JP3225030B2 - ネットワークノード装置、パケット転送方法、ネットワーク接続装置及びネットワークシステム - Google Patents

ネットワークノード装置、パケット転送方法、ネットワーク接続装置及びネットワークシステム

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JP3225030B2
JP3225030B2 JP19158899A JP19158899A JP3225030B2 JP 3225030 B2 JP3225030 B2 JP 3225030B2 JP 19158899 A JP19158899 A JP 19158899A JP 19158899 A JP19158899 A JP 19158899A JP 3225030 B2 JP3225030 B2 JP 3225030B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮想コネクション
型ネットワークにおけるネットワークノード装置、パケ
ット転送方法、ネットワーク接続装置及びネットワーク
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像通信、高速データ通信などの
多様な通信の要求が高まり、効率的で柔軟性に富む通信
サービスを提供するために通信網の統合化(B−ISD
N)が望まれている。その実現方法としてATM(As
ynchronous Transfer Mode)
交換が有望視されている。このATM交換では、情報を
その属性に関わらずセルと呼ばれる固定長パケットにお
さめ、このセルを交換の単位として用いることにより、
通信サービスを実現しようというものである。ATM通
信の技術は、公衆網(B−ISDN)、LANの双方の
分野でマルチメディア通信、高速大容量通信を実現する
プラットホームとして、盛んに研究が行われている。
【0003】さて、従来のLAN環境(例えばイーサネ
ット(登録商標)など)において、LAN間接続(LA
N間のインターネットワーキング)は、図96(a)の
ように各々のLAN1001,1002の間にルータと
呼ばれるネットワーク接続装置1003を配置すること
で成されてきた(なお、この「ルータ」は、しばしばコ
ンピュータ通信の分野において「ゲートウエイ」と呼ば
れることもあるが、OSIでは「ゲートウエイ」なる用
語はレイヤ7までの処理を行う実体として定義されてお
り「ルータ」とは異なるものである)。
【0004】このルータ1003は、図96(b)にあ
るようにOSIプロトコルレイヤスタックのレイヤ3
(ネットワーク層)までの処理を行い、LAN間をまた
がるデータグラム通信のルーチング処理を主にその機能
としている。すなわち、図96(a)の2つのLAN1
001,1002をまたがるデータグラムについては、
必ずこのルータ1003にてレイヤ3まで上げられ、こ
こで宛先ネットワークレイヤアドレスが解析され、この
解析結果に従って宛先となるLANに配送される。
【0005】LAN間接続を実現する実体としては、ル
ータに類似する機能を有するものでブリッジと呼ばれる
ネットワーク接続装置が知られている。ルータが宛先ネ
ットワークレイヤアドレスを解析して送出するLANを
決定しているのに対し、ブリッジではデータリンクレイ
ヤアドレス(MACアドレス)を解析して送出するLA
Nを決定している。具体的には、ブリッジは、受信した
データグラムの宛先MACアドレスを解析し、この受信
したMACアドレスが自LAN内宛てでない場合は、該
データグラムを他方のLANに透過させることでLAN
間接続を実現させる機能である。すなわち、単にデータ
のフィルタを行なうのみでネットワーク層の機能は実現
されていないものであった。
【0006】さらに、これらに類似したものとして、ル
ータとブリッジの2つの機能を有するブルータと呼ばれ
るネットワーク接続装置が知られている。ブルータは、
ある決められたネットワークレイヤプロトコルについて
はルータとして機能し、それ以外のプロトコルについて
はブリッジとして機能するものである。言い換えると、
ルータで処理できるものは全てルータ処理し、ルータで
処理できないものをブリッジ機能で処理するだけであっ
た。
【0007】このルータ、ブリッジ、ブルータとして
は、通常ワークステーション(WS)が用いられてき
た。すなわち、WS内のCPUがアドレスの解析などを
行い、割り当てられた物理ポートに対してこれを送出す
ることで該機能(ルータ、ブリッジ、ブルータ)を実現
していた。
【0008】ところで、ATM通信方式は、ATMセル
のハードウェアスイッチングによる高速化がその特徴と
なっている。すなわちATM通信方式では、通信を行う
エンド−エンド間に仮想的なコネクション(VC)また
はパス(VP)が張られる。エンド−エンド間でやり取
りされる情報(データ)はATMセルのペイロード内に
格納され、ATMセルはこのVC/VPに沿う形でソフ
トウェアの介在することなしに、ハードウェアスイッチ
ングのみで相手先まで交換・転送される。このハードウ
ェアスイッチングを行う実体がATMスイッチである。
このスイッチングは、ATMセルのヘッダに含まれるV
PI/VCI(場合によってはATMセルヘッダのこれ
以外の領域の値;例えばPTなど)を参照して行われ
る。この観点からみると、ATM通信方式は、ATMセ
ルヘッダのみを参照対象とし、この値をもとにエンド−
エンド間に仮想的なコネクション/パスを張り、ハード
ウェアスイッチングによりその高速性を発揮している通
信方式であるとの見方もできる。このATM通信方式を
LANの分野に適用する場合、LAN内の端末間の通信
は、上記のようなATM−VC/ATM−VPを通した
