JP3241353B2 - 補強層のあるゴムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法 - Google Patents
補強層のあるゴムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は補強層のあるゴムホ
ースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法に関する。さ
らに詳しくは、自動車用ホース、とりわけ操舵用および
ブレーキ用ホースの特性または物性値の測定技術、建設
機械用ホース、とりわけ油圧用高圧ゴムホースの特性ま
たは物性値の測定技術または自動車用エアコン、とりわ
けエアコンの冷媒回路用のホースの特性または物性値の
測定技術に関する。
ースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法に関する。さ
らに詳しくは、自動車用ホース、とりわけ操舵用および
ブレーキ用ホースの特性または物性値の測定技術、建設
機械用ホース、とりわけ油圧用高圧ゴムホースの特性ま
たは物性値の測定技術または自動車用エアコン、とりわ
けエアコンの冷媒回路用のホースの特性または物性値の
測定技術に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、ホース材の粘弾性の静的物性値に関する測定方法に
は、主としてつぎの2種類がある。
来、ホース材の粘弾性の静的物性値に関する測定方法に
は、主としてつぎの2種類がある。
【0003】(1)ホース壁の粘弾性を等方性と仮定
し、内圧による簡単な静的膨脹実験により静的縦弾性係
数を求め、静的ポアソン比は単に一定値(たとえば、
0.5)と仮定する方法が知られている(中野和夫、吉
本正彦共著「粘弾性管壁をもった油圧管路の動特性」、
計自論、6−3(1970))。この方法の場合、等方
性の仮定が現実と著しく異なっているという問題がある
ほか、静的ポアソン比が測定できないという問題もあ
る。
し、内圧による簡単な静的膨脹実験により静的縦弾性係
数を求め、静的ポアソン比は単に一定値(たとえば、
0.5)と仮定する方法が知られている(中野和夫、吉
本正彦共著「粘弾性管壁をもった油圧管路の動特性」、
計自論、6−3(1970))。この方法の場合、等方
性の仮定が現実と著しく異なっているという問題がある
ほか、静的ポアソン比が測定できないという問題もあ
る。
【0004】(2)ホース壁の軸方向および円周方向の
静的縦弾性係数Ex、Eθと、ホース壁の軸方向および
円周方向の静的ポアソン比μx、μθのあいだの関係式
(Ex/μx=Eθ/μθ)の条件を設けて閉鎖したホー
ス内の油に正弦波の圧力変化を発生させ、それによりホ
ース壁の応力とひずみを測定してホース壁の軸方向およ
び円周方向の静的縦弾性係数と、ホース壁の軸方向およ
び円周方向の静的ポアソン比とを求める方法も知られて
いる(ディー ケイ ロングモア(D.K.Longmore)著、
「流体により発生した油圧ホースにおける騒音の伝達お
よび減衰(TheTransmission and Attenuation of Fluid
Borne Noise in Hydraulic Hose)」、122〜137
頁、国際機械学会(Intl.Mech.E.Conference)、静的油
圧システム(Quiet Oil Hydraulic System)、ロンド
ン、1977年)。この方法の場合、(Ex/μx=Eθ
/μθ)の条件が必ずしも正しいとは限らないという問
題があるほか、正弦波を発生する機構が必要であるとい
う問題がある。
静的縦弾性係数Ex、Eθと、ホース壁の軸方向および
円周方向の静的ポアソン比μx、μθのあいだの関係式
(Ex/μx=Eθ/μθ)の条件を設けて閉鎖したホー
ス内の油に正弦波の圧力変化を発生させ、それによりホ
ース壁の応力とひずみを測定してホース壁の軸方向およ
び円周方向の静的縦弾性係数と、ホース壁の軸方向およ
び円周方向の静的ポアソン比とを求める方法も知られて
いる(ディー ケイ ロングモア(D.K.Longmore)著、
「流体により発生した油圧ホースにおける騒音の伝達お
よび減衰(TheTransmission and Attenuation of Fluid
Borne Noise in Hydraulic Hose)」、122〜137
頁、国際機械学会(Intl.Mech.E.Conference)、静的油
圧システム(Quiet Oil Hydraulic System)、ロンド
ン、1977年)。この方法の場合、(Ex/μx=Eθ
