した。この実
験における遺伝子型決定は、短い縦列反復(STR)マー
カーに制限した。というのは、一般に、これらは高ヘテ
ロ接合性を有し、PCR法は非常に少量のDNAを使用しつ
つ、迅速な回転を供するからである。この努力を助力す
るために、CA陽性クローン用の染色体特異的コスミドラ
イブラリーをスクリーニングすることによって、染色体
17上の4つのかかるSTRマーカーを開発した。これらの
マーカーのうち3つが長腕:(46E6.Eastonら、199
3);(42D6、Eastonら、1993);26C2(D17S514、Oliph
antら、1991)に位置決定され、他方、外のもの12G6(D
17S513、Oliphantら、1991)は、p53腫瘍サプレッサー
遺伝子座近くの短腕に位置決定された。これらのうち2
つの42D6および46E6を、全世界の研究者による乳癌家族
のタイプ分けのためにBreast Cancer Linkage Consorti
umに提出した。我々の研究所で開発したのではないマー
カーについてのオリゴヌクレオチド配列は、発表された
報告から、あるいはBreast Cancer Linkage Consortium
の一部として、あるいは他の研究者から入手した。
すべての遺伝子型決定フィルムは、対立遺伝子の一貫
したコード付けを維持するのに使用される標準的なレー
ンマーカーで、盲検によりスコアを取った。ここに示す
4つの家系における鍵となる試料は、すべての関連マー
カーにつき二連でタイプ分けした。すべての19の家系
は、2の多形CA反復マーカー:42D6(D17S588)、我々の
研究所で単離されたCA反復、およびMfd15(D17S250)、
J.Weber(Weberら、1990)によって供されたCA反復につ
き、タイプ分けをした。いくつかの入手源からのプロー
ブを用いて、染色体17上、特に染色体17コスミド上に遺
伝マーカーを創製し、Los Alamos National Laboratori
es(van Dillaら、1986)による分類された染色体から
ラムダファージライブラリーを作製した。
これらの2つのマーカー(42D6、Mfd15)およびこれ
らの2のマーカーの間に概略位置決定された第3のマー
カーMfd188(D17S579、Hallら、1992)を持つ各家系に
ついてのLODスコアは、組換え分率の2つの値0.001およ
び0.1につき計算した。(LODスコアの計算については、
Oh,1985参照)。尤度は、Clausら,1991によって導かれ
たモデルで計算したが、これは、0.003の見積もった遺
伝子頻度、約0.80の遺伝子キャリアにおける一生の危
険、および非遺伝子キャリアにおける乳癌についての集
団ベースの年齢特異的危険を推定するものである。LOD
スコア計算で用いる3つのマーカーについての対立遺伝
子頻度は、CEPHパネル(WhiteおよびLalouel、1988)に
おける非血縁個人の我々自身の研究所でのタイプ分けか
ら計算した。表2は、3つのマーカー42D6、Mfd188、お
よびMfd15を持つ各家系の対での連鎖分析の結果を示
す。
CASHモデル(Clausら、1991)以下、少なくとも1つ
の遺伝子座につきLODスコア>1.0の17qの連鎖について
の基準を用いると、19の家系のうち4つが17qに連鎖し
ているようであった(K1901、K1925、K2035、K2082)。
多数のさらなる家系は、いくらかの連鎖の証拠を示した
が、この時点では連鎖カテゴリーに明確に帰属させるこ
とはできなかった。これらは、家系K1911、K2073、K203
9およびK2080を含むものであった。17q−連鎖家系のう
ち3つはこの領域で情報的組換え体を有し、これらを後
記にて詳述する。
家系2082は、いくつかのグループによって現在報告さ
れている最大の17q連鎖乳癌家族である。該家系は20ケ
ースの乳癌、および10ケースの卵巣癌を持つ。2のケー
スは、卵巣癌および乳癌を持つ。この家族について17q
への連鎖の証拠は圧倒的である:散在的であるような乳
癌の3ケースの存在に拘わらず、連鎖したハプロタイプ
を持つLODスコアは6.0を超える。すなわち、これらのケ
ースは、Mfd15および42D6の間に連鎖したハプロタイプ
の一部を共には有しない。これらの3つの散在ケース
は、年齢46、47および54歳にて乳癌を持つと診断され
た。より小さい家系では、このタイプの散在的癌は、連
鎖の分析および鍵となる組換え体の正しい同定を大いに
混乱させる。2082家系における鍵となる組換え体は、そ
の母親および伯母が各々58歳および66歳の年齢で卵巣癌
となった45歳で卵巣癌を発病した婦人である。彼女は、
Mfd15における非連鎖対立遺伝子を受け継ぎつつ、Mfd18
8および42D6双方についてのハプロタイプの連鎖した一
部を受け継いだ;この組換え事象により、はBRCA1はMfd
15に対して末端側に位置決定された。
K1901は、早期開始乳癌家系の典型的なものである。
該家系は10ケースの乳癌を持ち、43.5齢のメジアン断時
年齢を持つ;4ケースは40歳前に診断された。マーカー42
D6でのこの家系についてのLODスコアは1.5であり、その
結果、0.96の17q−連鎖の事後確率である。この家系で
ハプロタイプを調査すると、真性な男性キャリアおよび
45歳で乳癌を持つと診断された後の罹患娘において組換
えハプロタイプが同定された。マーカーMfd15について
のそれらの連鎖対立遺伝子は、(彼女の子供から完全に
は推定できなかった1のケースを除き)該家系における
すべての他のケースで見いだされるものとは異なる。2
つのハプロタイプはMfd188および42D6につき同一であ
る。従って、家系1901からのデータによってもBRCA1遺
伝子座はMfd15に対して末端側に位置決定される。
家系2035は、病気の表現型において、K1901と同様で
ある。この家系における乳癌の8ケースについてのメジ
アン診断年齢は37歳である。1のケースは60歳で卵巣癌
も有していた。この家族における乳癌ケースは、共に80
歳代におけるその死亡まで共に乳癌に罹らなかった2人
の姉妹から受け継いだものにある。各分家は4ケースの
乳癌を持ち、顕著な早期開始を有する各分家には少なく
とも1のケースがあった。この家系はMfd15につき2.34
のLODスコアを有する。2の分家において乳癌を分離し
ているハプロタイプはMfd15において同一の対立遺伝子
を共に有するが、末端側遺伝子座Mfd188およびNM23(42
D6に対して丁度末端側に位置する集団(consortium)の
一部としてタイプ分けされたマーカー)については異な
る。2のハプロタイプはマーカー42D6については一致す
るにも拘わらず、対立遺伝子は、血統によって同一(共
通の先祖に由来する)というよりも、状態によって同一
に共有されたものである(同一の対立遺伝子であるが、
異なる先祖に由来する)。というのは、共有された対立
遺伝子はこの遺伝子座で観察された第2の最も普通の対
立遺伝子だからである。対照的に、Mfd15で共有された
連鎖対立遺伝子は0.04の頻度を有する。これは、我々の
データベースでは鍵となる組換え体である。というの
は、それは、BRCA1がハプロタイプの基部側で分離する
唯一の組換えであり、かくして、BRCA1領域と境界を接
する末端を供するからである。この事象については、鍵
となる組換えではないことには、家系の両分家において
乳癌につき分離する稀なMfd15対立遺伝子も共に有する
家系に嫁いだ妻に第2の突然変異体BRCA1遺伝子が存在
することを要する。この事象は1000分の1未満の確率を
有する。従って、この家系からの証拠により、Mfd188に
対してBRCA1遺伝子座は基部側に位置決定された。
実施例3 微細構造地図の作成およびさらなるSTR多形を用いるMfd
191−Mfd188に対するおよびBRCA1領域の精密決定 我々の組換え体の特徴付けを改良し、フランキングマ
ーカーを明確とするためには、染色体17q上のこの比較
的小さな領域の密な地図が必要であった。染色体17の研
究により、遺伝的および物理的マッピング実験(Fain,1
992)の組合せに基づき、この領域のコンセンサス地図
を作成した(図1)。この地図は、高度に多形のSTR多
形、および多数の多形的発現遺伝子を共に含有する。こ
の地図はこの順序についての証拠につき詳細を与えず、
また隣接遺伝子座の順序における逆転についての局所的
支持のいずれの測定も与えなかったので、我々は、それ
を、新しいマーカーの開発で使用すべき源およびBRCA1
を含有する小領域の我々の詳細な遺伝地図および物理的
地図の作成を得るための粗いガイドとして総括した。我
々のアプローチは、他の研究者によって提供された現行
STRマーカー、およびCEPH関連家族からのDNAを用いて同
定された減数分裂の(遺伝的)分裂中止点のパネルおよ
びこの領域につき構築された体細胞細胞ハイブリッド
(物理的分裂中止点)のパネル双方に関し我々の研究所
から新しく開発されたすべてのマーカーを分析すること
であった。これらのマーカーは、Mfd15、Mfd191(James
Weberによって提供)、THRA1(Futrealら、1992a)、
およびDonald Black博士によって提供された3つの多
形、NM23(Hallら、1992)、SCG40(D17S181)、および
6C1(D17S293)に対して基部側にマップされる、我々の
研究所で開発された26C2を含むものであった。
マーカーの遺伝子位置決定 注目する領域内の新しいマーカーを遺伝子的に位置決
定するために、我々は、CEPH文献パネルにおける、およ
び我々の大きい乳癌家系(K2082)における、領域内の
多数の鍵となる減数分裂分裂中止点を同定した。もしこ
の領域において小さな遺伝子距離があれば、それらは、
この目的で使用できる比較的小さい組の組換え体である
に過ぎないらしく、また、それらは、組にグループ分け
できるマーカーのようである。各組内におけるマーカー
の順序は物理的マッピングによってのみ決定できる。し
かしながら、新しいマーカーを位置決定するのに必要な
遺伝子型決定の数は最小化される。これらの分裂中止点
は表3および4に示す。このアプローチを用い、我々
は、マーカーTHRA1、6C1、SCG40およびMfd191を遺伝子
的に順序付けることができた。表3および4から分かる
ように、THRA1およびMfd191は共に、BRCA1遺伝子座を含
有すると我々が従前に確認したMfd15−Mfd188領域の内
側をマップする。表3および4において、M/Pは、母親
または親の組換え体を示す。「1」は、遺伝された対立
遺伝子は祖父起源であって、他方、「0」は祖母起源で
あり、「−」は該遺伝子座がタイプ分けされていないか
または非情報的であることを示す。
我々の組換え体家族におけるマーカーMfd15、Mfd188、M
fd191およびTHRA1の分析 Mfd15、Mfd188、Mfd191およびTHRA1を我々の組換え体
家族においてタイプ分けし、BRCA1遺伝子座を位置決定
するためのさらなる情報につき調べた。家系1901におい
て、Mfd15組換え体はTHRA1についての組換え体である
が、Mfd191については非情報的であり、かくして、BRCA
1をTHRA1に対して末端側に位置決定する。K2082におい
て、Mfd15に関する組換え体はMfd191に関する組換え体
でもあり、かくして、BRCA1遺伝子座をMfd191に対して
末端側に位置決定する(Goldgarら、1994)。家系K2035
におけるTHRA1およびMfd191の調査からは、さらなる位
置決定情報は得られなかった。というのは、2の分家は
両マーカーにつき一致したからである。しかしながら、
SCG40および6C1は共にMfd188と同一のパターンを呈し、
かくして、この家族におけるMfd188組換え体によって提
供された位置決定情報における我々の信頼性を増大させ
る。BRCA1遺伝子座、または少なくともその一部は、従
って、基部側のMfd191および末端側のMfd188と境界を接
するインターバル内にある。
実施例4 注目する領域における遺伝子的および物理的源の開発 Mfd191−Mfd188領域における高度に多形の遺伝子座の
数を増加させるために、我々は、該領域に物理的にマッ
プされるコスミドおよびYACから、我々の研究所で多数
のSTRマーカーを開発した。これらのマーカーにより我
々は該領域をさらに精密決定できた。
STR、はこれらの遺伝子座を含有し、次いでこれを用
いて、コスミドP1またはBACにおいてサブクローンを同
定するYACを同定するための所望の領域にあることが知
られている遺伝子から同定した。次いで、これらのサブ
クローンを、(CA)オリゴヌクレオチド(Pharmaci
a)を用いてCA縦列反復の存在につきスクリーニングし
た。強力なシグナルを持つクローンを優先的に選択し
た。というのは、それらは、非常に多数の反復および/
または(CA)パターンに対するほとんど完全な正確さ
を有するCA−反復を表すようだからである。これらの特
徴は、共に、多形の確率を高めることが知られている
(Weber,1990)。これらのクローンをベクターから直接
的に配列決定して、該反復の位置を決定した。我々は、
