JP3235970B2 - 回転定盤の温度保持構造 - Google Patents

回転定盤の温度保持構造

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JP3235970B2
JP3235970B2 JP8843897A JP8843897A JP3235970B2 JP 3235970 B2 JP3235970 B2 JP 3235970B2 JP 8843897 A JP8843897 A JP 8843897A JP 8843897 A JP8843897 A JP 8843897A JP 3235970 B2 JP3235970 B2 JP 3235970B2
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則之 富川
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    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B49/00Measuring or gauging equipment for controlling the feed movement of the grinding tool or work; Arrangements of indicating or measuring equipment, e.g. for indicating the start of the grinding operation
    • B24B49/14Measuring or gauging equipment for controlling the feed movement of the grinding tool or work; Arrangements of indicating or measuring equipment, e.g. for indicating the start of the grinding operation taking regard of the temperature during grinding

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラッピング加工や
ポリシング加工等に用いられる回転定盤の温度保持構造
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一面に平坦な研磨面を備えて円盤状を成
す研磨定盤を軸心回りに回転駆動することによりその研
磨面に摺接させられる被研磨物を加工するラッピング加
工やポリシング加工が知られている。このような研磨定
盤を用いる加工においては、被研磨物が研磨面に定常的
に接触させられていることから研磨熱が発生し易い。ま
た、ラッピング装置に備えられている動力系や駆動系か
ら発生する熱すなわちモータの発熱、或いはベアリング
部の摺動や摩擦等により発生する熱も研磨定盤に伝達さ
れる。そのため、研磨熱や駆動系等からもたらされる熱
(以下、まとめて研磨熱等という)によって研磨定盤が
熱膨張させられて平坦度が低下すると高い加工精度が得
られなくなることから、一般に、ラッピング加工等を施
すに際しては、研磨面における熱平衡状態を保つ目的で
研磨定盤が冷却されて一定温度に保持される。
【0003】従来、上記の研磨定盤を冷却する方法とし
ては、一般に、研磨定盤内部に供給口および排出口を備
えた冷却室を設けてその冷却室内に水や研削液等の冷却
液を流通させることが行われている。このような冷却方
法において供給口から供給された冷却液は、冷却室内を
流通して排出口から排出される過程で研磨面との間の熱
伝導によって次第に温度上昇させられる。そのため、排
出口近傍では研磨面との温度差が小さくなることから、
供給口近傍では大きな冷却効果が得られる一方、排出口
近傍では冷却効果が小さくなる。例えばφ300 (mm)程度
以下の大きさの定盤では、冷却効果の差に起因して生じ
る研磨面の温度分布が加工精度に影響しない範囲に留ま
るが、近年、生産効率を高める目的でφ600 (mm)、或い
はφ1000(mm)程度と大型化されている研磨定盤では、研
磨面に大きな温度分布が生じて加工精度が低下させられ
るという問題がある。したがって、大型定盤において研
磨面全面で一様な冷却効果を得る目的で種々の冷却構造
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、実公昭60−
21172号公報に記載されているラッピング装置の定
盤では、図1に示されるように定盤内部が複数の扇型の
冷却室10に分割されると共に、各々の冷却室10内を
外周側において連通させられる2室10a、10bに分
割する仕切り12が設けられ、更に、それら2室10
a、10bの内周側にそれぞれ冷却液供給口14、冷却
液排出口16が備えられている。この冷却液供給口14
から一方の室10a内に供給された冷却液は、外周側の
連通部18を経由して他方の室10b内に流れ込み、冷
却液排出口16から排出される。なお、複数の冷却室1
0をそれぞれ構成する冷却液供給口14が設けられた室
10aおよび冷却液排出口16が設けられた室10b
は、何れも周方向に一つ置きに並んでいる。このため、
周方向に並ぶ複数の冷却室10相互の冷却条件が同様に
なると共に、2室10a、10bによって径方向に往復
