JP3235734U - 崩落物の捕捉施設 - Google Patents

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Figure 0003235734000001
【課題】防護柵そのものを直接嵩上げせずに崩落物の堆積高さを高くできる、崩落物の捕捉施設を提供する。
【解決手段】斜面に立設した新設または既設の下位防護施設10と、下位防護施設10の上流側に斜面と相対向して配設された上位誘導ネット20との組み合わせからなり、斜面Gから離隔した状態で位置決めされた上位誘導ネット20を介して下位防護施設10が嵩上げされており、上位誘導ネット20と斜面Gとの間に、下位防護施設10の捕捉空間と連続した誘導堆積空間Sが形成され、上位誘導ネット20の下辺が斜面Gに立設された補助支柱24の頭部に着脱可能に連結されて位置決めされている。
【選択図】図5

Description

本考案は崩落土砂、雪崩等の災害を抑制する崩落物の捕捉施設に関する。
近年は想定外の集中豪雨等に起因した崩落土砂による自然災害が多発している。
土砂崩落の対策工のひとつとして剛構造の擁壁構造物が知られている。
剛構造の擁壁構造物としては、コンクリート製擁壁が用いられているが(特許文献1)、コンクリート製擁壁は建設コストが嵩む問題や軟質地盤に不向きといった難点があることから、コンクリート製擁壁の代替構造物として杭式防護柵が提案されている(特許文献2)。
図7を参照して説明すると、杭式防護柵50は地中深く建て込んだ複数の支柱51と、支柱51の地上部間に架設した防護ネット52とを具備していて、防護ネット52に作用する崩落物30の衝撃エネルギーを地中深く建て込んだ複数の支柱51に支持し得る構造となっている。
経済的な落石対策工のひとつとしてポケット式ロックネットが知られている(特許文献3,4)。
ポケット式ロックネットには、複数の緩衝金具を装備した高エネルギー吸収型ポケット式ロックネットと、緩衝金具を具備しない簡易型ポケット式ロックネットが知られている。
特開平8-260476号公報 特開2010-37765号公報 特開平7-42117号公報 特開2005-350886号公報
従来の崩落物の捕捉施設にはつぎのような問題点を有する。
<1>杭式防護柵50では、崩落物30の堆積可能な高さが防護柵の柵高Hまでである。
杭式防護柵50の柵高Hを越えると崩落物30がこぼれ落ちてしまい、下流側の道路や鉄道や民家等に崩落被害が及ぶ。
<2>杭式防護柵50では想定される崩落物30の堆積量に基づいて防護柵の柵高Hを決定している。
崩落物30の堆積高さを増すには杭式防護柵50の柵高Hを高くすればよいが、防護柵50の柵自体を高くすると、その高さに比例して防護柵50の資材コストが増すだけでなく、側面に作用する側圧Fが増大して、支柱51の強度を増したり、支柱51の根入れ深さを長くしたりしなければならない。
このように崩落物30の堆積高さを増すには、資材コストが増すだけでなく、支柱51の全長が長くなると共に支柱51の重量が増すために、資材搬入や施工に不具合が生じるといった問題がある。
<3>長尺支柱51の搬入の問題を解決するために分割式支柱が実用化されたが、分割式支柱を用いると資材コストだけでなく施工コストも高額なものとなる。
<4>簡易型ポケット式ロックネットは落石用として設計されていることから非常に安価であるといった経済的特性を有する反面、落石と比べて大きな衝撃力が作用する崩落土砂の捕捉には適さない。
本考案は以上の点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、防護柵そのものを直接嵩上げせずに崩落物の堆積量を確保できる、崩落物の捕捉施設を提供することにある。
本考案は、斜面下流側に立設され、斜面との間に崩落物の捕捉空間を有する直立式の下位防護施設と、下位防護施設の上流側に斜面と相対向して該斜面から離隔した状態で配設された上位誘導ネットとを具備した崩落物の捕捉施設であって、前記上位誘導ネットと斜面との間で崩落物の進入が可能な入口を形成するように、前記上位誘導ネットの上辺が斜面に立設された懸架支柱の頭部に連結されて位置決めされ、前記下位防護施設の柵高を越えて崩落物を堆積可能なように、前記上位誘導ネットを介して下位防護施設が嵩上げされ、前記上位誘導ネットと斜面との間に、前記下位防護施設の捕捉空間と連続した誘導堆積空間が形成され、前記捕捉施設内に堆積した崩落物を撤去し得るように、前記上位誘導ネットの下辺が斜面に立設された補助支柱の頭部に着脱可能に連結されて位置決めされている。