/μθ)の条件が必ずしも正しいとは限らないという問
題があるほか、正弦波を発生する機構が必要であるとい
う問題がある。
【0005】また、ホースの動特性やホース内の流体中
の脈動特性には、ホース壁の物性値が著しく影響するた
め、これらの動的挙動の解明に当たっては、使用するホ
ース壁の粘弾性物性値が予め知られていなければならな
い。
の脈動特性には、ホース壁の物性値が著しく影響するた
め、これらの動的挙動の解明に当たっては、使用するホ
ース壁の粘弾性物性値が予め知られていなければならな
い。
【0006】さらに、ホースの開発に当たっても、ホー
ス壁の物性値に及ぼすゴムの材質、補強層の材質と編組
方式などの影響を定量的に明らかにしておくことが必要
である。これら補強層のあるゴムホースでは、外力によ
るホース壁の変形が軸方向と円周方向とで異なる異方性
を示す。
ス壁の物性値に及ぼすゴムの材質、補強層の材質と編組
方式などの影響を定量的に明らかにしておくことが必要
である。これら補強層のあるゴムホースでは、外力によ
るホース壁の変形が軸方向と円周方向とで異なる異方性
を示す。
【0007】そのため、補強層のゴムホースの異方・粘
弾性物性値を解析的に求めることはきわめてむずかし
く、これらの物性値を実験的に精度よく求めるための測
定法の開発が望まれている。
弾性物性値を解析的に求めることはきわめてむずかし
く、これらの物性値を実験的に精度よく求めるための測
定法の開発が望まれている。
【0008】本発明の目的は、補強層のあるゴムホース
の異方・粘弾性の静的物性値を精度よく実験的に求める
方法を提供することである。
の異方・粘弾性の静的物性値を精度よく実験的に求める
方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の補強層のあるゴ
ムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法は、上流
端が固定され、下流端が閉鎖されたホースにおいて、該
閉鎖された下流端を自由にした場合と、重りにより一定
の引張力(W)を負荷した場合とからなる支持条件の下
で当該ホース内に静的内圧(p0)を負荷して当該ホー
ス外面壁の静的ひずみの円周方向成分(σθ)および軸
方向成分(σx)を測定し、静的応力と静的ひずみの関
係式から、当該ホースの円周方向の静的縦弾性係数(E
θ)、軸方向の静的縦弾性係数(Ex)、円周方向の静
的ポアソン比(μθ)および軸方向の静的縦弾性係数
(μx)を測定する方法であって、前記静的応力および
静的ひずみの関係式が、 σθ=(Eθ/(1−μθμx))×(εθ+μ
xεx)、 σx=(Ex/(1−μθμx))×(εx+μθεθ)、
ムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法は、上流
端が固定され、下流端が閉鎖されたホースにおいて、該
閉鎖された下流端を自由にした場合と、重りにより一定
の引張力(W)を負荷した場合とからなる支持条件の下
で当該ホース内に静的内圧(p0)を負荷して当該ホー
ス外面壁の静的ひずみの円周方向成分(σθ)および軸
方向成分(σx)を測定し、静的応力と静的ひずみの関
係式から、当該ホースの円周方向の静的縦弾性係数(E
θ)、軸方向の静的縦弾性係数(Ex)、円周方向の静
的ポアソン比(μθ)および軸方向の静的縦弾性係数
(μx)を測定する方法であって、前記静的応力および
静的ひずみの関係式が、 σθ=(Eθ/(1−μθμx))×(εθ+μ
xεx)、 σx=(Ex/(1−μθμx))×(εx+μθεθ)、
【0010】
【数9】
【0011】
【数10】
【0012】
【数11】
【0013】
【数12】
【0014】σθ 1=(a/h)×p0、 σx1=(a2/2bh)×p0、 σθ 2=(a/h)×p0、および σx2=(a2/2bh)×p0+W/(2πbh) からなり、前記εθ 1が下流端を自由にした場合の円周
方向の静的ひずみであり、εx1が下流端を自由にした場
合の軸方向の静的ひずみであり、前記εθ 2が下流端に
重りにより一定の引張力を負荷した場合の円周方向の静
的ひずみであり、εx2が下流端に重りにより一定の引張
力を負荷した場合の軸方向の静的ひずみであり、前記a
がホースの内径であり、前記bが平均半径であり、前記
hが肉厚であることを特徴としている。
方向の静的ひずみであり、εx1が下流端を自由にした場
合の軸方向の静的ひずみであり、前記εθ 2が下流端に
重りにより一定の引張力を負荷した場合の円周方向の静
的ひずみであり、εx2が下流端に重りにより一定の引張
力を負荷した場合の軸方向の静的ひずみであり、前記a
