JP3232445U - 水素含有点滴溶液の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低体温予防の観点から好適に温度管理された水素含有点滴溶液の製造装置を提供する。【解決手段】点滴容器10を外周面が露出された状態で内部空間に収容する耐圧容器部2と、耐圧容器部2と接続された水素ガス供給管30を介して耐圧容器部2の内部空間20に水素ガスを供給する水素ガス供給部3と、耐圧容器部2に配設された発熱部材を発熱させて耐圧容器部2を加熱し、耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10中の点滴溶液を加温する加熱部4と、を具備してなり、水素ガス供給部3にて水素ガスが加圧下で供給され、かつ加熱部4にて加熱された状態で、耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10は、正常体温の温度に加温された点滴溶液に過飽和の水素が含有される。【選択図】図1

Description

本考案は、水素含有点滴溶液の製造装置の技術に関し、より詳細には、気体透過性を有する合成樹脂製の点滴容器に水素ガスを接触させ、前記点滴容器に封入された点滴溶液に水素を含有させた水素含有点滴溶液を製造する水素含有点滴溶液の製造装置に関する。
近年、溶液の改質方法として原料溶液に水素を含有させた水素含有溶液を得る方法が公知となっている。水素含有溶液は、pHが9.0以下と中性に近いながらも低い酸化還元電位を有しており、還元性の溶液としてその活用方法が各種方面で注目されている。特に、医療分野においては、癌、糖尿病、動脈硬化症、胃炎、アトピー性皮膚炎、脳機能障害等の多くの疾患や老化の原因に活性酸素の影響が示唆されているところ、活性酸素の除去という点から還元性を有する水素含有溶液の薬理効果や治療効果が期待されている。
これまでに、上述したような還元性の水素含有溶液を安定供給するための各種製造装置が提案されている。この種の製造装置では、多くは飲料用や外皮用の水素含有溶液を製造するためのものであるが、近年では、輸液製剤等の点滴溶液に水素を含有させた点滴用の水素含有溶液(水素含有点滴溶液)を製造する製造装置が提案されるに至っている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、点滴溶液が封入された点滴容器を水素分子透過性の低い水素貯蔵器に収容し、点滴容器に水素ガスを接触させることで、点滴容器を開封することなく非破壊的に点滴溶液に水素を含有させて水素含有点滴溶液を製造する製造装置が開示されている。かかる製造装置の構成によれば、厳格な管理下で調製された内容物である点滴溶液に外部から一切手を加えることなく水素を含有させることができるため、既に市販されている点滴容器を用いて安全性の高い水素含有点滴溶液を製造できる。
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2に開示される従来の水素含有点滴溶液の製造装置では、常温(又は低温)で点滴溶液に水素を含有させる構成であったため、得られる水素含有点滴溶液も常温(又は低温)であり、水素含有点滴溶液を人体に投与する際には、通常の点滴溶液と同様、患者自身をブランケットや循環式温水マットにて温めたり、点滴容器(水素含有点滴溶液)を温めたりして、別途低体温の予防措置が必要となる場合があった。また、低体温予防の観点から、通常の点滴溶液と同様に、点滴前に水素含有点滴溶液を温めて使用することも可能であるが、水素含有点滴溶液とした後に加熱すると溶存水素の放散が促進される結果、加熱温度や加熱時間等の加熱条件に応じて溶存水素量にばらつきが生じ、安定した水素含有点滴溶液を得ることが困難であった。
特開2010−241787号公報 特開2011−177242号公報
そこで、本考案では、水素含有点滴溶液の製造装置に関し、前記従来の課題を解決するもので、低体温予防の観点から好適に温度管理された水素含有点滴溶液を安定して製造できる装置を提供することを目的とする。
