JP3227516U - 飲料水入り容器 - Google Patents

飲料水入り容器 Download PDF

Info

Publication number
JP3227516U
JP3227516U JP2020002117U JP2020002117U JP3227516U JP 3227516 U JP3227516 U JP 3227516U JP 2020002117 U JP2020002117 U JP 2020002117U JP 2020002117 U JP2020002117 U JP 2020002117U JP 3227516 U JP3227516 U JP 3227516U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drinking water
oxygen
liquid
nanobubbles
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2020002117U
Other languages
English (en)
Inventor
易生 藤津
易生 藤津
大 山之内
大 山之内
良昭 橘
良昭 橘
Original Assignee
ユーエフビー・ジャパン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユーエフビー・ジャパン株式会社 filed Critical ユーエフビー・ジャパン株式会社
Priority to JP2020002117U priority Critical patent/JP3227516U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3227516U publication Critical patent/JP3227516U/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】従来よりも平均粒径が微小かつ高濃度の酸素ナノバブルを含む水溶液を飲料水として市場に流通させるのに適した保存形態の飲料水入り容器を提供すること。
【解決手段】飲料水入り容器20は、飲料水が容器であるペットボトル22内に入っている。この飲料水は、酸素ナノバブルを含み、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定したときの前記酸素ナノバブルの平均粒径及び密度がそれぞれ30nm以下及び1mlあたり1016個以上の液体であり、ペットボトル22内の空気が抜かれた状態で、このペットボトル22内に密封されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、飲料水入り容器に関し、特に、酸素ナノバブルを含有する液体が飲料水として容器内に入っている飲料水入り容器に関する。
マイクロ・ナノバブルは、非特許文献1に記載されているように、(a)気泡径が小さいこと、(b)上昇速度が遅いこと、(c)摩擦抵抗を低減すること、(d)気泡内圧力が高いこと、(e)気液界面が大きいこと、(f)ガスの溶解量が大きいこと、(g)溶解、収縮を伴うことと、及び(h)気泡表面が負に帯電していること、等の様々な特徴を有する。特に、ナノバブルは粒径が1μm未満と非常に小さく、ナノバブルを含む液体では目視確認ができず無色透明になること、粒子径が小さくなるほど浮力が粘性力に比べて非常に小さくなるため、上面に浮上しないで液体中に超微細バブルのままで長期間存在できること、等の特徴を有することが知られている。
ナノバブルは、これらの特徴を利用して医療分野への応用が期待されている(例えば、特許文献1参照)ほか、美容・健康に関する分野や水耕栽培などの農業分野といった幅広い分野においても研究が進められている。
国際公開第2017/195852号パンフレット
柘植 秀樹、「マイクロバブル・ナノバブルの基礎」、Bull. Soc. Sea Water Sci., Jpn.、2010年、第64巻、p4−10
ところで、特許文献1に開示されている生体投与可能な水溶液は、含有する酸素ナノバブルの平均粒径及び密度が従来よりも格段に微細かつ高濃度であるため、高い効能が期待できるものと考えられる。この水溶液を飲料水として市販する場合、ペットボトルなどの容器に入った状態で販売することが考えられるが、飲料水中に含まれる酸素ナノバブルの様態(平均粒径や密度)を可能な限り維持し得る保存形態で市場に流通させることが望ましい。