また本考案の他の形態では、誘導堆積空間の底部に下位防護施設の捕捉空間に面した出口が形成されている。
また本考案の他の形態では、前記下位防護施設が複数の支柱と、複数の支柱間に横架した防護ネットを具備した新設の防護柵(防護施設)でもよいし、既設の防護施設でも適用が可能である。下位防護施設としては、例えば杭式防護柵、擁壁構造物、または擁壁上に防護柵を構築した形態でもよい。
また本考案の他の形態では、補助支柱を用いる場合、前記上位誘導ネットの下辺に余長部を形成し、該余長部を補助支柱の頭部から垂下されてもよい。
本考案は少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>下位防護施設と上位誘導ネットとを組合せただけの簡易な構造により下位防護施設を嵩上げできるので、下位防護施設の柵高を越えて崩落物を堆積することができる。
<2>下位防護施設は新設の防護施設、または既設の防護施設を問わず捕捉施設を構築することができる。
<3>下位防護施設が新設の場合には、下位防護施設の柵高を半減できるので、下位防護施設を経済的に構築できて資材搬入や施工を簡単に行うことができる。
<4>下位防護施設が新設の場合には、既設の防護施設自体を真上に嵩上せずに、既設の防護施設を有効活用して崩落物の捕捉量を増大させることができる。
<5>誘導ネットは崩落物の崩落高さを考慮しながら、斜面と相対向して配設されることから、崩落物の崩落中に誘導ネットに大きな衝撃力が作用しない。そのため、誘導ネットを高強度に製作したり、誘導ネットの架設長を必要以上に長くしたりする必要がない。
<6>上位誘導ネットの下辺を下位防護施設に位置決めできないか、又は位置決めが困難な場合には、補助支柱を追加設置するだけで上位誘導ネットの下辺を位置決めすることができる。
一部を省略した実施例1に係る崩落物の捕捉施設の斜視図 一部を省略した崩落物の捕捉施設の正面図 図2におけるIII-IIIの断面図 崩落物の捕捉時における一部を省略した捕捉施設のモデル図 実施例2に係る崩落物の捕捉施設の縦断面図 実施例3に係る崩落物の捕捉施設の縦断面図 従来の杭式防護柵のモデル図
図面を参照しながら本考案について詳細に説明する。
[実施例1]
<1>崩落物
本考案における崩落物30とは、崩落土砂や雪崩を指すだけでなく、岩石が混入した崩落土砂や雪崩を含み、さらに落石のみの場合も含むものである。
<2>崩落物の捕捉施設の概要
図1~3を参照して説明すると、本考案の捕捉施設は谷側斜面に立設した下位防護施設である下位防護柵10と、下位防護柵10の上位に斜面Gから離隔して配設した上位誘導ネット20とを具備する。
下位防護柵10の上流側には、斜面Gから離隔した状態で上位誘導ネット20が配設されていて、上位誘導ネット20の上辺および下辺がそれぞれ位置めされている。
上位誘導ネット20と斜面Gとの間には連続性を有する誘導堆積空間Sが形成されていて、この誘導堆積空間S内に下位防護柵10の柵高Hを越えた崩落物30の堆積が可能である。
<3>下位防護柵
下位防護柵10は崩落物30の捕捉を目的とした新設または既設の防護施設であればその形態は問わない。
本例では下位防護柵10が新設の杭式防護柵で構成する場合について説明する。
本例の下位防護柵10は地中に建て込んだ複数の支柱11と、支柱11間に取り付けた防護ネット15とを具備している。
隣り合う支柱11の頭部間には上部竿14が横架してあるが、上部竿14は必須ではない。
<3.1>支柱
支柱11は、例えば鋼管、多重鋼管、コンクリート充填鋼管、コンクリート柱、H鋼等の公知の支柱を適用できる。支柱11の全長が長尺の場合は分割式に構成し、現場で分割柱体を組み立てるようにしてもよい。
<3.2>防護ネット
防護ネット15は外形が略矩形を呈していて、複数の横ロープ12とネット13からなる。
横ロープ12は引張強度に優れた金属製または繊維製のロープ材であり、各支柱11に対して摺動可能または摺動不能な形態で取り付けられている。
ネット13は崩落物30の捕捉に適した金属製または繊維製のネット材であり、強度面とコスト面の観点から金網が好適である。ネット13はせん状のコイル等を介して横ロープ12に取付けられる。
<3.3>下位防護柵の柵高