通信によって達成できると考えられ、端末間の通信の飛
躍的な高速化、大容量化が期待される。
【0009】しかしながら、従来の技術で述べたように
LAN間通信を行なう場合は、LAN間のルータでネッ
トワーク層転送を行なっているため、LAN間の通信
は、LAN内に比べて著しくその高速性、大容量性が失
われることになるという問題点があった。また、ネット
ワークでの処理オーバーヘッドによりデータユニットの
転送速度の低下や処理速度の問題からふくそうの発生確
率が高くなるという問題点があった。
【0010】ところで、従来のデータネットワークにお
けるネットワークの相互接続方法はコネクションレス方
式を用いており、データリンクを用いてルータに送られ
たデータユニット(ネットワークレイヤサービスデータ
ユニット)は、ルータでOSIレイヤ3の処理を施さ
れ、データユニットのリレーイングが行われていた。前
述のようにデータリンクレイヤのデータユニットをフィ
ルタリングするブリッジは、単にデータユニットのフィ
ルタを行うのみでネットワークレイヤの機能は実現させ
ないものであった。最近は、ネットワークをコネクショ
ンレスモードだけで相互接続させるのではなく、コネク
ションオリエンティッドに相互接続させる方式がいくつ
か提案されている。概略的には、データリンクレベルで
の相互接続やネットワークレイヤレベルの相互接続にコ
ネクションの概念を持ち込むものである。前者はATM
がその例として適切であり、後者はコネクションオリエ
ンティッドなネットワークレイヤプロトコルとして最近
提案されているST−IIなどがあげられる。ATMで
はデータリンクレベルでの通信リソースの予約を行い、
ST−IIではネットワークレベルでの通信リソースの
予約を行う。どちらも、基本的にはコネクションオリエ
ンティッドで、通信に先立ってコネクションの設定を行
う。なお、コネクションレス通信に対しては、コネクシ
ョンレス通信のサーバー(CLSあるいはルータなど)
においてネットワークレイヤの処理を行う。コネクショ
ンオリエンティッド通信に対しては、通信の開始前に通
信資源の予約とリレーイングに必要なヘッダ情報書換テ
ーブルなどを設定し、その後の実際のデータ転送では、
データリンクレベルでのリレーイングで対処することが
できる。
【0011】しかしながら、通常の現状のアプリケーシ
ョンはコネクションレスサービスの上にコネクションオ
リエンティッド通信を実現させており、こちらは、アプ
リケーションとしてはコネクションオリエンティッドで
もコネクションレスの通信モードを用いてデータユニッ
トが転送される。コネクションレスモードでは、複数の
ネットワークレイヤの処理が行われ、このときには、ネ
ットワークレイヤのデータユニットの再構築が行われる
のが一般的である。従って、本来ならばデータリンクレ
ベルでのリレーイングを行うことで高速な通信を実現し
たいようなアプリケーションでも、ネットワークでの処
理オーバーヘッドによりデータユニットの転送速度の低
下や処理速度の問題からふくそうの発生確率が高くなる
という問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
ネットワーク接続装置では、LAN間通信を行なう場合
は、LAN間のルータでネットワーク層転送を行なって
いるため、LAN間の通信は、LAN内に比べて著しく
その高速性、大容量性が失われることになるという問題
点があった。また、ネットワークでの処理オーバーヘッ
ドによりデータユニットの転送速度の低下や処理速度の
問題からふくそうの発生確率が高くなるという問題点が
あった。
【0013】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
のであり、複数のネットワークを相互接続したインター
ネット環境において、高速かつ大容量のネットワーク間
通信を実現することのできるネットワークノード装置、
パケット転送方法、ネットワーク接続装置及びネットワ
ークシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】最初に、使用する語句の
説明を行う。
【0015】ここでの仮想コネクション型のネットワー
クとは、端末装置−ネットワーク接続装置間またはネッ
トワーク接続装置間に複数の仮想コネクションを設定で
き、1つの仮想コネクション毎に使用する目的を変える
ことができるネットワークのことを意味し、ATMやフ
レームリレー、X.25のようなものが仮想コネクショ
ンに相当する。
【0016】ここでの論理ネットワークとは、物理的な
構成にかかわらず、論理的に1まとまりの単位として扱
われるネットワークを意味する。具体的には、例えば、
あるネットワーク中においてネットワークIDが同一の
範囲である。
【0017】ここでのパケットとは、ネットワーク層の
パケットも意味するし、データリンク層のパケット(例
えばATMセル、イーサネットフレーム等)も指す。
【0018】本発明(請求項1)は、第1の論理ネット
ワークに接続されて、第2の論理ネットワークに接続さ
れたノードにパケットを送信するネットワークノード装
置であって、前記第1の論理ネットワークとのインタフ
ェースを提供するインタフェース手段と、前記第1の論
理ネットワークと前記第2の論理ネットワークとを接続
するネットワーク接続装置に、該ネットワーク接続装置
において該第1の論理ネットワークからパケットを受信
するために用いられる第1の仮想的転送路と該第2の論
理ネットワークへパケットを送信するために用いられる
第2の仮想的転送路との間の対応関係を登録させるため
の情報を含む制御メッセージを送信する第1の送信手段
と、前記パケットの宛先情報と該パケットを送信するた
めに使用すべき前記第1の仮想的転送路との間の対応を