上記した課題に鑑み、本考案は、上記水溶液を飲料水として市場に流通させるのに適した保存形態の飲料水入り容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案は、飲料水が容器内に入っている飲料水入り容器であって、前記飲料水は、酸素ナノバブルを含み、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定したときの前記酸素ナノバブルの平均粒径及び密度がそれぞれ30nm以下及び1mlあたり1016個以上の液体であり、前記容器内の空気が抜かれた状態で当該容器内に密封されていることを特徴とする。
また、前記飲料水は、前記液体が2倍〜4倍に希釈された希釈液であることを特徴とする。
さらに、前記容器は、ペットボトルであることを特徴とする。
上記構成を有する本考案の飲料水入り容器によれば、酸素ナノバブルを上記態様で含む飲料水が、容器内の空気が抜かれた状態で当該容器内に密封されている。これにより、容器内に空気がある保存形態のものと比較して、飲料水中の酸素ナノバブルが気化し難くなり、その結果、飲料水中に含まれる酸素ナノバブルの様態(平均粒径や密度)を可能な限り維持し得る保存形態で市場に流通させることが可能となる。
実施形態に係る飲料水入り容器の全体図である。 上記飲料水を製造するための酸素ナノバブル発生装置を示す正面図及び斜視図である。 上記酸素ナノバブル発生装置において、酸素ナノバブルを発生させるノズル形状及び処理液を噴射するノズルヘッダーの例をそれぞれ示す図である。 液衝突ノズルの一つの形状を示す図である。
以下、本考案に係る飲料水入り容器の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、実施形態に係る飲料水入り容器20は、公知の容器であるペットボトル22を備える。このペットボトル22内には、後述するような特徴を有する液体からなる飲料水が入っている。ペットボトル22は、ボトル本体24とキャップ26を含む。飲料水は、ボトル本体24内の空間に空気が入らないように目一杯まで充填されており、この状態で、ボトル本体24の飲み口部分がキャップ26により密封されている。すなわち、本実施形態では、ペットボトル22内の空気が抜かれた状態で飲料水がペットボトル22内に密封されている。
ペットボトル22内に入っている飲料水は、国際公開第2017/195852号パンフレット(特許文献1)で開示されている水溶液(以下、これを「先願発明」という。)と基本的に同様の特徴を有するものである。すなわち、ペットボトル22内に入っている飲料水は、酸素ナノバブルを含む液体である。
ここで、先願発明では、主として、生理食塩水を使用する場合を例示しているが、本実施形態で使用されている飲料水のように、塩化ナトリウムを含まない水溶液であっても、経口摂取により同様の効能が期待できるものと考えられる。そのためには、ペットボトル22内に入っている飲料水中の酸素ナノバブルが、先願発明と同様の様態で存在していることが必要である。これについて、以下、具体的に説明する。
この飲料水に含まれる酸素ナノバブルの大きさは、平均粒径で規定することができる。平均粒径が小さいものほど、ナノレベルで含まれるバブルの量が多く、それよりも大きな粒径を有するバブルの量が少なくなる傾向にある。マイクロ・ナノバブルの大きさは、粒度分布(粒径の標準偏差)によっても影響を受けるが、その影響は小さく、飲料水に含まれるナノバブルは、平均粒径が50nm未満のオーダーであり、できるだけ小さい平均粒径を有することが必要である。
本実施形態において、酸素ナノバブルは、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定したときの平均粒径が30nm以下であり、好ましくは1nm以上で10nm以下である。酸素ナノバブルの平均粒径が30nm以下であるときに、低酸素性又は嫌気性の刺激下において細胞の損傷又は障害が少なく、細胞を保護する効果が高い状態で安定的に持続して得られる。さらに、10nm以下であれば、著しく大きな効果を得ることができる。他方、細胞を保護する効果は、酸素ナノバブルの平均粒径が1nm未満であっても飽和する傾向にあり、酸素ナノバブル発生装置を製造するときの技術的なハードルの高さを考慮すると経済性及びメンテナンス容易性の観点から、平均粒径は1nm以上で規定するのが好ましい。
本実施形態においては、酸素ナノバブルの平均粒径だけでなく、さらに、飲料水1ml中に含まれる酸素ナノバブルの個数、すなわち、酸素ナノバブルの密度を高い値に規定する必要がある。これは、酸素ナノバブルの平均粒径を30nm以下と非常に小さくすることによりバブルの保存安定性及び粒径維持性の向上を図る一方で、低酸素性又は嫌気性の刺激下で細胞を保護する機能を十分に発揮できるように、飲料水1ml中に含まれる酸素の総量を高くする必要があるためである。
