JP3231643U - Pтpシート用多目的スリーブ - Google Patents

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大谷 英雄
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ゆう 石田
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Abstract

【課題】PTPシートに簡易迅速に装着して、子供による薬剤の誤飲を防止するPТPシート用多目的スリーブを提供する。【解決手段】多目的スリーブA1は、複数の開口部10を有する表面部1と、複数の取出部20を有する裏面部2とを備え、全体として、一端にPTPシートの挿入口4を有する扁平のスリーブ状に形成される。裏面部2の各取出部20は、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込みと止めとからなり、裏面部2で当該複数の切り込みと止めに沿って切り取り可能な破断線21により取り囲み形成されて、破断部20として構成される。【選択図】図6

Description

本考案は、PTPシートに包装された医薬品の子供による誤飲防止、PTPシートに包装された医薬品の携帯中の飛び出し防止、PTPシートに包装された医薬品の服用指導・確認などに適したPТPシート用多目的スリーブに関する。
一般に、医療機関で提供される医薬品、特に内服薬には、錠剤、カプセル、粉末などがあり、それぞれ、製薬メーカーで包装されたパッケージの形で供給される。この場合、錠剤やカプセル錠などの薬剤の包装には、PTP(プレススルーパッケージ)シートが広く用いられている。
このPTPシートは、薬剤を1錠ずつ収容するための複数のポケットを有する表側のシートとしての透明プラスチック成形フィルムと、この薬剤の名称、内容量、製造元などが印刷され、プラスチック成形フィルムの裏面側に接着されて複数のポケットを封止する裏側のシートとしてのアルミシートとからなり、透明プラスチック成形フィルムの各ポケットに薬剤を収容した後、このプラスチック成形フィルムの裏面にアルミシートを加熱接着して、薬剤を封入するようになっている。このようにして薬剤を服用するときに、透明プラスチック成形フィルムのポケットの上から薬剤を押すことにより、裏面のアルミシートがその薬剤の位置で破れて、薬剤を簡易に取り出すことができる。
このように医療機関から提供される薬剤は取扱いやすいPTPシートで包装されているので、患者は薬剤の服用を容易に行うことができる。
さて、このように便利なPTPシートであるが、1シートに複数の薬剤をまとめて収容できること、薬剤を1錠ずつ容易に取り出しできることから、ユーザー側からは医薬品の保管管理上、服用管理上、次のような問題が指摘されている。
(医薬品の保管管理上の問題)
近時、子供による医薬品の誤飲事故が増えていることが報道などにより知られており、PTPシートに包装された薬剤もその例外ではない。概ね6か月から1歳半くらいの子供の場合、身近にあるものを手に取り、口に入れてなめたり噛んだりすることが多く、薬剤も身近にあれば同様で、PTPシートの場合、薬剤を容易に取り出しできることから、薬剤を飲み込みやすい。1歳半から2歳くらいの子供になると、薬剤をお菓子と間違えたり保護者の薬剤を服用する姿を模倣したりして飲んでしまうことがあり、PTPシートの場合、薬剤を容易に取り出しできることから、薬剤の誤飲が起きやすい。したがって、医薬品は子供の手の届かないところに保管することが重要であることは勿論のこと、子供が医薬品を手にした場合でも、PTPシートから薬剤を容易には取り出せないようにすることが必要である。
(医薬品の服用管理上の問題)
医薬品は決められた用法により服用することが必要である。ところが、薬剤の用法が1日一回か複数回かに関らず、決められた時間帯に薬剤を飲むのを忘れたり、決められた時間帯に薬剤を飲んだことを失念して二重に飲んでしまったり、決められた時間帯に薬剤を飲んでいないにも拘わらず飲んだか飲まなかったかが不明となり、結果として飲まなかったりなど、医師に処方された薬剤をその用法通りに服用できないことが少なくない。1枚のPTPシートには複数の薬剤が収容されているため、薬剤を飲んだか飲まなかったかの判別をより困難にしている。したがって、薬剤の服用忘れや二重の服用を防止するための手立てが求められる。
前述の医薬品の保管管理上の問題に対しては、従来、誤飲防止ラベルが特許文献1により提案されている。
この文献1の誤飲防止ラベルは2層(剥離層、薄膜)からなり、PTPシートに適した形状にカットされ、PTPシートのプレススルーパッケージ毎にジッパー線が設けられて、PTPシートのアルミシートに粘着剤で貼り付けるようになっている。このラベルをPTPシートのアルミシート上に貼り付けることで、アルミシートが遮蔽状態となり、PTPシートのポケットを押してもアルミシートは破断されず、薬剤を取り出すことができない。そして、このPTPシートから薬剤を取り出すときは、PTPシートのアルミシートに貼り付けられたラベルのうち一端のプレススルーパッケージに対応する一部から剥離層を引き剥がして、薬剤を取り出す開放状態とする。このとき、ラベルに形成されたジッパー線が切断され、薬剤の取り出しに必要な部分のみが剥がされて開放状態となり、他の部分は遮蔽状態が維持される。この開放状態で、PTPシートのポケットを押すと、薬剤がアルミシートに当接して破断し、アルミシートとともに薄膜も破断されて開口し、薬剤を取り出すことができる。残りの薬剤も順次同様にして取り出すことができる。
このような誤飲防止ラベルを用いることにより、PTPシート内に薬剤を安全に収容保持し、子供がPTPシートから薬剤を取り出せないようにして、子供による薬剤の誤飲を防止することができる。
また、前述の医薬品の服用管理上の問題に対しては、従来、薬の服用方法をサポートするため、薬を小分けにして収納するためのカレンダー式の薬収納具や箱などが提案され、その一例が特許文献2により開示されている。
この文献2の薬収納具は、薬剤を服用する人のために薬剤を服用時期に応じて分けて収納するもので、ボードの上に週間服用表が服用時期と服用日付を縦横の表として形成され、週間服用表の上に着脱手段を設けた薬収納袋配置部が配設され、各々の薬収納袋配置部に薬剤を服用時期に分けて収納する薬収納袋が装着されるようになっている。
このようなカレンダー式の薬収納具や容器を用いて、薬剤を服用すべき日、時間帯毎に薬を小分けにしておけば、各日、各時間帯の薬収納袋内を確認することで、薬剤を服用済みか否かが即時に分かり、薬剤の服用忘れや二重の服用を防止することができる。
特開2015−9888号公報 実用新案登録第3117811号公報
しかしながら、医薬品の保管管理上の問題に対して、上記従来の誤飲防止ラベルを使用する場合、PTPシート1枚毎にラベルをPTPシートのアルミシート上に位置合せして張り付ける精度の高い作業が必要で、この作業を医薬品のユーザー(患者や薬剤師等医療従事者など)が手作業で行う場合、負担が大きく、多くの手間が掛り、煩雑である、という問題がある。
また、医薬品の服用管理上の問題に対して、上記従来の薬収納具を使用する場合、薬剤を服用すべき日、時間帯毎に小分けにする作業が手作業となり、薬剤の数だけ多くの手間が掛り、煩雑である、という問題がある。また、他面で、薬剤がPTPシートで包装されていると、錠剤等を小分けしている間にPTPシートのアルミシートを破いてしまうことがあり、PTPシートを破損してしまうと、薬剤の保存上好ましくない、という問題もある。
本考案は、このような従来の問題を解決するものであり、医薬品のユーザー(患者や薬剤師等医療従事者など)でも、薬剤を収容されたPTPシートに簡易迅速に装着することができ、PTPシートに装着することで、子供によるPТPシート内の薬剤の誤飲を効果的に防止することができ、また併せて、医薬品の携帯中にPТPシートから薬剤が飛び出すのを確実に防止することができ、さらに、PTPシートに包装された薬剤の服用指導・確認を容易かつ適切に行うことができるなど、PТPシートに包装された薬剤の保管管理、服用管理に多目的に用いることのできるPТPシート用多目的スリーブを提供すること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本考案(1)は、
複数の錠剤、カプセル錠を含む複数の薬剤を個別に収容する複数のポケットを有する表側のシートと前記表側のシートの裏面に接着され、前記表側のシートの前記各ポケットを封止する裏側のシートとからなり、複数の薬剤を封入されたPTPシートに装着され、前記PТPシートに封入された複数の薬剤の保管管理、服用管理に多目的に用いるPТPシート用多目的スリーブであって、
前記PTPシートの前記表側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットを挿通可能に複数の開口部を有する表面部と、
