JP3230318U - 洋上風力発電用単杭の複合基礎構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】杭周辺の土壌体の抵抗とロックフィル本体の摩擦力を利用して杭基礎の支持力を向上させ、杭基礎の水平変位を低減し、翼板のサイズを減少し、翼板の受け力機構を変え、波と海流による海底土壌体の洗掘を阻止し、洋上風力タービンの安全で穏やかな作業を確保する洋上風力発電用単杭の複合基礎構造を提供する。【解決手段】単杭1、翼板2、ロックフィル本体3を含み、複数の翼板2は単杭1と固定接続し、ロックフィル本体3は翼板2と単杭1を囲み、翼板2の上端はロックフィル本体3の内部に設けられ、翼板2の下端は海底支持層に設けられ、ロックフィル本体3は杭本体の付近にある海底に石を堆積することで得られ、翼板2は三角形の柱状体の上端と下端にそれぞれ接続された三角形の台形体と菱形体を含む。【選択図】図2
Description
本考案は、洋上風力発電の技術分野に属し、洋上風力発電用単杭の複合基礎構造に関する。
洋上風力発電は、クリーンなエネルギーの一種として、風速が高く、風速が安定し、単機の容量が大きいという特徴等が備わって、急速に発展している。現在、洋上風力タービン基礎の型式は主に単杭基礎である。単杭基礎は、地形条件への強い適応性、速い施工速度、低い建設費という利点等が備わる。
単杭基礎は、洋上風力タービンの運転中に風力タービン及び杭基礎の自重による垂直荷重を負うだけでなく、風、砕波、海流、および海氷による水平荷重を負う必要がある。杭基礎は、水平周期荷重の作用下で大きな水平変位と杭の変形を引き起こすことがある。多くの工学的実践は、単杭基礎が通常垂直支持力の要件を満たすことができるが、水平支持力及び水平変位の要件を満たすことができないことを示している。「洋上風力発電所の設計基準」(GB / T 51308−2019)によれば、風力タービンの安全で穏やかな運転を確保するために、単杭基礎の泥面での累積傾斜角(横方向変位振幅)は、0.25°を超えてはならない。サイクルの累積傾斜角は、建設誤差を考慮して全運転期間中に0.5°を超えてはならない。工学では、通常、杭の直径と長さを大きくする方法を採用して、単杭基礎の水平支持力を高め、単杭基礎の水平変位を減らす。杭の直径と長さを大きくすると、単杭の製造コストが増加し、建設の難しさが増す。また、中国の深海の浅い上層の一部の海底に対しては、杭の長さや直径を大きくしても、杭基礎の水平支持力の要件を満たすことができない場合があり、埋設基礎の杭打ちを行う必要がある。ただし、埋設基礎の杭打ちを行うことはより困難であり、建設速度も遅いため、洋上風力発電所の建設費をさらに増加する。また、海底に設置された大径の単杭基礎により、波と海流が杭の周囲に渦を発生することがあり、単杭基礎付近の海底土壌体を洗掘し、風力タービンの安全で穏やかな運転に影響を与える。これに基づいて、洋上風力タービン用の新しい単杭基礎は、切実に考案される必要があり、十分な水平支持力を提供して杭の変位を減らすだけでなく、杭の直径と長さを減らし、深海の浅い上層の海域に適するとともに、波や海流による杭周辺の土壌体の浸食を防ぎ、施工速度を上げ、建設費を削減し、風力タービンの安全で穏やかな運転を確保することができる。
本考案で解決しようとする技術的な問題は、洋上風力発電用単杭の複合基礎構造を提供することである。単杭の付近にある海底にロックフィル本体を配置して杭周辺の土壌体を強化し、杭周辺の土壌体の支持力を向上させ、波や海流による海底土壌体の洗掘を防ぎ、風力タービンの安全で穏やかな運転を確保することができる。また、ロックフィル本体は多孔性が高いため、下方の基礎土壌体の固結を促進することができる。翼板は、単杭に対称的に溶接され、上端がロックフィル本体の内部に配置され、下端が海底支持層に配置されており、杭周辺の土壌体の抵抗を利用できるだけでなく、ロックフィル本体の摩擦力を完全に利用して、杭基礎の全体的な水平支持力を向上させ、杭基礎の水平変位、杭本体の変形及び曲げモーメントを低減することができる。
