JP3236971U - 男性用下着 - Google Patents

Abstract

【課題】着用時のごわつき感がなく、快適に使用でき、尿漏れ時のシミや臭いを防ぐことができる男性用下着を提供する。【解決手段】少なくとも外尿道口近傍の股間に密着する下着であって、少なくとも前記股間に密着する箇所の前身頃１０の内側に縫合されて、前記外尿道口より漏出する尿を吸収するパッド部２を備え、さらに、前記パッド部２が、前記前身頃１０から後身頃２０に渡って縫合されており、前記パッド部２が、身生地３の側から、防水シート生地、吸水吸湿繊維からなるシート生地及びメッシュ生地１０３の３層構造となっていることを特徴とする。【選択図】図２

Description

本考案は、尿漏れによるシミや臭いを防ぐための尿吸収用のパッドを備えた、日常的に着用できる男性用下着に関する。

一般に、男性は老化とともに筋力の低下等によって排尿時の尿切れが悪くなり、排尿後の残尿が下着の中で漏れ出たり、くしゃみやせき等をした時に尿漏れする「軽失禁」があることが知られている。そして、それによって下着やズボンが汚れるという問題が起こることがある。そのような状況を回避するために、紙おむつを着用するなどの対策があるが、紙おむつは主に尿漏れ対策用とし、重失禁者に使用される場合が多く、軽失禁者が使用するには不便に感じることが多い。また、紙おむつは着用時のごわつき感があり、日常的に着用する場合には、外出先での着脱に不都合がある。

そこで、日常的に着用できるように、通常の下着のように快適に着用できるものが求められており、軽失禁対策として、例えば、特許文献１のように、前身頃の裏側の中央部にのみあて布を形成したエチケットパンツ、特許文献２のように、５層構造のパッド部分を有した男性用失禁パンツが報告されている。

実用新案登録第３１９１４８７号公報 実用新案登録第３１５９４２６号公報

しかしながら、特許文献１のエチケットパンツは、前身頃の裏側の中央部にあて布が形成されており、後ろや股間に隣接する左右の大腿内側にはあて布がなく、尿漏れに対応している箇所が小さいという問題がある。また、特許文献２の男性用失禁パンツは、通常の下着と同じ感覚で着用できるが、尿吸収パッドが、パンツの身生地、防水布、保水布、吸水布、メッシュを配して構成しており、多層構造の尿吸収パッドを有するパンツとなるため、着用時にごわつき感がある。また、保水布に中綿を使用しているため、尿吸収パッドが厚くなり、正面から見ると尿吸収パッドの存在が分かるため着用するのに抵抗があり、恥ずかしいという不都合が生じている。このように、従来の失禁を回避するための男性用下着は、着用感や外観の面で不都合があるため、更なる改善の余地があった。

かかる状況下、本考案の目的は、外観上、尿吸収パッドの存在が分かりづらい男性用下着であり、尿漏れによるシミや臭いを防ぎ、日常的に着用できる男性用下着を提供することにある。

本考案者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の考案が上記目的に合致することを見出し、本考案に至った。

すなわち、本考案の男性用下着は、少なくとも外尿道口近傍の股間に密着する下着であって、少なくとも前記股間に密着する箇所の前身頃の内側から後身頃に渡って縫合されて、前記外尿道口より漏出する尿を吸収するパッド部を備え、前記パッド部が、身生地の側から、防水シート生地、吸水吸湿繊維からなるシート生地及びメッシュ生地の３層構造からなることを特徴とする。

本考案の男性用下着は、高い吸水性及び吸湿性を併せ持つ吸水吸湿繊維からなるシート生地を使用することによって、パッド部の層数を３層にすることができ（従来例：５層）、パッド部を薄い構造することができる。そのため、着用時のごわつき感がなく、快適に着用でき、かつ、着用した際に外観からパッド部の存在が分かりづらいため、使用者は、周りの人を気にせず、抵抗なく着用することができる。
また、吸水性及び吸湿性に優れる吸水吸湿繊維からなるシート生地を含むパッド部が、股間に密着する箇所の前身頃の内側から後身頃に渡って縫合されているので、漏出する尿が多く後身頃まで漏出する場合でも十分に尿を吸収することができる。