本考案は上位誘導ネット20と組合せることで下位防護柵10の柵高Hを、従来の防護柵単独の柵高H(図7)と比べて大幅に低くできる。
例えば防護柵単独で捕捉する場合の柵高Hが5mである場合には、下位防護柵10の柵高Hを2.5m程度まで半減できる。
下位防護柵10の柵高Hが低くなっても、堆積した崩落物30の側圧や衝撃力に対する支柱11の負荷が大きくならない。
したがって、支柱11の全長を短くできれば資材コストと重量を低減できるだけでなく、狭隘地への支柱11の搬入が簡単となって経済的な施工を実現できる。
下位防護柵10が杭式防護柵である場合には、高額な分割式支柱を用いなくてもよい。
<4>上位誘導ネット
上位誘導ネット20は崩落物30の誘導機能と下位防護柵10の嵩上げ機能を有するネット状物であり、誘導ネット20の上下辺が斜面Gから離間した状態で位置決めされている。
本例では縦横方向に交差させて格子状に編成した複数のロープ22と、これらのロープ22に重合させて配置したネット23とを組み合せて誘導ネット20を構成している。
ロープ22は引張強度に優れた金属製または繊維製のロープ材であり、その交点が摺動不能に連結してある。
ネット23は崩落物30の捕捉に適した目合いの金属製または繊維製のネット材を適宜選択する。ネット23としては、例えば強度とコストの点では金網が好適である。
下位防護柵10の上位に、斜面Gから離隔して配設される
<4.1>誘導ネットの上辺の位置決め手段
本例では誘導ネット20の上辺を複数の懸架支柱21の頭部に連結して位置決めする形態について説明する。
懸架支柱21は誘導ネット20の上辺を支えるための簡易支柱であり、斜面Gに対して傾倒可能または傾倒不能な状態で立設されている。
懸架支柱21としては、例えばH鋼、鋼管、コンクリート充填鋼管等の公知の支柱を適用できる。
実用上は懸架支柱21としてH鋼を用い、斜面Gに接地させて立設したH鋼の下部をコンクリートアンカー等で固定するとよい。
各懸架支柱21の頭部と山側斜面のアンカー26との間には控えロープ27が張設してある。
<4.2>誘導ネットの上辺の他の位置決め手段
誘導ネット20の上辺を斜面Gから離隔する手段は懸架支柱21に限定されるものではなく、以下に説明するように懸架支柱21を省略して誘導ネット20の上辺を位置決めすることも可能である。
上位誘導ネット20の設置現場が沢状に窪んでいる場合は、懸架支柱21を省略して誘導ネット20の上辺に沿って図外の横吊りロープを一体に付設し、この横吊りロープの両端部を斜面Gに固定することで、誘導ネット20の上辺を斜面Gから離隔させるようにしてもよい。
<4.3>誘導ネットの下辺の位置決め手段
誘導ネット20の下辺は下位防護柵10の上部に対して着脱可能または着脱不能に連結して位置決めされている。
<4.4>誘導ネットの架設長
従来のポケット式ロックネットでは斜面に吊り下げたロックネットの強度と懸下重量を利用して衝撃力を吸収する方式であるので、ロックネット自体を高強度に製作すると共に、懸下重量を増すためにロックネットの懸下長を長くする必要があった。
これに対して誘導ネット20は崩落物30の崩落高さを考慮しながら斜面Gと相対向して配設されることから、崩落物30の崩落中に誘導ネット20に大きな衝撃力が作用しない。そのため、誘導ネット20を高強度に製作する必要がない。
さらに、誘導ネット20が衝撃吸収機能を持たないため、図3に示した誘導ネット20の架設長Lを長くする必要はなく、下位防護柵10を嵩上げ可能な長さを有していればよい。
<4.5>誘導ネットの傾倒角度
鉛直に取り付けた防護ネット15の真上に向けて誘導ネット20を嵩上げすると、嵩上げした誘導ネット20に大きな側圧が作用する。
そこで防護ネット15に対して誘導ネット20を斜面G側に向けて傾倒させておく。
誘導ネット20の傾倒角度θは適宜選択するが、嵩上げされる崩落物30が側圧の小さい緩勾配なるように、誘導ネット20の傾倒角度θを予め調整しておく(図4)。
<5>誘導堆積空間
斜面Gと誘導ネット20との間には連続した誘導堆積空間Sが形成されている。
誘導堆積空間Sの最上部の入口は内部へ崩落物30を取り込みできるように開放されていて、誘導堆積空間Sの底部の出口は下位防護柵10の側面に面した捕捉空間と連通している。
[崩落物の捕捉作用]
図3,4を参照しながら捕捉施設による崩落物30の捕捉作用について説明する。
<1>上位誘導ネットによる崩落物の誘導
