JP3230093B2 - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JP3230093B2 JP21708791A JP21708791A JP3230093B2 JP 3230093 B2 JP3230093 B2 JP 3230093B2 JP 21708791 A JP21708791 A JP 21708791A JP 21708791 A JP21708791 A JP 21708791A JP 3230093 B2 JP3230093 B2 JP 3230093B2
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography
    • G03F9/7049Technique, e.g. interferometric

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子等の製造に
使用される投影露光装置に関し、特に原画パターンを有
するマスクと、この原画パターンが転写される半導体ウ
ェハ等の基板とを相対的に位置合わせするアライメント
機構を有する投影露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子等の微細パターンを高
分解能で転写する装置として、投影型露光装置(ステッ
パー)が多用されるようになった。従来よりこの種の投
影型露光装置においては、レチクル(即ち、マスク)と
ウェハ上の1つのショット領域との位置合わせを行うた
めのアライメント方式として、TTR(スルーザレチク
ル)方式及びTTL(スルーザレンズ)方式等が使用さ
れている。TTR方式においては、レチクルの回路パタ
ーン周辺に形成されたアライメントマークと、ウェハ上
のショット領域周辺に形成されたアライメントマークと
を同時に検出して、両者の相対的な位置関係により位置
決めを行う。一方、TTL方式においては、ウェハ上の
ショット領域周辺に形成されたアライメントマークのみ
を検出して位置決めを行う。本発明は、TTR方式及び
TTL方式の両者に適用できるものであるが、以下では
TTR方式を主にして説明する。
【0003】図13は従来のTTR方式でアライメント
を行う投影型露光装置の一例を示し、この図13におい
て、ウェハステージ1上にウェハ2が載置され、このウ
ェハ2上の各ショット領域の周辺にはアライメントマー
ク3がそれぞれ形成されている。4はそのウェハステー
ジ1の上部に固定された両側テレセントリックの投影レ
ンズを示し、この投影レンズ4の瞳部にはウェハ2への
投影光の開口数NAを一定の値に制限するための絞り5
が取り付けられている。また、そのウェハステージ1は
その投影レンズ4の光軸に垂直な平面内で自由に平行移
動及び所定量の回転ができるように構成されている。そ
のウェハステージ1の位置は、このステージ1上の移動
鏡6と外部に固定されたディテクタ7(図示省略する
も、移動鏡及びディテクタは2対設けられている)とよ
りなるレーザ干渉測長機によって検出される。
【0004】8はそのウェハステージ1を移動させると
共に回転させるための駆動機構、9は制御装置を示し、
粗い位置決めを行うときにはこの制御装置9は、レーザ
干渉測長機により検出された位置が所定の位置に合致す
るようにその駆動機構8を介してそのウェハステージ1
を移動させる。10はアライメント装置を示し、最終的
な細かい位置決めを行うときには、そのアライメント装
置10よりその制御装置9に後述のアライメントマーク
の位置ずれの情報が供給され、その制御装置9はその位
置ずれが所定範囲内に収まるようにそのウェハステージ
1の位置決めを行う。
【0005】11は周知の露光用照明系を示し、この露
光用照明系11からはウェハ2上のフォトレジスト等の
感光材料に対する感光性の強い波長域(例えば波長43
6nmのg線、波長365nmのi線、波長248nm
のエキシマレーザ光等)の照明光IL1が生成され、こ
の照明光IL1はコンデンサレンズ12により集光さ
れ、この集光された照明光が支持部材13に固定された
レチクル14のパターン領域に照射される。そして、そ
のレチクル14を透過した光が投影レンズ4を介してウ
ェハ2上に投影されることにより、そのウェハ2上にそ
のレチクル14のパターン領域の像が結像される。
【0006】15はそのレチクル14のパターン領域の
近傍に形成されたアライメントマークを示し、このアラ
イメントマーク15の像とウェハ2上のアライメントマ
ーク3の像との相対的な位置のずれを所定の範囲内に収
めるように位置決めが行われる。
【0007】露光工程のウェハ2の表面にはレジスト層
が形成され、アライメント時にはそのレジスト層を介し
てそのウェハ2上のアライメントマーク3が検出され
る。このレジスト層としては、より高解像のパターン形
成を可能とするために、露光光に対する吸収率が高くな
る(透過率が低くなる)ような多層レジスト構造等の採
用が検討されるようになってきた。この場合、アライメ
ント用の照明光として露光光と同じ波長域の光を使用す
ると、そのアライメント用の照明光がウェハ2上のアラ
イメントマーク3に達するまでに大きな減衰を受けるこ
と、及びそのマーク3からの反射光(正反射光、散乱
光、回折光等)も減衰を受けることによって、そのウェ
ハ2上のマーク3がアライメント光学系によって十分な
光量で認識されないという不都合がある。
【0008】そこで、このようなレジスト等の感光材に
対して透過率の高い(感光性の低い)波長域の光、例え
ば露光光の波長域よりも長い波長域の光をアライメント
用の照明光として使用することが考えられる。これに関
して、一般に投影レンズ4は露光用の照明光に対しての
み良好に色収差補正されているのが現状であるため、そ
のアライメント用の照明光のもとではそのレチクル14
上のアライメントマーク15とそのウェハ2上のアライ
メントマーク3とがその投影レンズ4に対して共役にな
らなくなる。そこで、従来はその投影レンズ4のアライ
メント光に対する色収差を補正して、それらマーク3と
マーク15とを共役にするために、色収差補正用の補正
光学系が設けられている。
【0009】そのような補正光学系を有するアライメン
ト光学系について説明するに、図13において、16は
光ファイバー束を示し、この光ファイバー束16を介し
てアライメント用の照明光IL2が照射され、この照明
光IL2がコリメータレンズ17により略平行光線に変
換され、この略平行光線がハーフミラー18、対物レン
ズ19及びミラー20によりレチクル14上のアライメ
ントマーク15に集束される。このマーク15を透過し
た照明光は、色収差補正用の補正レンズ21及び投影レ
ンズ4によりウェハ2上のアライメントマーク3に集束
される。
【0010】そして、そのレチクル14上のアライメン
トマーク15からの反射光は、逆の光路を経てハーフミ
ラー18を透過した後に、結像用のレンズ22により電
荷結合型撮像デバイス(CCD)23の撮像面に集束さ
れる。一方、ウェハ2上のアライメントマーク3からの
反射光は一度レチクル14上のアライメントマーク15
の位置で一度結像した後、更に逆の光路を経てハーフミ
ラー18を透過し、結像用のレンズ22によりCCD2
3の撮像面に再結像される。この場合、マーク3及び1
5がそれぞれスリット状のパターンであるとすると、そ
のCCD23の撮像面には、図14に示すように、レチ
クル14側のマーク15のスリット状の像15I及びウ
ェハ2側のマーク3のレチクル14上での像の更なる像
3Iが形成され、これらの像の情報が図15に示すよう
な撮像信号としてアライメント装置10に供給される。
【0011】そして、アライメント装置10は、その像
15Iの中点とその像3Iの中点との位置ずれを検出し
て制御装置9に供給し、この制御装置9はその位置ずれ
が所定範囲内に収まるようにそのウェハステージ1の位
置決めを行う。なお、図13では、簡単のためアライメ
ント光学系は1個しか示してないが、実際にはアライメ
ント光学系及びアライメントマーク3、15はそれぞれ