本考案の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、気体透過性を有する合成樹脂製の点滴容器に水素ガスを接触させ、点滴容器に封入された点滴溶液に水素を含有させた水素含有点滴溶液の製造装置において、前記点滴容器を外周面が露出された状態で内部空間に収容する耐圧容器部と、前記耐圧容器部と接続された水素ガス供給管を介して前記耐圧容器部の内部空間に水素ガスを供給する水素ガス供給部と、前記耐圧容器部に配設された発熱部材を発熱させて前記耐圧容器部を加熱し、前記耐圧容器部の内部空間に収容された前記点滴容器中の点滴溶液を加温する加熱部と、を具備してなり、前記水素ガス供給部にて水素ガスが加圧下で供給され、かつ前記加熱部にて加熱された状態で、前記耐圧容器部の内部空間に収容された前記点滴容器は、正常体温の温度に加温された点滴溶液に過飽和の水素が含有されるものである。
請求項2においては、前記加熱部は、前記耐圧容器部の内部空間に配設された温度センサの検出温度に基づいて、前記耐圧容器部の内部空間の温度が調整されるものである。
請求項3においては、前記水素ガス供給部は、前記耐圧容器部の内部空間に配設された圧力センサの検出圧力に基づいて、前記耐圧容器部の内部空間に水素ガスが一定の圧力状態で充填されるものである。
請求項4においては、前記耐圧容器部は、前記外周面が容器本体に接触しない状態で前記点滴容器を吊設する吊設部材が設けられるものである。
請求項5においては、前記耐圧容器部は、内部空間に回転可能に突設された撹拌翼を有する撹拌部材が設けられるものである。
本考案の効果として、低体温予防の観点から好適に温度管理された水素含有点滴溶液を安定して製造することができる。
本考案の一実施例に係る水素含有点滴溶液の製造装置の全体的な構成を示した図である。 点滴容器の正面図及び側面である。 耐圧容器部及び加熱部の断面図である。 耐圧容器部の内部空間に点滴容器を収容する様子を示した断面図である。 水素ガス供給部の概略図である。 別実施例の耐圧容器部及び加熱部の断面図である。 別実施例の耐圧容器部及び加熱部の断面図である。
次に、考案を実施するための形態を説明する。
図1に示すように、本実施例の水素含有点滴溶液の製造装置1は、気体透過性を有する合成樹脂製の点滴容器10に水素ガスを接触させ、点滴容器10に封入された点滴溶液に水素を含有させた水素含有点滴溶液を製造する装置であり、具体的には、点滴容器10を収容する耐圧容器部2と、耐圧容器部2に水素ガスを供給する水素ガス供給部3と、点滴容器10中の点滴溶液を加温する加熱部4等とで構成されている。
図2に示すように、点滴容器10は、医療用容器の一種として所定の点滴溶液が封入された点滴用の容器として構成され、本実施例では公知の輸液バッグとして構成されている。具体的には、点滴容器10は、一対のシート体11・11の外周縁部がヒートシールにて一体化され、外部(外気)と遮断された密閉状のバッグ容器として形成されている。この種のバッグ容器は、軽量で廃棄時の容積が小さいことから医療現場等で好ましく用いられている。また、点滴容器10の一端には輸液口部を有する芯材12が取り付けられ、他端には点滴容器10を吊設するための吊設用穴13が穿設されている。
点滴容器10は、上述したシート体11が気体透過性を有する合成樹脂より形成されている。シート体11の素材としては、点滴容器10を高圧下で蒸気滅菌した時の溶出物が少なく、透明度や柔軟性が良好であり、かつ分子サイズの小さい水素ガス等を容易に透過できることから、例えば、ポリエチレン・ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムやポリスチレンフィルム等が好ましく用いられる。
点滴溶液は、点滴容器10に封入される点滴用の溶液であり、点滴溶液として、例えば、薬液、栄養液、輸液(製剤)、生理食塩水担体、及びこれらの混合液等を用いることができる。点滴溶液としての輸液製剤は、例えば、ブドウ糖液、アミノ酸液、生理食塩液、及びリンゲル液等が挙げられ、主に、水・電解質異常の是正・維持や、経口摂取が不能あるいは不良な時のエネルギー代謝や、蛋白代謝の維持等を目的として投与される他、他の薬剤投与のための含有・希釈剤として使用される。
