JP3227276U - 断熱材ゼロを実現できる空気と植物を組み合わせた建築物外皮構造の省エネ技術。 - Google Patents

断熱材ゼロを実現できる空気と植物を組み合わせた建築物外皮構造の省エネ技術。 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱部材のLCCO2の排出や、夏季の断熱材の蓄熱から起きるヒートアイランド現象など、断熱材の見え難い負の特性による温室効果ガスの削減を目指すための建築物の外皮構造を提供する。【解決手段】空気の静止状態の熱を伝え難い特性と、空気の対流による熱移動の相反する特性を活かすため、建築物の外壁部10と、屋根部20及び、建築物の棟部30に各三層の空気層構造を有する外皮構造であって、各空気層仕切り壁13、15、17に木材を用い、植物の熱移動の抑止特性が発揮されることを特徴とする。これに、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22と、第1棟部空気層32を連通させ、第1壁面空気層の最下部の空気層吸入口41、第1棟部空気層の最上部に設けた、空気排出口42の手動式ダンパー422の開閉による、空気の対流と静止状態が形成される。【選択図】図1

Description

本考案は、建築物の外皮構造に用いられる断熱材をゼロにできる環境省エネ技術である。
同技術の特長は、地球の温熱バリアを形成する空気と植物(木材)を組み合わせた建築物外皮の断熱構造である。同技術に使われる空気の殆どは元素で構成され、分子振動摩擦による発熱が少ない気体として、熱移動がおき難い能力を発揮できる。但し、対流による熱移動の能力を併せ持つ。さらに、空気の利用はCO2の排出のゼロが実現できる。また、植物(木材)の細胞壁構造は、分子の振動摩擦による熱反応要素が少なく、熱変化の影響が極めて少ない特徴を持つ。そして、植物は炭素の再生循環ができる環境資源である。この様に空気と植物の利用は、資源及び化石燃料の消費を最小限に抑えることができる。これまで省エネの大義名分に隠されていた断熱部材のライフサイクルCO2の削減は、脱炭素社会貢献技術となる。本考案は、空気の熱を伝え難い特性を活かすため、木製(植物)の空気層仕切り壁によって、空気の粘性による対流現象が起き難い空間幅30〜66mmを2〜3層設けた建築物の外皮構造とする。さらに、壁面及び屋根面、棟部などの外皮側の空気層を連通し、壁面最下部の空気吸入口と屋根構造棟部上部の空気排出口に設けた手動式ダンパーの開閉によって、夏季の外壁及び屋根材の冷却能力を併せ持つ構造とし、空気の静止と対流の相反する性能を発揮できる建築物の外皮構造とする。本考案は、地球の温熱バリアの特性を活かした断熱技術として、木造建築や鉄筋コンクリートなど多種多様な建築物の外皮構造に適応できる脱炭素貢献技術に関する。
現在、断熱材を大量に使った高気密高断熱住宅が推進されている。また、建築物外皮構造の壁構造部に断熱材の他、空気層を形成して、夏季の外壁材から屋内への熱の輻射(放射)の伝達を抑制できることから、夏季の省エネ効果を得る上で意義があることは知られている(特許文献1、2参照)。
そこで、特許文献1では、外壁と内壁の内部空間の中間に断熱材を中心にして、2層の空気層を配置し、これを通気層として、床下に設けたダンパーで調節することで、省エネの対策を講じる通気構造建築物が提案されている。
また、本出願人の提案にかかる特許文献2では、外壁構造に耐震気密パネルを用いて、気密面材を張り、空気層を密閉することで空気層の保温断熱能力を得ることが開示されている。さらに、本出願人の提案にかかる特許文献3では、屋根材と室内側に設置された断熱材との間に、その屋根勾配に沿って空気層を設け、輻射熱によって高温状態となった屋根材により熱せられた空気の上昇エネルギーを利用して、その熱せられた高温空気は排気通路ユニットを用いて、熱交換させる屋根構造を提案している。
また、非特許文献1では、特許文献3の構造、即ち屋根材と室内側に設置された断熱材との間に、その屋根勾配に沿って空気層を設け、積極的に空気流を形成することを念頭に屋根材ばかりでなく外側壁材と室内側に設置された内側壁材との間に空気層を設け、壁側の空気層と屋根側の空気層を連通させて、効率よく遮熱する通気建築構造が提案されている。
特開平9−13523号公報 特開2003−41687号公報 特開2002−21205号公報
『森林浴のできる家』第33頁、飯塚敏夫著、新建新聞社発行、2006年7月1日発行
ところで、特許文献1では、2層の空気層のほか断熱材を使用しているが、その断熱材自体に熱伝導上の特性がある。即ち、外壁の内部に断熱材を配置すれば、太陽からの輻射熱によって、断熱材自体が遅行型特性を伴いながら蓄熱し、その後外気温度が低下すれば暖められた断熱材からの放熱が開始される。したがって、夏季に於いては、太陽輻射熱は断熱材が有効に作用して昼間の室内への伝熱は少なくて済み、昼間の温度上昇は断熱材の遅行型特性によって抑制される。しかし、太陽熱輻射が無くなる夕方から夜間にかけ、断熱材の蓄熱による熱移動が低温側の室内へゆっくり放射されるため、深夜まで暑さが続く。この状態は、真夏に太陽熱を吸収した布団(身近に使っている断熱材)の低温側への放熱で再現される。
断熱材の別称である、熱伝播遅行型熱吸収材料の文字が示す様に殆どの断熱材には熱を断つ能力はない。従って、太陽熱輻射エネルギーによる建築物外皮の発熱は、断熱材に蓄熱されその後、遅行状態の熱移動によって低温側の内壁の発熱が起きる。発熱した内壁による輻射熱によって人体も影響を受け、当該室内に居住する人は室内空気温度以上に暑さを感じてしまう。
この様に、現在一般化している従来の断熱材を用いる高気密高断熱工法では、夏季に於いて、太陽からの輻射熱を受けて建築物表皮は高温状態が起きる。同発熱した外壁材や屋根材からの輻射熱放射によって、断熱材自体が熱伝播を受け、そして蓄熱する。さらに、この断熱材に蓄熱された熱は夕方から夜間にかけ、内装材を通して室内側に輻射熱を放射するため、夜間に至るまで室内温度の低下が得られなくなるという課題があった。
また、グラスウールを始め、硬質ウレタンフォーム、発泡ポリエチレンその他各種断熱材など、いずれも資源の浪費と断熱部材によるLCCO2(製造から廃棄に至るまでのCO2の排出量)が排出される。これは、冬季のみの省エネには貢献できるものの、これらの断熱材によって、地球の環境破壊が起きることになる。
これに対し、特許文献2では、外壁の厚さ方向の柱間及び土台と桁や胴差しの間に木材など自然素材を主体にした、面材によって区画される空気層を形成することを提案している。さらに、特許文献2のように、壁材の壁内換気構造だけでは、太陽輻射熱による建築物躯体の温度上昇対策として不十分であることが明らかになった。他方、屋根対策として、特許文献3の構造が提案されている。しかし、特許文献3の構造では、屋根材下部の空気層の強制換気構造を採用して、太陽輻射熱による建築物躯体の温度上昇対策を必要としていた。そこで、本出願人は、最終目標とする壁面及び屋根面の外皮側空気層の自然換気だけで、快適な住環境を得られる方法が実現できないか、更に鋭意研究を続けた。