記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記対
応に従って前記パケットを送信する第2の送信手段とを
備えたことを特徴とする。
【0019】好ましくは、自装置と前記ネットワーク接
続装置との間の前記第1の仮想的転送路についての前記
第1の論理ネットワークでユニークな識別情報を記憶す
る格納手段を更に備え、前記第1の送信手段は、前記格
納手段に記憶された前記第1の仮想的転送路の前記識別
情報および前記第1の仮想的転送路上を転送されるべき
パケットグループを特定するための特定情報を含む制御
情報を送信するようにしてもよい。
【0020】好ましくは、前記第1の送信手段は、自装
置により転送されるべきパケットの転送に関連する統計
情報に基づいて前記制御メッセージを送信するようにし
てもよい。
【0021】好ましくは、前記第1の送信手段は、前記
ネットワーク接続装置を越えた側で新たなノードが立ち
上げられた場合に前記制御メッセージを送信するように
してもよい。
【0022】好ましくは、前記第1の送信手段は、自装
置が前記ネットワーク接続装置を介して転送されるべき
パケット転送を送信する必要が生じた場合に前記制御メ
ッセージを送信するようにしてもよい。
【0023】本発明(請求項6)に係るネットワークノ
ード装置は、仮想コネクションを通してパケットの送受
信を行うための、少なくとも1つのインタフェース手段
と、パケットを送信すべき次段ノードアドレスを決定
し、該次段ノードアドレスに対応する第1の仮想コネク
ションを通して該パケットを送信する第1の送信手段
と、特定の宛先アドレスを持つパケットの送信に使用さ
れるべき第2の仮想コネクションと、前記特定の宛先ア
ドレスとの間の対応を記憶する記憶手段と、前記記憶手
段に記憶された前記対応に従って前記特定の宛先アドレ
スを持つパケットを前記第2の仮想コネクションを通し
て送信する第2の送信手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0024】好ましくは、前記特定の宛先アドレスを持
つパケットについて決定された次段ノードに、前記第2
の仮想コネクションと該次段ノードから前記宛先ノード
に向かう第3の仮想コネクションとの間の対応関係を登
録させるための情報を含む制御メッセージを送信する第
3の送信手段を更に備えるようにしてもよい。
【0025】好ましくは、前記制御メッセージに含まれ
る前記第2の仮想コネクションに関する情報に従って前
記記憶手段に前記対応を登録する登録手段を更に備える
ようにしてもよい。
【0026】好ましくは、前記第3の送信手段が前記制
御メッセージを送信した後に、前記第1の送信手段によ
るパケット送信を前記第2の送信手段によるパケット送
信に切り替えるようにしてもよい。
【0027】好ましくは、前記登録が行われたことを示
す通知が前記次段ノードから返された場合に、前記第1
の送信手段によるパケット送信を前記第2の送信手段に
よるパケット送信に切り替えるようにしてもよい。
【0028】本発明(請求項11)に係るパケット転送
方法は、自ノードの接続された第1の論理ネットワーク
と、これとは異なる第2の論理ネットワークとを接続す
るネットワーク接続装置に、該ネットワーク接続装置に
おいて該第1の論理ネットワークからパケットを受信す
るために用いられる第1の仮想的転送路と該第2の論理
ネットワークへパケットを送信するために用いられる第
2の仮想的転送路との間の対応関係を登録させるための
情報を含む制御メッセージを送信し、パケットの宛先情
報と該パケットを送信するために使用すべき前記第1の
仮想的転送路との間の対応を記憶し、記憶された前記対
応に従って前記パケットを前記第1の仮想的転送路を通
して送信することを特徴とする。
【0029】本発明(請求項12)に係るパケット転送
方法は、特定の宛先アドレスを持つパケットの送信に使
用可能な第1の仮想コネクションと、前記特定の宛先ア
ドレスとの間の対応を記憶し、記憶された前記対応に従
って前記特定の宛先アドレスを持つパケットを前記第1
の仮想コネクションを通して送信し、前記特定の宛先ア
ドレスを持たないパケットを、該パケットについての次
段ノードアドレスに基づいて決定される第2の仮想コネ
クションを通して送信することを特徴とする。
【0030】本発明(請求項13)は、少なくとも2つ
の論理ネットワークを接続するネットワーク接続装置に
おいて、一方の前記論理ネットワークから受信したパケ
ットに対しネットワークレイヤレベルの処理を施して他
方の前記論理ネットワークへ送信する第1の転送手段
と、一方の前記論理ネットワークからのパケットの受信
に使用されるべき仮想的転送路と他方の前記論理ネット
ワークへのパケットの送信に使用されるべき仮想的転送
路との対応関係を記憶する記憶手段と、この記憶手段に
記憶された対応関係に従って、前記ネットワークレイヤ
レベルの処理を行わずに、パケット転送を行う第2の転
送手段と、前記第1の転送手段による転送を行う際に、
前記パケットの受信に使用された仮想的転送路と送信に
使用された仮想的転送路とを検出し、それら検出された
仮想的転送路に基づいて前記対応関係を前記記憶手段に
登録する手段とを備えたことを特徴とする。
【0031】好ましくは、前記記憶手段は、前記一方の
論理ネットワークからのパケットの受信に用いられる仮
想コネクションについて、前記第1の転送手段によりパ
ケット転送を行うべきか否かを示す情報をも記憶するよ
うにしてもよい。
【0032】本発明(請求項15)は、一方の論理ネッ
トワークに属する第1のノードから他方の論理ネットワ
ークに属する第2のノードへ送信されるパケットを転送
するパケット転送方法であって、前記第1のノードから
のパケットの送信に使用可能な第1の仮想コネクション