するように冷却液通路が形成されていることから、各々
の冷却室10内における径方向の冷却条件も略一様とな
る。
【0005】また、特公平7−35015号公報に記載
されている平面研磨装置の定盤では、図2に示されるよ
うに、定盤内部が複数の扇形の冷却室20に分割される
と共に、各々の冷却室20の外周側に冷却液供給口22
が、内周側に冷却液排出口24がそれぞれ設けられてい
る。このため、この定盤においても、上記図1に示され
る定盤の場合と同様に周方向に並ぶ複数の冷却室20相
互の冷却条件が同様となる。なお、各々の冷却室20に
おいては、冷却液が外周側から内周側に向かって流れる
ようになっているが、冷却液の流通速度が十分に大きく
なるように周方向の分割数および冷却液供給量を適宜設
定することによって径方向の温度分布をある程度抑制し
得るため、要求される加工精度がそれほど高くない場合
には、このようにしても差し支えない。
【0006】また、図3に示されるように、定盤内部が
例えば図示しない連通穴を介して相互に連通させられる
それぞれ4つの扇形の冷却室A、B、C、Dから成る3
つの冷却室群a、b、c合計12の冷却室26に分割さ
れた構造も提案されている。この定盤においては、冷却
室群a、b、cに個別に冷却液が供給され、それぞれ冷
却室A、B、C、Dの順に流通して排出される。すなわ
ち、例えば冷却室群aについては、図示しない供給口か
ら冷却室26aAに供給された冷却液が冷却室26a
B、26aCを通って冷却室26aDに流れ込み、その
冷却室26aDから図示しない排出口を介して定盤外に
排出される。また、複数の冷却室26相互の位置関係
は、上流側であることから高い冷却効果が得られる冷却
室A、Bが他の冷却室群の最も冷却効果が低いDの周方
向両側に隣接するように定められている。このため、こ
の定盤においても周方向に略一様な温度分布が形成され
る。しかも、冷却室26が3群から構成されていること
から、冷却液の給排管が3系統と冷却室26の分割数に
比較して少なくなるため、ラッピング装置等の配管構造
が簡単になるという利点もある。
【0007】また、図4に示されるように、周方向に交
互に位置するようにそれぞれ設けられた外周端から内周
側に向かって伸びる複数の外周側隔壁28、および内周
端から外周側に向かって伸びる複数の内周側隔壁30
と、それら外周側隔壁28と内周側隔壁30との間を通
って周方向に蛇行して設けられた中間壁32とによっ
て、定盤内部の全面を蛇行して周方向に往復する迷路状
の冷却液通路34が形成された構造も提案されている。
冷却液通路34の両端には、供給口36および排出口3
8が近接して形成されており、その供給口36から供給
された冷却液は、定盤内部を蛇行しつつ周方向に往復し
て排出口38から排出される。このため、冷却液通路3
4が蛇行していることから、任意の周方向位置の各々で
径方向の温度分布が略一様になると共に、冷却液通路3
4が周方向に往復していることから、その周方向にも略
一様な温度分布が形成される。
【0008】しかしながら、上記のような従来の定盤の
冷却構造では、以下に示すように種々の不都合があっ
た。先ず、図1乃至図3の定盤では、何れも複数の冷却
室10、20、26が設けられていることから、周方向
の温度分布が一様になるためには複数の冷却室10等相
互の冷却液の供給量および排出量が同様に保たれる必要
がある。すなわち、複数の冷却室10等の各々に設けら
れている小さな冷却液供給口14、冷却液排出口16等
の流通抵抗が冷却室10等相互に同様に保たれている必
要がある。したがって、冷却液中に混入した錆やスケー
ル(不純物の析出固着物)等によって冷却液供給口14
等が閉塞され、或いは穴径が小さくなって流通抵抗が高
められると、一部の冷却室10等に冷却液が十分に供給
されなくなって、部分的に冷却効果が得られず或いは低
くなり得ることから、長期間に亘って安定した冷却効果
および一様な温度分布が得られないという問題がある。
この問題は、温度分布を可及的に均一にするために冷却
室10等の分割数を増やすほど、冷却液供給口14等を
小さくしなければならないことから一層顕著となる。
【0009】また、前記図4に示される定盤では、冷却
液通路34は一つだけ備えられていることから、供給口
36および排出口38の大きさを上記のような閉塞や流
通抵抗の問題が生じ難い程度に大きくすることで、長期
間に亘って安定した温度分布を得ることができる。しか
しながら、このような複雑な冷却液通路34を形成する
ためには定盤を鋳造するに際して複雑な鋳型が必要とな
って製造コストが増大するという問題がある。なお、周
方向に往復する冷却液通路を備える定盤の他の例とし
て、例えば、図5に示されるように定盤内部に二重螺旋
状に往復する管40を設け、その管40内に冷却液を流
通させるものが特開昭58−44956号公報に示され
ている。この構造によれば図4に示されるものと同様な
作用を有する冷却液通路を低コストで形成し得るが、冷
却液で直接的に冷却されるのは管40であることから研
磨面の十分な冷却効果を得るためには、その管40と定
盤の研磨面側の構成部材とが密接させられている必要が
ある。そのため、管40は定盤内においてその組織に密
着させられるように定盤の鋳造時にその内部に埋め込ま
れることから、管40が閉塞した場合に修理が不可能と
なって、研磨面の磨滅状態に拘わらず定盤が使用できな
くなるという問題がある。なお、以上の問題は定盤を冷
却する場合に限られず、所望の温度の熱媒体を前記定盤