がホースの内径であり、前記bが平均半径であり、前記
hが肉厚であることを特徴としている。
【0015】叙上の本発明の方法を要約すると、 (I)ホース壁は軸方向と円周方向とで異なる粘弾性特
性を示す均一な材質であると仮定して取り扱う。 (II)応力とひずみとの関係式を利用して軸方向と円周
方向とにおけるホース壁の静的縦弾性係数と静的ポアソ
ン比を求めるために、軸方向と円周方向の静的ひずみと
静的応力に関する独立した2組のデータが必要である
が、ホースの下流端における2つの異なる支持条件を用
いて独立した2組のひずみと応力のデータを得る。 (III)ホース壁のたわみの影響を取り除き、高い測定
精度を確保するために、ひずみの測定は2軸90度交差
のゲージをホースのほぼ中央の位置で円周上の対称位置
に2枚または4枚貼付して行ない、これらの平均値を測
定値とする。
性を示す均一な材質であると仮定して取り扱う。 (II)応力とひずみとの関係式を利用して軸方向と円周
方向とにおけるホース壁の静的縦弾性係数と静的ポアソ
ン比を求めるために、軸方向と円周方向の静的ひずみと
静的応力に関する独立した2組のデータが必要である
が、ホースの下流端における2つの異なる支持条件を用
いて独立した2組のひずみと応力のデータを得る。 (III)ホース壁のたわみの影響を取り除き、高い測定
精度を確保するために、ひずみの測定は2軸90度交差
のゲージをホースのほぼ中央の位置で円周上の対称位置
に2枚または4枚貼付して行ない、これらの平均値を測
定値とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明にかかわる補強層のあるゴ
ムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法につい
て、添付図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
ムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法につい
て、添付図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
【0017】応力とびずみ(すなわち、ホース壁の断面
の静的応力、静的ひずみ、静的弾性係数および静的ポア
ソン比)のあいだには、つぎの式1および式2に示すよ
うな関係がある。 σθ=(Eθ/(1−μθμx))×(εθ+μxεx) (式1) σx=(Ex/(1−μθμx))×(εx+μθεθ) (式2)
の静的応力、静的ひずみ、静的弾性係数および静的ポア
ソン比)のあいだには、つぎの式1および式2に示すよ
うな関係がある。 σθ=(Eθ/(1−μθμx))×(εθ+μxεx) (式1) σx=(Ex/(1−μθμx))×(εx+μθεθ) (式2)
【0018】ただし、Eθは円周方向の静的弾性係数で
あり、Exは軸方向の静的弾性係数であり、μθは円周
方向の静的ポアソン比であり、μxは軸方向の静的ポア
ソン比であり、εθは円周方向の静的ひずみであり、ε
xは軸方向の静的ひずみである。
あり、Exは軸方向の静的弾性係数であり、μθは円周
方向の静的ポアソン比であり、μxは軸方向の静的ポア
ソン比であり、εθは円周方向の静的ひずみであり、ε
xは軸方向の静的ひずみである。
【0019】静的弾性係数と静的ポアソン比は、つぎの
ようにして求めることができる。
ようにして求めることができる。
【0020】すなわち、独立した2組の静的応力を(σ
θ 1、σx1、εθ 1、εx1)と(σθ 2、σx2、εθ 2、ε
x2)とすると、前述の式1および式2から、静的弾性係
数および静的応力は、それぞれつぎの式から求められ
る。
θ 1、σx1、εθ 1、εx1)と(σθ 2、σx2、εθ 2、ε
x2)とすると、前述の式1および式2から、静的弾性係
数および静的応力は、それぞれつぎの式から求められ
る。
【0021】
【数13】
【0022】
【数14】
【0023】
【数15】
【0024】
【数16】
【0025】叙上の静的応力と静的ひずみに関する独立
した2組のデータを得るために、まず、ホース1の閉鎖
された下流端2を自由として測定し(以下、「実験1」
という)、ホース1内に静的な圧力を負荷したときのホ
ース外壁面3の静的ひずみをひずみゲージ4で測定する
(図1の(a)および図3〜4参照)。 σθ 1=(a/h)×p0 σx1=(a2/2bh)×p0
した2組のデータを得るために、まず、ホース1の閉鎖
された下流端2を自由として測定し(以下、「実験1」
という)、ホース1内に静的な圧力を負荷したときのホ