例えば4組存在し、各アライメント光学系でそれぞれ位
置決めを行うことにより、ウェハステージ2の投影レン
ズ4の光軸に垂直な平面内での平行移動及び回転に関す
る正確なアライメントが行われる。
【0012】また、より高精度なアライメント方式とし
て回折格子を用いる方式が知られている(例えば特開昭
63−283129号公報参照)。この方式において
は、露光光の波長帯とは異なる波長帯のアライメント光
を用いて、ウェハ又はレチクル上に形成された1次元の
回折格子マークを光学的に検出し、それら検出した回折
格子マークのピッチ情報からウェハ又はレチクルの格子
ピッチ方向の位置を高分解能に検出する。この場合、そ
の回折格子マークの位置をより確実に且つ高精度に特定
するために干渉縞アライメント法が提案されている(例
えば特開昭63−283129号公報参照)。干渉縞ア
ライメント法においては、回折格子マークに対して2方
向からほぼ平行なレーザビームを同時に照射して1次元
の干渉縞を形成し、この形成された干渉縞の照射によっ
て回折格子マークから発生した回折光を光電検出し、そ
の出力信号から回折格子マークの位置のずれを検出する
ようにしている。
【0013】このような干渉縞アライメント法には、更
に2方向から照射されるレーザビームに一定の周波数差
を与えるヘテロダイン法と周波数差のないホモダイン法
との2つの方法がある。ホモダイン法では、回折格子と
平行に静止した干渉縞が作られ、位置検出にあたっては
ウェハ上等の回折格子をそのピッチ方向に微動させる必
要があり、その回折格子の位置は干渉縞を基準として求
められる。一方、ヘテロダイン法では、2本のレーザビ
ームの周波数差(ビート周波数)のために干渉縞がその
ピッチ方向にビート周波数で高速に流れることになるた
め、回折格子の位置はビート周波数で得られる光電信号
と基準信号との位相差から求められる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
図13例の投影型露光装置においては、アライメントの
際にミラー20及び補正レンズ21を挿入すると共に、
露光時にはそれらミラー20及び補正レンズ21を露光
光の通過領域の外に退去させる必要があり、それら光学
系の出し入れの繰り返しにより光学系の位置が次第にず
れて、アライメント精度が次第に低下する虞があった。
また、光学系の出し入れには時間がかかるため、レチク
ル14のパターンをウェハ2上にステップアンドリピー
トで転写していく場合には時間が長くかかり、全体とし
て単位時間当りに転写露光できるウェハの枚数(スルー
プット)が低下する不都合があった。
【0015】更に、図13例では、レチクル14上のア
ライメントマーク15とウェハ2上のアライメントマー
ク3とは露光光のもとで投影レンズ4に対して共役であ
る。そのため、そのレチクル14上のマーク15をパタ
ーン領域に近づけすぎると、露光時にそのマーク15を
透過した照明光によりそのウェハ2上のマーク3が照射
され、現像によりそのマーク3が破壊されてしまう虞が
ある。このマーク3の破壊は本質的な問題ではなく、再
び焼き付けることもできるが、広いマーク領域を必要と
するという不都合がある。また、それを避けるために、
そのレチクル14上のマーク15をパターン領域から遠
避けると、それに比例してウェハ2上のマーク3もパタ
ーン領域から遠避ける必要がある。
【0016】しかしながら、例えばステップアンドリピ
ートで転写露光を繰り返すような場合には、ウェハ2上
の隣合うショット領域の中間領域であるストリートライ
ン領域にアライメントマーク3が形成されるが、そのレ
チクル14上のマーク15をパターン領域から遠避ける
と、そのストリートライン領域を広くしなければならな
くなる。このようにストリートライン領域を広くする
と、全体としてウェハ2上のショット配列密度が低下す
る不都合がある。
【0017】これに関して、特開平1−140719号
公報には、図13例の補正レンズ21の代わりに露光用
の照明光には影響を与えずアライメント光のみにレンズ
として作用するフレネルゾーンプレートを使用した投影
露光装置が開示されているが、この場合でも図13例の
ミラー20に相当するビームベンダーが使用されてい
る。従って、このビームベンダーを出し入れする必要が
あるため、転写露光に時間がかかるという不都合は解消
されていない。更にそのフレネルゾーンプレートを露光
光が通過するので、露光の際の結像特性がある程度は劣
化する虞がある。
【0018】また、アライメントマークとしての回折格
子マークを干渉縞アライメント法で検出するようにした
投影型露光装置として、特開平2−116116号公報
で開示されている投影型露光装置においては、例えばダ
イクロイックミラー及び2焦点素子等を使用することに
より、アライメント光学系を固定したままで随時アライ
メントができると共に、露光用の照明光によるウェハ上
のアライメントマークの照射が防止できるようになされ
ている。しかしながら、その例においても、レチクル上
のアライメントマークとウェハ上のアライメントマーク
とは露光光のもとで略々共役であるため、そのウェハ上
のアライメントマークをショット領域に十分に近づける
ことはできなかった。
【0019】本発明は斯かる点に鑑み、補正レンズ等を
出し入れすることなく常に高精度にアライメントができ
る投影露光装置を提供することを目的とする。更に、本
発明は、ウェハ上のアライメントマークをパターン領域
により近接させてショット配列の密度を高めることがで
きると共に、TTR方式に適用した場合でも比較的簡単
な構成で露光用の照明光によるそのウェハ上のアライメ
ントマークの破壊が防止できるようにすることを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明による投影露光装
置は、例えば図1及び図2に示す如く、所定のパターン
が形成されたマスク(33)を露光用の第1照明光IL
1で照射する露光用照明系(11,12)と、この第1
照明光のもとでそのマスク(33)のパターン領域の像
を感光基板(2)上にテレセントリックな条件で結像す
る投影光学系(4)と、その感光基板(2)上に形成さ
れたアライメント用のマーク(36Y1)にその投影光
学系(4)を介して、その第1照明光IL1と異なる波
長の第2照明光LBA,LBBを照射し、そのマーク
(36Y1)から生じた光情報をその投影光学系(4)
を介して検知するアライメント手段とを備えた装置にお
いて、そのマスク(33)から発生してその投影光学系
(4)に入射するその第1照明光IL1の内、その投影
光学系(4)の瞳面の周辺部分を通る光束を遮蔽すると
共に、その第2照明光LBA,LBBを一定量だけ偏向
させて通過させる作用を有する遮蔽領域(26)が形成
されたアパーチャ板(24)を、その瞳面又はその近傍
に配置したものである。
【0021】そして本発明は、そのアライメント手段と
して、そのアパーチャ板(24)の遮蔽領域(26)に
その第2照明光LBA,LBBが向かうようにその第2
照明光LBA,LBBを射出するアライメント用照明系
(37,39,40,47,50a,52,32)と、
そのアパーチャ板(24)の遮蔽領域(26)で偏向さ
れてその感光基板(2)に向かうその第2照明光LB
A,LBBによってそのアライメント用のマーク(36
Y1)が照射されたとき、このマーク(36Y1)から
生じた光情報をそのアパーチャ板(24)の遮蔽領域
(26)を介してそのマスク(33)側で光電変換する
マーク検出系(32,52,51,50b,53,5
4)とを設けたものである。
【0022】また、本発明におけるそのアパーチャ板
(24)の遮蔽領域(26)は、例えば図4に示すよう
に、入射してくるその第2照明光LBA,LBBをその
投影光学系(4)の光軸AXに対して略々半径方向に一
定量だけ偏向させるようになされているものである。
【0023】更に、本発明は、例えば図1に示すよう
に、そのマスク(33)のパターン領域の近傍にマスク
側のアライメント用のマーク(34Y1)を設け、その
第2照明光LBA,LBBはこのマスク側のアライメン