そして、本出願人は、非特許文献1で提案したように、壁側の空気層と屋根側の空気層
を連通させて、効率よく空気の対流が起きる構造を着想し、換気扇による強制廃棄方式とした。しかし、換気扇の排気に伴う、電力消費やメンテナンス及び将来起き得る器具交換などを考慮して、空気層の対流現象が活かされる簡易構造の手動式ダンパーを設けた自然換気方式を目指した。
本考案は上述した課題を解決するもので、第一の考案は、空気層仕切り壁を用いて、30mm〜66mmの空気層を設け、これを2〜3層として、空気の熱を伝え難い構造を建築物の外皮構造としたことに関する。これによる第二の考案は、断熱材をゼロにできることに関する。また、第三の考案は、空気層仕切り壁に発熱要素の少ない植物(木材)を使うと同空気層仕切り壁の熱移動抑止の能力が発揮されることに関する。第四の考案は、外皮側の壁面と屋根及び屋根棟部の空気層を連通させ、空気の比重差を利用した対流現象が起きるように壁面最下部に常時開放型の空気流入口を設け、さらに、屋根棟部の最上部に手動式による開閉可能なダンパーを設けた、可変空気層に関する。また、第五の考案は、可変空気層の空気の静止状態に於ける断熱能力に関する。また、第六の考案は、空気の対流現象による冷却に関する。そして、第七の考案は、空気の熱伝導距離を超える空間幅では対流によって、空気の熱を伝えない能力は活かされないとされていたが、空気は粘性があり100mm程度の空間幅までは対流現象が起きないことが検証され、空気の熱移動抑止能力が活かされることに関する。第八の考案は、冬の省エネには貢献できるが、夏季に於いて、殆どの断熱材が持つ特性である蓄熱現象の改善の必要性に関する。第九の考案は、これまで上述した断熱材を用いた断熱技術は、断熱部材のLCCO2の排出など、知られざる環境負荷の問題に関する。
上記課題を解決する本考案の空気による断熱構造を備えた建築物は、例えば図1〜図3に示すように、建築物の外側と内側とを遮蔽する壁面(外気接触壁部11)に形成される第1壁面空気層12(空気層の幅30mm)と、第1壁面空気層12より内側に形成される第2壁面空気層14(空気層の幅30mm)と、第2壁面空気層14と前記建築物の内側との間に形成される第3壁面空気層16(空気層の幅66mm)とを有する空気三層構造の外壁部10と、建築物の屋根部に設けられた内側と外側とを遮蔽する屋根材(外気露出屋根部21)に設けられた第1屋根空気層22(空気層の幅60mm)を有する屋根部20を備えた建築物に於いて、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22には、空気の温度差から起きる対流現象による空気流が形成されるよう構成すると共に、さらに、前記屋根部の第1屋根空気層22より内側に形成される第2屋根空気層24(空気層の幅30mm)と、第2屋根空気層24と前記建築物の内側との間に形成される第3屋根空気層26(空気層の幅60mm)とさらに、最上部に第1棟部空気層32(空気層は棟部全体)と第2棟部空気層34(空気層の幅30mm)第3棟部空気層36(空気層の幅60mm)を有する空気三層構造の屋根棟部としたことを特徴とする。
このように構成された本考案の空気による断熱性を備えた建築物外皮構造に於いては、例えば図2、図3に示すように、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22には、空気の温度比重差から、対流現象による空気流が形成されるよう構成されているので、仮に外気接触壁部11や外気露出屋根部21が太陽輻射熱によって温度上昇しても、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22には、空気の対流現象を利用した換気により外気温度と同じ程度の外気が常時流入して、外気接触壁部11や外気露出屋根部21の温度まで上昇することなく換気される。そこで、第2壁面空気層14・第3壁面空気層16・第2屋根空気層24・第3屋根空気層26は、外気接触壁部11や外気露出屋根部21の温度と比較して低い温度の第1壁面空気層12と第1屋根空気層22に隣接するため、室内に太陽輻射熱による熱エネルギーの侵入が抑止される。これにより、空気断熱性を備えた建築物のうち第1壁面空気層12と第1屋根空気層22の内側の躯体温度の上昇が抑えられる効果がある。
好ましくは、第1壁面空気層12、第2壁面空気層14及び第3壁面空気層16を有する空気三層構造の外壁部10に於いて、各空気層の仕切り壁は、第1壁面空気層仕切り壁13によって第1壁面空気層12と第2壁面空気層14を仕切り、第2壁面空気層仕切り壁15によって第2壁面空気層14と第3壁面空気層16を仕切り、第3壁面空気層仕切り壁17(内壁)によって第3壁面空気層16と居室内空気を仕切っている構成とするとよい。このようにして、空気三層構造の外壁部10は各空気層仕切り壁、及び、空気層によって区画される。また、第1屋根空気層22、第2屋根空気層24及び第3屋根空気層26を有する空気三層構造の屋根部20に於いて、各空気層の仕切り壁は、第1屋根空気層仕切り壁23によって第1屋根空気層22と第2屋根空気層24を仕切り、第2屋根空気層仕切り壁25によって第2屋根空気層24と第3屋根空気層26を仕切り、第3屋根空気層仕切り壁27(天井材)によって第3屋根空気層26と居室内空気を仕切る構成とするとよい。このようにして、空気三層構造の屋根部20は各空気層仕切り壁と空気層によって区画される。
上記課題を解決する本考案の空気断熱性能を備えた建築物は、例えば図1〜図3に示すように、建築物の外気接触壁部11との間で第1壁面空気層12(空気層の幅30mm)を形成させる第1壁面空気層仕切り壁13と、この第1壁面空気層仕切り壁13より第2壁面空気層14(空気層の幅30mm)を挟んで内側に設けられる第2壁面仕切り壁15と、この第2壁面空気層仕切り壁15より第3壁面空気層16(空気層の幅66mm)を挟んで内側に設けられる第3壁面空気層仕切り壁17(内壁)とを有する壁面四層仕切り壁構造の外壁部10とする。
建築物の外気露出屋根部21との間で第1屋根空気層22(空気層の幅60mm)を形成させる第1屋根空気層仕切り壁23を有する建築物に於いて、第1屋根空気層仕切り壁23より第2屋根空気層24(空気層の幅30mm)を挟んで内側に設けられる第2屋根空気層仕切り壁25と、この第2屋根空気層仕切り壁25より第3屋根空気層26を挟んで内側に設けられる第3屋根空気層仕切り壁27(空気層の幅60mm)(天井材)を有する屋根面四層仕切り構造の屋根部20としたことを特徴とする。