図1及び図3に示すように、耐圧容器部2は、内部空間20に点滴容器10を収容して、点滴容器10に封入された点滴溶液に水素を含有させる装置として構成され、具体的には、点滴容器10を収容する内部空間20を有する容器本体21と、容器本体21の上開口部を閉止する上蓋体22と、容器本体21の下方位置に突設される水素ガス放出用の開放弁23と、上蓋体22の下面に突設される点滴容器10の吊設部材24と、内部空間20に配設される圧力センサ25等とで構成されている。
容器本体21は、耐圧性素材にて有底筒状体に形成される収容部材として構成され、筒状内部に点滴容器10の収容空間として内部空間20が形成されている。容器本体21は、内部空間20に複数(本実施例では2つ)の点滴容器10を垂直方向に向けた姿勢で水平方向に並べた状態で一度に収容できるように形成されている。
上蓋体22は、容器本体21と同種の耐圧性素材にて形成される蓋部材として構成され、容器本体21の上開口部に着脱可能に配設されている。上蓋体22は、容器本体21の上開口部に配設されることで容器本体21を閉止し、容器本体21の上開口部が締着部材26にて圧接されることで内部空間20が機密状に密閉される。
上蓋体22の上面には、後述する水素ガス供給部3の水素ガス供給管30の一端が接続される接続部22aが設けられており、水素ガス供給管30を送出された水素ガスが接続部22aより内部空間20へと流入される。また、上蓋体22の上面には、後述する加熱部3の温度センサ42が挿通支持される挿通支持部22bが設けられており、挿通支持部22bに挿通支持された温度センサ42が内部空間20に突出して配設される。
開放弁23は、容器本体21の下方位置にて周壁より径方向に向けて突設され、内部空間20と機外(外気)とを連通する手動バルブとして構成されている。開放弁23が開放された状態では、内部空間20の空気や水素ガス等が開放弁23を介して機外(大気中)へと放出される。耐圧容器部2では、開放弁23が開放されることで内部空間20内の空気が排出されて水素ガス雰囲気に置換され、開放弁23が閉止されることで水素ガスが一定の加圧状態で充填される。
吊設部材24は、上蓋体22の下面に突設された側面視略L字状のフック状部材として構成され、容器本体21の径方向に沿って延出されるようにして取付部材27を介して固設されている。点滴容器10は、吊設部材24に吊設用穴13を係止させ、芯材12が鉛直下方に向くようにして吊設される。吊設部材24に吊設された点滴容器10は、外周面11aが空間内に露出され、かつ容器本体21の内周面に接触しない状態で吊持される。本実施例の耐圧容器部2は、複数(本実施例では2つ)の吊設部材24・24が設けられており、1つの吊設部材24に対応する1つの点滴容器10が係止されて相互に接触しないようにして吊設される。
圧力センサ25は、耐圧容器部2の内部空間20の圧力(内圧)を検出する公知のセンサ部材として構成され、上蓋体22の上面に固定されてセンサ部(センサチップ)が内部空間20に露出された状態で配設されている。後述する水素ガス供給部3では、圧力センサ25の検出圧力に基づいて、内部空間20に充填された水素ガスが一定の圧力状態となるように、流量調整部35にて耐圧容器部2に供給される水素ガスの流量が調整される。
図4に示すように、本実施例の耐圧容器部2では、内部空間20に点滴容器10を収容する際には、上蓋体22の吊設部材24に点滴容器10が吊設された状態で、容器本体21の上方より上蓋体22を下降させて、上開口部を介して内部空間20に挿入させる。やがて、容器本体21の上開口部に上蓋体22が当接されて容器本体21が閉止され、次いで、容器本体21の上開口部及び上蓋体22の周縁を挟むようにして締着部材26が取り付けられることで、締着部材26にて容器本体21の上開口部に上蓋体22が圧接され、内部空間20が機密状に閉止された状態で点滴容器10が収容される(図3参照)。
図1及び図5に示すように、水素ガス供給部3は、耐圧容器部2と接続された水素ガス供給管30を介して耐圧容器部2の内部空間20に水素ガスを供給する装置として構成されており、具体的には、水素ガスの生成源として構成される水素ガス生成部31と、水素ガス用の原料水が貯溜される原料水タンク32と、水素ガス生成部31にて生成された水素ガスを精製する水素ガス精製部33と、水素ガス生成部31から送出された水素ガスの圧力を調整する圧力調整部34と、耐圧容器部2に供給される水素ガスの流量を調整する流量調整部35等とで構成されている。