飲料水に含まれる酸素ナノバブルの密度は、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定したときの密度が飲料水1mlあたり1016個以上であることが必要であり、好ましくは1017個/ml以上である。本実施形態で利用する酸素ナノバブルは、そもそも平均粒径が非常に小さいため、その密度が1016個未満であると、単位体積当たりの飲料水に含まれる酸素濃度が薄くなるため、低酸素性又は嫌気性の刺激下で細胞を保護する効果を十分に得ることができない。低酸素性又は嫌気性の刺激下で細胞を保護する効果は、酸素濃度が高いほど大きくなる。さらに、酸素ナノバブルの平均粒径が1〜10nmの場合は、生体付与可能な水溶液に含まれる酸素の濃度を十分に確保するため、酸素ナノバブルの密度が1017個/ml以上であるのが好ましい。
マイクロ・ナノバブルの粒径の測定方法としては、従来から様々な方法が知られている。それらの中で、ナノバブルの計測法は、光学的な観察が困難であるため、例えば、ミー散乱光を利用する光散乱法、レーザ回折・散乱法、液中のバブル粒子のブラウン運動を観測するナノ粒子トラッキング解析法、細孔電気抵抗法(コール・カウンター法)、動的光散乱法、MEMS(Micro Electro−Mechanical Systems)の梁を利用する共振式質量測定法等が提案されている。これらの方法以外にも、ゼータ電位測定によるナノバブルの粒子径を求める方法やスピントラップ剤を用いて電子スポン共鳴法(ESR)によるナノバブルの存在を確認する方法が提案されている。
本実施形態では、上記以外のマイクロ・ナノバブル計測法として、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定する方法を提案している(特願2014−230407号を参照)。この方法は、液体を非晶質の固相状態にし、前記非晶質の固相状態にある液体に含まれる超微細バブルを透過型電子顕微鏡を用いて観察することによって、液中に含まれる超微細バブル及びその分布状態を直接的に画像として観測し解析できる。そのため、10nm未満の粒径を有する超微細バブルを高精度に測定することができる。また、この方法は、酸素ナノバブルの平均粒径の他にも、粒径分布及び密度を求めることができるため、本実施形態において規定する酸素ナノバブルの平均粒径及び密度は、この方法で測定して求めたものである。
氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定する方法は、マイクログリッド又はマイクロメッシュに保持した液体を試料として用い、エネルギーが10〜300キロエレクトロンボルト(keV)の透過型電子顕微鏡によって、観察のときに用いる電子線の数を1〜10電子/Å2に設定して測定が行われる。
なお、本実施形態で使用する飲料水(酸素ナノバブル水)のバブル粒径は、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定する方法以外にも、例えば、動的光散乱法(光子相関法)によって測定することが可能である。例えば、大塚電子製の粒径・分子量測定システム(型番:ELSZ−2000S)又はゼータ電位・粒径・分子量測定システム(型番:ELSZ−2000ZS)等の測定装置を用いて、特殊なデータ処理を行うことによって10nm以下のバブル径の測定が可能になる。ここで、特殊なデータ処理とは、例えば、測定の積算回数を増やし、測定時に不確定乱反射するデータだけを削除することによって安定的に存在する粒子だけを抽出し、その粒径を測定する方法である。
上記の特許文献1では、『動的光散乱法による測定方法でも、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定する方法と同じような粒径測定結果が得られることが確認できる』とされている。しかしながら、動的光散乱法は測定粒子が内実であるのか、又は中空であるのかを明確に区別することが極めて難しい。さらに、酸素ナノバブルの密度についても高精度測定を行うことが技術的な制約を受け、困難である。それに対して、本例のように氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定する方法は、電子顕微鏡によって測定粒子が内実か中空であるかを明確に区別して観測することができるだけでなく、酸素ナノバブルの密度も高精度で測定することが可能である。したがって、本例においては、酸素ナノバブル径の測定方法として、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定する方法を採用する。
次に、本実施形態で使用する飲料水を製造するための酸素ナノバブル発生装置について図面を用いて説明する。