を通して送信された、宛先ノード情報を含むパケットを
受信し、前記パケットに含まれる前記宛先ノード情報を
ネットワークレイヤレベルで解析し、前記第2のノード
へのパケットの送信に使用可能な第2の仮想コネクショ
ンを決定し、前記パケットを前記第2の仮想コネクショ
ンを通して送信するとともに、前記パケットの受信に使
用された前記第1の仮想コネクションと前記パケットの
送信に使用された第2の仮想コネクションとの対応関係
を記憶手段に記憶し、新たにパケットを受信したときに
用いられた仮想コネクションについての対応関係が前記
記憶手段に記憶されている場合に、該対応関係に従っ
て、ネットワークレイヤレベルの解析を行わずに、該新
たに受信したパケットを転送することを特徴とする。
【0033】本発明(請求項16)に係るネットワーク
システムは、複数の仮想コネクション型論理ネットワー
クと、端末ノードおよび前記論理ネットワークを接続す
るネットワーク接続装置を含む、前記論理ネットワーク
に接続された複数のネットワークノードとを備え、前記
ネットワーク接続装置の各々は、一方のネットワークノ
ードからのパケットの送信に使用可能な第1の仮想コネ
クションと他方の論理ネットワークノードへのパケット
の送信に使用可能な第2の仮想コネクションとの対応関
係を記憶する記憶手段と、新たなパケットを受信したと
きに用いられた仮想コネクションについての対応関係が
前記記憶手段に記憶されている場合には、ネットワーク
レイヤレベルの処理を行わずに、該新たな受信したパケ
ットを転送する手段と、新たなパケットを受信したとき
に用いられた仮想コネクションについての対応関係が前
記記憶手段に記憶されていない場合には、ネットワーク
レイヤレベルの処理を行って、該新たな受信したパケッ
トを転送する手段とを備え、前記第1の仮想コネクショ
ンを通して送信された前記新たなパケットを受信した場
合に、該前記新たなパケットに含まれる宛先ノード情報
をネットワークレイヤレベルで解析して前記第2の仮想
コネクションを決定し、前記対応関係を前記記憶手段に
記憶することを特徴とする。
【0034】さて、ある論理ネットワークに属する送信
端末から別の論理ネットワークに属する宛先端末へ情報
パケットを転送する際、この情報パケットは、これらの
仮想的転送路/仮想コネクションを接続するネットワー
ク接続装置を通過する。従来のネットワーク接続装置
は、一方の論理ネットワークから受信したパケットに対
しネットワークレイヤレベルの処理を施して他方の論理
ネットワークへ送信するため、転送速度が遅くなってい
た。本発明によれば、ネットワーク接続装置が、一方の
論理ネットワークからの受信に使用される仮想的転送路
/仮想コネクションと他方の論理ネットワークへの送信
に使用される仮想的転送路/仮想コネクションとの対応
関係を記憶する手段を有し、(1)ネットワークレイヤ
レベルでの処理を行う第1の転送手段による転送を行う
際にパケットの受信に使用された仮想的転送路/仮想コ
ネクションと送信に使用された仮想的転送路/仮想コネ
クションとを検出しそれら検出された仮想的転送路/仮
想コネクションに基づいて、あるいは(2)制御メッセ
ージに基づいて、この記憶手段に必要な対応関係を登録
し、この対応関係に従って第2の転送手段によりネット
ワークレイヤレベルより下位のレイヤレベル(例えばA
TMレイヤ)での転送を行うため、例えば送信端末から
宛先端末まで複数の論理ネットワークをまたがってネッ
トワークレイヤレベルの処理を行わずにATMレイヤレ
ベルの処理のみでパケットを転送する(バイパスパイプ
を形成する)ことが可能になり、論理ネットワーク間の
高速なパケット転送が実現できる。なお、本発明に係る
ネットワーク接続装置は、例えば、一方の論理ネットワ
ークからパケットを受信すると、この受信に用いられた
仮想的転送路/仮想コネクションの識別子について上記
記憶手段に記憶されている場合にネットワークレイヤレ
ベルの処理を行わずにパケット転送を行い、記憶されて
いない場合には第1の転送手段によりネットワークレイ
ヤレベルの処理を行ってパケット転送を行う。なお、
(2)のように制御メッセージを用いた場合には、ユー
ザあるいはアプリケーションの要求にきめ細かく対応し
たバイパスパイプの形成が可能になる。また、(1)の
ように、第1の転送手段によりネットワークレイヤレベ
ルの処理を施してパケット転送する際に得られる仮想的
転送路/仮想コネクションの情報をもとに上記の記憶手
段に必要な対応関係を記憶し一旦対応関係が記憶された
後は第2の転送手段による転送を行うよう転送処理を切
り替えるようにした場合には特殊なメッセージ等を用い
ずに高速転送可能な上記バイパスパイプが形成できる。
【0035】次に、上述したようなネットワーク接続装
置へパケットを送信する、本発明に係るネットワークノ
ード装置について説明する。ネットワークノード装置
は、例えば、宛先端末情報と、この送信に使用すべき仮
想的転送路/仮想コネクションとの対応関係を記憶する
記憶手段を有し、上記の制御メッセージを送った後、こ
の記憶手段を更新することにより、ネットワーク接続装
置による例えばATMレイヤレベルのみの転送処理でパ
ケットを宛先端末へ届けることができるようになる。な
お、このネットワークノード装置側での記憶手段の更新
は、制御メッセージを送信するときに行っても良いし、
制御メッセージがネットワーク接続装置を介して宛先端
末まで届いたことを知らせる返答メッセージが返ってき
たときに行っても良い。また、制御メッセージを送信す
る仮想的転送路/仮想コネクションとパケットを送信す
る仮想的転送路/仮想コネクションとを同じくし、且つ
ネットワーク接続装置が一方の論理ネットワークからの
受信に使用される仮想的転送路/仮想コネクションをこ
の同じくした仮想的転送路/仮想コネクションとして対