内部に供給することにより研磨面の温度を適当な温度に
保持する場合にも同様に生じ得る。
【0010】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、簡単な構造で長期間に亘
って一様な研磨面の温度分布を得ることが可能な回転定
盤の温度保持構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、一面に平坦な研磨面
を備えて円盤状を成し、軸心回りに回転駆動されること
によりその研磨面に摺接させられる被研磨物を加工する
回転定盤において、その研磨面を所定温度で保持するた
めの温度保持構造であって、(a)前記回転定盤の内部に
所定の径方向幅寸法で周方向に連続して円環状に設けら
れ、前記研磨面を熱伝導に基づいて所定温度に保持する
ための熱媒体が蓄えられる液密の熱媒体貯留室と、(b)
その熱媒体貯留室内において周方向に連続して螺旋状に
配設され、前記回転定盤に固定された回転主軸内の給水
路に一端が接続され且つ他端に設けられた開口からその
熱媒体貯留室内に熱媒体を供給するための熱媒体導管
と、(c)前記熱媒体貯留室内において前記熱媒体導管の
開口とは径方向の反対側に設けられ、その熱媒体貯留室
内の熱媒体を前記回転定盤外に排出するための排出口と
を、含むことにある。
【0012】
【発明の効果】このようにすれば、回転定盤の内部に所
定の径方向幅寸法で周方向に連続して円環状に設けら
れ、研磨面を熱伝導に基づいて所定温度に保持するため
の熱媒体が蓄えられる液密の熱媒体貯留室と、その熱媒
体貯留室内において周方向に連続して螺旋状に配設さ
れ、回転主軸内の給水路に一端が接続され且つ他端に設
けられた開口からその熱媒体貯留室内に熱媒体を供給す
るための熱媒体導管と、熱媒体貯留室内において熱媒体
導管の開口とは径方向の反対側に設けられ、その熱媒体
貯留室内の熱媒体を回転定盤外に排出するための排出口
とを含んで回転定盤の温度保持構造が構成される。その
ため、回転定盤の温度保持構造は、定盤内に円環状の熱
媒体貯留室を設けてその中に螺旋状の熱媒体導管を配設
するだけの簡単な構造で構成される。そして、回転定盤
の研磨面は、熱媒体貯留室内に蓄えられている熱媒体と
の間で熱交換させられるが、その熱媒体は、熱媒体貯留
室内に螺旋状に配設された熱媒体導管内を流通する熱媒
体との間で熱交換させられると共に、その熱媒体導管の
開口から供給される熱媒体で置き換えられて排出口から
順次排出される。このとき、熱媒体導管は熱媒体貯留室
内で螺旋状に配設されていることから、熱媒体貯留室内
の熱媒体は、その熱媒体導管内の熱媒体との間で周方向
に略均一に熱交換させられ、しかも、熱媒体貯留室は周
方向に連続に形成されてその周方向における温度勾配が
形成され難いため、熱媒体貯留室内の熱媒体の温度が周
方向に略均一に維持される。また、熱媒体導管の開口と
排出口とは径方向の反対側に設けられていることから、
その開口から熱媒体貯留室内に供給された熱媒体が排出
口から排出されるまでに径方向に移動させられる過程で
研磨面との間の熱交換によって生じる温度勾配傾向と、
熱媒体導管内の熱媒体が螺旋状に移動させられて開口か
ら熱媒体貯留室内に供給される間にその熱媒体貯留室内
の熱媒体との間の熱交換によって生じる温度勾配傾向と
は相互に反対向きにされるため、それらの間の温度勾配
傾向が相殺されて熱媒体貯留室内の熱媒体の温度が径方
向にも略均一に維持される。更に、熱媒体貯留室が周方
向に分割されていないことから、熱媒体の流通断面積す
なわち熱媒体導管、開口および排出口の断面積を十分に
大きく形成できて供給排出経路が閉塞され難いため、長
期間に亘って温度保持効果が得られる。したがって、簡
単な構造で、熱媒体貯留室内の熱媒体の温度が全面で略
一様に維持されて、研磨面の温度が長期間に亘って一様
な研磨面の温度分布を得ることが可能な回転定盤の温度
保持構造が得られる。
【0013】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記熱媒体導管
は、前記熱媒体貯留室の略全幅に亘って径方向に隣接す
る部分が相互に略密接して設けられているものである。
このようにすれば、熱媒体導管が相互の間に大きな隙間
が生じるように配設されている場合に比較して、熱媒体
貯留室内の熱媒体と熱媒体導管内の熱媒体との間の熱交
換量が十分に多くされるため、熱媒体貯留室内の温度分
布を一層均一にできる。
【0014】また、好適には、前記熱媒体導管の開口は
前記熱媒体貯留室の外周側位置に設けられ、前記排出口
は、その熱媒体貯留室の内周側位置に設けられているも
のである。このようにすれば、熱媒体導管によって熱媒
体貯留室の外周側位置へ熱媒体が供給される一方、その
熱媒体は内周側位置から排出されることから、定盤内に
形成される熱媒体の排出経路を簡単な構造にできて、温
度保持構造を有する回転定盤の製造が一層容易になる。
【0015】また、好適には、前記熱媒体導管は、前記
熱媒体貯留室内に複数本設けられているものである。こ
のようにすれば、熱媒体導管が熱媒体貯留室内に複数本
設けられていることから、その熱媒体貯留室内へ熱媒体
を供給するための開口の位置を複数本の熱媒体導管相互
に適宜設定することにより、回転定盤のバランスの確保
が容易となる。しかも、複数本の熱媒体導管が設けられ
ていることから、それらのうちの一部が閉塞し、或いは
熱媒体の流通抵抗が高くなった場合にも、他の熱媒体導