図2は本例で使用する酸素ナノバブル発生装置の一例を示す図であり、基本的な構成は特許第5555892号公報に記載されている装置と同じである。図2において(a)及び(b)は、それぞれ酸素ナノバブル発生装置の正面図と斜視図である。図2に示す酸素ナノバブル発生装置1において、2がベローズシリンダポンプ、3が気液混合槽、4がポンプコントローラ、5が圧力センサ、6がマイクロ・ナノバルブ発生用ノズル取付部、7が液吸引管、8が気体吸引口、9が気体吸引調整バルブである。
これらは、図2の(b)に示す斜視図のように配置する。接液部をフッ素樹脂で作成したベローズシリンダポンプ2で7の液吸引管、9の気体吸引調整バルブを使用して気体量を調整してポンプ内部に液と気体を混ぜた状態で吸い込んでベローズ内部で撹拌、溶存させて、圧縮液の中に酸素を溶存させる。本例においては、ベローズシリンダポンプ2はメタルフリーであれば良く、フッ素樹脂以外のプラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレート等の汎用プラスチック、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート及び変性ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチック、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン及び液晶ポリマー等のスーパーエンジニアリング等の少なくとも1種を使用しても良い。その場合、ポンプだけでなく、液設部にもフッ素樹脂を始め、前記の各種プラスチックを用いることによって、信頼性の高い清浄な酸素ナノバブル発生装置とすることができる。また、本例において、厳密なメタルフリー化による洗浄や殺菌が要求されない場合には、上記のプラスチックだけでなく、金属やセラミックスを使用しても良い。
次に、気液混合槽3に気体と液をポンプ2で撹拌して圧送する。ポンプ2は、主に圧縮空気起動式ベローズシリンダポンプを使用するが、電動式のものであっても良い。気液混合槽3の気体と液とは、ポンプ2からの圧力を受けており、気体が溶存しやすくなる。つまり気体と液体とをポンプ2から圧送する圧力を5の圧力センサでチェックしている。この方法によって溶存気体の量を多くしてナノバブルの発生量を増やす準備を行う。本例の酸素ナノバルブ発生システムはポンプ2としてベローズシリンダポンプを用いるのが実用的であるが、用途に応じて、従来から送液ポンプとして公知のピストンポンプ、プランジャーポンプ又はダイヤフラム等の往復動ポンプや、ギヤーポンプ、偏心ポンプ又はネジポンプ、カスケードポンプ、ベーンポンプ等の回転ポンプ等を適用することができる。
圧送されて気液混合槽3に入った液は酸素と混合して、酸素を液の内部に溶存させてからナノバルブ発生用ノズル取り付け部6に送る。ナノバルブ発生用ノズル取り付け部6は、溶存した酸素を直径が30nm以下、好ましくは1nm〜10nmの大きさの酸素ナノバルブを大量に作成するノズルと接続する部分である。
このとき、5の圧力センサでノズル6と気液混合槽3との間の液圧力の変動をみて気液の溶存状態を監視する。こうすることで安定したナノバルブ用発生ノズルに必要な一定した圧力状態を実現する。
図2の(a)及び(b)に示す本例で使用する酸素ナノバルブ発生装置を用いて実施する工程は次の通りである。液吸引管7、気体(酸素)吸引口8及び気体吸引調整バブル9を用いて行うのが気体・液体吸引工程である。圧力は、圧力センサ5で調整する。次に、ベローズシリンダポンプ2を用いて酸素を含有する気体を含む液体を加圧する工程が気体・液体加圧工程である。引き続き、加圧された前記の気体を含む液体を新たな酸素と混合させるために、ポンプコントローラ4及び気液混合槽3を用いて行う工程が溶存気体富化工程である。その後、後述する発生ノズルを酸素ナノバルブ発生用ノズル取付部6に接続してから酸素ナノバブルを発生させる。この工程を溶存気体微細化工程と呼ぶが、酸素ナノバブルは、2以上の貫通小穴を有する筒の外部から該貫通小穴を通して大気圧以上の圧力で噴射し、前記筒の内部の一点で衝突させることによって発生させることができる。
本例で使用する酸素ナノバルブ発生装置においては、空気が含まれる通常の液体を真空下で脱気処理することにより液体中に含まれる空気をできるだけ除いた状態にした液体を使用してもよい。脱気処理後の液体は、気体吸入口8から吸引した酸素及び/又は溶存気体富化工程において新たな酸素とそれぞれ混合された後、本例で使用するバブル発生ノズルを用いて酸素ナノバブルの発生を行うことにより、酸素ナノバブルを含む液体として使用される。この方法は、酸素を混合する前に液体を脱気することにより、後で行う酸素の混合及び溶存の工程で液体中の酸素濃度をより高める効果が得られることから本例の製造方法において好適に採用される。