ト用のマーク(34Y1)を通過するようにし、その第
2照明光LBA,LBBの照射によりそのマスク側のア
ライメント用のマーク(34Y1)から生じた光情報を
もそのマーク検出系で検出するようにしたものである。
【0024】
【作用】斯かる本発明によれば、そのアパーチャ板(2
4)の遮蔽領域(26)はその投影光学系(4)の瞳面
の周辺部分に設けられているので、そのアパーチャ板
(24)の遮蔽領域(26)にその第2照明光LBA,
LBBが向かうようにするには、そのアライメント用照
明系(37,39,40,47,50a,52,32)
はその投影光学系(4)の光軸に対して所定の角度だけ
傾けてそれら第2照明光LBA,LBBをその投影光学
系に入射させればよい。この場合、その遮蔽領域(2
6)にはその第2照明光LBA,LBBを偏向させる作
用があるので、アパーチャ板(24)が無いときにその
投影光学系(4)にその第2照明光に関して横及び縦の
色収差が生じる場合でも、その第2照明光をその感光基
板(2)上に形成されたアライメント用のマーク(36
Y1)に確実に入射させることができる。そして、その
アライメント用のマーク(36Y1)からの反射光はそ
のアパーチャ板(24)の遮蔽領域(26)を経てマー
ク検出系に達するので、そのアライメント用のマーク
(36Y1)からの光情報を正確に検出することができ
る。
【0025】この場合、色収差の補正はそのアパーチャ
板(24)の遮蔽領域(26)の偏向作用によって実質
的に行われるので、色収差補正用の光学系を別途出し入
れする必要がなく、アライメント精度は良好に維持され
ると共に、スループットも低下することがない。また、
そのアパーチャ板(24)の遮蔽領域(26)では露光
用の第1照明光IL1は遮光されているので、その遮蔽
領域(26)により露光パターンに歪等が生じることは
ない。
【0026】また、図4例では、そのアパーチャ板(2
4)の遮蔽領域(26)は、入射してくるその第2照明
光LBA,LBBをその投影光学系(4)の光軸AXに
対して略々半径方向に一定量だけ偏向させるようになさ
れている。図4のメリジオナル面及びサジタル面への投
影図である図6及び図7より分かるように、これは第2
照明光をサジタル方向及びメリジオナル方向の両方向に
偏向することを意味し、これにより横及び縦の色収差
(倍率色収差と軸上色収差)が良好に補正される。
【0027】また、図1に示すように、そのマスク(3
3)のパターン領域の近傍にマスク側のアライメント用
のマーク(34Y1)を設けた場合には、TTR方式の
アライメント機構が形成される。この場合、本発明で
は、そのアパーチャ板(24)の遮蔽領域(26)の偏
向作用により、そのマスク側のマーク(34Y1)とそ
の感光基板(2)側のマーク(36Y1)とは露光用の
第1照明光IL1のもとでその投影光学系(4)に対し
て共役の位置に設定する必要がない。従って、例えばそ
のマスク(33)側のマーク(34Y1)の位置を露光
用の第1照明光IL1が通過しないような領域(パター
ン領域から比較的遠く離れた領域)に設定すると共に、
その感光基板(2)側のマーク(36Y1)の位置をパ
ターン領域に近づけることができる。このようにする
と、その露光用の第1照明光IL1によるその感光基板
(2)側のマーク(36Y1)の破壊を防止することが
できると共に、その感光基板(2)側の隣合うショット
領域の間隔を短くして転写露光の密度を高くすることが
できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の第1実施例につき図1〜図7
を参照して説明する。本例はTTR(スルーザレチク
ル)方式でアライメントを行う投影型露光装置に本発明
を適用したものであり、この図1において図13に対応
する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略す
る。
【0029】図1は本例の投影型露光装置を示し、この
図1において、4は従来例と同様の両側テレセントリッ
クな投影レンズであり、その投影レンズ4の光軸に垂直
な平面内で図1の紙面に平行な軸をy軸(左方向を+と
する)、その紙面に垂直な軸をx軸とする(向こう側を
+とする)。本例では、その投影レンズ4の瞳部に従来
例とは異なるアパーチャ板24を取り付ける。このアパ
ーチャ板24は、図2に示すように、円板上の石英より
形成し、中央部の円形の開口部25を囲む輪帯状の領域
26には、露光用の照明光を遮断すると共にアライメン
ト用の照明光は通過させる波長選択性のコーティング膜
(ダイクロイック膜)を施す。その円形の開口部25
は、露光用の照明光に対する開口数NAを制限するため
に使用され、その輪帯状の領域26では露光用の照明光
は遮断されるので、以下ではその領域26を「遮光帯」
と呼ぶ。
【0030】その遮光帯26の裏面の12箇所に位相型
の回折格子を形成する。位相型の回折格子は石英を所定
ピッチで平行にエッチングすることにより形成すること
ができる。ただし、位相型の回折格子の代わりにクロー
ム蒸着等により形成した振幅型の回折格子を使用しても
よい。位相型の格子の場合には、0次光を抑制すること
ができるので、振幅型の格子に比べてアライメント用の
信号のSN比が良好になる。
【0031】図2を参照してそれら12個の回折格子に
ついて詳細に説明する。先ずy軸の負の領域にy軸に対
称に2個の同一ピッチの回折格子27a1及び27a2
を形成すると、これら2個の回折格子27a1及び27
a2のピッチ方向に平行な中心線をそれぞれL1及びL
2としたとき、中心線L1及びL2はy軸上の点OPで
交差する。この点OPを通り光軸AXに平行な直線を軸
OPとすると、この軸OPは投影レンズの光軸AXと必
ずしも合致するとは限らない。そして、y軸の正の軸上
に所定ピッチでy軸方向に回折格子27bを形成する。
また、同様に回折格子27bの両側に回折格子28a1
及び28a2を形成し、回折格子27a1と27a2と
の間のy軸上に回折格子28bを形成する。更に、y軸
に沿う6個の回折格子を90゜回転した位置でx軸に沿
って6個の回折格子29a1,29a2,29b,30
a1,30a2,30bを形成する。
【0032】後述のように、1組の回折格子27a1,
27a2,27bを使って図1のウェハ2のy軸方向の
マーク位置検出が行われる。同様に1組の回折格子28
a1,28a2,28bによりウェハ2のy軸方向のマ
ーク位置検出が行われ、残りの2組(6個)の回折格子
によりウェハ2のx軸の方向での位置検出が行われる。
【0033】図1に戻り、31はアライメント装置を示
し、このアライメント装置31はヘテロダイン法による
干渉縞アライメント方式でウェハ2の位置ずれの信号を
生成し、この信号を制御装置9に供給する。
【0034】32はダイクロイックミラー、33は支持
部材13に支持されたレチクルを示し、露光用照明系1
1から射出される照明光IL1を集光するコンデンサレ
ンズ12とそのレチクル33との間にそのダイクロイッ
クミラー32を投影レンズ4の光軸に対して45゜に斜
設する。このダイクロイックミラー32は、露光用の照
明光IL1に対しては90%以上の透過率を有し、アラ
イメント用の照明光(露光用の照明光よりも長波長)に
対しては50%以上の反射率を有する。レチクル33の
パターン領域はそのダイクロイックミラー32を透過し
た照明光IL1により一様に照明される。
【0035】また、本例のレチクル33においては、図
3(A)に示すように、正方形のパターン領域PARの
周囲に露光光及びアライメント光の両方を遮断する遮光
帯Hiを所定幅で形成し、この遮光帯Hiにy軸の負の
領域及び正の領域でそれぞれ接するようにアライメント
マークとしての回折格子34Y1及び34Y2を形成
し、これら回折格子34Y1及び34Y2の外側にそれ
ぞれアライメント光を通過させる窓部35Y1及び35
Y2を形成する。それら回折格子34Y1及び34Y2
は、それぞれx方向に所定ピッチで形成された反射型の
回折格子であると共に、入射された光の50%程度をそ