このように構成された本考案の空気の特性を備えた建築物に於いては、建築物の外気接触壁部11と第1壁面空気層仕切り壁13との間で第1壁面空気層12が形成される。また、建築物の外気露出屋根部21と第1屋根空気層仕切り壁23との間で第1屋根空気層22が形成される。そして、第1壁面空気層12(空気層の幅30mm)と第1屋根空気層22(空気層の幅60mm)は連通され、空気の温度比重差から、対流現象による空気流が形成されるよう構成されているので仮に外気接触壁部11や外気露出屋根部21が太陽輻射熱によって温度上昇しても、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22には、空気の対流現象を利用した換気により外気温度と同じ程度の外気が常時流入して、外気接触壁部11や外気露出屋根部21の温度まで上昇することなく換気される。そこで、空気断熱性を備えた建築物のうち第1壁面空気層仕切り壁13や第1屋根空気層仕切り壁23の内側の躯体温度の上昇を抑える効果が生まれる。
好ましくは、本考案の空気の熱移動抑止の能力を備えた建築物に於いて、さらに、第1壁面空気層12は、外気接触壁部11の温度が、太陽からの輻射熱を吸熱して高温状態となる場合には、第1壁面空気層12での空気の対流現象を利用する。また、外気温度が低く、外気接触壁部11が、室内温度よりも低いときは、第1壁面空気層12の空気流を停止させることを特徴とする。このように構成すると、太陽輻射熱の大きな夏季の昼間や熱帯地方では、第1壁面空気層12の対流現象を利用した効率的な換気により、建築物の室内に太陽輻射熱による熱エネルギーが侵入し難い状態となり、空気断熱性を備えた建築物のうち第1壁面空気層仕切り壁13の内側の躯体温度の上昇が抑止されるという効果がある。また、太陽輻射熱の小さな冬季や夜、並びに冷涼な寒帯地方では、空気断熱性を備えた建築物のうち、第1壁面空気層仕切り壁13の内側にある室内の暖房エネルギーが、第1壁面空気層12の空気の粘性による静止状態によって熱移動が抑止されるため、室内の暖房効率が高まるという効果がある。
好ましくは、本考案の空気の熱移動抑止の能力を備えた建築物に於いて、さらに、第1屋根空気層22は、外気露出屋根部21の温度が、太陽からの輻射熱を吸熱して高温状態となる場合には、第1屋根空気層22の空気の対流現象を利用する。また、外気温度よりも低く、外気露出屋根部21が、室内温度よりも低いときは、第1屋根空気層22の空気流を停止させることを特徴とする。そして、太陽輻射熱の大きな夏季の昼間や熱帯地方では、第1屋根空気層22の対流現象による効率的な換気により、建築物の室内に太陽輻射熱による熱エネルギーが侵入し難い状態となり、空気断熱性を備えた建築物のうち第1屋根空気層仕切り壁23の内側の躯体温度の上昇が抑止されるという効果がある。また、太陽輻射熱の小さな冬季や夜、並びに冷涼な寒帯地方では、建築物の外皮構造の各空気層の熱移動抑止能力によって、室内の暖房効率が高まるという効果がある。
好ましくは、本考案の空気断熱性を備えた建築物に於いて、例えば図2、図3に示すように、さらに、第2壁面空気層14の空気層(空気層の幅30mm)と第2屋根空気層24の空気層(空気層の幅30mm)であることを特徴とする。さらに好ましくは、第2壁面空気層14を挟む第1壁面空気層仕切り壁13と第2壁面空気層仕切り壁15に植物(木材)を用いると、木製空気層仕切り壁の熱変化に反応し難い特性を活かすことができる。さらに、空気の粘性による摩擦抵抗も高くなる。また、第2屋根空気層24を挟む第1屋根空気層仕切り壁23と第2屋根空気層仕切り壁25も植物(木材)を用いると、熱反応要素が少なく空気の粘性による摩擦抵抗が得られる。この様に木製空気層仕切り壁の熱変化の反応要素が少ないため、第2壁面空気層14の空気層(空気層の幅30mm)と第2屋根空気層24の空気層(空気層の幅30mm)は、空気の粘性によって対流による熱移動が生じ難い構造となり、これら空気層の熱抵抗は大きくなる。
好ましくは、本考案の空気断熱性を備えた建築物に於いて、例えば図2、図3に示すように、さらに、第3壁面空気層16の空気層の幅、66mmと第3屋根空気層26の空気層の幅は、60mm前後の範囲であることを特徴とする。また、第3壁面空気層16と第3屋根空気層26の空気層の厚さが、66mm及び60m前後の場合には、空気の粘性による対流現象が起き難くなると共に、当該空気層は外部の空気と換気されない構造のため、これら空気層を挟む壁面隔壁間や屋根隔壁間の熱抵抗がさらに大きくなる。
好ましくは、本考案の空気断熱性を備えた建築物に於いて、さらに、第1壁面空気層12、第2壁面空気層14及び第3壁面空気層16を有する空気三層構造の外壁部10と、第1屋根空気層22、第2屋根空気層24及び第3屋根空気層26を有する空気三層構造の屋根部20とを備える請求項の何れかに記載の空気断熱性を備えた建築物に於いて、断熱材を用いていないことを特徴とする。前述断熱材がゼロであっても、第1壁面空気層12、第2壁面空気層14及び第3壁面空気層16を有する空気三層構造の外壁部10と、第1屋根空気層22、第2屋根空気層24及び第3屋根空気層26を有する空気三層構造の屋根部20により所望の熱抵抗が得られる。
好ましくは、本考案の空気断熱性を備えた建築物の外皮構造に於いて、空気三層構造の外壁部10の第1壁面空気層仕切り壁13、第2壁面空気層仕切り壁15、第3壁面空気層仕切り壁(内壁)17と屋根空気三層構造の屋根部20には、第1屋根空気層仕切り壁23、第2屋根空気層仕切り壁25、又は第3屋根空気層仕切り壁(天井部)27に、熱変化の反応が少ない植物(木材)を空気層仕切り壁に用い、断熱材を完全排除したことを特徴とする。
また、各空気層の仕切り壁は薄い形状が熱容量を少なくできる。よって、壁面構造の第3壁面空気層仕切り壁17及び、屋根構造の第3屋根空気層仕切り壁27からの室内へ伝播する輻射熱の影響が少なくなる。また、各空気層の仕切り壁の熱射受面の厚さを9mm〜15mm程度として、各空気層仕切り部材からの輻射熱による熱伝播を最小限に抑えることができる。
さらに、熱容量の小さな木製の空気層の仕切り壁を用いて各空気層を三層構造とすることは、熱伝導率が極めて低くなり、輻射熱による吸熱現象が抑止できる。これによって、建築構造躯体の外壁材11および屋根材21に、輻射熱による高温状態が起きても、これを熱伝導や熱放射などによる室内側への熱移動が起き難い構造とすることができる。