管によって熱媒体貯留室内に熱媒体が供給されると共
に、その熱媒体貯留室内の熱媒体との熱交換が全面で略
一様に行われる。したがって、一層長期間に亘って安定
した温度保持が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て、各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0017】図6は、本発明の一実施例の温度保持構造
を有する回転定盤を備えたポリシングマシン50の全体
を示す斜視図であり、図7は、回転定盤の軸心を通る要
部断面を示す図である。ポリシングマシン50は、例え
ばシリコンウェハ、液晶パネル用ガラス板、記録媒体用
ディスク、或いは水晶板等を仕上げ研磨加工するための
ものである。図において、ポリシングマシン50は、研
磨工具52が上面に取り付けられた回転定盤54を有す
る装置本体56と、その装置本体56の側部に取り付け
られた制御装置58と、定盤54に一定温度の冷却液を
供給するためのチラー装置60とを備えている。
【0018】上記の装置本体56内には、軸受62、6
2によって軸心回りの回転可能に支持された回転主軸6
4と、駆動モータ66とが備えられており、その駆動モ
ータ66の回転が図に一点鎖線で示されるベルト68に
よって回転主軸64に伝達されるようになっている。こ
の回転主軸64の上端部分にはフランジ70が備えられ
ており、前記定盤54はそのフランジ70の上面にボル
ト等によって相対回転不能に固定されている。上記の回
転主軸64には、軸心方向に貫通する縦通穴72が設け
られると共に、その縦通穴72内に同軸的に管状部材7
4が備えられている。縦通穴72は上部開口76近傍に
おいてその内周面と管状部材74との間に設けられたシ
ール78によって液密に封止されているが、その上部開
口76側には、フランジ70内においてそれぞれ中心部
から互いに反対向きの外周側すなわち一直径方向に伸び
ると共に、外周側端部近傍にフランジ面80に開口して
定盤54に冷却水を供給するための供給穴82をそれぞ
れ備えた一対の分岐穴84、84が縦通穴72から分岐
して設けられている。更に、回転主軸64の下端にはロ
ータリジョイント86が取り付けられており、前記チラ
ー60から伸びる給水管88および排水管90がそのロ
ータリジョイント86によって上記縦通穴72および管
状部材74にそれぞれ接続されている。したがって、縦
通穴72は給水路として、管状部材74は排水路として
それぞれ機能する。
【0019】また、前記定盤54は、例えばFCD70
0等の鋳鉄から成るものであり、前記フランジ70に固
定される基定盤92と、その基定盤92の上側に例えば
径方向の3位置上の複数箇所でボルト94(図7におい
て最外周の1か所のみ示す)によって固定される表定盤
96とから構成され、全体がφ650 ×80(mm)程度の大き
さとなっている。上記基定盤92は、フランジ70側の
裏面98に、そのフランジ70のフランジ面80に突設
された嵌合突部100と嵌め合わされる嵌合穴102を
備えたものであり、その嵌合穴102の外周側に前記一
対の供給穴82にそれぞれ接続されて定盤54内に冷却
水を導くための一対の受入穴104が開口している。な
お、嵌合穴102は内周側の一部が深くされることによ
り段付部106を備えて構成されており、フランジ70
の嵌合突部100と嵌め合わされた状態においてその嵌
合突部100の上側にはその段付部106とフランジ7
0との間に排水室108が形成される。
【0020】また、上記図7および基定盤92の平面図
に対応する図8に示されるように、表定盤96が固定さ
れる基定盤92の表面側には、例えば、直径で360 (mm)
から595 (mm)程度の範囲に深さ35(mm)程度の円環状の第
1環状溝110が形成され、その内周側には、直径で14
5 (mm)から305 (mm)程度の範囲に深さ12(mm)程度で第1
環状溝110よりも小径で浅い円環状の第2環状溝11
2が形成されている。そのため、基定盤92上に表定盤
96が取り付けられた状態においては、それらの間に第
1環状溝110および第2環状溝112と表定盤96の
略平坦な裏面とによってそれぞれ円環状室が形成され
る。そして、前記一対の受入穴104は、裏面98から
定盤54の厚み方向の中間位置までその軸心方向に沿っ
て伸び、そこから径方向に沿ってそれぞれ反対向きに外
周側に向かうように屈曲させられ、上記の第2環状溝1
12の下側を通って第1環状溝110の内周面114に
開口して形成されている。すなわち、一対の受入穴10
4は、相互に全体が周方向の反対側に位置するように形
成されている。また、第1環状溝110と第2環状溝1
12とは、周状突起116によって径方向において相互
に分離されているが、その周状突起116には周方向の
4か所に径方向の全幅に亘る周方向の長さが20(mm)程
度、深さが5 (mm)程度の切欠部118が備えられてい
る。そのため、第1環状溝110および第2環状溝11
2によってそれぞれ形成される2つの円環状室は、その
切欠部118を介して連通させられ、全体が液密に構成
されている。また、第2環状溝112の内周側に設けら
れた凸部120の上面には、周方向の4か所にその第2
環状溝112の内周面122から形成された半径よりも
短い長さの窪み124が設けられている。この窪み12
4の各々は、基定盤92の軸心方向に貫通する貫通穴1
