JP3234977B2 - 知的教育用教材の作成方法及びその作成システム並びに知的訓練用教材の作成方法及びその作成システム - Google Patents

知的教育用教材の作成方法及びその作成システム並びに知的訓練用教材の作成方法及びその作成システム

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JP3234977B2
JP3234977B2 JP22329998A JP22329998A JP3234977B2 JP 3234977 B2 JP3234977 B2 JP 3234977B2 JP 22329998 A JP22329998 A JP 22329998A JP 22329998 A JP22329998 A JP 22329998A JP 3234977 B2 JP3234977 B2 JP 3234977B2
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理一郎 溝口
満 池田
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東光精機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子力発電
所などの大規模プラントの運転員に求められる業務知識
の習得およびプラント運転の訓練など業務遂行能力全般
の育成を目的とした学習に適用される知的教育用教材の
作成方法及びその作成システム並びに知的訓練用教材の
作成方法及びその作成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の教育用教材あるいは訓練用教材
の作成方法として従来から知られている方法には、
(1)教師がBASIC言語などの計算機言語を用いて
対象とする教材ごとに教育や訓練事項をプログラミング
する方法、(2)予め紙芝居形式の教材を作れるソフト
ウェアを作成しておき、そのソフトウェアを用いて教師
が教材を作成する方法、がある。また、一連の業務の流
れがあって、その手順が問題となるような事項を教授す
るためには教材全体の構成をイメージしやすいこと、お
よび教授事項などを整理しやすいこと、から教授対象と
なる業務フローを描くのが有効であるが、従来では、そ
の業務フローを手書きし、その手書きしたフローとそれ
以降の計算機による教材作成作業とは全く関連のない方
法で教材を作成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の教材作成方法は、対象とする教材ごとにプログ
ラムを一つ一つ作る必要があって、所定の教材作成に多
大な手間と時間、コストがかかるだけでなく、教師自身
の教授戦略の選び方や経験によって教材の質が異なる。
そのうえ、計算機のことを熟知し、かつ、計算機言語を
使用可能な教師しか所定の教材を作成することができ
ず、計算機言語を使用不能あるいは使用経験の浅い他の
教師では例え教材を作成できたとしても、ミスを発生し
やすく、また、学習者の理解レベルに応じた柔軟な教授
戦略をもつ教材をつくることが難しいという問題があっ
た。
【0004】また、上記(2)の教材作成方法は、特定
の形式の教材しか作成することができず、多種多様な教
材を作成するには多数のソフトウェアを準備しておく必
要があって、作成効率が非常に悪い上にあくまでも紙芝
居形式の固定的な教材に制限され、特に上述した業務フ
ローを伴うような事項の教材の作成には質的にも作成コ
ストの面からも効果的な教育や訓練に貢献する教材を作
ることができないものであった。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、計算機言語などを使用不能であっても、また経験の
浅い教師であっても、均質で、かつ学習者の理解レベル
に応じた柔軟な教授戦略を持つ教材を非常に効率よく作
成することができる知的教育用教材の作成方法及びその
作成システム並びに知的訓練用教材の作成方法及びその
作成システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る知的教育用教材の作成
方法は、教育の対象事項を表現する際の基本となる最小
の単位である語彙とその語彙相互間の関係を明示する体
系的記述として予め作成されたオントロジーを準備し、
この準備されたオントロジーを予め教材作成システムに
読出し可能な状態に組み込むか、もしくは、そのオント
ロジーを整備してなるオントロジーオーサ用オーサリン
グツールを用意し、実際の教育作成者が上記教材作成シ
ステムもしくはオーサリングツール内から読出したオン
トロジーと教育の対象モデルとを入力することにより、
人と同じ概念を共有する計算機によって設問列で構成さ
れる教育用メインシナリオを設定するための設問ならび
に設問および/または説明の列で構成される教育用サブ
シナリオを設定するための設問および/または説明を組
織化した知的教育用教材を作成することを特徴とするも
のである。
【0007】請求項6に記載の発明に係る知的教育用教
材の作成システムは、教育の対象事項を表現する際の基
本となる最小の単位である語彙とその語彙相互間の関係
を明示する体系的記述として予め作成されたオントロジ
ーと、上記オントロジーを整備してなるオントロジーオ
ーサ用オーサリングツールとを備え、教材作成システム
に予め組み込まれたオントロジーもしくは上記オントロ
ジーオーサ用オーサリングツール内から読出されたオン
トロジーと教育の対象モデルとを入力することにより、
人と同じ概念を共有する計算機によって設問列で構成さ
れる教育用メインシナリオを設定するための設問ならび
に設問および/または説明の列で構成される教育用サブ
シナリオを設定するための設問および/または説明を組
織化した知的教育用教材を作成することを特徴とするも
のである。
【0008】上記構成の請求項1および請求項6に記載
の発明によれば、教材作成システムに予め組み込まれて
いるか、もしくは、オエントロジーオーサ用オーサリン
グツールに整備されているオントロジーを読出して教育
の対象モデルを入力することにより、人と計算機とが同
じ概念を共有する状態で、たとえ計算機自体や計算機言
語などを知らなくても、教育用メインシナリオを設定す
るための設問ならびに教育用サブシナリオを設定するた
めの設問および/または説明を容易に組織化して知的教
育用教材を簡単に作成することが可能であるとともに、
その作成した教材内容を追加したり変更したりすること
も容易で、均質でかつ学習者の理解レベルに対応した柔