のまま透過させるものである。同様にその遮光帯Hiに
x軸の負の領域及び正の領域で接するように、y方向に
所定ピッチを有する反射型の回折格子34X1及び34
X2を形成し、これら回折格子の外側にそれぞれ窓部3
5X1及び35X2を形成する。
【0036】この場合、本例の図1の露光用照明系11
には照明光IL1のレチクル33上での視野を制限する
ためのレチクルブラインドが設けられており、図3
(A)における遮光帯Hiの外側にはその照明光IL1
が照射されない。即ち、そのレチクル33の遮光帯Hi
に隣接する回折格子34Y1〜34X2及び窓部35Y
1〜35X2にもその露光用の照明光IL1は照射され
ない。
【0037】そのレチクル33上に形成された回折格子
34Y1〜34X2に対応するように、本例のウェハ2
にも図3(B)に示すように、反射型の回折格子36Y
1〜36X2を形成する。即ち、そのレチクル33のパ
ターン領域PARを投影レンズ4でウェハ2上に所定の
縮小率で縮小投影して得られるショット領域をPAWと
すると、このショット領域PAWにy軸の正の領域及び
負の領域で接するようにそれぞれx方向に所定ピッチを
有する反射型の回折格子36Y1及び36Y2を形成す
る。同様に、そのショット領域PAWにx軸の正の領域
及び負の領域で接するようにそれぞれy方向に所定ピッ
チを有する反射型の回折格子36X1及び36X2を形
成する。
【0038】投影レンズ4による縮小率を1/Nとし
て、レチクル33上の回折格子34Y1等のピッチをP
とすると、ウェハ2上の回折格子36Y1等のピッチは
一例として2P/Nに設定される。例えば投影レンズ4
による縮小率を1/5、レチクル33上の回折格子34
Y1のピッチを15μmとすると、ウェハ2上の回折格
子36Y1のピッチは6μmに設定される。
【0039】この場合、レチクル33上では回折格子3
4Y1等はパターン領域PARとは遮光帯Hiを介して
接しているのに対して、ウェハ2上では回折格子36Y
1等はショット領域PAWに直に接しているが、これは
レチクル33上の回折格子34Y1等とウェハ2上の回
折格子36Y1等とは露光用の照明光IL1のもとで投
影レンズ4に関して共役ではないことを意味する。例え
ば、レチクル33上の回折格子34Y1の照明光IL1
のもとでのウェハ2上の共役な像の位置が図1及び図3
(B)に示す位置34Y1Iであるとすると、この位置
34Y1Iは回折格子36Y1よりもかなり外側に位置
している。これにより本例では、ウェハ2上のショット
領域同士の境界部であるアライメントマークの形成部の
幅を従来よりも狭くした上に、露光用の照明光によるそ
のウェハ2上のアライメントマーク(回折格子36Y1
等)の破壊を防止することができる。
【0040】また、本例ではレチクル33上の回折格子
34Y1〜34X2を透過したアライメント光がそれぞ
れウェハ2上の回折格子36Y1〜36X2を照射して
いるが、これは後述のように本例のアパーチャ板24の
遮光帯26に形成されている回折格子の偏向作用により
そのアライメント光が曲げられることによるものであ
る。更に、本例ではそのウェハ2上の回折格子36Y1
〜36X2から反射されたアライメント光(後述のよう
に1次の回折光)は、そのアパーチャ板24の遮光帯2
6に形成されている回折格子の偏向作用によりそれぞれ
レチクル33上の窓部35Y1〜35X2を通って検出
系に向けられる。
【0041】図1に戻り、本例のアライメント手段につ
いて詳細に説明するに、アライメント光としては、ウェ
ハ2上のレジストによる減衰の小さい(感光性の弱い)
波長域の光が使用され、具体的には波長633nmのH
e−Neレーザ光等が使用される。37はアライメント
光として直線偏光のレーザビームを発生するレーザ光源
を示し、そのレーザビームは光路を直角に折り曲げるミ
ラー38により反射されて複屈折性の結晶よりなるウォ
ラストンプリズム39に入射する。そのレーザビームの
偏光方向をそのプリズム39の直交する結晶軸にそれぞ
れ45゜で交わる方向に設定する。これによりそのプリ
ズム39からは、互いに偏光方向が直交するP偏光のレ
ーザビームとS偏光のレーザビームとが放射状に射出さ
れる。
【0042】40はそのプリズム39の位置に前側焦点
面を有するコリメータレンズを示し、このレンズ40に
よりそれら2本の放射状のレーザビームの主光線が平行
にされ、平行にされた一方の(こちらをP偏光とする)
レーザビームは第1の音響光学変調素子41aに入射
し、他方の(S偏光の)レーザビームは第2の音響光学
変調素子41bに入射する。これら音響光学変調素子4
1a及び41bは内部を通過するレーザビームの周波数
をそれぞれf1及びf2だけ偏位させることができ、こ
れによりそのP偏光のレーザビームとS偏光のレーザビ
ームとの周波数をΔf(=f1−f2)だけ異ならしめ
る。その周波数が偏位されたP偏光及びS偏光のレーザ
ビームの一部がそれぞれビームスプリッター42a及び
42bで取り出され、これら取り出されたレーザビーム
はミラー43及びハーフミラー44を用いて混合され、
この混合されたレーザビームは直線偏光板45を経て光
電変換素子46に入射する。
【0043】その直線偏光板45によりP偏光のレーザ
ビームの一部とS偏光のレーザビームの一部とが干渉
し、光電変換素子46からは、周波数がΔfのビート信
号S1が出力される。このビート信号S1はヘテロダイ
ン法で干渉縞アライメントを行う場合の基準信号であ
り、このビート信号S1をアライメント装置31に供給
する。
【0044】それらビームスプリッター42a及び42
bを通過したレーザビームはそれぞれ集束用のレンズ4
7及び1/4波長板48を経てミラー49上に集束され
る。1/4波長板48によりP偏光及びS偏光のレーザ
ビームは互いに逆の回転方向の円偏光に変換される。円
偏光には互いに直交する2方向の偏光成分が含まれてい
るので、その1/4波長板48から射出された2本のレ
ーザビームは可干渉であり、これら2本の可干渉のレー
ザビームを以下ではレーザビームLBA及びLBBと呼
ぶ。
【0045】50aはそのミラー49上の2本のレーザ
ビームの集束点に前側焦点を有するコリメータレンズを
示し、そのミラー49の角度を調整することにより、そ
のミラー49から放射状に反射される2本のレーザビー
ムLBA及びLBBをそのレンズ50aの下側の周辺部
に照射する。図1においては、レーザビームLBA及び
LBBは重なって見えるが、実際にはレーザビームLB
Aが紙面に対して手前側を通過し、レーザビームLBB
が向こう側を通過している。そのレンズ50aにより主
光線が平行にされた2本のレーザビームは、そのレンズ
50aの光軸に対して45゜の角度で斜設されたハーフ
ミラー51を経てアライメント用の対物レンズ52に入
射する。この対物レンズ52より射出された2本のレー
ザビームはダイクロイックミラー32で下方に反射され
て、レチクル33に形成されたアライメントマークとし
ての回折格子34Y1(図3(A)参照)に集束する。
【0046】そのレンズ50aと対物レンズ52との間
では2本のレーザビームLBA及びLBBの両主光線は
対物レンズ52の光軸と平行である。更に本例ではその
対物レンズ52の前側焦点面fa上で2本のレーザビー
ムLBA及びLBBがそれぞれ個別に集束するようにす
ると共に、その対物レンズ52の後側焦点面がレチクル
33の回折格子34Y1等の形成面に合致するようにす
る。これにより、その対物レンズ52より射出される2
本のレーザビームLBA及びLBBは個々には所定の直
径を有する平行光束となるが、それらレーザビームLB
A及びLBBの主光線はそのレチクル33の回折格子3
4Y1上で所定角度で交差する。この交差角度は、それ
ら2本のレーザビームの干渉によりその回折格子34Y
1上に生ずる干渉縞のピッチが、その回折格子34Y1
のピッチの1/2になるように設定する。干渉縞のピッ
チは、周知の如く2本のレーザビームの交差角度及びレ
ーザビームの波長により決定される。また、それらレー
ザビームLBA及びLBBの周波数はビート周波数であ
るΔfだけ異なっているので、その干渉縞のピッチをQ