図3において、斜面Gに沿って滑落する崩落物30が上位誘導ネット20の配設位置に達すると、誘導堆積空間Sの入口から進入して下位防護柵10へ向けて滑落する。
誘導ネット20の下方を崩落物30が通過する際、誘導ネット20が崩落物30と衝突しない高さに位置決めされているので、誘導ネット20は大きな衝撃力を受けない。
万一、崩落物30が飛び跳ねても誘導ネット20が崩落物30の飛び出しを規制する。
誘導ネット20が崩落物30の滑落方向に沿って位置決めされているので、誘導ネット20が受ける崩落物30の衝撃力は小さなものとなる。
<2>下位防護柵による崩落物の捕捉
図4を参照して説明すると、崩落物30が誘導堆積空間Sの底部に達すると、誘導堆積空間Sに面した下位防護柵10の側面に衝突して下位防護柵10内の捕捉空間に捕捉される。
後続の崩落物30も同様に下位防護柵10の側面に衝突し、誘導堆積空間S内に崩落物30が堆積していく。
下位防護柵10には崩落物30の衝撃力Fと堆積した崩落物30の側圧Fが作用するが、下位防護柵10はこれらの衝撃力Fと側圧Fに耐え得るように強度設計がしてあるので破壊されない。
<3>上位誘導ネットによる崩落物の捕捉
図4を参照して説明すると、本考案の捕捉施設では下位防護柵10の上部が誘導ネット20により嵩上げされている。
したがって、下位防護柵10が捕捉した崩落物30で満杯となっても、誘導ネット20が崩落物30のこぼれ落ちを防止しつつ、緩勾配を保ちながら、ひきつづき捕捉することができる。
誘導ネット20が崩落物30の崩落高さを考慮して配設されているので、誘導ネット20に崩落物30の衝撃力Fが直接作用しない。
さらに、崩落物30が鉛直に嵩上げせずに、山なりに緩勾配で嵩上げされるので、誘導ネット20に作用する崩落物30の側圧Fは小さなものとなる。
<4>嵩上げされた崩落物の勾配について
崩落初期は下位防護柵10の側面に沿って崩落物30が鉛直に堆積される。
崩落物30の堆積高さが下位防護柵10の柵高Hを越えると、崩落物30は誘導ネット20の傾倒角度θに沿った緩勾配で嵩上げされる。
<5>崩落物の除去
捕捉施設内に堆積した崩落物30を撤去する場合は、誘導ネット20の下辺(裾部)を下位防護柵10から取り外した後に、公知のバックホー等の排土用重機を用いて捕捉施設内に堆積した崩落物30を撤去する。
下位防護柵10の高さが低いので崩落物30の撤去作業も簡単安全であり、下位防護柵10を解体せずに堆積した崩落物30を撤去することが可能となる。
下位防護柵10の上方に嵩上げされて堆積した崩落物30が緩勾配を保っているため、誘導ネット20を開放しても大量の崩落物30が突発的に崩落する可能性はきわめて少ない。
したがって、安全な作業環境下で崩落物30を撤去することができる。
[実施例2]
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例1と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図5を参照して他の実施例に係る捕捉施設について説明する。
本実施例は補助支柱24を追加設置して上位誘導ネット20の下流側を位置決めする形態について説明する。
<1>補助支柱
補助支柱24は上位誘導ネット20の下流側を斜面Gから離隔して位置決めするための簡易支柱であり、下位防護柵10に近い斜面Gに立設されている。
補助支柱24の頭部と側方地盤に設けたアンカーとの間に控えロープ(図示せず)を張設しておくと、補助支柱24の自立性を高めることができる。
<2>上位誘導ネット
先の実施例1では上位誘導ネット20の下辺を下位防護柵10に位置決めした形態について説明したが、本実施例では上位誘導ネット20の下流側を補助支柱24に位置決めするものである。
両支柱21,24の間に懸架した上位誘導ネット20の下流側には余長部25が形成されていて、補助支柱24の頭部から余長部25がカーテン状に垂設されている。
余長部25の網部は垂設したままでもよいし、防護ネット15と接続しても良い。
余長部25のワイヤーロープはコンクリートアンカー等を介して地面等に固定してもよい。
なお、余長部25の網部は土砂のこぼれ防止のためのものであるため、その全長は適宜選択する。
<3>崩落物の捕捉作用
本実施例における崩落物30の捕捉作用は既述した実施例1と同様である。
<4>本実施例の効果