軟な教授戦略がとれる多種多様な教材を効率よく作成す
ることが可能である。
【0009】また、請求項11に記載の発明に係る知的
訓練用教材の作成方法は、訓練の対象事項を表現する際
の最小の単位である訓練行為、対象物を表現するための
語彙とその語彙相互間の関係を明示する体系的記述とし
ての訓練タスクオントロジーを準備し、この準備された
訓練タスクオントロジーを予めシステムに組み込むか、
もしくは、その訓練タスクオントロジーを整備してなる
オントロジーオーサ用オーサリングツールを用意し、上
記システムもしくはオントロジーオーサ用オーサリング
ツール内から読出した訓練タスクオントロジーと訓練の
対象モデルとを入力することにより、一連の業務の流れ
をフローチャートで表現した業務フローなどで体系的に
明示し、その業務の流れに沿った設問の集合からなる訓
練用メインシナリオを設定するための設問ならびに学習
項目の教授過程を上記訓練用メインシナリオの特定の状
況に合うように編成するための訓練用サブシナリオを設
定するための設問および/または説明を組織化した知的
訓練用教材を作成することを特徴とするものである。
【0010】請求項18に記載の発明に係る知的訓練用
教材の作成システムは、訓練の対象事項を表現する際の
最小の単位である訓練行為、対象物を表現するための語
彙とその語彙相互間の関係を明示する体系的記述として
設定された訓練タスクオントロジーと、この訓練タスク
オントロジーを整備してなるオントロジーオーサ用オー
サリングツールとを備え、システムに予め組み込まれた
訓練タスクオントロジーもしくは上記オントロジーオー
サ用オーサリングツール内から読出された訓練タスクオ
ントロジーと訓練の対象モデルとを入力することによ
り、計算機上に一連の業務の流れをフローチャートで表
現した業務フローなどで体系的に明示し、その業務の流
れに沿った設問の集合からなる訓練用メインシナリオを
設定するための設問ならびに学習項目の教授過程を上記
訓練用メインシナリオの特定の状況に合うように編成す
るための訓練用サブシナリオを設定するための設問およ
び/または説明を組織化した知的訓練用教材を作成する
ことを特徴とするものである。
【0011】上記請求項11および請求項18に記載の
発明によれば、教育のなかでも対象を訓練に特化したも
のであって、システムに予め組み込まれているか、もし
くは、オーサリングツールに整備されている訓練タスク
オントロジーを読出して訓練の対象モデルを入力するこ
とにより、人と計算機とが同じ概念を共有する状態で、
たとえ計算機自体やその言語などを知らなくても、一連
の業務の流れをフローチャートで表現した業務フローな
どで体系的に明示することに基づいて、その業務の流れ
に沿った設問の集合からなる訓練用メインシナリオを設
定するための設問ならびに訓練用メインシナリオの特定
の状況に合うように学習項目の教授過程を編成するため
の訓練用サブシナリオを設定するための設問および/ま
たは説明を組織化して一連の訓練の流れをストーリーと
して進行させることができる知的訓練用教材を容易に編
集し作成することが可能であるとともに、その作成した
教材内容を追加したり変更したりすることも容易で、均
質でかつ学習者の理解レベルに対応した柔軟な教授戦略
がとれる多種多様な訓練用教材を効率よく作成すること
が可能である。
【0012】上記した各請求項に記載の発明において、
請求項2、7、14または21に記載のように、各シナ
リオの設問を作成するときに各設問の形式に対応して予
め準備している雛形(以下、テンプレートと称する)を
用いることによって、設問の形式を考えることの煩わし
さをなくして設問の内容のみに注力することが可能とな
り、効率よく、かつ、質の高い設問を作成することがで
きるとともに、教師の経験の深浅にかかわらず、均質な
設問を作成することができる。
【0013】上記各設問の形式に対応するテンプレート
としては、請求項3、請求項8、請求項15または請求
項22に記載のように、記述式、穴埋め式、計算式、図
式表現式、証明式、訂正式、単一選択式、複数選択式、
順序付け式、その他の形式の複数種類のものを準備し、
これら複数種類のテンプレートの使用を選択することに
より、教師の経験の深浅に関係なく、多種多様な形式の
設問を作成することができる。
【0014】また、請求項4、請求項9、請求項16ま
たは請求項23に記載のように、上記設問の形式に対応
するテンプレートに応じた学習者の誤りのテンプレート
を予め準備しておくことにより、経験不足や失念のため
に想定すべき誤りのパターンを見落とすことがなくな
り、想定される誤りのパターンを容易に作ることが可能
で、教材の質を一層向上することができる。この誤りの
テンプレートとして、例えば設問の形式が順序付け式の
場合を例にとると、(a)順序が逆、(b)解答漏れ、
(c)不要解答選択、(d)その他、に分類することが
考えられる。
【0015】上記学習者の誤りのテンプレートに対応し
て、請求項5、請求項10、請求項17または請求項2
4に記載のように、教授戦略テンプレートを予め準備し
ておくことにより、経験不足のために決定することが難
しい教授戦略の候補を計算機が教師に示し、その中から
設問の形式や誤りのパターンに応じて採るべき教授戦略
を任意かつ確実に選択することが可能となり、これによ
って、経験の浅い教師へのアドバイス及び経験豊富な教
師のミスの発生を防止することができる。この教授戦略
テンプレートとしては、(a)シュミレーションを行
う、(b)操作入力する、(c)理由を説明する、
(d)不都合を説明する、(e)ヒントを与える、
(f)その他、の種類に分けることが考えられる。
【0016】また、請求項11及び請求項18に記載の
発明において、請求項12または19に記載のように、
教授目的に対応するテンプレートを準備することによ
り、抽象的な形で教師の頭の中に存在していたに過ぎな
い曖昧なレベルの教授項目を具体的な教授項目に展開し
て設問作成作業を支援することが可能となり、教材の質
を一層向上することができるとともに、教授目的を明示
させて作成された教材を他の教師が再利用したり、変更
したりすることを容易にすることができる。
【0017】上記教授目的に対応するテンプレートとし
ては、請求項13または請求項20に記載のように、状
況認識を教えるための設問、状況判断を教えるための設
問、操作手順を教えるための設問の少なくとも三種類を
準備することによって、学習者に設備が実際に事故を発
生してからそれが復旧するまでの処置を自然に教授し訓
練させ得る教材の作成を支援することができる。
【0018】なお、教授目的を具体的な教授事項に展開