上記の技術的問題を解決するために、本考案で採用された技術的解決策は次のとおりである。洋上風力発電用単杭の複合基礎構造及びその施工方法は、単杭、翼板、ロックフィル本体を含み、複数の前記翼板は単杭と固定接続し、ロックフィル本体は翼板と単杭を囲み、翼板の上端はロックフィル本体の内部に設けられ、翼板の下端は海底支持層に設けられ、前記ロックフィル本体は、杭本体の付近にある海底に石を堆積することで得られ、前記翼板は、三角形の柱状体の上端と下端にそれぞれ接続された三角形の台形体と菱形体を含む。
前記翼板は、単杭の外壁に対称的かつ放射状に溶接される。
前記翼板のペア数は、洋上風力発電所の主風方向の数と同じであり、翼板の各ペアの法線方向は、洋上風力発電所の1つの主風方向に対応する。
ロックフィル本体の充填材は、多配分バルクロックフィル材であり、専用の導管輸送方式により、単杭の付近にある海底に密に堆積され、前記ロックフィル本体の堆積構造は、円環形の台形体である。
前記ロックフィル本体は、フリーフロー制御可能な水中のグラウト技術を採用して高い透水性を備えた固結ロックフィル本体と構造化ロックフィル本体の中の一種を形成することもできる。
本考案には、次に掲げられた有益な効果がある。
本考案の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造によれば、第一に、単杭本体の付近にある海底に設置されたロックフィル本体は、杭周辺の土壌体を強化し、杭周辺の土壌体の支持力を向上させ、波や海流による海底土壌体の洗掘を防ぎ、風力タービンの安全で穏やかな運転を確保することができる。第二に、翼板は、単杭に溶接され、上端がロックフィル本体の内部に配置され、下端が海底支持層に配置されており、杭周辺の土壌体の抵抗を利用できるだけでなく、ロックフィル本体の摩擦力を完全に利用することができる。第三に、ロックフィル体は、ばら荷の顆粒状ロックフィル材を自由かつ密に堆積することで得られるため、ロックフィル体は海底の地形や土壌体の変形に適応でき、体積前に海底を平たくする必要はない。
本考案の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造は、通常の単杭の不十分な支持力、従来の翼板単杭にある翼杭の大きなサイズ、波と海流が杭の周囲に渦を発生して単杭基礎付近の海底土壌体を洗掘し、風力タービンの安全で穏やかな運転に影響を与える問題を克服する。単杭、翼板、ロックフィル体を組み合わせた構造は、杭基礎の水平支持力を向上させ、杭基礎の水平変位、杭本体の変形、曲げモーメントを低減し、翼板のサイズを縮小し、翼板の受け力機構を変え、波や海流による海底土壌体の洗掘を防ぎ、洋上風力タービンの安全で穏やかな運転を全ライフサイクルで確保する。本考案の単杭−翼板−ロックフィル体の複合基礎は、杭の直径と杭本体の固定長を減らすことにより、新しい複合基礎構造を深海の浅い上層の海域に応用させ、埋設基礎の杭打ちを回避し、建設費を削減し、施工リスクを回避し、施工進度を速めることができる。
本考案の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造の施工方法は、ロックフィル本体の設置により、杭周辺の土壌体を強化しただけでなく、波や海流による海底土壌体の洗掘を防ぐとともに、翼板の上端はロックフィル本体の内部に設けられたロックフィル本体の摩擦力を利用して、基礎の水平支持力を向上させることができるため、本考案の実施形態では、翼板のサイズは小さく、ひいては単杭と翼板は工場で事前に製造した後、単杭を翼板に接続することができる。また、翼板のサイズが小さいため、既存の杭打ち装置を改造するだけで杭打ちプロセスを完了できることにより、新しい杭打ち装置をカスタマイズする必要はない。ロックフィル体は、ロックフィル材を自由かつ密に堆積することで得られるため、基礎土壌体を平らにし、沈泥を取り除く必要はない。また、現場の状況に応じてフリーフロー制御可能な水中のグラウト技術によりロックフィル体を固結して高い透水性を備えた固結ロックフィル本体と構造化ロックフィル本体を形成することにより、最初のロックフィル体の強度と耐洗掘性をさらに向上させることができる。したがって、本考案による洋上風力発電用単杭の複合基礎構造の施工方法には、簡単で快速で柔軟な施工などの利点がある。
