JP3230678B2 - N,n’―ジ置換グアニジンおよび興奮性アミノ酸アンタゴニストとしてのそれらの用途 - Google Patents

N,n’―ジ置換グアニジンおよび興奮性アミノ酸アンタゴニストとしてのそれらの用途

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JP3230678B2 JP00809690A JP809690A JP3230678B2 JP 3230678 B2 JP3230678 B2 JP 3230678B2 JP 00809690 A JP00809690 A JP 00809690A JP 809690 A JP809690 A JP 809690A JP 3230678 B2 JP3230678 B2 JP 3230678B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (関連出願の相互参照) この出願は、1986年7月10日付のアメリカ合衆国出願
第06/884150号の一部継続出願である、1987年6月26日
付けPCT/US87/01545(およびそのアメリカ合衆国の対応
出願)の一部継続出願に対応するものである。
[産業上の利用分野] この発明は、神経防御能を有するN,N′−ジ置換グア
ニジン類縁体並びにそれらを含む化合物および医薬組成
物に関するものである。さらに、この発明は、疾患の生
理機能上の変化として、N−メチル−d−アスパルテー
ト(NMDA)レセプターのアゴニストによる神経細胞の過
度の興奮が含まれる神経系疾患の処置方法に関するもの
である。その過度の興奮により、てんかんの場合には神
経系の機能不全、並びに低酸素症、低血糖症、虚血、外
傷および神経変性疾患、例えばハンティングトン舞踏
病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病お
よびダウン症の場合には神経細胞変性が生じ得る。
[従来の技術] 広範な種類の置換グアニジンが特許文献に開示されて
いる。
(例) 第1411731号および第1422506号は、ゴム硬化促進剤と
してジフェニルグアニジンを開示している。
第1597233号は、ゴム硬化促進剤としてN−o−トリ
ル−N′−フェニル−グアニジンを開示している。
第1672431号は、特に水溶性塩形態で治療目的に有用
なものとしてN,N′−ジ−o−メトキシフェニルグアニ
ジンを開示している。
第1730338号は、ゴム硬化促進剤としてN−p−ジメ
チル−アミノ−フェニル−N′−フェニルグアニジンを
開示している。
第1795738号は、N−ジエチル−N′−フェニル−グ
アニジン、N−ジエチル−N−イソアミルグアニジン、
N−ジメチル−N′−イソアミルグアニジンおよびN−
ジメチル−N′−エチルグアニジンを含むN,N′−ジア
ルキル−ジ−置換グアニジン類の製造方法を開示してい
る。
第1850682号は、イミン窒素原子に追加の置換基を有
するジ置換グアニジン・ゴム硬化促進剤の製造方法を開
示している。
第2145214号は、駆虫薬としてジ置換グアニジン類、
例えばジアリールグアニジン、特にジキシリルグアニジ
ンの用途を開示している。
殺虫剤および蛾幼虫駆除剤として、第2254009号は対
称−ジ−2−オクチル−グアニジンを開示しており、第
2274476号および第2289542号は、対称−ジシクロヘキシ
ルグアニジンを開示している。
第2633474号は、ゴム硬化促進剤として1,3−ビス(o
−エチルフェニル)グアニジンおよび1,3−ビス(p−
エチルフェニル)グアニジンを開示している。
第3117994号は、静菌性化合物としてN,N′,N″−トリ
置換グアニジン類およびそれらの塩類を開示している。
第3140231号は、抗高血圧薬としてN−メチル−およ
びN−エチル−N′−オクチルグアニジン類およびそれ
らの塩類を開示している。
第3248246号は、その置換基が疎水性炭化水素基であ
り、そのうちの一方がナフチルメチルおよび他方がn−
ブチルである1,3−ジ置換グアニジンについて記載して
いる(実施例5)。
第3252816号は、抗高血圧剤として、様々なN−置換
および非置換シナミル−グアニジン類並びに包括的に対
応するN′−およびN″−アルキル置換化合物およびそ
れらの塩類を開示している。
第3270054号は、交感神経遮断(sympathicolytic)お
よび抗ウイルス剤として、N′−および/またはN″−
窒素原子に多くとも2個の低級アルキル基を有するN−
2−アダマント−1−イル−およびN−2−ホモアダマ
ント−1−イル−オキシ−エチル−チオエチル−および
アミノエチルグアニジン誘導体を開示している。
第3301755号は、血糖低下および抗高血圧剤として、
N−エチレン非置換アルキル−グアニジン類および対応
するN′−および/またはN″−低級アルキル化合物を
開示している。
第3409669号は、血圧降下剤として、N−シクロヘキ
シルアミノ−(3,3−ジアルキル置換−プロピル)−グ
アニジン類および対応するN′−アルキル−および/ま
たはN″−アルキル−置換化合物を開示している。
第3547951号は、抗高血圧活性を有する1,3−ジオキソ
ラン−4−イル−アルキル−置換グアニジン類を開示し
ており、また他のアミノ基における可能な置換基として
n−ブチルを含む低級アルキルを開示している。
第3639477号は、食欲減退特性を有するものとしてプ
ロポキシグアニジン化合物を開示している。
第3681459号、第3769427号、第3803324号、第3908013
号、第3976787号および第4014934号は、血管収縮治療に
おいて使用される、フェニル環がヒドロキシおよび/ま
たはハロゲン置換基を含み得る芳香族置換グアニジン誘
導体を開示している。
第3804898号は、血圧降下剤としてN−ベンジシクロ
ブテニルおよびN−ベンジシクロブテニル−アルキル−
グアニジン類並びに対応するN−アルキルおよび/また
はN″−アルキル−置換化合物を開示している。
第3968243号は、心臓不整脈の処置に有用なものとし
てN−アラルキル置換グアニジン類並びに対応するN′
−アルキル−n″アルキルおよびN′,N′−アラルキル
化合物を開示している。
第3795533号は、精神的うつ状態克服用の抗うつ薬と
してo−ハロ−ベンジリデン−アミノグアニジン類およ
びそれらの用途を開示している。
第4007181号は、不整脈および利尿活性を有するもの
として、イミン窒素原子がアダマンチルにより置換され
た様々合なN,N′−ジ置換グアニジン類を開示してい
る。
第4051256号は、抗ウイルス剤としてN−フェニル−
およびN−ピリジル−N′−シクロアルキル−グアニジ
ン類を開示している。
第4052455号および第4130663号は、鎮痛剤または血小
板凝集の予防用としてスチリルアミジン類を開示してい
る。
第4109014号は、血管収縮剤としてN−ヒドロキシ置
換グアニジン類および対応するN−メチル・ジ置換グア
ニジン類を開示している。
第4169154号は、うつ病の処置におけるグアニジン類
の用途を開示している。
第4393007号は、神経節遮断剤として、N−置換およ
び非置換、N−置換メチル−N′−非置換、モノ置換お
よび置換−N″−非置換および置換グアニジン類を開示
している。
第4471137号は、化学合成において有用な立体障害塩
基であるとしてN,N,N′,N″−テトラアルキルグアニジ
ン類を開示している。
第4709094号は、シグマ脳レセプター・リガンドとし
て、1,3−ジ置換−グアニジン類、例えば1,3−ジブチ−
グアニジンおよび1,3−ジ−o−トリル−グアニジンを
開示している。
他の置換グアニジン類の例については、例えば第1422
506号、第1642180号、第1756315号、第3159676号、第32
28975号、第3248426号、第3283003号、第3320229号、第
3479437号、第3547951号、第3639477号、第3784643号、