応関係を登録するものとした場合は、ネットワークノー
ド装置側で記憶手段の更新を行わなくても、ネットワー
クレイヤレベルの処理によるパケット転送から例えばA
TMレイヤレベルのみの転送処理によるパケット転送へ
の切り替えは行われることになる。
【0036】なお、制御メッセージの取扱い方法として
は少なくとも以下の3通りの方法が挙げられる。第1の
方法(アウトバンド・パケット)は、例えば、仮想的転
送路/仮想コネクションの識別情報(例えばVCCID
又はVPI/VCI)とこの仮想的転送路/仮想コネク
ションを通して転送されるべきパケットを特定するため
の特定情報(例えばバイパスパイプID)を含む制御メ
ッセージをネットワークノード装置からネットワーク接
続装置へ当該仮想的転送路/仮想コネクションとは異な
る仮想的転送路/仮想コネクションで送信し、ネットワ
ーク接続装置が制御メッセージをネットワークレイヤレ
ベルで解析して、当該仮想的転送路/仮想コネクション
と他の論理ネットワークに属する仮想的転送路/仮想コ
ネクションとの対応関係を登録するものである。なお、
上記バイパスパイプIDは、複数の論理ネットワークを
含むシステム全体でユニークな識別情報であり、例え
ば、送信端末と宛先端末とを特定する情報とすれば良
い。上記VCCID又はVPI/VCIは、そのノード
が属する論理ネットワーク内でユニークな識別情報であ
る。第2の方法(アウトバンド・シグナリング)は、例
えば、制御メッセージとしてATMシグナリングを、ネ
ットワークノード装置からネットワーク接続装置へ当該
仮想的転送路/仮想コネクションとは異なるATMシグ
ナリング用VCで送信し、ネットワーク接続装置が制御
メッセージに対するATMシグナリング処理を利用し
て、当該仮想的転送路/仮想コネクションと他の論理ネ
ットワークに属する当該仮想的転送路/仮想コネクショ
ンとの対応関係を登録するものである。第3の方法(イ
ンバンド)は、例えば、制御メッセージを前段ノードか
らネットワーク接続装置へ当該仮想的転送路/仮想コネ
クションで送信し、ネットワーク接続装置はこの仮想的
転送路/仮想コネクションと他の論理ネットワークに属
する仮想的転送路/仮想コネクションとの対応関係を登
録するものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施の形態を説明する。
【0038】なお、本発明に係るネットワーク接続装置
はいわゆるルータの機能を拡張したものとみることがで
きるので、実施形態の説明ではルータの意味を拡張し、
本発明に係るネットワーク接続装置を「ルータ」と呼ぶ
こととする。
【0039】最初に、本実施形態で使う語句について説
明する。
【0040】ネットワーク・レイヤ・レベルは、ネット
ワークを通しての転送の基本単位を意味し、経路制御等
を扱うレイヤである。ネットワーク・レイヤにおける転
送や経路制御の際に用いるアドレスは、ネットワーク・
レイヤ・アドレスと呼ばれる。
【0041】ホストは、ネットワーク・レイヤ・レベル
のパケットを送受信するルータ以外の装置であり、例え
ば端末装置が該当する。
【0042】ノードは、ルータとホストの総称として用
いる。
【0043】隣接ルータは、ネットワーク・レイヤ・レ
ベルのパケットを他のルータを介さずに直接送信するこ
とができるルータである。
【0044】VCC(Virtual Channel
Connection)は、ATMネットワーク内
で、ATMの機能により設定される仮想コネクションで
ある。
【0045】VCCID(VCC IDentifie
r)は、VCCを識別する識別子であり、ホスト・ルー
タ間あるいは隣接ルータ間で同一である。各ホストおよ
びルータでは、VCCIDとVPI/VCIの対応関係
が記憶される。VCCIDは、VCCが設定される範囲
(ここではATMネットワーク内)でユニークである。
【0046】バイパスVCCは、ホスト・ルータ間ある
いは隣接ルータ間に設定されるVCCであり、バイパス
パイプを作成する際に使用する。
【0047】デフォルトVCCは、ホスト・ルータ間あ
るいは隣接ルータ間に設定されるVCCであり、ホップ
・バイ・ホップにパケットを転送する場合に使用する。
【0048】バイパスパイプは、バイパスVCCを仮想
チャネル・ネットワーク・レベルで複数接続したもので
あり、送信端末から受信端末まで情報パケットが途中通
過するネットワーク接続装置においてネットワーク・レ
イヤ・レベルのパケット転送部を経由せずにより下位レ
ベルのパケット転送部のみを用いて情報パケットを送り
届ける仕組みを提供する。
【0049】制御メッセージは、バイパスパイプを設定
・解放・経路変更するために、情報の送信端末と受信端
末あるいはネットワーク接続装置間でやりとりするネッ
トワーク・レイヤ・レベルのメッセージである。
【0050】バイパスパイプIDは、バイパスパイプに
付される識別子であり、バイパスパイプの端点(端末あ
るいはルータ)のネットワーク・レイヤのアドレスの組
で表現され、また、制御メッセージを用いる場合にのみ
設定される。制御メッセージを用いないルータから構成
される通信システムの場合は、バイパスパイプIDは設
定されないが、バイパスパイプ自体は存在する。
【0051】次に、本実施形態で用いる基本となるネッ
トワーク・モデルを図1に示す。送信または受信をする
端末602は、ATM交換方式による通信を行うATM
網603に接続されている。各ATM網603内には1
つまたは複数のATM交換機604が存在し、情報パケ
ット(ATMセル)の交換を行っている。複数のATM
網603は、ルータ601を介して相互に接続されてい
る。
【0052】(実施形態1−1)まず、実施形態1−1
を説明する。本実施形態(および後述する実施形態1−
