JP3229282U - 簡易型非常用電力供給装置 - Google Patents

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義正 林
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Abstract

【課題】停電時が1日から3日間程度続いても、複数回又は何度でも停電事故が間欠的に続いても、高効率に非常用電力を供給できる簡易型非常用電力供給装置を提供する。【解決手段】簡易型非常用電力供給装置は、小型のLPG用のガスエンジン1と直流発電機3とを備えている。何等かの事故等により商用電源が喪失した瞬間から電力はブラックアウトするが、この間の僅か時間(約1分前後)ガスエンジン1を起動させて直流発電機3にて発電し、ガスエンジン1で発電した直流電力を交流電力に変換させて屋内回路に供給し続ける。特に、停電時において、停電時と同時に適所に設けた音声出力部63から僅かな時間以内に非常電力を給電するとの音声出力する。【選択図】図8

Description

本考案は、小型のガスエンジン及び直流発電機を用いて、複数回又は何度でも停電事故が間欠的に続いても、高効率に非常用電力を供給できると共に、停電時と同時に適所に設けた音声出力部から数分以内に非常電力を給電するとの音声出力構成(スピーカ出力構成)を備えた簡易型非常用電力供給装置に関する。
災害などに備え家庭用や標識などで使う10kW未満の停電時の小型の非常用電力供給装置(無停電電源装置など)としては、蓄電池式とエンジンにより発電する方式がある。蓄電池によるものは停電から点灯までの時間が短いことや、簡便なことなどの長所があるが質量が嵩むという大きな短所がある。
例えば、1kWの電力を72時間(災害により破壊されたインフラの復旧の目処がつく3
日間)供給する場合の蓄電池の質量を求めてみる。1kWは1kJ/sであるから72時間では、1kJ/s×72×3600s=259200kJとなる。しかし、蓄電池は直流であるので、これを交流に変換するインバータの効率を93%とすると、最低でも蓄電池には259200kJ/0.93=278710kJ(≒2797MJ)の電気エネルギ−を蓄えていなければならない。エネルギ密度(単位質量あたりの電気エネルギ)が大きなリチウムイオン電池でもせいぜい100Wh/kgであるので100J/s×3600s=360000J=360kj、すなわち1kgあたり360kjとなる。従って、蓄電池の質量は278710kJ/(360kJ/kg)=774kgの重さとなる。
一方、エンジンによる発電は燃料が続く限り発電できるが、エンジンを始動して安定した電気出力を供給できるまでには数十秒の時間が必要であり、この間は停電が続くことになる。さらに前記のように小型な装置では余力が少ないため要求電力(電気負荷)の急激な増大が生じた場合、エンジンの回転速度が低下して電力の供給が追いつかなくなったり、エンジンが停止してしまうことがある。このように、蓄電池式、エンジン発電機ともに大きな問題があった。
また、交流無停電電源装置としては、特許文献1が存在するが、本文献は商用電源用ではないが、山間部や離島等にて用いられるもので、特に、周波数の低下をインバータ制御にて低下しないようにしたものであり、この装置にはエンジン発電機は使用されてはいるが、そのエンジンの種別は不明であり、必ずしも優れたエンジン発電機とは言い難いものである。
また、特許文献2では、蓄電池及びエンジンにて無停電電源装置であるが、蓄電池の容量を小さくしてエンジンにて給電できるようにしたものであるが、特に大災害などで、複数回に亘って、商用電源が喪失した場合には、引用文献2では到底対応できないものであった。特許文献2のエンジンの種別も不明であり、優れたエンジン発電機とは言い難い。
特許文献1及び2においては、何れも無停電電源装置であるが、特に、パソコン等の小型で小容量は無停電の電源は別手段で賄うとしても、1日〜3日間の比較的長期である日常的な電源を停電時においても十分に使用できる優れたエンジン発電機は存在していない。さらに、停電時において、停電時と同時に適所に設けた音声出力部(スピーカ出力構成)から僅かな時間以内に非常電力を給電するとの音声出力構成を備えた簡易型非常用電力供給装置は存在しなかった。
特開平5−207684号公報 特開2001−45681号公報
本考案が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、停電時の瞬時には対応できなくとも、停電時が1日から3日間程度続いたとしても(大規模災害、例えば3.11の東北大震災等)、家庭用のみならず信号機や各種の標識、監視カメラなどに簡易に電力を供給する小型の非常用電力供給装置を提供する。特に、災害などで、複数回に亘って(熊本大震災等)、商用電源が喪失した場合にも、十分に対応できることを実現することにある。さらに、停電時においての適所に設けた音声出力部(スピーカ出力構成)から僅かな時間以内に非常電力を給電するとの音声出力構成を備えた非常用電力供給装置の存在も実現したい。