本実施例にあっては、先の実施例1の効果にくわえてつぎの効果を奏する。
本実施例では、上位誘導ネット20の下辺を下位防護柵10に位置決めできないか、或いは位置決めが困難な場合に、補助支柱24を追加設置するだけで上位誘導ネット20の下流側を位置決めすることができる。
[実施例3]
図6を参照して下位防護施設が既設防護柵40である場合の他の実施例について説明する。
本実施例では、既設防護柵40と、既設防護柵40の上位に配設した上位誘導ネット20とにより捕捉施設を構成する。
<1>既設防護柵
既設防護柵40は、崩落土砂用、雪崩用、または落石用の防護柵であり、崩落物30の捕捉を目的とする防護施設であればその形態は問わない。
図6に例示した既設防護柵40について説明すると、既設防護柵40はコンクリート製の擁壁41と、擁壁41上に立設した複数の支柱42と、複数の支柱42間に横架した防護ネット43とを有している。
下位防護施設は既設防護柵40だけでなく、図7に示した既設の杭式防護柵50や、防護柵を具備しない擁壁構造物でもよい。
<2>上位誘導ネットの下辺の位置決め手段
上位誘導ネット20の下辺(裾部)の位置決め手段は、例えば既設防護柵40の上部との連結が困難な場合には、先の実施例2を適用して、補助支柱24を追加設置して上位誘導ネット20の下流側を位置決めする。
上位誘導ネット20の下辺を既設防護柵40の上部に連結可能な場合は直接連結して位置決めしてもよい。
<3>本実施例の効果
本実施例にあっては、先の実施例1,2の効果にくわえてつぎの効果を奏する。
本実施例では、既設防護柵40の柵自体を真上に嵩上せずに、既設防護柵40による崩落物の捕捉量を増大させることができる。
さらに既設防護柵40を有効活用して誘導ネット20を追加するだけであるから、短期間のうちに簡単に施工することができる。
G・・・・・斜面
S・・・・・誘導堆積空間
10・・・・下位防護柵(下位防護施設)
11・・・・支柱
12・・・・横ロープ
13・・・・ネット
14・・・・上部竿
15・・・・防護ネット
20・・・・上位誘導ネット
21・・・・懸架支柱
22・・・・ロープ
23・・・・ネット
24・・・・補助支柱
25・・・・上位誘導ネットの余長部
26・・・・アンカー
27・・・・控えロープ
30・・・・崩落物
40・・・・既設防護柵(下位防護施設)
41・・・・擁壁
42・・・・支柱
43・・・・防護ネット
50・・・・従来の杭式防護柵
51・・・・支柱
52・・・・防護ネット

Claims (5)

  1. 斜面下流側に立設され、斜面との間に崩落物の捕捉空間を有する直立式の下位防護施設と、下位防護施設の上流側に斜面と相対向して該斜面から離隔した状態で配設された上位誘導ネットとを具備した崩落物の捕捉施設であって、
    前記上位誘導ネットと斜面との間で崩落物の進入が可能な入口を形成するように、前記上位誘導ネットの上辺が斜面に立設された懸架支柱の頭部に連結されて位置決めされ、
    前記下位防護施設の柵高を越えて崩落物を堆積可能なように、前記上位誘導ネットを介して下位防護施設が嵩上げされ、
    前記上位誘導ネットと斜面との間に、前記下位防護施設の捕捉空間と連続した誘導堆積空間が形成され、
    前記捕捉施設内に堆積した崩落物を撤去し得るように、前記上位誘導ネットの下辺が斜面に立設された補助支柱の頭部に着脱可能に連結されて位置決めされていることを特徴とする、
    崩落物の捕捉施設。
  2. 前記誘導堆積空間の底部に下位防護施設の捕捉空間に面した出口が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の崩落物の捕捉施設。
  3. 前記下位防護施設が複数の支柱と、複数の支柱間に横架した防護ネットを具備した新設または既設の防護柵であることを特徴とする、請求項1または2に記載の崩落物の捕捉施設。
  4. 前記下位防護施設が防護柵を具備しない擁壁構造物、または擁壁と該擁壁上に立設した複数の支柱と複数の支柱間に横架した防護ネットとを具備した防護柵であることを特徴とする、請求項1または2に記載の崩落物の捕捉施設。
  5. 前記上位誘導ネットの下辺に余長部が形成され、該余長部が補助支柱の頭部から垂下されていることを特徴とする、請求項1に記載の崩落物の捕捉施設。
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