好ましくは、本考案の空気断熱性を備えた建築物外皮構造に於いて、さらに、建築物の外気接触壁部11の第1壁面空気層12と、建築物の外気露出屋根部21の第1屋根空気層22とを連通させると共に、建築物の外気露出屋根部21の屋切り面の最上部近傍に設けられた、第1壁面空気層12と連通する第1屋根空気層22及び、第1空気層排出口42と、第1空気層排出口42に設置される手動式ダンパー422と、当該建築物の外気接触壁部11の最下部に設けられた、第1壁面空気層12と連通する第1空気層吸入口41とを備えた構造とする。
そして、冬季に於いては、手動式ダンパー422を閉めた状態にすると、壁面第1空気層12とこれに連通する屋根第1空気層22及び屋根棟部32の空気は、空気の粘性によって静止し、空気の熱の移動し難い性能を発揮できることを特徴する。
さらに、夏季に太陽輻射熱により高温発熱が起きる建築物の外皮構造に於いて、当該建築物の外気接触壁部11の最下部の第1空気層吸入口41から、建築物の外気露出屋根部21の屋切り面の最上部近くに設けられた、第1空気層排出口42と、第1空気層排出口42に設置される手動式ダンパー422を開放状態にすると、第1空気層吸入口41から、第1空気層吸入口41近くの外気が、第1壁面空気層12及び連通する第1屋根空気層22に導入され、さらに、屋根棟部32を通過して、第1空気層排出口42に設置された手動式ダンパー422から、空気の対流現象によって、自然排出がされることを特徴とする。
上記課題を解決する第一の考案は、空気の粘性による静止状態の空気層が断熱性を備えた建築物外皮構造となる。例えば図1〜図3に示すように、建築物の外側と内側とを遮蔽する壁面(外気接触壁部)11に形成される第1壁面空気層(可変空気層)12(空気層の幅30mm)と、第1壁面空気層12より内側に形成される第2及び第3壁面空気層(30mm、66mm)を有する空気三層構造の外壁部10と、建築物の最上部に設けられた内側と外側とを遮蔽する屋根材(外気露出屋根部)21に設けられた、前記屋根部の第1屋根空気層(可変空気層)22(空気層の幅60mm)より内側に形成される、第2及び第3屋根空気層(30mm、60mm)を有する空気三層構造の屋根部とし、第1から第3壁面空気層と第1から第3空気層を空気の粘性による対流が起き難い空気層としたことを特徴とする。
また、第二の考案として、断熱材を全く用いてないことを特徴とする。現在の建築物の外皮構造には、高気密高断熱工法が主体であり、高い気密性と断熱材の熱伝導率の低さと断熱材を厚く充填することが重要視されている。本考案では、断熱材ゼロが実現できることに関する。
上記課題を解決する第三の考案である、空気層仕切り壁に植物(木材)の細胞壁構造の熱変化の影響が少ない特性を活かすと、同空気層仕切り壁の熱移動抑止の能力が発揮される。さらに、植物(木材)は短期再生循環ができる脱炭素資材であることを特徴とする。
また、第四の考案である空気断熱性を備えた建築物外皮構造に於いて、外気接触壁部11や外気露出屋根部21の内側に、空気の対流現象による換気性と、空気の静止状態による断熱性の相反すると特性を示す空気層として、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22を設けている。従って、夏季に於いては、外気接触壁部11や外気露出屋根部21が太陽熱輻射による高温発熱が起きる。前記状況に於いては、屋根最上部の手動式ダンパー422を開放すると、壁面最下部に設けた第1空気層吸入口41からの外気の流入は、第1壁面空気層12とこれに連通する第1屋根空気層22に空気の対流現象による換気状態が形成される。例えば図2、図3に示すように、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22には、空気の温度比重差から、対流現象による空気流が形成されるよう構成されているので、仮に外気接触壁部11や外気露出屋根部21が太陽輻射熱によって温度上昇しても、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22には、空気の対流現象を利用した換気により外気温度と同じ程度の外気が常時流入して、外気接触壁部11や外気露出屋根部21の温度まで上昇することなく換気され、室内に太陽輻射熱による熱エネルギーの侵入が抑えられる。従って、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22の内側の躯体温度の上昇が抑止されるという効果がある。また、手動式ダンパー422を閉めることによって、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22は、空気の粘性による対流が起き難い空気層として冬季の断熱効果も発揮できることを特徴とする。
100mm以下の空気層の空気は、粘性による静止状態をつくることができることを第五の考案とする。空気は静止状態であれば、空気の熱伝導率が示す様に熱伝導率の低さが活かされ、壁部及び屋根部の室内温度と外気温度の差を前記第2空気層及び第3空気層と同じように熱移動抑止能力が発揮できる。可変空気層の空気の静止状態による熱移動抑止能力は、前記外気接触壁部及び、外気露出屋根部の温度が、冬季の気温低下により冷却された場合に断熱効果を示す建築物の外皮構造となることに関する。
空気は、比重変化により上昇(対流)現象が起きる。第六の考案である可変空気層の空気の温度差による対流現象の利用は、前記外気接触壁部及び、外気露出屋根部の温度が、太陽からの輻射熱を吸熱して高温状態となる場合には、空気流入口近傍の空気温度が空気排出口へ対流によって移動排出するため、外気接触壁部及び、外気露出屋根部の熱の侵入とこれに伴う蓄熱の抑止を可能とした、請求項4〜6に示される可変空気層に於ける空気の対流特性が活かされる建築物の外皮構造について。
空気は熱を伝え難い特性と対流による熱移動の相反する特性を持っている。第七の考案は、限定された空間幅の空気の粘性による静止状態の確保である。空気層の幅についてはこれまでの試験結果から得られた、空気層の幅は100mm以内の範囲とし、可変空気層の空間幅である、壁面第1空気層30mmと屋根第1空気層60mmの幅に設定したことを特徴とする空気の熱移動抑止及び、対流熱移動の特性を備えた建築物の外皮構造を特徴とする。
多種多様な断熱材の殆どは、蓄熱要素を持っていることが知られていない。断熱材の別称として「熱伝播遅行型熱吸収材料」が示す様に熱を断つことは不可能である。従って、高気密高断熱住宅の普及は、ヒートアイランド現象を加速させている要因そのものである。前記課題を解決する第八の考案は、熱伝播や蓄熱要素が少ない空気と植物(木材)の特性の使い方に関する。
断熱部材の製造から廃棄までのライフサイクルCO2は、環境破壊の元凶となるため、断熱材の完全排除は重要な環境保全対策となる。これまで上述した断熱材を用いた断熱技術は、冬の省エネには貢献できるが、夏の蓄熱現象や断熱部材のLCCO2の排出や廃棄処理など、地球全体への環境負荷は計り知れない。第九の考案である地球の温熱バリアを形成する、空気と植物(木材)を組み合わせた断熱技術は、脱炭素技術として多種多様な建築物の外皮構造に適用できることを特徴とする。