そこで、考案者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の考案を、排気量50cc〜500ccの小型のLPG用のガスエンジンと,該ガスエンジンの起動により発電する直流発電機と,エンジン用バッテリと,複数のオン・オフスイッチと,該オン・オフスイッチを制御する総合コントロールユニットとを備え、前記ガスエンジンのシリンダには2個の点火プラグが設けられると共に、前記シリンダを平面的に見て、第1の点火プラグ,吸気バルブ,第2の点火プラグ及び排気バルブが周回りに配されるように構成されてなり、通常時においては、前記オン・オフスイッチを介して商用電源の電力供給側を通電状態とし、何等かの事故等により前記商用電源が喪失した瞬間から同時に前記総合コントロールユニット内又は屋内に設けた音声出力部から非常電力を給電することを音声出力可能な構成とする共に、何等かの事故等により前記商用電源が喪失した瞬間から前記エンジン用バッテリにて前述した構成の前記ガスエンジンを約1、2分内に起動させて該起動力により前記直流発電機にて発電し、前記ガスエンジンで発電した直流電力を交流電力に変換させつつ前記電力供給側に給電し、前記商用電源の復帰時まで前記ガスエンジンのみの電力にて給電し続けることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決した。
請求項2の考案を、請求項1に記載の簡易型非常用電力供給装置において、通常時において、一定期間後に、前記総合コントロールユニット内又は屋内に設けた音声出力部から本考案装置の存在又は本装置の定期点検情報を音声出力する構成としたことを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項3の考案を、請求項1又は2記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンの前記吸気バルブ,前記第1の点火プラグ,前記排気バルブ及び前記第2の点火プラグが4等分に配されてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項4の考案を、請求項1又は2記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンのシリンダ内に流入した混合気の主流が前記点火プラグの点火点を直撃せず、かつその近傍を流れるように構成されてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決した。
請求項5の考案を、請求項4に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンのシリンダ上部のシリンダヘッド下面が扁平球面状凹面に形成されつつ、該扁平球面状凹面の下側面に、膨出部が1個の前記点火プラグの手前側で且つ前記混合気の下流側になるようにして設けられてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項6の考案を、請求項1,2,3,4又は5に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンと前記直流発電機との間にフライホイールが設けられてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決した。
請求項7の考案を、請求項1,2,3,4,5又は6に記載の簡易型非常用電力供給装置において、複数の前記オン・オフスイッチを前記総合コントロールユニットからの信号でオン・オフさせ、且つその電力はエンジンコントロールユニットと同等の低電圧の前記エンジン用バッテリから供給することを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項8の考案を、請求項1,2,3,4,5,6又は7に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記オン・オフスイッチをオン・オフリレースイッチとしたことを特徴とする簡易型非常用電力供給装置としたことにより、前記課題を解決したものである。
請求項1の考案においては、特に、大災害などで、複数回に亘って、商用電源が喪失した場合でも、良好に対応できる。本考案では、停電時の瞬時には対応できなくとも(約数十秒のみが停電状態)、停電時が1日から3日間程度続いたとしても、ガスエンジンによる直流発電機の発電にて十分に対応できるし、特に、災害などで、複数回に亘って(熊本大震災等)、商用電源が喪失した場合にも、その電力の一部で先に消費した電気エネルギを補充するため、繰り返しの停電にも十分に対応できる利点がある。また、LPGとした効果として、日本全国のどこにでも存在しており、緊急時に極めて効率的な支援、復旧が可能にできる。
特に、請求項1の考案では、停電時において、停電時と同時に適所に設けた音声出力部から僅かな時間以内に非常電力を給電するとの音声出力する構成(スピーカ出力構成)としたことで、本考案装置の使用者にとって絶大なる安心感を提供できる。請求項2の考案では、日常時において、一定期間後に、所定位置にて音声出力部から本装置の定期点検情報を音声出力することで、危機管理等を十二分にできる利点がある。請求項3乃至5の考案では、特に、燃焼効率を上げ、ガスエンジンの立上げを良好にできる。請求項6の考案では、ガスエンジンのエンストを防止できる。請求項7の考案では、制御を簡易且つ確実にできる。請求項8の考案では、リレー装置が簡易な構成で安価に提供できる等の効果を奏する