ース外壁面3の静的ひずみをひずみゲージ4で測定する
(図1の(a)および図3〜4参照)。 σθ 1=(a/h)×p0 σx1=(a2/2bh)×p0
【0026】ここに、σθ 1は、下流端を自由にした場
合の円周方向の静的応力であり、σx 1は、下流端を自由
にした場合の軸方向の静的応力であり、p0はホース内
の静的圧力であり、aはホースの内径であり、bは平均
半径であり、hはホースの肉厚である。
合の円周方向の静的応力であり、σx 1は、下流端を自由
にした場合の軸方向の静的応力であり、p0はホース内
の静的圧力であり、aはホースの内径であり、bは平均
半径であり、hはホースの肉厚である。
【0027】つぎに、重りまたは補助シリンダにより一
定の引張力Wを負荷して測定する(以下、「実験2」と
いう)し、ホース1内に静的な圧力を印加したときのホ
ース外壁面3の静的ひずみをひずみゲージ4で測定する
(図1の(b)および図2参照)。 (a)重りにより一定の引張力(W)を負荷する場合
(図1の(b)参照)σθ 2=(a/h)×p0 σx2=(a2/2bh)×p0+W/(2πbh)
定の引張力Wを負荷して測定する(以下、「実験2」と
いう)し、ホース1内に静的な圧力を印加したときのホ
ース外壁面3の静的ひずみをひずみゲージ4で測定する
(図1の(b)および図2参照)。 (a)重りにより一定の引張力(W)を負荷する場合
(図1の(b)参照)σθ 2=(a/h)×p0 σx2=(a2/2bh)×p0+W/(2πbh)
【0028】ここに、σθ 2は下流端に重りにより一定
の引張力を負荷した場合の円周方向の静的応力であり、
σx2は下流端に重りにより一定の引張力を負荷した場合
の軸方向の静的応力であり、p0はホース内の静的圧力
であり、aはホースの内径であり、bは平均半径であ
り、hはホースの肉厚である。 (b)補助シリンダ5によりにより一定の引張力(W)
を負荷する場合(図2参照) σθ 2=(a/h)×p0 σx2=(a2/2bh)×p0+(A0pc,o)/(2πb
h) σx2は重りにより一定の引張力を負荷した場合の円周方
向の静的応力および静的ひずみであり、σx2は下流端に
重りにより一定の引張力を負荷した場合の軸方向の静的
応力であり、p0はホース内の静的圧力であり、aはホ
ースの内径であり、bは平均半径であり、hはホースの
肉厚であり、A0は補助シリンダ5の有効面積であり、
pc,oは補助シリンダ5の静的圧力である。
の引張力を負荷した場合の円周方向の静的応力であり、
σx2は下流端に重りにより一定の引張力を負荷した場合
の軸方向の静的応力であり、p0はホース内の静的圧力
であり、aはホースの内径であり、bは平均半径であ
り、hはホースの肉厚である。 (b)補助シリンダ5によりにより一定の引張力(W)
を負荷する場合(図2参照) σθ 2=(a/h)×p0 σx2=(a2/2bh)×p0+(A0pc,o)/(2πb
h) σx2は重りにより一定の引張力を負荷した場合の円周方
向の静的応力および静的ひずみであり、σx2は下流端に
重りにより一定の引張力を負荷した場合の軸方向の静的
応力であり、p0はホース内の静的圧力であり、aはホ
ースの内径であり、bは平均半径であり、hはホースの
肉厚であり、A0は補助シリンダ5の有効面積であり、
pc,oは補助シリンダ5の静的圧力である。
【0029】図3〜4に示されるように、ひずみの測定
は2軸90°交差のゲージ4をホース1のほぼ中央の位
置で円周上の対称な位置に、2枚(図3参照)または4
枚(図4参照)貼付して行ない、これらの平均値を測定
値とする。
は2軸90°交差のゲージ4をホース1のほぼ中央の位
置で円周上の対称な位置に、2枚(図3参照)または4
枚(図4参照)貼付して行ない、これらの平均値を測定
値とする。
【0030】以下に、実施例をあげて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定される
ものではない。
に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定される
ものではない。
【0031】
【実施例】叙上の本発明にかかわる補強層のあるゴムホ
ースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法を、自動車の
操舵用の油圧ホース(パワーステアリングホース)(図
11参照)と、建設機械用高圧ゴムホース(図12参
照)に適用して、ホース内に静的な圧力を印加したとき
のホース外壁面の静的ひずみをひずみゲージで測定し
た。
ースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法を、自動車の