第一の考案である、空気の粘性による対流が起き難い空気層として、第1壁面空気層(可変空気層)・第2壁面空気層・第3壁面空気層と、第1屋根空気層(可変空気層)・第2屋根空気層・第3屋根空気層を設けて、空気の熱伝導の低さと空気の粘性による対流が起き難い空気層が熱移動抑止能力を発揮し、外部からの熱の侵入や外部への熱の放出が少なくなり、室内温度が維持されやすくなる。また、空気の粘性による対流が起き難い空気層は、第1壁空気層面仕切り壁、第2壁面空気層仕切り壁、第3壁面空気層仕切り壁(内壁部)等の各空気層の仕切り壁を用いて、木造在来軸組工法やツーバイフォー工法、そのほか多種多様な建築物の外皮構造に空気の粘性による対流が起き難い空気層を形成することができる。
第二の考案の効果として、請求項2に記載される断熱材を全く使わないで、空気と植物(木材)を組み合わせた、前記第1壁面空気層、第2壁面空気層及び第3壁面空気層を有する空気三層構造の外壁部と、第1屋根空気層、第2屋根空気層及び第3屋根空気層を有する空気三層構造の屋根部とを備えた建築物に於いて、断熱材を全く用いていないことを特徴とする建築物の外皮構造。
第三の考案の効果として、空気層仕切り壁に植物(木材)の利用は、植物の細胞壁を形成する分子構造が、熱伝播による分子振動摩擦熱が抑止されるため、暖冷の温度変化の影響を受け難い特性を持つ。前記植物の熱変化の影響が少ない特性を活かすと、空気層仕切り壁の熱移動抑止の能力が発揮される。また、植物(木材)は生育時に地表の発熱を抑え、さらに、再生循環を短期間に繰り返すことができるため、脱炭素の貴重な役割を担うことができる。
請求項1及び3に記載の空気の断熱特性と植物の熱反応抑止能力を備えた建築物の外皮構造に於いて、前記第1壁面空気層と、前記屋根第1空気層を連通させ、さらに、壁面第1空気層最下部の第1空気層吸入口41を開放構造とし、これに、第1屋根空気層の最上部に空気排出口42に手動式ダンパー422を設け、第1壁面空気層と第1屋根空気層及び第1棟部空気層32を可変空気層としたことを特徴とする。
請求項5に記載の空気層による断熱性を備えた建築物の外皮構造によれば、可変空気層の空気の静止状態による熱移動抑止能力は、前記外気接触壁部及び、外気露出屋根部の温度が、冬季の気温低下により冷却された場合には、前記第1壁面空気層と前期屋根第1空気層の空気は、空気の粘性による静止状態から、空気の熱伝導率の低さが活かされ、壁部及び屋根部の室内温度と外気温度の差を前記第2空気層及び第3空気層と同じ熱移動抑止能力が発揮できる建築物の外皮構造。
請求項6に記載の空気断熱性を備えた建築物によれば、外気接触壁部や外気露出屋根部の温度が、太陽からの輻射熱を吸熱して高温発熱状態となる場合には、第1壁部空気層や第1屋根空気層の空気は温度上昇が起きる。前記可変空気層の空気の温度差は、対流現象による換気性の空気層として第1壁面空気層と第1屋根空気層を連通させた構造から、壁面第1空気層最下部の第1空気流入口41の開放構造と、第1屋根空気層の最上部に空気排出口42の手動式ダンパー422を開放状態すると、空気の温度差による比重変化から上昇(対流)現象が起きる構造である。また、前記対流現象によって、空気流入口近傍の空気温度が空気排出口へ移動排出されるため、外気接触壁部及び、外気露出屋根部からの熱の侵入とこれに伴う温度上昇の抑止を可能とした、請求項4〜6の可変空気層による空気の対流特性が活かされる建築物の外皮構造。
空気は、一般生活温度0〜20℃程度の温度差に於いて、6mm前後まで熱伝導が起き、それ以上の空間幅では輻射熱移動となるため、対流が起きるとされている。しかし、空気層の幅については、空気の粘性による対流が起き難い幅とし、前記第3壁面空気層(空気層の幅66mm)と前記第3屋根空気層(空気層の幅60mm)等のように、空気層の幅は100mm以内の範囲に於いては、空気の粘性による熱移動抑止の特性を備えた建築物の外皮構造となる。
多種雑多な断熱材の殆どが持つ負の特性である蓄熱現象の改善ができる。断熱材の正式名称である「熱伝播遅行型熱吸収材料」の文字が示す様に殆どの断熱材は、夏季に於いて、熱伝播を受けるとゆっくり熱移動する。例えば、身近な断熱材である布団を夏季にかぶっての生活はあり得ない。高気密高断熱の負の特性は、遅行型熱移動によって断熱材は蓄熱が起き、その後、低温側(室内)へゆっくりと熱移動するため、断熱材による蓄熱現象は、ヒートアイランド現象の加速要因となっている。請求項6に示す、第1壁面空気層と第1屋根空気層の空気の対流現象による熱移動が、建築物の外皮構造の蓄熱状態を抑止できることを特徴とする。
省エネに貢献できる断熱材は、地球環境には大きな負荷を与えている。断熱材ゼロを実現できる空気と植物(木材)を組み合わせた建築物の外皮構造は、断熱部材の製造から廃棄に至る、ライフサイクルCO2の排出削減に貢献。さらに断熱材の製造には、資源を必要とし同資源の取り出しに化石燃料が使われる。また、断熱材の経年劣化からの廃棄による環境負荷は避けられない。空気は、誰もが無償で平等に使える地球の温熱バリア。植物は、地表の発熱を抑える他、再生循環を繰り返す脱炭素資源。空気と植物(木材)を組み合わせた建築物の外皮構造は、これまでの断熱材に対する固定概念を根底から覆す発見に関する。
さらに、空気と植物(木材)を組み合わせた建築物の外皮構造によって、建築物躯体構造の蓄熱現象が抑止されるため、真夏の木陰に近い条件となる「暑くても快適」が実感できる新発想の省エネ手段となる。
空気断熱工法が適用される建築物の全体を説明する要部断面図 空気三層構造の外壁部の、壁厚み方向の上下方向断面図 空気三層構造の外壁部の、柱断面方向の平面方向断面図 外壁面の第1壁面空気層12と屋根面の第1屋根空気層22の空気の動き全体を示す構成斜視図 建築構造躯体の外壁と屋根の各構造を立体的に示したパース
以下、本考案の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本考案に用いられる空気と植物(木材)を組み合わせた建築物の断熱工法が適用される建築物の全体を説明する要部断面図である。図1に於いて、前記工法が適用される建築物は、基礎1、土台2、床材3、桁6、天井母屋7、棟木8を有すると共に、外壁構造10、屋根構造20、屋根棟部30を有している。なお、図1では描かれていないが、図3には、柱4と間柱5が描かれており、図4には窓9が描かれている。また、図1において黒矢印は、空気流れを示している。
外壁構造10には、第1壁面空気層12、第2壁面空気層14、第3壁面空気層16の各空気層が設けてある。外壁構造10の各空気層は、外壁材11、第1壁面空気層仕切り壁13、第2壁面空気層仕切り壁15、第3壁面空気層仕切り壁17によって仕切られている。こまた、第1壁面空気層仕切り壁13・15・17には、木質ボードや木材板が望ましい。