とすると、その干渉縞はピッチ方向にΔf・Qの速度で
位相が順次変化している。
【0047】本例の回折格子34Y1は図1の紙面に垂
直な方向に所定ピッチで形成されていると共に、2本の
レーザビームによってその回折格子34Y1上に生ずる
干渉縞のピッチはその回折格子34Y1のピッチの1/
2である。従って、入射される一方のレーザビームLB
Aのその反射型の回折格子34Y1による紙面の向こう
側への1次の(これを+1次とする)回折光と、他方の
レーザビームLBBのその回折格子34Y1による紙面
の手前側への1次の(即ち、−1次の)回折光とは、同
軸且つ平行な受光ビームLRとなる。投影レンズ4の光
軸を含み図1の紙面に平行な面をメリジオナル面とする
と、この受光ビームLRは、メリジオナル面内で投影レ
ンズ4の光軸から次第に遠避かりながらダイクロイック
ミラー32側に戻されるレーザビームとなる。
【0048】その受光ビームLRはダイクロイックミラ
ー32で反射された後、対物レンズ52及びハーフミラ
ー51を経てコリメータレンズ50bに入射する。そし
て、対物レンズ52及びレンズ50bによるレチクル3
3上の回折格子34Y1の形成面の共役面をfcとし
て、この共役面fcに光電変換素子53及び54の受光
面を配置し、そのレンズ50bにより再び平行光束に変
換された受光ビームLRがその一方の光電変換素子53
に入射するようにする。この受光ビームLRは、レチク
ル33上の回折格子34Y1とこの回折格子上に形成さ
れた干渉縞とを重ね合わせたパターンと等価であり、そ
の干渉縞はビート周波数で位相が変化しているので、そ
の光電変換素子53からは、そのビート周波数で正弦波
状に変化する振幅のビート信号S2が得られる。このビ
ート信号S2をアライメント装置31に供給する。その
レチクル側のビート信号S2と基準となるビート信号S
1との位相を比較することにより、そのレチクル33の
回折格子34Y1の基準位置からのずれを検出すること
ができる。
【0049】次に、本例の投影レンズ4中に設けられた
アパーチャ板24の作用について詳細に説明する。アパ
ーチャ板24が存在しないものとすると、アライメント
光のもとでは投影レンズ4に対して、レチクル33の回
折格子形成面とウェハ2上の回折格子形成面fbとは共
役ではなく、そのレチクル33の回折格子形成面に対す
る共役面は例えばその面fbよりも下方の面frにな
る。このような色収差がそのアパーチャ板24により除
去される。
【0050】本例では2本のレーザビームLBA及びL
BBは対物レンズ52の下側の周辺部、即ち対物レンズ
52の光軸から偏芯した位置に入射するように調整され
ているので、その対物レンズ52を射出してダイクロイ
ックミラー32で反射された2本のレーザビームLBA
及びLBBは、対物レンズ52の光軸が投影レンズ4の
光軸AXと平行だとしても、投影レンズ4の光軸AXに
対して半径方向に次第に遠避かる方向に傾いている。こ
のような投影レンズ4の光軸AXと2本のレーザビーム
LBA及びLBBのその投影レンズ4に対する入射方向
とのずれの割合を「テレセン度」と呼び、図1の状態の
テレセン度の符号を+にとる。そのテレセン度の大きさ
及び符号はレンズ50aの前方のミラー49の傾き角を
調整することにより任意に設定することができる。本例
ではそのテレセン度を調整して、そのレチクル33の回
折格子34Y1を透過した2本のレーザビームLBA及
びLBBが、それぞれ投影レンズ4中のアパーチャ板2
4の遮光帯26に形成された回折格子27a2及び27
a1(図2参照)に入射するようにする。
【0051】この場合、図4に示すように、投影レンズ
4のアパーチャ板24の前側のレンズ系を55、後側の
レンズ系を56とすると、レーザビームLBA及びLB
Bはそれぞれレンズ系55により曲げられて回折格子2
7a2及び27a1に入射する。これら回折格子27a
1及び27a2は、図2に示すように投影レンズ4の光
軸AXに近い軸OPの方向に所定ピッチで格子が形成さ
れているものである。従って、図4に示すように、例え
ば回折格子27a1からはレーザビームLBBの0次光
LBB0 に対して光軸AXの側に偏向された1次光LB
1 が射出され、回折格子27a2からはレーザビーム
LBAの0次光LBA0 に対して光軸AXの側に偏向さ
れた1次光LBA1 が射出される。
【0052】図5を参照して更に詳細に説明するに、回
折格子27a1からは0次光を中心として両側に+1次
光、+2次光、‥‥及び−1次光、−2次光、‥‥等の
回折光が射出される。これらの回折光とレンズ系56の
主面と平行な面56Hとのそれぞれの交点はy軸に対し
て所定の角度で交差する直線上に存在する。同様に、回
折格子27a2からも0次光を中心として両側に+1次
光、+2次光、‥‥及び−1次光、−2次光、‥‥等の
回折光が射出され、これらの回折光と面56Hとのそれ
ぞれの交点もy軸に対して所定の角度で交差する直線上
に存在する。従って、例えば回折格子27a1から射出
される+1次の回折光は、0次の回折光に対してその面
56H上でx軸方向及びy軸方向にそれぞれΔDs及び
ΔDmだけ軸OP側にずれている。これにより実質的に
横及び縦の色収差が補正される。ただし、本例の回折格
子27a1、27a2等は位相型の回折格子であるた
め、0次光の強度をほとんど0にすると共に、+1次の
回折光のみの強度を大きくすることができ、+1次光以
外のレーザビームは無視することができる。
【0053】図4に戻り、回折格子27a1及び27a
2から射出した1次の回折光LBB 1 及びLBA1 は、
それぞれレンズ系56により曲げられてウェハ2上のア
ライメントマークとしての反射型の回折格子36Y1上
に集束される。なお、これらウェハ2上の回折光は個々
にはそれぞれ所定の直径を有する平行光束である。図6
及び図7はそれぞれ図4のx方向及びy方向への投影図
であるが、図6により実質的にアライメント光に対する
横方向の色収差による影響が除かれている様子が分か
り、同時に図7に示すように、実質的にアライメント光
に対する縦方向の色収差による影響が除かれていること
が分かる。
【0054】図4において、ウェハ2上の回折格子36
Y1上にも、回折光LBB1 及びLBA1 によるx方向
に所定ピッチを有する干渉縞が形成されるが、この干渉
縞のピッチはその回折格子36Y1のx方向のピッチの
1/2である。従って、回折光LBB1 のその回折格子
36Y1によるx軸の正の方向への1次の(これを+1
次とする)回折光と、回折格子LBA1 のその回折格子
36Y1による−1次の回折光とは、同軸且つ平行なレ
ーザビームLBCとなる。このレーザビームLBCもメ
リジオナル面内に存在し、レンズ系56の方向に進行す
る。
【0055】そのレーザビームLBCはそのレンズ系5
6により曲げられてアパーチャ板24の遮光帯26中の
回折格子27bに照射される。この回折格子27bは、
図2に示すようにy軸方向に所定ピッチで形成されてい
るので、その回折格子27bをそのまま通過する0次光
に比べて1次の回折光は光軸AXの方向に偏向されてい
る。この回折格子27bも位相型であるため、その1次
の回折光に比べて0次光及び他の回折光の強度は無視で
きる程度である。その1次の回折光はレンズ系55によ
り曲げられてレチクル33上の回折格子34Y1に隣接
して形成された窓部35Y1(図3(A)参照)に入射
する。この窓部35Y1を上側に透過するレーザビーム
が図1の受光ビームLWとなる。
【0056】図1において、この受光ビームLWは受光
ビームLRと平行にダイクロイックミラー32により反
射されて対物レンズ52に入射し、この対物レンズ52
から射出された受光ビームLWはハーフミラー51及び
レンズ50bを経て光電変換素子54に入射する。受光
ビームLWの強度は、ウェハ2上の回折格子36Y1と
この回折格子上に形成される干渉縞とを重ね合わせて得
られる強度であり、その干渉縞もビート周波数Δfで位
相が変化しているものであるため、その光電変換素子5
4から得られる信号は周波数Δfのビート信号S3とな