操舵用の油圧ホース(パワーステアリングホース)(図
11参照)と、建設機械用高圧ゴムホース(図12参
照)に適用して、ホース内に静的な圧力を印加したとき
のホース外壁面の静的ひずみをひずみゲージで測定し
た。
【0032】実施例1 測定対象:自動車の操舵用の油圧ホース 図11を参照すると、本実施例で使用した油圧ホース
は、内面ゴム層10cと、内面ゴム層10cの外側に配
列された合成樹脂製の第1および第2の補強層11aお
よび11bと、第1の補強層11aと第2の補強層11
bとの間に設けられた中間ゴム層10cと、最外層の外
面ゴム層10aとから構成されている。前記補強層11
a、11bはナイロンから構成されている。ただし、ナ
イロンの代わりにポリエステルを用いても同等の結果が
得られる。また、主要部の寸法は表1に示すとおりであ
る。
は、内面ゴム層10cと、内面ゴム層10cの外側に配
列された合成樹脂製の第1および第2の補強層11aお
よび11bと、第1の補強層11aと第2の補強層11
bとの間に設けられた中間ゴム層10cと、最外層の外
面ゴム層10aとから構成されている。前記補強層11
a、11bはナイロンから構成されている。ただし、ナ
イロンの代わりにポリエステルを用いても同等の結果が
得られる。また、主要部の寸法は表1に示すとおりであ
る。
【0033】測定条件 (1)実験2において、該油圧ホースの下流端を重りに
より一定の引張力(196N)を負荷した。 (2)該油圧ホース内の静的圧力p0(MPa)を、
1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、
6.0、7.0、8.0、.9.0および10MPaに
調整した。 (3)油温は40℃±2℃に調整した。 測定結果:図5および図6に示されるようなグラフが得
られた。
より一定の引張力(196N)を負荷した。 (2)該油圧ホース内の静的圧力p0(MPa)を、
1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、
6.0、7.0、8.0、.9.0および10MPaに
調整した。 (3)油温は40℃±2℃に調整した。 測定結果:図5および図6に示されるようなグラフが得
られた。
【0034】なお、本実施例による測定をさらにもう1
度行なった(図7および図8参照)。
度行なった(図7および図8参照)。
【0035】実施例2 測定対象:建設機械用高圧ゴムホース 図12を参照すると、本実施例で使用した高圧ゴムホー
スは、内面ゴム層20bと、内面ゴム層20bの外側に
配列された、ワイヤーからなる補強層21と、最外層の
外面ゴム層20aとから構成されている。また、主要部
の寸法は表1に示すとおりである。
スは、内面ゴム層20bと、内面ゴム層20bの外側に
配列された、ワイヤーからなる補強層21と、最外層の
外面ゴム層20aとから構成されている。また、主要部
の寸法は表1に示すとおりである。
【0036】測定条件 (1)実験2において、該油圧ホースの下流端を補助シ
リンダにより一定の引張力(196N)を負荷した。 (2)該油圧ホース内の静的圧力p0(MPa)を、
4、6、8、10、12および14MPaに調整した。 (3)補助シリンダ内の平均圧力pc,o(MPa)は、
つぎの式により調整した。 pc,o=0.1×p0−0.2 (4)油温は40℃±2℃に調整した。 測定結果:図9および図10に示されるようなグラフが
得られた。
リンダにより一定の引張力(196N)を負荷した。 (2)該油圧ホース内の静的圧力p0(MPa)を、
4、6、8、10、12および14MPaに調整した。 (3)補助シリンダ内の平均圧力pc,o(MPa)は、
つぎの式により調整した。 pc,o=0.1×p0−0.2 (4)油温は40℃±2℃に調整した。 測定結果:図9および図10に示されるようなグラフが
得られた。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、補強層のあるゴムホー
スの壁の静的縦弾性係数と静的ポアソン比を精度よく測
定することができ、そのうえ再生性が良好である。
スの壁の静的縦弾性係数と静的ポアソン比を精度よく測
定することができ、そのうえ再生性が良好である。
【0039】また、本発明によれば、補強層のあるゴム
ホースの動特性を解明するときに、ホース材の異方・粘
弾性に関する必要なデータを実験的に得ることができ
る。
ホースの動特性を解明するときに、ホース材の異方・粘
弾性に関する必要なデータを実験的に得ることができ
る。
【0040】さらに、本発明によって測定した結果によ