図2、図3に示すように、第1壁面空気層12は、空気層の幅30mmの空隙であるが、壁面縦胴ぶち132と壁面横胴ぶち134が交差して存在するため、空気層の幅30mmが半減する狭い箇所も存在する。また、第2壁面空気層14は、空気層の幅30mmとする。さらに、第3壁面空気層16は、空気層の幅66mmとして、柱の太さと第2壁面空気層14の幅、並びに第2壁面空気層仕切り壁15(構造用合板9mm)とする。また、第3壁面空気層仕切り壁17は、内壁となる適切な資材を考慮して定める。
そして、外壁面の第1壁面空気層12は、外壁材11と第1壁面空気層仕切壁13によって形成される。外壁材11は、例えば耐久性や防火性を優先された外装建材が使用される。第1壁面空気層仕切り壁13は、構造躯体全体を包み込むように張るもので、例えば板厚12mmのインシュレーションボードを用いる。ここで、外壁材11を保持するために、壁面縦胴ぶち132と壁面横胴ぶち134が第1壁面空気層仕切り壁13に固定される。壁面縦胴ぶち132には、板厚15mmの棒材が使用される。壁面横胴ぶち134にも板厚15mmの棒材が使用される。壁面縦胴ぶち132と壁面横胴ぶち134を縦横に組み合わせると、外壁材11と第1壁面空気層仕切り壁13との間に30mmの空隙が確保され、外壁面の第1壁面空気層12となる。外壁面の第1壁面空気層12には、最下部に第1空気層吸入口41が形成されており、第1空気層吸入口41の開口部は15mm程度とし、常時開放状態になっている。
外壁面に於ける第2壁面空気層14は、構造躯体上、壁面の壁厚方向の空隙を一部利用して、空気の対流が起きないとされる空隙の空気層を設ける。第1壁面空気層仕切り壁13は、建造物の壁全体を包みこむ形状に設置されるが、第1壁面空気層仕切り壁13が第1壁面空気層12及び第2壁面空気層14の仕切り壁を兼ねるため、第2壁面空気層14の気密性が確保できる。さらに、第1壁面空気層仕切り壁13に対して、建造物壁構造の室内側に適切な空隙を設け、第2壁面空気層仕切り壁15を装着する。第2壁面空気層仕切り壁15は、例えば構造用合板で厚さ9mmを用いて、柱間および土台2と桁6もしくは胴差しの内面へ、なるべく隙間ができない状態にして挿入する。この第2壁面空気層14は、空気の粘性と摩擦抵抗の特性を利用したもので、保温断熱空気層として作用する。
外壁面の第3壁面空気層16は、第2壁面空気層仕切り壁15と、第3壁面空気層仕切り壁17(室内の壁仕上げ材)との空隙となっているおり、例えば66mm程度の空隙となる。第2壁面空気層仕切り壁15は、外壁構造の強度と室内側の空気層仕切り壁を兼ねるもので、構造用合板で厚さ9mmを用いている。第3壁面空気仕切り壁17は、室内壁の仕上げ材に適したものを選ぶとよい。
また、屋根構造20にも、第1屋根空気層22、第2屋根空気層24、第3屋根空気層26の各空気層が設けてある。屋根構造20の各空気層は、屋根材21、第1屋根空気層仕切り壁23、第2屋根空気層仕切り壁25、第3屋根空気層仕切り壁27によって仕切られている。ここで示す、建築構造躯体の最上部では、屋根面の第1屋根空気層22と屋根棟部の第1棟部空気層32に直結する構造の空気層となっている。また、第1屋根空気層仕切り壁23と第2屋根空気層仕切り壁25には木質系空気層仕切り材を用いるのがよく、第3屋根空気層仕切り壁27には室内の天井仕上げ材を用いるのがよい。
次に、屋根面に於ける第1屋根空気層22は、外気露出屋根部21として瓦等の屋根材21と一体となった屋根下地材である荒野地板214と、第1屋根空気層仕切り壁23との間に形成される。第1屋根空気層仕切り壁23は、板厚が12mmの木質系を空気層仕切り板として用いる。また、屋根棟部30の第1棟部空気層32の棟部空気層仕切り材232(断面形状102mm×30mm)は、第2屋根空気層と第3屋根空気層の仕切り材として装着される。屋根下地材である荒野地板214は、板厚が12mm程度のもので、第1屋根空気層仕切り壁23の上に垂木234(断面形状は60×45mm)を取り付け、第1屋根空気層仕切り壁23と屋根下地材である荒野地板214によって、60mmの第1屋根空気層22の空隙が生まれる。
好ましくは、この空隙は外壁面の第1壁面空気層12に連通されるように、第1空気層連結部を設けるとよい。また、第1屋根空気層22は、屋根棟部30の第1棟部空気層32に連通される。そして、屋根棟部の第1空気層排出口42は、屋根棟部30の屋切壁面40に設けられている。さらに、手動式ダンパー422は、第1空気層排出口42に設けられる。なお、手動式ダンパー422の開放によって、第1空気層吸入口41から、第1壁面空気層12、第1屋根空気層22と第1棟部空気層32と連通して、前記各空気層の換気が不可欠の要素となる。この様に空気の対流現象による換気は、夏季に於ける省エネ効果がより発揮される。
夏季以外の季節に於いて、手動式ダンパー424を閉止状態にすると、第1壁面空気層12と第1屋根空気層22、屋根棟部30の第1棟部空気層32の空気は粘性による静止状態となり、空気の熱移動抑止能力による保温断熱空気層となる。
屋根棟部30には、第1棟部空気層32、第2棟部空気層34、第3棟部空気層36の各空気層が設けてある。屋根棟部30の各空気層は、第1棟部空気層仕切り壁33、第2棟部空気層仕切り壁35、第3棟部空気層仕切り壁37によって仕切られている。前記第3棟部空気層仕切り壁37には天井仕上げ材を用いる。
なお、第1壁面空気層12は、東西南北の外壁面によって形成され、これにつながる屋根面の第1屋根空気層22と屋根棟部の第1棟部空気層32が、連通する構造となっている。なお、ここでは第1壁面空気層12、第1屋根空気層22、及び第1棟部空気層32を全体的に考察するときは、各第一空気層と略称する。また、第2壁面空気層14、第2屋根空気層24、及び第2棟部空気層34を全体的に考察するときは、各第二空気層と略称する。同様に、第3壁面空気層16、第3屋根空気層26、第3棟部空気層36を全体的に考察するときは、各第三空気層と略称する。
また、各第1空気層を形成する部材である外壁材11と、第1壁面空気層仕切り壁13、屋根材21及び屋根下地材214と、第1屋根空気層仕切り壁23などの空気接触面を空気流により冷却できる。また、各第1空気層の空気が換気されることによって、輻射熱を吸熱した外壁材11、屋根材21からの伝熱による第1壁面空気層仕切り壁13や第1屋根空気層仕切り壁23の温度上昇が抑止される。