して設問作成作業を支援するためのテンプレートとし
て、状況判断を教えるための設問を作るためのテンプレ
ートを例にとってみると、(a)判断が必要となる「前
提条件」は何か?、(b)判断に必要な「判断要素」に
はどのようなものがあるか?、(c)「判断要素とその
結果採るべき処置の関係」はどうようなものか?、
(d)具体的な「判断方法」はどのようなものか?、等
の種類に分けることが考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明に係る知的教育用教材の作成
方法の概念図であり、教育の対象事項を表現する際の基
本の最小の単位(プリミティブ)とその相互関係、詳し
くは、仕事における行為や対象物を表現するための語彙
と語彙相互間の関係を明示する体系的記述としてオント
ロジーオーサ5によって作成され設定されたオントロジ
ー1を収集したオントロジーライブラリー2を設け、こ
のオントロジーライブラリー2内のオントロジー1をオ
ントロジーサーバー3に読出し可能な状態に教材作成シ
ステムに組み込むか、もしくは、上記オントロジー1を
整備してなるオントロジーオーサ用オーサリングツール
4を設け、教師など実際の教育シナリオを作成するエン
ドオーサ7によって、上記オントロジーライブラリー2
内から上記サーバー3に読出したオントロジー1もしく
は上記オントロジーオーサ用オーサリングツール4から
上記サーバー3に読出したオントロジー1と教育の対象
モデルとを入力することにより、図2に示すように、設
問列で構成される教育用メインシナリオ(以下、バック
ボーンストリームBSと称する)の設問並びに設問およ
び説明の列で構成される教育用サブシナリオ(以下、リ
ブストリームRSと称する)の設問および説明を組織化
した知的教育用教材6を作成する。このようにして作成
された教材6は図示省略したエンドユーザが利用するこ
とになる。
【0020】次に、上記した知的教育用教材の作成方法
およびそのシステムを設備の訓練システムに適用する場
合について説明する。設備の訓練システムに用いられる
知的訓練用教材の作成に際しては、訓練の対象事項を表
現する際の基本の最小の単位(プリミティブ)とその相
互関係、詳しくは、訓練における行為や対象物を表現す
るための語彙と語彙相互間の関係を明示する体系的記述
としての訓練タスクオントロジーを使用する。この訓練
タスクオントロジーは、一連の業務の流れをフローチャ
ートで表現した業務フローで体系的に明示し、その業務
の流れに沿った設問の集合からなるバックボーンストリ
ームBSと、このバックボーンストリームBSを構成す
る知識の単位としての設問、制御を司る出題意図、学習
項目の教授過程を上記バックボーンストリームBSの特
定の状況に合うように編成するためのリブストリームR
S並びにこのリブストリームRSを構成する設問および
説明からなる教授戦略によって大義的に分類される。
【0021】これらの訓練タスクオントロジーをオーサ
リングのプロセスを通して説明すると、訓練課題である
知的訓練用教材を作成するにあたり、オーサは頭の中で
考えている事故事例を業務フローオントロジーに基づい
て業務フローとして計算機上に書き込む。業務フローオ
ントロジーは業務フロー作成支援ツール(オーサリング
ツール)のために定義された概念である。上記業務フロ
ーの中では、事故発生の原因となる初期状態を最初とし
て、判断と処置を繰り返し、事故復旧の結果をゴールと
する連続的な概念で構成されており、これらの概念を業
務フローノードのIs a関係とし、業務フローオント
ロジーは業務フローノードのseq−ofで定義でき
る。つまり、業務フローオントロジーは図3(1)に示
しているように、一連の業務の流れをフローチャートで
表現した業務フローを体系的に明示するための枠組みを
提供するものである。
【0022】すなわち、図3(1)は事故時の初期状態
から事故復旧までの多数の処置パスが記述されている業
務フロー全体が計算機のウインドウに表示されている。
この業務フローが表示されている状態で、教材オーサが
業務フローの中の一つの処置パスを選択して図3(2)
に示すように計算機のウインドウに書込み、教材オーサ
が必要とする処置パスの全てが選択されたか否かが図3
(3)のウインドウ表示によりチェックされる。
【0023】上記のごとく選択された複数の処置パスか
らなる業務フローが表示させた上、教材オーサが各処置
パスを参考にしてバックボーンストリームBSを作成す
るとともに、バックボーンストリームBSを構成する設
問を作成するといった編集を行う。このバックボーンス
トリームBSの編集にあたって、どのような設問構成に
するかは教材オーサが設問オントロジーを選択し、どの
ような形式で出題するのかを入力して設問を作成する。
【0024】図4は設問作成のための編集ウインドウで
あり、ウンイド(1)では教材オーサが選択した、例え
ば順序付け形式の設問を入力し、システムはそれに対応
する質問、正解、選択肢を表示しており、ウインドウ
(2)では設問入力後において、教材オーサがその設問
に対する誤りと教授戦略を定義する。例えば学習者(訓
練員)であるエンドユーザに解答の順序が逆であるとい
う誤りがあった場合、ウンイドウ(5)に示しているよ
うに、教材オーサがそれに対して「シュミレーションを
行う」と「理由を説明する」という二つの教授戦略を選
択する。システムはその誤りに対してオントロジーオー
サが予め設定した教授戦略と教材オーサが定義した教授
戦略とを比較して、不一致の場合、教材オーサに警告す
る。なお、ウインドウ(6)では、システムが「シュミ
レーションを行う」と「ヒントを与える」という二つの
教授戦略を勧めていることを示している。
【0025】図5はシュミレーションを設定するオーサ
リング環境を示す。つまり、教授戦略としてウインドウ
(1)のような「シュミレーションを行う」が選択され
たならば、ウインドウ(2)に示すように、「シュミレ
ーション設定」というウインドウが自動的に開かれる。
このウインドウ(2)には、新しいシュミレーションに
よって設定すべきもの、設定の必要のないもの、システ
ムが判断できないものを示しており、教材オーサはその
うちシステムが判断できないものを判断し、設定の必要
のあるオブジェクトの状態を設定するだけである。教材
オーサがウインドウ(3)のオントロジーブラウザーか
ら設備名を選択し、ウインドウ(4)に示す設備ウイン
ドウに書き込む。ここで、設備オントロジーとしては変
電器で、選択された設備名が第一変圧器であるとする
と、ウインドウ(5)にその詳しい情報が設定され、そ
の結果として、ウインドウ(6)に示すように、監視盤