(GT)10TのごときCA−反復の末端に相補的な可能なプ
ライマーの組のうち1つを用いることによって、CA−反
復の一方側のユニークな配列を得た。このユニーク配列
に基づき、プライマーを、他の方向において反復を逆に
横切る配列を作成し、CA−反復に隣接する第2のプライ
マーの設計用のユニーク配列を得た。次いで、STRを、
無関係個人の小群についての多形につきスクリーニング
し、ハイブリッドパネルに対してテストして、それの物
理的位置を確認した。これらの基準を満たす新しいマー
カーを、ユタ州およびCEPH家族からの40の無関係個人の
組においてタイプ分けして、実験集団に適する対立遺伝
子頻度を得た。本研究で報告する他のマーカーの多く
を、CEPH無関係個人の小群でテストして、同様に適する
対立遺伝子頻度を得た。
前記手法を用い、合計8の多形STRがこれらのYACSか
ら見い出された。このようにして同一の遺伝子座のう
ち、4つが、共に多形であってBRCA1領域に対して位置
決定された。4つのマーカーは染色体17に位置決定され
ず、使用したYACのキメラ的性質を反映する。該領域に
あった4つのマーカーをAA1、ED2、4−7およびYM29と
命名した。AA1およびED2はRNU2遺伝子につき陽性のYAC
から開発し、4−7はEPB3 YACから、YM29はハイブリ
ッドパネルによって該領域に位置決定されたコスミドか
ら開発した。乳癌家系で分析した対立遺伝子の数、ヘテ
ロ接合性およびこれらの4つのおよびすべての他のSTR
多形の源の記載を表5に後記する。
物理的に該領域にマップされた4つのSTR多形(4−
7、ED2、AA1、YM29)を減数分裂で分析し、分裂中止点
パネルを表3および4に示した。表6および7は、これ
らの4つのマーカーの位置決定についての関連するCEPH
データおよび家系2082データを含む。表において、M/P
は母系または父系組換え体を示す。「1」は、引き継が
れた対立遺伝子が祖父系起源のものであることを示し、
他方、「0」は祖母系起源を示し、「−」は該遺伝子座
がタイプ分けされていないか、または非情報的であるこ
とを示す。
CEPH1333−04から、我々は、AA1およびYM29がMfd191
に対して末端側に位置するに違いないと見る。13292よ
り、AA1およびED2は共に4−7、YM29およびMfd188に対
して基部側であると推定できる。K2082で見い出された
組換え体はいくつかのさらなる順序付けの情報を提供す
る。3つの独立した観察(個人番号22、40および63)に
は、AA1、ED2、4−7、およびYM29、およびMf188はMfd
191に対して末端側に位置決定され、他方、ID125によ
り、4−7、YM29、およびMfd188はSGC40に対して基部
側に位置決定される。マーカーAA1/ED2および4−7/YM2
9/Mfd188の2つのクラスター内における相対的順序付け
についての遺伝的情報は遺伝子組み換え分析からは得ら
れなかった。インタースティシャル・ヒトDNAの小片が
失われているらしい「ホール」を含有することが知られ
ているハイブリッドに関する遺伝子座の順序付けは疑わ
しいが、ハイブリッドパターンは4−7がYM29およびMf
d188の上方に存在することを示す。
実施例5 マーカーAA1、4−7、ED2およびYM29での乳癌家系の遺
伝的分析 前記にて議論した鍵となる組換え体を含有する3つの
家系以外に、家系2039は、新しく開発されたSTRマーカ
ーの分析を通じて、当該領域に連鎖し、有用な組換え体
を含有することが示された。
表8は、各遺伝子座における特異的マーカー対立遺伝
子およびその各頻度によって家系のハプロタイプ(コド
ン形で示す)を明らかにする。表8では、対立遺伝子は
頻度が低下する順序でリストし;各遺伝子座についての
対立遺伝子1−5の頻度を表5に示す。Hをコードする
ハプロタイプはBRCA1関連ハプロタイプであり、Pは部
分的Hハプロタイプを示し、Rは観測可能な組換えハプ
ロタイプを示す。表8で明らかなごとく、すべての家系
がすべてのマーカーにつきタイプ分けされたのではな
く、特に家系K2082において、家系のうちすべての個人
が同一組のマーカーにつきタイプ分けされたのではな
い。1の例外があるが、罹患したまたは危険な家系構成
員から受け継がれたハプロタイプのみを示し;該家系と
結婚した配偶者からのハプロタイプは記載しない。かく
して、与えられた兄弟姉妹では、ハプロタイプXおよび
Yの様子は、罹患した/危険な個人からの両ハプロタイ
プが観察され、いずれも乳癌関連ハプロタイプではなか
った。
家系K1901において、新しいマーカーは乳癌感受性を
持つ観察可能な組換え体を示さず、これは、この家系に
おける組換え事象がTHRA1およびED2間で最も起こるらし
いことを示す。かくして、この家系で4つの新しいマー
カーを調べたことに基づいて、新しいBRCA1位置決定情
報は得られなかった。家系2082において、鍵となる組換
え体個人はED2、4−7、AA1、およびYM29につき連鎖し
た対立遺伝子を引き継ぎ、これはtdj1474についての組
換え体であり、これは、組換え事象がtdj1474およびED2
/AA1の間でこの個人で起こったことを示す。
表8に示す家系K2035、H1、H2およびR2には注目する
3つのハプロタイプがある。H1は4ケースおよび個人17
からの1の真性な男性キャリア承継者に存在し、他方、
H2は2ケースおよび個人10の承継者における2の真性な
男性キャリアに存在する。R2はMfd15およびSCG40の間の
およびそれを含めた遺伝子座につきH2と同一であるが、
SCG40と42D6との間で組換え体を有する。我々は、BRCA1
が42D6に対して基部側にあることを確立したので、この
H2/R2差異はさらなる位置決め情報を付加しない。H1お
よびR2はMfd15、THRA1、AA1およびED2において同一の対
立遺伝子を共に有するが、ED2に対して末端側と推定さ
れる遺伝子座、すなわち4−7、Mfd188、SCG40および6
C1につき異なる。2つのハプロタイプはマーカーYM29
(4−7およびMfd188の間に物理的にマップされるマー
カー)にて第5番目の対立遺伝子につき一致するにも拘
わらず、該対立遺伝子は血統により同一に保有されてい
るというよりも状態により同一に保有されているようで
ある。というのは、この対立遺伝子はこの遺伝子座で最
も普通の対立遺伝子であり、CEPH親における推定頻度は
0.42だからである。対照的に、Mfd15およびED2遺伝子座
で共に保有された連鎖対立遺伝子は各々0.04および0.09
の頻度を有する。また、それらは、Mfd191において(頻
度=0.52)、THRA1、およびAA1(頻度=0.28)において
より普通の対立遺伝子を保有する。これは該組における
鍵となる組換え体である。というのは、それは乳癌がハ
プロタイプの基部の部分に関して分離している唯一の組
換え体であり、かくして、末端側境界を決めるからであ
る。従って、この家系からの証拠により、BRCA1遺伝子
座は4−7の基部側に位置決定される。
BRCA1をtdj1474の末端側に位置決めする家系2082にお
ける組換え事象は、直接的に推定できる記載した4つの
事象のうちの1つだけである;すなわち、罹患母親の遺
伝子型は彼女の配偶者および子孫から推定でき、組換え
ハプロタイプは彼女の罹患娘で観察できる。この家族に
おいて、BRCA1感受性対立遺伝子を担う罹患個人に有利
な可能性は極めて高い;データの唯一の可能な解釈は、
BRCA1がMfd191の末端側にあるというものであり、ある
いは表明された組換え体が44歳の卵巣癌の散在ケースで
あるというものである。直接的に観察可能なまたは推定
された組換え体というよりも、家系2033の解釈は、該家
系の異なったかつ時々は遠い関連分家で分離する、区別
される17q−ハプロタイプの観察に依存する。これらの
ハプロタイプの一部はいくつかのマーカーにつき共通す
る対立遺伝子を有し、他方、それらは、他のマーカーに
おいて、共有された領域にBRCA1遺伝子座を位置決めす
る。この位置決めの信頼性は、いくつかの因子;各ハプ
ロタイプを担う個人間の関係、共有された対立遺伝子の
頻度、ハプロタイプがBRCA1遺伝子座に関して分離する
ことが示された確実性、およびハプロタイプを決定する
領域におけるマーカーの密度に依存する。家系2035の場
合では、2つの分家が密接に関係しており、各分家は各
ハプロタイプを担う多数の早期開始ケースを有する。共
有された対立遺伝子のうち2つは共通である(Mfd191、
THRA1)一方、Mfd15、AA1、およびED2における共有され
た対立遺伝子の推定頻度は各々0.04、0.28および0.09で
ある。従って、これらの対立遺伝子は、状態によって同
一である(同一対立遺伝子であるが一般的集団に由来)
というよりも、血統によって同一である(共通の先祖に
由来)。
実施例6 精密な物理的マッピング研究は、tdj1474およびU5Rが挟
み隣接する領域にBRCA1を位置付ける。
1990年における染色体17qへの最初の位置決定(Hall
ら、1990)以来、効果的な位置クローニング戦略の手段
を可能として当該遺伝子を単離するのに十分な位小さな
領域にBRCA1遺伝子を位置決めするのに多大の努力がな
されてきた。世界的に収集した214家族よりなる共同性B
reast Cancer Linkage Consortiumデータベースにおい
て、多点連鎖分析(multipoint linkage analysis)(E
astonら、1993)によって、まずBRCA1遺伝子座がインタ
ーバルMfd15(D17S250)−42D6(D17S588)に位置決定
された。引き続いての精密な位置決めは、特定の家族に
おける個人の組換え事象に基づくものであった。領域TH
RA1−D17S183はBowcockら、1993によって明確化され;
領域THRA1−D17S28はSimardら、1993によって明確化さ
れた。
我々は、さらに、BRCA1遺伝子座はマーカーMfd191(D
17S776)に対して末端側に存在しなければならないこと
を示した(Goldgarら、1994)。このマーカーはTHRA1お
よびRARAに対して末端側に存在することが知られてい
る。BRCA1遺伝子座についての最小の公表されている領
域は、かくして、D17S776とD17S78との間にある。この
領域は、約150万塩基のDNAを依然含有し、該領域におけ
るすべての遺伝子の単離およびテストを非常に困難な仕
事としている。我々は、従って、該領域の物理的な地図
を構築し、該領域に位置する多形STRマーカーの組を単
離し、情報的家族の組におけるこれらの新しいマーカー
を分析する仕事を行って、取り扱えるインターバルへの
BRCA1遺伝子の位置決めの精度を上げた。
4つの家族が、位置クローニング戦略の適用のための
十分に小さな領域へのBRCA1の位置決めについての重要
な情報的遺伝的証拠を提供する。2つの家族(K2082、K
1901)は、BRCA1についての基部側境界に関するデータ
を提供し、他の2つ(K2035、K1813)は末端側境界を定
める。これらの家族を後記にて詳述する。PCRによって
アッセイできる合計15の短鎖縦列反復マーカーを用い
て、研究した家族におけるこの位置決定の精度を上げ
た。これらのマーカーはDS17S7654、DS17S975、tgj1474
およびtgj1239を含む。これらのマーカー用のプライマ
ー配列は配列番号3に、DS17S754については配列番号4
に、DS17S975については配列番号5および配列番号6
に、tgj1474については配列番号7および配列番号8
に、tgj1239については配列番号9および配列番号10に
供する。
家系2082 家系2082は現在までに研究された最大のBRCA1−連鎖
乳癌/卵巣癌家族である。それは、8.6のLODスコアを有
し、17q連鎖についての明白な証拠を提供する。この家
族は従前に記載されており、BRCA1をMFD191(D17S776)
の末端側に位置決めする臨界的組換え体を含有すること
が示されている。この組換え体は、その母親が63歳で卵
巣癌を有した45歳で卵巣癌と診断された婦人で起こっ
た。罹患した母親は他界し;しかしながら、彼女の子供
から、彼女はMfd15およびMfd188の間の領域において家
族の30の他のケースに存在する連鎖ハプロタイプを有す
ると推定できた。彼女の罹患した娘は遺伝子座ED2,4−
7およびMfd188において連鎖対立遺伝子を受け継いだ
が、Mfd15およびMfd191における非−BRCA1染色体上の対
立遺伝子を受け継いだ。この組換え分裂中止点をさらに
位置付けするために、我々は物理的マッピング源に由来
する以下のマーカーにつき、その家族の鍵となる構成員
をテストした:tdj1474、tdj1239、CF4、D17S855。マー
カーtdj1474およびCF4については、罹患娘は連鎖対立遺
伝子を受け継がなかった。しかしながら、STR遺伝子座t
dj1239については、該母親は情報的であって、彼女の娘
はBRCA1関連対立遺伝子を受け継いだと推定できた。D17
S855はこの家族では情報的でなかった。この分析に基づ
き、順序は17q動原体−Mfd191−17HSD−CF4−tdj1474−