次に第2空気層について説明する。図2は、本考案にかかる空気三層構造の外壁部の、壁厚方向の断面図である。図3は、本考案にかかる空気三層構造の外壁部の、平面方向断面図である。第2壁面空気層14と第2屋根空気層24には、壁厚方向30mmと屋根厚方向に30mmの空気層が設けられている。第2壁面空気層14は、第1壁面空気層仕切り壁13と第2壁面空気層仕切り壁15により仕切られている。また、第2屋根空気層24は、第1屋根空気層仕切り壁23と第2屋根空気層仕切り壁25により仕切られている。
このように構成された各第2空気層は、壁厚方向30mm程度の空気層であるため、空気の粘性と摩擦抵抗による対流現象が無く、各第2空気層の保温断熱能力を確保できる。そして、空気の静止状態による熱移動抑止能力によって、外壁面および屋根面に位置する第2壁面空気層14、第2屋根空気層24、及び第2棟部空気層34には、高性能な保温断熱能力を発揮させることができる。そして、これまでの空気の特性に於ける工学的知見として、空気の対流が起き得ない縦方向の空隙は、例えば6mm以下とされていた。しかし、出願人が生活実態温度である0〜20℃の温度差で実験したところ、ガラス製の仕切り板で100mm以下の空気層では、空気の対流現象が生じないことから、空気の静止状態による保温断熱性能が確認されている。
続いて、各第3空気層について説明する。第3壁面空気層16は、第2壁面空気層仕切り壁15と第3壁面空気層仕切り壁17(内壁)により形成される。屋根面の第3屋根空気層26は、第2屋根空気層仕切り壁25と、第3屋根空気層仕切り壁27(天井仕上げ材)により形成される。屋根棟部の第3棟部空気層36は、第2棟部空気層仕切り壁35と、屋根棟部の第3棟部空気層仕切り壁37(屋根棟部の天井仕上げ材)により形成される。外壁面の第3壁面空気層16と、屋根面の第3屋根空気層26と、屋根棟部の第3棟部空気層36は、第3壁面空気層仕切り壁17が室内の壁仕上げ材を兼用し、そして第3屋根隔壁27と第3棟部空気層仕切り壁37は、室内の天井仕上げ材を兼用しているため、室内壁面や天井面の装飾性にも配慮する必要がある。
次の第4図は、外壁面の第1壁面空気層12と屋根面の第1屋根空気層22の空気の動き全体を示す構成斜視図である。また、第5図は、建築構造躯体の外壁と屋根の各構造を立体的に示したパース図である。図4及び図5は、夏季における輻射熱の発熱抑止と、各第1空気層の空気の入れ替えと冷却などについて略図化したもので、白抜き矢印は空気の流れを示している。
本実施例に示すように、外壁面の第1空気層吸入口41から、輻射熱で熱せられた各第1空気層の空気より温度が低い、外気を自然吸気して、屋切壁面40の第1空気層排出口42から排気するように構成すると、空気の対流現象による冷却特性を外壁面の第1壁面空気層12と屋根面の第1屋根空気層22及び、屋根棟部の第1棟部空気層32に於いて発揮させることができる。前述の各第1空気層の空気を換気するには、手動式ダンパー422を屋切壁面40の第1空気層排出口42に取り付け開放状態にするとよい。
夏季の太陽輻射熱の吸熱によって高温状態にある、外壁材11や屋根材21および屋根下地材214からの熱放射を受け、温度上昇している各第1空気層の空気の入れ替えと、入れ替え時に起きる空気の移動速度から、各第1空気層に接触している、外壁材11や屋根下地材214、そして、第1壁面空気層仕切り壁13と、第1屋根空気層仕切り壁23も空気による冷却作用を受け、それぞれの各部材の温度低下がもたらされている。
次に、冬季および春と秋に於ける空気による断熱の仕組みと、それぞれの空気層の特徴を説明する。空気の特性として、静止状態の空気は0.0241[W/m・deg]の熱伝導率となり、この熱伝導率の価は高性能な保温断熱空気層として作用する。外壁面の第2壁面空気層14は、第1壁面空気層仕切り壁13と第2壁面空気層仕切り壁15によって仕切られる。また、屋根面の第2屋根空気層24は、第1屋根空気層仕切り壁23と第2屋根空気層仕切り壁25によって確保される。特に、屋根面の第2屋根空気層24が、空気の対流現象が起き難い間隙30〜60mm程度にすることで、各空気層は、一般に市販されている高性能な断熱材に匹敵、あるいはそれ以上の保温断熱性能を発揮できる。
本考案の各第3空気層に於ける空気による保温断熱と、空気の輻射熱の発熱抑止の仕組みの特徴を説明する。従来のように断熱材を用いた建造物については、夏季に於ける太陽輻射熱は断熱材を含む躯体全体の温度が上昇して蓄熱される。この様な状況の下、断熱材の殆どが「熱伝播遅行型熱吸収材料」であり、熱吸収された断熱材の熱移動を遅らせる性能が蓄熱である。例えば、発泡系の断熱材では、厚さ5cmでは約1時間、10cmでは約2時間の熱移動を遅らせるだけである。その結果、昼間の太陽熱輻射による外気接触壁部11や外気露出屋根部21の温度上昇から、断熱材へ熱輻射として作用する。そこで、断熱材自体が蓄熱して、さらなる輻射熱の発生源となり内装建材へゆっくり移動するため、太陽輻射熱のなくなった夜間に於いても、断熱材からの熱輻射により建築物の室内空気温度以上の暑さを感じることになる。
即ち、多種多様な断熱材を用いての断熱施工に於いて、建築物の保温断熱を目的に、断熱材を厚く施工すればするほど、保温断熱効果は発揮できる。しかし、夏季に於いて断熱材自体が蓄熱するため、建築物の外壁面や屋根面全体が蓄熱して、時間差を持って、室内へ放熱する。そこで、断熱材による輻射熱の放熱を抑えるには、例えば蓄熱作用のない空気層を設けて、蓄熱現象を抑えることが必要となる。
そこで、本実施例に於いては、上記断熱材による輻射熱の放熱を抑える蓄熱作用のない空気層として、例えば外壁面の第3壁面空気層16や屋根面の第3屋根空気層26が設けられている。外壁面の第3壁面空気層16は、第2壁面空気層仕切り壁15と、第3壁面空気層仕切り壁17(室内の壁仕上げ材)の空隙に設けられる。また、屋根面の第3屋根空気層26は、第2屋根空気層仕切り壁25と、第3屋根空気層仕切り壁27(室内の天井仕上げ材)の空隙に設けられる。さらに、屋根棟部30に設けられた第3棟部空気層36も第三空気層に該当する。第三空気層は、第3壁面空気層16、第3屋根空気層26、第3棟部空気層36を含むもので、各第2空気層同様、空気の特性である輻射熱による発熱が小さい特性を利用したものである。
本出願人が本考案を実施した外壁構造について、外壁用空気断熱壁構造の試験体を財団法人建材試験センター中央研究所(草加市)にて、行った。当該試験方法は、準拠規格としてJISA1420(建築用構成材の断熱性能試験方法)で、設定温度が加熱箱内空気20℃、低温室内空気0℃の試験条件によって、熱貫流率K=0.81[W/(m2・K)]の数値が、試験期間8日間をかけた断熱性能試験の結果として証明された。当該数値は、熱貫流率0.98[W/(m2・K)]の地域区分[2]の青森県、秋田県、岩手県等の寒冷地域の基準を上回るもので、空気により高性能な保温断熱効果があることが客観的に立証できたと言える。
(建築物の環境保全への改革)