2)は、制御メッセージを用いない通信システムであ
る。
【0053】本実施形態の通信システムは、情報パケッ
トを送信又は受信する端末と、情報パケットの転送を行
うスイッチとを含む少なくとも2つのネットワークと、
これらネットワーク間を接続する少なくとも1つのルー
タとからなる通信システムであって、前記スイッチは、
前記端末と前記ルータとの間、及び、前記ルータが複数
ある場合にはルータ間に、ネットワークレイヤレベルの
パケット転送処理を行わずに情報パケットが転送される
ような仮想的転送路(例えばVirtualChann
el Connection又はVirtual Pa
ss)が形成されるよう設定された経路制御テーブル
と、この経路制御テーブルを参照して情報パケットの転
送を行う手段とを備え、前記送信端末は、自端末とルー
タとの間に形成されている仮想的転送路を特定するため
の情報(例えばVCI又はVPI)を記憶する記憶手段
と、この記憶内容を参照して、送信する情報パケットの
宛先端末情報(例えばIP address)に基づい
て定められるルータと自端末との間に形成されている仮
想的転送路を特定し、この特定された仮想的転送路を用
いて、前記情報パケットに前記宛先端末情報を含めて送
信する送信手段とを備え、前記ルータは、自ルータと他
のルータあるいは端末との間に形成されている仮想的転
送路を特定するための情報(例えばVCI又はVPI)
を記憶する第1の記憶手段と、自ルータが接続する2つ
のネットワークのうち一方に属する仮想的転送路と他方
に属する仮想的転送路の対応関係を記憶する第2の記憶
手段と、前記送信端末あるいは他のルータから仮想的転
送路を用いて転送されてきた情報パケットを受信する受
信手段と、この受信に用いられた仮想的転送路について
の対応関係が前記第2の記憶手段に記憶されている場合
には、ネットワークレイヤレベルのパケット転送処理を
行わずに、受信した情報パケットを記憶されている前記
対応関係に従って転送する第1の転送手段と、前記受信
に用いられた仮想的転送路についての対応関係が前記第
2の記憶手段に記憶されていない場合には、受信した情
報パケットに含まれる前記宛先端末情報をネットワーク
レイヤレベルで解析して次の転送先となるべきルータあ
るいは端末を決定し、この決定されたルータあるいは端
末と自ルータとの間に形成されている仮想的転送路を前
記第1の記憶手段を参照して特定し、この特定された仮
想的転送路を用いて前記情報パケットを転送する第2の
転送手段と、この第2の転送と共に、特定された前記仮
想的転送路についての対応関係を前記第2の記憶手段に
登録する手段とを主な構成要素として備えるものであ
る。
【0054】以下、本実施形態の制御メッセージを用い
ない通信システムの構成と動作について詳細に述べる。
【0055】図2は、本実施形態のATM網603内の
スイッチ604すなわちATM交換機604の構成例で
ある。スイッチ604は、情報パケット(ATMセル)
転送部641および経路制御テーブル642から構成さ
れている。経路制御テーブル642の一例を図3に示
す。スイッチ604は、ATM網内の端末間、端末60
2とルータ601の間あるいは複数のルータ間にあっ
て、ネットワーク・レイヤでのパケット転送処理を行わ
ずに、より下位のATMレイヤにおいて情報パケットを
転送する。情報パケット(ATMセル)を受信した情報
パケット転送部641は経路制御テーブル642を参照
し、情報パケットを送出すべきインタフェース(I/
F)及びVPI/VCIを検索し、情報パケットを適切
なI/FのVPI/VCIに転送する。
【0056】図4は、本実施形態の送信または受信する
端末602の構成例である。送信または受信する端末6
02は、ATMレイヤ処理部621、ATMセル・IP
パケット変換部622、IPレイヤ処理部623、VC
C管理部624および宛先管理部627から構成され
る。VCC管理部624は、VCC制御部625とVC
C管理表626から構成される。宛先管理部627は、
宛先管理表629と宛先管理表制御部628から構成さ
れる。
【0057】VCC管理表626の一例を図5に示す。
VCC管理表626はVCC管理部624が管理するV
CCについて、それぞれのVCC接続先のIPアドレ
ス、I/F、VPI/VCIおよびステータスを記憶す
る。ステータスは、そのVCCがどこかの送受信装置間
で既に使用されているかどうかを示すものである。
【0058】宛先管理表629の一例を図6に示す。宛
先管理表629は、情報を送信する宛先(例えば宛先端
末のIPアドレスあるいは宛先ネットワークのnetI
D等)とI/F及びVPI/VCIとの対応を記憶す
る。
【0059】図7は、本実施形態のルータ601の構成
例である。他の端末602あるいはルータ601との間
でVCCを用いて情報パケットを送受信し、ATMレベ
ルの処理を行うATMレイヤ処理部611、ATMセル
・IPパケット変換部612、IPレイヤ処理部61
3、VCC管理部614、バイパスパイプ管理部617
とから構成される。
【0060】VCC管理部614は、VCC制御部61
5とVCC管理表616から構成される。VCC管理表
616の一例を図8に示す。VCC管理表616は、送
受信装置602のVCC管理表626と同様の構造を有
する。
【0061】バイパスパイプ管理部617は、バイパス
パイプ制御部618とバイパスパイプ管理表619から
構成される。バイパスパイプ管理表619の一例を図9
に示す。本実施形態のように制御メッセージを用いない
通信システムのバイパスパイプ管理表619は、スイッ
チ604の経路制御テーブル642と同様の構造とな
る。なお、ルータ601が情報パケットを送信または受
信する端末(602)となる場合があっても一向に差し
支えない。
