JP3238630U - ペット用術後服 - Google Patents

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Abstract

【課題】胃瘻チューブ等の治療用チューブを接続したペットに簡便に着用することができ、未使用時の治療用チューブを安定して収納できるようにするとともに、治療チューブの接続部位を保護し、治療チューブとペットの皮膚との接触による不快感や皮膚の損傷を防止できるようなペット用術後服を提供する。【解決手段】ペット用術後服は、ペット胴部に巻着し背当て部4、4aで脱着可能になっている被服本体1と、被服本体1に設けられるチューブ収納ポケットを有しており、被服本体1にチューブ収納ポケットに通じる治療チューブ挿通孔10を設け、治療チューブ挿通孔10の周縁部に弾性部材を包着している。治療チューブ挿通孔10は、チューブ収納ポケットの中央部から偏位し、ペットの治療チューブ接続部位に対応した位置に設けている。【選択図】図2

Description

本考案は、胃瘻チューブ、尿管チューブ、食道チューブなどの治療用チューブを施術接続したペットに着用させるペット用術後服に関するものである。
猫、犬などのペットが、癌等の疾病や老衰などが原因で食欲が減衰し、十分な栄養を摂取できなくなったときに、内視鏡的施術措置により胃に胃瘻チューブを接続し、体外に延びたチューブから流動食や薬液を投与する治療法が知られている。この場合、胃瘻チューブの未使用時に、チューブが体外に延びたままになっていると、ペットが気になってチューブを咬んだり引き抜いたりする危険性があり、また不衛生でもある。このため、未使用時に胃瘻チューブが邪魔にならないようにしたペット用術後服が幾つか提案され、市販されている。
例えば特許文献1には、筒状の被服本体に、ペットの首輪部挿入孔と、前脚挿入孔と、後胴部挿入孔を設け、未使用時に胃瘻チューブを収納するポケットを設けるとともに、そのポケットの胃瘻チューブ接続部近くにチューブ挿入孔を設けた愛玩動物のチューブ格納用被服が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の術後服は全体的に筒状となっており、着用時にペットの頭部から被せるようにして挿入するため、ペットが嫌がって暴れ、着用に手間取るという問題がある。また、首輪部挿入孔の端縁部には単にゴムバンドが内包されているだけであるから、着用するペットの首廻りサイズに応じて強弱の調節ができないという問題もある。
さらに、ペットの胃瘻チューブ接続部はポケット外側の近傍に位置しており、術後服を着用した状態で、胃瘻チューブ接続部は被服本体の内面部で押さえ付けられているだけであるから、ペットの動きに伴って胃瘻チューブ接続部が被服本体により擦られ、ペットが苦痛を感じたり、皮膚を傷つけたりする危険性がある。しかも、ペット胴部の全体は布地の被服本体で覆われるため、通気性が悪く、特に夏場にペットの皮膚にフケが出やすくなるという問題もある。
また、特許文献2には、猫の開腹手術等の縫合部を保護するため、腹部に通気性の良いガーゼ生地を使用した猫用術後服が開示されている。しかしながら、この猫用術後服では、未使用時に胃瘻チューブをガーゼ生地で押さえることしかできないため胃瘻チューブが不安定であり、前述と同様に、ペットの動きに伴って胃瘻チューブ接続部が被服本体により擦られ、ペットが苦痛を感じたり、皮膚を傷つけたりする危険性がある。また、使用時には術後服を脱がさなければならない等の問題があり、胃瘻チューブを接続したペットの術後服には適していない。
一方、市販品として、被服本体をペット胴部に巻き付け、ペットの背中部において面ファスナーで止着するようにした、いわゆるフルオープン型の術後服が知られている。この術後服には、未使用時に胃瘻チューブを収納するためのポケットが設けられており、ペットの皮膚に接続した胃瘻チューブを、ポケットに設けた連通孔を通してポケット内部に導くようになっている。
しかしながら、このポケットに設けた連通孔は、被服本体を単に開口しているだけであるから、胃瘻チューブ接続部との間に大きな隙間が生じやすくなっている。このため、ペットの動きに伴って、胃瘻チューブに設けられているクランプや供給口部が連通孔からペットの皮膚側に入り込むことがあり、それらがペットの皮膚と擦れ合って、ペットに苦痛を感じさせたり皮膚を傷つけたりする危険性もある。
また、市販の術後服は、被服本体のペット背中部において、幅広の面ファスナーで止着しているため、ペット背中部の通気性が悪くなるという問題や、ペットの体形に合わせて着用することが難しく部分的に強く締め付けてしまうという問題、さらには、幅広の面ファスナーは剥離するときの音が大きいためペットを驚かせたり不快感を与えたりするという問題などがある。
実用新案登録第3205057号公報 実用新案登録第3194079号公報
本考案は、前述したような課題を解決するために提案されたものであり、胃瘻チューブ等の治療用チューブを接続したペットに簡便に着用することができ、未使用時の治療用チューブを安定して収納できるようにするとともに、治療チューブの接続部位を保護し、治療チューブとペットの皮膚との接触による不快感や皮膚の損傷を防止できるようなペット用術後服を提供することである。
また、本考案は被服本体をペットに着用する際に、ペットの体形に合わせてペットの胴部と首輪部の止着位置を適切に調整できるようにし、ペットに不快感を与えないように脱着できるペット用術後服を提供することである。
さらに、本考案は通気性、伸縮性に優れ、フケ等の発生を抑制できるようなペット用術後服を提供することである。
前述した課題を解決するため、請求項1に係る考案によれば、体外に延びる治療チューブを接続したペットに着用されるペット用術後服であり、ペット胴部に巻着し背当て部で脱着可能になっている被服本体と、前記被服本体に設けられるチューブ収納ポケットを有するペット用術後服において、
前記被服本体に、前記チューブ収納ポケットに通じる治療チューブ挿通孔を設け、前記治療チューブ挿通孔の周縁部に弾性部材を包着することを特徴とする。
また、請求項2に係る考案によれば、前記治療チューブ挿通孔を、前記チューブ収納ポケットの中央部から偏位し、ペットの治療チューブ接続部位に対応した位置に設けたことを特徴とする。
また、請求項3に係る考案によれば、前記被服本体の背当て部の胴長方向に、間隔をあけて複数の短冊状の面ファスナーを設けるとともに、対向する一方の面ファスナーを他方の面ファスナーより長くしたことを特徴とする。
また、請求項4に係る考案によれば、前記被服本体の首輪部の一端部に、長さ方向に複数の係止具を設け、他端部に前記係止具に係止する留め具を設けたことを特徴とする。
また、請求項5に係る考案によれば、前記被服本体がガーゼ生地であることを特徴とする。
請求項1に係る考案のペット用術後服によれば、胃瘻チューブ等の治療用チューブを接続したペットに簡便に着用することができ、治療用チューブを未使用時にポケット内に安定して収納できるようにするとともに、治療チューブ挿入孔の周縁部に弾性部材を包着することにより、治療チューブ接続部位を保護し、治療チューブがペットの皮膚側に入り込んで、ペットの皮膚と接触し、ペットに不快感を与えたり皮膚が損傷するのを防止することができる。
請求項2に係る考案のペット用術後服によれば、治療用チューブを丸めて被服本体のチューブ収納ポケットに収納した場合の収まりがよくなる。
請求項3及ぶ請求項4係る考案のペット用術後服によれば、ペットの体形に合わせてペットの胴部と首輪部の止着位置を適切に調整でき、ペットに不快感を与えないように脱着することができる。
請求項5に係る考案のペット用術後服によれば、被服本体の通気性、伸縮性が良くなるため、フケ等の発生が抑制される。
本考案に係るペット用術後服をペットに着用した状態の全体斜視図ある。 本考案に係るペット用術後服の被服本体を広げた状態の概略説明図である。 本考案に係るペット用術後服の首輪部の概略説明図である。 本考案に係るペット用術後服のチューブ収納ポケットの概略説明図である。 本考案に係るペット用術後服の胃瘻チューブ挿通孔の概略説明図である。 図5のA-A断面概略図である。 本考案の胃瘻チューブ接続部の部分断面概略図である。
以下、本考案の実施形態を、胃瘻チューブを接続したペット(猫)に着用するペット用術後服を例にとって説明するが、本考案は図示した実施形態に限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、本考案に係るペット用術後服の被服本体1は、ペットの腹部、背中部及び尻部を覆う表面積を有しており、前端部には首輪部2が設けられ、ペット背部に対応する両端面部には背当て部4,4aが形成されている。被服本体1は、通気性、伸縮性等に優れているポリエステル、コットン等のガーゼ生地により全体が作られている。なお、被服本体1の後端部3は、後述するようにペットの尾部の露出部となる。