本考案の男性用下着は、パッド部が、股間に隣接する左右の大腿内側に密着する箇所に渡って縫合されていることが好ましい。このような構成によれば、左右の大腿内側に漏出する尿を吸水させることができる。

また、本考案の男性用下着は、身生地の素材が綿であることが好ましい。このような構成によれば、肌に密着する生地が肌触りがよいため、快適に着用することができる。

本考案の男性用下着は、ボクサータイプであることが好ましい。ボクサータイプの男性用下着は肌に密着しフィット感があるが、従来の厚手の尿吸収パッド部であると、尿吸収パッド部が目立ちやすいという欠点がある。これに対し、本考案の男性用下着は、吸水吸湿繊維からなるシート生地を採用することで３層構造のパッド部であっても厚みを薄くできるため、パッド部の存在が分かりづらく、着用した際の外観をすっきりとさせることができる。

本考案によれば、外観上、尿吸収パッドの存在が分かりづらく、着用時のごわつき感がなく、快適に着用でき、尿漏れ時のシミや臭いを防ぐことができる男性用下着が提供される。

本考案の第１の実施形態に係る男性用下着の外側の写真であり、（ａ）は正面図、（ｂ）は背面図を示す。 本考案の第１の実施形態に係る男性用下着の内側の写真であり、（ａ）は正面図、（ｂ）は背面図を示す。 本考案の男性用下着に使用する尿を吸収するパッド部の構成を概略的に示したものである。 本考案の第２の実施形態に係る男性用下着の外側の写真であり、（ａ）は正面図、（ｂ）は背面図を示す。 本考案の第２の実施形態に係る男性用下着の内側の写真であり、（ａ）は正面図、（ｂ）は背面図を示す。

以下、本考案の実施形態について図面に基づいて説明するが、本考案は以下の実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。

＜第１の実施形態＞
図１は、本考案の第１の実施形態に係る男性用下着１の外側の全体写真である。図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は背面図を示す。図２は、本考案の第１の実施形態に係る男性用下着１の内側の全体写真であり、男性用下着１を裏返した状態を示し、図２（ａ）は正面図、図２（ｂ）は背面図を示す。また、図３に本考案の実施形態に係る男性用下着１の内側に備えた尿を吸収するパッド部の概略を示す。

本実施形態の男性用下着１は、図１、図２及び図３に示すように外尿道口近傍の股間に密着する下着であって、股間に密着する箇所の前身頃１０の内側から後身頃２０に渡って縫合されて、外尿道口より漏出する尿を吸収するパッド部２を備えている。パッド部２は、吸水吸湿繊維からなるシート生地１０２（以下、「吸水シート生地１０２」と記載する）を含み、身生地３の側から順に防水シート生地１０１、吸水シート生地１０２及びメッシュ生地１０３の３層構造となっている。

また、図２（ａ）及び図２（ｂ）に示すように、本実施形態の男性用下着１のパッド部２は、前身頃１０から後身頃２０に渡って縫合されおり、パッド部４は、股間に隣接する左右の大腿内側に密着する箇所に渡って縫合されている。なお、パッド部４の有無は、本考案の目的を損なわない限り任意である。

本実施形態において、男性用下着１の身生地３は無地であり、素材は綿である。なお、身生地の色、柄及び素材は本考案の目的を損なわない限り適宜変更できる。

図３に示すように、本実施形態の男性用下着１の尿を吸収するパッド部２は、身生地３の側から順に防水シート生地１０１、吸水シート生地１０２及びメッシュ生地１０３の層構造である。尿を吸収するパッド部２の厚みは、１．５ｍｍ程度である。また、パッド部２は身生地３と異なる色を有している。そのため、使用者は男性用下着１の裏表を容易に判断することができる。

防水シート生地１０１の素材は、通気性フィルムであり、水分は通さず、空気及び湿気を通すため尿漏れを防ぎ、下着内の蒸れを防ぐことができる素材であることが好ましい。例えば、ポリウレタン、ナイロンその他の樹脂等を備えた生地が挙げられる。なお、防水シート生地の素材は、本考案の目的を損なわない限り適宜変更可能である。