図3に 図2の洗浄装置において、酸素ナノバブルを発生させるノズル形状及び処理液を噴射するノズルヘッダーの例をそれぞれ示す。図3において、(a)及び(b)は、それぞれノズルヘッダー10の断面図及び上面図である。図3の(a)は、(b)のD−D断面を示している。
図3の(a)及び(b)に示すように、ノズルヘッダー10は、処理液を噴射するための液噴射ノズル11及び酸素ナノバブルを吐出させるための液衝突ノズル12と台13とから構成されており、液衝突ノズル12の1個又は2個以上を13の台上に取り付け配置する。ここで、液衝突ノズル12が、酸素ナノバブルを発生させるノズル形状の例である。
図4は、図3の(a)に示すノズルヘッダー10の液衝突ノズル12を配置した部分の拡大図である。図4に示すように、12の液衝突ノズルの1個の形状において、12aの小さな穴は12の中心に向かって空いている。この小さな穴12aを通り、高圧で入った液を液衝突ノズル12の中心部分で衝突させてナノバブルを発生させ、矢印Qで示す方向に噴射する。実験の結果、液の速度Vをコントロールすれば、発生したナノバブルの量が多く、かつバブルの寿命が長くなることがわかった。速度Vの目安として、25m/秒を超える速度になると安定したナノバブル発生ノズルになる。
液噴射ノズル11からの水流を用いて酸素ナノバルブを作成する方法について説明する。高速ジェット液噴射ノズル11から出たベローズシリンダポンプ2からなる高圧ポンプの吐出圧力(大気圧以上)状態から圧力を急激に解放するので、酸素が溶存する液が互いに激突し、その水撃力で炸裂する力で気体を溶存した液を砕いて酸素ナノバルブを大量に含む状態にする。ただし解放する方法によっては、酸素ナノバブルの発生量が少なくなってしまう場合があるが、本例による方法と装置によって酸素ナノバブルを大量に発生させることができる。
本例の飲料水に含まれる酸素ナノバブルは、例えば、図3及び図4に示すような構造を有する液衝突ノズル12を使用することによって、気液混合の状態にある溶存液を噴射するときの圧力が大気圧(約0.1MPa)以上であれば、酸素ナノバブルの発生量を従来と同等以上にすることができる。さらに、この圧力を0.2MPa以上に設定することによって、十分な量で発生させた酸素ナノバブルを含む飲料水を製造することができる。このように、本例においては溶存液の噴射圧力の下限値を0.2MPaと従来よりも低くできるため、金属コンタミの影響を無くすために好適なポンプ、例えば、フッ素樹脂で作製した圧縮空気駆動式又は電動式のベローズシリンダポンプ2を使用することが可能となる。酸素溶存液の噴射圧力の上限値は特に規定されないが、噴射圧力の増大に伴う酸素ナノバブル発生装置1の負荷を低減したい場合には1.0MPa以下に設定することが好ましい。
本例の飲料水を製造するときに使用する酸素ナノバブル発生装置のノズルは、大気圧以上、好ましくは0.2MPa以上という従来よりも低い圧力でも溶存液のジェット流を噴射できるように設計する。気体溶存液のジェット流の噴射及び衝突によって得られる水撃力をFとする。水撃力Fは、液の密度をρ、小さい穴の大きさをS、液の速度をVとするとき、F=ρSV2の関係が成り立つ。Fを最適値にするためには、穴の大きさSと速度Vの関係を考慮した最適設計が必要になる。
本例で使用する酸素ナノバブル発生装置においては、図3及び図4の12で示す液衝突ノズルが有する貫通孔の径S、すなわち小さな穴12aの径が0.1〜0.5mmであることが好ましく、さらに0.2〜0.4mmであることがより好ましい。ここで、液衝突ノズル12の穴12aの径が0.1mm未満であると、粒径が小さな微細酸素バブルの生成量は増える傾向にあるものの、1nm以上の粒径を有するバブルの生成量が急激に少なくなるため、酸素ナノバブルの発生量が低下して、酸素ナノバブルの密度低下が顕著になる。また、液衝突ノズル12の穴12aの径が0.5mmを超えると、1nm以上の粒径を有するバブルの総生成量は増えるものの、逆に、10nm以下の小粒径バブルの生成量が急激に減少するため、平均粒径の増大に伴って酸素ナノバブルの安定性が急激に低下し、本例の効果を十分に奏することができない。したがって、本例においては、酸素ナノバブルの平均粒径を30nm以下と小さくし、酸素ナノバブルの密度を飲料水1mlあたり1016個以上と大量にするために、液衝突ノズル12の貫通小孔径は0.1〜0.5mmの範囲で設けることがより好ましい。さらに、液衝突ノズル12の貫通小孔径を0.2〜0.4mmの範囲で設けることにより、酸素ナノバブルの平均粒径及び密度をそれぞれ1〜10nm及び飲料水1mlあたり1017個以上にすることができる。