26によって前記嵌合穴102の段付部106と連通さ
せられている。なお、上記切欠部118と窪み124と
は、図8に示されるように周方向に相互に45度だけ異な
る角度位置に設けられているが、窪み124の周方向の
幅寸法および深さ寸法は切欠部118と同様である。ま
た、上記の周状突起116は、表定盤96を裏面側から
支持してその剛性を補う目的で設けられているものであ
る。
【0021】また、上記の第1環状溝110内には、例
えば外径12(mm)程度、内径10(mm)程度の寸法で銅(例え
ばC1020 等)等から成る一対の冷却水導管128a、1
28b(以下、特に区別しないときは単に冷却水導管1
28という)が、内周側から外周側に向かって図8に示
される定盤54の回転方向Rとは反対向きの螺旋を描く
ように備えられている。これら一対の冷却水導管128
は、前記一対の受入穴104の第1環状溝110側の一
対の開口部に内周側端部130がそれぞれ差し込み固定
されており、外周側端部開口132が各々内周側端部1
30と略同様な周方向位置に位置させられている。すな
わち、外周側端部開口132は、冷却水導管128a、
128b相互に周方向の反対側に位置させられている。
なお、内周側端部130の近傍部分は、第1環状溝11
0の内周面114から外周側に向かって伸びた後、最外
周位置で曲げられて内周側まで戻る形状に形成されてい
るが、これは冷却水導管128の折り曲げ角度を可及的
に小さくして、屈曲に伴う管内の流通抵抗を低く留める
目的で形作られているものである。このため、冷却水導
管128の螺旋状に形成された他の部分全体は、図7に
示されるようにその折り曲げ部分の上側に位置してい
る。また、図8においては、理解を容易とするために冷
却水導管128bの中間部を省略して最内周部および最
外周部の一部ののみを示しているが、冷却水導管128
a、128bは、第1環状溝110内において径方向に
交互に並んで略密接して設けられ、周方向の数箇所にお
いて図示しない接着剤等で両者が一体的に固定されてい
る。また、本実施例においては、表定盤96を第1環状
溝110によって形成される円環状室134が熱媒体貯
留室に、冷却水導管128が熱媒体導管にそれぞれ相当
する。
【0022】このため、チラー装置60から給水管88
を通って本体56に冷却水が供給されると、縦通穴7
2、分岐穴84、受入穴104を通って冷却水導管12
8に送られて、第1環状溝110内において螺旋状に配
設されたその冷却水導管128内を流通させられ、その
外周側端部開口132から排出されることで、その第1
環状溝110内に冷却水が供給される。第1環状溝11
0内に供給された冷却水は、定盤54の周方向に沿って
流れつつ冷却水導管128から外周位置に順次供給され
る新たな冷却水から与えられる圧力に従って内周側に向
かわせられ、切欠部118を通って第2環状溝112に
入り込み、更に内周側に向かって流れて窪み124から
貫通穴126を通って排水室108内に流れ込む。そし
て、管状部材74内を通って排水管90からチラー装置
60に回収される。したがって、本実施例においては、
上記切欠部118が排出口に相当し、排出口は冷却水導
管128の外周側端部開口132とは径方向の反対側に
設けられている。なお、定盤54の使用時においては、
上記の給排水が連続的に行われることとなるが、前記の
ように冷却水導管128の内径は10(mm)程度と大きく、
また、排出口に相当する切欠部118の開口断面積も10
〜20(mm2) 程度と大きくされていることから、錆やスケ
ール等に起因する冷却水流通経路の詰まりが生じ難くな
っている。
【0023】また、前記研磨工具52は、例えば、外径
φ600 (mm)×厚さ50(mm)程度の大きさを備えたものであ
り、例えばアルミニウム合金やステンレス鋼等から構成
された厚さが40(mm)程度の基板138と、外径が600 (m
m)×内径200 (mm)×厚さが10(mm)程度の寸法を有してそ
の基板138上に固着された砥粒層140とから構成さ
れたものである。なお、砥粒層140は、例えばダイヤ
モンド砥粒がフェノール樹脂等の樹脂結合剤によって結
合されて構成されている。この研磨工具52は、定盤5
4上に中央部においてボルト136で表定盤96の表面
にその裏面が密着するように固定されている。
【0024】図6に戻って、本体56の上部には、研磨
工具52および定盤54の外周側位置にテーブル142
が備えられ、そのテーブル142上には修正リング14
4やワークホルダ154(図7参照)等の周方向の移動
を抑制し、且つモータ146、148の駆動力に従って
修正リング144等を回転させ或いは揺動させるための
複数個のアーム150が備えられている。なお、図にお
いては一つのアーム150に対応するモータ146、1
48のみが描かれているが、実際には複数個のアーム1
50の各々にモータ146、148がそれぞれ備えられ
ている。
【0025】以上のように構成されたポリシングマシン
50を用いてポリシング加工を行うに際しては、先ず、
定盤54上に取り付けられた研磨工具52に修正リング
144を用いて研磨面152のコンディショニングを施
し、研磨屑を除去すると共に所定の平坦度に形成した
後、研磨工具52を軸心回りに回転させつつ、図7に示
されるようにワークホルダ154に取り付けられた被研
磨物156をその研磨面152に摺接させる。このと
き、これらコンディショニングおよびポリシング加工の
実施時においては、定盤54内には、チラー装置60に