電力会社や自家用発電機などの主電源から正常に電力が供給されているときの本考案の通常時の構成図である。 非常時において、ガスエンジンが作動して直流発電機から安定して電力が供給しているときの状態の構成図である。 (A)は本考案のフローを示す図表、(B)は本考案においての常用時及び非常時の簡易状態図である。 電気負荷の急激な増大のスロットル開度の制御特性を示す図表である。 (A)は単気筒箇所の平面図、(B)は(A)のY1−N−O−X線矢視拡大断面図、(C)は(A)のY2−Y2矢視拡大断面図である。 単気筒箇所の一部断面を示す拡大状態斜視図である。 電力会社や自家用発電機などの主電源から正常に電力が供給されているときの本考案の通常時の構成図であって、特に、音声出力部を設けて音声吹き出しを図解した図である。 非常時において、ガスエンジンが作動して直流発電機から安定して電力が供給しているときの状態の構成図であって、特に、音声出力部を設けて音声吹き出しを図解した図である。 本考案内の組込みの音声出力部回路のフローチャート図である。
以下、本考案の実施形態について図面に基づいて説明すると、図1乃至図3は本考案の構成図及び動作を示した状態図である。図1が通常時の構成図であって、図2が非常時の動作状態図である。これらの図において、本来なら単相交流や直流ならば配線は2本、3相交流なら3本の配線が必要であるが、図を見やすくするため1本の線で代表して、接続関係を表すことにする。
図1は、発電所や工場や船舶などの自家発電設備から通常時において、商用電源が供給されているときの状態を示す。本考案の主要な構成としては、小型のガスエンジン1と、該ガスエンジン1の起動により発電する直流発電機3と、複数のオン・オフスイッチと、該オン・オフスイッチを制御する総合コントロールユニット61(「TCU」とも称する。)、低電圧のエンジン用バッテリ5から供給されるエンジンコントロールユニット62(「ECU」とも称する。)等が備えられている。
ここで前記総合コントロールユニット(TCU)61と前記エンジンコントロールユニット(ECU)62は連携し合っているが機能分担について説明する。総合コントロールユニット(TCU)61は商用電源の喪失か否かの監視とオン・オフスイッチのオンオフおよびエンジンコントロールユニット(ECU)62にガスエンジン1の始動と停止の信号を発信する。これに加えて図4で説明する直流発電機3の励磁電流の制御などの電気出力系の制御を行う。
一方、エンジンコントロールユニット(ECU)62はガスエンジンへの燃料供給、点火時期やスロットルの開閉制御、ガスエンジン1の始動と停止、水温制御などを行う。前記総合コントロールユニット(TCU)61の電力はエンジンコントロールユニット(ECU)62と同じの低電圧のエンジン用バッテリ5から供給される
図1において、ガスエンジン1と燃料供給装置2と直流発電機3とを備えた発電装置であって、燃料としては液化石油ガス(LPG)用のガスボンベ29が使用される。小型の非常用電源であるため前記ガスエンジン1は約50cc〜約500cc以下の小排気量である。該ガスエンジン1は一つのシリンダに2個の点火プラグを配設した多点点火エンジンである。これによりエンジンの始動時間が短くなり着火の機会を増やすとともに、急速燃焼を実現して熱効率(燃費)の改善を行う。
前記ガスエンジン1は、ピストン10が上下運動可能に収納されたシリンダ11の上部にはシリンダヘッド12が設けられ、該シリンダヘッド12の下面が扁平球面状凹面12aとして形成されている。前記シリンダヘッド12(又は前記シリンダ11)の上面側から平面的に見て、点火プラグ13を2個と吸気バルブ15及び排気バルブ17が設けられている。前記吸気バルブ15,前記点火プラグ13,前記排気バルブ17及び前記点火プラグ13が4等分で周回りに配されている〔図5(A)参照〕。
前記扁平球面状凹面12aの曲率半径Rは、前記シリンダ11の中心軸n上の任意の点Pに位置している。さらに、2個の前記点火プラグ13の中心軸mも、前記吸気バルブ15の中心軸w及び排気バルブ17の中心軸uも、それぞれ前記点P上を通過するように構成されている。つまり、前記点火プラグ13の中心軸mも、前記吸気バルブ15(吸気ポート14の入口部)の中心軸w及び排気バルブ17(排気ポート16の出口部)の中心軸uも、曲率半径Rなる前記扁平球面状凹面12aの球面の法線上に存在している。このような三次元としての燃焼室が構成されている〔図5(B)参照〕。
特に、前記吸気バルブ15に吸気させる吸気ポート14は、前記吸気バルブ15からの吸気が前記シリンダ11を平面的に見て、接線方向乃至接線に近似する方向から該シリンダ11内に流入して渦流(スワールG)になるように構成されている。該シリンダ11内のピストン10が下降時において、このスワールS(渦流)が発生するようになっている〔図5(B)及び図6参照〕。
該スワールS(渦流)にても方向性は確保できることがある。十分な方向性の確保のためには次の構成とすることが多い。特に、前記扁平球面状凹面12aの下側面に、略三日月状又は台形山形状等の膨出部12bが、1つの前記点火プラグ13の手前側であって、且つ前記スワールS(渦流)の下流側になるようにして設けられている。該スワールS(渦流)の内容を詳述すると、スワールS(渦流)の主流が前記点火プラグ13の点火点を直撃せず、かつその近傍を流れるように構成されている〔図5(A)参照〕。