吸水シート生地１０２の素材は、吸水吸湿繊維であり、すばやく尿を吸収し、身生地３に尿が染み出るのを防ぐことができる素材である。吸水シート生地１０２は、保水性を有し、吸収した尿の臭いを抑制するため、消臭性を有する素材であることが好ましい。例えば、吸水ポリマーなどを備えた生地や吸収性及び吸湿性を有した合成繊維が挙げられる。なお、吸水シート生地の素材は、本考案の目的を損なわない限り適宜変更可能である。

また、吸水シート生地１０２は、吸水及び吸湿の２つ役割を持つ素材であるため、吸水シート生地１０２をパッド部２に含めることによって、パッド部２は薄い３層構造であるが、漏出する尿を十分に吸水することが可能である。

吸水シート生地（吸水吸湿繊維からなるシート生地）の好適な市販品としては、ピュアオアシス（登録商標）が挙げられる。ピュアオアシスは、ポリアクリル酸ナトリウム塩が主成分のポリマーを直接紡糸し、繊維の形状にした吸水吸湿繊維であり、吸水性能は自重の約８０倍（生理食塩水下：自重の約４５倍）、吸湿性能は約１５０％（９５％相対湿度下）有り、その他にも消臭性能や難燃性能を有する。

メッシュ生地１０３の素材は、ポリエステルメッシュ繊維であり、通気性が高く、肌あたりが良い素材である。メッシュ生地１０３は、吸水拡散機能を有する素材であり、肌に接触する部分であるため、肌触りのよい材質であり蒸れを防ぐ素材であることが好ましい。例えば、シルク、綿などが挙げられる。なお、メッシュ生地の素材は、本考案の目的を損なわない限り適宜変更可能である。

防水シート生地１０１の厚みは、０．１５ｍｍ程度、吸水シート生地１０２の厚みは、１．０ｍｍ程度、メッシュ生地１０３の厚みは、０．３５ｍｍ程度である。なお、防水シート生地１０１、吸水シート生地１０２及びメッシュ生地１０３の厚みは、本考案の目的を損なわなければ任意であり、さらに薄い生地を使用することができる。

本実施形態の男性用下着１は、着用時に腰付近で止めるために伸縮性ゴムをウエスト部に縫着させている。伸縮性ゴムの幅、素材、色及び柄は本考案の目的を損なわなければ任意である。

本実施形態の男性用下着１の形態は、ボクサータイプであり、肌に密着するためフィット感があり好ましい。なお、下着の形態は、本考案の目的をそこなわない限り適宜変更可能である。

上述のように構成された男性用下着１について説明する。
本実施形態に係る男性用下着１は、股間に密着する箇所の前身頃１０の内側から後身頃２０に渡って縫合されて、前記外尿道口より漏出する尿を吸収するパッド部２を備えている。パッド部２は、身生地３の側から順に防水シート生地１０１、吸水シート生地１０２及びメッシュ生地１０３の３層構造である。また、図２に示すように、パッド部４は、前身頃１０及び後身頃２０だけでなく股間に隣接する左右の大腿内側に密着する箇所に渡って縫合されていることによって、左右の大腿内側に漏出する尿を吸水させることができる。

本実施形態に係る男性用下着１のパッド部２において、外尿道口より漏出する尿は、肌あたりの良いメッシュ生地１０３を通り、吸水シート生地１０２ですばやく吸収され、防水シート生地１０１により、身生地３に尿が染み出ることが防止される。さらに、ズボンなどに尿が滲むことも防止される。また、メッシュ生地１０３、吸水シート生地１０２及び防水シート生地１０１の層構造であることによって、薄くて吸水力の高いパッド部２となり、着用時のごわつき感がなく、外観がすっきりした男性用下着１となる。

さらに、本実施形態に係る男性用下着１は、上述の通り、身生地３とメッシュ生地１０３の色が異なるため、裏表の判断がつきやすく、裏表を間違えて着用することを防止することができる。
このような男性用下着１は、使用後、通常通り洗濯することができ、洗濯・乾燥後は再び着用することができ、使用者は、日常的に長く使用することができる。