水素ガス供給管30は、内部中空のガス供給用のチューブ体として構成され、一端が水素ガス生成部31に接続され、他端が耐圧容器部2の上蓋体22(接続部22a)に接続されており、水素ガス生成部31にて生成された水素ガスが水素ガス供給管30を介して耐圧容器部2の内部空間20に供給される。
水素ガス生成部31は、水素ガスを生成する機構として公知の電解方式を採用することができ、本実施例では、固体電解質膜の両面に陽極と陰極が一体的に取り付けられた電極膜複合体である陽子交換膜型の電解セルを用いた固体高分子水電解による電解法が採用されている。水素ガス生成部31では、図示せぬ電解槽に注水された原料水に電解セルが浸漬された状態で陽極及び陰極に所定の電圧を印加することで、原料水が電気分解されて高純度の水素ガスが生成される。
原料水タンク32は、原料水としてのイオン交換水等の純水が貯溜されており、原料水タンク32より上述した水素ガス生成部31の電解槽に原料水が還流供給される。
水素ガス精製部33は、乾燥剤としてのシリカゲル等が管状に充填されて構成されており、水素ガス供給部3の装置本体に対して交換可能に配設されている。水素ガス精製部33では、水素ガス生成部31により生成された水素ガスが通過されることで、水素ガス中の水分等の不純物が濾過・乾燥されて、高純度(99.999%)の水素ガスに精製される。
圧力調整部34は、水素ガス生成部31から送出された水素ガスの圧力を調整するものであり、圧力センサ34aにて供給路内を圧送される水素ガスの圧力が検出され、圧力センサ34aの検出圧力に基づいて、電磁弁34bが開閉制御される。圧力調整部34では、水素ガス生成部31より送出される水素ガス量等に応じて供給路内の水素ガスの圧力が所定値となるように適宜調整される。
流量調整部35は、水素ガス供給管30を介して耐圧容器部2に供給される水素ガスの流量を調整するものであり、流量センサ35aにて供給路内を圧送される水素ガスの流量が検出され、流量センサ35aの検出流量に基づいて、流量調整弁35bが開閉制御される。流量調整部35では、上述した耐圧容器部2の圧力センサ25の検出圧力に基づいて、供給路内の下流側に向けて圧送される水素ガスの流量が調整される。
本実施例の水素ガス供給部3では、耐圧容器部2の内部空間20に水素ガスが所定の加圧下で供給される。すなわち、水素ガス供給部3では、耐圧容器部2の圧力センサ25の検出圧力に基づいて、機密状に密閉された耐圧容器部2の内部空間20で水素ガスが加圧状態となるように、流量調整部35にて耐圧容器部2への水素ガスの供給量が調整される。このときの内部空間20の圧力(内圧)は、任意に設定することができ、例えば、0.2MPa〜1.0MPaの範囲で適宜設定される。
図1及び図3に示したように、加熱部4は、耐圧容器部2を加熱することで耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10中の点滴溶液を加温する装置として構成されており、具体的には、発熱源としての発熱部材40と、発熱部材40の発熱温度を調整可能に電力供給するコントローラ部41と、耐圧容器部2の内部空間20に配設される温度センサ42等とで構成されている。
発熱部材40は、帯状又は円筒状の公知のバンドヒータとして構成され、耐圧容器部2の容器本体21の外周面を覆うようにして周壁に配設されている。発熱部材40は、耐圧容器部2の内部空間に収容された点滴容器10と略同一水平面に位置するように配設される。発熱部材40は、コントローラ部41と接続されており、コントローラ部41にて発熱温度が変更されることで上述した耐圧容器部2の加熱温度が調整される。
温度センサ42は、耐圧容器部2の内部空間20の温度を検出する公知のセンサ部材として構成され、上蓋体22の挿通支持部22aに支持されてセンサ部(熱電対やサーミスタ等)が内部空間20に露出された状態で配設されている。温度センサ42は、上述したコントローラ部41に接続されており、温度センサ42の検出温度に基づいてコントローラ部41にて発熱部材40の発熱温度が調整される。