前記膨出部12bは、略三日月状であって縦断面は略三角状をなし〔図5(A)及び(B)参照〕、前記スワールS(渦流)の流れを変更する働きを成すものであり、最高位の高さは1mm前後でもよい。前記膨出部12b箇所でも、前記スワールS(渦流)は小さな乱流状態を起こし得る。また、前記膨出部12bは、富士山を扁平状にした台形山形状又は該台形山形状を半分(縦割り)に形成されても(図示しない)、前述の三日月タイプの膨出部12bと同様の効果を奏する。また、前記膨出部12bは、前記スワールS(渦流)の方向性を変え得れば、その形状には限定されない。
さらに、図5(A)及び(B)においては、主流対反主流の流量が8対2程度が好適である。反主流が存在するために、気流の乱れが発生してミキシング改善と共にガス(LPG)燃焼の促進を一層良好にできる。このような構成は従来には存在しない大きな利点である。特に、図6に示すように、前記スワールS(渦流)における主流は、前記シリンダ11内において、反主流を受けて速度が徐々に遅くなると同時に細かな乱流状態を呈するものであり、このときこそが、気体なる空気(エア)と気体なるLPGとを渾然一体にできる。
仮に、強いスワールS(渦流)の主流が前記点火プラグ13の点火点(スパークギャップ)を直撃すると、この部分の温度が下がり(例えば、450℃以下)、遊離カーボンが発生して先端部を汚損して火花が飛びにくくなるが、この先端部の直撃を避けながら、新しい混合気を点火点(スパークギャップ)に流れ込ませるようにする。そして、一旦、火がつくとスワールS(渦流)により火炎は極めて急激に燃焼空間(シリンダヘッド12とシリンダ11内壁面とピストン10頂面で区画された空間全体)に三次元的に広がってゆきガスの燃焼効率を格段と上昇し得る。
この燃焼効率は、前記曲率半径Rなる前記扁平球面状凹面12aの球面としての三次元の燃焼室と、前記点火プラグ13の点火点を避けたスワールS(渦流)とが相俟って極めて良好なる効果を奏する。さらに、停電直後におけるガスエンジン1の始動も極めて早期に立ち上げることができる最大の利点がある。
なお、前記点火プラグ13の中心軸mと前記シリンダ11の中心軸nとの角度θも、前記吸気バルブ15の中心軸wと前記シリンダ11の中心軸nとの角度θも、前記排気バルブ17の中心軸uと前記シリンダ11の中心軸nとの角度θもそれぞれ同一角度で、且つ約12°〜約14°に構成されている〔図5(B)参照〕。
前記ガスボンベ29には減圧バルブ28が設けられ、ここから供給配管25が配置され、該供給配管25の他端は、前記吸気ポート12の手前の吸気ダクト18に連続するミキサ19のベンチュリ19a内に連通するように構成されている。前記ガス配管25には、電磁弁27,調圧バルブ26を介してLPGが前記吸気ポート12に流入され、最終的には、スロットルアクチュエータ21によるスロットル20を適宜開いて噴出される。つまり、図1及び図6に示すように、前記燃料供給装置2としては、該ロットル20,スロットルアクチュエータ21,ガス配管25,調圧バルブ26,電磁弁27,減圧バルブ28,ガスボンベ29等にて構成されている。
さらに、燃料噴出箇所について説明すると、燃料(LPG)は調圧バルブ26で大気圧近くまで減圧され、オリフィス25aで計量され、前記ミキサ19の中の燃料通路に導かれる。ベンチュリ19aのスリットステップホール22およびアイドルミクスチャスクリュウ23で調節され、スロットル20の下流から吸入された空気に混合される。アイドリング時にはスロットル20の下流、過渡時や低速時には主にスリットステップホール22から燃料が供給される。ガスエンジン1の要求出力が大きくなると、ベンチュリ19aのスリットからの燃料の吸い出しが主になる。
燃料は前述したように、入手が容易でガスボンベ29に充填されていて輸送に便利な液化石油ガス(LPG)を用いる。該LPGは長期間の保存でもガソリンや軽油のように変質しない利点がある。さらに、これまでの軽油を燃料とする圧縮着火のディーゼルエンジンよりも、始動時間が短く、二酸化炭素や窒素酸化物の排出が少ない利点もある。図1に示すように、図中44はラジエータ、45はファンモータである。
また、図1の日常時において、エンジン用バッテリ5に交流→直流インバータ72で低電圧(例えば12V)の直流に変換して充電作業を行う(破線参照)。前記エンジン用バッテリ5は、自動車用の12Vの鉛・希硫酸バッテリなどを用いることが多い。
図1の状態では、前記直流発電機3からの電力は使わないので、この回路のオン・オフイッチ82は開位置を保持したままである。商用電源の状態(電気が来ているか否か)は接合点P1から固定抵抗85を通して主電源信号ライン86を経て前記総合コントロールユニット(TCU)61にかかる電圧で判断するように構成されている。前記固定抵抗85の存在にて前記総合コントロールユニット(TCU)61が微弱な電流で停電か否かを判断できるからである。該総合コントロールユニット(TCU)61内にも抵抗がありこの前後の電圧を監視しておけば、もし主電源(商用電源)が喪失すれば、この電圧がゼロとなる。
通常時においては、図1に示すように、オン・オフスイッチ81は閉じており、主電源からの電力は太い矢印のように接合点P1から接合点P2を経て出力する。前記オン・オフスイッチ81は前記総合コントロールユニット(TCU:Total Control Unit)61からの信号で回路をオン・オフする機能を具備している。スイッチは電磁的に接点を開閉しても、トランジスタを用いた通常の無接点スイッチでもよい。