以下のように、本考案を図面及び実施例と併せてさらに説明する。
図1−図4に示すように、洋上風力発電用単杭の複合基礎構造は、単杭1、翼板2、ロックフィル本体3を含み、複数の翼板2は単杭1と固定接続し、ロックフィル本体3は翼板2と単杭1を囲み、翼板2の上端はロックフィル本体3の内部に設けられ、翼板2の下端は海底支持層に設けられ、ロックフィル本体3は、杭本体の付近にある海底に石を堆積することで得られ、翼板2は、三角形の柱状体の上端と下端にそれぞれ接続された三角形の台形体と菱形体を含む。単杭1の付近にある海底にロックフィル本体3を配置することにより、杭周辺の土壌体を強化し、杭周辺の土壌体の支持力を向上させ、波や海流による海底土壌体の洗掘を防ぎ、風力タービンの安全で穏やかな運転を確保する。翼板2は、単杭1に溶接され、上端がロックフィル本体3の内部に配置され、下端が海底支持層に配置されており、杭周辺の土壌体の抵抗を利用できるだけでなく、ロックフィル本体3の摩擦力を完全に利用して、杭基礎の全体的な水平支持力を向上させ、杭基礎の水平変位、杭本体の変形及び曲げモーメントを低減することができる。
好ましくは、複数の翼板2が単杭の外壁に対称的かつ放射状に溶接される。翼板2の溶接位置は、海底の地質条件及び水平支持力の増加幅に依存する。翼板2の上端は、ロックフィル本体3の内部に位置し、翼板2の下端は、海底支持層に位置し、翼板2は、杭軸を中心として対称に配置されており、水平荷重下での杭本体の変位と変形の均一性を確保するのに都合が良い。説明すべきことは、翼板2の上端がロックフィル本体3の内部にある受け力機構と翼板2の全体的な受け力モードが多くの実践、数値模擬、屋内実験に基づいて得られた最良の結果である。
好ましくは、翼板2のペア数が洋上風力発電所の主風方向の数と同じであり、翼板2の各ペアの法線方向が洋上風力発電所の1つの主風方向に対応する。洋上風力発電所には一般に2〜3の主風方向があり、杭基礎に負われた水平荷重の大部分が風荷重から成る。翼板2のペア数が洋上風力発電所の主風方向の数と同じであり、翼板2の各ペアの法線方向が1つの主風方向に対応する場合、翼板2は、いずれか主風方向の負荷の下で最大の水平支持力を提供することができる。それにより、杭本体の変位、変形及び曲げモーメントを低減し、翼板2の使用効率を有効的に向上させる。説明すべきことは、翼板2の法線方向が主風方向に平行であることが多くの数値模擬及び実験により得られた有益な結論である。
好ましくは、ロックフィル本体3の充填材が多配分バルクロックフィル材であり、専用の導管輸送方式により単杭1の付近にある海底に密に堆積される。ロックフィル材は、バルク材料であり、さまざまな海底表面の地形に適応できるため、剛性重力基礎を構築する前に海底を平らにし、沈泥を取り除く必要はない。ロックフィル材は、自重で円環状のロックフィル構造を形成する。多配分バルクロックフィル材は、通常の単一配分ロックフィル材ではなく、ロックフィル本体の堆積構造により作れたロックフィル材である。石材は、耐食性が従来のロックフィル材よりも優れ、構造が安定し、土台の変形に適応する能力がより強い。同時に、その後グラウトして加固する遣り方にも都合よい。
好ましくは、ロックフィル本体3がフリーフロー制御可能な水中のグラウト技術を採用して高い透水性を備えた固結ロックフィル本体と構造化ロックフィル本体の中の一種を形成する。グラウトして固結することにより形成された固結ロックフィル本体と構造化ロックフィル本体は、優れた機械的特性が備わり、従来のロックフィルよりも耐洗掘効果が高く、波や海流に激しく洗掘される海域に適している。