前記PTPシートの前記裏側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットに対応して前記裏側のシートから押し出される薬剤を取り出し可能に複数の取出部を有する裏面部と、
を備え、
全体として、少なくとも一端又は一側に前記PTPシートの挿入口を有する扁平のスリーブ状に形成され、
前記裏面部の前記各取出部は、前記表面部の前記各開口部側から押される押圧力に抗する複数の切り込みと止めとからなり、前記裏面部で前記複数の切り込みと止めに沿って切り取り可能な破断線により取り囲み形成されて破断部として構成され、
前記PTPシートは前記挿入口から前記表面部と前記裏面部との間に挿入され、前記PTPシートの前記各ポケットが前記表面部の前記各開口部から突出されて、前記PTPシートに装着され、
前記裏面部の前記破断部を切り開くことによって前記表面部側から前記PTPシートの前記各ポケットを薬剤とともに押し込み可能にした、
ことを要旨とする。
また、このPТPシート用多目的スリーブは各部に次のような構成を有することが好ましい。
(1)破断部の縁部の一部に隣接して当該縁部の一部に少なくとも指先が掛かる程度に切欠部が形成されて、前記破断部は縁部の一部が前記切欠部の切欠縁部により縁部の残部が破断線により取り囲まれる。
この場合、破断部の縁部の一部に隣接して切欠部とともに付加切断部が形成されて、前記破断部の縁部の一部は前記切欠部の切欠縁部及び前記破断部と前記付加切断部との境界にさらに形成される付加切断線からなるものとしてもよい。
(2)破断線は、PTPシートの各ポケットを押す押圧力に対して、複数の止めの全部又は多くが切断されず残置可能に形成されて、破断部は前記押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に構成される。
(3)破断部に医薬品の服用指導・確認のための記入欄を有する。
また、上記目的を達成するために、本考案(2)は、
複数の錠剤、カプセル錠を含む複数の薬剤を個別に収容する複数のポケットを有する表側のシートと前記表側のシートの裏面に接着され、前記表側のシートの前記各ポケットを封止する裏側のシートとからなり、複数の薬剤を封入されたPTPシートに装着され、前記PТPシートに封入された複数の薬剤の保管管理、服用管理に多目的に用いるPТPシート用多目的スリーブであって、
前記PTPシートの前記表側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットを挿通可能に複数の開口部を有する表面部と、
前記PTPシートの前記裏側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットに対応して前記裏側のシートから押し出される薬剤を取り出し可能に複数の取出部を有する裏面部と、
を備え、
全体として、少なくとも一端又は一側に前記PTPシートの挿入口を有する扁平のスリーブ状に形成され、
前記裏面部の前記各取出部は、前記表面部の前記各開口部側から押される押圧力に抗する複数の切り込みと止めとからなり、前記裏面部で前記複数の切り込みと止めに沿って切り取り可能な破断線により取り囲み形成される破断部と、前記破断部に隣接して切り欠き形成される切欠部とにより構成され、
前記PTPシートは前記挿入口から前記表面部と前記裏面部との間に挿入され、前記PTPシートの前記各ポケットが前記表面部の前記各開口部から突出されて、前記PTPシートに装着され、
前記裏面部の前記破断部を切り開くことによって前記表面部側から前記PTPシートの前記各ポケットを薬剤とともに押し込み可能にした、
ことを要旨とする。
また、このPТPシート用多目的スリーブは各部に次のような構成を有することが好ましい。
(1)破断線は、PTPシートの各ポケットを押す押圧力に対して、複数の止めの全部又は多くが切断されず残置可能に形成されて、破断部は前記押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に構成される。
(2)破断部に医薬品の服用指導・確認のための記入欄を有する。
本考案のPТPシート用多目的スリーブ(1)によれば、次のような本考案独自の格別な効果を奏する。すなわち、PТPシート用多目的スリーブは、PTPシートが挿入口から表面部と裏面部との間に挿入され、PTPシートの各ポケットが表面部の各開口部から突出されて、PTPシートに装着されるので、患者自身や薬剤師等医療従事者でも、このPТPシート用多目的スリーブを薬剤を収容されたPTPシートに簡易迅速に装着することができる。そして、このPТPシート用多目的スリーブをPTPシートに装着して、裏面部の破断部を切り開くことによって表面部側からPTPシートの各ポケットを薬剤とともに押し込み可能としたので、PТPシートから薬剤を取り出す際に、裏面部の破断部を切り開く工程を経ないと、薬剤を取り出すことができない。したがって、子供によるPТPシート内の薬剤の誤飲を効果的に防止することができる。また、PТPシート包装の薬剤の携帯中にPТPシートから薬剤が飛び出すのを確実に防止することができる。さらに、破断部に薬剤の服用日又は服用日時などを記入することができ、このようにすることでPTPシート包装の薬剤の服用指導・確認を容易かつ適切に行うことができる。
本考案のPТPシート用多目的スリーブ(2)によれば、次のような本考案独自の格別な効果を奏する。すなわち、PТPシート用多目的スリーブは、PTPシートが挿入口から表面部と裏面部との間に挿入され、PTPシートの各ポケットが表面部の各開口部から突出されて、PTPシートに装着されるので、患者自身や薬剤師等医療従事者でも、このPТPシート用多目的スリーブを薬剤を収容されたPTPシートに簡易迅速に装着することができる。そして、このPТPシート用多目的スリーブをPTPシートに装着して、裏面部の破断部を切り開くことによって表面部側からPTPシートの各ポケットを薬剤とともに押し込み可能としたので、PТPシートから薬剤を取り出す際に、裏面部の破断部を切り開く工程を経ないと、薬剤を取り出すことができない。したがって、子供によるPТPシート内の薬剤の誤飲を効果的に防止することができる。また、このPТPシート用多目的スリーブの場合、裏面部の各取出部が破断部と切欠部とにより構成されて破断部が(上記PТPシート用多目的スリーブ(1)に比べて)小さくなって、この破断部を通常より強く押し込むことで、破断部を一部の止めが切断されず残置されて略半開の状態に押し開くことができ、この略半開の破断部でPТPシートの裏側から押し出された薬剤を保持することができる。したがって、PТPシートから薬剤を取り出す際に、PТPシートから薬剤がポロっと落ちることがなく、落下した薬剤を子どもが誤って飲んでしまうといったことを防止することができる。また、薬剤を服用する者が手が不自由であっても、PТPシートから薬剤を落とすことなく取り出すことができ、安心して服用することができる。さらには、PТPシート包装の薬剤の携帯中にPТPシートから薬剤が飛び出すのを確実に防止することができる。また、破断部に薬剤の服用日又は服用日時などを記入することができ、このようにすることでPTPシート包装の薬剤の服用指導・確認を容易かつ適切に行うことができる。
複数の薬剤を包装する一般的なPТPシートの構成を示す図((a)は正面図(b)は背面図) 本考案の第1の実施の形態としてのPТPシート用多目的スリーブの構成を示す図((a)は正面図(b)は背面図) 同PТPシート用多目的スリーブの組み立て前のブランクシートの構成を示す図(組み立て時に同PТPシート用多目的スリーブの内面をなす側から見た展開図) 同PТPシート用多目的スリーブの組み立て手順を示す図 同PТPシート用多目的スリーブのPTPシートへの装着手順を示す図 同PТPシート用多目的スリーブをPTPシートに装着した状態を示す図 同PТPシート用多目的スリーブの使用例を示す図 同PТPシート用多目的スリーブの別の使用例を示す図 同PТPシート用多目的スリーブのまた別の使用例を示す図 本考案の第2の実施の形態としてのPТPシート用多目的スリーブの構成を示す図((a)は正面図(b)は背面図(c)は左側面図(d)は右側面図(e)は平面図(f)は底面図) 同PТPシート用多目的スリーブの組み立て前のブランクシートの構成を示す図(組み立て時に同PТPシート用多目的スリーブの内面をなす側から見た展開図) 同PТPシート用多目的スリーブをPTPシートに装着した状態を示す図 同PТPシート用多目的スリーブの使用例を示す図 本考案の第3の実施の形態としてのPТPシート用多目的スリーブの構成を示す図((a)は正面図(b)は背面図) 同PТPシート用多目的スリーブの組み立て前のブランクシートの構成を示す図(組み立て時に同PТPシート用多目的スリーブの内面をなす側から見た展開図) 同PТPシート用多目的スリーブをPTPシートに装着した状態を示す図 同PТPシート用多目的スリーブの使用例を示す図