上に設定された第一変圧器のランプが点滅する。
【0026】上述の図5に示すように、設備オントロジ
ーとモデルとの関係を利用することにより、教材オーサ
に対して非常に便利なオーサリング環境を提供し、教材
の作成を支援している。
【0027】上記した過程でバックボーンストリームB
Sを構成する設問の作成が完了したならば、学習者の誤
りに対する教授戦略を編成するためのリブストリームR
Sを構成する設問および説明を作成するが、この作業も
教授戦略オントロジーを参照して選択し入力することに
より、バックボーンストリームBSと同様に作成するこ
とが可能である。
【0028】以上のようにして、各パスに対応する設問
を作成し、最終的にバックボーンストリームBSおよび
リブストリームRSに埋め込むことにより、知的訓練用
教材を編集する。ここで、業務フローのあるパスに対応
するバックボーンストリームBSに欠落が発生したか否
かを図3(3)に示すように検証することによって、業
務フローを基盤とした教材のオーサリング過程を支援す
る機能を実現できる。
【0029】以下、具体的な対象業務として電力系統の
事故復旧業務の訓練を設定した場合の[1]知的訓練シ
ステムのオーサリングツールに関する基礎的な考察、
[2]訓練タスクオントロジーの構成、[3]設備タス
クオントロジーに基づいたオーサリングの構成について
具体例を示しながら説明する。
【0030】 [1]知的訓練システムのオーサリングツールに関する
基礎的な考察; 1.1訓練システムのオーサリング 訓練システムに実装すべき基本的な教材としては以下の
3つのものが考えられる。 (A)対象業務のシミュレータ (B)対象業務に関する知識(業務マニュアル) (C)訓練シナリオ(業務に関する課題) 訓練システムのオーサには、訓練を目的として、これら
の教材を適切に組上げる作業が求められる。その組上げ
作業の典型として、例えば、対象業務に関する知識(B)
を業務フローのなかで学習のコンテクスト(C) に適合さ
せる作業がある。プラント運転の訓練シナリオを例にあ
げると、対象プラントの機器に関する仕様、特性、挙動
に関する百科事典的な知識(B) を、プラントを運転して
いる最中での、ある特定の局面での学習コンテクスト
{(c) により設定されるに有用な形態で訓練員に提示す
るように、工夫しなければならない。従来型のCBT(C
omputer Based Training) システムを構築するとき、こ
の作業はオーサの暗黙の専門技能に依っていたというの
が実状であるが、仮に、その専門技能を明確にし、訓練
システムを作成するための明示的ガイドラインを見いだ
すことができれば、オーサリングツールの構成について
埋論的基礎を与えることが可能になる。
【0031】 1.2オントロジー/モデル/表現 既に述べたようにオントロジーは、「内容」(対象のモ
デル)と「表現」(モデルの記述)から中立な立場で対
象世界に存在する概念や関係の明示的な体系的記述であ
る。例えば、設問の形式には、「記述式、穴埋め式、計
算式、図表現式、証明式、訂正式、単一選択式、複数選
択式、順序付け式、その他」の形式があるといった記述
が訓練オントロジーの一部である。そのような体系のも
とで、システム構築者(オーサ)は対象世界を「モデ
ル」として捉え「表現」する。 オントロジー:対象の捉え方に関する規約。 モデル:オントロジーに基く対象の概念構造。 表現:モデル記述のための語彙と表記の規約。 表現はオーサがモデルを記述するための語彙と表記上の
規約である。例えば、タスクオントロジーを構成するう
えで想定している表現では、動詞と名詞が中心的な役割
を果たす。簡単な例示すると、出題というプロセスは、
「問題(名詞)」を「与える(動詞)」と表記される。
実際には、図6に例示するように、問題という名詞はさ
らに設問形式などを特定するなどして詳細化される。例
えば、それが選択式であれば、その部品として選択肢を
記述する。このようにタスクオントロジーでは、平易な
語彙と自然言語に準じた簡易な文法をモデルの表現とし
て採用しており、オーサが形式的言語によりモデルを
「表現する」ことを強制しない。
【0032】既に述べたようにオントロジーはモデリン
グに対して規約を与える。これを「公理」と呼ぶことに
する。例えば、選択問題に関する公理として、選択問題
の選択肢には何らかの意図が込められていなければなら
ない。選択肢の意図としては、正解、バグ知識による誤
答、ケアレスミス(ひっかけ)などがある。学習者の選
択への対応は、選択肢に込められた意図に対して合理的
でなければならないということがオントロジーに記述さ
れている。このような公理が、オーサが作成するモデル
が適正なものになるように拘束し、訓練システム構築の
ガイドラインとして働くことになる。オントロジーベー
スのオーサリングツールは、オントロジーに基づくこと
によって、ガイドライン(公理)に基づいてオーサリン
グプロセスを適正にナビゲートする能力を持つことがで
きる。
【0033】オントロジーに基づいたオーサリング支援
環境は次のような特長をもっている。 (1) 親和性のある表現のインタフェースの提供:オント
ロジーは人問にとって親和性のよい概念構造を捉えてい
るため、オントロジーに基づいたオーサリング環境のイ
ンタフェースの人間にとって親和性が高い。また、イン
タフェースが提供するモデルの「表現」として、グラフ
ィカルな概念構造(例えばis-a階層の表現)を直接操作
する環境を提供することによって編集作業の負荷の軽減
をはかれる。 (2) モデルの整合性の検証:ガイドラインがオントロジ
ーの公理として明示化されるため、 2-1)ガイドラインに適合するモデルの選択肢を示唆する
ことができる。 2-2)オーサが作成したモデルにオントロジーから見て不
整合がある場合、その箇所を警告・説明することができ
る。
【0034】 1.3オントロジーとオーサリングの階層 まず、訓練システムのオーサの作業(オーサリング)の
内容と手順について検討する。訓練システムの構築から
利用までの間で、システムに関わりを持つ人問を4種類
に分けることにする。(1)訓練システムの利用者(エン
ドユーザ) (2)実際の訓練システムを作成するオーサ(エンドオー
サ) (3)ドメインタイプ固有のオントロジーを作成するオー
サ(タスク・ドメインオントロジーオーサ) (4)核となる訓練オントロジーを作成するオーサ(タス
クオントロジーオーサ)具体的なイメージを示すため
に、本発明で対象としている電力系統の事故復旧問題の
オーサリングに、この区分をあてはめてみると次のよう
になる。 (1)エンドユーザ:特定系統への新配属社員(訓練を受