発熱部4では、発熱部材40の発熱により耐圧容器部2(内部空間20及び容器本体21)が加熱されることで、耐圧容器部2(内部空間20及び容器本体21)の熱が点滴容器10へと伝熱(熱伝達及び熱放射)して、点滴容器10中の点滴溶液が加温される。発熱部4にて加温される点滴溶液の温度は、温度センサ42にて検出された内部空間20の温度に基づいて調整される。
本実施例の加熱部4では、耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10中の点滴溶液が正常体温の温度に加温される。正常体温の温度とは、人体において正常であると考えられる温度のことであり、通常では35.5℃〜37.5℃の範囲の温度である。すなわち、加熱部4では、温度センサ42にて検出された内部空間20の温度に基づいて、内部空間20が正常体温の温度である35.5℃〜37.5℃となるように発熱部材40の発熱温度が調整され、耐圧容器部2の加熱により点滴容器10中の点滴溶液が加温される。
なお、加熱部4における加熱時間や加熱温度は、容器本体21及び点滴容器10の大きさや内部空間20の圧力(ガス圧)等に応じて適宜設定される。特に、加熱時間の短縮と水素含有点滴溶液の温度の安定という観点から、予備加熱として耐圧容器部2を高温で加熱した後に、本加熱として予備加熱より温度を下げて点滴容器10中の点滴溶液が正常体温の温度で安定するように加熱するのが好ましい。
本実施例の水素含有点滴溶液の製造装置1では、水素ガス供給部3にて水素ガスが加圧下で供給され、かつ加熱部4にて加熱された状態で、耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10は、外周面11aに水素ガスが接触され、正常体温の温度に加温された点滴溶液に過飽和の水素が含有されている。すなわち、水素含有点滴溶液の製造装置1では、耐圧容器部2の内部空間20が水素ガス加圧下で加熱されることで、気体透過性を有する点滴容器10の外周面11aに接触された水素ガスが点滴容器10内へと透過され、正常体温の温度に加温された点滴溶液中に水素が過飽和で溶解される。
通常、1気圧下で正常体温の温度(35.5℃〜37.5℃)での飽和溶存水素量は1.40mg/L〜1.43mg/Lであるから、水素含有点滴溶液の製造装置1で製造される水素含有点滴溶液には、少なくとも1.40mg/L〜1.43mg/Lを超える過飽和の水素が含有されている。なお、1気圧下・20℃での飽和溶存水素量は1.61mg/Lであり正常体温の温度での飽和溶存水素量より多いが、水素含有点滴溶液の製造装置1で製造された水素含有点滴溶液の溶存水素量が1.40mg/L〜1.43mg/Lであったとしても薬理効果や治療効果を発揮するには十分な水素量である。
一例として、本実施例の水素含有点滴溶液の製造装置1において、点滴溶液として輸液製剤(乳酸リンゲル液)が封入された点滴容器10(商品名:ソルアセトD輸液(250ml)/テルモ社製)を用いて水素含有点滴溶液を製造したところ、かかる点滴容器10(2つ)を耐圧容器部2の内部空間20に収容した状態で、水素ガス供給部3にて水素ガスを100〜1000ml/minの範囲で流量制御して0.4MPaの加圧下で供給し、加熱部4にて75℃で25分間の予備加熱を行った後、37.5℃で35分間の本加熱を行った結果、1気圧下・37.1℃で溶存水素量が1.96mg/Lの過飽和の水素含有点滴溶液が得られた。
このように、本実施例の水素含有点滴溶液の製造装置1を用いることで、正常体温の温度で過飽和に水素が含有された水素含有点滴溶液を安定して得ることができる。