以下、この考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1に一般的なPTPシートを示し、図2、図3に第1の実施の形態を示している。
図1に示すように、PTP(プレススルーパッケージ)シートSは、複数の錠剤、カプセル錠を含む複数の薬剤Kを個別に収容する複数のポケットS1pを有する表側のシートS1と表側のシートS1の裏面に接着され、表側のシートS1の各ポケットS1pを封止する裏側のシートS2とからなり、複数の錠剤、カプセル錠など複数の薬剤Kが封入される。
図2に示すように、PTPシート用多目的スリーブA1(以下の第1の実施の形態の説明において、単に多目的スリーブA1という。)は、複数の薬剤Kを封入されたPTPシートSに装着され、PТPシートSに封入された複数の薬剤Kの保管管理、服用管理に多目的に用いるもので、PTPシートSの表側のシートS1を覆い、表側のシートS1の各ポケットS1pを挿通可能に複数の開口部10を有する表面部1と、PTPシートSの裏側のシートS2を覆い、表側のシートS1の各ポケットS1pに対応して裏側のシートS2から押し出される薬剤Kを取り出し可能に複数の取出部20を有する裏面部2とを備え、全体として、少なくとも一端にPTPシートの挿入口4を有する扁平のスリーブ状に形成されてなる。
そして、この多目的スリーブA1においては、特に、裏面部2の各取出部20が、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み210と止め(繋ぎ部分)211とからなり、裏面部2で当該複数の切り込み210と止め211に沿って切り取り可能な破断線21により取り囲み形成されて、破断部20として構成される。
また、この多目的スリーブA1では、破断部20の縁部の一部201に隣接して当該縁部の一部201に少なくとも指先が掛かる程度に切欠部213が形成されて、破断部20は縁部の一部201が切欠部213の切欠縁部213aにより縁部の残部202が破断線21により取り囲まれる。
さらに、この多目的スリーブA1では、破断線21は、PTPシートSの各ポケットS1pを押す押圧力に対して、複数の止め211の全部又は多くが切断されず残置可能に形成されて、破断部20は押圧力により全体的に押し開き不能に構成される。
なお、この場合の押圧力は、一般の大人がPTPシートSの各ポケットS1pを普通に押す押圧力を基準にしてもよいが、この多目的スリーブA1を提供する目的から、少なくとも、概ね6か月から2歳くらいの子供(段落0006参照)の有する押圧力(口に入れて噛む力を含む。)を基準とするものとする。
またさらに、この多目的スリーブA1では、破断部20に医薬品の服用指導・確認のための記入欄6が設けられる。
このようにしてPTPシートSはこの多目的スリーブA1の挿入口4から表面部1と裏面部2との間に挿入され、PTPシートSの各ポケットS1pが表面部1の各開口部10から突出されて、PTPシートSに装着され、裏面部2の取出部(破断部)20を切り開くことによって表面部1側からPTPシートSの各ポケットS1pを薬剤Kとともに押し込み可能としてある。
この実施の形態では、多目的スリーブA1は、さらに次のように具体化される。
なお、この実施の形態で例示するPTPシートSは、薬剤Kとして円形の錠剤(以下、錠剤Kという。)を1錠ずつ収容するための円形のポケットS1pを左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ有する表側のシートS1としての透明プラスチック成形フィルム(以下、透明プラスチック成形フィルムS1という。)と、この錠剤Kの名称、内容量、製造元などが印刷され、透明プラスチック成形フィルムS1の裏面側に接着されて各ポケットS1pを封止する裏側のシートS2としてのアルミシート(以下、アルミシートS2という。)とからなり、透明プラスチック成形フィルムS1の10個のポケットS1pに錠剤Kが収容され、この透明プラスチック成形フィルムS1の裏面にアルミシートS2が加熱接着されて、10錠の錠剤Kが封入されるものとする。
図3に示すように、この多目的スリーブA1は、板紙その他の比較的厚さがあり直立性を有する紙材により形成されるブランクシートBからなる。この場合、ブランクシートBは全体として縦方向よりも横方向に若干長い角丸の長方形をなし、一方側、この場合、右側に表面部1、他方側、この場合、左側に裏面部2が、それぞれ、中央に折り目3を介して連接して形成され、中央の折り目3を中心に対称になっている。
表面部1は、縦長の略長方形を呈する。この表面部1の右端で表面部1全体の略4分の1の幅が糊接着部12で、その左側で表面部1全体の略4分の3の幅がPТPシートSの表側のシートS1を覆う被覆部13になっている。糊接着部12と被覆部13との間には縦方向に折り目14が付設される。この場合、折り目14はミシン目線からなる。糊接着部12の一端に孔51が一つ設けられる。この場合、孔51は、糊接着部12の下端に、開口部10よりも小径の円形に穿たれる。なお、この孔51は初期状態から開口していてもよく、初期状態は破断線として塞いでおき、使用時に切り抜かれるものとしてもよい。被覆部13は上縁部の中央に下方に凸の円弧状の溝130が形成され、上縁部と下縁部との間にPТPシートSの各ポケットS1pに対応して各ポケットS1pを挿通可能に複数の開口部10が円形に形成される。先述したように、ここでPTPシートSは、ポケットS1pを左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ有するので、これに合わせて、被覆部13に複数の開口部10が左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ、合計10個設けられる。
裏面部2は、縦長の略長方形を呈する。この裏面部2の左端で裏面部2全体の略4分の1の幅が糊接着部22で、その右側で裏面部2全体の略4分の3の幅がPТPシートSの裏側のシートS2を覆う被覆部23になっている。糊接着部22と被覆部23との間には縦方向に折り目24が付設される。この場合、折り目24はミシン目線からなる。糊接着部22の一端に表面部1の孔51に対応して孔52が一つ設けられる。この場合、孔52は、表面部1の孔51と同様に、糊接着部23の下端に、開口部10よりも小径の円形に穿たれる。なお、同様に、この孔52は初期状態から開口していてもよく、初期状態は破断線として塞いでおき、使用時に切り抜かれるものとしてもよい。被覆部23は上縁部の中央に下方に凸の円弧状の溝230が形成され、上縁部と下縁部との間に、表面部1と異なり、PТPシートSの表側のシートS1の各ポケットS1pに対応して、言い換えれば、表面部1の各開口部10に対応して、錠剤Kのための複数の取出部20が形成される。ここでPTPシートSは、ポケットS1pが左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ有するので、これに合わせて、被覆部23に複数の取出部20が左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ、合計10個設けられる。
この裏面部2の各取出部20は、裏面部2の左右方向内側から外側に向けて凸の略U字形に、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み210と止め211とからなり、裏面部2でこの複数の切り込み210と止め211に沿って切り取り可能な破断線(ミシン目線)21を形成されて、この破断線21内に破断部20として形成される。この場合、各破断線21は、PTPシートSの各ポケットS1pを押す押圧力に対して、複数の止め211の全部又は多くが切断されず残置可能に所定の長さに形成されて、各破断部20は押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に形成される。また、各破断線21の上下の両端部は切り込み210になっている。また、この場合、各取出部20は、破断部20の縁部の一部201、この場合、各破断線21の両端部間の縁部201に隣接してこの縁部201に少なくとも指先が掛かる程度に切欠部213が形成される。この切欠部213は左右の各取出部20間で連通され、左右の各破断線21の両端部間の切欠縁部213aは相互に他方の取出部20に向けて凸の弧状(又は爪先形状)に形成される。かくして各取出部20をなす破断部20は縁部の一部201が切欠部213の弧状の切欠縁部213aにより縁部の残部202が略U字形の破断線21により取り囲まれる。なお、各破断部20には外面(外側の面)に、図2(b)に示すように、医薬品の服用指導・確認のための記入欄6として、円形の線とこの円形の線内で右上から左下に延びる斜線からなる日付記入欄(以下の第1の実施の形態の説明において、日付記入欄6という。)が印刷により付される。
そして、この多目的スリーブA1は、組み立て後の表面部1、裏面部2を簡易に接着可能に、表面部1又は裏面部2の一方の糊接着部12又は22、ここでは、裏面部2の糊接着部22に両面テープ25が貼着される。なお、両面テープ25の表面の接着面に剥離紙が付けられており、使用前の表面の接着面が保護される。
この多目的スリーブA1はかかる構成からなり、病院その他の医療機関の薬局や保険調剤薬局で、PТPシートS包装の錠剤Kとともに、患者に、組み立て前のシート(つまり、ブランクシートB)の状態又は組み立て後のスリーブ(つまり、多目的スリーブA1)の状態で、提供される。
図4、図5にこの多目的スリーブA1(ブランクシートB)を組み立て、PТPシートSに装着する手順を示している。図6にこの多目的スリーブA1のPTPシートSに装着後の状態を示している。
図4に示すように、まず、組み立て前のシート状の多目的スリーブA1、すなわち、ブランクシートBを、中央の折り目3を谷折りにして、裏面部2の内面に表面部1の内面を重ねる。次に、裏面部2の糊接着部22に貼着された両面テープ25の表面から剥離紙を剥がして、両面テープ25の接着面に表面部1の糊接着部12を接着する。これにより、組み立て前のシート状の多目的スリーブA1(ブランクシートB)が上部及び下部を線形に開口される扁平のスリーブ状に(つまり、多目的スリーブA1として)組み立てられる。この場合、上部の開口がPТPシートの挿入口4になる。なお、表面部1の糊接着部12の孔51と裏面部2の糊接着部22の孔52もまた重ねられて連通し、一つの孔5となる。このようにして、この多目的スリーブA1の挿入口4から、PТPシートSを挿入する。
この場合、まず、図5(1)に示すように、多目的スリーブA1を一方の手で握り、多目的スリーブA1の両側を少し押圧して、表面部1及び裏面部2の各上縁部間、すなわち、上部の挿入口4を少し大きく開く。このとき、表面部1及び裏面部2の各糊接着部12、22と各被覆部13、23との間に縦方向にミシン目線からなる折り目14、24が設けられていることで、多目的スリーブA1両側の加圧により、表面部1及び裏面部2がそれぞれ外側に凸の円弧状に膨出変形され、上部の挿入口4が簡単かつ円滑に比較的大きく開放される。
続いて、図5(2)に示すように、他方の手でPТPシートSの上端を持ち、PТPシートSの表側、裏側をそれぞれ多目的スリーブA1の表面部1、裏面部2に合わせて、PТPシートSを下端から多目的スリーブA1の上部挿入口4から差し込み、PТPシートS全体を多目的スリーブA1内に挿入する。このとき、多目的スリーブA1の上縁部が円弧状の溝130、230になっていることで、PТPシートSを持つ手の指先が多目的スリーブA1の上縁部に干渉することがなく、PТPシートS全体を多目的スリーブA1内に簡単に入れることができる。
PТPシートS全体を多目的スリーブA1内に挿入したら、図5(3)に示すように、多目的スリーブA1両側の押圧を解き、多目的スリーブA1を扁平状に戻しながら、PТPシートSのすべてのポケットS1pを多目的スリーブA1の各開口部10に対応させて各開口部10に嵌挿する。これにより、図6に示すように、多目的スリーブA1がPТPシートSに装着される。このとき、PТPシートSのすべてのポケットS1pが多目的スリーブA1の各開口部10に嵌め込まれることで、PТPシートSは多目的スリーブA1から抜けにくくなり、多目的スリーブA1をPТPシートSに一度装着すると、既述のとおり、多目的スリーブA1の両側を押圧してPТPシートSのすべてのポケットS1pを多目的スリーブA1の各開口部10から抜かない限り、取り外すことができない。したがって、多目的スリーブA1はPТPシートSから簡単には外れない。
このようにしてPTPシートSは多目的スリーブA1の挿入口4から表面部1と裏面部2との間に挿入され、PTPシートSの各ポケットS1pが表面部1の各開口部10から突出されて、PTPシートSに装着される。そして、錠剤Kを取り出す際は、裏面部2の破断部20を破断線21に沿って切り開くことによって表面部1側からPTPシートSのポケットS1pを錠剤Kとともに押し込み可能となり、PTPシートSの表面の透明プラスチック成形フィルムS1のポケットS1pの上から錠剤Kを押すことにより、その錠剤Kの位置で裏面のアルミシートS2が破れて、錠剤Kが押し出されるようになっている。
図7にPТPシートSに装着した多目的スリーブA1の使用例を示している。なお、この多目的スリーブA1の使用の前に、図6(b)に示すように、裏面部2の各破断部(各取出部)20に医薬品の服用指導・確認のために設けられた日付記入欄6にそれぞれ、服用日を記入しておく。この場合、例えば、最上部の右側の破断部20の日付記入欄6に服用1回目の日付を、最上部の左側の破断部20の日付記入欄6に服用2回目の日付を記入し、その下の各破断部20の各日付記入欄6に服用3回目以降の日付を順次記入していく。
そして、服用1回目の場合であれば、図7(1)に示すように、裏面部2の服用1回目の日付の入った破断部20を確認した後、図7(2)、(3)に示すように、裏面部2の最上部右側の破断部20を破断線21に沿って切り開く。この場合、図2(b)に示すように、破断部20の破断線21の両端部間の縁部(縁部の一部201)に隣接して切欠部213が形成され、この縁部(縁部の一部201)が左側の破断部20に向けて凸の弧状(又は爪先形状)に形成されて、この縁部(縁部の一部201)に例えば親指などの指先が掛けやすくなっているので、この縁部(縁部の一部201)に指先を掛けて、破断部20を引き起こしめくるようにして、切り取ればよい。このようにすると、破断線21の両端部が切り込み210になっていることで切り初めがスムーズで、破断線21が両端から連続的に切断されて、破断部20を1アクションで容易に切り開くことができる。このようにして破断部20が取り開かれて錠剤Kの取出部20として開口され、そこから、PТPシートSの裏面のアルミシートS2が露出される。
続いて、図7(4)に示すように、多目的スリーブA1の表面部1からPTPシートSの透明プラスチック成形フィルムS1のポケットS1p、この場合、最上部の左側のポケットS1pの上から錠剤Kを押すことにより、図7(5)に示すように、その錠剤Kの位置で裏面のアルミシートS2が破れて、錠剤Kが押し出される。このようにしてPТPシートSから錠剤Kが取り出され、錠剤Kを服用することができる。そして、服用日の日付が記入された取出部20が切り開かれたことで、これが、服用日に錠剤Kが取り出されたことの履歴となり、これにより、服用日に錠剤Kを服用済みであることを確認することができる。
服用2回目以降の場合も同様である。
一方、この多目的スリーブA1を装着されたPТPシートSは、図6に示すように、多目的スリーブA1の裏面部2の各破断部20が、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み210と止め211とからなる破断線21により取り囲み形成されていることで、表面部1側からPTPシートSの各ポケットS1pを錠剤Kとともに単に押し込むだけでは、裏面部2の各破断部20の破断線21を破断することができず、各破断部20を押し開くことができない。表面部1側からPTPシートSの各ポケットS1pを押して錠剤Kを裏面部2から押し出すためには、既述のとおり、各破断部20を予め切り開いておく必要がある。このような多目的スリーブA1のしくみから、とりわけ、医薬品を誤って飲んでしまうような年少の子どもが、このPТPシートSを手にして、多目的スリーブA1の表面部1から突出する各ポケットS1pを手で押したり口に入れて噛んだりしても、多目的スリーブA1の裏面部2の各破断部20を押し開くことはできない。また、このような子どもでは、裏面部2の各破断部20を切り開いておかない限り、各ポケットS1pの錠剤Kを裏面部2から取り出すことができないことまでは分からないため、各ポケットS1pから錠剤Kを取り出すことができず、錠剤Kを誤って飲んでしまうことがない。
また他面で、PТPシートSをカバンなどに入れて携帯する際にも、この多目的スリーブA1は有効である。多目的スリーブA1を付けていない一般のPТPシートをカバンに入れて携帯していると、PТPシートのポケットがカバンの中の他のモノに押されたり他のモノとぶつかったりすることで、ポケット内の錠剤がPТPシートから飛び出してしまうことがある。これに対して、多目的スリーブA1を装着されたPТPシートSの場合、カバンの中に入れて携帯中に、カバンの中で表面部1から突出されるPTPシートSの各ポケットS1pが他のモノに押されたり他のモノとぶつかったりしても、裏面部2の各破断部20の破断線21は破断されず、各破断部20は押し開かれることがない。したがって、PТPシートSから錠剤Kの飛び出しを確実に防止することができる。