る。このビート信号S3をアライメント装置31に供給
する。アライメント装置31は、ウェハ2側のビート信
号S3と基準のビート信号S1との位相を比較すること
により、そのウェハ2の回折格子36Y1の基準位置か
らのずれを検出することができ、ひいてはレチクル33
上の回折格子34Y1とウェハ2上の回折格子36Y1
との位置ずれを回折格子のピッチの数10分の1以下の
精度で検出することができる。
【0057】また、図示省略するも図1例の投影型露光
装置には、レチクル33上の他の3組の回折格子に対応
させて更に3組のアライメント用の光学系が設けられて
おり、それらによりウェハ2の回折格子36Y2、36
X1及び36X2(図3(B)参照)に関するアライメ
ントを行うことができるようになっている。これにより
レチクル33とウェハ2とは平行移動及び回転に関する
正確なアライメントを行うことができる。
【0058】上述のように本例によれば、投影レンズ4
内のアパーチャ板24の遮光帯26の中にアライメント
光の偏向部材としての回折格子27a1等を設け、その
アライメント光を所定のテレセン度でその投影レンズ4
に入射させてその回折格子に照射するようにしているの
で、アライメント光のもとでのその投影レンズ4のみに
よる色収差を実質的に除去してそのアライメント光をウ
ェハ2上の回折格子36Y1等に照射することができ
る。この場合、従来の干渉縞アライメント法のように、
2焦点光学系等は使用されていないので、光学系の構成
が簡略化されると共に、光軸方向のアライメント用の光
学系の長さを短縮することができる利点がある。
【0059】また、本例ではレチクル33上の回折格子
34Y1とウェハ2上の回折格子36Y1とはアライメ
ント光のもとで実質的に略々共役及び横方向に対応した
ものであるが、それらは露光光のもとでは共役及び横方
向に対応するとは限らない。すなわち、本例ではアパー
チャ板24の周辺部の回折格子27a1等による偏向作
用によりアライメント光をウェハ2上である程度任意の
位置に照射することができるので、例えばレチクル33
上の回折格子34Y1はパターン領域から離す一方で、
ウェハ2上の回折格子36Y1はショット領域に隣接さ
せるといったことを自在に行うことができる。これによ
り、ウェハ2上のアライメントマークとしての回折格子
を露光光による破壊から確実に救うと共に、ショット領
域間のストリートライン領域を狭くしてショット配列密
度を高くできる利点がある。
【0060】上述の実施例については次のような変形が
可能である。先ず、アパーチャ板24の遮光帯26中に
はアライメント光を偏向させるための偏向部材として回
折格子27a1等が形成されているが、そのアライメン
ト光をメリジオナル方向及びサジタル方向の両方に偏向
させることができるものであれば代用することができ
る。例えば、プリズム、位相板、ホログラムプレート等
を回折格子の代わりに使用することができる。
【0061】更に、図1例では簡単のためレチクル33
と共役な面fc(干渉縞等の結像位置)上に光電変換素
子53、54を設けている。これはレチクル33側の干
渉縞とウェハ2側の干渉縞とを比較的容易に分離できる
からであるが、0次の反射回折光及び1次以外の高次の
反射回折光を除去してSN比を改善するためには、その
共役面fcで2個の干渉縞をアパーチャにより分割し、
それぞれをリレーレンズでフーリエ変換した後に個別に
瞳位置で光電変換素子に入射させることが望ましい。
【0062】次に、本発明の第2実施例につき図8〜図
11を参照して説明する。本例もTTR方式でアライメ
ントを行う装置に本発明を適用したものであるが、本例
ではレチクル上のアライメントマークとウェハ上のアラ
イメントマークとはアライメント光のもとでも共役では
ない。また、本例において第1実施例に対応する部分に
は同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0063】図8は本例の光学系の要部をサジタル方向
から見た構成を示し、この図8において、前側のレンズ
系55及び後側のレンズ56により図1例と同じ投影レ
ンズ4が構成され、レンズ系55とレンズ系56との中
間に図2例と同じ構成のアパーチャ板24が取り付けら
れている。57は本例のレチクルを示し、このレチクル
57のパターン領域の近傍にもアライメントマークとし
ての回折格子を形成する。ただし、本例ではy軸の正方
向の領域で1対の回折格子58a及び58bを形成す
る。図8においては、紙面に対して垂直な方向で手前側
に回折格子58aが、向こう側に回折格子58bが形成
されている。同様に、図示省略するも、他の3対の回折
格子がレチクル57上に形成されている。
【0064】図11を参照してそのレチクル57上の回
折格子の形状等について詳細に説明するに、その1対の
回折格子58a及び58bは略々コの字状の開口部の両
端部に形成され、それら回折格子58a及び58bをそ
れぞれ含む矩形の領域59a及び59bにアライメント
光としてのレーザビームLBA及びLBBが照射される
と共に、中央部のレチクル窓60を後述のようにウェハ
2からの受光ビームLWが透過する。
【0065】図9は図8の光学系をメリジオナル方向か
ら見た状態を示し、この図9に示すように、本例ではレ
チクル57から露光用照明系側に離れた面P1でアライ
メント光としての2本のレーザビームLBA及びLBB
が交差している。2本のレーザビームLBA及びLBB
は面P1上で交差した後に放射状に広がって、それぞれ
レチクル57上の回折格子58a及び58bに入射する
(厳密には図11に示す領域59a及び59bに入射し
ている)。これら回折格子58b及び58aを透過した
レーザビームは、レンズ系55により曲げられてそれぞ
れアパーチャ板24の遮光帯中に形成された回折格子2
8a1及び28a2に照射される。この場合、本例では
図8に示すように、2本のレーザビームLBA及びLB
Bは光軸AXに次第に近づくように、即ち負のテレセン
度を以ってレチクル57上に照射されている。また、レ
ーザビームLBA及びLBBを面P1で交差させるに
は、図1の対物レンズ52の後側焦点面をその面P1に
合致させればよい。
【0066】図9において、アパーチャ24上の一方の
回折格子28a1においては、0次光LBB0 よりも光
軸AX側に偏向した方向に1次回折光LBB1 が射出さ
れ、他方の回折格子28a2においては、0次光LBA
0 よりも光軸AX側に偏向した方向に1次回折光LBA
1が射出され、これら1次回折光LBB1 及びLBA 1
はレンズ系56で更に曲げられてウェハ2上のアライメ
ントマークとしての回折格子36Y1上に集束する。
【0067】即ち、本例ではアライメント光のもとで投
影レンズに対してウェハ2上の回折格子の形成面と実質
的に共役な面はレチクル57よりも上方の面P1であ
る。この場合、露光用の照明光IL1のもとでその面P
1と共役な面はウェハ2よりもレンズ系56に近い面P
2である(勿論、照明光IL1のもとでレチクル57と
ウェハ2とは共役である)。また、そのアパーチャ板2
4の回折格子28a1及び28a2が存在しないとする
と、アライメント光のもとでは0次光LBA0 及びLB
0 がそのウェハ2よりも下方の面P3上で集束するよ
うになるので、そのアパーチャ板24の回折格子による
偏向作用により実質的にアライメント光の縦の色収差が
補正されていると考えてよい。また、図8によれば、そ
のアパーチャ板24の回折格子28a1及び28a2が
存在しないものとすると、0次光LBA0 及びLBB0
はウェハ2上で回折格子36Y1とはy軸方向に異なる
位置に入射する。これはそのアパーチャ板24の回折格
子による偏向作用により実質的にアライメント光の横方
向の色収差が補正されていることを意味する。
【0068】図8において、回折光LBA1 のそのウェ
ハ2上の回折格子36Y1による紙面に対して向こう側
への1次(これを+1次とする)の回折光と、回折格子
LBB1 のその回折格子36Y1による−1次の回折光
とは、同軸且つ平行なレーザビームLBCとなる。この
レーザビームLBCはメリジオナル面内に存在し、レン
ズ系56の方向に進行する。
【0069】そのレーザビームLBCはそのレンズ系5
6により曲げられてアパーチャ板24の遮光帯26中の
回折格子28bに照射される。この回折格子28bは、
図2に示すようにy軸方向に所定ピッチで形成されてい
るので、その回折格子28bをそのまま通過する0次光
に比べて1次の回折光は光軸AXの方向に偏向されてい
る。この回折格子28bも位相型であるため、その1次
の回折光に比べて0次光及び他の回折光の強度は無視で
きる程度である。その1次の回折光はレンズ系55によ
り曲げられてレチクル57上の回折格子58a及び58
bの中間部に形成されたレチクル窓60(図11参照)
に入射する。このレチクル窓60を上側に透過する受光
ビームLWは、入射してくるレーザビームLBA及びL
BBと面P1において逆方向に交差する。この受光ビー
ムLWは図1例と同様に光電変換素子に入射する。
【0070】図10を参照して本例のレチクル57から
の干渉縞の検出方法につき説明する。図10はレチクル
57をメリジオナル方向に見た概念図であり、この図1
0において、アライメント用の対物レンズ52を射出し
たレーザビームLBA及びLBBは面P1上で交差した
後に、それぞれレチクル57上の回折格子58a及び5
8bに照射されている。この場合、本例では回折格子5
8a及び58bのピッチを調整することにより、レーザ
ビームLBA及びLBBの入射方向に平行にそれぞれ1
次の反射回折光LBAR及びLBBRが戻されるように
しておく。これら反射回折光LBAR及びLBBRは面
P1で交差した後に、対物レンズ52によりそれぞれの
主光線が平行にされる。また、対物レンズ52の上方の
面P4ではそれら回折光LBR及びLBBは個別に集束
しているが、レチクル57を透過していくレーザビーム
LBA及びLBBはそれぞれ投影レンズ4の瞳面で個別
に集束するしているので、面P4はその投影レンズ4の
瞳面の共役面である。
【0071】また、本例ではそれら反射回折光LBAR
及びLBBRが交差する面P1の共役面が図1に示した
例の光電変換素子53、54の受光面である面fcにな
るようにしておく。これにより、その面fcにはそれら
反射回折光LBAR及びLBBRによる干渉縞が形成さ
れる。この干渉縞は、実質的にレーザビームLBAとL
BBとにより形成された干渉縞と回折格子58a(又は
58b)とを重ね合わせて得られるパターンであるた
め、このパターンを光電変換することにより位相変調さ
れたビート信号が得られる。同様に、面P1はアライメ
ント光のもとでウェハ2上の回折格子形成面とも共役で
あるため、そのウェハ2からの反射回折光(干渉光)で
あるレーザビームLWをその面P1と共役な受光面で光
電変換することにより、ウェハ2の位置を示すビート信
号が得られる。
【0072】上述のように、本例によればレチクル57
の回折格子とウェハ2の回折格子とはアライメント光の
もとで共役ではないが、それぞれの反射回折光による干
渉縞の形成位置が同一面P1になるようにされているの
で、2種類の位相変調されたビート信号を確実且つ安定
に得ることができる。この場合、面P1は光軸AXに沿
って容易に移動させることができるので、本例によれば
光学系の調整が容易である利点がある。
【0073】次に、図12を参照して本発明の第3実施
例につき説明する。本例はTTL(スルーザレンズ)方
式でアライメントを行う投影型露光装置に本発明を適用
したものである。また、この図12において図1に対応
する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略す
る。
【0074】図12は本例の投影レンズ4を含む要部の
構成を示し、この図12において、61はレチクルであ
る。このレチクル61にはパターン領域PARのみが形
成され、アライメントマークは形成されていない。その
パターン領域PARを含む照明領域62に、上方からレ
ジストに対する感光性の強い波長域(波長365nmの
i線、波長436nmのg線、波長248nmのエキシ
マレーザ光等)の露光用の照明光IL1が一様に照射さ
れている。一方、アライメント光としては、例えば波長
633nmのHe−Neレーザ光が使用されている。ま
た、レチクル61のパターン領域PARに対応するウェ
ハ2上の個々のショット領域PAW1,PAW2,PA
W3,‥‥の境界部のストリートライン領域63a,6
3b,‥‥にはそれぞれアライメントマークとしての回
折格子が形成されている。
【0075】本例の投影レンズ4の瞳部にもアパーチャ
板24が固定され、このアパーチャ板24の光軸AXか
ら離れた周辺部には、露光用の照明光IL1を遮断する
と共にアライメント光は通過させる波長選択性のある薄
膜(ダイクロイックコーティング膜)64が形成されて
いる。また、その薄膜64の下面には図2例と同様に回
折格子28a1,28a2及び28bが形成されてい
る。同様に他に3組の回折格子が形成されている。本例
ではその投影レンズ4の側面部にアライメント用の対物
レンズ65を固定し、この対物レンズ65の光軸AXa
上に光路を投影レンズ4側に90゜変換するための固定
レンズ66を配置し、この固定レンズ66により変換さ
れた光軸上に略45゜傾斜させて固定レンズ67を配置
する。この固定レンズ67の位置は露光用の照明領域6
2の外部に設定する。他の構成は図1例とほぼ同じであ
るが、本例では位相変調されたビート信号を出力する光
電変換素子は1箇所のアライメントについて1個だけ使
用される。
【0076】本例のアライメント動作につき説明する
に、その対物レンズ65に下方より主光線が互いに平行
な2本のレーザビームLBA及びLBBを照射する。図
12の紙面に対して手前側をレーザビームLBAが通過
し、向こう側をレーザビームLBBが通過している。対
物レンズ65を射出したレーザビームLBA及びLBB
は固定ミラー66及び67を経て投影レンズ4の光軸A
Xに対して負のテレセン度で斜めに入射する。この際に
例えば固定ミラー66と67との間の面P6において、
それら2本のレーザビームLBA及びLBBは交差して
いる。ただし、本例においても、その対物レンズ65を
射出したレーザビームLBA及びLBBは個々には所定
の直径の平行光束となっている。
【0077】その投影レンズ4に入射したレーザビーム
LBA及びLBBはそれぞれアパーチャ板24の周辺部
の回折格子28a2及び28a1に照射される。これら
回折格子28a1及び28a2からは0次光に対して光
軸AX側に偏向した方向にそれぞれ1次の回折光が射出
され、これら2個の1次の回折光がウェハ2のストリー
トライン領域63b上に形成された回折格子上で交差す
る。従って、アライメント光のもとでその投影レンズ4
に対してそのウェハ2の回折格子形成面が面P6と共役
になっている。固定ミラー67が存在しないとすると、
レチクル61の上方の面P5が軸上色収差によってその
ウェハ2の回折格子形成面と共役になる。また、面P6
ではレーザビームLBA及びLBBは個々には平行光束
であるため、そのウェハ2上でも2本の回折光は個々に
はそれぞれ所定の直径の平行光束である。
【0078】そのストリートライン領域63bの回折格
子からの+1次の反射回折光及び−1次の反射回折光
は、それぞれメリジオナル面内で同軸且つ平行なレーザ
ビームとなって干渉し合い、このレーザビームはアパー
チャ板24の回折格子28bに入射する。この回折格子
28bからの0次光に対して光軸AXの側に偏向された
方向に1次回折光が射出され、この1次回折光は固定ミ
ラー67及び66を経て対物レンズ65に戻る。この対
物レンズ65に戻ったレーザビームは受光ビームLWと
して図示省略されたレンズを介して光電変換素子に照射
される。その受光ビームLWは、ウェハ2上の回折格子
上に形成された干渉縞(一次元に流れている)とその回
折格子とを重ね合わせたときに同一方向に発生する回折
光の干渉光となり、その受光ビームLWを光電変換する
ことにより、そのウェハ2上の回折格子の位置に対応し
て、基準信号との間で位相変位したビート信号が得られ
る。