首輪部2は、図3に示すように、被服本体1の前端部に紐帯が縫着されており、該紐帯の長さ方向の一端部に、複数(実施例では4個)のU字状の係止具6が固着され、他端部には係止具6に係止される1個の留め具7が固着されている。なお、係止具6は首輪部2の表面側に設けられ、留め具7は裏面側に設けられている。
被服本体1の前端部の近くには、ペットの前足を挿入する一対の前足挿入孔8,8aが開口され、後端部3の近くには、ペットの後足を挿入する一対の後足挿入孔9,9aが開口されている。また、被服本体1のペット腹部に対応する位置(胃瘻チューブ接続位置)には、胃瘻チューブ挿通孔10が開口されている。
被服本体1の背当て部4,4aには、それぞれ胴長方向に間隔をあけて複数(実施例では3箇所)の短冊状の面ファスナー11及び12が互いに対向した位置に逢着されており、一方の面ファスナー11は被服本体1の表面側に設けられ、他方の面ファスナー12は裏面側に設けられている。また、一方の面ファスナー11は他方の面ファスナー12より長尺となっており、ペットへの締め付けの強弱を調節できるようになっている。
被服本体1の前端側外縁部には、背当て部4,4aから首輪部2にかけて凹状の逃げ部13,13aが形成され、背当て部4,4aの尻側部は後端部3が連なって形成されている。これにより、被服本体1をペットに着用したときに、逃げ部13,13aにおいてペット背部に隙間14(図1参照)が生じ、後端部3は輪状になってペットの尾部を露出できるようになっている。
なお、被服本体1の前足挿入孔8,8a、後足挿入孔9,9a、逃げ部13,13a及び後端部3の縁部には紐帯(ギャザー布)が逢着されており、ペットとのフィット感を高めている。
被服本体1の表面側であって胃瘻チューブ挿入孔10と対応する位置には、図4に示すようなチューブ収納ポケット20が逢着されている(被服本体1の表面側がチューブ収納ポケット20の内面側となる)。チューブ収納ポケット20は、ポリエステル等の布地で作られており、開口部21aを有するチューブ収納部21と、開口部21aを開閉する蓋部22からなっている。チューブ収納部21の表面部と蓋部22の裏面部には、面ファスナー23,24が対向して逢着されている。また、チューブ収納部21の上端部21bには伸縮ゴムが包着されており、これにより、チューブ収納ポケット20に収納された胃瘻チューブの抜け出しを防止している。
被服本体1に開口された胃瘻チューブ挿通孔10は、チューブ収納部21の内面側に位置しており、図5ないし図7に示すように、胃瘻チューブ挿通孔10の周縁部10aには伸縮ゴム等の弾性部材15が包着されている。このような胃瘻チューブ挿通孔10により、後述する胃瘻チューブ30(図7参照)のストッパー部34が周縁部10aによって上面部が軽く押さえられ、胃瘻チューブ接続部位が安定することになる。また、周縁部10aとストッパー部34の上面部が密接することにより、チューブ収納部21に収納した胃瘻チューブ30が、ペットの動きに伴って胃瘻チューブ挿通孔10からペットの皮膚側に入り込むのを防止している。
なお、図4に示すように胃瘻チューブ挿通孔10は、チューブ収納部21の中央部より偏位した位置(実施例では図面に向かって下側)に開口されており、これにより、胃瘻チューブ30を丸めてチューブ収納部21に収納したときの収まりを良くしている。
図7は胃瘻チューブ30の一例を示したものであり、流動食や薬液等を導入するための導入チューブ31と、導入チューブ31の後端部に設けられた供給口部32と、導入チューブ31の中間部に設けられたクランプ33と、ペット腹壁40に密着されるストッパー部34とから概略構成されている。この実施例では供給口部32が口径の異なる二股状となっており、口部に開閉蓋が設けられている。このような胃瘻チューブ30の導入チューブ31の先端部は、ストッパー部34のチューブ接続部35を介してペットの胃部に挿入されている。
ペットに給餌又は薬液等を投入するときは、流動食や薬液等を充填したシリンジを、シリンジ口径に合った一方の供給口部32に差し込み、クランプ33を開いて少しずつ導入チューブ31を通してペット胃部に投入する。
次に、本考案に係るペット用術後服の使用例について説明する。なお、ペットには獣医師による内視鏡的施術処置により胃瘻チューブ30が接続されており、導入チューブ31が腹部(腹壁40)から体外に延びたままになっている。