このように、この多目的スリーブA1では、裏面部2の破断部20を切り開き、表面部1からPТPシートSのポケットS1pを押す2アクションで、PТPシートSから錠剤Kを取り出すようにしたことで、錠剤Kの保護とともに子どもによる医薬品の誤飲防止を強化することができる。
図8、図9にPТPシートSに装着した多目的スリーブA1のまた別の使用例を示している。図8に示すように、この多目的スリーブA1には一方の側部下部に表面部1及び裏面部2の各糊接着部12、22の各孔51、52が重合されてなる一つの孔5が設けられ、この孔5にリングや紐などを通せるようになっている。この孔5に例えばリングRを取り付けることで、複数のPТPシートSに装着した複数の多目的スリーブA1をバラバラにならないように一つにまとめることができる。このように複数の多目的スリーブA1をリングRで一つにまとめておくことで、例えば、複数のPТPシートS包装の複数の種類の錠剤Kを服用している場合に、複数の種類の一部の錠剤を飲み忘れるなど錠剤の服用漏れを防ぐことができる。また、このようなリングRなどを使うことで、図9に示すように、多目的スリーブA1を装着したPТPシートSを住まいの壁に取り付けられたフックFなどに吊り下げて保管することができる。このようにして壁の高い位置に錠剤Kを吊り下げて、小さな子供の手が届かないようにすることでも、子供による錠剤の誤飲を防止することができる。なお、錠剤Kを長時間置いておく場所としては子どもから見えないところが望ましいところ、リングRとフックFを用いれば、そのような場所を容易に確保することができる。
なお、この多目的スリーブA1を使用後のPТPシートSとともに廃棄する場合も利便性がある。この多目的スリーブA1では表面部1及び裏面部2の各糊接着部12、22と各被覆部13、23との間にミシン目線からなる折り目14、24が付されていることで、この折り目14、24に沿って各糊接着部12、22を各被覆部13、23から容易に切り離すことができる。各糊接着部12、22を各被覆部13、23から切り離すと、多目的スリーブA1の一方側が離間し、表面部1、裏面部2間から使用済みのPТPシートSを容易に取り出すことができる。したがって、板紙製の多目的スリーブA1とプラスチック成形フィルムS1及びアルミシートS2からなるPТPシートSとを容易に分別して廃棄することができる。
以上説明したように、この多目的スリーブA1は、PTPシートSが挿入口4から表面部1と裏面部2との間に挿入され、PTPシートSの各ポケットS1pが表面部1の各開口部10から突出されて、PTPシートSに装着されるので、患者自身や薬剤師等医療従事者でも、この多目的スリーブA1を錠剤Kを収容されたPTPシートSに簡易迅速に装着することができる。そして、この多目的スリーブA1をPTPシートSに装着して、裏面部2の破断部20を切り開くことによって表面部1側からPTPシートSの各ポケットS1pを錠剤Kとともに押し込み可能にしたので、PТPシートSから錠剤Kを取り出す際は、裏面部2の破断部20を切り開く一工程を経なければ、つまり、この一手間がなければ、錠剤Kを取り出すことができない。このようにしたことで、子供によるPТPシートS内の錠剤Kの誤飲を確実に防止することができる。また、この多目的スリーブA1はPТPシートS包装の錠剤Kの携帯中にも有効で、PТPシートS内の錠剤Kが常態としてこの多目的スリーブA1により保持されるので、PТPシートSからの錠剤Kの飛び出しを確実に防止することができる。さらに、各破断部20の各日付記入欄6に錠剤Kの服用日又は服用日時などを記入することができ、これらの記入により、PTPシートSの錠剤Kの服用指導・確認を容易かつ適切に行うことができる。
また、この多目的スリーブA1によれば、さらに次のような利点を有する。
この多目的スリーブA1では、裏面部2の各破断部20の縁部の一部201に隣接して当該縁部の一部201に少なくとも指先が掛かる程度に切欠部213が形成されて、各破断部20は縁部の一部201が切欠部213の切欠縁部213aにより縁部の残部202が破断線21により取り囲まれる。このようにすることで、この縁部の一部201に指先を掛けやすく、この縁部の一部201に指先を掛けてつまみ、破断部20を引き起こしめくるようにして、切り取ることができる。これにより、破断線21を連続的に切断して、破断部20を1アクションで容易に切り開くことができる。
この多目的スリーブA1では、裏面部2の破断線21は、PTPシートSの各ポケットS1pを押す押圧力に対して、複数の止め211の全部又は多くが切断されず残置可能に形成されて、破断部20は当該押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に構成される。このようにすることで、表面部1側からPTPシートSの各ポケットS1pを錠剤Kとともに単に押し込むだけでは、裏面部2の各破断部20の破断線21を破断することができず、各破断部20を押し開くことができない。とりわけ、医薬品を誤って飲んでしまうような年少の子どもでは、このPТPシートSを手にして、多目的スリーブA1の表面部1から突出する各ポケットS1pを手で押したり口に入れて噛んだりしても、多目的スリーブA1の裏面部2の各破断部20を押し開くことはできない。また、このような子どもでは、裏面部2の各破断部20を切り開いておかない限り、各ポケットS1pの錠剤Kを裏面部2から取り出すことができないことまでは分からないため、各ポケットS1pから錠剤Kを取り出すことはできない。したがって、子どもによる錠剤Kの誤飲をより確実に防止することができる。
この多目的スリーブA1では、裏面部2の各破断部20に医薬品の服用指導・確認のための日付記入欄6が印刷されているので、この日付記入欄6にそれぞれ、服用日を記入でき、この記入した日付を視認しやすくすることができる。そして、PТPシートSから錠剤Kを取り出す際に、裏面部2の各破断部20を切り開くので、服用日の日付が記入された取出部20が切り開かれることで、服用日に錠剤Kが取り出されて服用済みであることを瞬時に確認することができる。
図10、図11に第2の実施の形態を示している。図10に示すように、この多目的スリーブA2は、第1の実施の形態と同様に、表面部1と、裏面部2とを備え、全体として扁平のスリーブ状に形成されてなる。そして、この多目的スリーブA2においても、裏面部2の各取出部20が、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み210と止め211とからなり、裏面部2で当該複数の切り込み210と止め211に沿って切り取り可能な破断線21により取り囲み形成されて、破断部20として構成される。
この多目的スリーブA2は、基本的に、第1の実施の形態のものと概ね共通の構成を備え、破断部20の縁部の一部203に隣接して切欠部214とともに付加切断部215を有する点で、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態では、図2に示すように、裏面部2の破断部20の縁部の一部201に隣接して当該縁部の一部201に少なくとも指先が掛かる程度に切欠部213が形成されて、破断部20は縁部の一部201が切欠部213の切欠縁部213aにより縁部の残部202が破断線21により取り囲まれるものとした。これに対して、この実施の形態では、図10に示すように、破断部20の縁部の一部203に隣接して切欠部214とともに付加切断部215が形成されて、破断部20の縁部の一部203は切欠部214の切欠縁部214a及び破断部20と付加切断部215との境界にさらに形成される付加切断線215aからなるものとした。
以下、この多目的スリーブA2の説明では、第1の実施の形態と共通の構成については、第1の実施の形態と同様の符号を付すことによりその重複した説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成については、新たな符号を付して説明を追加することとする。
なお、第2の実施の形態においても、PТPシートSは、円形の錠剤Kを1錠ずつ収容するための円形のポケットS1pを左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ有する表側のシートとしての透明プラスチック成形フィルムS1と、この錠剤Kの名称、内容量、製造元などが印刷され、透明プラスチック成形フィルムS1の裏面側に接着されて各ポケットS1pを封止する裏側のシートとしてのアルミシートS2とからなり、透明プラスチック成形フィルムS1の10個のポケットS1pに錠剤Kを収容され、この透明プラスチック成形フィルムS1の裏面にアルミシートS2が加熱接着されて、10錠の錠剤Kが封入されるものとする。
この多目的スリーブS2では、裏面部2の各取出部20は次のように具体化される。なお、ここで裏面部2の各取出部20は、PTPシートSのポケットS1pが左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ有するのに合わせて、左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ、合計10個設けられる。