ける人) (2)エンドオーサ:電力会社の特定の系統の指導員(訓
練の指導員) (3)タスク・ドメインオントロジーオーサ(電力会社の
システム開発部門) (4)タスクオントロジーオーサ(一般の訓練システム作
成ツールの作成者) この例はオーサの階層に組織的な階層をあてはめている
点で恣意的であるが、役割の違いが直観的に明確になっ
ている。それぞれの階層のユーザは、上位のユーザ群に
対して、親和性があり共有・再利用の高いツールを提供
することが目的になる。
【0035】 [2]訓練タスクオントロジーの構成; 2.1基本的な構成 訓練タスクオントロジーの基本構成は図7にその一部を
示しているとおり、最上位で(A)タスクと(B)ドメ
インに大分類している。タスクオントロジーは、「訓
練」問題の目的と、その目的を達成するプロセスを明示
するためのオントロジーである。ドメインオント口ジー
は訓練の対象領域を表すオントロジーである。 訓練タスクオントロジーは、 A-1)訓練目的:訓練システムの目的を表す概念体系。 A-2)インタラクション:学習者とシステムの間でなされ
るインタラクションの概念的定義。(システムの機能に
より実現される) A-3)学習者の状態:学習者の基本的な特性や訓練過程に
おける学習者の状態を表す概念体系。(内部モデルの学
習者モデルとして捉えられる) A-4)教材内容:訓練タスクからみた対象の内容を表す概
念体系。 A-5)合埋性基準:訓練システムの振る舞いについて、目
的とアクシヨンの合理性を表す公理。 A-6)システムの機能:システムが実装している(内部
的)機能を表わす概念体系。 の6つからなる。
【0036】訓練タスクにおいて、ドメイン(対象領
域)は「設備」からなる「系統」と、その上での「業
務」である。事故復旧業務のドメインオントロジーを例
示すると以下のようになる。 B-1)設備オントロジー:電力系統を構成する機器の体系
的な概念定義。 B-2)系統オントロジー:電力系統の構成に関する体系的
な概念定義。特に、機器の接続関係に関する概念定義、
例えば、電力系統の供給側、需要側といった概念が定義
される。 B-3)業務オントロジー:電力系統の事故復旧業務に関す
る概念定義。 ドメインオントロジーの詳細については割愛する。
【0037】 2.2訓練タスクオントロジーの概要 訓練目的(A-1) :訓練目的は訓練の目的を記述するため
の概念を定義するものである。図7には抽象的な語彙が
列挙されているが、実際にモデルの記述に使われる場合
には具体化される。例えば演繹的思者能力はその定義の
中に学習項目をスロットとして持つ。そのスロットに学
習項目のインスタンスがバインドされると、その特定の
学習項目の思考能力が表現されたことになる。また、学
習項目として「一般」という特殊シンボルがバインドさ
れている場合は「一般の思考能力の育成」を表すことに
なる。訓練システムのモデル全体に対して、目的は、オ
ーサのシステム設計意図を明示する役割と、A-6)の合理
性基準のなかで、訓練システムの振る舞いについて、目
的とアクションの合埋性を規定する役割を持っている。
ここで、各項目の前に添付しているインデックス、ある
いは、"-" の記号は、is-a関係をあらわしている。
【0038】インタラクション(A-2):システムと学習
者の間でなされるインタラクションをアクション、コン
トロール、内容、モードで捉えている。項目の前に* が
ついているのはpart-0f の略記型で、4つのスロットの
内容によってインタラクションが規定されることを表し
ている。 学習の状況(A-3) :学習の状況は、学習項目、学習段
階、知識状態、メンタルステートによって表現される。
この学習状態に相当する内部モデルが学習者モデルであ
る。
【0039】教材内容(A-4) :オーサはドメインを訓練
という目的のもとで組織化する。その組織化の結果のフ
ォームを規定するのが教材内容オントロジーである。組
織化の基本構造(A-4-a) は既述したように、業務の流れ
に沿った設問の集合からなる訓練用メインシナリオを表
すバックボーンストリームBSと、学習項目の教授過程
を上記バックボーンストリームBSの特定の状況に合う
ように編成するための訓練用サブシナリオを表すリブス
トリームRSからなる。電力系統事故復旧業務において
は、一つの事故の復旧訓練にーつのバックボーンが対応
し、その復旧操作の時間進行に沿った設問のフロー構造
を表している。設問は業務のフェーズに対応してパート
にまとめられてバックボーンに埋め込まれる。リブスト
リームは例えば、ある機器の系における役割についての
教授する場合を考えてみると、それを教授する状況によ
って、教授の手順や強調するべき内容が異なるのが普通
である。このような状況依存性を捉えるのがリブストリ
ームである。このオントロジーでの訓練タスクの教材構
造は、様々な業務にそったタスク中心の教授過程(バッ
クボーンストリーム)を縦糸として、状況依存のトピッ
ク中心の教授過程(リブストリーム)を横糸として織り
まぜた構造になっている。
【0040】設問(A-4-c) は問題と出題意図を構成要素
とし、設問形式によって特徴づけられている。出題意図
はオーサがその設問に込めた意図、つまり、その設問に
よって、学習者の「どの学習項目についての、思考過程
のどの段階の、どのような状態」を明らかにすることを
意図したものかを明示するための概念である。例えば、
選択型設問については、設問全体の意図に加えて、各選
択肢に対して学習者がそれを選んだ場合にオーサが想定
している誤り仮説が明示され、その内容は、システムに
よって学習者モデル構築で利用される。
【0041】シミュレータ(A-4-g) では、訓練タスクか
らみた教材としてのシュミレータに関する概念が定義さ
れる。シミュレータそれ自体の振る舞いを定義すること
が目的ではなく、あくまでも訓練システムからのオペレ
ーショナリティを定義することが目的となっている。し
たがって、タスクオントロジーとしては、パラメータ設
定のための入力系、操作対象、表示系を限定的に定義し
ている。
【0042】目的一処方−合理性基準(A-5) は、訓練の
目的に対する処方(教授戦略、バックボーン、リブスト
リームの選択)の合理性を定義するものである。合理性
は訓練指針に依存することがあるが図には一般的なもの
を選んで載せている。 −スキル向上*BB 反復:運転スキルの向上を目的とした
場合は、なるべく多くのバックボーンストリーム(BB)を
反復訓練させることが好ましい。 −誤り修正*BB 選択 (目的限定;知識同一&簡略BB):誤
り修正を目的とした場合のバックボーンストリーム選択