同じ効果は、四方から中心に向けて発射してセンターに水撃を集中させることで速度をより高めることができ、平均粒径がより小さな酸素ナノバブルを大量に発生させることができる。そのため、四方からの水撃を行う場合には、水噴射の速さが同じある場合、貫通孔の穴の個数に応じてより大きな効果を得ることができる。例えば、F=ρSV2なので貫通小孔が4穴あり、それらが中心に集中する場合は、中心に集まる力F=4ρSV2になり、貫通孔の穴の個数が2の場合と比べて2倍の水撃力が得られる。このように液が衝突して中心に水撃を集中させるのにノズルの小さい穴の個数を多くすると、流量が多くなるため液の衝突するエネルギーが高くなる。酸素ナノバブルの発生量は液の衝突するエネルギーが大きくなれば、より小さな平均粒径を有する酸素ナノバブルを大量に発生させることができる。
本例においては、液衝突ノズル12の貫通小孔径を0.1〜0.5mmと規定することにより、酸素溶存液の速度Vが上昇し、発生する酸素ナノバブルの平均粒径を小さくできる効果が得られる。加えて酸素ナノバブルの密度も同時に高くする必要があるため、液衝突ノズル12の貫通小孔の個数は、液衝突ノズル12の筒の周方向等間隔に4個以上8個以内で設けることが好ましい。液衝突ノズル12の貫通小孔の個数が3個以下であると、酸素ナノバブルの密度の低下が顕著になる。また、貫通小孔の個数が9個以上である場合は、酸素ナノバブルの密度向上の効果が飽和するだけでなく、液衝突ノズル12の貫通小孔の位置合せを行うときに高精度が要求されるため、液衝突ノズル12の製造が非常に困難になる。
また、本例で使用する酸素ナノバブル発生装置においては、液衝突ノズル12の形状は、12aの小穴を4〜8個で周方向に等間隔に設けるだけでなく、例えば、液衝突ノズル12の長手方向に2段以上で並行して貫通小孔の穴をあけ、液の水撃の発生する場所を2ヵ所以上にしてもよい。それによりナノバブルを大量に発生させることが可能になるので、ノズルの小型化と効率化には有効な方法である。さらに、4個以上の小穴から液を同時に吐出させることで水撃の強度を増加させることができるため、液の速度Vを上げなくとも30nm以下の平均粒径を有する酸素ナノバブルを大量に発生できる。そのため、高圧で液を吐出させるポンプが必要でなくなり、負担が少なくて済むため、工業的には、非常に有益な技術で、エネルギー効率の良いノズルが提供される。
上記した酸素ナノバブル発生装置を使用して製造された飲料水は、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定したときの酸素ナノバブルの平均粒径及び密度がそれぞれ30nm以下及び1mlあたり1016個以上という特性を有する。先願発明では、これと同様の特性を有する「生体投与可能な水溶液」を生理食塩水や輸液といった医療用途で使用することとしている。その場合、血管平滑筋細胞等の各種細胞を培養するための水溶液として使用することができる。例えば、運動中や運動後の低血糖状態や低酸素状態における細胞障害の低減を図り、心筋梗塞、脳梗塞及びその他の循環血流障害による細胞障害に対する保護を高めたいときに大きな効果を得ることができる。
また、先願発明では、上記特性を有する「生体投与可能な水溶液」を、低酸素濃度の嫌気性雰囲気下で起こる癌の増殖及び肥大化を抑制又は防止するために生体に投与又は経口摂取する水溶液として使用することも提案されている。従来から癌細胞は嫌気性雰囲気下で増殖しやすいことが知られており、癌細胞の周りを酸素濃度の高い好気性にすることにより、その増殖及び肥大化が抑えられるではないかと考えられていた。そのため、気泡径が50nm〜500nmのナノバブル水を癌治療用として使用することが提案された(例えば、特開2009−84258号公報)。しかしながら、生体内の正常な細胞や血管の表面に存在する孔径は30nm以下、具体的には数nm〜十数nmの範囲であるため、酸素又はオゾンのナノバブル水内に存在する気泡径が50nm以上では、生体内の細胞又は血管の内部への吸収性又は浸透性が必ずしも十分であるとは言えなかった。さらに、生体は通常35〜37℃とやや高温に維持されているため、ナノバブルの気泡径が大きくなるほど、バブルの大径化が加速されバブル消失が促進されることから、癌細胞の増殖及び肥大化を抑制又は防止する効果が十分に得られなかった。仮に、その効果があったとしても安定的に持続するものではなかった。
それに対して、先願発明の生体投与可能な水溶液に含まれるナノバブルは、気泡の平均粒径が30nm以下、好ましくは1〜10nmであり、加えてバブルの密度が非常に高いため、生体内細胞内への吸収性又は浸透性が優れるとともに、その気泡径で存在するナノバブルの寿命が相対的に長くなる。それにより、従来のオゾンナノバブル水又はオゾンと酸素のナノバブル水を併用した場合に比べて、本実施形態のように酸素ナノバブルだけを含む水溶液であっても癌細胞の周辺環境を酸素濃度の高い好気性に長期間維持することが可能になり、癌の増殖及び肥大化を抑制又は防止する効果が高くなる。さらに、その効果を相対的に長い期間にわたって持続することが可能になる。このように、先願発明の生体投与可能な水溶液は、癌の増殖及び肥大化を抑制又は防止するための薬剤としての機能を有しており、そのような癌治療等の医療分野において好適な水溶液である。上記したとおり、本実施形態で使用される飲料水も先願発明と同様の特性を有することから、それと同様の機能を有することが期待される。