裏面部2の各取出部20は、裏面部2の左右方向内側から外側に向けて凸の略U字形に、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み210と止め(繋ぎ部分)211とからなり、裏面部2でこの複数の切り込み210と止め211に沿って切り取り可能な破断線(ミシン目線)21を形成されて、この破断線21内に破断部20として形成される。
この場合、破断線21は、PTPシートSの各ポケットS1pを押す押圧力に対して、複数の止め211の全部又は多くが切断されず残置可能に所定の長さに形成されて、破断部20は押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に形成される。この破断線21の上下の両端部は切り込み210になっている。なお、この場合の押圧力は既述のとおりである(段落0030参照)。
また、この場合、各取出部20は、破断部20の縁部の一部203、この場合、各破断線21の上下の両端部間の縁部に隣接してこの縁部に少なくとも指先が掛かる程度の切欠部214とともに付加切断部215が形成される。
切欠部214は、左右の各破断線21の両端部間の縁部上半部間に横長の略長方形状に切り欠き形成されて、左右の各取出部20間で連通して形成される。この場合、切欠部214は、左右の各切欠縁部214aが上下方向に直線状に延びる線形に、上の切欠縁部214bが左右方向に直線状に延びる線形に、下の切欠縁部214cが下方に向けて凸の弧状に、それぞれ形成されて、全体として概ね長方形を呈する。
付加切断部215は、左右の各破断線21の両端部間の縁部下半部間に横長の略長方形状に形成されて、左右の各取出部20間に連続して形成される。この場合、付加切断部215は、左右の各縁部、すなわち、左右の各破断線21の両端部間の各縁部下半部に付加切断線(ミシン目線)215aが上下方向に直線状に延びる線形に、下の縁部、すなわち、左右の各破断線21の下側の端部間に付加切断線(ミシン目線)215bが直線状に延びる線形に、それぞれ形成され、上の縁部が切欠部214の下の切欠縁部214cで、下方向に向けて凸の弧状に形成されて、全体として概ね長方形を呈する。この付加切断部215の左右の各付加切断線215aの上端部は切り込み2150である。
かくして各取出部20をなす破断部20は、縁部の一部203が切欠部214の線形の切欠縁部214a及び破断部20と付加切断部215との境界にさらに形成された付加切断線215aにより、縁部の残部204が略U字形の破断線21により取り囲まれてなる。
なお、各破断部20には、第1の実施の形態と同様に、医薬品の服用指導・確認のための記入欄として、円形の線とこの円形の線内で右上から左下に延びる斜線からなる日付記入欄6が印刷により付される(図10参照)。
この多目的スリーブA2(ブランクシートB)を組み立て、PTPシートSに装着する手順は、第1の実施の形態と同様である(図5参照)。図12にこの多目的スリーブA2のPTPシートSに装着後の状態を示している。
図13にPТPシートSに装着したこの多目的スリーブA2の使用例を示している。なお、この多目的スリーブA2の使用の前に、裏面部2の各破断部(各取出部)20の各日付記入欄6に、服用日を記入しておくことは、第1の実施の形態と同様である。
例えば、服用1回目の場合、図13(1)に示すように、裏面部2の服用1回目の日付の入った破断部20を確認した後、図13(2)−(4)に示すように、まず、裏面部2の最上部の付加切断部215を付加切断線215aに沿って切り開く。この場合、各破断部20の各破断線21間の縁部に沿って切欠部214及び付加破断部215が形成され、切欠部214の下の付加切断部215の上の縁部が下方に向けて凸の弧状に形成されて、この上の縁部に例えば人差し指などの指先が掛けやすくなっているので、この上の縁部に人差し指を掛けて親指とともにつまみ、付加切断部215を下に向けて切り起こす。このようにすると、左右の各付加切断線215aの上端部が切り込み2150(図11参照)になっていることで切り初めがスムーズで、各付加切断線215aが上端部から連続的に切断されて、付加切断部215を1アクションで容易に切り開くことができる。そして、この付加切断部215を下の付加切断線215bから切り取ればよい。なお、この付加切断部215は切り起こすだけで、切り取らなくてもよい。このようにして付加切断部215が切り開かれると、付加切断部215両側の左右の各破断部20が付加切断部215から切り離され、切欠部214が下方に拡張される。
続いて、図13(5)、(6)に示すように、裏面部2の最上部右側の破断部20を破断線21に沿って切り開く。この場合、破断部20の破断線21の両端部間の縁部(縁部の一部203)に隣接して切欠部214が形成され、この縁部(縁部の一部203)から付加切断部215が切り離されて、この縁部(縁部の一部203)に例えば親指などの指先が掛けやすくなっているので、この縁部(縁部の一部203)に親指を掛けて人差し指とともにつまみ、破断部20を引き起こしめくるようにして、切り取ればよい。このようにすると、破断線21の両端部が切り込み210(図11参照)になっていることで切り初めがスムーズで、破断線21が両端から連続的に切断されて、付加切断部215を切断する1アクションに続く破断部20を切断する2アクションで容易に切り開くことができる。このようにして破断部20が取り開かれて錠剤の取出部20として開口され、そこから、PТPシートSの裏面のアルミシートS2が露出される。
そして、図13(7)に示すように、多目的スリーブA2の表面部1からPTPシートSの透明プラスチック成形フィルムS1のポケットS1p、この場合、最上部の左側のポケットS1pの上から錠剤Kを押すことにより、図13(8)に示すように、その錠剤Kの位置で裏面のアルミシートS2が破れて、錠剤Kが押し出される。このようにしてPТPシートSから錠剤Kが取り出され、錠剤Kを服用することができる。なお、服用日の日付が記入された取出部20が切り開かれたことで、これが、服用日に錠剤Kが取り出されたことの履歴となり、これにより、服用日に錠剤Kを服用済みであることを確認することができる。
服用2回目以降の場合も同様である。
このようにしても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する上、特に第2の実施の形態では、裏面部2の付加切断部215、破断部20を2アクションで切り開き、表面部1からPТPシートSのポケットS1pを押す合計3アクションで、PТPシートSから錠剤Kを取り出すようにしたことで、第1の実施の形態に比べて、錠剤Kの保護とともに子どもによる医薬品の誤飲防止をより強化することができる。
図14、図15に第3の実施の形態を示している。図14に示すように、この多目的スリーブA3は、第1、第2の実施の形態と同様に、複数の錠剤、カプセル錠を含む複数の薬剤Kを個別に収容する複数のポケットS1pを有する表側のシートS1と表側のシートS1の裏面に接着され、表側のシートS1の各ポケットS1pを封止する裏側のシートS2とからなり、複数の薬剤Kを封入されたPTPシートSに装着され、PТPシートSに封入された複数の薬剤Kの保管管理、服用管理に多目的に用いるもので、PTPシートSの表側のシートS1を覆い、表側のシートS1の各ポケットS1pを挿通可能に複数の開口部10を有する表面部1と、PTPシートSの裏側のシートS2を覆い、表側のシートS1の各ポケットS1pに対応して裏側のシートS2から押し出される薬剤Kを取り出し可能に複数の取出部70を有する裏面部2とを備え、全体として、少なくとも一端にPTPシートSの挿入口4を有する扁平のスリーブ状に形成される。
そして、この多目的スリーブA3においては、特に、裏面部2の各取出部70は、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み710と止め711とからなり、裏面部2で複数の切り込み710と止め711に沿って切り取り可能な破断線71により取り囲み形成される破断部712と、破断部712に隣接して切り欠き形成される切欠部713とにより構成される。
また、この多目的スリーブA3でも、破断線71は、PTPシートSの各ポケットS1pを押す押圧力に対して、複数の止め711の全部又は多くが切断されず残置可能に形成されて、破断部70は押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に構成される。
さらに、この多目的スリーブA3でも、破断部70に医薬品の服用指導・確認のための記入欄8を有する。
このようにしてPTPシートSはこの多目的スリーブA3の挿入口4から表面部1と裏面部2との間に挿入され、PTPシートSの各ポケットS1pが表面部1の各開口部10から突出されて、PTPシートSに装着される。そして、裏面部2の破断部70を切り開くことによって表面部1側からPTPシートSの各ポケットS1pを薬剤Kとともに押し込み可能としてある。
この多目的スリーブA3は、基本的に、第1の実施の形態のものと共通の構成を有し、裏面部2の各取出部70が破断部712と切欠部713とからなる点で、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態では、図2に示すように、裏面部2の各取出部20は、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み210と止め211とからなり、裏面部2で複数の切り込み210と止め211に沿って切り取り可能な破断線21により取り囲み形成されて破断部20として構成されるものとした。これに対して、この実施の形態では、図14に示すように、裏面部2の各取出部70は、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み710と止め711とからなり、裏面部2で複数の切り込み710と止め711に沿って切り取り可能な破断線71により取り囲み形成される破断部712と、破断部712に隣接して切り欠き形成される切欠部713とにより構成されるものとした。
以下、この多目的スリーブA3の説明では、第1の実施の形態と共通の構成は、第1の実施の形態と同様の符号を付すことによりその重複した説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成については、新たな符号を付して説明を追加することとする。
なお、第3の実施の形態においても、PТPシートSは、薬剤Kとして円形の錠剤(以下のこの実施の形態の説明において、錠剤Kという。)を1錠ずつ収容するための円形のポケットS1pを左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ有する表側のシートS1としての透明プラスチック成形フィルム(以下のこの実施の形態の説明において、透明プラスチック成形フィルムS1という。)と、この錠剤Kの名称、内容量、製造元などが印刷され、透明プラスチック成形フィルムS1の裏面側に接着されて各ポケットS1pを封止する裏側のシート2としてのアルミシート(以下のこの実施の形態の説明において、アルミシートS2という。)とからなり、透明プラスチック成形フィルムS1の10個のポケットS1pに錠剤Kが収容され、この透明プラスチック成形フィルムS1の裏面にアルミシートS2が加熱接着されて、10錠の錠剤Kが封入されるものとする。
この多目的スリーブA3では、裏面部2の各取出部70は次のように具体化される。なお、ここで裏面部2の各取出部70は、PTPシートSのポケットS1pが左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ有するのに合わせて、左右方向に2列、各列上下方向に5個ずつ、合計10個設けられる。
図14、図15に示すように、裏面部2の各取出部70において、破断部712は、裏面部2の左右方向右側から左側に向けて凸の略半円形に、表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み710と止め711とからなり、裏面部2でこの複数の切り込み710と止め711に沿って切り取り可能な破断線(ミシン目線)71を形成されて、この破断線71内に破断部712として形成される。
この場合、各破断線71は、PTPシートSの各ポケットS1pを押す押圧力に対して、複数の止め711の全部又は多くが切断されず残置可能に所定の長さに形成されて、各破断部70は押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に形成される。また、各破断線71の上下の両端部は切り込み710になっている。
なお、この場合の押圧力は既述のとおりである(段落0030参照)。
また、この場合は、破断部712が取出部70の半分(半円部分)になっていて面積が小さく、破断線71はその分だけこの押圧力に対して抗する力が低下して、少し強めに押圧力を加えることで、破断線71の止め711は切断されるものがあれば、切断されず残置するものもあり、破断部712は略半開の状態に切り開き可能になっている。
また、裏面部2の各取出部70において、切欠部713は、破断部712の縁部の一部701、この場合、各破断線71の上下両端部間の縁部に隣接してこの縁部に少なくとも指先が掛かる程度の大きさに形成される。この場合、切欠部713は、左右の各破断線71の両端部間の縁部にこの縁部を直径線とする略半円形に形成される。破断線71と切欠部713の縁部全体で略円形になっている。
かくして各取出部70において破断部712は、縁部の一部701が切欠部713の線形の切欠縁部713aにより、縁部の残部702が略半円形の破断線71により取り囲まれてなる。
なお、各破断部712には、第1、第2の実施の形態と同様に、医薬品の服用指導・確認のための記入欄8として、円形の線とこの円形の線内で右上から左下に延びる斜線からなる日付記入欄(以下のこの実施の形態の説明において、日付記入欄8という。)が印刷により付される。
この多目的スリーブA3はかかる構成からなり、病院その他の医療機関の薬局や保険調剤薬局でPТPシートS包装の錠剤Kとともに患者に組み立て前のシートの状態(つまり、ブランクシートB)又は組み立て後のスリーブの状態(つまり、多目的スリーブA3)で、提供される。なお、この多目的スリーブA3を組み立て、PТPシートSに装着する手順は、第1の実施の形態と同様である(図4、図5参照)。図16にこの多目的スリーブA3のPTPシートSに装着後の状態を示している。
図17にPТPシートSに装着した多目的スリーブA3の使用例を示している。なお、この多目的スリーブA3の使用の前に、裏面部2の各破断部712の日付記入欄8にそれぞれ、服用日を記入しておく。この場合、例えば、最上部の左側の破断部712の日付記入欄8に服用1回目の日付を、最上部の右側の破断部712の日付記入欄8に服用2回目の日付を記入し、その下の各破断部712の各日付記入欄8に服用3回目以降の日付を順次記入していく。
そしてまず、服用1回目の場合、裏面部2の服用1回目の日付の入った破断部712を確認した後、図17(1)に示すように、多目的スリーブA3の表面部1からPTPシートSの透明プラスチック成形フィルムS1のポケットS1p、この場合、最上部の右側のポケットS1pの上から錠剤Kを通常よりも強く押す。このポケットS1p(錠剤K)の押圧により、図17(2)に示すように、裏面部2の対応する取出部70の内側で、裏面のアルミシートS2の対応する箇所が破れて、錠剤Kが押し出される。
この錠剤Kにより裏面部2の破断部712が押圧されると、この場合、既述のとおり、破断部712が取出部70の半分(半円部分)になっていて面積が小さく、破断線71はその分だけこの押圧力に対して抗する力が低下していることから、この強めの押圧力により破断部712は止め711の一部が切断されず残置されて略半開の状態で切り開かれる。これにより、この破断部712の内側でアルミシートS2を破って押し出された錠剤Kはこの破断部712から落下することなしにこの破断部712に保持される。
このようにこの多目的スリーブA3では、PТPシートSから押し出された錠剤Kは多目的スリーブA3の破断部712、つまり取出部70から飛び出しにくくなっている。このため、PТPシートSから錠剤Kを取り出す際は、PТPシートSから錠剤Kがポロっと落ちることがなく、落下した錠剤Kを子どもが拾って誤って飲んでしまうといったリスクを回避することができる。また、錠剤Kを服用する者が手が不自由であっても、PТPシートSから錠剤Kを落とすことなく取り出すことができ、錠剤Kを安心して服用することができる。
そして、服用日の日付が記入された取出部70が切り開かれたことで、これが、服用日に錠剤Kが取り出されたことの履歴となり、これにより、服用日に錠剤Kを服用済みであることを確認することができる。
服用2回目以降の場合も同様である。
以上説明したように、この多目的スリーブA3では、裏面部2の各取出部70は略半円形の破断部712と略半円形の切欠部713とからなる。そして、破断部712は表面部1の各開口部10側から押される押圧力に抗する複数の切り込み710と止め711とからなる破断線71により取り囲み形成される。このようにしてPTPシートSがこの多目的スリーブA3の挿入口4から表面部1と裏面部2との間に挿入され、PTPシートSの各ポケットS1pが表面部1の各開口部10から突出されて、PTPシートSに装着される。そして、表面部1側から通常よりも少し強い押圧力でPTPシートSの各ポケットS1pを錠剤Kとともに押し込むことにより、裏面部2の破断部712を複数の止め711の一部が切断されず残置されて切り開き可能に、この場合は、半開可能にしたので、表面部1においてPTPシートS表面のポケットS1pの上から少し強めに錠剤Kを押すことにより、PТPシートS裏面から押し出された錠剤Kを半開の破断部70で保持することができる。したがって、PТPシートSから錠剤Kを取り出す際に、PТPシートSから錠剤Kがポロっと落ちることがなく、落下した錠剤Kを子どもが拾って誤って飲んでしまうといったことがない。また、錠剤Kを服用する者が手が不自由であっても、PТPシートSから錠剤Kを落とすことなく取り出すことができ、安心して服用することができる。
なお、ここでは、多目的スリーブA3に特有の効果について説明した。そもそも、この多目的スリーブA3においても、裏面部2の破断部712を切り開くことによって表面部1側からPTPシートSの各ポケットS1pを錠剤Kとともに押し込み可能としてあるので、PТPシートSから錠剤Kを取り出す際は、裏面部2の破断部712を切り開く一工程を経なければ、つまり、この一手間がなければ、錠剤Kを取り出すことができない。したがって、子供によるPТPシートS内の錠剤Kの誤飲を確実に防止することができるなど、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができることは言うまでもない。
なお、第1、第2、第3の各実施の形態の各多目的スリーブA1、A2、A3はそれぞれ、次のように変更可能である。
各多目的スリーブA1、A2、A3はそれぞれ、上端(一端)にPTPシートの挿入口4を有するものとし、下端もまた開口されているが、下端は接着などして閉塞されていてもよい。また、この挿入口4は上端に代えて、左側部又は右側部又は左右両側部に設けられてもよい。このようにしても上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
各多目的スリーブA1、A2、A3はそれぞれ、ブランクシートBからなり、このブランクシートBは板紙その他の比較的厚さがあり直立性を有する紙材により形成されるものとしたが、合成樹脂製のシートにより形成されてもよい。このようにしても上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
各多目的スリーブA1、A2、A3はそれぞれ、表面部1又は裏面部2の一方の糊接着部12又は22、ここでは、裏面部2の糊接着部22に両面テープ25が貼着されて、組み立て後の表面部1、裏面部2を簡易に接着可能にしているが、各糊接着部12、22は一般的な接着剤で接着されてもよい。このようにしても上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
S PTPシート
S1 表側のシート
S1p ポケット
S2 裏側のシート
K 薬剤(錠剤)
A1、A2、A3 PTPシート用多目的スリーブ
B ブランクシート
1 表面部
10 開口部
12 糊接着部
13 被覆部
130 溝
14 折り目
2 裏面部
20 取出部(破断部)
201 縁部の一部
202 縁部の残部
203 縁部の一部
204 縁部の残部
21 破断線
210 切り込み
211 止め(繋ぎ部分)
213 切欠部
213a 切欠縁部
214 切欠部
214a 切欠縁部
214b 切欠縁部
214c 切欠縁部
215 付加切断部
215a 付加切断線(ミシン目線)
215b 付加切断線(ミシン目線)
2150 切り込み
22 糊接着部
23 被覆部
230 溝
24 折り目
25 両面テープ
3 折り目
4 挿入口
5 孔
51 孔
52 孔
R リング
F フック
6 記入欄(日付記入欄)
70 取出部(破断部)
701 縁部の一部
702 縁部の残部
71 破断線
710 切り込み
711 止め(繋ぎ部分)
712 破断部
713 切欠部
713a 切欠縁部
8 記入欄(日付記入欄)

Claims (8)

  1. 複数の錠剤、カプセル錠を含む複数の薬剤を個別に収容する複数のポケットを有する表側のシートと前記表側のシートの裏面に接着され、前記表側のシートの前記各ポケットを封止する裏側のシートとからなり、複数の薬剤を封入されたPTPシートに装着され、前記PТPシートに封入された複数の薬剤の保管管理、服用管理に多目的に用いるPТPシート用多目的スリーブであって、
    前記PTPシートの前記表側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットを挿通可能に複数の開口部を有する表面部と、
    前記PTPシートの前記裏側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットに対応して前記裏側のシートから押し出される薬剤を取り出し可能に複数の取出部を有する裏面部と、
    を備え、
    全体として、少なくとも一端又は一側に前記PTPシートの挿入口を有する扁平のスリーブ状に形成され、
    前記裏面部の前記各取出部は、前記表面部の前記各開口部側から押される押圧力に抗する複数の切り込みと止めとからなり、前記裏面部で前記複数の切り込みと止めに沿って切り取り可能な破断線により取り囲み形成されて破断部として構成され、
    前記PTPシートは前記挿入口から前記表面部と前記裏面部との間に挿入され、前記PTPシートの前記各ポケットが前記表面部の前記各開口部から突出されて、前記PTPシートに装着され、
    前記裏面部の前記破断部を切り開くことによって前記表面部側から前記PTPシートの前記各ポケットを薬剤とともに押し込み可能にした、
    ことを特徴とする子どもPТPシート用多目的スリーブ。
  2. 破断部の縁部の一部に隣接して当該縁部の一部に少なくとも指先が掛かる程度に切欠部が形成されて、前記破断部は縁部の一部が前記切欠部の切欠縁部により縁部の残部が破断線により取り囲まれる請求項1に記載のPТPシート用多目的スリーブ。
  3. 破断部の縁部の一部に隣接して切欠部とともに付加切断部が形成されて、前記破断部の縁部の一部は前記切欠部の切欠縁部及び前記破断部と前記付加切断部との境界にさらに形成される付加切断線からなる請求項2に記載のPТPシート用多目的スリーブ。
  4. 破断線は、PTPシートの各ポケットを押す押圧力に対して、複数の止めの全部又は多くが切断されず残置可能に形成されて、破断部は前記押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に構成される請求項1乃至3のいずれかに記載のPТPシート用多目的スリーブ。
  5. 破断部に医薬品の服用指導・確認のための記入欄を有する請求項1乃至4のいずれかに記載のPТPシート用多目的スリーブ。
  6. 複数の錠剤、カプセル錠を含む複数の薬剤を個別に収容する複数のポケットを有する表側のシートと前記表側のシートの裏面に接着され、前記表側のシートの前記各ポケットを封止する裏側のシートとからなり、複数の薬剤を封入されたPTPシートに装着され、前記PТPシートに封入された複数の薬剤の保管管理、服用管理に多目的に用いるPТPシート用多目的スリーブであって、
    前記PTPシートの前記表側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットを挿通可能に複数の開口部を有する表面部と、
    前記PTPシートの前記裏側のシートを覆い、前記表側のシートの前記各ポケットに対応して前記裏側のシートから押し出される薬剤を取り出し可能に複数の取出部を有する裏面部と、
    を備え、
    全体として、少なくとも一端又は一側に前記PTPシートの挿入口を有する扁平のスリーブ状に形成され、
    前記裏面部の前記各取出部は、前記表面部の前記各開口部側から押される押圧力に抗する複数の切り込みと止めとからなり、前記裏面部で前記複数の切り込みと止めに沿って切り取り可能な破断線により取り囲み形成される破断部と、前記破断部に隣接して切り欠き形成される切欠部とにより構成され、
    前記PTPシートは前記挿入口から前記表面部と前記裏面部との間に挿入され、前記PTPシートの前記各ポケットが前記表面部の前記各開口部から突出されて、前記PTPシートに装着され、
    前記裏面部の前記破断部を切り開くことによって前記表面部側から前記PTPシートの前記各ポケットを薬剤とともに押し込み可能にした、
    ことを特徴とするPТPシート用多目的スリーブ。
  7. 破断線は、PTPシートの各ポケットを押す押圧力に対して、複数の止めの全部又は多くが切断されず残置可能に形成されて、破断部は前記押圧力により全体的に押し開き不能又は困難に構成される請求項6に記載のPТPシート用多目的スリーブ。
  8. 破断部に医薬品の服用指導・確認のための記入欄を有する請求項6又は7に記載のPТPシート用多目的スリーブ。
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