次に、非常時においての動作説明を図2に基づいて説明する。何等かの事故等により商用電源が喪失したことを検出すると、図1において、前記総合コントロールユニット(TCU)61の作動にて前記オン・オフスイッチ81が開き、商用電源がブラックアウト(停電)となる。この瞬間からガスエンジン1にて発電し長時間に亘って本格的に電力を供給し続けるときの本考案の特徴について説明するが、その前に前記ガスエンジン1が始動するまでの過程について述べる。まず、前記総合コントロールユニット(TCU)61で、商用電源(主電源)の喪失を検出するとその信号は、該総合コントロールユニット(TCU)61からエンジンコントロールユニット(ECU)62に伝えられる。
該エンジンコントロールユニット(ECU)62からの信号でスターターリレー42はエンジン用バッテリ(12V)52の電源でスターターモータ41を駆動する。同時に前記エンジンコントロールユニット(ECU)62の信号にてガスボンベ29(LPG用)から通常用いる機械式の減圧バルブ28を経て来たガスを遮断していた電磁弁27に通電してこれを開く。
同時に殆ど大気圧に燃料の圧力を調整する調圧バルブ26を作動させ、燃料をガスエンジン1の燃料供給装置2に供給する態勢が整う。一方、ガスエンジン1の運転に不可欠なエンジンオイルの供給は電動のオイルポンプ46で、冷却水も電動のウォーターポンプ47で循環させる。
前記スターターモータ41が回転すると、ガスエンジン1がクランキングされて吸入によって発生する負圧で燃料供給装置2で計量された燃料と空気を吸入して、圧縮し点火して始動する。この始動性は多点点火(2個の点火プラグ13を配設した)とガス燃料のためディーゼルエンジンに比べると格段に優れている。
ガスエンジン1が始動して定格の回転数に達し、これと同一回転数で回る直流発電機3から電力が供給できるようになると、オン・オフスイッチ82は、閉状態に切り換わる。ここで、ガスエンジン1の回転速度はクランク回転センサ48で検出した点火時期制御用の上死点信号を勘定して回転数を算出する。これが所定の回転数、例えば、2000rpmになるように、エンジンコントロールユニット(ECU)62の信号にて燃料供給装置2のスロットル20の開度を調整する。
前記オン・オフスイッチ81は開いたままであるがオン・オフスイッチ82は閉じている。前記直流発電機3による直流は、前記直流→交流インバータ71で直流が主電源と同じ交流電力と周波数の交流に変換されて前記オン・オフスイッチ82を経て接合点P2から出力される。このとき、前記ガスエンジン1による直流発電機3の直流電力にて接合点P2から前記パワーコンディショナ72で低電圧の直流に変換されて前記エンジン用バッテリ5も充電するように構成されている。
ガスエンジン1の作動中に冷却水温度が上昇すると、サーモスタット43が開いて、冷却水がラジエータ44を循環する。さらに、水温が上がるとファンモータ45に通電して、冷却風で前記ラジエータ44からの放熱を促進する。
次に燃料の消費とこれによる発電エネルギについて説明する。例として、前記ガスボンベ29にプロパンC3H8が20kgが充填されっているボンベを使った場合を想定する。C3H8の分子量は44、すなわち1モル、標準状態(0℃,1気圧)22.4リットルの質量が44である。一方、標準状態におけるプロパンの低発熱量(以後、発熱量と略す)は90.7MJ/m3である。
C3H8の1m3の質量は44g×1000/22.4=1964gである。従って、20kgボンベには標準状態で(20kg)/(1.964kg/m3)=10.18m3のプロパンが充填されている。その発熱量は90.7MJ/m3×10.18m3=923MJ(=923×103kJ)となる。これだけの熱量で発電できる電気エネルギを求め、72時間1kWを供給できるかを検討する。
摩擦損失の小さい低速で回転する多点点火のエンジンで安定して得られた熱効率は36%である。発電機の効率を95%、直流→交流インバータ71の転換効率を93%とする。また、接合点P2からの出力を最大の1kWを出し続けるとして、エンジンで消費するエネルギは、(1kJ/s)/(0.36×0.95×0.93)=3.1441kJ/sとなる。923×103kJを消費する時間は(923×103kJ)/(3.144kJ/s)≒293600s、即ち約81.5時間となる。20kgボンベ1本で81時間以上の発電が可能であり、余裕をもって目標の72時間を達成することができる。
商用電源(主電源)が回復するとこれを前記総合コントロールユニット(TCU)61が関知し、前記オン・オフスイッチ82を開き、且つ前記オン・オフスイッチ81を閉じて接合点P1からは接合2に主電源の電力が供給される。また、エンジンコントロールユニット(ECU)62はエンジンを停止させると同時に前記電磁弁27を閉じて、燃料を遮断する。そして図1の状態に戻る。
以上のように、何等かの事故等により商用電源が喪失した瞬間から電力はブラックアウトするが、本考案のガスエンジン1が始動して定格の回転数に達して回る直流発電機3から電力が供給できるようになるまでに、僅かな時間(約10〜約40秒前後)が掛かるのみである。このような僅かな時間(図3においてb工程時間)のみがブラックアウトするのみであり、その後は、商用電力が回復するまでの最大2〜3日間程度は前記直流発電機3による電力にて賄うことできる優れた考案である。