よって一定温度に維持された冷却水が前記経路を通って
供給され、螺旋状の冷却水導管128a、128b内を
流れてその外周側端部開口132の開口から円環状室1
34内に吐出される。そのため、定盤54は、基定盤9
2と表定盤96との間の円環状室134等がその冷却水
導管128から吐出された冷却水で満たされる。
【0026】ところで、コンディショニングやポリシン
グ加工時においては、修正リング144或いは被研磨物
156と研磨面152とが摺接させられることから、そ
の研磨面152上で摩擦熱(研磨熱)が発生すると共
に、動力系や駆動系を構成するモータやベアリングから
も発熱してその熱が研磨面152に伝達される(以下、
これらの熱をまとめて摩擦熱等という)。そのため、摩
擦熱等が発生した研磨面152とその定盤54内に満た
された冷却水との間で、相互の温度差に基づいて表定盤
96、研磨工具52(基板138および砥粒層140)
を介して熱交換され、その研磨面152が冷却される。
このとき、円環状室134内の冷却水は、冷却水導管1
28から吐出された外周側から内周側に向かって研磨面
152との間で熱交換されつつ流れ、その内周側の第2
環状溝112内を通って貫通穴126から排出されるこ
とから、下流側となる内周側ほど研磨面152との間の
熱交換量が大きくなって温度が高くなる傾向にある。し
かしながら、このように研磨面152との間で熱交換さ
れることによって内周側ほど温度上昇傾向とされた円環
状室134内の冷却水は、その円環状室134内に設け
られた冷却水導管128内の冷却水との間でもそれらの
温度差に基づいて熱交換される。そのため、冷却水導管
128内の冷却水は、円環状室134内において外周側
に向かってその円環状室134内の冷却水との間で熱交
換されつつ螺旋状に流通させられることから、円環状室
134内の冷却水温度が低い外周側ほど温度上昇傾向と
なる。したがって、円環状室134内の冷却水の温度上
昇傾向が、それと反対向きの冷却水導管128内の冷却
水の温度上昇傾向によって相殺されることから、その円
環状室134内の冷却水温度が径方向に略一様となるた
め、その冷却水と研磨面152との間の熱交換量が径方
向に略一様に保たれて、その研磨面152の温度が径方
向に一様な一定温度に保たれることとなる。
【0027】また、冷却水導管128内の冷却水は、円
環状室134内の冷却水との間で熱交換されつつ周方向
に流通させられることから、その周方向においても温度
勾配が生じ得るが、冷却水導管128は内周側から外周
側に向かって螺旋状に幾重にも設けられているため、1
周目と2周目、2周目と3周目等の相互に隣接させられ
る冷却水導管128の部分相互によって温度勾配が補わ
れる。しかも、円環状室134は周方向に連続する1室
に形成されていることから、その内部を流通する冷却水
自身の移動によってもその周方向における温度勾配の発
生が抑制される。したがって、周方向においては、それ
ほど大きな温度勾配は形成されない。更に、本実施例に
おいては、2本の冷却水導管128a、128bがその
内周側端部130が相互に180 度異なる周方向位置から
始まり且つ径方向に交互に位置するように設けられてい
ることから、それらの内部を流れる冷却水の温度上昇傾
向が半周期だけ異なるため、円環状室134内の冷却水
との間の熱交換量が互いに補われてその円環状室134
内の冷却水の温度分布が周方向に一層一様となる。した
がって、径方向および周方向の何れについても円環状室
134内の冷却水の温度が一様とされていることから、
定盤54の表面延いては研磨面152において面内で一
様な温度分布が得られ、被研磨物156の加工精度が高
められる。例えば本実施例の構造で定盤回転数を300(rp
m)程度以下とした場合には、±0.5(℃) 程度と極めて小
さな温度分布が得られる。
【0028】なお、前記各部の寸法および図7から明ら
かなように、研磨工具52の研磨面152は第1環状溝
110の内周面114よりも内周側までの範囲に備えら
れている。このため、その内周面114よりも内周側の
部分では、円環状室134内の冷却水による冷却効果が
得られない。しかしながら、その内周側部分には第2環
状溝112が研磨面152の内周端よりも更に内周側ま
での範囲に設けられ、円環状室134から切欠部118
を通って排出された冷却水がその第2環状溝112と表
定盤96との間に形成される円環状室内に貯留され、順
次窪み124および貫通穴126から排出されることか
ら、その排出過程にある冷却水によって研磨面152の
内周側部分も十分に冷却される。したがって、研磨面1
52全体に十分な冷却効果が与えられて、その内周側部
分においても外周側部分と同様に略一様な温度分布が得
られる。
【0029】要するに、本実施例においては、定盤54
の内部に周方向に連続して円環状に設けられ、研磨面1
52を熱伝導に基づいて所定温度に保持するための冷却
水が蓄えられる円環状室134と、その円環状室134
内において周方向に連続して螺旋状に配設され、外周側
端部開口132からその円環状室134内に冷却水を供
給するための一対の冷却水導管128a、128bと、
円環状室134内において冷却水導管128の開口13
2とは径方向の反対側に設けられ、その円環状室134
内の冷却水を回転定盤54外に排出するための切欠部1
18とを含んで回転定盤54の冷却構造が構成される。
【0030】そのため、定盤54の冷却構造は、定盤5