＜第２の実施形態＞
図４は、本考案の第１の実施形態に係る男性用下着１Ａの外側の全体写真である。図４（ａ）は正面図、図４（ｂ）は背面図を示す。図５に本考案の第１の実施形態に係る男性用下着１Ａの内側の全体写真であり、図５（ａ）は正面図、図５（ｂ）は背面図を示す。

図４及び図５に示す男性用下着１Ａは、股間に密着する箇所の前身頃１０Ａの内側に縫合されて、外尿道口より漏出する尿を吸収するパッド部２Ａを備えている。さらに、パッド部２Ａが、前身頃１０Ａから後身頃２０Ａに渡って縫合されており、パッド部２Ａは、身生地３Ａの側から順に防水シート生地１０１Ａ、吸水シート生地１０２Ａ及びメッシュ生地１０３Ａの層構造である。
この男性用下着１Ａが、上述した第１の実施形態に係る男性用下着１と異なる点は、パッド部２Ａにおけるメッシュ生地１０３Ａの生地の色である。その他の点は、前述の第１の実施形態と実質的に同様であるので、重複する説明を省略する。

図５（ａ）及び図５（ｂ）で示すように、第２の実施形態に係る男性用下着１Ａでは、パッド部２Ａにおけるメッシュ生地１０３Ａの色が、身生地３Ａと同じ色である。

上述のように構成された本考案の実施形態に係る男性用下着１Ａについて説明する。第１の実施形態と同様に、パッド部２Ａは層構造となっている。身生地３Ａとメッシュ生地１０３Ａが同じ色であるため、脱衣したとしても、パッド部の存在を周りの人に気付かれずに、抵抗感無く日常的に着用することができる。

以上、図面を参照して本考案の実施形態について述べたが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項は、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用することができる。

上述した第１と第２の実施形態に係る男性用下着１、１Ａにおける身生地３，３Ａの色及び柄は任意であり、例えば、黒、ワインレッド、ネイビー、グレー等の無地やストライプ、ドット等の柄が挙げられる。色や柄を変更することにより、男性用下着の意匠性が向上する。

また、第１と第２の実施形態に係る男性用下着１、１Ａにおけるメッシュ生地１０３、１０３Ａの色及び柄も上述の身生地３，３Ａのように任意に変更することができる。身生地とメッシュ生地は異なる色や柄でもよいし、同じ色や柄でもよい。

また、パッド部２，２Ａの厚みは、１．５ｍｍに限定されず、任意に変更することができる。着用時の快適性の点や外観から１．０～２．０ｍｍが好ましい。

また、パット部４、４Ａは、股間に隣接する左右の大腿内側に密着する箇所に縫合されていなくてもよい。尿の吸水容量等に応じて、任意に変更できる。

また、第１と第２の実施形態に係る男性用下着１，１Ａの形態はボクサータイプに限定されず、ブリーフやトランクス等の他の形態の下着にも適用できる。

本考案によれば、外観上、尿吸収パッドの存在が分かりづらい男性用下着であり、着用時のごわつき感がなく、快適に使用でき、尿漏れ時のシミや臭いを防ぐ男性用下着を提供することができる。

１，１Ａ 男性用下着
２，２Ａ パッド部
３，３Ａ 身生地
４，４Ａ パッド部（大腿内側に密着するパッド部）
１０，１０Ａ 前身頃
２０，２０Ａ 後身頃
１０１，１０１Ａ 防水シート生地
１０２，１０２Ａ 吸水シート生地（吸水吸湿繊維からなるシート生地）
１０３，１０３Ａ メッシュ生地

Claims (4)

1. 少なくとも外尿道口近傍の股間に密着する下着であって、
   少なくとも前記股間に密着する箇所の前身頃の内側から後身頃に渡って縫合されて、前記外尿道口より漏出する尿を吸収するパッド部を備え、
   前記パッド部が、身生地の側から、防水シート生地、吸水吸湿繊維からなるシート生地及びメッシュ生地の３層構造からなることを特徴とする男性用下着。
2. 前記パッド部が、前記股間に隣接する左右の大腿内側に密着する箇所に渡って縫合されている請求項１に記載の男性用下着。
3. 前記身生地の素材が綿である請求項１または２に記載の男性用下着。
4. ボクサータイプである請求項１から３のいずれかに記載の男性用下着。

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