JP3228535U - 防水靴 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐久性及び防水性を備え、しかも、フィット感や履き心地が良好な防水靴を提供する。【解決手段】靴底2と、足を入れる靴本体3と、甲部6に形成された紐掛け部7と、紐掛け部7に通した靴紐11とを備える。防水性を有して靴本体3を被覆する本体被覆部4と、防水性を有して紐掛け部7を被覆する調整被覆部5とを備える。調整被覆部5は、靴紐11による調整操作を許容した状態で、本体被覆部4と一体化もしくは水密に連結されている。【選択図】図1
Description
本考案は、防水靴に関する。
例えば、安全靴は、安全性への配慮が中心となるため十分な防水性を備えておらず、工場内の床や工事現場に生じる、水、油類、薬品、泥水等の液溜まりに、安全靴のまま踏み入れてしまった場合、これらの液体が該安全靴の内部に入り込む不都合がある。
一方、液溜まり等が生じやすい作業環境では、所謂長靴が用いられることもある。一般に、長靴は、全体が柔軟な天然ゴム、合成ゴム、或いは塩化ビニル等の合成樹脂で形成されており、高い防水性を有している。
しかし、長靴は、ルーズな着用感である場合が多いために、長時間の着用による足疲れが発生することがあるだけでなく、重機の運転等のように繊細な足の感覚が必要となる作業には不向きである不都合がある。
更に、長靴を形成している防水素材である天然ゴム、合成ゴム、塩化ビニル等は、外部の硬質物への接触により足への衝撃が伝わりやすく安全面の問題や摩耗や亀裂等が生じやすく耐久性の問題があった。
ところで、近年、靴の表皮としてナイロン生地の両面にゴムや樹脂等を塗布した安全靴が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このものは、靴の表皮にゴムや樹脂等を塗布することで耐久性と防水性を向上させている。
しかし、上記特許文献1のように靴の表皮にゴムや樹脂等を塗布しただけでは、当該塗布層の剥がれが生じるおそれがあり、塗布層の剥がれが生じた場合には、防水性を維持することが困難となる不都合がある。
また、上記特許文献1のものでは、フィット感や履き心地に関しては十分に向上させることはできず、フィット性の調整もできない。このため、長時間の着用に耐え得るものではなく、重機の運転や作業のし易さも不十分である。
上記の点に鑑み、本考案は、高い耐久性及び防水性を備え、しかも、フィット感や履き心地が良好な防水靴を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本考案は、靴底と、該靴底上に形成されて足を入れる靴本体と、前記靴本体の甲部に形成された紐掛け部と、該紐掛け部に通した靴紐とを備えて、該靴紐によって足に合わせて締め付け調整可能な防水靴において、防水性を有して前記靴本体を被覆する本体被覆部と、防水性を有して前記紐掛け部を被覆する調整被覆部とを備え、前記調整被覆部は、前記靴紐による調整操作を許容した状態で、前記本体被覆部と一体化もしくは水密に連結されていることを特徴とする。
本考案によれば、靴本体が本体被覆部により被覆されることにより防水性が発揮され、紐掛け部が調整被覆部により被覆されて防水性が発揮される。そして、本体被覆部と調整被覆部とはシームレスに連続し、一体化していることにより、極めて高い防水性を得ることができる。しかも、本体被覆部により靴本体の耐久性も向上する。
更に、本考案によれば、調整被覆部は、靴紐による調整操作を許容した状態で紐掛け部を被覆しているので、靴紐の締め具合を円滑に調整することができ、着用者の所望するフィット感を容易に得ることができる。これにより、十分な防水性を備え、且つ、履き心地が良好な防水靴を提供することができる。
また、本考案の防水靴は、靴本体の爪先部に、硬質の芯材を埋設して安全性を向上させることができ、耐久性及び防水性を備える安全靴として好適に用いることができる。
また、本考案の防水靴において、前記靴本体は、その表皮に合成皮革層を備え、前記本体被覆部は、前記靴本体の合成皮革層の表面に接着されたゴム製シート材により形成され、前記調整被覆部は、ゴム製シート材により形成されていることを特徴とする。
これによれば、本体被覆部は、合成皮革層の表面にゴム製シート層が接着された構造となることにより、本体被覆部の強度が向上する。よって、本考案の防水靴は、外部の硬質物が接触しても、摩耗や亀裂が生じ難く、高い強度を得ることができ足への衝撃も緩和できる。
本考案の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の防水靴1の外観を示している。図1に示すように、本実施形態の防水靴1は、所謂スニーカー型安全靴をベースとしたもので、靴底2と、靴底2の上部に形成された靴本体3とを備えている。靴本体3の表面には、本体被覆部4と4と一体化した調整被覆部5とが設けられている。
図2は、靴底2、本体被覆部4、及び調整被覆部5が未だ設けられていない状態の靴本体3を示している。図2に示すように、靴本体3の甲部6には、両側方向に拡開可能に遊離する紐掛け部7が形成されている。靴本体3の甲部6の先端側に位置する爪先部8には、硬質の芯材9(図3参照)が埋設されている。
紐掛け部7の内縁には紐通しのための複数のD環10が所定間隔を存して取り付けられている。各D環10には靴紐11が挿通されている。これにより、スニーカーが備えるフィット性の調整機能が付与される。
即ち、靴紐11を操作して締め付け量を増加させると、紐掛け部7の間隔が狭くなり甲部6の外周寸法を小さくすることができる。逆に、靴紐11を操作して締め付けを緩めると、紐掛け部7の間隔が広くなり甲部6の外周寸法を大きくすることができる。このように、靴紐11を操作することにより、靴本体3とその内部に入れた足との密着度を、好みに応じて調整することができる。