【0062】ここで、図2の通信システムの各装置等に
ついて、図10のように、各端末602をそれぞれホス
トH1およびホストH2と、各ATM網603をそれぞ
れATM網631,632,633と、各ルータ601
をそれぞれルータAおよびルータBと、各スイッチ60
4をスイッチa〜スイッチeと呼ぶこととする。本実施
形態では、図10のように、端末H1とルータA間、ル
ータAとルータB間、ルータBと端末H2と間にはVC
が張られている(PVC)。スイッチa〜eの経路制御
テーブル642夫々には、例えば図11(a)〜(e)
に示す初期設定がなされている。ホストH1、ホストH
2のVCC管理表626、ルータAとルータBのVCC
管理表616夫々には、例えば図12(a)〜(d)に
示す初期設定がなされている。
【0063】以下、送信端末による情報パケットの送出
手順を説明する。図13に、送信端末の情報パケットの
送出手順のフローチャートを示す。
【0064】送信すべき情報が発生すると(ステップS
101)、宛先管理表629を参照し、IPパケット内
のDestination IP Address(宛
先IPアドレス)に該当するエントリの有無を調べる
(ステップS102)。エントリが存在する場合には、
対応するI/F及びVPI/VCIを取得し(ステップ
S103)、所定のフォーマットでATMセル化して
(ステップS107)、送信する(ステップS10
8)。
【0065】エントリが存在しない場合には、IPレイ
ヤ処理部621内に存在する宛先IPアドレスと次ホッ
プIPアドレスの対応を格納したIP経路表(図示せ
ず)を参照してネクスト・ホップを決定する(ステップ
S104)。次に、VCC管理表626を参照してその
ネクスト・ホップに対応する使用可能なI/F及びVP
I/VCIを取得する(ステップS105)。取得した
I/F及びVPI/VCIに関するVCC管理表626
内のステータス欄を使用中に変更し、宛先管理表629
に新たなエントリを付加して更新し(ステップS10
6)、その後、取得したVPI/VCIを付加した所定
のフォーマットでATMセルを作成して(ステップS1
07)、送信する(ステップS108)。
【0066】次に、ルータによる情報パケットの取扱手
順を説明する。図14に、ルータの情報パケットの取扱
手順のフローチャートを示す。
【0067】ATMセルを受信すると(ステップS11
1)、ATMレイヤ処理部611において、受信したA
TMセルのI/F及びVPI/VCIに対応するバイパ
スパイプが存在するかどうか、バイパスパイプ管理表6
19を参照して調べる(ステップS112)。バイパス
パイプが存在する場合にはATMレイヤ処理部611で
交換を行い(ステップS114)、ATMレベルのみの
処理でATMセルをバイパスパイプに送出する(ステッ
プS116)。
【0068】バイパスパイプが存在しない場合には、A
TMセルをデセル化してIPレイヤ処理部613へ渡
し、IP経路表に基づいてネクスト・ホップを決定す
る。そして得られたネクスト・ホップのIPアドレスに
基づいてVCC管理表616を参照し、使用可能なI/
F及びVPI/VCIを獲得し、そのVPI/VCIを
付加して再びATMセル化して送信する(ステップS1
15,116)。それと同時に、バイパスパイプ制御部
618は、当該ATMセル受信時と送信時のI/F及び
VPI/VCIの組をバイパスパイプ管理表619に登
録し、バイパスパイプを新たに作成してバイパスパイプ
管理表619を更新する。これにより、このバイパスパ
イプ管理表619の更新後にルータに届く同一送信元、
宛先のATMセルは、ATMレイヤ処理部611におけ
るATMレベルのみの処理で高速に転送される。
【0069】帯域不足や障害発生等何らかの理由により
VCCを獲得できなかった場合には、ATMセル損失と
なる。バイパスパイプ管理表619が更新されるまでの
間は、後続のATMセルはATMレイヤ処理部611に
設けたバッファ(図示せず)で待機させる等して対処し
てもよい。
【0070】VCCは、基本的に双方向性である。ゆえ
に、各端末602およびルータ601がVCC番号の獲
得に際し、空いている番号を無秩序に確保しようとする
と、同じVCC番号を両側から確保してしまう事態が考
えられる。そこで、同じVCC番号をVCCの両端から
確保することがないように、一方のノードから確保でき
るPVCで張られたVCCの番号を、あらかじめ決めて
おくとよい。
【0071】バイパスパイプ管理表619からのエント
リの削除は、ATMレベルの(OAMセルのような)メ
ッセージ(ネットワーク・レイヤ・レベルの制御メッセ
ージとは異なる)を用いる方法や、バイパスパイプ中の
トラヒック等統計情報に基づいてエントリの削除を行う
方法等がある。
【0072】(実施形態1−2)上記の実施形態1−1
においては、端末602・ルータ601間およびルータ
601・ルータ601間に同じ機能のVCCが設定され
ていた。本実施形態では、端末602・ルータ601間
およびルータ601・ルータ601間にデフォルトVC
CとバイパスVCCを設定する。本実施形態では、ルー
タ602において情報パケットを従来通りIP転送した
い送信者は情報パケットの送信にデフォルトVCCを利
用し、情報を可能な限りATMレベルで転送したい送信
者は情報パケットの送信にバイパスVCCを利用する。
【0073】本実施形態の通信システムは、前述したよ
うな実施形態1−1の通信システムが主な構成要素とし
て備える構成において、前記送信端末の記憶手段には、
前記ルータの第2の記憶手段に対応関係を記憶すべき第
1の種類の仮想的転送路と、前記ルータの第2の記憶手
段に対応関係を記憶しない第2の種類の仮想的転送路
(例えばデフォルトVCC)とが区別して記憶されてお
り、前記送信端末の送信手段は、外部(例えばユーザ又