本考案は、多種雑多な断熱材の完全排除を実現した建築物の外皮構造に関する。これまで知られざる断熱材の負の特性である、夏季に於ける蓄熱現象や断熱部材のLCCO2の排出等、地球に与える環境負荷の改善に貢献できる。さらに、地球温暖化対策に不可欠となる脱炭素技術として、環境保全に好適である空気と植物(木材)を組み合わせた建築物の外皮構造としての断熱性能が発揮される。同技術は、一般住居を始め高層ビルや工場建屋など多種多様な建築物の外皮構造全てに適応でき、断熱部材のライフサイクルCO2削減の改革へ貢献できる。
10 外壁部(外壁面)
11 外気接触壁部(外壁材)
12 第1壁面空気層
13 第1壁面空気層仕切り壁
132 縦胴縁
134 横胴縁
14 第2壁面空気層
15 第2壁面空気層仕切り壁(壁面部の構造用合板)
16 第3壁面空気層
17 第3壁面空気層仕切り壁(室内の壁仕上げ材)
20 屋根部(屋根構造)
21 外気露出屋根部(屋根材)
212 瓦
214 荒野地板
22 第1屋根空気層
212 垂木1(60×45mm)
23 第1屋根空気層仕切り壁
232 垂木2(30×45mm)
234 第2及び第3空気層上部仕切り板
24 第2屋根空気層
25 第2屋根空気層仕切り壁
26 第3屋根空気層
262 垂木3(60×45mm)
27 第3屋根空気層仕切り壁(室内の天井仕上げ材)
30 棟部
32 第1棟部空気層
33 第1棟部空気層仕切り壁(屋根棟部の構造用合板)
34 第2棟部空気層
35 第2棟部空気層仕切り壁
36 第3棟部空気層
37 第3棟部空気層仕切り壁(屋根棟部の天井仕上げ材)
39 屋根棟部の平板パネル構造
40 屋切壁面
41 第1空気層吸入口
42 第1空気層排出口
422 手動式ダンパー

Claims (9)

  1. 空気の熱を伝え難い特性を活かすために空気の粘性による対流が起き難い空間幅100mm以下の空気層とし、建築物の外側と内側とを遮蔽する壁面に形成される第1壁面空気層と、この第1壁面空気層より内側に形成される第2壁面空気層と、この第2壁面空気層と前記建築物の内側との間に形成される第3壁面空気層とを有する空気三層構造の外壁部と、建築物の最上部に設けられた内側と外側とを遮蔽する屋根部に設けられた第1屋根空気層より内側に形成される第2屋根空気層と、この第2屋根空気層と前記建築物の内側との間に形成される第3屋根空気層の空気三層構造を有する屋根部とを備え、前記各空気層を2〜3層を設けた、空気の熱の伝え難い特性が活かされた建築物の外皮構造を特徴とする建築物。
  2. 前記第1壁面空気層、第2壁面空気層及び第3壁面空気層を有する空気三層構造の外壁部と、第1屋根空気層、第2屋根空気層及び第3屋根空気層を有する空気三層構造の屋根部とを備えた建築物に於いて、断熱材を全く用いていないことを特徴とする空気の熱を伝え難い特性を備えた建築物の外皮構造。
  3. また、建築物の外側と内側とを遮蔽する壁面に形成される第1壁面空気層の隔壁として、第1壁面空気層仕切り壁とその内側に形成される第2壁面空気層仕切り壁と、この第2壁面空気層仕切り壁と前述、建築物の内側との間に形成される第3壁面空気層仕切り壁(内壁)とを有する空気三層仕切り壁構造の外壁部と、建築物の最上部に設けられた内側と外側とを遮蔽する屋根部に設けられた第1屋根空気層仕切り壁より内側に形成される第2屋根空気層仕切り壁と、この第2屋根空気層と前述、建築物の内側との間に形成される第3屋根空気層仕切り壁(天井)を有する空気三層仕切り壁構造を有する屋根部を備え、前記いずれの空気層仕切り壁には、熱の増減に反応し難い植物(木材)を使ったことを特徴とする空気の断熱特性と植物の熱反応抑止能力を備えた建築物の外皮構造。
  4. 請求項1及び2に記載の空気の断熱特性と植物の熱反応抑止能力を備えた建築物の外皮構造に於いて、前記第1壁面空気層と、前記屋根第1空気層を連通させ、さらに、壁面第1空気層最下部の空気吸入口41を開放構造とし、これに、第1屋根空気層の最上部に空気排出口42に手動式可動ダンパー422を設け、第1壁面空気層と第1屋根空気層及び、第3棟部空気層32を可変空気層としたことを特徴とする。
  5. 可変空気層の空気の静止状態による熱移動抑止能力は、前記外気接触壁部及び、外気露出屋根部の温度が、冬季の気温低下により冷却された場合には、前記第1壁面空気層と前期屋根第1空気層の空気は、空気の粘性による静止状態から、空気の熱伝導率の低さが活かされ、壁部及び屋根部の室内温度と外気温度の差を前述、第2空気層及び第3空気層と同じ熱移動抑止能力が発揮できる建築物の外皮構造。
  6. また、可変空気層の空気の温度差による対流現象の利用は、前記外気接触壁部及び、外気露出屋根部の温度が、太陽からの輻射熱を吸熱して高温状態となる場合には、前記第1壁面空気層と、前記屋根第1空気層を連通させた構造により、第1屋根空気層の最上部に空気排出口42の手動式ダンパー422を開放状態すると、壁面第1空気層最下部の空気吸入口41の開放構造から、前記外気接触壁部及び、外気露出屋根部からの輻射熱を吸熱した、第1壁面空気層と第1屋根空気層の空気は、比重変化により上昇(対流)現象が起きる構造である。また、前記対流現象によって、空気流入口の空気温度が空気排出口へ移動排出するため、外気接触壁部及び、外気露出屋根部の熱の侵入とこれに伴う蓄熱の抑止を可能とした、請求項4〜6の可変空気層による空気の対流の特性が活かされる建築物の外皮構造。
  7. 空気層の幅については、空気の粘性による対流が起き難い幅とし、前記第3壁面空気層(空気層の幅66mm)と前記第3屋根空気層(空気層の幅60mm)などのように、空気層の幅は100mm以内の範囲とし、2〜3層を設けることを特徴とする、空気の熱移動抑止の特性を備えた建築物の外皮構造。
  8. 多種雑多な断熱材の殆どが持つ負の特性である蓄熱現象の改善ができる。断熱材の正式名称である「熱伝播遅行型熱吸収材料」の文字が示す様に殆どの断熱材は、夏季に於いて、外皮建材からの熱伝播を受けてゆっくり熱移動が起きるため、断熱材による蓄熱現象が起き、ヒートアイランド現象の加速要因となっている。請求項6に示す、第1壁面空気層と第1屋根空気層の対流現象による空気の移動冷却が蓄熱状態を抑止できる特性を備えた建築物の外皮構造。
  9. 断熱部材の製造から廃棄に至る、ライフサイクルCO2の排出ゼロに貢献。さらに断熱材の製造には、資源を必要とし同資源の取り出しに化石燃料が使われる。また、断熱材の経年劣化からの廃棄による環境負荷は避けられない。空気は、誰もが無償で平等に使える地球の温熱バリア。植物は、地表の発熱を抑える他、再生循環を繰り返す脱炭素資源。空気と植物(木材)を組み合わせた建築物の外皮構造に関する。
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