このような供給電力をフロー図(図3(A)参照)で説明すると、商用電源による電力をa工程時間、ブラックアウトする時間をb工程時間、ガスエンジン1による発電した電力を、c工程時間として表している。図3では、2回のブラックアウトが発生してその都度ガスエンジン1による給電が行われている。そのブラックアウトする時間は実際には、約10〜約40秒前後であり、この時のみ別の小型のUPS(無停電電源装置)にてPC等の電子機器対策を行えば、大きな容量の信号機や店の電源等は本考案のガスエンジン1による発電供給にて十分に対応できるものである。
また、図3(B)は、図3(A)をより解り易く描いた表であり、商用電源ON(a工程時間)後に、ブラックアウト(停電)し、この停電時間(約1,2分:b工程時間)が経過後に、始動したガスエンジン1による給電がON状態となり、c工程時間となる。
前記ガスエンジン1が所定の出力より低い出力で定格の回転数で回っているとき急に要求電気出力が増大したとする。負荷の増大によりエンジンの回転数は低下する。これを回復しようとしてエンジンコントロールユニット(ECU)62からの信号で燃料供給装置2のスロットルを開くが、所定の回転数に戻るまでには短時間ではあるが時間を要する。
出力の余力が少ない小型エンジンではこれに対抗できずに、接合点P2の出力電圧が低下したり、極端な場合にはガスエンジン1が止まってしまうことがある。小型エンジンであってもガスエンジン自体で負荷の急な増大に対応できるようにしておくことも必要である。このような手段としてフライホイール9を設けることもある。
その構造としては、図1及び図2に示すように、外周囲の厚肉外周部を有するフライホイール9は、前記ガスエンジン1のクランクシャフトの端部に止着ボルトにて固定されている。さらに、前記フライホイール9の中央位置に形成されたボス部内の雌型スプラインに、前記直流発電機3の中央に設けた雄型スプライン35が嵌合して固着されている。極めて簡易な構成で取付られている。
回転慣性モーメントIp(単位はkgm2)が大きいと回転の下りが緩やかとなる。突入直後のエンジン回転数は従来型より高い。高いと吸い込み回数が多いのでミキサから前記シリンダ1内を満たすまでの時間が短くなる。すると、その間に供給される混合気の量が増大する。発生する熱エネルギが多い、即ち、力強く吹き上がる。前記回転慣性モーメントIpの大きさは100cc〜300ccのエンジンで1.2kgm2〜1.0kgm2であり、4シリンダの2000cc〜3500ccの火花点火エンジンと略同じ大きさである。
また、前記フライホイール9を設けた本考案のグラフと従来技術とを比較すると、従来技術では、非常時におけるガスエンジン1に急激な電気負荷が発生したときに、エンジン回転数が低下してエンスト限界まで立上りが下がり、収束(収斂)されるが遅く、本考案の立上げによる収束(収斂)時間は約半分であり、極めてエンストしにくい構成にできる利点がある。
前記直流発電機3としては、前記ガスエンジン1からの前記フライホイール9に直結した回転子31に整流子32が設けられ、整流子32にはブラシ34が接触可能に取り付けられている。前記回転子31には、ステーターコイル33が設けられている。これによって、前記ガスエンジン1の回転と同速度で前記直流発電機の回転子28が回転する。発電する電力の制御はブラシ34から整流子32、そして回転子31に供給される励磁電流で行う。
前記総合コントロールユニット(TCU)61はエンジンコントロールユニット(ECU)62から供給された電力で励磁電流を制御しながら回転子31に供給する。これにより前記ステーターコイル33には所定の電圧の電力が発生する。該ステーターコイル33からの直流電力は直流→交流インバータ71で商用電源と同じ電圧と周波数の交流に変換され、オン・オフスイッチ82を経て接合点P2から出力する。
ここで、電気負荷が大きいとガスエンジン1の要求トルクが増大して回転数が下がるので、前記エンジンコントロールユニット(ECU)62からの信号でスロットルアクチュエータ21を作動させてスロットル20の開度を増大させて所定の回転数に維持する。回転数が上がり過ぎるとこの逆の制御を行う。
電気負荷の急な増大にフライホイール9の回転のエネルギだけでは不足するような場合の対策について説明すると、電気負荷が急に増大すると電圧は低下する。そしてガスエンジン1の回転数も所定の回転数Ne(例えば2000rpm)から大きく低下する。すると、エンジンコントロールユニット(ECU)62からの信号でスロットル20は開度を増大させるので、ガスエンジン1の回転数は所定の回転速度Neに達する。しかし、そのままではさらに上昇し、発電電圧は所定の値を越してしまい、暴走状態になることがある。
そこで、図4で説明するスロットル開度制御を行う。下段のように、時刻Tで電気負荷がL1からL2に増大すると、中段のように即座にL1のときに所定のガスエンジン回転数を維持してきたスロットル開度β1からフロスロットルの状態にする。すると、上段のように一旦(1)まで低下したガスエンジン回転数は上昇し出す。
そして(2)で所定の回転数Neに達する。そこで中段のようにスロットル開度を、例えば1秒当たりに徐々に5%、あるいは1秒毎にステップ状に5%閉じる。これによりガスエンジン回転数の上昇が鈍り、低下に転ずる。(2)でNeまで下がつた瞬間に今度は毎秒当たり徐々に4%あるいは、ステップ状に4%開く。そして(4)に達したら3%ずつ閉じる。これを繰り返すと所定の回転数(例えば1800rpm)を維持するスロットル開度に収束する。 なお、この5%や4%などではなく実情により変えてもよいのは言うまでもない。