り、補強層のあるゴムホースを開発する際、ゴムの材
質、補強層の材質、補強層の編組方式などが変化する場
合、ホースの静的特性に与える影響を定量的に評価する
ことができる。
り、補強層のあるゴムホースを開発する際、ゴムの材
質、補強層の材質、補強層の編組方式などが変化する場
合、ホースの静的特性に与える影響を定量的に評価する
ことができる。
【図1】本発明の一実施の形態にかかわる補強層のある
ゴムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法を示す
概略説明図である。
ゴムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法を示す
概略説明図である。
【図2】図1の測定法における実験2を下流端に補助シ
リンダにより一定の引張力を負荷した場合の示す概略説
明図である。
リンダにより一定の引張力を負荷した場合の示す概略説
明図である。
【図3】ゴムホースの外壁面に2枚のひずみゲージを貼
付した状態を示す断面説明図である。
付した状態を示す断面説明図である。
【図4】ゴムホースの外壁面に4枚のひずみゲージを貼
付した状態を示す断面説明図である。
付した状態を示す断面説明図である。
【図5】本発明の実施例1の測定結果のを示すグラフで
ある。
ある。
【図6】本発明の実施例1の測定結果のを示すグラフで
ある。
ある。
【図7】本発明の実施例1の測定結果のを示すグラフで
ある。
ある。
【図8】本発明の実施例1の測定結果のを示すグラフで
ある。
ある。
【図9】本発明の実施例2の測定結果のを示すグラフで
ある。
ある。
【図10】本発明の実施例2の測定結果のを示すグラフ
である。
である。
【図11】本発明の実施例1において使用した油圧ホー
スを示す断面説明図である。
スを示す断面説明図である。
【図12】本発明の実施例2において使用した高圧ゴム
ホースを示す断面説明図である。
ホースを示す断面説明図である。
1 ホース 2 下流端 3 外壁面 4 ひずみゲージ 5 補助シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余 経洪 カナダ国、エヌ3ピー1エヌ4 オンタ リオ、ブラントフォード カウパーニカ ス ブールバード 139、ケア・オブ ニチリン インコーポレイテッド (72)発明者 片山 敏幸 兵庫県姫路市別所町佐土1118番地 株式 会社ニチリン内 (72)発明者 小嶋 英一 神奈川県横浜市神奈川区六角橋三丁目27 番1号 学校法人 神奈川大学内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/00 - 3/08 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 上流端が固定され、下流端が閉鎖されて
たホースにおいて、該閉鎖された下流端を自由にした場
合と、重りにより一定の引張力(W)を負荷した場合と
からなる支持条件の下で当該ホース内に静的内圧
(p0)を負荷して当該ホース外面壁の静的ひずみの円
周方向成分(σθ)および軸方向成分(σx)を測定
し、静的応力と静的ひずみの関係式から、当該ホースの
円周方向の静的縦弾性係数(Eθ)、軸方向の静的縦弾
性係数(Ex)、円周方向の静的ポアソン比(μθ)お
よび軸方向の静的縦弾性係数(μx)を測定する方法で
あって、前記静的応力および静的ひずみの関係式が、 σθ=(Eθ/(1−μθμx))×(εθ+μ
xεx)、 σx=(Ex/(1−μθμx))×(εx+μθεθ)、 【数1】 【数2】 【数3】 【数4】 σθ 1=(a/h)×p0、 σx1=(a2/2bh)×p0、 σθ 2=(a/h)×p0、および σx2=(a2/2bh)×p0+W/(2πbh) からなり、前記σθ 1およびεθ 1が、それぞれ下流端を
自由にした場合の円周方向の静的応力および静的ひずみ
であり、σx1およびεx1が、それぞれ下流端を自由にし
た場合の軸方向の静的応力および静的ひずみであり、前
記σθ 2およびεθ 2が、それぞれ下流端に重りにより一
定の引張力を負荷した場合の円周方向の静的応力および
静的ひずみであり、σx2およびεx2が、それぞれ下流端
に重りにより一定の引張力を負荷した場合の軸方向の静
的応力および静的ひずみであり、前記aがホースの内径
であり、前記bが平均半径であり、前記hが肉厚である
方法。 - 【請求項2】 上流端が固定され、下流端が閉鎖されて
たホースにおいて、該閉鎖された下流端を自由にした場
合と、補助シリンダによりにより一定の引張力(W)を
負荷した場合とからなる支持条件の下で当該ホース内に