4内に円環状室134を設けてその中に螺旋状の冷却水
導管128を配設するだけの簡単な構造で構成される。
そして、定盤54に固定される研磨工具52の研磨面1
52は、円環状室134内に蓄えられている冷却水との
間で熱交換させられるが、その冷却水は、円環状室13
4内に螺旋状に配設された冷却水導管128内を流通す
る冷却水との間で熱交換させられると共に、その冷却水
導管128の開口132から供給される冷却水で置き換
えられて切欠部118から順次排出される。このとき、
冷却水導管128は円環状室134内で螺旋状に配設さ
れていることから、円環状室134内の冷却水は、その
冷却水導管128内の冷却水との間で周方向に略均一に
熱交換させられ、しかも、円環状室134は周方向に連
続に形成されてその周方向における温度勾配が形成され
難いため、円環状室134内の冷却水の温度が周方向に
略均一に維持される。また、冷却水導管128の開口1
32と切欠部118とは径方向の反対側に設けられてい
ることから、その開口132から円環状室134内に供
給された冷却水が切欠部118から排出されるまでに径
方向に移動させられる過程で研磨面152との間の熱交
換によって生じる温度勾配傾向と、冷却水導管128内
の冷却水が螺旋状に移動させられて開口132から円環
状室134内に供給される間にその円環状室134内の
冷却水との間の熱交換によって生じる温度勾配傾向とは
相互に反対向きにされるため、それらの間の温度勾配傾
向が相殺されて円環状室134内の冷却水の温度が径方
向にも略均一に維持される。更に、円環状室134が周
方向に分割されていないことから、冷却水の流通断面積
すなわち冷却水導管128内径、開口132内径および
切欠部118の断面積を十分に大きく形成できて供給排
出経路が閉塞され難いため、長期間に亘って高い冷却効
果が得られる。したがって、簡単な構造で、円環状室1
34内の冷却水の温度が全面で略一様に維持されて、研
磨面152の温度が長期間に亘って一様な研磨面152
の温度分布を得ることが可能な定盤54の冷却構造が得
られる。
【0031】また、本実施例によれば、冷却水導管12
8は、円環状室134の径方向の略全幅に亘って径方向
に隣接する部分が相互に略密接して設けられている。そ
のため、冷却水導管128が相互の間の隙間が十分に小
さいことから、円環状室134内の冷却水と冷却水導管
128内の冷却水との接触面積が十分に大きくされて、
それらの間の熱交換量が十分に多くされるため、円環状
室134内の温度分布を一層均一にできる。
【0032】また、本実施例においては、冷却水導管1
28の開口132は円環状室134の外周側位置に設け
られ、排出口として機能する切欠部118は、その円環
状室134の内周側位置に設けられているものである。
そのため、冷却水導管128によって円環状室134の
外周側位置へ冷却水が供給される一方、その冷却水は内
周側位置から排出されることから、図7に示されるよう
に定盤54内に形成される冷却水の排出経路を切欠部1
18、第2環状溝112、窪み124、貫通穴126か
ら構成される簡単な構造にできて、冷却構造を有する定
盤54の製造が一層容易になる。
【0033】また、本実施例においては、冷却水導管1
28は、円環状室134内に2本設けられている。その
ため、円環状室134内へ冷却水を供給するための開口
132の位置が2本の冷却水導管128a、128b相
互に周方向の反対位置に設定されていることから、定盤
54のバランスの確保が容易である。しかも、2本の冷
却水導管128の一方が閉塞し、或いは冷却水の流通抵
抗が高くなった場合にも、他方の冷却水導管128によ
って円環状室134内に冷却水が供給されると共に、そ
の円環状室134内の冷却水との熱交換が全面で略一様
に行われる。したがって、一層長期間に亘って安定した
冷却が可能となる。更に、互いに周方向に半周期だけ異
なる螺旋を描くように冷却水導管128a、128bが
設けられていることから、それぞれの周方向の温度勾配
が互いに補われて一層周方向に一様な温度分布を得るこ
とができる。
【0034】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0035】例えば、実施例においては、熱媒体として
冷却水が用いられた場合について説明したが、適当な温
度に冷却された研磨液等の他の液体を用いても冷却して
もよく、或いは、適当な温度に保持された熱媒体を用い
ることによって加熱或いは保温する場合にも本発明は同
様に適用される。
【0036】また、実施例においては、冷却水導管12
8が円環状室134内に2本備えられていたが、その本
数は適宜変更され、1本或いは3本以上にされても差し
支えない。但し、定盤54の回転時のバランスを可及的
に高めると共に、周方向の温度分布を可及的に均一にす
るためには、少なくとも2本以上備えられることが望ま
しい。
【0037】また、実施例においては、冷却水導管12
8が内周側から外周側に向かって冷却水を流通させる螺
旋状に形成されていたが、反対に、外周側において定盤
54に形成された受入穴104に接続され、内周側に開
口132が位置させられても差し支えない。
【0038】また、実施例においては、定盤54の上に
砥粒層140を備えた砥粒固定型の研磨工具52が固定
されて用いられるように構成されていたが、遊離砥粒を
用いる研磨工具が固定されて用いられてもよい。また、
定盤54自身によって研磨工具が構成されて、その表定