電気負荷が徐々に増大した場合にはガスエンジン1の回転数が徐々に下がるので、いきなりフルスロットルにせずにクランク回転センサ48で検出した回転数が所定の回転数を維持するように、エンジンコントロールユニット(ECU)62からの信号でスロットル20を開く。ガスエンジン1の回転数が徐々に上がつた場合はこの逆で、前記クランク回転センサ48で検出した回転数が所定の回転数を維持するように、前記エンジンコントロールユニット(ECU)62からの信号で前記スロットル20を閉じる。
商用電源の復帰を総合コントロールユニット(TCU)61が検出したら、該総合コントロールユニット(TCU)61はエンジンコントロールユニット(ECU)62にガスエンジン1の停止の信号を送るとともに、非常用電力系のオン・オフスイッチ82をオフにすると同時にオン・オフスイッチ81をオンにする。一方、エンジンコントロールユニット(ECU)62は点火をカットしスロットルアクチュエータ21でスロットル20を閉じ、電磁弁27も閉じる。これで商用電源は接合点P1から本装置を素通りして接合点P2から出力される。なお、何らかの都合で点火カットが一瞬遅れても、前述のようにフライホイール9の回転慣性モーメントを大きく設定しておけば回転が上がり過ぎて、ガスエンジンを破壊するようなことはない。
前記各オン・オフスイッチ81、82は、各々オン・オフリレースイッチとして構成することもある。これらのリレースイッチは電磁的に接点を開閉しても半導体を用いた通常の無接点スイッチなどである。主に経済性による。また、図4の表では、特に、本考案の特徴が表わされている。
つまり、停電と復帰が所定時間(1日とから、3日とか)間隔で続いたとしても、その非常時においても、エンジン用バッテリ5を充電する構成であることによる。かかる構成は従来には存在しなかった最大の利点である。例えば、最近では、熊本大地震で、24時間以内に震度7が2度も続いた場合でも十分に対応できる考案である。
一般には、公知技術であるスロットル20を適宜開けると、LPGは前記オリフィス18a箇所から吸気ダクト18内に流入するが、あたかも、単に水道水が流入するようになっており、LPGも気体であり、空気とは、混合しにくい状況であり、前記LPGと空気との混合された混合気が、前述したように、前述したシリンダ11内でのスワールS現象等によって、空気とLPGとが良好に混合して、燃焼効率の良好なガスエンジン1を提供できるものである。
本考案の簡易型非常用電力供給装置には、組み込みの音声出力回路を備えるようにしたものである。具体的には、図7及び図8に示すように、総合コントロールユニット(TCU)61の内部に音声出力部63が組み込まれている。さらに、本考案装置が屋外等に設置されている場合には、前記総合コントロールユニット(TCU)61から離れた屋内の適所に音声出力部63が配設されて同TCU61に組み込まれている。前記音声出力部63はコンピュータから出力されたり、或いはスピーカが内蔵されることもある。
組み込みの音声出力回路の出力としては、通常時及び非常時において常時充電されている前記エンジン用バッテリ5に連結され、この出力を前記総合コントロールユニット(TCU)61の制御にて音声情報として出力可能に構成されている。まず、非常時にとして突然の停電(ブラックアウト状態)であっても、本装置では、約1,2分でガスエンジン1による発電供給ができる考案であるが、停電と同時(瞬間)に、音声出力にて安心感を提供するものである。
つまり、突然の停電時においての最大の不安を感じる点を、数分以内で点灯することを音声出力(数回が好適)にて安心化させる構成である。特に、数分以内で点灯させるハード面での構成と、例え簡単なる構成であったとしても安心感保持のソフト面とが協働することで多大なる安心安全な効果を奏する簡易型非常用電力供給装置を提供できる。
非常時のフローチャートとしては、図9に示すように、停電した(S1)瞬間に、ガスエンジン1が始動準備に入る。つまり、エンジン始動準備となる(S2)。同時に、前記総合コントロールユニット(TCU)61内又は屋内の音声出力部63から第1音声が出力される(S3)。例えば「安心して下さい。エンジン発電機が稼働します。」等である。
そして、数秒後には、ガスエンジン1の準備が完了する(S4)。この準備完了と同時に、前記音声出力部63から第2音声が出力される(S5)。例えば、「エンジンを始動します。」等である。そして、前記スタータモータ41を回転させてガスエンジン1をスタートオンする(S6)。
これでガスエンジン1を始動させる(S7)。該ガスエンジン1が始動して定格の回転数に達することで直流発電機3から電力が供給できる状態となる。すると、前記音声出力部63から第3音声が出力される(S8)。例えば、「通電を開始します。」等である。この状態図が図8である。そして、通電開始が行なわれる(S9)。
このようにして、ガスエンジン1の発電機によって非常時の電力供給が行なわれる。具体的には、停電時におけるS1からS9の電力供給までの一連の動作の全体時間としても約1、2分程度である。なお、停電が発生して本機が作動すると、停電の長さが短い時は問題ないが10時間も続くと燃料の補給と共に点検をおこなうので、このときにも本考案のシステムをリセットする。