ところで、ナノバブルは粒径が1μm未満と非常に小さく、ナノバブルを含む液体では目視確認ができず無色透明になること、粒子径が小さくなるほど浮力が粘性力に比べて非常に小さくなるため、上面に浮上しないで液体中に超微細バブルのままで長期間存在できること、等の特徴を有することが知られている。しかしながら、上記した特性を有する飲料水をペットボトル22のような容器に入った状態で市販する場合、どうしても保存期間や保存状態にバラつきが生じやすくなる。特に、高温環境下になりやすい状況(例えば、車中での保管など)では、飲料水の温度が上昇してその体積が膨張し、酸素ナノバブルが液体中に安定して存在し難くなるおそれがある。そうすると、容器内に空気がある保存形態の場合、飲料水中の酸素ナノバブルが容器内の空気層側へ気化してしまう可能性も想定されることから、特に注意が必要となる。
その点、本実施形態の飲料水入り容器20によれば、酸素ナノバブルを上記態様で含む飲料水が、ペットボトル22内の空気が抜かれた状態で当該ペットボトル22内に密封されている。これにより、ペットボトル22内に空気がある保存形態のものと比較して、飲料水中の酸素ナノバブルが気化し難くなり、その結果、飲料水中に含まれる酸素ナノバブルの様態(平均粒径や密度)を可能な限り維持し得る保存形態で市場に流通させることが可能となるのである。
以上、本考案に係る飲料水入り容器を実施形態に基づいて説明してきたが、本考案は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態で実施されても構わない。
<変形例>
(1)上記実施形態で使用した飲料水は、2〜4倍程度に希釈された希釈液であってもよい。上記飲料水は、酸素ナノバブルを、その粒径を可能な限り小さく、かつ、高濃度で液体中に存在させた状態で体内へ摂取させられるという利点を有するものであるが、上記特性を有する飲料水を原液として、これを希釈したとしても、希釈液中に含まれる酸素ナノバブルの平均粒径が少なくとも30nm以下であることに変わりはない。どの程度希釈するかは、使用目的や使用する場面に応じて適宜変更することが可能である。
なお、上記変形例は、例示した希釈倍率以外の希釈液の使用を排除するものではない。すなわち、希釈倍率は2倍未満であってもよいし、実用的な範囲で4倍を超える希釈倍率の希釈液を使用することとしても勿論構わない。
(2)上記実施形態では、飲料水を入れる容器としてペットボトル22を使用しているが、これに限らず、ガラス瓶や可撓性を有するパックなどの他の容器であっても勿論構わない。要は、使用する容器内の空気が抜かれた状態で当該容器内に飲料水が密封されていればよいのである。
本考案は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの考案特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
本考案は、上記例示した用途の他にも様々な用途・分野においてその有用性が期待できる。例えば、本考案で使用される飲料水(希釈液)は、体内における血中酸素濃度の低下を経口摂取によって簡単に補うことが可能である。具体的な例を挙げると、航空機内における気圧変動や睡眠時無呼吸症候群に起因する血中酸素濃度の低下を補うのに有用であると考えられる。また、低負荷運動から高負荷運動まで様々な強度の運動後に摂取する水分補給用の飲料水にも好適である。
20 飲料水入り容器
22 ペットボトル(容器)
24 ボトル本体
26 キャップ

Claims (3)

  1. 飲料水が容器内に入っている飲料水入り容器であって、
    前記飲料水は、酸素ナノバブルを含み、氷包埋法によってクライオ透過型電子顕微鏡で測定したときの前記酸素ナノバブルの平均粒径及び密度がそれぞれ30nm以下及び1mlあたり1016個以上の液体であり、前記容器内の空気が抜かれた状態で当該容器内に密封されていることを特徴とする飲料水入り容器。
  2. 前記飲料水は、前記液体が2倍〜4倍に希釈された希釈液であることを特徴とする、請求項1に記載の飲料水入り容器。
  3. 前記容器は、ペットボトルであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の飲料水入り容器。