このようなペットにペット用術後服を着用するときは、まず被服本体1を開いた状態にし、ペットの前足と後足を被服本体1の前足挿入孔8,8aと後足挿入孔9,9aにそれぞれ挿入する。そして、胃瘻チューブ30を胃瘻チューブ挿入孔10に通して、チューブ収納部21の内部に丸めて収納する。
その後、被服本体1の肩当て部4,4aを持って被服本体1をペットの腹部から背中にかけて巻き付け、肩当て部4,4aの一方の面ファスナー12を他方の面ファスナー11の適した位置に止着し、被服本体1をペット胴部に締着する。また、被服本体1の首輪部2をペット首部に巻き付け、留め具7をペット首部の太さに合った係止具6に係止する。被服本体1をペットに着用したとき、図1に示すように後端部3は輪状の開口部となるため、ペットの尾部はその開口部から外側に出す。なお、本考案のペット用術後服の着用手順は任意であり、ペットの種類、気性、病状等に応じて選択される。
被服本体1をペットに着用することにより、図1に示すように逃げ部13,13aに対応する部分に隙間部14が形成され、ペット背中部の一部が露出するため、通気性が良くなる。また、逃げ部13,13aが遊びになって、面ファスナー11,12による止着が容易となる。
胃瘻チューブ30は、未使用時にはチューブ収納ポケット20のチューブ収納部21に丸めて収納されており、開口部21aが蓋部22により塞がれ、面ファスナー23,23によって止着されている。使用時には、蓋部22を開いてチューブ収納部21から胃瘻チューブ30を引き出して使用する。
上述した本実施例は本考案の一例であり、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、実施例では被服本体1のガーゼ生地として、包帯等の衛生材料と同じものを使用しているが、複数枚重ね合わせたダブルガーゼ生地を使用しても良い。ガーゼ生地の織目の大きさも任意である。また、秋冬用として保温性のあるポリエステル等の布地を使用してもよい。さらに、胃瘻チューブ30に代えて、腎臓、食道、膀胱等の他の臓器に接続する治療チューブのペット用術後服にも適用することができ、その場合は、治療チューブ接続部位に対応して胃瘻チューブ挿入孔10やチューブ収納ポケット20等を設ける位置を変更することになる。その他、面ファスナー11,12の個数や係止具6の個数等の細部の構成は任意に変更できる。
本考案のペット用術後服は、猫、犬、ウサギ等の四足動物のペット用術後服として利用できる。また、胃瘻チューブの他に尿管チューブ、食道チューブなどの治療用チューブを接続したペットのペット用術後服にも利用できる。
1 被服本体
2 首輪部
3 後端部
4、4a 背当て部
6 係止具
7 留め具
8,8a 前足挿入孔
9,9a 後足挿入孔
10 胃瘻チューブ挿通孔
11 面ファスナー
12 面ファスナー
13,13a 逃げ部
14 隙間部
15 弾性部材
20 チューブ収納ポケット
21 チューブ収納部
21a 開口部
21b 上端部
22 蓋部
23 面ファスナー
24 面ファスナー
30 胃瘻チューブ
31 導入チューブ
32 供給口部
33 クランプ
34 ストッパー部
35 チューブ接続部
40 ペット腹壁


Claims (5)

  1. 体外に延びる治療チューブを接続したペットに着用されるペット用術後服であり、ペット胴部に巻着し背当て部で脱着可能になっている被服本体と、前記被服本体に設けられるチューブ収納ポケットを有するペット用術後服において、
    前記被服本体に、前記チューブ収納ポケットに通じる治療チューブ挿通孔を設け、前記治療チューブ挿通孔の周縁部に弾性部材を包着することを特徴とするペット用術後服。
  2. 前記治療チューブ挿通孔を、前記チューブ収納ポケットの中央部から偏位し、ペットの治療チューブ接続部位に対応した位置に設けたことを特徴とする請求項1に記載のペット用術後服。
  3. 前記被服本体の背当て部の胴長方向に、間隔をあけて複数の短冊状の面ファスナーを設けるとともに、対向する一方の面ファスナーを他方の面ファスナーより長くしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペット用術後服。
  4. 前記被服本体の首輪部の一端部に、長さ方向に複数の係止具を設け、他端部に前記係止具に係止する留め具を設けたことを特徴とする請求項3に記載のペット用術後服。
  5. 前記被服本体がガーゼ生地であることを特徴とする請求項4に記載のペット用術後服。


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