第3949089号、第3975533号、第4060640号および第41615
41号を参照。
ゲルック等、「ジャーナル・オブ・メディシナル・ケ
ミストリー」(J.Med.Chem.)、12712(1969)は、可能
な抗ウイルス剤として様々なアダマンチル・ジ置換グア
ニジン類、例えばN,N′−ジ−(アダマンタン−1−イ
ル)−グアニジン塩酸塩、N−(アダマンタン−1−イ
ル−N′−シクロヘキシル−グアニジン塩酸塩およびN
−(アダマンタン−1−イル)−N′−ベンジル−グア
ニジン塩酸塩の合成について記載している。
本発明により、ある種のN,N′−ジ置換グアニジン類
は、高いPCPレセプター結合活性を有することが判っ
た。
アミノ酸L−グルタマートは、中枢神経系内の興奮性
シナプスにおける化学伝達物質として作用するものと広
く考えられている。グルタマートに対するニューロン応
答は複雑であり、少なくとも3種の異なるレセプター・
タイプ、すなわちKA、QAおよびNMDAサブタイプ(これら
は、各々それらの比較的特異的なリガンド、すなわち各
々カイニン酸、キスカール酸およびN−メチル−D−ア
スパラギン酸に対して命名されている)が介在している
と思われる。これらのレセプター・タイプの1種または
それ以上を活性化するアミノ酸を、興奮性アミノ酸(EA
A)と称する。
興奮性アミノ酸レセプターのNMDAサブタイプは、脳に
おける正常な興奮性シナプス伝達中に活性化される。通
常条件下でのNMDAレセプターの活性化は、興奮性シナプ
スにおける、長期相乗作用の現象、記憶様現象に関与す
る。ニューロンの過度の興奮はてんかん発作において発
生し、NMDAレセプターの過剰活性化は、てんかんの病態
生理の一因になることが示された。
NMDAレセプターはまた、脳虚血後に発生する神経細胞
死に強く関与している。虚血性脳発作、例えば卒中また
は心臓発作の発生後、内在性グルタマートの過剰放出が
行なわれ、その結果、NMDAレセプターの刺激過剰が生じ
る。NMDAレセプターと関連しているのは、イオン・チャ
ンネルである。認識部位、すなわちNMDAレセプターは、
イオン・チャンネルの外部である。グルタマートがNMDA
レセプターと相互作用すると、それがイオン・チャンネ
ルを開かせることにより、細胞膜を通るカチオンの流
動、例えば細胞中へのCa2+およびNa+並びに細胞からのK
+の流動が可能になる。グルタマートとNMDAレセプター
との相互作用により生じるこのイオンの流れ、特にCa2+
イオンの流れは、神経細胞死において重要な役割を演じ
ることが信じられている。例えばロズマンおよびオルネ
イ、「トレンズ・イン・ニューロサイエンス」(Trends
in Neurosci.)、10(7)、299−302(1987)参照。
従って、NMDAレセプター活性化に対する応答をブロッ
クする薬剤は、神経疾患、例えばてんかんの処置、並び
に低酸素症もしくは低血糖症により発生するか、または
卒中、外傷および心臓発作中に発生する脳虚血後の神経
細胞死の予防における治療用途を有する。幾つかの神経
系疾患は、NMDAレセプターの過剰活性化に起因し得る神
経変性を伴う。従って、NMDAレセプター介在応答のアン
タゴニストは、アルツハイマー病、ハンティングトン舞
踏病、筋萎縮性側索硬化症およびダウン症候群といった
疾病の処置に有望である。
NMDAレセプター−イオン・チャンネル複合体に関する
研究により、PCPレセプターとして知られているイオン
・チャンネル内のレセプター部位の決定が行なわれた。
ビンセント、カルタロブスキー、ジェネステ、カメンカ
およびラズデュンスキー、「プロシーディングス・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ
・オブ・ザ・ユー・エス・エー」(Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA)、76、4678−4682(1979)、ズーキン、エス・
アールおよびズーキン、アール・エス、「プロシーディ
ングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシーズ・オブ・ザ・ユー・エス・エー」(Proc.N
atl.Acad.Sci.USA)、5372−5376(1979)、ソンダー
ス、ケアナおよびウェバー、「トレンズ・イン・ニュー
ロサイエンス」(Trends in Neurosci.)、11(1)、3
7−40(1988)、並びにアニス、ベリー、バートンおよ
びロッジ、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファ
ーマコロジー」(Br.J.Pharmacol.)、79、565−575(1
983)参照。PCPレセプターに結合する化合物は、イオン
・チャンネル・ブロックとして作用することにより、細
胞膜を通るイオンの流れを中断させ得る。この方法で、
PCPレセプターと相互作用する薬剤は、NMDAレセプター
におけるグルタマートのアゴニスト作用を減じる非競争
的遮断薬として作用する。
既知PCPレセプター・リガンドには、PCP[合成ヘロイ
ン]、すなわちフェンシクリジン、類縁体、例えば1−
[1−(2−チエニル)−シクロヘキシル]−ピペリジ
ン(TCP)、ベンゾモルファン(シグマ)オピエート、
ジオキシランおよび5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H
−ジベンゾ[A,D]シクロヘプタン−5,10−イミン(す
なわち、薬剤MK−801、アメリカ合衆国特許第4399141号
参照)がある。また、ウォング、ケンプ、プリーストリ
ー、ナイト、ウッドルフおよびイバーゼン、「プロシー
ディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユー・エス・エー」(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA)、83、7104−7108(1986)参
照。MK−801は、明らかに現在までに知られている最も
強力な選択的PCPレセプター・リガンド/NMDAチャンネル
遮断剤である。
我々は、PCPレセプターへの結合に関する高い活性を
呈し、既知PCPリガンドとは構造上異なる化合物を同定
した。
[発明の構成] この発明の目的は、NMDAレセプター−チャンネル複合
体に関してPCPレセプターへの高い親和力を呈するN,N′
−ジ置換グアニジン類を提供することである。
この発明の別の目的は、PCPレセプター研究を促進す
るためにN,N′−ジ置換グアニジンを提供することであ
る。
この発明のさらに別の目的は、神経状態、例えばてん
かんおよび神経変性を伴う神経系疾患の処置に有用なN,
N′−ジ置換グアニジンを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、NMDAレセプターのアゴ
ニストによる神経細胞の過度の興奮と関連した神経系疾
患の処置方法を提供することである。
この発明のさらに別の目的は、PCPレセプターに関し
て高い親和力を有するN,N′−グアニジン化合物の有効
量を投与することによる、NMDAレセプターのアゴニスト
による神経細胞の過度の興奮と関連した、例えばてんか
んを誘発する神経系の機能不全を処置することである。
この発明のさらに別の目的は、PCPレセプターに関し
て高い親和力を有するN,N′−ジ置換グアニジン化合物
の有効量を投与することによる、低酸素症、虚血、低血
糖症、脳および脊髄外傷などに起因する神経変性状態お
よび/または神経細胞死を処置することである。
この発明のさらに別の目的は、PCPレセプターに関し
て高い親和力を有するN,N′−ジ置換グアニジン化合物
の有効量を投与することによる、様々な神経変性疾患、
例えばハンティングトン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、
アルツハイマー病およびダウン症候群に伴う神経変性状
態を処置することである。
当技術分野に精通しておれば、この明細書(特許請求
の範囲を含む)をさらに熟読することにより、この発明
のさらに別の目的および利点が明らかになるはずであ
る。
(図面の簡単な記載) 添付の図面と関連づけて熟考すれば、この発明に対す
る理解はさらに深まり、その結果、この発明の様々な他
の目的、特徴および付随する利点に対する評価は、より
完全になるはずである。
第1図は、後記インビトロ神経毒性検定から得られた
データを示すグラフである。細胞の生存を、最高細胞数
のパーセンテージとして正規化し、結果はグルタマート
濃度に対してプロットしたものである。
[実施態様] 上述の目的は、PCPレセプター部位に関して高い結合
親和力を呈するある種のN,N′−ジ置換グアニジン類の
測定により達成された。
この発明の好ましいN,N′−ジ置換グアニジン類は、
(式中、RおよびR′は、各々、少なくとも4個の炭素
原子を有するアルキル基または少なくとも6個の炭素原
子を有する炭素環状アリール基であり、例えばRおよび
R′は、同一または異なり得、4個またはそれ以上の炭
素原子、例えば4〜12個の炭素原子を有するアルキル、
好ましくは直鎖アルキル基、さらに好ましくは4〜8個
の炭素原子を有するアルキル基、例えばブチル、イソブ
チル、t−ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、ノニ
ルおよびデシル、3〜12個の炭素原子を有するシクロア
ルキル、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、1,4−メチレン−シクロ
ヘキサン、アダマンチル、シクロペンチルメチル、シク
ロヘキシルメチル、1−もしくは2−シクロヘキシルエ
チルおよび1−、2−もしくは3−シクロヘキシルプロ
ピル、例えば18個以下の炭素原子を有し、1−3個の独
立または縮合芳香族環を含む炭素環状アリール、アルカ
リルまたはアラルキル、例えばフェニル、ベンジル、1
−および2−フェニルエチル、1−、2−もしくは3−
フェニルプロピル、o−、m−もしくはp−トリル、m,
m′−ジメチルフェニル、o−、m−もしくはp−エチ
ルフェニル、m,m′−ジエチルフェニル、m−メチル−
m′−エチルフェニルおよびo−、m−もしくはp−プ
ロピルフェニル、ナフチル、2−ナフチルおよびビフェ
ニル、並びに芳香族複素環、例えばピリジル、ピラジニ
ル、ピリミジル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾ
リル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリルおよび
ベンゾチアゾリルである) で示されるものである。
さらに、RおよびR′炭化水素基には、1個、2個、
3個またはそれ以上の置換基、例えば1−8個の炭素原
子を有するアルキル、例えばメチル、エチル、ハロ、例
えばクロロ、ブロモ、ヨード、フルオロ、ニトロ、アジ
ド、シアノ、イソシアナート、アミノ、低級アルキルア
ミノ、ジ−低級アルキルアミノ、トリフルオロメチル、
1−8個の炭素原子を有するアルコキシ、例えばメトキ
シ、エトキシおよびプロポキシ、アシルオキシ、例えば
1−8個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ、例え
ばアセトキシおよびベンゾキシ、アミド、例えばアセト
アミド、N−エチルアセトアミド、カルバミド、例えば
カルバミル、N−メチルカルバミル、N,N′−ジメチル
カルバミル等が存在し得る。
特に好ましいものは、式(1)[ただし、Rおよび
R′は、各々、例えばo−、m−もしくはp−位または
o−、p−もしくはm,m′−位(フェニル基がジ置換さ
れている場合)が前述の置換基の1個またはそれ以上に
より置換された、必ずしも同一である必要はないフェニ
ル基であるか、またはRは前記の意味であり、R′はア
ダマンチルである]で示される化合物である。
好ましい化合物には、N,N′−ジ−m−トリル−グア
ニジン(DMTG)、N,N′−ジ−o−ヨード−フェニル−
グアニジン(DOIPG)、N,N′−ジ−o−エチルフェニル
−グアニジン(DOEPG)およびN,N′−ジ−m−エチルフ
ェニル−グアニジン(DMEPG)がある。
上記で列挙した化合物はジ置換グアニジン類であり、
この種類の化合物はアメリカ合衆国特許第4709094号の
主題である(この開示を引用して説明の一部とする)。
そこに記載された化合物の中で好ましいのは、式 (式中、RおよびR′は、各々独立して、アルキル、シ
クロアルキル、炭素環状アリール、アルカリルまたはア
ラルキルである) で示されるものである。一つの種類として、この特許で
は、これらの化合物は、シグマ脳レセプターへの高い選
択的結合活性を呈するものとして記載されている。DTG
自体はまた、シグマ・レセプターに関する強い選択性を
呈する[ウェバー、ソンダース、カルム、マクラーン、
ポウおよびケアナ、「プロシーディングス・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ
・ザ・ユー・エス・エー」(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)
83、8786−8788(1986)]。しかしながら、この種類の
ジ置換グアニジンのある特定構成員は、さらにPCPレセ
プターに関する高い結合活性を呈することが測定され
た。
これらのN,N′−ジ置換グアニジンは、慣用的化合反
応、例えばRおよびR′が同じ場合には、対応するアミ
ンと臭化シアンとの反応により容易に製造され得る。使
用され得る他の方法には、アミンと予め形成されたアル
キルまたはアリールシアナミドとの反応がある。セーフ
ァー等、「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミスト
リー」(J.Org.Chem.)、13:924(1948)参照。これ
は、置換基が同一ではないN,N′−ジ置換グアニジン類
の特に優れた製造方法である。非対称グアニジン類の新
しい合成法については、デュラント等、「ジャーナル・
オブ・メディシナル・ケミストリー」(J.Med.Che
m.)、28:1414(1985)およびマリアノフ等、「ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー」(J.Org.Ch
em.)、51:1882(1986)参照(これらを引用して説明の
一部とする)。
組成物態様として、この発明は、対象、例えばヒトへ
の全身投与に適した単位用量形態の医薬組成物であっ
て、1単位用量当たり、脳NMDAレセプター介在活性を改
変するのに有効な量のN,N′−ジ置換グアニジンを含
み、このN,N′−ジ置換グアニジンがPCPレセプターに関
して高い親和力を有するものである、医薬組成物に関す
るものである。
別の組成物態様として、この発明は、N,N′−ジ−m
−トリル−グアニジン、N,N′−ジ−o−ヨード−フェ
ニル−グアニジン、N,N′−ジ−o−エチルフェニル−
グアニジンおよびN,N′−ジ−m−エチルフェニル−グ
アニジン並びにそれらの生理学的に許容し得る塩類から
成る群から選ばれる、ほ乳類神経細胞におけるPCPレセ
プターに関して高い結合活性を呈する神経防御性N,N′
−ジ置換グアニジンに関するものである。
方法態様として、この発明は、神経変性疾患、てんか
んまたは記憶障害の処置または予防方法であって、処置
を必要とする対象に、PCPレセプターに関して高い親和
力を有するN,N′−ジ置換グアニジンの有効量を投与す
ることを含む方法に関するものである。これらのN,N′
−ジ置換グアニジンは、NMDA−レセプター−介在作用の
非競争的ブロッカーとしての有用性を有する。
さらに別の方法態様として、この発明は、神経細胞の
NMDAレセプターと相互作用するグルタマートによる誘発
される神経毒性作用の改善方法であって、神経毒性作用
の徴候を呈するか、またはその影響を受けやすい対象、
例えばヒトに、NMDAレセプター−イオン・チャンネル複
合体のイオン・チャンネルをブロックするのに有効な量
で、神経細胞のPCPレセプターに関して高い親和力を有
するN,N′−ジ置換グアニジンを投与することを含む方
法に関するものである。「高い親和力」という語は、化
合物が、PCPレセプター結合検定、代表的には後記PCPレ
セプター検定において約1マイクロモルまたはそれ未満
の平衡解離定数を呈することを意味する。
別の方法態様として、この発明は、ほ乳類に、神経毒
性の阻害に有効な量で、神経細胞のPCPレセプターに関
して高い親和力を有するN,N′−ジ置換グアニジンを投
与することを含む、NMDAレセプター−イオン・チャンネ
ル関連神経毒性の阻害方法に関するものである。
それらのN,N′−ジ置換グアニジン類およびNMDAレセ
プター・アゴニストの他の非競争的ブロッカーは、
(a)三重水素化TCPまたはMK−801の競争的置換により
PCPレセプターに関する結合親和力を測定し、(b)チ
ャンネルを通る電流の測定により、化合物がイオン・チ
ャンネルによるイオンの通過をブロックする能力を評価
し、(c)インビトロ細胞毒性試験で、化合物がグルタ
マートに対する暴露により誘発される神経細胞死を防ぐ
能力を測定し、そして(d)動物モデルを用いてインビ
ボ神経防御能を測定することを含む方法により測定され
得る。
PCPレセプターに関する有機化合物の結合活性の評価
は、放射性リガンド結合検定法を用いて行なわれる。化
合物は、PCPレセプターの標識に使用される三重水素化T
CPおよび三重水素化MK−801に置き換わるそれらの能力
を測定することにより試験される。競争的置換結合デー
タを評価すると、好ましい化合物は、PCPレセプターに
関して高い親和力(すなわち、低いIC50値)を呈する化
合物である。
結合活性試験下では、多くとも約1000ナノモル、好ま
しくは多くとも約500ナノモルのIC50値が、高い結合親
和力を示す。
電気生理学的試験において、NMDAレセプター・チャン
ネル複合体のイオン・チャンネルをブロックすることに
より、神経細胞中へのCa2+およびNa+イオンの流れを阻
止する化合物の能力に関して評価する。最初に、NMDAレ
セプターを活性化することによりイオン・チャンネルを
開かせる。電流の通過を測定することにより、イオンの
流れを測定する。電流の減少は、PCPレセプター部位に
おけるリガンドの結合によるイオン・チャンネルの遮断
を示す。
イオン・チャンネルの妨害は、使用量依存活性であ
る。言い替えれば、より多くのNMDAレセプター−チャン
ネル複合体がグルタマートにより活性化されると、非競
争的遮断剤によるチャンネルの妨害はより効果的にな
る。
神経毒性試験において、EAAレセプターを発現する培
養ほ乳類ニューロンまたはセルラインを、グルタマート
および試験化合物にインビトロ暴露する。細胞の生存パ
ーセンテージは、グルタマート誘発ニューロン死に対す
る化合物の防御能を示す。このインビトロ細胞死検定に
ついてはさらに詳細に後述する。
インビボ神経毒性試験において、マクドナルド等の実
験モデル[「シグマ・アンド・フェンシリジン−ライク
・コンパウンズ・アズ・モレキュラー・プローブス・イ
ン・バイオロジー」(Sigma and Phencylidine−like C
ompounds as Molecular Probes in Biology)中、ドミ
ノおよびカメンカ編、697−707頁(1988)、エヌピーピ
ー・ブックス、アン・アーバー、ミシガン]を使用し
た。このモデルでは、大脳半球へのNMDA注射により、低
酸素症−虚血により生じる病変に似た傷害が誘発され
る。化合物のNMDA誘発性病変の制限能力は、それらの神
経防御特性の尺度であり、化合物を腹腔内投与するた
め、モデルはまた、化合物の血液脳関門通過能力に関す
る情報を提供する。
これ以上詳述せずとも、当業界の熟練者であれば、上
記記述内容を用いてこの発明を最大限に利用し得るもの
と思われる。従って、以下、好ましい実施態様を記載す
るが、それらは単なる実例であり、いかなる意味でも明
細書の残りの部分を限定するわけではないものとする。
上記で引用した全ての出願、特許および刊行物(ある
とすれば)の全本文を引用して説明の一部とする。
実施例 製造実施例1および2において、融点はトマス−フー
バー装置で開放キャピラリー管中にて測定し、未補正で
ある。下記のすべての化合物の分析測定はデザート・ア
ナリテックス(ツーソン、アリゾナ)で行い、所定の元
素に関する理論値の+0.4%である。NMRスペクトルはジ
ェネラル・エレクトリックQE−300にてCD3OD中で測定
し、化学シフトは重水素化溶媒(HCD2OD、3.30)の残留
シグナルに対してppmで表示した。IRスペクトルはニコ
レット5DXBFT−IRでKBr中で測定した。すべてのアミン
は標準的方法で精製するか、記載場所では直接精製せず
に使用した。臭化シアンはアルドリッチ社製であり、Ca
H2モレキュラー・シーブ4Aを入れて貯蔵した。Et2Oは通
常の方法でベンゾフェノン・ケチルから蒸留した。他の
すべての溶媒は試薬級である。
1.N,N′−ジ−o−ヨードフェニル−グアニジン(DOIP
G)の製造 臭化シアン溶液(4.40g、38.2ミリモル)および水(7
0ml)中2−ヨードアニリン(4.14g、18.9ミリモル)を
70−80℃にて、5時間加熱した。反応混合物を傾斜し
て、灰白色固体(1.90g)を分離し、これを捨て、上清
液をさらに16時間同一温度にて加熱する。25℃に冷却
し、臭化水素塩として溶液から析出したDOIPGを遠心分
離し、乾燥する(500mg、10%)。かくして生成した白
色粉末を沸騰したH2O(20ml)に溶解し、透明な溶液に5
N NaOH(2ml)を添加する。得られた白色沈澱物を水
(3×4ml)で洗浄し、95%EtOHから再結晶し、長い白
色針状結晶であるDOIPG(119mg、臭化水素塩から39%)
を得る:mp161−162℃。さらに再結晶を繰り返し、分析
用サンプルを得る:mp161−162℃。
元素分析: 理論値(C13H11N3I2): C;33.72、H;2.39、N;9.07 測定値: C;33.80、H;2.26、N;8.78 1HNMR:7.506(d,J=7.8Hz,2H)、7.304(t,J=7.8Hz,
2H)、7.506(d,J=7.8Hz,2H)、7.817(d,J=7.8Hz,2
H) IR:729、753、1456、1502、1572、1613、1647、305
6、3387cm-1 2.N,N′−ジ−m−トリル−グアニジン(DMTG)の製造 臭化シアン(788mg、7.44ミリモル)を25ml丸底フラ
スコに入れ、m−トルイジン(1.89g、17.6ミリモル)
を滴下しつつ添加する。発熱反応がおさまった後、残渣
をCH2Cl2(20ml)に添加し、5%HCl(5×10ml)を用
いて抽出する。6NNaOHを用いて、水性抽出液のpHを10に
調整する。得られた沈澱物(674mg、38%)を濾取し、E
tOH/H2Oから再結晶し、DMTG(240mg、14%)、白色針状
結晶:mp105−106℃を得る。
元素分析: 理論値(C15H17N3): C;75.28、H;7.16、N;17.56 測定値: C;75.42、H;7.11、N;17.43 1H NMR:δ2.289(s,6H)、6,814(d,2H,J=7.5H
z)、6.939(d,2H,J=7.5Hz)、6.981(s,2H)、7.14
(t,2H,J=7.5Hz) カザリノバら、ジュルナル・アナリチェスコイ・ヒミ
イ(Zh.Anal.Khim.)第28巻第1853頁(1973年)および
ケミカル・アブストラクツ(Chemical Abstracts)80:
97021(1973年)をも参照されたい。
他の適当なN,N′−二置換グアニジン類は同様の方法
で製造することができる。
実験操作(実施例3および4):融点はトマス−フー
バー装置で測定し、未補正である。NMRスペクトルはジ
ェネラル・エレクトリック QE−300分光計にて測定
し、化学シフトは重水素化溶媒(CHCl3、δ7.265)の残
留プロトンシグナルからppmにて表示した。IRスペクト
ルはニコレットFDXB FTIR装置で測定した。すべての溶
媒および試薬は試験級であり、精製せずに使用した。微
量分析はツーソン、アリゾナのデザート・アナリティク
スで実施した。
3.N,N′−ジ−m−エチルフェニル−グアニジン(DMEP
G)の製造 Et2O(1ml)中臭化シアン(650mg、6.14ミルモル)を
3−エチルアニリン(1.42mg、11.7ミリモル)に添加す
る。発熱性反応がおさまった後、粘稠油状物をN2気流中
150℃にて15分間加熱し、ついで、25℃に放置冷却す
る。得られた固体を95%EtOH(20ml)に溶解し、10%Na
OH(20ml)を添加する。白色沈澱物が生成し、これを濾
取し、50%EtOH水溶液から2度再結晶し、白色針状結晶
のN,N′−ジ−m−エチルフェニル−グアニジン(620m
g、20%)を得る:mp96−98℃。
元素分析: 理論値(C17H21N3): C;76.37、H;7.92、N;15.72 測定値: C;75.93、H;7.90、N;15.76 1H NMR(CDCl3):δ1.216(t,J=7.5Hz,6H)、2.60
8(q,J=7.5Hz,4H)、6.937(m.6H)、7.222(t,J=7.8
Hz,2H) IR(CDCl3):2971、1629、1589、1490、1417、1217cm
-1 4.N,N′−ジ−o−エチルフェニル−グアニジン(DOEP
G)の製造 95%EtOH(3ml)中臭化シアン溶液(1.41g、13.3ミリ
モル)を95%EtOH(10ml)中2−エチルアニリン(3.08
g、25.4ミリモル)の氷冷溶液に添加する。反応混合物
をN2急速気流下30分間150℃にて加熱する。得られた固
体を95%EtOH(15l)に溶解し、10%NaOH(30ml)を添
加する。白色針状結晶が生成し、これを濾取し、25%Et
OH水溶液から2度再結晶し、白色針状結晶のN,N′−ジ
−o−エチルフェニル−グアニジン(2.00g、59%)を
得る:mp158−161℃(文献1:161.5−162℃)。
1H NMR(CDCl3):δ1.209(t,J=7.5Hz,6H)、2.65
3(q,J=7.5Hz,4H)、7.054−7.255(m,8H) IR(CDCl3):2971、1629、1589、1490、1417、1217cm
-1 文献1:アメリカ合衆国特許第2633474号(CA 47:6171
f)、英国特許第716301号839982号(CA 49:2112c)、
英国特許第839982号(CA 55:2166e) 5.放射リガンド結合アッセイ PCPレセプター結合アッセイを、レセプター源として
モルモットまたはラットの脳膜を用いて実施した。PCP
レセプターの標識に用いた放射リガンドは、(+)
3H]MK−801(97Ci/ミリモル]および[3H]TCP(55C
i/ミリモル、マサチューセッツ、ケンブリッジのニュー
・イングランド・ヌクレア社)である。
(+)[3H]MK−891の合成法およびPCPレセプター結
合アッセイのプロトコルは、キーナ、シェルツ、クアル
ム、ソンダースおよびウエバー、ライフ・サイエンス
(Life Sci.)(1988年、投稿中)に報告されている。
概要を述べると、プロトコルにおいて、モルモット脳膜
最終蛋白濃度3mg/mlに調製し、−70℃で保存する。ラッ
ト脳膜は「デタージェント・トリーテッド・メンブラン
ズ(detergent−treated membranes)」[マーフイ
ー、シュナイダー、ベーム、レーマンおよびウイリア
ム、ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エ
クスペリメンタル・セラピューティックス(J.Pharmaco
l.Exp.Ther.)240巻778−784頁(1987年)参照]記載の
ように調製して使用し、蛋白濃度10mg/mlとして−70℃
で保存した。レセプター数または(+)[3H]MK−801
もしくは[3H]1−[1−(2−チエニル)シクロヘキ
シル]ヒペリジン([3H]TCP)に対する親和性に関し
て、−70℃における膜の保存(1か月)効果は全くみら
れなかった。
モルモットの膜を用いたラジオレセプター結合アッセ
イの場合、少量を解凍し、5mMトリスHClまたはトリス酢
酸緩衝液(pH=7.4)の目的濃度に希釈した。アッセイ
は、膜0.8ml、放射性トレーサー0.1mlおよび緩衝液また
は非標識薬剤0.1mlで行なった。ラットの膜を用いたア
ッセイの場合、解凍した膜を32℃において1mg/mlで0.01
%トリトンX−100と15分間インキュベートし、3回遠
心洗浄して内生アミノ酸濃度を減少させ、最後にアッセ
イ用緩衝液に再けんだくした。グリシンとl−グルタメ
ートをそれぞれ最終濃度1μMまで加えて(+)[3H]
MK−801または[3H]TCP結合刺激を最大にした。試験は
膜400μ、放射リガンド50μおよび緩衝液または非
標識薬剤50μで行なった。
(+)[3H]MK−801結合の場合、1nMの放射リガンド
を120μg/mlのモルモット脳膜蛋白質または200μg/mlの
ラット脳膜と室温で4時間インキュベートした。[3H]
TCP結合の場合、2nMの放射リガンドを800μg/mlのモル
モット脳膜または300μg/mlのラット脳膜と室温で45分
間インキュベートした。アッセイはすべて、ブランデル
48ウエル・セルハーベスター(メリーランド、ゲザース
バーグのブランデル社)を用いてワットマンGF/Bガラス
繊維フィルターにより真空急速ろ過することにより停止
させた。フィルターは、[3H]TCP使用の場合0.05%ポ
リエチレンイミンに予備浸漬した。フィルターを冷5mM
トリスHCl(pH=7.4)5mlで3回洗浄した。各フィルタ
ーをサイトシント(Cytoscint)(カリフォルニア、コ
スタ・メサのICNバイオメディカルス社)10ml中で溶解
し、放射能が計数効率50%で液体シンチレーションスペ
クトロメトリーにより測定した。
非特異結合は、(+)[3H]MK−801結合の場合10μM
PCPまたは(+)MK−801、[3H]TCP結合の場合100μMP
CPの存在下に残留するものと定義した。上記のように調
製したラットの脳膜を用いて、N−メチル−D−アスパ
ルテート型グルタメート・レセプターに対する[3H]CP
P(3−((±)2−カルボキシピペラジン−4−イ
ル)プロピル−1−ホスホン酸)の結合[マーフィー、
シュナイダー、ベーム、レーマンおよびウイリアムス、
ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクス
ペリメンタル・セラピューティックス(J.Pharmacol.Ex
p.Ther.)240巻778−784頁(1987年)]、カイネート型
グルタメートレセプターに対する[3H]カイネートの高
親和性結合[オナー、ドレジャーおよびニールセン、ニ
ューロサイエンス・レター(Neuroscience Lett.)65
巻47−52頁(1986年)]、およびキスカレート型グルタ
メートレセプターに対する[3H]AMPA(DL−α−アミノ
−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−
プロピオン酸)の結合(マーフィー、スノーヒルおよび
ウイリアムス、ニューロケミカル・リサーチ(Neuroche
m.Res.)12巻775−782頁(1987年)]を測定した。
飽和データは、EBDA[マクファーソン、コンピュータ
ー・プログラムズ・バイオメデイシン(Comput.Program
s Biomed.)17巻107−114頁(1983年)]およびLIGAND
[マンソンおよびロドバード、アナリティカル・バイオ
ケミストリー(Anal.Biochem.)107巻220−239頁(1980
年)]データ分析プログラムの両者を用いてスキャッチ
ャード分析により評価した。IC50値は、半対数グラフ用
紙上で置換曲線をプロットし、補間して測定した。
選択的[3H]標識リガンドを用いる放射リガンド結合
アッセイにおいて、モルモットおよびラットの脳膜上の
PCPレセプターに対する結合につきDMTG、DOIPG、DMEP
G、DOEPGおよびDTGを試験した。(+)[3H]MK−801お
よび[3H]TCPをPCPレセプターの標識に用いた。第1お
よび2表から明らかなように、モルモット(第1表)お
よびラット(第2表)から得た脳膜に対する結合に関し
て2種の選択的PCPレセプターリガンドを置換する能力
から判定して、DMTG、DOIPG、DOEPGおよびDMEPGはPCPに
対するマイクロモル以下の親和性を示した。(第1表お
よび2表のかっこ内の数値は実験回数を示す。)母体化
合物TDG(比較例)は、PCPレセプターに対する低い親和
性を示した。すなわち、PCPレセプターは部位に結合性
を示す化合物上の広範な構造的変化に寛容性を有する。
これとは逆に、特異的放射リガンドとしてそれぞれ[
3H]CCP、[3H]カイネートおよび[3H]AMPAを用いる
アッセイで、試験化合物は何れもN−メチルアスパルテ
ート、カイネートまたはキスカレート型グルタメート結
合部位に対する有意の結合親和性を示さなかった。DMTG
およびDOIPGは、これらの結合アッセイにおいて100μM
でも50%以上の阻害を起こさなかったが、このことは、
それらの神経保護作用がグルタメート結合部位の直接的
ブロックによるものでないことを意味する。
6.電気生理学的アッセイ 細胞培養中に維持された、ラット海馬ニューロンにつ
いて、化合物のNMDA−誘導(+グリシン)レスポンスの
用量依存性阻止達成能を調べた。DOIPGとDMTGを試験し
たが、それぞれMK−801が示す用量依存性阻害作用に極
めて類似した結果を与えた。
海馬ニューロンは生後1〜3日のラット新生児(Long
−Evans)の海馬のCAl領域から得られた。組織の小塊
(<1mm3)をパパイン(20単位ml-1;Worthington−Coop
er)中で30分間培養した。組織を、ウシ血清アルブミン
2.5mg/mlとトリプシンインヒビター(Sigma)2.5mg/ml
を含有する完全生育培地(Earle's MEM,20mMグルコー
ス、50単位/mlペニシリン/ストレプトマイシン、5%
熱不活化ウシ胎児血清、Collaborative Research製血清
エクステンダー)中で口焼きパスツールピペットにより
処理して、単一細胞懸濁液中に解離させた。細胞はコラ
ーゲン/ポリ−D−リジンで被覆したガラス被覆片上に
載置した。培養物は3日毎に培地の半容を置換すること
により補給をおこなった。載置後第1週の間に、アラビ
ノシルシトシン(5×10-6M)を1〜2日間添加するこ
とにより、非ニューロン細胞の増殖を抑制した。
電気生理学的実験は全て1〜3週間生育させたニュー
ロンからの全細胞(whole−cell)または外側除去(out
side−out)型式のパッチクランプ記録[Hamill,O.D.,M
arty,A.,Neher,E.,Sakman,B.およびSigworth,F.J.,Pflu
gers Arch.,391,85〜100(1981)]により行った。アゴ
ニストおよびアンタゴニストは加圧ピペット(Picospri
zer;General Valve)によって全細胞実験のニューロン
に適用した。潅注ピペットは、試験溶液が連続的に流出
している開口部にパッチピペットの先端を挿入して、外
側除去パッチに薬剤を適用するのに使用した。外部溶液
は、特記しない限り、NaCl 165、KCl 5、CaCl2 2、HEPE
S 5(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2
−エタンスルホン酸、NaOHによりpH7.4に調節)、グリ
シン0.001(単位はいずれもmM)を含有した。内部溶液
は、CsCl 160、EGTA 10(エチレングリコール−ビス−
(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N′,N′−テトラ
酢酸)、HEPES 5(CsOHによりpH7.4に調節)(単位はい
ずれもmM)を含有した。膜電流は2,000Hz(単一チャン
ネル記録)または200Hz(全細胞実験)(−3dB;8−ポー
ルBessel)で濾過され、それぞれ100usまたは8msの間隔
で計数的に集められた。実験は室温(20〜25℃)で行っ
た。[化学試薬源:N−メチル−D−アスパルテート、Ca
mbridge Research Biochemicals;記録溶液用塩、Aldric
h(Gold Label)またはAlfa(Puratronic)。[3H]Kai
nateと[3H]CPPと[3H]AMPAはDupont/NEN(Boston,M
A)から購入された。] 1μMグリシンの存在下50μM NMDAの1秒間の適用
は、保持電位−40mVにおいて内部全体細胞電流100〜400
pAを与えた。同一細胞に対し繰り返し適用したところ
(30秒毎)、少なくとも30分間にわたり5%以下の電流
変化を生じた。MK−801(0.5〜10μM)をNMDAと同じ圧
力ピペットから適用した場合、内部電流は一連の適用と
共に次第に小となった。この阻止状態からの回復はNMDA
単独の繰り返し適用を必要とし、膜電位を正の電圧に保
持することによって加速された。PCP(40μM)は類似
の効果を示した。両アンタゴニストの効果は電圧依存性
であり、負の保持電位は阻止を増大させたが、非常に高
い正の電位(+80mV)では拮抗作用が殆ど観察されなか
った。
MK−801と同じく、DOPIG(3および30μM)もDMTG
(30μM)も共にNMDA電流を用量依存的かつ電圧依存的
に阻止した。連続的適用は、次第により小さな電流を発
生した。DOIPGとDMTGによる阻止は、NMDAの持続的又は
繰り返し適用によってのみ逆転された。この逆転は、正
の電位に膜を保持することによって増大した。
培養ラット海馬ニューロンの膜から誘導された外側除
去パッチに対するNMDAの適用によって発生した単一チャ
ンネル電流は、MK−801による阻止と同様に、DOIPGによ
って阻止された。NMDAの存在下、これらの化合物に対す
るパッチの持続的処理はチャンネル開口の確率と平均チ
ャンネル開口時間の減少をもたらした。アンタゴニスト
の不存在下において、NMDA−発生チャンネル開口は少な
くとも20分間にわたり同じ確率で発生した。全細胞記録
の場合のようにチャンネル開口と平均開口時間の減少確
率は、アンタゴニストを使用することなくアゴニストの
持続的存在によって逆転し、回復は正の電位に膜を保持
することによって向上した。
7.イン・ビトロ神経毒アッセイ HuettnerとBaughmanの方法[Huettner,J.E.and Baugh
man,R.W.,J.Neurosci.,,3044〜3060(1986)]の改良
法により、解離ラット海馬培養物を調製した。クロラー
ル水和物で麻酔した生後1〜3日のラット(Sprague−D
awley)から皮質を除き、海馬を切り出し、1mMキヌレン
酸と10mM MgSO3を補充した塩素イオンを含まない解離溶
液(Choi,D.W.,J.Neurosci.,,369〜379(1987))中
に浸漬した。海馬を解離溶液中で洗浄し、10単位/mlの
パパイン(Worthington)を含む解離溶液中、37℃で2
×20分間培養した。酵素処理後、組織を10mg/mlトリプ
シンインヒビター(Sigmatype II−O)と共に37℃にお
いて5分間づつ3回にわたり培養した。
培養を生育培地中で処理して解離し、細胞懸濁液の0.
15ml滴として、35mm Primaria(Falcon)皿の中央に載
置した。この皿は、Mecanex BB形(WPI,New Haven,CT)
を使用し、ポリ−D−リジンとラミニン(Collaborativ
e Reseach)で被覆した約0.64cm2の全面積を有する標識
26×26グリッドで予め刻印されていた。細胞濃度は、皿
当たり2.5〜4.0×105であった。生育培地は、5%ウシ
胎児血清(CCL)、5%限定補充子ウシ血清(HyClon
e)、50mMグルコース、50単位/mlペニシリン/ストレプ
トマイシンおよびMITO+血清エクステンダー(Collabor
ative Reseach)を補充した、Eagles最小必須培地(ME
M,Earle's salts)であった。細胞は湿4.5%CO2雰囲気
中、37℃に維持された。細胞を12〜14時間プレート表面
に付着させ、生育培地1.5mlを各皿に加え、1mlを除去す
ると共に、新鮮培地1mlで置換した。この方法により細
胞の破片や未付着細胞の大部分が除去された。細胞付着
と増殖の面積は処理した中心面積をあまり超えるもので
はなかった。培養2〜4日後、非ニューロン細胞分割は
5μmシトシンアラビノシドに2〜3日間接触させるこ
とによって阻止された。
生育培地に類似しているがウシ胎児血清を含まない培
地に細胞を維持した。該培地は、その2/3容を新鮮培地
で置換することにより1週間づつ変化させた。この培地
中に存在するグルタミン酸塩は子ウシ血清中に含まれて
いたもののみであり、最終濃度は12μMであった。
処理前に、シスターカルチュアを相対照顕微鏡の下で
観察して、培養物が同程度の濃度であることを確認し
た。グルタミン酸塩接触を、32〜34℃において、Choi,
D.W.,Maulicci−Gedde,M.およびViriegstein,A.R.,J.Ne
urosci.,,257〜268(1987)に報告されたものと類似
するがTris−HClを10mM HEPESで置換し、34℃でpH7.4に
緩衝化されたHEPES−緩衝「コントロール塩溶液」(CS
S)中で行った。培養物をCSSで2回洗浄し、1μmグリ
シンと試験すべき化合物を含むCSS(コントロールは1
μmグリシンのみを含有した。)中で5分間培養した。
グリシンが使用されたのは、NMDA部位においてグルタミ
ン酸塩の効果を高めることが証明され[Johson,J.W.and
Ascher.P.,Nature,325,529〜530(1987)]、かつ試験
薬との前培養が神経保護作用を高めるからである(Fink
beiner,S.C.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,4071
〜4074(1988)]。1μMグリシン+薬剤と既知濃度の
グルタミン酸塩(0〜1000μM)を含むCSSを3回の交
換によって加え、培養を5分間行った。培養液をCSSで
4回、次いで培地溶液で洗浄し、培養器内に一夜載置し
た。翌日、培養器から培養物を取り出し、CSSで2回洗
浄し、0.4%トリパン・ブルー(この染料は死亡細胞に
よってのみ取り入れられる。)で5分間処理した。培養
物を3回洗浄し、グリッド領域の生細胞を相対照顕微鏡
を用いて数えた。生細胞を最高の細胞数の%で表し、そ
の結果をグルタミン酸塩濃度に応じてプロットした。グ
ルタミン酸塩に接触させられなかった培養物は、一般に
グリッド領域において4500〜5500の生細胞を与えた。
DOIPG、DMTG、DMEPG、DOEPG、そせらの親化合物であ
るDTGおよびMK−801を、一定のグルタミン酸塩濃度の範
囲における神経保護作用について試験した。第1図に示
すように、30μmDOIPG、DMEPG、DOEPGまたはDMTGもしく
は50μmMK−801は、対照値と比較した場合、グルタミン
酸塩濃度30〜1000μmにおいて生細胞の増加を認めた。
これらの化合物によって与えられた神経保護の程度は、
試験された使用量において、グルタミン酸塩濃度30μm
またはそれ以上に対し、P<0.05において有意であった
(ANOVAおよび2−tailed t−test)。対照的に、DTGは
30μmの用量において、有意な神経保護レスポンスを与
えなかった。
8.インビボ神経毒性測定 脳へのNMDA注入の前でなく15分後に試験化合物の腹腔
内注入を行なうとの1点でプロトコルを変更して、マク
ドナルド等(前掲)の実験モデルを使用した。このアッ
セイでDOIPG、DMTGおよびDMEPGを試験し、約10−100μM
/体重kgの範囲の用量でNMDA注入により起る病変から保
護することが判明した。
DOIPG、DMTG、DMEPGおよびDOEPGのインビトロおよび
インビボ神経保護作用に関するこれらの観察結果は、脳
のPCP結合部位に対するそれらの親和性および上記NMDA
動向阻害と矛盾しない。
この発明のジ置換グアニジン類は、PCPレセプターを
通して作用する既知NMDAチャンネルブロッカーと化学的
に関連性をもたない。前述のように、従来は、PCP/ケタ
ミン系、ベンゾモルファンオピエート、ベンズ[f]イ
ソキノリン類化合物およびMK−801のみがPCPレセプダー
と相互作用することが知られていた[ズキンおよびズキ
ン、トレンズ・イン・ニューロサイエンス(Trends in
Neurosci.),投稿中(1988年)、ソンダース・キーナ
およびウエバー、トレンズ・イン・ニューロサイエンス
(Trends in Neurosci.)11巻1号37−40頁(1988
年)、ウオング、ケンプ、プリエストリー、ナイト、ウ
ッドラフおよびイバーシン、プロシーディングス・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・ユーエスエイ(Proc.N
atl.Acad.USA)83巻7104−7108頁(1986年)参照]。
この発明の化合物は、鼻内、経口または注射、例えば
筋肉内、腹腔内および静脈内注射により、投与すること
ができる。最適用量は常法により定めることができる。
この発明で用いるN,N′−ジ置換グアニジンの全部では
ないにしても大部分が実質的に水不溶性であるため、こ
れらは通常プロトン化形、例えば有機または無機酸との
医薬として許容される塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、半硫
酸塩、りん酸塩、硝酸塩、酢酸塩、修酸塩、くえん酸塩
等の形で投与される。
この発明の化合物は、慣用される賦形剤、すなわち有
効成分と反応して分解しない非経腸、経腸または鼻内投
与用の医薬として許容される有機または無機担体物質と
の混合物として、使用することができる。適当な医薬用
担体としては、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリ
エチレングリコール類、ゼラチン、乳糖、アナロース、
ステアリン酸マグネシウム、タルク、けい酸、粘稠パラ
フィン、芳香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセ
リド、石油エーテル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチル
セルロース、ポリビニルピロリドン等を含むが、これら
に限定されるものではない。医薬製剤は滅菌することが
でき、所望ならば補助剤、例えば滑沢剤、保存剤、安定
剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧調整用塩類、緩衝剤、着色
剤、着香剤および/または芳香性物質その他の有効成分
に有害な反応をしないものを混合することができる。
非経口投与の場合、特に適するのは溶液であり、好ま
しくは油性もしくは水性溶液およびけんだく液、乳液、
または坐剤を含めた植込剤である。アンプルが好便な単
位用量形態である。
経口投与の場合、特に適当なのは錠剤、ドラジエ、ま
たはカプセル等であり、タルクおよび/または炭水化物
系の担体・結合剤を有するが、担体としては乳糖および
/またはコーンスターチおよび/またはポテトスターチ
が好ましい。甘味を付与した媒質を使用して、シロップ
剤、エレキシル剤等も用いることができる。持効性組成
物は、有効成分を、例えばマイクロカプセル化、多層被
膜等により崩壊性が異なるコーティングに付すること等
により製剤することができる。
例えば腹腔内、筋肉内等の非経口投与が好ましく、そ
の発明の化合物は、疾病の病理がNMDAレセプターの作用
剤による神経細胞の過剰興奮に関係がある哺乳類、例え
ばひとの処置(治療)に特に有用である。代表的なもの
として、このような対象にはハンチントン舞踏病、筋萎
縮性側索硬化症、アルツハイマー病およびダウン症候群
のような神経変質性疾患が含まれる。また、例えばてん
かんによる、神経系の機能障害、および低酸素症、虚
血、低血糖症、または外傷の結果として起る、神経細胞
の変質に患っている対象の処置にも適当である。処置の
対象となる代表的なものには心発症、発作、脳および脊
髄損傷患者が含まれる。
使用する有効成分の実際に好適な量は、特定の使用化
合物、特定の剤形、投与法および投与部位により変る。
与えられた投与プロトコルに対する最適の投与率は、前
述の原則に基づいて行なう慣用的用量決定試験法を用い
て当業者が容易に定めることができる。
上記の実施例は、実施例中に記載した反応剤および/
または操作条件を総体的または個別的に変更しても同様
に好結果を得ることができる。
上に示した記載から、当業者はこの発明の本質的特徴
を容易に確認することができ、またその精神から外れる
ことなく、この発明について種々の変更および修正を行
ない、種々の用途および条件に適応させることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、インビトロ神経保護アッセイの結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 25/18 A61P 25/18 25/28 25/28 (72)発明者 ジョン・エフ・キーナ アメリカ合衆国97405 オレゴン、ユー ジーン、オニックス・ストリート 3854 番 (56)参考文献 国際公開88−583(WO,A1) Pro.Natl.Acad.Sc i.USA,83(22),8784−8 (1986) Trends Neurosci., 11(1),37−40(1988) Br.J.Pharmacol.,79 (2),565−75(1983) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】神経細胞のPCPレセプターに関して高い親
    和力を有するN,N′−ジ置換グアニジンまたはその生理
    学的に許容し得る塩を含み、該N,N′−ジ置換グアニジ
    ンが式 【化1】 (式中、RおよびR′は、各々低級アルキルまたはハロ
    ゲンで任意に置換されているフェニル基である) で示されるものである、神経細胞の過度の興奮を伴う神
    経系疾患の処置剤。
  2. 【請求項2】RおよびR′が同一であり、各々o−また
    はm−位置において低級アルキルまたはハロゲンで置換
    されているフェニル基である、請求項1の処置剤。
  3. 【請求項3】N,N′−ジ置換グアニジンがN,N′−ジ−m
    −トリル−グアニジン、N,N′−ジ−o−ヨード−フェ
    ニル−グアニジン、N,N′−ジ−o−エチルフェニル−
    グアニジンおよびN,N′−ジ−m−エチルフェニル−グ
    アニジンから成る群から選ばれたものである、請求項1
    記載の処置剤。
  4. 【請求項4】神経系疾患がアルツハイマー病、ハンティ
    ングトン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症またはダウン症候
    群である、請求項1〜3のいずれかに記載の処置剤。
  5. 【請求項5】N,N′−ジ置換グアニジンがNMDA(N−メ
    チル−d−アスパルテート)レセプター・イオン−チャ
    ンネル複合体のイオン・チャンネルをブロックするのに
    有効である、請求項1〜4のいずれかに記載の処置剤。
  6. 【請求項6】N,N′−ジ置換グアニジンが約10−100μm/
    kg(体重)の用量で投与される、請求項1〜5のいずれ
    かに記載の処置剤。
  7. 【請求項7】神経細胞のPCPレセプターに関して高い親
    和力を有するN,N′−ジ置換グアニジンまたはその生理
    学的に許容し得る塩を含み、該N,N′−ジ置換グアニジ
    ンが式 【化2】 (式中、RおよびR′は、各々低級アルキルまたはハロ
    ゲンで任意に置換されているフェニル基である) で示されるものである、NMDAレセプター−イオン・チャ
    ンネル関連の神経毒性の阻害剤。
  8. 【請求項8】RおよびR′が同一であり、各々o−また
    はm−位置において低級アルキルまたはハロゲンで置換
    されているフェニル基である、請求項7記載の阻害剤。
  9. 【請求項9】N,N′−ジ置換グアニジンがN,N′−ジ−m
    −トリル−グアニジン、N,N′−ジ−o−ヨード−フェ
    ニル−グアニジン、N,N′−ジ−o−エチルフェニル−
    グアニジンおよびN,N′−ジ−m−エチルフェニル−グ
    アニジンから成る群から選ばれたものである、請求項7
    記載の阻害剤。
  10. 【請求項10】神経毒性が虚血性脳発作発生後の内在性
    グルタメートの過度の放出に起因する、請求項7〜9の
    いずれかに記載の阻害剤。
  11. 【請求項11】N,N′−ジ置換グアニジンが約10−100μ
    m/kg(体重)の用量で投与される、請求項7〜10のいず
    れかに記載の阻害剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Trends Neurosci.,11(1),37−40(1988)

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