以上のように、本実施例の水素含有点滴溶液の製造装置1は、気体透過性を有する合成樹脂製の点滴容器10に水素ガスを接触させ、点滴容器10に封入された点滴溶液に水素を含有させた水素含有点滴溶液を製造する水素含有点滴溶液の製造装置1において、点滴容器10を外周面12aが露出された状態で内部空間に収容する耐圧容器部2と、耐圧容器部2と接続された水素ガス供給管30を介して耐圧容器部2の内部空間20に水素ガスを加圧下で供給する水素ガス供給部3と、耐圧容器部2に配設された発熱部材を発熱させて耐圧容器部2を加熱し、耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10中の点滴溶液11を正常体温の温度に加温する加熱部4と、を具備してなり、水素ガス供給部2にて水素ガスが加圧下で供給され、かつ加熱部4にて加熱された状態で、耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10は、正常体温の温度に加温された点滴溶液に過飽和の水素が含有されるものであるため、低体温予防の観点から好適に温度管理された水素含有点滴溶液を安定して製造できるのである。
すなわち、本実施例の水素含有点滴溶液の製造装置1では、耐圧容器部2の内部空間20に点滴容器10が外周面11aを露出した状態で、水素ガス供給部3にて内部空間20に水素ガスを加圧下で供給し、加熱部4にて耐圧容器部2を加熱することで、耐圧容器部2にて点滴容器10中の点滴溶液を正常体温の温度にして水素を含有させるように構成されるため、正常体温の温度の水素含有点滴溶液が得られるため、人体に投与する際に従来のような低体温の予防措置が不要となり、医療現場での利便性に優れている。また、製造時点で既に水素含有点滴溶液が正常体温の温度で過飽和の水素が含有されるため、使用時(人体投与時)の水素含有点滴溶液の温度や溶存水素量のバラツキを低減できる。
特に、加熱部4は、耐圧容器部2の内部空間20に配設された温度センサ42の検出温度に基づいて、耐圧容器部2の内部空間20の温度が調整されるものであるため、耐圧容器部2の内部空間20に収容された点滴容器10中の点滴溶液の温度調整が容易で、正常体温の温度の水素含有点滴溶液を安定して製造できる。
また、水素ガス供給部3は、耐圧容器部2の内部空間20に配設された圧力センサ25の検出圧力に基づいて、耐圧容器部2の内部空間20に水素ガスが一定の圧力状態で充填されるものであるため、正常体温の温度の点滴溶液に対しても薬理効果や治療効果を発揮できる量の水素を短時間で安定して含有させることができる。
また、耐圧容器部2は、外周面11aが容器本体21に接触しない状態で点滴容器10を吊設する吊設部材24が設けられるものであるため、内部空間20に露出される点滴容器10の表面積を確保して、吊設部材24に吊設された点滴容器10中の点滴溶液に薬理効果や治療効果を発揮できる量の水素を短時間で安定して含有させることができる。
なお、水素含有点滴溶液の製造装置1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
すなわち、上述した実施例の耐圧容器部2は、内部空間20に外周面11aが容器本体21に接触しない状態で点滴容器10を吊設する吊設部材24が設けられる構成について説明したが、耐圧容器部2における点滴容器10の支持構造や配置構造はこれに限定されず、少なくとも、点滴容器10が外周面11aを露出させた状態で内部空間20に収容されるように構成されればよい。
例えば、図6に示す別実施例の耐圧容器部2のように、上述した実施例の吊設部材24に加えて、内部空間20に回転可能に突設された撹拌翼28aを有する撹拌部材28が設けられてもよい。撹拌部材28は、容器本体21の上蓋体22の下方位置に攪拌翼28aが配設され、上蓋体22の上面に配設された駆動モータ22bにて回転可能に構成されている。撹拌部材28では、撹拌翼28aの回転により内部空間20に対流を発生させることで、発熱部材40にて加熱された耐圧容器部2の熱を点滴容器10へと効果的に伝熱させることができ、短時間でかつ安定して水素含有点滴溶液を得ることができる。
また、図7に示す別実施例の耐圧容器部2のように、上述した実施例(図3参照)の吊設部材24の代わりに、点滴容器10の支持手段として、容器本体21の周壁に容器本体10を付勢支持する付勢板29aを有する付勢部材29が設けられてもよい。付勢部材29は、複数(本実施例では2つ)の平板状の付勢板29aが設けられ、各付勢板29aが容器本体21の中心部に配設された軸部29bにばね部材29cを介して径方向外側に向けて付勢されて配設されている。付勢部材29では、付勢板29aの付勢力によって容器本体21の周壁に点滴容器10が押圧して付勢支持されるものであるため、発熱部材40にて加熱された耐圧容器部2の熱を点滴容器10へと直接に伝熱させることができ、短時間でかつ安定して水素含有点滴溶液を得ることができる。