靴本体3は、靴底2が接合されるに先立って貼着された本体被覆部4と4と一体化した調整被覆部5とを備えている。
図3は、防水靴1を断面視することによりその構造を示している。図3に示すように、靴本体3は、底面(中敷材)以外の部分に、ライニング材となる合成皮革層12を備えている。
合成皮革層12には、本体被覆部4が貼着される。本体被覆部4は防水性を有するゴム製シート材により構成されている。合成皮革層12も縫製部分を除いて防水性を有しているが、縫製部分も含めて本体被覆部4が被覆するので、極めて高い防水性が発揮される。
調整被覆部5は、靴紐11の動きを許容した状態で、紐掛け部7を覆うようにして設けられている。調整被覆部5は、防水性を有するゴム製シート材により構成されており、本体被覆部4にシームレスで一体化されている。なお、調整被覆部5は、当該実施例のように本体被覆部4と一体のゴム製シート材により形成してもよいが、本体被覆部4と別体に形成しておき、互いに一体的に連接させて形成してもよい。
調整被覆部5は、紐掛け部7の動きに追従して柔軟に撓むようになっている。これにより、フィット性の調整機能を阻害することなく、高い防水性を得ることができる。
以上のように、本実施形態の防水靴1は、本体被覆部4と調整被覆部5とによって、十分な防水性を備えている。しかも、調整被覆部5が靴紐の動きを阻害しないので、フィット性の調整が可能となっており、履き心地が良好である。そして、作業者の足にフィットさせた防水靴1は、重機の運転のし易さや作業性、や安全性が高い。
次に、本実施形態の防水靴1の製造方法について説明する。先ず、靴底2が未だ設けられていない状態の靴本体3(図2参照)(合成皮革の表皮部分、インソール13(図3参照)、及び芯材を備えた状態の靴本体)にラストを入れて型崩れを防止し、紐掛け部7(靴紐11及びD環10)を除く靴本体3の表面(表皮外面及びインソール13の下面)に糊を塗布する。
次いで、糊を塗布した部分にゴム製シート材を貼り付けて本体被覆部4を形成する。
次いで、糊を塗布した部分にゴム製シート材を貼り付けて本体被覆部4を形成する。
本体被覆部4とするゴム製シート材には、予め調整被覆部5とするゴム製シート材を一体に連結しておくのが好ましい。本体被覆部4と調整被覆部5とを一枚のゴム製シート材で形成しておいてもよい。また、図示しないが、ゴム製シート材の裏面には、必要に応じて部分的に補強材(補強布等)を設けてもよい。
続いて、靴本体3の底面(インソール13の下面)にゴム製シート材を貼り付け、更に、靴本体3の底面に靴底2を貼り付け圧着する。その後、加硫して、スニーカー型防水性安全靴1が完成となる。
なお、本考案の防水靴1の製造手順はこれに限るものではなく、例えば、各部の材質に応じて他の製造方法を採用することができる。
また、本実施形態においては、爪先部8に硬質の芯材9を埋設した安全靴として工場内の床や工事現場で好適に使用できるものを示したが、本考案は、これに限るものではなく、例えば、芯材9を設けないタイプの靴にも好適に採用することができる。
1…防水靴
2…靴底
3…靴本体
4…本体被覆部
5…調整被覆部
6…甲部
7…紐掛け部
8…爪先部
9…芯材
10…D環
11…靴紐
12…合成皮革層
13…インソール
2…靴底
3…靴本体
4…本体被覆部
5…調整被覆部
6…甲部
7…紐掛け部
8…爪先部
9…芯材
10…D環
11…靴紐
12…合成皮革層
13…インソール
Claims (3)
- 靴底と、該靴底上に形成されて足を入れる靴本体と、前記靴本体の甲部に形成された紐掛け部と、該紐掛け部に通した靴紐とを備えて、該靴紐によって足に合わせて締め付け調整可能な防水靴において、
防水性を有して前記靴本体を被覆する本体被覆部と、防水性を有して前記紐掛け部を被覆する調整被覆部とを備え、
前記調整被覆部は、前記靴紐による調整操作を許容した状態で、前記本体被覆部と一体化もしくは水密に連結されていることを特徴とする防水靴。 - 前記靴本体の爪先部に、硬質の芯材が埋設されていることを特徴とする請求項1記載の防水靴。
- 前記靴本体は、その表皮に合成皮革層を備え、
前記本体被覆部は、前記靴本体の合成皮革層の表面に接着されたゴム製シート材により形成され、
前記調整被覆部は、ゴム製シート材により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防水靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020003538U JP3228535U (ja) | 2020-08-20 | 2020-08-20 | 防水靴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020003538U JP3228535U (ja) | 2020-08-20 | 2020-08-20 | 防水靴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3228535U true JP3228535U (ja) | 2020-10-29 |
Family
ID=72916011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020003538U Active JP3228535U (ja) | 2020-08-20 | 2020-08-20 | 防水靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3228535U (ja) |
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2020
- 2020-08-20 JP JP2020003538U patent/JP3228535U/ja active Active
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