【0079】上述のように本例によれば、アパーチャ板
24の周辺部に形成した偏向部材としての回折格子によ
りアライメント光を偏向させるようにしているので、照
明領域62(即ち、パターン領域PAR)の外に設けた
固定ミラー67から所定のテレセン度で投影レンズ4に
入射されたアライメント光を、ウェハ2上のショット領
域PAW2に近接しているアライメントマークとしての
回折格子上に正確に照射することができる。この場合、
この回折格子は露光光には照明されないので、露光によ
る破壊を防止することができると共に、隣合うショット
領域の間隔を狭めてショット配列密度を高めることがで
きる利点がある。
【0080】なお、上述実施例では偏向部材が形成され
たアパーチャ板をアライメントのために使用している
が、そのようなアパーチャ板を用いて光軸方向のフォー
カシングを行うこともできる。具体的には、レジストに
対する感光性の弱いレーザビームをフォーカス検出用と
して、レチクルのパターン領域外から投影レンズに照射
し、アパーチャ板上の回折格子等の偏向部材によりその
レーザビームをウェハ上のショット領域の中央部に照射
し、このウェハから反射したレーザビームを更にその偏
向部材を介して外部の光学系に導くようにする。このウ
ェハ上に照射されたレーザビームは光軸に対して傾いて
いるので、そのウェハが光軸方向に変動するとその反射
光の受光位置が変化する。従って、この反射光の位置を
モニターすることによりフォーカシングを行うことがで
きる。
【0081】なお、本発明は上述実施例に限定されず本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得るこ
とは勿論である。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、第1照明光を遮断する
と共に、第2照明光を一定量だけ偏向させて通過させる
作用を有する遮蔽領域が形成されたアパーチャ板が設け
られているので、露光用のその第1照明光が通過する領
域の外から入射させたアライメント用の第2照明光を正
確に感光基板上に形成されたアライメント用のマーク上
に照射させることができる。従って、露光の際に結像性
能を劣化させることがないと共に、露光中でもアライメ
ントが可能であり、スループットを向上させることがで
きる利点がある。また、アライメント用光学系を移動さ
せる必要がなくアライメント精度が向上すると共に、投
影光学系の瞳面の近傍に配置されたアパーチャ板を有効
に活用しているので全体の光学系の構成が単純化され
る。
【0083】また、そのアパーチャ板によりアライメン
ト用の第2照明光の照射位置を自在に制御することがで
きるので、例えば感光基板上のパターンが転写される領
域に近接した位置にアライメント用のマークを形成する
ことができる。従って、例えばステップアンドリピート
で転写露光を繰り返す場合のショット領域間の間隔を狭
くすることができ、ショット配列の密度を高めることが
できる利点がある。しかも、露光用の第1照明光のもと
でそのアライメント用のマークに対して共役な領域を確
実に遮蔽することができるので、そのアライメント用の
マークの露光用の第1照明光による破壊を容易に防止す
ることができる。
【0084】また、アパーチャ板の遮蔽領域が、入射し
てくる第2照明光を投影光学系の光軸に対して半径方向
に一定量だけ偏向させるものである場合には、アライメ
ント光に対する横方向及び縦方向の色収差を両方とも良
好に補正できる利点がある。更に、マスクのパターン領
域の近傍にマスク側のアライメント用のマークを設けた
場合には、TTR方式に本発明を適用した場合を意味す
るが、この場合でも上述の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第1実施例の全体
の構成を示す線図である。
【図2】第1実施例のアパーチャ板の構造を示す平面図
である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ第1実施例のレチ
クル及びウェハのパターンを示す平面図である。
【図4】図1例のアパーチャ板の作用の説明に供する斜
視図である。
【図5】図4例の要部を拡大して示す斜視図である。
【図6】図4例のx方向への投影図である。
【図7】図4例のy方向への投影図である。
【図8】本発明の第2実施例の要部の光学系をサジタル
方向から見た線図である。
【図9】第2実施例の要部の光学系をメリジオナル方向
から見た線図である。
【図10】第2実施例のアライメント用光学系の説明に
供する線図である。
【図11】図8例中のレチクルの要部の構成を示す底面
図である。
【図12】本発明の第3実施例の光学系の要部を示す線
図である。
【図13】従来の投影型露光装置を示す構成図である。
【図14】図13例のCCDの受光面での結像状態を示
す線図である。
【図15】図14の結像状態に対応するCCDからの撮
像信号を示す線図である。
【符号の説明】
2 ウェハ 4 投影レンズ 11 露光用照明系 12 コンデンサレンズ 24 アパーチャ板 25 開口部 26 遮光帯 27a1,27a2,27b 回折格子 32 ダイクロイックミラー 33 レチクル 34Y1 回折格子 35Y1 窓部 36Y1 回折格子 37 レーザ光源 46,53,54 光電変換素子 52 アライメント用の対物レンズ 55 レンズ系 56 レンズ系 IL1 露光用の照明光 LBA,LBB アライメント用のレーザビーム
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20 521 G03F 7/22 G03F 9/00 H01L 21/68

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のパターンが形成されたマスクを露
    光用の第1照明光で照射する露光用照明系と、 該第1照明光のもとで前記マスクのパターン領域の像を
    感光基板上にテレセントリックな条件で結像する投影光
    学系と、 前記感光基板上に形成されたアライメント用のマークに
    前記投影光学系を介して、前記第1照明光と異なる波長
    の第2照明光を照射し、前記マークから生じた光情報を
    前記投影光学系を介して検知するアライメント手段とを
    備えた装置において、 前記マスクから発生して前記投影光学系に入射する前記
    第1照明光の内、前記投影光学系の瞳面の周辺部分を通
    る光束を遮蔽すると共に、前記第2照明光を一定量だけ
    偏向させて通過させる作用を有する遮蔽領域が形成され
    たアパーチャ板を、前記瞳面又はその近傍に配置し、 前記アライメント手段として、前記アパーチャ板の遮蔽
    領域に前記第2照明光が向かうように前記第2照明光を
    射出するアライメント用照明系と、 前記アパーチャ板の遮蔽領域で偏向されて前記感光基板
    に向かう前記第2照明光によって前記アライメント用の
    マークが照射されたとき、該マークから生じた光情報を
    前記アパーチャ板の遮蔽領域を介して前記マスク側で光
    電変換するマーク検出系とを設けた事を特徴とする投影
    露光装置。
  2. 【請求項2】 前記アパーチャ板の遮蔽領域は、入射し
    てくる前記第2照明光を前記投影光学系の光軸に対して
    略々半径方向に一定量だけ偏向させるものである請求項
    1記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記マスクのパターン領域の近傍にマス
    ク側のアライメント用のマークを設け、前記第2照明光
    が前記マスク側のアライメント用のマークを通過するよ
    うにし、 前記第2照明光の照射により前記マスク側のアライメン
    ト用のマークから生じた光情報をも前記マーク検出系で
    検出するようにした請求項1又は2記載の投影露光装
    置。
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