では、誤った知識の修正に集中できるように、その知識
の運用が必要でかつ、簡略な状況のバックボーンが好ま
しい。 −知識定着*BB 選択 (限定;状況類似BB) :知識運用力
を定着するために、状況が類似したバックボーンストリ
ームが好ましい。 システムの機能モデルは、知的訓練システムの一般的構
成を捉えている。エンドオーサがこのオントロジーを編
集することを想定しないのが原則であるが、必要に応じ
て開放する。例えば、エンドオーサは必要に応じて、バ
ックボーン・リブストリームの選択基準、説明順序の配
列を決定する基準、介入のタイミングを決定する基準を
変更することができる。ここで、図中の-(k)- は知識源
を表している。
【0043】 2.3タスク・ドメインオントロジー 既に述べたようにオーサリングは、訓練タスクオントロ
ジーで定義される概念を具体化しそれを組み上げて訓練
のモデルを構成する作業である。特に、タスク・ドメイ
ンオントロジーオーサにとっては、タスクオントロジー
の教材構造、学習項目、設問、といった概念をドメイン
オントロジーで定義される設備、系統、業務といった概
念と結合してタスクからみたドメインのオントロジーを
つくりあげることが主要な作業となる。2つの概念を結
合して生まれる概念の体系を、タスクから見たドメイン
オントロジーという意味でタスク・ドメインオントロジ
ーと呼んでいる。タスク・ドメインオントロジーはタス
クの観点からの意味論とドメインの意味をあわせもつこ
とになる。ドメインオントロジーオーサがこの作業を担
当することによって、エンドオーサはタスク・ドメイン
オントロジーの概念を具体化し、それらを相互に組み上
げてモデルを構成する作業に集中できるようになる。
【0044】 [3]オントロジーに基づくオーサリングツール; 図8は、オントロジーベースのオーサリングツールの想
定画面を示している。中央のウィンドウで設問の形式を
選択するとバックボーンストリームを設定するための設
問作成ウィンドウが画面にあらわれる。例えば順序づけ
式を選択すると、図9に例示するような設問作成ウィン
ドウが、また複数選択式を選択すると、図10に例示す
るような設問作成ウィンドが画面に現われる。これら各
設問作成ウィンドウは、設問、選択肢の入力フィール
ド、選択肢の設定意図を入力するフィールドからなって
いる。
【0045】また、図11はリブストリームを設定する
ための設問および説明作成ウインドの画面表示を示して
いる。これらのウィンドウに表れているボタン、フィー
ルド、メニューは、タスクオントロジーで定義されてい
る概念に相当している。また、図には表れていないが、
これにつづいて選択肢フィールドの内容をモデルとして
表現するために、タスク・ドメインオントロジーの概念
によって内容を記述するウィンドウが提示される。この
ように、オントロジーベースのオーサリングツールで
は、人間が認識する概念構造にそったモデル記述の枠組
みが提供される。1.2で導入した用語を用いると、オ
ーサリングツールが、「オントロジー」に基づく「モデ
ル」の、人問にとって親和性の高い「表現」を提供して
いるものとみることができる。
【0046】既に述べたように、オーサリングを支援す
るうえでオントロジーが担う主な役割は、システムの合
埋的な行動原埋を構成するための基準をシステム構築者
に与えることにある。このことをオーサリングツールの
機能として具体的に記述すると、 −モデルの特定の場所に入力可能な選択肢を示唆する。 −モデル全体としての整合性を検証する。 −オーサの意図をモデルに残し、必要があれば説明す
る。 といったものが考えられる。これらの機能が、型チェッ
クなどといった計算論的な無機的な意味論のうえではな
く、タスク・ドメインに対する人間の認識に対応しやす
い知識工学的な意味論の上で提供される点がオントロジ
ーベースのオーサリングシステムの特長となる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、請求項1および請求項6
に記載の発明によれば、システムに予め組み込まれてい
るか、もしくは、オントロジーオーサ用オーサリングツ
ールに整備されているオントロジーをシステムもしくは
オーサリングツールから読出して教育の対象モデルを入
力することにより、人と計算機とが同じ概念を共有する
状態で、たとえ計算機自体や計算機言語などを使用不能
であっても、また経験の浅い教師であっても、教育用メ
インシナリオを設定するための設問ならびに教育用サブ
シナリオを設定するための設問および/または説明を組
織化して容易に知的教育用教材を作成することができる
とともに、その作成した教材内容を容易に追加したり変
更したりすることも容易で、均質でかつ学習者の理解レ
ベルに対応した柔軟な教授戦略がとれる多種多様な教材
を効率よく作成することができるという効果を奏する。
【0048】また、請求項11および請求項18に記載
の発明によれば、システムに予め組み込まれているか、
もしくは、オントロジーオーサ用オーサリングツールに
整備されている訓練タスクオントロジーをシステムもし
くはオーサリングツールから読出して訓練の対象モデル
を入力することにより、人と計算機とが同じ概念を共有
する状態で、たとえ計算機自体や計算機言語などを使用
不能であっても、また経験の浅い教師であっても、一連
の業務の流れをフローチャートで表現した業務フローに
基づいて、その業務の流れに沿った設問の集合からなる
訓練用メインシナリオを設定するための設問ならびに訓
練用メインシナリオの特定の状況に合うように学習項目
の教授過程を編成するための訓練用サブシナリオを設定
するための設問および/または説明を組織化して一連の
訓練の流れをストーリーとして進行させることができる
知的訓練用教材を容易に編集し作成することができると
ともに、その作成した教材内容を容易に追加したり変更
したりすることも容易で、均質でかつ学習者の理解レベ
ルに対応した柔軟な教授戦略がとれる多種多様な訓練用
教材を効率よく作成することができるという効果を奏す
る。
【0049】また、請求項2、7、14または請求項2
1に記載の発明によれば、上記請求項1および6に記載
の発明または請求項11および18に記載の発明の効果
に加えて、各シナリオの設問を作成するときに各設問の
形式に対応して予め準備しているテンプレートの使用に
よって、設問の形式を考えることの煩わしさをなくして
設問の内容のみに注力することが可能となり、効率よ
く、また質が高くて均質な設問を作成することができる
という効果を奏する。
【0050】また、請求項4、請求項9、請求項16ま
たは請求項23に記載の発明によれば、上記設問の形式
に対応するテンプレートに応じた学習者の誤りのテンプ
レートを予め準備しこれを用いることにより、経験不足
や失念のために想定すべき誤りのパターンを見落とすこ
とがなくなり、想定される誤りのパターンを容易に作る
ことが可能で、教材の質を一層向上することができる。
【0051】さらに、請求項5、請求項10、請求項1
7または請求項24に記載の発明によれば、学習者の誤
りのテンプレートに対応して教授戦略テンプレートを予
め準備しておくことにより、経験不足のために決定する
ことが難しい教授戦略の候補を計算機が教師に示し、そ
の中から設問の形式や誤りのパターンに応じて採るべき
教授戦略を任意かつ確実に選択することが可能となり、
これによって、経験の浅い教師へのアドバイス及び経験
豊富な教師のミスの発生を防止することができるという
効果も奏する。
【0052】また、請求項11及び請求項18に記載の
発明を前提とし、請求項12または19に記載の発明の
ように、教授目的に対応するテンプレートを準備するこ
とにより、抽象的な形で教師の頭の中に存在していたに
過ぎない曖昧なレベルの教授項目を具体的な教授項目に
展開して設問作成作業を支援することが可能となり、教
材の質を一層向上することができるとともに、教授目的
を明示させて作成された教材を他の教師が再利用した
り、変更したりすることを容易にすることができる。
【0053】さらに、請求項13または20に記載の発
明によれば、状況認識を教えるための設問、状況判断を
教えるための設問、操作手順を教えるための設問の少な
くとも三つの教授目的に応じた複数種類のテンプレート
を準備することによって、学習者に設備が実際に事故を
発生してからそれが復旧するまでの処置を自然に教授し
訓練させ得る教材の作成を支援することができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る知的教育用教材の作成方法の概念
図である。
【図2】バックボーンストリームとリブストリームとの
関係を示す概念図である。
【図3】本発明に係る知的訓練用教材の作成方法を実現
するための業務フロー作成ツールの説明図である。
【図4】本発明に係る知的訓練用教材の作成方法の実現
にあたっての設問作成のための編集ウインドウの説明図
である。
【図5】本発明に係る知的訓練用教材の作成方法の実現
にあたってのシュミレーションを設定するオーサリング
環境のためのウインドウの説明図である。
【図6】業務フロー作成ツールの画面表示例を示す図で
ある。
【図7】訓練タスクオントロジーの基本構成の一部の説
明図である。
【図8】オントロジーベースのオーサリングツールの想
定画面を示す図である。
【図9】バックボーンストリームを設定するための設問
作成ウィンドウの画面表示の一例を示す図である。
【図10】バックボーンストリームを設定するための設
問作成ウィンドウの画面表示の他の例を示す図である。
【図11】リブストリームを設定するための設問および
説明作成ウインドの画面表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 オントロジー 2 オントロジーライブラリー 4 オーサリングツール BS バックボーンストリーム(メインシナリオ) RS リブストリーム(サブシナリオ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 来 大阪府吹田市五月が丘北2ー9ー209A (72)発明者 左野 利史 大阪府豊中市宮山町1ー6ー30ー1ーB (56)参考文献 特開 平9−34508(JP,A) 特開 平8−320645(JP,A) 特開 平5−188847(JP,A) 特開 平7−287507(JP,A) 特開 平8−110809(JP,A) 特開 平9−305391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09B 5/00 - 7/12

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 教育の対象事項を表現する際の基本とな
    る最小の単位である語彙とその語彙相互間の関係を明示
    する体系的記述として予め作成されたオントロジーを準
    備し、 この準備されたオントロジーを予め教材作成システムに
    読出し可能な状態に組み込むか、もしくは、そのオント
    ロジーを整備してなるオントロジーオーサ用オーサリン
    グツールを用意し、 実際の教育作成者が上記教材作成システムもしくはオー
    サリングツール内から読出したオントロジーと教育の対
    象モデルとを入力することにより、人と同じ概念を共有
    する計算機によって設問列で構成される教育用メインシ
    ナリオを設定するための設問ならびに設問および/また
    は説明の列で構成される教育用サブシナリオを設定する
    ための設問および/または説明を組織化した知的教育用
    教材を作成することを特徴とする知的教育用教材の作成
    方法。
  2. 【請求項2】 上記各シナリオの設問を作成するとき
    に、各設問の形式に対応して予め準備している雛形を用
    いる請求項1に記載の知的教育用教材の作成方法。
  3. 【請求項3】 各設問の形式に対応する雛形として、記
    述式、穴埋め式、計算式、図式表現式、証明式、訂正
    式、単一選択式、複数選択式、順序付け式、その他の形
    式の複数種類を準備し、その複数種類の雛形を適宜選択
    して用いる請求項2に記載の知的教育用教材の作成方
    法。
  4. 【請求項4】 上記設問の形式に対応する雛形に応じた
    学習者の誤りの雛形を予め準備している請求項2または
    3に記載の知的教育用教材の作成方法。
  5. 【請求項5】 上記学習者の誤りの雛形に対応して教授
    戦略雛形を予め準備している請求項4に記載の知的教育
    用教材の作成方法。
  6. 【請求項6】 教育の対象事項を表現する際の基本とな
    る最小の単位である語彙とその語彙相互間の関係を明示
    する体系的記述として予め作成されたオントロジーと、 上記オントロジーを整備してなるオントロジーオーサ用
    オーサリングツールとを備え、 教材作成システムに予め組み込まれたオントロジーもし
    くは上記オントロジーオーサ用オーサリングツール内か
    ら読出されたオントロジーと教育の対象モデルとを入力
    することにより、人と同じ概念を共有する計算機によっ
    て設問列で構成される教育用メインシナリオを設定する