盤96の表面で被研磨物156を加工する場合にも本発
明は同様に適用される。すなわち、研磨面152は、定
盤54に一体的に備えられているものであっても、別体
に構成されてその定盤54に固定して用いられる研磨工
具52の表面に備えられているものであってもよいので
ある。
【0039】また、実施例においては、第1環状溝11
0の内周側に周状突起116および第2環状溝112が
備えられ、その第1環状溝110内のみに冷却水導管1
28が備えられていたが、周状突起116を設けないで
第1環状溝110および第2環状溝112を一つの環状
溝に形成し、その全体に冷却水導管128を備えてもよ
い。また、周状突起116が設けられている場合におい
ても、第2環状溝112内に冷却水導管128を設け、
第1環状溝110内の冷却水導管128と周状突起11
6を貫通して接続し、或いは別個に給水経路に接続して
もよい。なお、このようにする場合にも、第1環状溝1
10内に貯留される冷却水は実施例と同様に第2環状溝
112内を通して排出できることから、第1環状溝11
0からの排出経路を別途設ける必要はない。
【0040】また、第1環状溝110の径方向の幅寸法
は、研磨面152の径方向寸法や定盤54の剛性等に応
じて適宜変更される。すなわち、研磨面152の温度分
布を一層一様に維持するためには、研磨面152の裏面
側の全面に第1環状溝110および冷却水導管128が
設けられていることが望ましいことから、表定盤96の
剛性が十分に高い場合には、実施例に示されるよりも内
周側の位置まで第1環状溝110を形成してもよく、研
磨面152が実施例に示される場合よりも十分に小さい
外周側の一部のみに設けられている場合には、内周面1
14が実施例に示されるよりも外周側に位置するように
小さい幅で第1環状溝110を形成してもよい。また、
溝深さ等も、貯留することが望ましい冷却水量等に応じ
て適宜変更される。
【0041】また、実施例においては、冷却水導管12
8が4重に形成されていたが、巻き数や冷却水導管12
8の寸法等は定盤54の寸法や目的等に応じて適宜変更
される。また、冷却水導管128は、実施例で示される
ように略密接して設けられず、適当な間隔を以て設けら
れても差し支えない。
【0042】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の定盤の冷却構造を一例を説明する図であ
る。
【図2】従来の定盤の冷却構造の他の例を説明する図で
ある。
【図3】従来の定盤の冷却構造の更に他の例を説明する
図である。
【図4】従来の定盤の冷却構造の更に他の例を説明する
図である。
【図5】従来の定盤の冷却構造の更に他の例を説明する
図である。
【図6】本発明の一実施例の冷却構造を備えた定盤が適
用されたポリシングマシンの全体構造を示す斜視図であ
る。
【図7】図6のポリシングマシンの要部断面を示す図で
ある。
【図8】図6のポリシングマシンに用いられる定盤の内
部構造を説明する図である。
【符号の説明】
54:回転定盤 118:切欠部(排出口) 128:冷却水導管(熱媒体導管) 132:開口 134:円環状室(熱媒体貯留室) 152:研磨面 156:被研磨物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−39704(JP,A) 実開 昭58−85165(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 37/04 B24B 37/00 H01L 21/304 F28D 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面に平坦な研磨面を備えて円盤状を成
    し、軸心回りに回転駆動されることにより該研磨面に摺
    接させられる被研磨物を加工する回転定盤において、該
    研磨面を所定温度で保持するための温度保持構造であっ
    て、 前記回転定盤の内部に所定の径方向幅寸法で周方向に連
    続して円環状に設けられ、前記研磨面を熱伝導に基づい
    て所定温度に保持するための熱媒体が蓄えられる液密の
    熱媒体貯留室と、 該熱媒体貯留室内において周方向に連続して螺旋状に配
    設され、前記回転定盤に固定された回転主軸内の給水路
    に一端が接続され且つ他端に設けられた開口から該熱媒
    体貯留室内に熱媒体を供給するための熱媒体導管と、 前記熱媒体貯留室内において前記熱媒体導管の開口とは
    径方向の反対側に設けられ、該熱媒体貯留室内の熱媒体
    を前記回転定盤外に排出するための排出口とを、含むこ
    とを特徴とする回転定盤の温度保持構造。
  2. 【請求項2】 前記熱媒体導管は、前記熱媒体貯留室の
    略全幅に亘って径方向に隣接する部分が相互に略密接し
    て設けられているものである請求項1の回転定盤の温度
    保持構造。
  3. 【請求項3】 前記熱媒体導管の開口は前記熱媒体貯留
    室の外周側位置に設けられ、前記排出口は、該熱媒体貯
    留室の内周側位置に設けられているものである請求項1
    の回転定盤の温度保持構造。
  4. 【請求項4】 前記熱媒体導管は、前記熱媒体貯留室内
    に複数本設けられているものである請求項1の回転定盤
    の温度保持構造。
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