tdj1239−D17S855−ED2−4−7−Mfd188−17qテロメア
である。従って、前記した組換え体はBRCA1をtdj1474に
対して末端側に位置付け、分裂中止点はtdj1475とtdj12
39との間のインターバルに位置付けた。tdj1474に対し
て末端側に位置付けられるBRCA1のもの以外のこの家族
におけるデータについての唯一の別の説明は、組換え体
個人に存在する卵巣癌はBRCA1遺伝子とは独立した理由
によって引き起こされるというものである。50歳前に診
断される卵巣癌が稀だとしたら、この別の解釈は全くあ
りそうにもない。
家系1901 家系1901は、7ケースが50歳前に乳癌と診断され、そ
のうち4ケースが40歳前に診断された早期開始乳癌家族
である。さらに、50歳および70歳の間に乳癌と診断され
た3ケースがあった。乳癌の1ケースは、61歳における
卵巣癌も有していた。この家族は、現在、D17S855につ
き1.5のLODスコアを有する。この連鎖証拠および少なく
とも1つの卵巣眼ゲースの存在が与えられれば、この家
族は0.99を超えるBRDA1による事後確率を有する。この
家族では、組換えは、それから他のケースの大部分に遺
伝した卵巣癌ケースの兄弟である個人が該家族における
他のケースと共分離するハプロタイプの一部を共に有す
るという事実に由来する。しかしながら、彼はこの部分
的ハプロタイプを彼の娘に渡し、彼女は44歳で乳癌を発
病した。もしこのケースがBRDA1遺伝子によるものなら
ば、この兄弟および彼の姉妹の間で共有されたハプロタ
イプの一部のみがBRDA1遺伝子を含有できる。この種の
情報の解釈の困難性は、共有されていないマーカー、従
って、組換え体を確認することはできるが、一致するマ
ーカーは、それらが非組換え体であるゆえに、あるいは
それらの親がホモ接合体であったゆえに共有されている
であろうということである。親の遺伝子型データがなけ
れば、これらの別解釈を区別できない。K1901における
ハプロタイプに鑑みると、彼はMfd15(D17S250)、THRA
1、CF4(S17S1320)、およびtdj1474(17S1321)におい
て連鎖対立遺伝子を共に有していないことが示される。
彼はMfd191(D17S776)、ED2(S17S1327)、tdj1239(D
17S1328)およびMfd188(D17S579)において連鎖対立遺
伝子を共に有している。Mfd191で共有された対立遺伝子
は比較的稀(0.07)であるにも拘わらず、我々は、該親
は、それらがいずれか側の近くに位置付けされるマーカ
ーにて組換え体であるのでホモ接合体であり、この領域
における二重組換え事象は極端にありそうにもないと推
定する。かくして、この家族における証拠はtdj1474に
対してBRCA1遺伝子座を末端側に位置決定する。しかし
ながら、この分裂中止点のより低い限界は親の遺伝子型
情報なくしては決定するのが不可能である。この家族で
鍵となる組換え分裂中止点は家系2082における結果を確
認させることは当惑させるものである。前と同じよう
に、この家族における位置決め情報は、もし乳癌がBRCA
1遺伝子によるものならば意味のあるものにすぎない。
しかしながら、診断における彼女の比較的早期年齢(4
4)はこれを非常にありそうなものとする。というの
は、一般的集団では45歳前の乳癌の危険は低いからであ
る(ほぼ1%)。
家系2035 この家族は、臨界的組換え事象についての情報が直接
的には観察されないが、観察から、当該家族の2の分家
における早期開始乳癌に関し共分離する2つのハプロタ
イプが17qBRCA1領域の基部側部分に位置決めされたマー
カーにつき同一であるが、より末端側の遺伝子座では異
なるようであると推定される点でK1901と同様である。
これらの2つのハプロタイプの各々は早期開始のまたは
両側乳癌の少なくとも4ケースで起こる。この家族にお
けるED2での総じてのLODスコアは2.2であり、該家族に
乳癌のケースがあり(これは、80%のBRCA1連鎖の事前
確率を示す)、この家族がBRCA1に連鎖しているという
得られた事後確率は0.998である。ハプロタイプは、マ
ーカーMfd15、THRA1、Mfd191、ED2、AA1、D17S858およ
びD17S902につき同一である。Mfd15およびED2における
共通の対立遺伝子は共にかなり稀であり、これは、この
ハプロタイプは子孫によって同一に共有されていること
を示す。しかしながら、該ハプロタイプはCA375、4−
7、およびMfd188、ならびにいくつかのより末端側マー
カーにつき一致しない。これは、BRCA1遺伝子座がマー
カーCA375上方に存在するにちがいなことを示す。この
マーカーはD17S78よりも50kb下方に位置し、従って、そ
れはSimardら(1993)に報告されているように、一義的
には、この従前の低い境界のさらなる確認として働く。
家系1813 家系1813は、その母親が45歳で乳癌と診断され61歳で
卵巣癌診断された40歳前に乳癌と診断された4ケースを
持つ小さな家族である。この状況は、該4ケースは3人
の異なる父親を有し、それのうち1人のみが遺伝子型が
決定されているという事実によって幾分複雑化してい
る。しかしながら、BRCA1領域における多数の異なるマ
ーカーならびにゲノムにおける他の場所の高度に多形の
マーカーをタイプ分けすることによって、該家族におけ
るすべての子供の父親が誰であるかは、かなりの確実性
をもって決定された。この家族は、17qマーカーに関し
0.60の最大多点LODスコアを生じ、もし少なくとも1ケ
ースの卵巣癌があれば、その結果、0.93のBRCA1連鎖家
族であるという事後確率となる。この家族は、34歳で乳
癌を発病した個人18において直接的に観察可能な組換え
事象を含有する(Simardら,Human Mol.Genet.2:1193−
1199(1993)における図5参照)。関連17q遺伝子座に
おける罹患母親の遺伝子型は、彼女の遺伝子型、彼女の
罹患姉妹の遺伝子型、および3人の他の非罹患兄弟姉妹
の遺伝子型から推定できる。個人18は以下の遺伝子座:M
fd15、THRA1、D17S800、D17S855、AA1、およびD17S931
につきBRCA1連鎖対立遺伝子を受け継ぐ。しかしなが
ら、D17S931の下方のマーカー、すなわち、U5R、vrs3
1、D17S858およびD17S579については、彼女は病気を担
わない染色体上に位置する対立遺伝子を受け継いだ。こ
の家族からの証拠は、従って、BRCA1遺伝子座をマーカ
ーUS5に対して基部側に位置付ける。彼女の診断の早期
年齢(34)のため、組換え個人の癌はこの家族における
乳癌/卵巣癌の他のケースの原因となる遺伝子によるも
のではないということは極めてありそうにもなく:この
家族における不確実性は、この家族における乳癌は第2
の、まだマップされていない、乳癌感受性遺伝子座より
むしろBRCA1によるものであるという我々の幾分少ない
証拠に由来する。
BRCA1を含有する領域のサイズ 前記で詳述した遺伝子データに基くと、BRCA1遺伝子
座は、共に我々の研究所で単離されたマーカーtdj474お
よびU5R間のインターバルに存在するにちがいない。図
2および3に示す物理的地図に基づき、我々はこれらの
2つの遺伝子座の間の物理的距離を見積もろうと試みる
ことができる。それは、この領域にわたる約80kbの平均
インサートサイズの約14 P1クローンとするる。しかし
ながら、いくつかの未知の程度のこれらのすべてのP1重
複のため、該物理的領域は80kbの14倍よりも、どもうか
なり小さいらしい。該領域をカバーするクローンの制限
地図に基づき、我々はBRCA1を含有する領域のサイズは
ほぼ650bpであると見積もる。
実施例7 Contig領域のゲノム分析によるBRCA1遺伝子座について
の候補cDNAクローンの同定 可能な領域の完全なスクリーニング 候補cDNAを同定する最初の方法は、かなり労力が必要
だが、公知の技術を用いた。該方法は、該contigにおけ
るコスミドならびにP1およびBACクローンをスクリーニ
ングして推定暗号配列を同定することよりなるものであ
った。次いで、推定暗号配列を含有するクローンをcDNA
ライブラリーのフィルター上のプローブとして使用して
将来の分析用の候補cDNAクローンを同定した。該クロー
ンを2つの方法のうちいずれかによって推定暗号配列に
つきスクリーニングした。
ズー(zoo)ブロット 推定暗号配列を同定するための第1の方法は、いくつ
かの種にわたって進化を通じて保存された配列について
コスミドおよびP1クローンをスクリーニングすることに
よるものであった。この技術を「ズーブロット分析」と
いい、Monaco,1986によって記載されている。特に、ウ
シ、ニワトリ、ブタ、マウスおよびラットからのDNAを
制限酵素EcoR IおよびHinD IIIで消化した(酵素当たり
DNA8μg)。消化したDNAを20ボルトにて16時間0.7%ゲ
ル上で一晩分離し(14cmゲル)、標準的なサザーンブロ
ット技術を用いてDNAをナイロン膜に移した。例えば、6
5℃にて、0.1×SSC、0.5%SDSおよび0.2M トリス、pH
8.0中で30分間処理し、次いで、42℃にて、5×SSC、10
%PEG8000、20mM NaPO4、pH6.8、100μg/ml サケ精子
DNA、1×Denhardt's、50%ホルムアミド、0.1%SDSお
よび2μg/ml C0t−1DNA中でブロックした。
分析すべきコスミドおよびP1クローンを制限酵素で消
化して、ヒトDNAをベクターDNAから遊離させた。該DNA
を20ボルトにて16時間14cmの0.5%アガロースゲル泳動
にて一晩分離した。ヒトDNAバンドをゲルから切り出
し、0.5×トリス酢酸緩衝液中、100ボルトにて、ゲルウ
ェッジから少なくとも2時間で電気溶出させた(Maniat
isら,1982)。次いで、溶出したNot I消化DNA(〜15kb
ないし25kb)をEcoR I制限酵素で消化して小さな断片
(〜0.5kbないし5.0kb)が得られ、次いで、これは放射
性ヌクレオチドでのDNAの標識の次工程にため容易に溶
融した。該DNA断片を、ヘキサマーランダムプライミン
グ標識方法(Boehringer−Mannhein,カタログ番号10047
60)によって標識した。標識したDNAをスペルミン沈殿
させて(100μl TE、5μl 0.1Mスペルミン、およ
び5μl 10mg/mlサケ精子DNA添加)、取り込まれなか
った放射性ヌクレオチドを除去した。次いで、標識した
DNAを65℃の100μl TE、0.5M NaClに5分間で再懸濁
し、次いで、製造業者の指示のごとくに(Gibco/BRL、
カタログ番号5279SA)、ヒトC0t−1DNAで2−4時間で
ブロックした。該C0t−1ブロックトプローブをブロッ
キング溶液中、42℃で、ズーブロットフィルター上でイ
ンキュベートした。該フィルターを室温にて2×SSC、
0.1%SDS中で30分間洗浄し、次いで、55℃にて同一緩衝
液中で30分間洗浄した。次いで、該フィルターを、−70
℃にて、増感剤を含むKodak XAR−5フィルムに1ない
し3日間暴露した。かくして、ズーブロットを当該イン
サートからのEco−R1断片のプールと、または各断片と
個々にハイブリダイズさせた。
HTFアイランド(islang)分析 cDNAライブラリーについてのプローブとして使用する
ためのコスミドを同定する第2の方法はHTFアイランド
分析であった。パルス場地図はHTFアイランドを明らか
とできるので、これらのHTFアイランド領域にマップさ
れるコスミドを優先的に分析した。HTFアイランドはDNA
のセグメントであって、これは非常に赤頻度の非メチル
化CpGジヌクレオチドを含有して(Tonolioら、1990)、
その認識配列がCpGジヌクレオチドを含む酵素の制限部
位のクラスターリングによって明らかにされる。HTF−
アイランド分析で有用であることが知られている酵素は
Asc I、Not I、BssH II、Eag I、Sca II、Nae I、Nar
I、Sma IおよびMlu Iである(Anand,1992)。酵素Not
I、Nru I、Eag I、Sac IIおよびSal Iを用いてパルス場
地図を作成し、2つのHTFアイランドが見い出された。
これらのアイランドは当該領域の末端に位置し、1つは
GP2B遺伝子座の末端側であり、他のものは同遺伝子座よ
りも基部側であり、共にBRCA1領域の外部にある。これ
らの2つの位置をカバーするTACに由来するコスミドを
分析して、これらの制限部位、かくしてHTFアイランド
を含有するものを同定した。
cDNAスクリーニング HTFアイランドを含有するか、あるいはヒト以外の他
の種のDNAに対してハイブリダイゼーションを示すクロ
ーンは暗号配列を含有するようである。これらのクロー
ンからのヒトDNAを全インサートとしてまたはEcoR I断
片として単離し、前記したごとくに標識した。標識した
DNAを用いて、cDNAフィルターが65℃で0.1×SSC、0.1%
SDSのよりストリンジェントな洗液を30分間2回受けた
以外は、ズーブロットと同一条件下で種々のcDNAライブ
ラリーのフィルターをスクリーニングした。