好ましくは、翼板2がそれ自体の強度と剛性を確保するだけでなく、材料費を節約し、翼板の重量を減らす。同時に、翼板と杭本体との接合部における応力集中を低減し、翼板と杭本体との受け力を最適化し、翼板の表面摩擦力が杭の沈下のプロセスに与える影響を低めることができる。
上記の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造は、単杭1の付近にある海底にロックフィル本体3が配置され、杭周辺の土壌体を強化し、杭周辺の土壌体の支持力を向上させ、波や海流による海底土壌体の洗掘を防ぎ、風力タービンの安全で穏やかな運転を確保する。翼板2は、単杭1に溶接され、上端がロックフィル本体3の内部に配置され、下端が海底支持層に配置されており、ロックフィル本体3の摩擦力と杭周辺の土壌体の抵抗を完全に利用して杭基礎の全体的な水平支持力を向上させ、杭基礎の水平変位、杭本体の変形及び曲げモーメントを低減する。翼板2と杭本体1との受け力モードを最適化して、翼板と杭本体との接合部における応力集中及び疲労負荷を低減する。さらに、ロックフィル本体の配置により、翼板のサイズを縮小し、翼板の受け力機構を変え、翼板の取付け、輸送、及び施工の難しさを最小限に低め、また翼板の実際の利用効率を向上させることができる。単杭、翼板及びロックフィル本体/固結ロックフィル本体/構造化ロックフィル本体の相乗効果により、本考案の単杭−翼板−ロックフィル本体の複合基礎は、深海の浅い上層の海底に適し、埋設基礎の杭打ちを回避し、洋上風力発電所の建設費を削減する。
上記の実施例は、本考案の好ましい技術的解決策にすぎなく、本考案の制限と見なされるべきではない。本出願の実施例および実施例の特徴は、矛盾なしに互いに任意に組み合わせることができる。本考案は、請求項に記載された技術的解決策における技術的特徴と等しい代替解決策を含む、請求項に記載された技術的解決策を保護範囲とするべきである。すなわち、この範囲内の同一の置換及び改良も本考案の保護範囲内にある。
1 単杭
2 翼板
3 ロックフィル本体
2 翼板
3 ロックフィル本体
Claims (5)
- 単杭(1)、翼板(2)、ロックフィル本体(3)を含み、
複数の前記翼板(2)は単杭(1)と固定接続し、ロックフィル本体(3)は翼板(2)と単杭(1)を囲み、翼板(2)の上端はロックフィル本体(3)の内部に設けられ、翼板(2)の下端は海底支持層に設けられ、
前記ロックフィル本体(3)は杭本体の付近にある海底に石を堆積することで得られ、
前記翼板(2)は三角形の柱状体の上端と下端にそれぞれ接続された三角形の台形体と菱形体を含むことを特徴とする、洋上風力発電用単杭の複合基礎構造。 - 前記単杭(1)は大径鋼管であり、前記翼板(2)は単杭(1)の外壁に対称的かつ放射状に溶接されることを特徴とする、請求項1に記載の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造。
- 前記翼板(2)のペア数は、洋上風力発電所の主風方向の数と同じであり、翼板(2)の各ペアの法線方向は、洋上風力発電所の1つの主風方向に対応することを特徴とする、請求項2に記載の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造。
- 前記ロックフィル本体(3)の堆積構造は、円環形の台形体であることを特徴とする、請求項1に記載の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造。
- 前記ロックフィル本体(3)は高い透水性を備えた固結ロックフィル本体並びに構造化ロックフィル本体であることを特徴とする、請求項4に記載の洋上風力発電用単杭の複合基礎構造。
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