静的内圧(p 0)を負荷して当該ホース外面壁の静的ひ
ずみの円周方向成分(σθ)および軸方向成分(σx)
を測定し、静的応力と静的ひずみの関係式から、当該ホ
ースの円周方向の静的縦弾性係数(Eθ)、軸方向の静
的縦弾性係数(Ex)、円周方向の静的ポアソン比(μ
θ)および軸方向の静的縦弾性係数(μx)を測定する
方法であって、前記静的応力および静的ひずみの関係式
が、 σθ=(Eθ/(1−μθμx))×(εθ+μ
xεx)、 σx=(Ex/(1−μθμx))×(εx+μθεθ)、 【数5】 【数6】 【数7】 【数8】 σθ 1=(a/h)×p0、 σx1=(a2/2bh)×p0、 σθ 2=(a/h)×p0、および σx2=(a2/2bh)×p0+(A0pc,o)/(2πb
h) からなり、前記σθ 1およびεθ 1が、それぞれ下流端を
自由にした場合の円周方向の静的応力および静的ひずみ
であり、σx1およびεx1が、それぞれ下流端を自由にし
た場合の軸方向の静的応力および静的ひずみであり、前
記εθ 1が下流端を自由にした場合の円周方向の静的ひ
ずみであり、εx1が下流端を自由にした場合の軸方向の
静的ひずみであり、前記σx2およびεθ 2が、それぞれ
下流端に重りにより一定の引張力を負荷した場合の円周
方向の静的応力および静的ひずみであり、前記σx2およ
びεx2が、それぞれ下流端に重りにより一定の引張力を
負荷した場合の軸方向の静的応力および静的ひずみであ
り、前記aがホースの内径であり、前記bが平均半径で
あり、前記hが肉厚であり、前記A0が補助シリンダの
有効面積であり、前記pc,oが補助シリンダの静的圧力
である方法。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33636599A JP3241353B2 (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | 補強層のあるゴムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001153770A JP2001153770A (ja) | 2001-06-08 |
JP3241353B2 true JP3241353B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=18298392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33636599A Expired - Fee Related JP3241353B2 (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | 補強層のあるゴムホースの異方・粘弾性の静的物性値の測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3241353B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105588761A (zh) * | 2016-03-10 | 2016-05-18 | 山东大学 | 测量土工合成材料弹性模量的试验装置及试验方法 |
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CN100394160C (zh) * | 2005-05-24 | 2008-06-11 | 四川大学 | 卧式杨氏模量测量仪 |
CN106769477B (zh) * | 2017-01-16 | 2019-04-05 | 重庆大学 | 轴加载下预应力圆形薄膜最大应力的确定方法 |
-
1999
- 1999-11-26 JP JP33636599A patent/JP3241353B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105588761A (zh) * | 2016-03-10 | 2016-05-18 | 山东大学 | 测量土工合成材料弹性模量的试验装置及试验方法 |
CN105588761B (zh) * | 2016-03-10 | 2018-05-15 | 山东大学 | 测量土工合成材料弹性模量的试验装置及试验方法 |
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---|---|
JP2001153770A (ja) | 2001-06-08 |
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