我々の実験で現在まで使用したcDNAライブラリーのほ
とんどは(正常乳房組織、妊娠8カ月で乳房悪性の婦人
からの乳房組織からのライブラリー)Clonetech,Inc.か
ら調製した。8カ月妊婦の乳房組織から作成したcDNAラ
イブラリーはラムダgt−10ベクター中にてClonetech
(カタログ番号HL1037a)から入手でき、これを、C600H
fl細菌宿主細胞中で増殖させる。正常乳房組織および悪
性乳房組織試料を37歳の白人女性から単離し、1グラム
の各組織をmRNAプロセッシングおよびcDNAライブラリー
構築のためにClonetechに送った。後者の2のライブラ
リーは、ランダムおよびオリゴ−dTプライミング双方を
用いて作成し、最終産物のサイズを選択し、これを次い
でラムダZap IIベクターにクローン化し、製造業者によ
って記載されているごとくに細菌のXL1−ブルー株で増
殖させた。さらなる組織−特異的cDNAライブラリーは、
ヒト胎児脳(Stratagene,カタログ番号936206)、ヒト
精巣(Clonetech,カタログHL3024)、ヒト胸腺(Clonet
ech,カタログHL1127n)、ヒト脳(Clonetech,カタログH
L11810)、ヒト胎盤(Clonetech,カタログ1075b)、お
よびヒト骨格筋(Clonetech,カタログHL124b)を含む。
該cDNAライブラリーをNZCYMプレート上でその宿主細
胞と共に平板培養し、フィルターリフトをManiatisら
(1982)におけるごとくに各プレートから二連にて作成
する。候補ゲノムクローンからのインサート(ヒト)DN
Aを精製し、高比活性まで放射能標識した。次いで、放
射能DNAを該cDNAフィルターにハイブリダイズさせて、
候補コスミドクローン内に位置する遺伝子に対応するcD
NAを同定した。この方法によって同定されたcDNAを拾
い、再度平板培養し、標識クローンインサートまたはそ
に由来するEcoR I断片DNAで再度スクリーニングして、
それらの陽性状態を確認した。第2ラウンドのスクリー
ニング後に陽性であったクローンを次いで増殖させ、サ
ザーンブロット分析および配列決定のためにそれらのDN
Aを精製した。製造業者からのプロトコルに記載されて
いるごとくに、ラムダファージベクターからのプラスミ
ドのイン・ビボ切出を通じて、クローンをプラスミドと
して精製するか、あるいはクローンを制限断片としてラ
ムダファージから単離し、プラスミドベクターにサブク
ローン化した。
サザーンブロット分析を二連で行い、1つは、元のゲ
ノムインサートDNAをプローブとして用いて、cDNAイン
サーがハイブリダイズする配列を含有することを確認し
た。第2のブロットを最大cDNAインサートからのcDNAイ
ンサートDNAとハイブリダイズさせて、いずれのクロー
ンが同一遺伝子を表すかを確認した。ゲノムクローンと
ハイブリダイズし、かつユニークであるすべてのcDNAを
配列決定し、DNA分析を行って、該配列が公知またはユ
ニークな遺伝子を表すか否かを判断した。ユニークであ
るらしいすべてのcDNAクローンをさらに候補BRCA1遺伝
子座として分析した。具体的には、該クローンをノーザ
ーンブロットにハイブリダイズさせて、乳房特異的発現
および正常−乳房腫瘍RNAにおける異なる発現を探す。
また、それらをBRCA1領域におけるクローンについてPCR
によって分析してそれらの位置を確認した。遺伝子座の
広がりをマップするために、全長cDNAを単離し、YACな
らびに元の同一クローンの回りのおよびそれを含むクロ
ーンに対するPCRプローブとしてそれらの配列を使用す
る。次いで、イントロン−エキソン境界をさらに配列分
析により明確とした。
我々は、当該領域におけるコスミドBACおよびP1クロ
ーンからのズーブロット陽性EcoR I断片で、正常乳房、
妊娠8ケ月の乳房および胎児脳cDNAライブラリーをスク
リーニングした。潜在的BRCA1 cDNAクローンを3つの
ライブラリー間で同定した。クローンを拾い、再度平板
培養し、元のプローブで再度スクリーニングして、それ
らが陽性であることを確認した。
ハイブリッド−選択cDNAの分析 直接選択から得られたcDNA断片を、プローブDNAに対
するサザーンブロットハイブリダイゼーションによって
チェックして、それらがcontigに由来することを確認し
た。このテストをパスしたものをその全体について配列
決定した。次いで、このようにした得られたDNA配列の
セットを相互に対してチェックして、重複する独立した
クローンを見いだした。例えば、クローン694−65、124
0−1および1240−33が独立して得られ、引き続いて、E
ST:489:1と命名された同一の近接cDNA配列に由来するこ
とが示された。
候補クローンの分析 前記からの候補遺伝子の1以上を配列決定し、当該情
報を各発現された遺伝子の同定および分類に使用した。
DNA配列を、ヌクレオチド配列比較によって、およびす
べてのフレームにおける翻訳、続いての公知のアミノ酸
配列との比較によって、公知の遺伝子と比較した。これ
は、局所および遠隔配列データバンク(例えば、GenBan
k)双方に対する配列比較のため、クライアント/サー
バーソフトウェアパッケージ(例えば、BLASTN 1.3.13
MP)のGenetic Data Environment(GDE)バージョン
2.2ソフトウェアおよびBasic Local Alignment Sear
ch Tool(Blast)シリーズを用い、Sun SPARCワーク
ステーションで作動させて達成された。コスミドおよび
P1で同定されたcDNAクローンのクレクションから再度構
築した配列が得られた。新しい配列を表すすべて候補遺
伝子をさらに分析して、推定BRCA1遺伝子座につきそれ
らの候補をテストした。
突然変異スクリーニング 罹患血統における突然変異をスクリーニングするため
に、2つの異なるアプローチを行った。まず、BRCA1の
感受性対立遺伝子を担うことが知られている家族構成員
から単離したゲノムDNAをPCRによる候補遺伝子配列の増
幅用鋳型として使用した。もしPCRプライマーがイント
ロン/エキソン境界に隣接しまたはそれと重複すると、
増幅した断片はcDNA配列から予測されるものよりも大き
いか、あるいは増幅混合物には存在しないであろう。か
かる増幅実験および設計したプライマーを用いたP1、BA
Cまたはコスミドクローンの配列決定を組み合わせるこ
とによって、イントロン/エキソン構造を確立し、最終
的には該血統からのゲノムDNAのDNA配列を得ることがで
きる。
もし候補遺伝子のイントロン/エキソン構造が複雑で
あると、かなりより迅速である第2のアプーチは、血統
リンパ球cDNAから増幅した断片の配列決定を含む。血統
血液から抽出したリンパ球mRNAから合成したcDNAを、設
計したプライマーのセットを用いるPCR増幅の基質とし
て用いた。もし候補遺伝子がリンパ球で有意な程度発現
されたならば、かかる実験は通常増幅された断片を生
じ、これはイントロン/エキソン結合の知識なくして直
接的に配列決定できる。
かかる配列決定反応の産物をゲル電気泳動によって分
析して、欠失または挿入のごとき突然変異、あるいはア
ミノ酸変化または他の有害効果を引き起こす塩基対置換
いずれかを含有する配列における位置を決定した。
乳房で発現されるBRCA1領域内のいずれの配列もBRCA1
についての候補遺伝子であると考えられる。所与の候補
遺伝子がBRCA1に対応するという強力な証拠は、血統家
族が候補の欠陥対立遺伝子を含有するという証拠に由来
する。
実施例8 BRCA1の同定 BRCA1の同定 いくつかの戦略を用い、D17S1321およびD17S1324間の
17q21の600kb領域につき、転写体の詳細なマップを開発
した。候補を発現する配列は:1)乳房、胎児脳、または
リンパ球cDNAライブラリーの直接的スクリーニング、
2)乳房、リンパ球または卵巣cDNAのハイブリッド選
択、または3)ゲノムDNAのランダム配列決定およびXPO
UND(ThomasおよびSkolnick,1994)によるコーディング
エキソンの産生、から得られたDNA配列として定義され
た。多くの場合におけるこれらの発現された配列を、い
くつかの独立して同定された配列からなるcontigに組み
立てた。候補遺伝子はこれらの候補発現配列のうちの1
を超えるものからなってよい。この領域内の65の候補発
現配列を、ハイブリッド選択によって、cDNAライブラリ
ーの直接的スクリーニングによって、およびP1サブクロ
ーンのランダム配列決定によって同定した。転写体サイ
ズ、DNA配列、データベース比較、発現パターン、ゲノ
ム構造、および最も重要には、17q−連続乳房および卵
巣癌感受性を分離する家系からの個人におけるDNA配列
分析によって発現配列を特徴付けた。
発現配列、1141:1(649bp)、694:5(213bp)および7
54:2(1079bp)の3つの独立contigを単離し、結局、BR
CA1の一部を表すことが示された。これらのcontigにつ
いてのESTをノーザン分析用のハイブリダイゼーション
プローブとして用いた場合、ほぼ7.8kbの単一転写体が
正常乳房mRNAで観察され、これは、それらが単一遺伝子
の異なる部分をコードすることを示唆する。乳房、胎児
脳、胸腺、精巣、リンパ球および胎盤cDNAのスクリーニ
ングおよび乳房mRNAでのPCR実験は、1141:1、694:5およ
び754:2contigを連鎖させた。胸腺、精巣および乳房mRN
Aでの5′RACE実験はcontigを推定5′末端まで延長
し、複合全長配列が得られた。PCRおよびP1の直接配列
決定および当該領域におけるBACを用いて、イントロン
の位置を突き止め、スプライスドナーおよびアクセプタ
ー部位の決定を可能とした。これらの3つの発現配列を
単一の転写転移単位に併合し、これは最終分析でBTCA1
であることが判明した。この転写単位は600kb領域の中
心におけるD17S855に隣接して位置決定された(図
4)。
cDNAクローンから得られた配列、ハイブリッド選択配
列、および増幅されたPCR産物の組合せにより、複合全
長BTCA1 cDNAの構築が可能となった(配列番号:1)、B
RCA1 cDNAの配列(停止コドンまで)もまたGenBankに
寄託し、受託番号U−14680が与えられた。この寄託配
列を参照して一体化させる。3′方向に最も遠くに伸び
るcDNAクローンは、ポリアデニル化シグナルに先行され
るポリ(A)トラクトを含有する。cDNAの概念的翻訳に
より、Kozakコンセンサス配列(Kozak,1987)に似た配
列に囲まれ隣接された潜在的開始コドンと共に208キロ
ダルトン(アミノ酸配列、配列番号2)の単一の長いオ
ープンリーディングフレームが明らかとされた。Smith
−Waterman(SmithおよびWaterman,1981)およびBLAST
(Altschylら、1990)のサーチは、亜鉛−フィンガード
メインに対してからにの相同性を持つアミノ末端に近い
配列を同定した(図5)。この配列は、コンセンサスC3
HC4亜鉛−フィンガーモチーフに存在するシステインお
よびヒスチジン残基を含有し、データベースにおける亜
鉛−フィンガー蛋白質に関する多数の他の残基を共に有
する。BRCA1遺伝子はゲノムDNAの100kbを超えて配置さ
れた23コーディングエキソンからなる(図6)。BRCA1
cDNAの断片をプローブとして用いるノーザンブロット
は、最も豊富には乳房、胸腺および精巣に存在し、また
卵巣にも存在する約7.8kbの単一転写体を同定した(図
7)。4つの別にスプライスされた産物が独立したcDNA
クローンで検出され;これらのうちの3つが乳房、2つ
が卵巣mRNAで観察された(図6)。組織cDNAからのPCR
概観により、この遺伝子からの転写体の5′末端近くに
かなりのヘテロ接合性があるという考えがさらに支持さ
れ;該ヘテロ結合性についての分子的ベースは、最初の
スプライスドナー部位の異なる選択を含み、検出された
変化はすべて同定された開始コドンよりも5′側の領域
における転写体を改変する。我々は、この5′非翻訳領
域で6つの潜在的別のスプライスドナーを検出し、最長
の失欠は1,155bpである。乳房および卵巣におけるBRCA1
蛋白質の支配的形態はエキソン4を欠く。BRCA1エキソ
ン4のヌクレオチド配列を配列番号11に示し、予測され
るアミノ酸配列を配列番号12に示す。
BRCA1ゲノムDNAのさらなる5′配列を配列番号13に示
す。1位のGは精巣における潜在的開始部位を表す。14
0位のAは体細胞組織における潜在的開始部位を表す。
図8に示す5′配列の6つの別のスプライス形態があ
る。356位のGは公認された最初のスプライスドナー部
位を表す。444位のGは2のクローンにおける最初のス
プライスドナー部位を表す(精巣1および精巣2)。88
9位におけるGは胸腺3における最初のスプライスドナ
ー部位を表す。第4のスプライスドナー部位は1230位に
おけるGである。1513位におけるTは前記スプライスド
ナーのすべてについてのスプライスアクセプター部位を
表す。第5の別のスプライス形態は591位における最初
のアクセプター部位と共に349位における最初のスプラ
イスドナー部位ならぴに889位における第2のスプライ
スドナー部位および1513位における第2のアクセプター
部位を有する。6つの別の形態がこの5′領域において
スプライスされない。1532位におけるAは公認された開
始部位であり、これは配列番号1の120位に出現する。B
RCA1について決定された部分的ゲノムDNA配列は図10A−
10Hおよび配列番号14−34に示す。下方のケース文字
(図10A−10H)はイントロン配列を表し、他方、上方の
ケース文字はエキソン配列を表す。図10A−10Hにおいて
イントロン内の不明確なインターバルはvvvvvvvvで示
す。イントロン/エキソン結合は表9に示す。エキソン
8および14の5′末端で見い出されたCAGはいくつかのc
DNAで見い出されたが、他のものでは見い出されなかっ
た。公知の多形部位は、図10A−10Hにおいて肉太活字で
示し、下線を施す。
発散した系統発生的バックグラウンドの生物からのゲ
ノムDNAを亜鉛−フィンガー領域を欠くBRCA1配列でプロ
ーブする低ストリンジェンシィブロットにより、ヒト、
サル、ヒツジおよびブタで強力にハイブリダイズする断
片が明らかにされ、齧歯類では非常に弱いハイブリダイ
ゼーションシグナルが明らかとされた。この結果は、亜
鉛−フィンガードメインは別として、BRCA1は進化を通
じて中レベルにてのみ保存されていることを示す。
17q−連鎖家系における生殖細胞系BRCA1の突然変異 BRCA1候補遺伝子についての最も厳格なテストは、乳
癌および卵巣癌に対する17q−連鎖感受性を分離する家
系からのキャリア個人における潜在的に破壊的な突然変
異について調べることである。かかる個人は野生型配列
とは異なるBRCA1対立遺伝子を含有しなければならな
い。この分析で使用したDNA試料の組は8の異なるBRCA1
家系を表す個人からのDNAよりなるものであった(表1
0)。
これらの家系における可能性(LOD)スコアの対数値
は17q21におけるマーカーの組につき9.49ないし−0.44
の範囲である。4の家族は連鎖につき納得のいくLODス
コアを有し、4は低い正または負のLODスコアを有す
る。後者の家系は含めた。何故ならば、それらは少なく
とも3人の罹患構成員につき染色体17q21にて共有する
ハプロタイプを示すからである。さらに、該組における
すべての家系は乳癌開始の早期年齢を示し、家系の4つ
は卵巣癌の少なくとも1ケースを含み、両者はBRCA1家
系の特徴である。1の家系2082はほとんど同等の乳癌お
よび卵巣癌の度合いを有し、これは集団における卵巣癌
が相対的に稀であることを仮定すれば異常な出現であ
る。2つを除きすべての家系はユタ州で確認された。K2
035は中西部からのものである。K2099は南米からのアフ
リカン−アメリカン−家系である。
BRCA1における病気素因たる突然変異についての最初
のスクリーニングにおいて、各家系における病気素因た
るハプロタイプを担う1の個人からのDNAをテストし
た。23のコーティングエキソンおよび関連スプライス結
合をゲノムDNA試料から、またはリンパ球mRNAから調製
したcDNAから増幅した。増幅したDNA配列をDNA配列を野
生型配列と比較すると、8の家系試料のうち4つが配列
変異体を含有することが判明した(表11)。
表11 病気素因となる突然変異 家系番号 突然変異 コーティング効果 位置* 2082 C→T Gln→停止 4056 1910 過剰C フレームシフト 5385 2099 T→G Met→Arg 5443 2035 ? 転写体の喪失 1901 11bp欠失 フレームシフト 189 *配列番号1におけるもの すべての4つの配列変異体はヘテロ接合であり、各々
は家系のうち1つでのみ出現する。家系2082はエキソン
11にナンセンス突然変異を含有する(図9A)。家系1910
はエキソン20に単一のヌクレオチド挿入を含有する(図
9B)。家系2099はエキソン21にミスセンス突然変異を含
有し、その結果、Met→Arg置換となる。フレームシフト
およびナンセンス突然変異はBRCA1産物の機能にとって
破壊的となるようである。家系1910におけるフレームシ
フト対立遺伝子によってコードされたペプチドは、野生
型C−末端から108残基で始まる改変されたアミノ酸配
列を含有する。家系1901におけるフレームシフト対立遺
伝子によってコードされたペプチドは、野生型N−末端
から24番目の残基で始まるアミノ酸配列を含有する。家
系2082における突然変異対立遺伝子はC−末端から551
残基失う蛋白質をコードする。家系2099で観察されたミ
スセンス置換は、それが小さな疎水性アミノ酸(Met)
を大きな荷電残基(Arg)によって置き換えるので、潜
在的に破壊的である。また、11の共通の多形も同定さ
れ、これは暗号配列に8つ、およびイントロンに3つで
ある。
家系2035で研究した個人は明らかにBRCA1で調節突然
変異を含有する。彼女のcDNAでは、多形部位(塩基3667
においてA→G)はヘテロ接合を出現し、他方、彼女の
ゲノムDNAはこの部位においてヘテロ接合性を明らかと
した(図9C)。この観察についての可能な説明は、彼女
の突然変異したBRCA1対立遺伝子からのmRNAは、その産
生または安定性に影響する突然変異のため存在しないと
いうことである。この可能性をさらにBRCA1暗号領域に
おける5つの多形部位を調べることによって調べ、これ
はBRCA1転写体における3.5kbもの多くによって分離され
ている。彼女のゲノムDNAが多形につきヘテロ接合性を
表す場合において、cDNAはヘテロ接合性である。他の家
系からのおよび家系2035における非ハプロタイプキャリ
アにえける個人において、これらの多形部位はcDNAにお
けるヘテロ接合性として観察され、これは、cDNAからの
増幅が1の対立遺伝子に有利に片寄らなかったことを示
す。この分析は、家系2035におけるBRCA1突然変異は転
写を妨げ、またはBRCA1転写体の不安定性または異常な
スプライシングを引き起こすことを示す。
BRCA1ハプロタイプを持つBRCA1突然変異の共分離および
集団頻度分析 蛋白質機能を潜在的に破壊する以外、2つの基準が候
補病気素因突然変異としての資格を有する配列変異体で
満たされなければならない。変異体は、1)病気素因BR
CA1ハプロタイプを担う家系からの個人において存在
し、家系の他の構成員では存在せず、2)一般的集団で
は稀であるということに合致しなければならない。
各突然変異をBRCA1に関する共分離につきテストし
た。家系1910におけるフレームシフト突然変異について
は、2の他のハプロタイプキャリアおよび1の非−キャ
リアを配列決定した(図9B)。キャリアのみがフレーム
シフト突然変異を呈した。家系2082におけるCからTへ
の変化は新しいAvr II制限部位を創製した。家系におけ
る他のキャリアおよび非−キャリアを制限部位の存在に
ついてテストした(図9A)。対立遺伝子特異的オリゴヌ
クレオチド(ASO)を、家系2099における配列変異体の
存在を検出するために設計した。該家系からのいくつか
の個人、病気素因対立遺伝子に関連するハプロタイプを
担うことが知られているいくらか、および関連ハプロタ
イプを担わないことが知られている他のものを、該家系
で従前に検出されている突然変異につき、ASOによって
スクリーニングした。各家系において、対応する突然変
異対立遺伝子がBRCA1−関連ハプロタイプを担う個人で
検出され、非キャリアでは検出されなかった。家系2035
からの個人で観察された潜在的調節突然変異の場合にお
いて、該家系におけるキャリアからのcDNAおよびゲノム
DNAを、多形部位におけるヘテロ接合性につき比較し
た。いずれの場合においても、cDNA試料における区別さ
れた対立遺伝子は、BRCA1病気素因対立遺伝子を担う染
色体上に存在することが示された(図9C)。
突然変異は集団における単に共通の多形であるという
可能性を排除するために、各突然変異についてのASOを
用いて、正常DNA試料の組をスクリーニングした。白人
における遺伝子頻度見積もりはユタ州集団からのランダ
ム試料に基づくものであった。アフリカン−アメリカン
における遺伝子頻度見積もりは、彼女の連続研究で用い
たアフリカン−アメリカンおよび20人の新しく生まれた
ユタ州のアフリカン−アメリカンに由来するM.Peracek
−Vanceによって提供された39試料に基づくものであっ
た。4の潜在的病気素因突然変異のいずれも適当な対照
集団で見いだされず、これは、それらが一般的な集団で
稀であることを示す。かくして、BRCA1感受性対立遺伝
子についての2の重要な要件は候補病気素因突然変異に
よって満たされた:1)病気を持つ突然変異対立遺伝子の
共分離、および2)対照における突然変異対立遺伝子の
不存在(これは、一般的集団における低遺伝子頻度を示
す) BRCA1突然変異の表現型発現 BRCA1蛋白質に対する該突然変異の効果はBRCA1家系に
おける観察された表現型発現における差異と相関した。
ほとんどのBRCA1家系は、乳癌についてのものと比較し
て(Eastonら、1993)、中程度に増大した卵巣癌危険を
有し、より小さなサブセットは卵巣癌の高い危険を有す
る。BRCA1突然変異が検出された4つの家系のうち3つ
が前者のカテゴリーに入り、他方、4番目(K2082)が
高い卵巣癌危険群に入る。K2082で見い出されたBRCA1ナ
ンセンス突然変異は検出された他の突然変異よりもアミ
ノ末端に近く位置するので、それは異なる表現型を有す
ると予測される。事実、家系K2082突然変異は高い卵巣
癌可能性を有し、他の家系よりも乳癌ケースのより遅い
平均診断年齢を有する(Goldgarら、1994)。開始年齢
におけるこの差異は、より小さく、より高度に浸透性の
(penetrant)家族における確実性の偏りによりもので
あるか、またはそれはBRCA1突然変異の挙動における組
織−特異的差異を反映しているものであろう。公知のBR
CA1突然変異を分離する他の3つの家系は、平均して、
乳癌毎10ケースにつき1の卵巣癌を有するが、その20代
後半または30代後半において診断された乳癌ケースの高
集団を有する。フレームシフト突然変異を有する家系19
10は注目するに値する。何故ならば、4人の罹患固人の
うち3人が両側乳癌を有し、各ケースにおいて、第2の
腫瘍が最初の出現から1人以内に診断されたからであ
る。潜在的調節BRCA1突然変異を分離する家系2035は劇
的な表現型を有することが予測されよう。この家系にお
ける乳癌ケースの80%が50歳前に起こる。この数字は当
該セットにおけるいずれとも同程度に高く、これは高い
浸透性のBRCA1突然変異対立遺伝子を示唆する(表1
0)。
前記突然変異は明らかに有害で、非常に若い年齢の婦
人において乳癌を引き起こすが、突然変異を持つ4の家
系の各々は、悪性を発病することなく80歳まで生きた少
なくとも1人の突然変異担持婦人を含む。BRCA1突然変
異の効果を軽減し得る他の遺伝的または環境的因子を続
いて突き止めるのは、該研究で最高に重要であろう。
8の推定BRCA1−連鎖家系のうち4つにおいて、潜在
的病気素因突然変異は見いだされなかった。これらの4
つのうち3つは0.55未満のBRCA1−連鎖マーカーについ
てのLODスコアを有する。かくして、これらの家系は、
実際は、BRCA1病気素因対立遺伝子を分離しないようで
ある。あるいは、これらの4の家系における突然変異
は、例えば、転写体のレベルに影響し、従って、検出を
遠ざけるBRCA1の領域に存在するらしい。
癌におけるBRCA1の役割 現在同定されているほとんどの腫瘍サプレッサー遺伝
子は、存在しない、非機能的または機能が低下した蛋白
質産物を生じる。TP53突然変異の大部分はミスセンスで
あり;これらのうちいくつかは、野生型産物の機能に干
渉する異常p53分子を生産することが示されている(Sha
ulianら、1992;Srivastavaら,1993)。同様の優性な陰
性の作用メカニズムが、切形分子を生産するいくつかの
腺腫ポリーブ症コリ(coli)(APC)対立遺伝子につき
(Suら、1993)、および蛋白質のDNA結合を改変するWil
msの腫瘍遺伝子(WT1)における点突然変異につき(Lit
tleら、1993)提案されている。BRCA1暗号配列で観察さ
れた突然変異の性質は優性陰性蛋白質または非機能的蛋
白質の生産に一致する。家系2035で推定された調節突然
変異は優性陰性ではありえない;むしろ、この突然変異
は影響された対立遺伝子からのBRCA1発現の低下または
完全な喪失を引き起こすようである。
BRCA1蛋白質は、多数のDNA結合蛋白質で見い出され
た、核酸への亜鉛−依存性結合と深く結び付いたものと
類似の、C3HC4亜鉛−フィンガードメインを含有する。B
RCA1の最初の180アミノ酸は酸性残基よりも5個多い塩
基性残基を含有する。対照的に、分子の残りは非常に酸
性で、70個の酸性残基が正味に過剰である。過剰の負電
荷はC−末端近くに特に集中している。かくして、1の
可能性は、BRCA1がN−末端DNA結合ドメインおよびC−
末端トランス活性化「酸性ブロブ(blob)」ドメインと
共に転写因子をコードするということである。興味深い
ことには、もう1つの家族性腫瘍サプレッサー遺伝子、
WT1、も亜鉛−フィンガーモチーフを含有する(Haber
ら、1990)。WT1における多くの癌病気素因突然変異は
亜鉛−フィンガードメインを改変する(Littleら、199
3;Haberら、1990;Littleら、1992)。WT1は、転写因
子、およびWT1のDNA結合特性を改変する亜鉛−フィンガ
ードメインの一部をコードするエキソンの別のスプライ
シングをコードする(Bickmoreら、1992)。WT1 mRNA
の別にスプライスされたいくつかの形態は転写リプレッ
サーとして作用する分子を創製する(Drummondら、199
4)。いくつかのBRCA1スプライシング変異体は亜鉛−フ
ィンガーモチーフを改変し、WT1で起こるのに類似の調
節メカニズムがBRCA1に適用できるという可能性を生じ
る。
実施例9 BRCA1突然変異についての腫瘍の分析 最もBRCA1突然変異を含有するらしい腫瘍についての
分析に焦点を当てるため、初代乳癌および卵巣癌をBRCA
1領域におけるLOHにつきタイプ分けした。3つの高度に
多形の単純縦列反復マーカーを用いてLOH:D17S1323およ
びD17S855(これは、BRCA1の遺伝子内である)、および
D17S1327(これは、BRCA1に対してほぼ100kb末端側にあ
る)をアクセスした。情報的ケース(すなわち、生殖細
胞系がヘテロ接合性である)における合計したLOH頻度
は乳癌につき32/72(44%)、卵巣癌につき12/21(57
%)であり、当該領域におけるLOHの従前の測定に一致
する(Futrealら、1992b;Jacobsら、1993;Satoら、199
0;Ecclesら、1990;Croppら、1994)。かくして、分析に
より、混血人種の32の乳房腫瘍および12の卵巣腫瘍のパ
ネルおよびBRCA突然変異につき調べるべき開始年齢が定
義された。一本鎖コンフォメーション分析(SSCA)およ
び直接配列決定の組合せによって、該遺伝子の完全な5,
589bp暗号領域およびイントロン/エキソン境界配列を
この腫瘍セットでスクリーニングした。
合計6の突然変異(そのうち2つが同一)が見い出さ
れ、1つが卵巣腫瘍におけるもの、4つが乳房腫瘍にお
けるもの、1つが男性の非罹患ハプロタイプキャリアに
おけるものであった(表12)。1の突然変異Glu1541Ter
は、323個のアミノ酸を失った切形蛋白質を生じるであ
ろう停止コドンをカルボキシル末端に導入した。加え
て、2のミスセンス突然変異が同定された。これらはAl
a1708GluおよびMet1775Argであって、荷電残基による小
さな疎水性残基の置換を含む。患者17764および19964は
同一家族からのものである。患者OV24において、ヌクレ
オチド2575は失欠され、患者17764および19964において
ヌクレオチド2993−2996は失欠されている。
いくつかの系の証拠は、すべての5の突然変異はBRCA
1感受性対立遺伝子を表すことを示唆する。
(i)すべての突然変異は生殖細胞系に存在する; (ii)すべては、適当な対照集団に不存在で、それらは
共通の多形ではないことを示唆する; (iii)BRCA1感受性対立遺伝子を分離する家系に属する
患者からの腫瘍にも当てはまるが(Smithら、1992;Kels
ellら、1993)(もし突然変異が中性多形を表すと、そ
れらはケースの50%でのみ保持されるべきである)、各
突然変異対立遺伝子は腫瘍で保有される; (iv)突然変異を持つ4つの乳癌ケースにおける開始年
齢は24歳と42歳の間で変化し、BRCA1を持つ個人におけ
る乳癌の早期開始年齢と合致する;同様に、卵巣癌ケー
スは44歳で診断され、これはすべての卵巣癌の最も若い
13%に入る;および最後に、 (v)腫瘍の組はこの基準に関して選択されなかったに
も拘わらず、5ケースのうち3つは、過去にさかのぼる
とそれらの医学記録で見いだされる乳癌および卵巣癌の
陽性家族歴史を有する。
BT106は24歳で乳癌と診断された。彼女の母親は卵巣
癌を有し、彼女の父親は黒色腫を有し、彼女の父方祖母
もまた乳癌を有した。患者MC44(アフリカン−アメリカ
ン)は42歳で両側乳癌を有した。この患者は34歳で乳癌
で死亡した姉妹、リンパ腫で死亡したもう1人の姉妹、
および肺癌で死亡した兄弟を有した。彼女の突然変異
(Met1775Arg)は以前家系2099(BRCA1感受性対立遺伝
子を分離し、アフリカン−アメリカンおよび白人対照で
は不存在であるアフリカン−アメリカン)で検出されて
いる。我々の知識では、患者MC44は家系2099に関連しな
い。稀な突然変異対立遺伝子の検出(BRCA1家系で1回
および明らかに無関係の早期開始乳癌ケースで1回)
は、Met1775Arg変化はアフリカン−アメリカンで共通の
病気素因であろうことを示唆する。総合すると、これら
の観察は腫瘍におけるすべての4つのBRCA1突然変異は
感受性対立遺伝子を表し;体細胞突然変異は分析した試
料で検出されなかった。
体細胞BRCA1突然変異の数の少なさは、17qについての
LOHの頻度および癌進行における腫瘍サプレッサーとし
ての感受性遺伝子の通常の役割を仮定すれば、予測され
るものではなかった。この結果については3つの可能な
説明がある:(i)我々のスクリーニング手法によると
暗号配列においていくつかのBRCA1突然変異が失われて
いた;(ii)BRCA1体細胞突然変異は主としてコーディ
ングエキソンの外側にある;および(iii)17qにおける
LOH事象はBRCA1体細胞突然変異を反映しない。
もし体細胞BRCA1突然変異が乳癌および卵巣癌で真に
稀であれば、これはBRCA1の生物学について強力な密接
関係を有するであろう。体細胞BRCA1突然変異の明らか
な欠如は、一般的な集団における腫瘍と比較して、遺伝
的に病気素因のBRCA1キャリアにおける腫瘍の発生にお
いていくつかの基本的差異があるであろうことを含蓄す
る。例えば、BRCA1における突然変異は乳癌および卵巣
発病における特定の早期段階において腫瘍形成に対して
のみ効果を有し得る。この確率は閉経期前乳癌における
BRCA1についての主要機能と一致する。乳癌および卵巣
癌におけるBRCA1の役割についてのかかるモデルは、生
殖ホルモンとBRCA1機能との間の相互作用を予測させ
る。しかしながら、家族性−散発性の乳癌および卵巣癌
の臨床的もしくは病理学的差異(開始年齢以外)は記載
されていない(Lynchら、1990)。他方、乳癌の家族履
歴を持つ患者からの乳癌における増大したTP53突然変異
および微小付随体の不安定性の最近の知見(Glebovら、
1994)は病気素因個人で遺伝的に生気する腫瘍のいくつ
らかの差異を反映するであろう。今や、この現象におけ
るBRCA1の関与は直接的に扱える。あるいは、体細胞BRC
A1突然変異の欠如は、BRCA1と同一の腫瘍抑制経路で機
能するが、総合すると散発性腫瘍における突然変異につ
いてのより都合よい標的を表す多数の遺伝子の存在に由
来するであろう。遺伝経路における単一要素の突然変異
は一般に該経路を破壊するのに十分であるので、BRCA1
は他の要素の突然変異速度の合計よりもかなり低い速度
で突然変異するであろう。
実施例10 BRCA1遺伝子の分析 BRCA1遺伝子の構造および機能は以下の方法によって
測定される。
生物学的研究 BRCA1 cDNAを含有する哺乳動物発現ベクターを構築
し、該遺伝子中に損傷を持つ適当な乳癌細胞にトランス
フェクトする。野生型BRCA1 cDNAならびに改変したBRC
A1 cDNAを用いる。該改変したBRCA1 cDNAは改変したB
RCA1対立遺伝子から得ることができるか、あるいは後記
するごとくに産生できる。培養における表現型復帰(例
えば、細胞形態、倍加時間、足場依存性増殖)および動
物における表現型復帰(例えば、腫瘍形成性)を調べ
る。研究では当該遺伝子の野生型および突然変異体形
(セクションB)を共に使用する。
分子遺伝学研究 イン・ビトロ突然変異誘発を行って、(個人コドンに
おける単一塩基対置換およびクラスター電荷→アラニン
走査突然変異誘発によって)失欠突然変異体およびミス
センス突然変異体を構築する。該突然変異体を生物学
的、生物化学的および生物物理学的研究で用いる。
メカニズム研究 BRCA1蛋白質が公知および未公知DNA配列に結合する能
力を調べる。プロモーターをトランス活性化するその能
力は、哺乳動物細胞における一時的レポーター発現によ
って分析する。粒子−捕獲および酵母の2−ハイブリッ
ド系のごとき通常の手法を用いていずれの機能的パート
ナーも見つけ同定する。該パートナーの性質および機能
を特徴付ける。これらのパートナーは薬物発見用の標的
である。
構造研究 組換え蛋白質をイー・コリ(E.coli)、酵母、昆虫お
よび/または哺乳動物細胞で産生させ、結晶学およびNM
R実験で使用する。蛋白質の分子作成も使用する。これ
らの研究は構造から導かれる薬物設計を容易とする。
実施例11 試料中におけるBRCA1の存在を検出するための2工程ア
ッセイ Antonarakisら(1985)によって開示されている方法
に従って患者試料を加工し、1%アガロースゲルを通し
て分離し、サザーンブロット分析用にナイロン膜に移
す。GS Geneリンカー(Bio−Rad)を用い、膜を150mJ
でUV架橋させる。配列番号1のヌクレオチド3631−3930
位に対応するBRCA1プローブをpTZ18Uにサブクローンす
る。M13KO7ヘルパーファージ(Bio−Rad,Richmond,CA)
で感染させたイー・コリ(E.coli)MV1190にファゲミド
(phagemide)を形質転換する。一本鎖DNAを標準的な手
法(Sambrookら、1989参照)により単離する。
0.5M NaPO4中の7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
中、65℃にて、ブロットを14−30分間プレハイブリダイ
ズさせる。該方法はNguyenら、1992に記載されているも
のに従う。該ブロットを、25−50mg/ml一本鎖プローブD
NAを含む7%SDS、0.5M NaPO4中、65℃で一晩ハイブリ
ダイズさせる。ポスト−ハイブリダイゼーション洗液は
65℃における5%SDS、40mM NaPO4中の2回の30分間洗
液であり、続いて65℃における2回の30分間の1%SD
S、40mM NaPO4洗液よりなる。
次いで、該ブロットを室温にてリン酸緩衝生理食塩水
(pH6.8)で5分間すすぎ、室温にてPBS中の0.2%カゼ
インと共に30−60分間インキュベートし、PBS中で5分
間すすぐ。次いで、該ブロットを、6M尿素、0.3M NaCl
および5×Denhardt's溶液(Sambrookら、1989参照)よ
りなるハイブリダイゼーション緩衝液と共に、45℃に
て、震盪する水浴中で5−10分間プレインキュベートす
る。緩衝液を除去し、50−75μl/cm2の新鮮なハイブリ
ダイゼーション緩衝液+共有結合架橋したオリゴヌクレ
オチド−アルカリ性フォスファターゼの、ユニバートル
プライマー部位(UP−AP、Bio−Rad)と相補的なヌクレ
オチド配列とのコンジュゲートの2.5nMで置き換える。
該ブロットを45℃で20−30分間ハイブリダイズさせ、ポ
ストハイブリダイゼーション洗液を、45℃にて、2回の
6M尿素中10分間洗液、1×標準クエン加生理食塩水(SS
C)、0.1%SDSおよび1×SSC、0.1%トリトンX−100中
の1回洗液としてインキュベートする。該ブロットを室
温で1×SSCと共に10分間すすぐ。
0.1Mジエタノールアミン、1mM MgCl2、0.02%アジ化
ナトリウム、pH10.0からなる基質緩衝液中で震盪しつ
つ、ブロットを室温で10分間インキュベートする。基質
緩衝液および0.2mM AMPPD(3−(2′−スピロアダマ
ンタン)−4−メトキシ−4−(3′−ホスホリルオキ
シ)フェニル−1,2−ジオキセタン、二ナトリウム塩、B
io−Rad)と共に個々のブロットをヒートシール可能な
バッグに入れる。震盪しつつの室温での20分のインキュ
ベーション後、過剰のAMPPD溶液を除去する。該ブロッ
トをX−線に一晩暴露する。陽性バンドはBRCA1の存在
を示す。
実施例12 BRCA1に対するポリクローナル抗体の作製 BRCA1暗号配列のセグメントをイー・コリ中の融合蛋
白質として発現させた。過剰に生産された蛋白質をゲル
溶出によって精製し、これを用いて、HarlowおよびLan
e、1988によって記載されているものと同様の手法を用
い、ウサギおよびマウスを免疫化した。この手法は種々
の他の蛋白質に対してAbsを生じることが示されている
(例えば、Kraemerら、1993)。
略言すれば、BRCA1暗号配列のストレッチをプラスミ
ドPET5A(Novagen,Inc.,Madison,WI)中の融合蛋白質と
してクローン化した。BRCA1を組み込んだ配列は配列番
号2の#1361−1554に対応するアミノ酸を含む。IPTGで
の誘導の後、予測される分子量を持つ融合蛋白質の過剰
生産を、SDS/PAGEによって確認した。融合蛋白質は電気
溶出によってゲルから精製した。BRCA1融合産物として
の蛋白質の同定は、N−末端における蛋白質配列決定に
よって確認した。次いで、該精製した蛋白質をウキザに
おける免疫原として使用した。ウサギをフロイントの完
全なアジュバント中の100μg蛋白質で免疫化し、3週
間隔で2回(最初、フロイントの不完全アジュバント中
の免疫原100μgで、続いてPBS中の免疫原100μg)追
加免疫した。しかる後、血清を含有する抗体を2週間収
集する。
この手法を反復して、BRCA1遺伝子の突然変異体形に
対する抗体を得る。野生型BRCA1に対する抗体と組み合
わせて、これらの抗体を用いて種々の組織および生物学
的流体中の突然変異体形の存在および相対的レベルを検
出する。
実施例13 BRCA1に特異的なモノクローナル抗体の作製 以下のプロトコルに従ってモノクローナル抗体を作製
する。よく知られているごとく、グルタルアルデヒドま
たはEDCを用い、キーホールリンペットヘモシアニンに
コンジュゲートした無傷BRCA1またはBRCA1ペプチド(野
生型または突然変異体)からなる免疫原でマウスを免疫
化する。
該免疫原をアジュバントと混合する。各マウスに免疫
原10ないし100μgの4回の注射を摂取させ、第4回目
の注射の後、血液試料をマウスから採取して、該血清が
免疫原に対する抗体を含有するか否かを判断する。血清
力価をELISAまたはRIAによって測定する。免疫原に対す
る抗体の存在を示す血清を持つマウスをハイブリドーマ
作製のために選択する。
免疫マウスから脾臓を摘出し、単細胞懸濁液を調製す
る(HarlowおよびLane、1988参照)。細胞融合は実質的
にKohlerおよびMilstein、1975によって記載されている
ごとくに行う。略言すれば、HarloweおよびLane、1988
によって記載されているようにポリエチレングリコール
を用い、P3.65.3骨髄腫細胞(American Type Culture
Collection,Rockville,MD)を免疫脾臓細胞と融合さ
せる。細胞を96ウェル組織培養プレート中、2×105
胞/ウェルの密度で平板培養する。個々のウェルを増殖
につき調べ、増殖したウェルの上清を、野生型または突
然変異体BRCA1標的蛋白質を用い、ELISAまたはRIAによ
って、BRCA1特異的抗体の存在につきテストする。陽性
ウェル中の細胞を増殖させ、サブクローンしてモノクロ
ーナル抗体を確立し確認する。
所望の特異性を持つクローンを増殖させ、マウスまた
は中空繊維中で腹水として増殖させて、特徴付けおよび
アッセイ開発のために十分量の抗体を得る。
実施例14 BRCA1についてのサンドイッチアッセイ モノクローナル抗体をプレート、チューブ、ビーズ、
または粒子のごとき固体表面に結合させる。好ましく
は、抗体を96−ウェルELISAプレートのウェル表面に結
合させる。BRCA1ペプチド/蛋白質(野生型または突然
変異体)を含有する100μl試料(例えば、血清、尿、
組織サイトゾル)を固相抗体に結合させる。試料を室温
で2時間インキュベートする。次いで、試料流体をデカ
ントし、該固相を緩衝液で洗浄した、未結合物質を除去
する。100μlの第2モノクローナル抗体(BRCA1ペプチ
ド/蛋白質上の異なる抗原決定基に対するもの)を該固
相に添加する。この抗体を検出器分子(例えば、125I、
酵素、蛍光体、または発色団)で標識し、第2抗体と共
に固相を室温で2時間インキュベートする。第2抗体を
デカントし、固相を緩衝液で洗浄して未結合物質を除去
する。
結合した標識の量(これは、試料に存在するBRCA1ペ
プチド/蛋白質の量に比例する)を定量する。野生型BR
CA1につき特異的なモノクローナル抗体ならびにBRCA1で
同定された突然変異体の各々に特異的なモノクローナル
抗体を用い、別々のアッセイを行う。
産業上の利用性 前記したごとく、本発明は、個人のBRCA1対立遺伝子
をテストするのに用いる物質および方法ならびに該対立
遺伝子の正常または病気素因性質の解釈を供する。正常
の危険より高い個人はそのライフスタイルを適当に修飾
するであろう。BRCA1の場合、最も有意な非−遺伝的危
険因子は若年の全妊娠期間の保護効果である。従って、
危険な婦人は早くに子供を作ることを考えるか、若年の
全期間妊娠のホルモン効果を刺激するように設計した療
法を考えることができよう。高い危険の婦人もまた早期
検出に努力し、乳房の自己診断を学び実践する絶好の動
機付けとなろう。かかる婦人は、一般の集団よりも早い
年齢で始めて、規則的な乳房X線像を取るよう動機付け
されるであろう。卵巣スクリーニングも、より高い頻度
でなされるであろう。BRCA1遺伝子座の配列分析に基づ
く診断方法も腫瘍検出および分類に適用できろであろ
う。配列分析を用いて前駆体病巣を診断できるであろ
う。該方法の進歩およびBRCA1および他の原因的遺伝子
座についての情報の蓄積と共に、癌を良性および悪性に
分けることが可能となろう。
乳癌を持つ婦人は、もしそれが病気素因でないという
よりも、もしそれが病気素因であり、従ってさらに癌を
有するであろうときは、異なる外科方法に従うであろ
う。ペプチドまたは小さい分子(合理的薬剤デザイン)
いずれかを用いる他の療法が開発されるであろう。ペプ
チドはミッシング遺伝子産物それ自体またはミッシング
遺伝子産物の一部であろう。別法として、治療剤は有害
な遺伝子機能を模倣するもう1つの分子、受け継いだ遺
伝子座の有害効果を妨げることが求められるペプチドま
たは非ペプチド分子であろう。また、療法は正常なBRCA
1対立遺伝子を個人に導入して、有害対立遺伝子の効果
を妨げるであろう蛋白質を作製することを通じる、遺伝
子ベースであり得る。これらの遺伝子療法は多くの形態
を取ることができ、腫瘍が形成されるのを妨げる、一旦
生じた癌を治癒する、または癌が転移するのを停止させ
ることに向けられるであろう。
本発明の方法および組成物は種々の具体例の形態で具
体化でき、そのうちの少しのみを本明細書で開示したこ
とは認識されるであろう。本発明の精神を逸脱すること
なく他の具体例が存在することは当業者に明らかであ
る。かくして、記載した具体化は例示的であって、制限
的なものであると解釈されるべきではない。
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公開 Hitzemanら、EP73,675A PCT出願公開WO 93/07282 配列表 (1)一般情報: (i)出願人:Skolnick,Mark H. Goldgar,David E. Miki,Yoshio Swenson,Jeff Kamb,Alexander Harshman,Keith D. Shattuck−Eidens,Donna M. Tavtigian,Sean V. Wiseman,Roger W. Futreal,P.Andrew (ii)発明の名称:17q−連鎖乳癌および卵巣癌感受性
遺伝子 (iii)配列の数:85 (iv)通信住所: (A)受信人:Venable,Baetjer,HowardおよびCivil
etti,LLP (B)通り:ニューヨーク州、ニューヨーク・アベ
ニュー1201番、スイート1000 (C)都市:ワシントン (D)州:DC (E)国籍:合衆国 (F)郵便番号:20005 (v)コンピュータ判読形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピュータ:IBM PC コンパチブル (C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:Parent In Release#1.0,Vers
ion#1.30 (vi)最新出願データ: (A)願番: (B)出願日: (C)分類: (vii)先の出願データ: (A)願番:US (B)出願日:1995年6月7日 (vii)先の出願データ: (A)願番:US 08/409,305 (B)出願日:1995年3月24日 (vii)先の出願データ: (A)願番:US 08/348,824 (B)出願日:1994年11月29日 (vii)先の出願データ: (A)願番:US 08/308,104 (B)出願日:1994年9月16日 (vii)先の出願データ: (A)願番:US 08/300,266 (B)出願日:1994年9月2日 (vii)先の出願データ: (A)願番:US 08/289,221 (B)出願日:1994年8月12日 (viii)代理人/代理事務所情報: (A)氏名:Ihnen,Jeffrey L. (B)登録番号:28,957 (C)参照/ファイル番号:24884−109347 (ix)電信電話通信情報: (A)電話:202−962−4810 (B)ファックス:202−962−8300 (2)配列番号:1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:5914塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (ix)配列の特徴: (A)名称/キー:CDS (B)位置:120..5711 (xi)配列:配列番号:1: (2)配列番号:2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:1864アミノ酸 (B)配列の種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:蛋白質 (xi)配列:配列番号:2: (2)配列番号:3に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン:s754A (xi)配列:配列番号:3: (2)配列番号:4に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン:s754A (xi)配列:配列番号:4: (2)配列番号:5に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン:s975B (xi)配列:配列番号:5: (2)配列番号:6に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の種類:核酸 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(xi)配列:配列番号:60: (2)配列番号:61に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:61: (2)配列番号:62に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:62: (2)配列番号:63に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:63: (2)配列番号:64に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:64: (2)配列番号:65に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:65: (2)配列番号:66に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:66: (2)配列番号:67に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 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(iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:73: (2)配列番号:74に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:74: (2)配列番号:75に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:75: (2)配列番号:76に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:76: (2)配列番号:77に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:77: (2)配列番号:78に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:78: (2)配列番号:79に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:79: (2)配列番号:80に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:80: (2)配列番号:81に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:DNA(ゲノミック) (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:81: (2)配列番号:82に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:42塩基対 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数: (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (A)生物名:ホモ・サピエンス (xi)配列:配列番号:82: (2)配列番号:83に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:42アミノ酸 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数: (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (xi)配列:配列番号:83: (2)配列番号:84に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:41アミノ酸 (B)配列の種類:アミノ酸 (C)鎖の数:一 (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (xi)配列:配列番号:84: (2)配列番号:85に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:42アミノ酸 (B)配列の種類:核酸 (C)鎖の数: (D)トポロジー:直鎖 (ii)分子の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (xi)配列:配列番号:85:
フロントページの続き (31)優先権主張番号 308,104 (32)優先日 平成6年9月16日(1994.9.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 348,824 (32)優先日 平成6年11月29日(1994.11.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 409,305 (32)優先日 平成7年3月24日(1995.3.24) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 483,554 (32)優先日 平成7年6月7日(1995.6.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 487,002 (32)優先日 平成7年6月7日(1995.6.7) (33)優先権主張国 米国(US) 早期審査対象出願 前置審査 (73)特許権者 300008988 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 メリーランド 20852 −3804,ロックビル,エグゼキューティ ブ ブールバード 6011,スイート 325,オフィス オブ テクノロジー トランスファー,ナショナル インステ ィチューツ オブ ヘルス (72)発明者 スコルニック,マーク・エイチ アメリカ合衆国84103ユタ州ソルト・レ イク・シティ、ノースマウント・ウェイ 460番 (72)発明者 ゴールドガー,デイビッド・イー アメリカ合衆国84117ユタ州ソルト・レ イク・シティ、イースト・ケリー・レイ ン2707番 (72)発明者 三木 義男 アメリカ合衆国84102ユタ州ソルト・レ イク・シティ、サウス・900・イースト 40番 (72)発明者 スウェンソン,ジェフ アメリカ合衆国84117ユタ州ソルト・レ イク・シティ、ウエスト・クリーク・ベ ンド・ナンバー 2807、745番 (72)発明者 カム,アレキサンダー アメリカ合衆国84102ユタ州ソルト・レ イク・シティ、イースト・600・サウス 1103番 (72)発明者 ハーシュマン,キース・ディ アメリカ合衆国84103ユタ州ソルト・レ イク・シティ、ノース・エフ・ストリー ト159番 (72)発明者 シャタック−エイデンズ,ドナ・エム アメリカ合衆国84108ユタ州ソルト・レ イク・シティ、テキサス・ストリート 1874番 (72)発明者 タブティジアン,シィーン・ブイ アメリカ合衆国84103ユタ州ソルト・レ イク・シティ、イースト・ファースト・ アベニュー・ナンバー3、557番 (72)発明者 ワイズマン,ロジャー・ダブリュー アメリカ合衆国27713ノースキャロライ ナ州 ダーラム、ウッドウインズ・ドラ イブ515番 (72)発明者 ファトリール,アンドリュー・ピー アメリカ合衆国27701ノースキャロライ ナ州 ダーラム、イースト・マーカム・ アベニュー220番 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 ZNA C07K 14/82 C12Q 1/68 G01N 33/15 G01N 33/574 GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) MEDLINE(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 配列番号:2記載のアミノ酸配列を
    含むBRCA1ポリペプチドをコードする核酸;および (b) 45℃を越える温度および200mM未満の塩濃度の
    緊縮ハイブリダイゼーション条件下、ヌクレオチド120
    ないしヌクレオチド5708の配列番号:1記載のヌクレオチ
    ド配列を含むBRCA1核酸にハイブリダイズする核酸であ
    って、BRCA1、その対立遺伝子変異体または天然に産出
    されるその突然変異体をコードする該核酸よりなる群か
    ら選択される単離核酸。
  2. 【請求項2】ヌクレオチド120ないしヌクレオチド5708
    の配列番号:1記載のヌクレオチド配列の突然変異形また
    はその対立遺伝子変異体を含む核酸であり、ここに、該
    突然変異は、天然に産出される突然変異を含み、(a)
    欠失突然変異、(b)ナンセンス突然変異、(c)挿入
    突然変異および(d)ミスセンス突然変異よりなる群か
    ら選択される請求項1記載の単離核酸。
  3. 【請求項3】(i)配列番号:1に関して定義される以下
    の突然変異: (a) ヌクレオチド4056位にてのT置換; (b) ヌクレオチド5385位の余分なC; (c) ヌクレオチド5443位にてのG置換; (d) ヌクレオチド189〜199位の11塩基対欠失; (e) ヌクレオチド2575位の1塩基対欠失(OV24); (f) ヌクレオチド2993〜2996位の4塩基対欠失(17
    764/19964);および (g) ヌクレオチド4740位のGのT置換(BT098) のうちの一つを有する、ヌクレオチド120ないしヌクレ
    オチド5708の配列番号:1記載のヌクレオチド配列、(i
    i)その相補体または(iii)対応するRNAである請求項
    2記載の単離核酸。
  4. 【請求項4】作動可能にBRCA1遺伝子調節配列に連結さ
    れる請求項1ないし3いずれか1記載の単離核酸。
  5. 【請求項5】(i)請求項2または3記載のヌクレオチ
    ド120ないしヌクレオチド5708の配列番号:1記載のヌク
    レオチド配列またはその対立遺伝子変異体または天然に
    産出されるその突然変異形態より選択されるヌクレオチ
    ド配列を含む核酸または(ii)該核酸に対応するRNAの
    試料中の存在を測定するハイブリダイゼーションプロー
    ブであって、請求項1ないし3いずれか1記載の核酸の
    ヌクレオチド配列の部分を含む単離したDNAを含み、こ
    こに、該プローブの配列は、45℃を越える温度および20
    0mM未満の塩濃度の緊縮ハイブリダイゼーション条件
    下、該核酸またはRNAのBRCA1ポリペプチドコード配列の
    部分である標的配列に特異的にハイブリダイズでき、該
    部分は少なくとも15個のヌクレオチドを含む該ハイブリ
    ダイゼーションプローブ。
  6. 【請求項6】請求項5記載のハイブリダイゼーションプ
    ローブに適した核酸プローブであって、該核酸プローブ
    のヌクレオチド配列が請求項2または3記載の突然変異
    BRCA1ポリペプチドのコード配列の部分を含み、該コー
    ド部分はヌクレオチド120ないしヌクレオチド578の配列
    番号:1記載のヌクレオチド配列と比較して突然変異を含
    む該核酸プローブ。
  7. 【請求項7】請求項2または3記載の突然変異BRCA1ポ
    リペプチドのコード配列の少なくとも15個の隣接したヌ
    クレオチドを含み、該少なくとも15個の隣接したヌクレ
    オチドは、ヌクレオチド120ないしヌクレオチド5708の
    配列番号:1記載のヌクレオチド配列と比較して突然変異
    を含む単離核酸。
  8. 【請求項8】請求項1記載の単離核酸を含むベクター。
  9. 【請求項9】(a) (i)請求項1ないし3および7
    いずれか1記載の単離核酸または請求項5または6記載
    のプローブおよび、(ii)該ベクターの宿主細胞中で作
    動可能なレプリコンを含む複製クローニングベクター;
    および(b)該BRCA1ポリペプチドまたはその突然変異
    形態が、該ベクターの宿主細胞中のコード配列の発現を
    指示できるプロモーター配列に作動可能に連結される請
    求項1ないし3いずれか1記載の単離核酸を含む発現ベ
    クターよりなる群から選択されるベクター。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載のベクターで形質
    転換またはトランスフェクトした宿主細胞。
  11. 【請求項11】請求項2または3記載の配列番号:2記載
    のアミノ酸配列を含むBRCA1ポリペプチドまたは該ポリ
    ペプチドの修飾形態であるポリペプチドの産生方法であ
    って、(i)該ポリペプチドの産生に適した条件下にて
    該ポリペプチドをコードする発現ベクターを含有する請
    求項10記載の宿主細胞を培養し;次いで、(ii)該ポリ
    ペプチドを回収することを含む該方法。
  12. 【請求項12】(a) 配列番号:2記載のアミノ酸配列
    を含むBRCA1ポリペプチドまたはその対立遺伝子変異
    体; (b) 請求項1記載の核酸の発現によって得ることが
    できるポリペプチド; (c) 請求項2記載の核酸の発現によって得ることが
    できる突然変異ヒトBRCA1ポリペプチド; (d) (a)、(b)または(c)いずれか1記載の
    ポリペプチドの抗原性フラグメント;および (e) (a)、(b)、(c)または(d)いずれか
    1記載のポリペプチドとの融合蛋白質よりなる群から選
    択されるポリペプチド以外のヒト蛋白質を含まない単離
    ポリペプチド。
  13. 【請求項13】請求項12記載のポリペプチドに特異的に
    結合することができる抗体であって、ポリクローナル抗
    体またはモノクローナル抗体であることを特徴とする該
    抗体。
  14. 【請求項14】核酸増幅反応によってBRCA1遺伝子のヌ
    クレオチド配列のヌクレオチド配列を決定するための一
    本鎖オリゴヌクレオチド・プライマー対であって、ここ
    に該プライマーの配列がヒト染色体17q由来であって、
    核酸増幅反応における当該プライマーの使用の結果、BR
    CA1遺伝子のコード配列の全体あるいは一部分またはBRA
    C1遺伝子のコード部分に対応するDNAおよび/またはRNA
    が合成され、該BRAC1のコード配列は、請求項2または
    3記載のヌクレオチド120ないしヌクレオチド5708の配
    列番号:1記載のヌクレオチド配列またはその対立遺伝子
    変異体またはその突然変異形態に対応し、該プライマー
    は少なくとも15個のヌクレオチドを含むことを特徴とす
    る該プライマー。
  15. 【請求項15】請求項2または4記載の突然変異BRCA1
    ヌクレオチド配列の同定方法であって、予想される突然
    変異BRCA1対立遺伝子のヌクレオチド配列をヌクレオチ
    ド120ないしヌクレオチド5808の配列番号:1記載のコー
    ド配列および/またはその対立遺伝子変異体を含有する
    BRCA1のヌクレオチド配列と比較することを含む該方
    法。
  16. 【請求項16】配列番号:2記載のアミノ酸配列またはそ
    の対立遺伝子変異体を含む該BRCA1ポリペプチドを暗号
    化するBRCA1遺伝子における1以上の突然変異検出用の
    キットであって、 (a) 請求項2または3記載のBRCA1突然変異に特異
    的な少なくとも1以上のオリゴヌクレオチドプライマー
    を含むキット;および (b) 請求項2または3記載のBRCA1遺伝子突然変異
    に対する少なくとも1の突然変異対立遺伝子特異性オリ
    ゴヌクレオチドプローブを含むキットよりなる群から選
    択される該キット。
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