    ための設問ならびに設問および/または説明の列で構成
    される教育用サブシナリオを設定するための設問および
    /または説明を組織化した知的教育用教材を作成するこ
    とを特徴とする知的教育用教材の作成システム。
  7. 【請求項7】 上記オントロジーには、各シナリオの設
    問を作成するときに各設問の形式に対応する雛形が予め
    準備されている請求項6に記載の知的教育用教材の作成
    システム。
  8. 【請求項8】 上記各設問に形式に対応する雛形とし
    て、記述式、穴埋め式、計算式、図式表現式、証明式、
    訂正式、単一選択式、複数選択式、順序付け式、その他
    の形式の複数種類のものが準備されている請求項7に記
    載の知的教育用教材の作成システム。
  9. 【請求項9】 上記設問の形式に対応する雛形に応じた
    学習者の誤りの雛形が予め準備している請求項7または
    8に記載の知的教育用教材の作成システム。
  10. 【請求項10】 上記学習者の誤りの雛形に対応する教
    授戦略雛形が予め準備されている請求項9に記載の知的
    教育用教材の作成システム。
  11. 【請求項11】 訓練の対象事項を表現する際の最小の
    単位である訓練行為、対象物を表現するための語彙とそ
    の語彙相互間の関係を明示する体系的記述としての訓練
    タスクオントロジーを準備し、 この準備された訓練タスクオントロジーを予めシステム
    に組み込むか、もしくは、その訓練タスクオントロジー
    を整備してなるオントロジーオーサ用オーサリングツー
    ルを用意し、 上記システムもしくはオントロジーオーサ用オーサリン
    グツール内から読出した訓練タスクオントロジーと訓練
    の対象モデルとを入力することにより、一連の業務の流
    れをフローチャートで表現した業務フローなどで体系的
    に明示し、その業務の流れに沿った設問の集合からなる
    訓練用メインシナリオを設定するための設問ならびに学
    習項目の教授過程を上記訓練用メインシナリオの特定の
    状況に合うように編成するための訓練用サブシナリオを
    設定するための設問および/または説明を組織化した知
    的訓練用教材を作成することを特徴とする知的訓練用教
    材の作成方法。
  12. 【請求項12】 上記各シナリオの設問を作成するとき
    に、教授目的に対応して予め準備している雛形を用いる
    請求項11に記載の知的訓練用教材の作成方法。
  13. 【請求項13】 上記教授目的に対応する雛形として
    は、状況認識を教えるための設問、状況判断を教えるた
    めの設問、操作手順を教えるための設問の少なくとも三
    種類の雛形が準備されている請求項12に記載の知的訓
    練用教材の作成方法。
  14. 【請求項14】 上記各シナリオの設問を作成するとき
    に、設問の形式に対応して予め準備している雛形を用い
    る請求項11に記載の知的訓練用教材の作成方法。
  15. 【請求項15】 上記各設問の形式に対応する雛形とし
    て、記述式、穴埋め式、計算式、図式表現式、証明式、
    訂正式、単一選択式、複数選択式、順序付け式、その他
    の形式の複数種類のものが準備されている請求項14に
    記載の知的訓練用教材の作成方法。
  16. 【請求項16】 上記設問の形式に対応する雛形に応じ
    た学習者の誤りの雛形を予め準備している請求項14ま
    たは15に記載の知的訓練用教材の作成方法。
  17. 【請求項17】 上記学習者の誤りの雛形に対応して教
    授戦略雛形を予め準備している請求項16に記載の知的
    訓練用教材の作成方法。
  18. 【請求項18】 訓練の対象事項を表現する際の最小の
    単位である訓練行為、対象物を表現するための語彙とそ
    の語彙相互間の関係を明示する体系的記述として設定さ
    れた訓練タスクオントロジーと、 この訓練タスクオントロジーを整備してなるオントロジ
    ーオーサ用オーサリングツールとを備え、 システムに予め組み込まれた訓練タスクオントロジーも
    しくは上記オントロジーオーサ用オーサリングツール内
    から読出された訓練タスクオントロジーと訓練の対象モ
    デルとを入力することにより、計算機上に一連の業務の
    流れをフローチャートで表現した業務フローなどで体系
    的に明示し、その業務の流れに沿った設問の集合からな
    る訓練用メインシナリオを設定するための設問ならびに
    学習項目の教授過程を上記訓練用メインシナリオの特定
    の状況に合うように編成するための訓練用サブシナリオ
    を設定するための設問および/または説明を組織化した
    知的訓練用教材を作成することを特徴とする知的訓練用
    教材の作成システム。
  19. 【請求項19】 上記訓練タスクオントロジーには、各
    シナリオの設問を作成するときに、教授目的に対応する
    雛形が準備されている請求項18に記載の知的訓練用教
    材の作成システム。
  20. 【請求項20】 上記教授目的に対応する雛形として
    は、状況認識を教えるための設問、状況判断を教えるた
    めの設問、操作手順を教えるための設問の少なくとも三
    種類の雛形が準備されている請求項19に記載の知的訓
    練用教材の作成システム。
  21. 【請求項21】 上記訓練タスクオントロジーには、各
    シナリオの設問を作成するときに各設問の形式に対応す
    る雛形が予め準備されている請求項18に記載の知的訓
    練用教材の作成システム。
  22. 【請求項22】 上記各設問の形式に対応する雛形とし
    て、記述式、穴埋め式、計算式、図式表現式、証明式、
    訂正式、単一選択式、複数選択式、順序付け式、その他
    の形式の複数種類のものが準備されている請求項21に
    記載の知的訓練用教材の作成システム
  23. 【請求項23】 上記設問の形式に対応する雛形に応じ
    た学習者の誤りの雛形が予め準備している請求項21ま
    たは22に記載の知的訓練用教材の作成システム。
  24. 【請求項24】 上記学習者の誤りの雛形に対応する教
    授戦略雛形が予め準備されている請求項22に記載の知
    的訓練用教材の作成システム。
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