なお、耐圧容器部2の構成としては、例えば、必ずしも上述した実施例のような吊設部材24や付勢部材29が設けられる必要はなく、更に別部材として内部空間20を区画して点滴容器10ごとに収容するための区画部材等が設けられてもよい。
また、上述した実施例の吊設部材24は、上蓋体22の下面に突設された側面視略L字状のフック状部材として構成される場合について説明したが、吊設部材24の形状はこれに限定されず、また、上述した実施例では2つ吊設部材24が設けられているが、吊設部材24の個数や配置も特に限定されない。
また、上述した実施例の点滴容器10は、一対のシート体11・11をヒートシールして製袋したバッグ容器として構成される場合について説明したが、点滴容器10の構成はこれに限定されず、例えば、医療分野での点滴治療に用いられる輸液バッグとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂をブロー成形したブロー容器として構成されるものを用いてもよい。
また、上述した実施例の加熱部4は、発熱部材40がバンドヒータとして構成される場合について説明したが、発熱部材40の構成はこれに限定されず、例えば、恒温槽に貯溜される温度調節可能な温湯にて加熱するように構成されてもよい。かかる構成では、恒温槽の温湯に耐圧容器部2(容器本体21)を浸漬させることで、温湯の発熱により耐圧容器部2を均一に加熱することができる。
1 水素含有点滴溶液の製造装置
2 耐圧容器部
3 水素ガス供給部
4 加熱部
10 点滴容器
11 シート体
11a 外周面
20 内部空間
21 容器本体
22 上蓋体
23 開放弁
24 吊設部材
25 圧力センサ
30 水素ガス供給管
31 水素ガス生成部
32 原料水タンク
33 水素ガス精製部
34 圧力調整部
35 流量調整部
40 発熱部材
41 コントローラ部
42 温度センサ

Claims (5)

  1. 気体透過性を有する合成樹脂製の点滴容器に水素ガスを接触させ、点滴容器に封入された点滴溶液に水素を含有させた水素含有点滴溶液の製造装置において、
    前記点滴容器を外周面が露出された状態で内部空間に収容する耐圧容器部と、
    前記耐圧容器部と接続された水素ガス供給管を介して前記耐圧容器部の内部空間に水素ガスを供給する水素ガス供給部と、
    前記耐圧容器部に配設された発熱部材を発熱させて前記耐圧容器部を加熱し、前記耐圧容器部の内部空間に収容された前記点滴容器中の点滴溶液を加温する加熱部と、
    を具備してなり、
    前記水素ガス供給部にて水素ガスが加圧下で供給され、かつ前記加熱部にて加熱された状態で、前記耐圧容器部の内部空間に収容された前記点滴容器は、正常体温の温度に加温された点滴溶液に過飽和の水素が含有される、
    ことを特徴とする水素含有点滴溶液の製造装置。
  2. 前記加熱部は、前記耐圧容器部の内部空間に配設された温度センサの検出温度に基づいて、前記耐圧容器部の内部空間の温度が調整される請求項1に記載の水素含有点滴溶液の製造装置。
  3. 前記水素ガス供給部は、前記耐圧容器部の内部空間に配設された圧力センサの検出圧力に基づいて、前記耐圧容器部の内部空間に水素ガスが一定の圧力状態で充填される請求項1又は請求項2に記載の水素含有点滴溶液の製造装置。
  4. 前記耐圧容器部は、前記外周面が容器本体に接触しない状態で前記点滴容器を吊設する吊設部材が設けられる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水素含有点滴溶液の製造装置。
  5. 前記耐圧容器部は、内部空間に回転可能に突設された撹拌翼を有する撹拌部材が設けられる請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の水素含有点滴溶液の製造装置。
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