さらに、本考案では、通常時(停電時でないとき)においても、一定期間後に、例えば、半年おきとか、1年おきに、非常用発電機の存在や、本装置の定期点検情報をアナウンスすることで安心感を与える構成とされている。この具体的な構成としては、前記総合コントロールユニット(TCU)61内蔵のタイマの信号にて時間的なタイミングは制御されている。
通常時のフローチャートとしては、図9に示すように、所定の時間経過後において(半年後、又は1年後)(S10)、アナウンスを行なう(S11)。このアナウンスとしては、最重要事項として、非常電源装置の存在のお知らせを行なう。例えば、「この建物には非常発電機が設置されています。」と出力する。これでも、この建物の危機管理機能を備えた建物であることは十分に出力できる。
さらに、続けてのアナウンスとして、定期点検情報も出力できる。例えば、「この際、定期点検・整備をお奨めします。」等と出力する。この情報出力の重要性としては、建物所有者の管理情報と建物をユーザーとが一体化した総合的な危機管理が可能な点にある。
なお、定期点検・整備が済んだらこの本考案のシステムがリセットされ、ゼロ時間からスートする。定期点検・整備時には必ずエンジンの始動点検を行うのでスタータシグナルでリセットしてもよい。
1…ガスエンジン、11…シリンダ、12…シリンダヘッド、13…点火プラグ、
15…吸気バルブ、17…排気バルブ、12a…扁平球面状凹面、12a…膨出部、
2…燃料供給装置、3…直流発電機、5…エンジン用バッテリ、
61…総合コントロールユニット(TCU)、
62…エンジンコントロールユニット(ECU)、63…音声出力部、
81,82…オン・オフスイッチ、9…フライホイール。

Claims (8)

  1. 排気量50cc〜500ccの小型のLPG用のガスエンジンと,該ガスエンジンの起動により発電する直流発電機と,エンジン用バッテリと,複数のオン・オフスイッチと,該オン・オフスイッチを制御する総合コントロールユニットとを備え、前記ガスエンジンのシリンダには2個の点火プラグが設けられると共に、前記シリンダを平面的に見て、第1の点火プラグ,吸気バルブ,第2の点火プラグ及び排気バルブが周回りに配されるように構成されてなり、
    通常時においては、前記オン・オフスイッチを介して商用電源の電力供給側を通電状態とし、何等かの事故等により前記商用電源が喪失した瞬間から同時に前記総合コントロールユニット内又は屋内に設けた音声出力部から非常電力を給電することを音声出力可能な構成とする共に、何等かの事故等により前記商用電源が喪失した瞬間から前記エンジン用バッテリにて前述した構成の前記ガスエンジンを約1、2分内に起動させて該起動力により前記直流発電機にて発電し、前記ガスエンジンで発電した直流電力を交流電力に変換させつつ前記電力供給側に給電し、前記商用電源の復帰時まで前記ガスエンジンのみの電力にて給電し続けることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置。
  2. 請求項1に記載の簡易型非常用電力供給装置において、通常時において、一定期間後に、前記総合コントロールユニット内又は屋内に設けた音声出力部から本件装置の存在又は本件装置の定期点検情報を音声出力する構成としたことを特徴とする簡易型非常用電力供給装置。
  3. 請求項1又は2に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンの前記吸気バルブ,前記第1の点火プラグ,前記排気バルブ及び前記第2の点火プラグが4等分に配されてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置。
  4. 請求項1,2又は3に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンのシリンダ内に流入した混合気の主流が前記点火プラグの点火点を直撃せず、かつその近傍を流れるように構成されてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置。
  5. 請求項4に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンのシリンダ上部のシリンダヘッド下面が扁平球面状凹面に形成されつつ、該扁平球面状凹面の下側面に、膨出部が1個の前記点火プラグの手前側で且つ前記混合気の下流側になるようにして設けられてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置。
  6. 請求項1,2,3,4又は5に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記ガスエンジンと前記直流発電機との間にフライホイールが設けられてなることを特徴とする簡易型非常用電力供給装置。
  7. 請求項1,2,3,4,5又は6に記載の簡易型非常用電力供給装置において、複数の前記オン・オフスイッチを前記総合コントロールユニットからの信号でオン・オフさせ、且つその電力はエンジンコントロールユニットと同等の低電圧の前記エンジン用バッテリから供給することを特徴とする簡易型非常用電力供給装置。
  8. 請求項1,2,3,4,5,6又は7に記載の簡易型非常用電力供給装置において、前記オン・オフスイッチをオン・オフリレースイッチとしたことを特徴とする簡易型非常用
    電力供給装置。

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