JP2020002117U 2020-06-03 2020-06-03 飲料水入り容器 Expired - Fee Related JP3227516U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020002117U JP3227516U (ja) 2020-06-03 2020-06-03 飲料水入り容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020002117U JP3227516U (ja) 2020-06-03 2020-06-03 飲料水入り容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3227516U true JP3227516U (ja) 2020-09-03

Family

ID=72276355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020002117U Expired - Fee Related JP3227516U (ja) 2020-06-03 2020-06-03 飲料水入り容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3227516U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6751876B2 (ja) 生体投与可能な水溶液及びその製造方法
Meegoda et al. Stability of nanobubbles
Farook et al. Preparation of suspensions of phospholipid-coated microbubbles by coaxial electrohydrodynamic atomization
JP6597988B2 (ja) オゾンナノバブルを含む水溶液とその製造方法及び前記オゾンナノバブルを含む水溶液の使用
TWI352065B (ja)
CN101837255A (zh) 一种制备微气泡的方法和装置
US20190022617A1 (en) Systems, Methods, and Devices for Production of Gas-Filled Microbubbles
JPWO2007034913A1 (ja) ナノ流体生成装置及び方法
JP6547074B2 (ja) バブル保持剤含有液体およびバブル含有液体の製造方法
Yan et al. Preparation of tPA-loaded microbubbles as potential theranostic agents: A novel one-step method via coaxial electrohydrodynamic atomization technique
WO2016050224A1 (zh) 一种脂质气泡的制备方法
JPWO2018101251A6 (ja) バブル保持剤含有液体およびバブル含有液体の製造方法
JP6178947B2 (ja) バブルの製造方法およびバブル
JP2012213475A (ja) 超音波造影剤注入装置
JP3227516U (ja) 飲料水入り容器
CN102846554B (zh) 一种h2纳米结晶制剂及其制备方法
CN206676247U (zh) 一种微细气泡发生机构
CN110227365A (zh) 一种微细纳米气泡溶液的制备装置及微细纳米气泡溶液
CN103585645A (zh) 一种基于3d打印的生物兼容性超声造影剂及其制备方法
KR102522028B1 (ko) 고농도 산화질소 버블 수의 제조방법 및 이에 의해 제조된 고농도 산화질소 버블 수
CN210674824U (zh) 一种微细纳米气泡溶液的制备装置
Li et al. Microbubble suspensions prepared via electrohydrodynamic jetting process
Zhang et al. Hanging aqueous polyelectrolyte “Dropbags” at liquid surface for Bio-inspired systems
WO2012132140A1 (ja) 超音波造影剤
Zong et al. Ultrasound-enhanced extravasation of multifunctional nanodroplets from leaky vessel

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3227516

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees