JP3229587U - 動物拘束装置および動物捕獲システム - Google Patents

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Abstract

【課題】野生動物を拘束位置にまで積極的に追いやり、足を縛って拘束したうえ短時間内におとなしくさせ得る動物拘束装置と、その拘束装置等を使ってさらに積極的に野生動物を捕獲できる動物捕獲システムとを提供する。【解決手段】動物拘束装置100は、a)左右から中央寄りに下向きに傾斜する二つの斜面110、120があり、それら斜面の下端部が、動物が4本の足を通せるだけの隙間をはさんで対向していること、b)それら斜面の下端部から下方に足を出して動物が立てるよう、当該下端部から下方に間隔をおいた位置にデッキ板130があり、当該下端部とデッキ板との間が開放されているとともに、デッキ板と平行に支持棒140が架設されていること、c)二つの斜面のうち一方の斜面110とデッキ板130は、動物を支持する位置から動物を支持しない別の位置または角度にまで変位し得る構造であること、を特徴とする。【選択図】図1

Description

本考案は、シカ(鹿)やイノシシ(猪)等の野生動物を捕獲するために使用する動物拘束装置と、同装置を含めて構成される動物捕獲システムに関するものである。
山村地域において、近年、シカやイノシシ等の野生動物による農作物への被害が深刻化している。被害を軽減する目的で、動物を捕獲する各種の用具や装置がすでに開示・提案されている。たとえば、下記の特許文献1には、足をワイヤで縛って野生動物を拘束するための用具(くくり罠)が示され、また特許文献2には、エサで誘って野生動物を捕獲する檻が示されている。ただし、足をワイヤ等で縛って野生動物を拘束する用具は特許文献1のほかにも多くの提案があり、野生動物を誘い込んで捕獲する檻状の装置についても、特許文献2に限らず多数提案されている。
実用新案登録第3192111号 実用新案登録第3170855号
足にワイヤ等を掛けて縛ったとしても、野生動物は暴れ続けるため、人がその後の処分を安全かつ能率的に進めることは容易ではない。また、檻の中に捕らえたとしても、やはり暴れるその野生動物を檻から出してスムーズに処分場へ送ることは難しい。そのため、捕らえた動物が衰弱するのを待つなど、時間をおいて取扱いを進めるようにせざるを得ない。
そもそも、足にワイヤ等を掛ける装置は、そのワイヤ等の位置へ野生動物が踏み込むのを待つ必要があり、檻についても、エサ等に誘われて動物がそこに入るのを待たなければならない。そのため、上記のような用具・装置による場合には、野生動物を捕らえて拘束し、処分を進めるまでにかなりの時間を要するのが通常である。
しかし山間部には、上記のような進め方では、農作物への被害をもはや解消できない地域が増えている。野生動物を、拘束できる位置にまで積極的に追いやることができ、そこへ追いやったときはその動物を拘束して短時間のうちにおとなしくさせることができ、したがって次々と能率的に野生動物の処分を進められる装置やシステムが、今や必要になっている。
本考案は、山間部地域におけるそのような状況を考慮したもので、野生動物を拘束位置にまで積極的に追いやることができ、その後に足を縛って野生動物を拘束したうえ短時間内におとなしくさせ得る動物拘束装置と、その拘束装置等を使ってさらに積極的に野生動物を捕獲できる動物捕獲システムとを提供することを目的としている。
考案による動物拘束装置は、シカやイノシシ等の野生動物を拘束するための装置であって、
a) 左右から中央寄りに下向きに傾斜している二つの斜面があり、それら斜面の下端部が、動物が4本の足(下肢)を通せるだけの隙間をはさんで対向していること、
b) それら斜面の下端部から下方に足を出して動物が立てるよう、当該下端部から下方に間隔をおいた位置にデッキ板があり、当該下端部とデッキ板との間が外向きに開放されている(下端部とデッキ板との間が覆われていない)とともに、デッキ板と平行に支持棒(パイプ製のものを含む)が架設されていること、および、
c) 上記両側の斜面のうち一方の斜面と上記デッキ板とは、動物を支持する上記の位置から動物を支持しない別の位置または角度にまで変位し得る構造になっていること
を特徴とするものである。
この動物拘束装置の一例を図1・図2に示している。
考案による上記の動物拘束装置は、野生動物を何らかの手段により追いやってその内部の上記二つの斜面上に落とし込む、という方法で使用するのに適している。すなわち、
1) 斜面上に追いやられた野生動物は、上記の斜面上には立ちにくいため、それらの下端部から下方に足を出して上記デッキ板の上に立つことになる。下端部とデッキ板との間は外向きに開放されていて野生動物の足4本が露出するため、装置の外側から、ワイヤ等を使ってその足を(4本まとめてまたは2本ずつ)縛り付けることができる。このとき、足にワイヤ等を掛けて縛るための適切な用具(たとえば図8に例示したもの)を用いるとよい。デッキ板の上面を上記の拘束位置と考え、前述した特許文献1等に記載の用具をその位置付近に設置しておいて使用することもできる。
2) 適切な用具を用いてワイヤ等で上記のように動物の足を縛ると、そのワイヤまたは用具を上記の支持棒に連結したのち、上記一方の斜面と上記デッキ板とを、動物を支持しない別の位置にまで変位させる。そうすると、野生動物は斜面等に支持されない状態になり、ワイヤ等で縛られた足を上にした逆さまの状態にて上記支持棒に吊り下げられる。
3) 逆さまに吊り下げられた状態では、野生動物は暴れることが難しくかつ苦しいため短時間内におとなしくなることから、しばらく放置したのち地面上に下ろし、同様に拘束した他の野生動物とともにトラック等で処分場へ運ぶことができる。したがって、次々と能率的に野生動物の処分を進められることになる。
上記の動物拘束装置は、
d) 上記二つの斜面の下端部から下方に足を出して上記デッキ板上に動物が立っている間に、当該下端部とデッキ板との間の開放された部分で当該動物の複数の足をワイヤ等で束ねるとともに上記支持棒に連結でき、
e) 当該動物の複数の足を束ねた状態で、上記一方の斜面と上記デッキ板とを上記別の位置または角度にまで変位させることにより、当該動物を、束ねられた複数の足を上方にして上記支持棒に吊り下げることができる――よう、上記のとおり構成されていると好ましい。
そのような装置であれば、上記1)〜3)に記載した要領で野生動物を拘束することができ、処分までの取扱いを能率的に進めることができる。
考案による動物捕獲システムは、上記の動物拘束装置を含む機器・装置類の組合せによってなるもので、
上記の動物拘束装置が置かれた位置にまで動物を乗せて運ぶコンベアと、山林等に形成された通り道を通る動物を上記コンベア上に乗せるための第一移転手段と、上記コンベアで運ばれる動物を上記動物拘束装置の内側(上記二つの斜面上)に移すための第二移転手段とを有することを特徴とする。
この動物捕獲システムの一例を図3に示し、上記のコンベアとそれへの第一移転手段とを図4・図5に、また上記コンベアと第二移転手段と動物拘束装置とを図6・図7に例示する。
考案の動物捕獲システムによれば、野生動物をさらに能率的に拘束して処分場へ送ることができる。たとえば、人手を集めて山狩り等を行うことにより野生動物を次々と上記の通り道に送り込むと、第一移転手段が、それぞれの野生動物をその通り道から上記のコンベア上に(強制的に押し出してまたは誘導して)乗せる。当該コンベアは、動力を用いる自身の搬送機能によって野生動物を無理やりにでも第二移転手段の位置にまで運搬する。そして第二移転手段は、コンベアで運ばれた野生動物を、(やはり強制的に押し出してまたは誘導して)上記の動物拘束装置の斜面上に移す。
動物拘束装置に移された野生動物はその斜面上に立とうとして立てないため、それらの下端部から足を出してデッキ板の上に立つので、外側からワイヤ等で足を縛ったうえ、上述のとおり逆さまにして支持棒に吊す。そうして野生動物をおとなしくさせると、トラック等に積んで処分場へ運ぶことができる。このようにして多数の野生動物を次々と拘束して処分場へ送り出せると、山間部に多数生息する野生動物をきわめて能率的かつ効果的に駆除することが可能である。
上記の動物捕獲システムは、とくに、上記コンベアに沿った位置に上記の動物拘束装置が設置されていて、その設置位置に上記の第二移転手段が設けられていると好ましい。図3の例においても、コンベア33に沿った位置に動物拘束装置100を設置している。
そのように動物拘束装置を設置した場合、コンベアによって運ばれた野生動物を容易に動物拘束装置へと移し入れることができる(図6・図7を参照)。そのため、第二移転手段を簡単な構成にすることができ、しかもその手段によって野生動物を確実に動物拘束装置(の斜面上)に移すことができる。
上記の動物拘束装置が、移動容易とするための車輪を有するものであると好ましい。図1・図2の例でも、動物拘束装置100は複数の車輪150を有している。
上記コンベアで運ばれた野生動物が第二移転手段によって動物拘束装置に移されると、上述の要領でその足を縛って野生動物を拘束することができる。しかし、コンベアによって次々と野生動物が運ばれるとき、野生動物が入った動物拘束装置を第二移転手段から離れた位置に移すとともに、野生動物の入っていない別の動物拘束装置を入れ違いに第二移転手段に近い位置に早めに設置する必要がある。そうでないとコンベア上の動物を動物拘束装置に投入して拘束することができないからである。したがって、動物拘束装置が車輪を有していて移動容易であると、コンベアによって次々と運ばれる野生動物を能率的に捕獲等するうえできわめて好ましいといえる。
上記の第一移転手段に向けて動物の通り道が形成されるように、農地の周囲に連続した柵(電気柵が含まれているのもよい)が配置されているとさらに有利である。図3に示す例でも、全長で1km程度以上の範囲に、連続した柵10が設けてあり、これに沿って動物の通り道11ができている。
上記のような柵によって野生動物の通り道が形成されると、人手を集めて山狩り等を行うとき、野生動物の多くにその通り道を通らせることができる。そうすると、上述のとおり第一移転手段やコンベアを用いてそれらを次々と動物拘束装置に送り込むことができ、多数の野生動物を能率的に捕獲することが可能になる。
考案の動物拘束装置によれば、その装置内に入れられた野生動物が、斜面の下端部から下方に足を出してデッキ板上に立つため、その足をワイヤ等で容易に束ねて縛ることができる。また、縛った足を上にして逆さまに吊り下げることができるので、その動物を短時間内におとなしくさせることができる。したがって、野生動物を能率的に拘束し、処分場への搬送等を能率的かつ円滑に進めることができる。
考案の動物捕獲システムによれば、第一移転手段とコンベアと第二移転手段とによって野生動物を次々と上記の動物拘束装置内に送り込むことができる。そのため、多くの野生動物を能率的に拘束・捕獲等して、速やかに処分場へ送り出すことができる。
このように、多数の野生動物を能率的に捕獲等することにより、山間部での農作物の被害を食い止めることが可能になる。
考案の一実施例である動物拘束装置100を示す斜視図である。 図1の動物拘束装置100についての断面図であって、図2(a)は縦断面図(側方から見たもの)、同(b)は横断面図(正面から見たもの)、また同(c)は、斜面110とデッキ板130とを不支持の状態にしたときの横断面図である。 図1・図2の動物拘束装置100を含む動物捕獲システム1等を示す全体斜視図である。 第一移転手段20とコンベア組30等を示す正面図である。 図4に示す第一移転手段20とコンベア組30についての詳細図である。 コンベア33(コンベア組30)と第二移転手段40と動物拘束装置100とを示す横断面図である。 図6と同様の横断面図において、野生動物Aを動物拘束装置100に送り込むための操作を示す図である。 図1・図2の動物拘束装置100において野生動物Aの足を縛るために使用する足拘束棒200について、構造と機能を(a)〜(e)に示す正面図である。 図8の足拘束棒200の要部詳細を示す側面図(図9(a))および正面図(図9(b))である。
考案による動物拘束装置について、実施例を図1および図2(a)〜(c)に示す。
動物拘束装置100は、シカやイノシシ等の野生動物を、鉄板等でできた囲い101の中に上から送り込んで拘束するための装置である。図1に示すとおり、囲い101は周囲の4面を鉄板で囲んだもので、上部の開口に鉄柵付きのカバー102を着脱可能に取り付け、下部には、左右両側から下向き・中央寄りに傾斜する二つの斜面110・120を設けている。斜面110・120は水平面に対して約45°(30°〜65°が好ましい)と急傾斜にし(図2(b)(c)を参照)、下端部には、両斜面間に幅20cm程度の間隔を空けている。そして斜面110・120の下端部からさらに30cm程度下方の位置にデッキ板130を水平に設けるとともに、そのデッキ板130の一方の縁部付近に、鉄製の支持棒140をデッキ板130と平行に架設している。斜面110・120の下端部とデッキ板130および支持棒140との間は、カバー等で覆わずに開放している。
また、囲い101の4隅から下部へは鉄製のフレーム103を接続し、さらにその下方には、2箇所に支持脚104を設けるとともに前部の2箇所に車輪150を取り付けている。支持脚104から後方へは水平に把手105を設けているので、図1のように、作業者Zが把手105を持って動物拘束装置100を移動させることができる。
図1の動物拘束装置100には、上部の開口から囲い101の内側に、図2(a)のように野生動物Aを投入することができる。野生動物Aを入れる際にはカバー102をずらして開口を開いておき、野生動物Aが入った後はカバー102を被せて固定することによって上部の開口を閉じる。
囲い101の内側に入った野生動物Aは、斜面110・120が急傾斜であるために、図2(a)または同(b)のようにそれら斜面の下端部から下へ足を出してデッキ板130の上に立たざるを得ない。斜面110・120の下端部とデッキ板130等との間を上記のとおり開放しているので、このとき野生動物Aの4本の足は、斜面110・120の下端部とデッキ板130との間で外部から見える状態になる。
動物拘束装置100の内側に入れた野生動物Aは、動かないよう十分に拘束した状態とするために、図2(b)の要領で4本の足を(4本まとめて、または前後2本ずつを)ワイヤ等で縛ることとする。この図の例では、作業者Zが足拘束棒200(後述。図8・図9を参照)を用いて足にワイヤ210を掛けて縛る。ただし、前記した特許文献1に記載の用具(くくり罠)に示すワイヤを事前にデッキ板130上の適所に配置しておき、それを利用して縛ることもできる。
野生動物Aは、足を縛ってもまだ暴れるのが通常であるため、縛った4本の足を上にして図2(c)のように逆さまに吊り下げることとする。
逆さまに吊り下げることを可能にするために、図示の動物拘束装置100では、二つの斜面110・120のうち一方の斜面110と、それら二つの斜面の下方にあるデッキ板130とを、野生動物Aの重量を支持しない位置にまで角度変位させ得るように構成している。すなわち、斜面110は、上方の端部を支軸111で支持させた回転可能なものとし、その斜面110の下部を解除可能な固定部材(図示省略。たとえば、斜面110を支える位置と支えない位置との間でスライドさせ得るスライドピンのような部材)によって支えている。その固定部材を作業者Zが操作することにより、斜面110は支持が解かれて支軸111を中心に他方の斜面120から離れる向きに揺動変位するわけである。同様に、デッキ板130も、斜面120側の端部に支軸を設けた回転可能なものとし、やはり上記スライドピンのような解除可能な固定部材(図示省略)によって下部を支えている。そのため、固定部材を操作すれば、デッキ板130は水平状態から鉛直状態にまで変位する。
足を縛ったワイヤ210が足拘束棒200とともに支持棒140に掛かって支持される状態にしておき、上記のとおり斜面110とデッキ板130とを同時に変位させると、野生動物Aは図2(c)のように、ワイヤ210で縛られた4本の足を上にして逆さまに吊り下げられる。
足を縛られて逆さまに吊り下げられた状態では、暴れることができずかつ苦しいため、野生動物Aは短時間内におとなしくなる。したがって、しばらく放置したのち、足を縛った状態のまま地面上に下ろし、同様に拘束した他の野生動物とともにトラックに積み込んで速やかに処分場へ運び出すことができる。
図3には、上記の動物拘束装置100を含む動物捕獲システム1による、野生動物の捕獲に関する概念図を示す。
図示の動物捕獲システム1による方法は、山林2において一斉に山狩りを行うとともに当該システム1を用いることにより、多数の野生動物Aを次々と動物拘束装置100に送り込んで拘束するものである。
動物捕獲システム1は、野生動物Aを誘導するための柵10と、柵10に沿って形成される通り道11から野生動物Aを押し移す第一移転手段20と、野生動物Aを乗せて運ぶコンベア組30(コンベア31・32・33)と、コンベア33上の野生動物Aを再度押し移す第二移転手段と、押し移される野生動物Aを拘束する動物拘束装置100とを、図のように連続的に配置したものである。なお、図中の符号Xは山林2に入って山狩りを行う作業者であり、符号Yは、第二移転手段40を操作する作業者である
動物捕獲システム1の各部の構成と機能はつぎのとおりである。すなわち、まず柵10は、山林2と農地との境界部等に連続的に設けたもので、山狩りの際、その柵10に沿って野生動物Aの通り道11を形成することができる。柵10として、通電式の電気柵を設けるのもよい。
その通り道11の先に、図4のように第一移転手段20とともにコンベア31を設けている。第一移転手段20は、上方の支軸21aを中心に揺動させ得るように押出し板21を設けた装置であり、通り道11を進んで来た野生動物Aを、コンベア31へ向けてこの押出し板21で押し出すためのものである。押出し板21がある位置には、重さを受けて容易に下向きに変位する揺動板12が通り道11に隣接して設けてあり、その揺動板12の下には急傾斜の法面22をはさんでコンベア31が配置してある。コンベア31のうち押出し板21と反対の側には、野生動物Aがコンベア31を超えて移動することがないよう止め板23が設けてある。
第一移転手段20の位置まで野生動物Aが進入して来たとき、押出し板21をコンベア31寄りに揺動させると、その野生動物Aを押出し板21が押し動かし、図5のように、法面22上を転がるように移動させてコンベア31の搬送面(ベルト)上に載せることができる。コンベア31上に移された野生動物Aは、搬送面上に静かに乗ることがないにしても、左右をガイド板(図3の符号34・35のような板)で囲まれた中で機械力により強制的に搬送される。そして野生動物Aは、搬送方向を変えるために連結配置された別のコンベア32・33にも乗せ移されて搬送される。
図3に示すように、コンベア33の搬送経路には第二移転手段40と動物拘束装置100とを複数組配置している。第二移転手段40は、コンベア33上の野生動物Aを動物拘束装置100に投入するための装置で、図6・図7に示すとおり、コンベア33の左右を囲むガイド板35の一部を可動式のプレート41・42に置き換えたものである。それらのプレート41・42を上部の操作レバー44によって側方へ揺動させ得るように構成しておき、コンベア33上を送られる野生動物Aがその位置に来たとき、作業者Yがレバー44を操作する。
レバー44を操作することによりプレート41・42を図7のように側方へ変位させると、野生動物Aはそのプレート42に押されて、側方にある動物拘束装置100の囲い101の内側(斜面110・120の上)に移し入れられる。野生動物Aが動物拘束装置100内に投入されると、前述の作業者Zがその装置100を第二移転手段40の傍から移動させ、野生動物Aが入っていない空の動物拘束装置100を代わりに第二移転手段40の側方に設置する。
第二移転手段40の傍から移動させた動物拘束装置100は、たとえば搬出用トラックの発着場付近にまで運んだうえ、前述の要領で野生動物Aの足をワイヤ210で縛るとともに、逆さまに吊しておとなしくさせる。おとなしくなった時点でその野生動物Aを地面上に下ろし、トラックに積み込んで搬出する。ワイヤ210から、より低コストのロープ類に代えて縛り直すことにより、ワイヤ210を繰り返し使用するのも好ましい。
動物拘束装置100において野生動物Aの足を縛るために使用する前述の足拘束棒200につき、一例を図8・図9に示す。
足拘束棒200は図8のように、手持ち棒201とその内側に嵌められていて前方に伸び得る伸長棒204と、それらに装着しておくワイヤ210と、ワイヤ210を結束して環状にする結束部220等により構成したものである。
手持ち棒201は、図8(e)に示すとおり、直線状の金属棒部分とその先端部付近から分岐したアーム部分202とを有し、アーム部分202の先には、屈曲変位させることが可能なかけがね203を有している。かけがね203の先端部分には、ワイヤ210の先端部である結束端211を保持させることができる。
伸長棒204は手持ち棒201の先端部に通常は挿入されていて(同(a))、留め金(図示省略)を解除すると先方に突出させ得る(同(b))ものである。その伸長棒204の先端に、ワイヤ210を環状に連結するための結束部220を着脱可能に取り付けることができる。結束部220は、ワイヤ210の中ほどの部分を保持するとともに、ワイヤ210の結束端211を外れないように保持させる機能を有するものである。
足拘束棒200は、図8(a)のように、かけがね203の先端にワイヤ210の結束端211を取り付けるとともにそのワイヤ210の中ほどを結束部220に保持させ、かけがね203を伸長棒204の先へ屈曲させた状態で使用を開始する。
野生動物Aの足にワイヤ210を掛ける際には、手持ち棒201の基部を手で持ったうえ、足を囲む位置にかけがね203を差し出して(同(a))、伸長棒204を伸ばす(同(b))。それによって、伸長棒204に取り付けた結束部220が、かけがね203の先端に取り付けたワイヤ210の結束部220を保持して外れないようにするため、ワイヤ210を環状に連結することができる。そのうえで、ワイヤ210の後端部213を取り付けたスライド材215を、手持ち棒201に沿って基部寄りに引き寄せると(同(c))、ワイヤ210を引いて野生動物Aの足をきつく縛ることができる。
かけがね203を伸ばしたうえ(図8(c))、結束部220とともにワイヤ210を足拘束棒200から取り外すと、同(d)および同(e)に示すように、環状部分を保ったワイヤ210と手持ち棒201とに分離することも可能である。
手持ち棒201の先端部とワイヤ210および結束部220の詳細を図9(a)(b)に示す。
かけがね203の先端に取り付けるワイヤ210の結束端211は、両側に鍔のあるピン(軸)を有するものであり、かけがね203に対しては、そのピンを先端の凹部に挿入して取り付ける。一方、伸長棒204の先端に取り付ける結束部220には、ワイヤ210の中間部分を挟んで保持する一対のピンチロール222・223を設けるとともに、先端(図示上方)の部分に、可動域が30°程度に限られていて先端(図示上方)寄りにスプリングで付勢された揺動式の留め具221を設けている。
ワイヤ210の結束端211にあるピンをかけがね203の先端に取り付ける一方、中間部分をピンチロール222・223にて保持させた状態(図8(a)の状態)で、伸長棒204を先方に突出させると、図8(b)または図9(b)のとおり結束端211のピンを結束部220に取り込んで環状に連結することができる。つまり、結束部220の上記留め具221が一たん下方へ揺動することによってそのピンを結束部220内に差し入れ、その留め具221が元の位置に戻ってピンを押さえることにより、ワイヤ210の結束端211を結束部220に結合させる。
上記ピンチロール222・223のそれぞれには、ワイヤ210が緩む向きへの回転を防止するラチェット機能を持たせているので、上述のようにスライド材215を引いてワイヤ210を締め込むと(図8(c)参照)、その後に不意に緩むことを防止できる。なお、ピンチロール222・223に代えて、緩む向きへのワイヤ210の変位を防止する他の機構を取り付けるのもよい。
1 動物捕獲システム
10 柵
11 通り道
20 第一移転手段
30 コンベア組
31・32・33 コンベア
40 第二移転手段
100 動物拘束装置
110・120 斜面
130 デッキ板
140 支持棒
150 車輪
200 足拘束棒
210 ワイヤ

Claims (6)

  1. 動物を拘束するための装置であって、
    左右から中央寄りに下向きに傾斜している二つの斜面があり、それら斜面の下端部が、動物が4本の足を通せるだけの隙間をはさんで対向していること、
    それら斜面の下端部から下方に足を出して動物が立てるよう、当該下端部から下方に間隔をおいた位置にデッキ板があり、当該下端部とデッキ板との間が外向きに開放されているとともに、デッキ板と平行に支持棒が架設されていること、
    および、上記両側の斜面のうち一方の斜面と上記デッキ板とは、動物を支持する上記の位置から動物を支持しない別の位置または角度にまで変位し得る構造であること
    を特徴とする動物拘束装置。
  2. 上記二つの斜面の下端部から下方に足を出して上記のデッキ板上に動物が立っている間に、当該下端部とデッキ板との間の開放された部分で当該動物の複数の足を束ねるとともに上記支持棒に連結すること、
    および、当該動物の複数の足を束ねた状態で、上記一方の斜面と上記デッキ板とを上記別の位置または角度にまで変位させることにより、当該動物を、束ねられた複数の足を上方にして上記支持棒に吊り下げること、
    ができるよう上記のとおり構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動物拘束装置。
  3. 請求項1または2に記載した動物拘束装置が置かれた位置にまで動物を乗せて運ぶコンベアと、
    通り道を通る動物を上記コンベア上に乗せるための第一移転手段と、
    上記コンベアで運ばれる動物を上記動物拘束装置の上記二つの斜面上に移すための第二移転手段とを有する
    ことを特徴とする動物捕獲システム。
  4. 上記コンベアに沿った位置に上記動物拘束装置が設置されていて、その設置位置に上記の第二移転手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の動物捕獲システム。
  5. 上記動物拘束装置が、移動容易とするための車輪を有するものであることを特徴とする請求項3または4に記載の動物捕獲システム。
  6. 上記の第一移転手段に向けて動物の通り道が形成されるよう、農地の周囲に連続した柵が配置されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の動物捕獲システム。
JP2020003037U 2020-07-22 2020-07-22 動物拘束装置および動物捕獲システム Expired - Fee Related JP3229587U (ja)

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