はアプリケーション)からの指示により前記2種類の仮
想的転送路から1種類を選択して用いるものであり、前
記ルータは、前記第2の種類の仮想的転送路を特定する
ための情報(例えばVCI又はVPI/VCI)を記憶
する第3の記憶手段を更に備え、前記受信手段で受信に
用いられた仮想的転送路についての情報がこの第3の記
憶手段に記憶されている場合には、前記第2の記憶手段
の参照及び前記第2の記憶手段への登録を行わず、第2
の転送手段により受信した情報パケットの転送を行うよ
うにしたものである。
【0074】本実施形態の制御メッセージを用いない通
信システムの構成と動作について詳細に述べる。
【0075】本実施形態1−2のスイッチ604は、実
施形態1−1と同様の構成である。
【0076】本実施形態の送信または受信する端末60
2の構成は、基本的には実施形態1−1の端末602と
同様であり、例えば図2のような構成を有する。但し、
本実施形態では、VCC管理部のVCC管理表の構成に
特徴がある。このVCC管理表626´の一例を図15
に示す。VCC管理表626´は、デフォルトVCC管
理表6261とその他のVCC管理表6262に分かれ
ている。デフォルトVCC管理表6261は、各VCC
の宛先毎にひとつずつ、デフォルトVCCとしてあらか
じめ定義されたVCCのVPI/VCIを記憶する。そ
の他のVCC管理表6262は、実施形態1−1の図5
のようなVCC管理表626と同様である。
【0077】本実施形態のルータ601は、実施形態1
−1と同様の構成である。但し、本実施形態の送信また
は受信する端末602と同様に、VCC管理部614の
VCC管理表の構成に特徴がある。このVCC管理表6
16´は、デフォルトVCC管理表6161(図示せ
ず)とその他のVCC管理表6162(図示せず)に分
かれている。デフォルトVCC管理表6161は、各V
CCの宛先毎にひとつずつ、デフォルトVCCとしてあ
らかじめ定義されたVCCのVPI/VCIを記憶する
ものであり、図15に示すデフォルトVCC管理表62
61と同様の構造を有する。その他のVCC管理表61
62は、実施形態1−1の図8のようなVCC管理表6
16と同様である。
【0078】本実施形態で述べる通信システムの一具体
例は、実施形態1−1の図10〜図12と同様である。
【0079】以下、送信端末による情報パケットの送出
手順を説明する。図16に、送信端末の情報パケットの
送出手順のフローチャートを示す。
【0080】送信すべき情報が発生すると(ステップS
121)、宛先管理表629を参照し、IPパケット内
のDestination IP Address(宛
先IPアドレス)に該当するエントリの有無を調べる
(ステップS122)。エントリが存在する場合には、
対応するI/F及びVPI/VCIを取得し(ステップ
S123)、所定のフォーマットでATMセル化して
(ステップS130)、送信する(ステップS13
1)。
【0081】エントリが存在しない場合には、IPレイ
ヤ処理部623内のIP経路表を参照してネクスト・ホ
ップを決定する(ステップS124)。従来のIPレベ
ルでの転送で充分な場合は、デフォルトVCC管理表6
261を参照し、ネクスト・ホップに対応するI/F及
びVPI/VCIを取得し(ステップS128)、宛先
管理表629を更新し(ステップS129)、所定のフ
ォーマットでATMセル化して(ステップS130)、
送信する(ステップS131)。可能な限りATMレベ
ルでの転送を望む場合には、その他のVCC管理表62
62を参照し、使用可能なI/F及びVPI/VCIを
取得し(ステップS126)、その他のVCC管理表6
262および宛先管理表629を更新し、所定のフォー
マットでATMセル化して(ステップS130)、送信
する(ステップS131)。
【0082】次に、ルータによる情報パケットの取扱手
順を説明する。図17に、ルータの情報パケットの取扱
手順のフローチャートを示す。
【0083】情報パケット(ATMセル)を受信すると
(ステップS141)、受信したATMセルのI/F及
びVPI/VCIに対応するバイパスパイプが存在する
かどうか、バイパスパイプ管理表619を参照して調べ
る(ステップS142)。バイパスパイプが存在する場
合には、ATMレイヤ処理部611で交換を行い(ステ
ップS143)、ATMレベルのみの処理でATMセル
をバイパスパイプに送出する(ステップS150)。
【0084】バイパスパイプが存在しない場合には、A
TMセルをデセル化してIPレイヤ処理部613へ渡し
(ステップS144)、IP経路表に基づいてネクスト
・ホップを決定する(ステップS145)。そのATM
セルがデフォルトVCCにより送信されてきたセルであ
る場合は、得られたネクスト・ホップのIPアドレスに
基づいてデフォルトVCC管理表6161を参照し、対
応するI/F及びVPI/VCIを取得し(ステップS
147)、そのVPI/VCIを付加して再びATMセ
ル化して(ステップS149)、送信する(ステップS
150)。
【0085】そのATMセルがバイパスVCCにより送
信されてきたセルである場合は、得られたネクスト・ホ
ップのIPアドレスに基づいてその他のVCC管理表6
162を参照し、使用可能なI/F及びVPI/VCI
を取得し(ステップS148)、そのVPI/VCIを
付加して再びATMセル化して(ステップS149)、
送信する(ステップS150)。それと同時に、バイパ
スパイプ制御部618は、当該ATMセル受信時と送信
時のI/F及びVPI/VCIの組をバイパスパイプ管
理表619に登録し、バイパスパイプを新たに作成して
バイパスパイプ管理表619を更新する。これにより、
このバイパスパイプ管理619の表更新後にルータ60
1に届く同一送信元、宛先のATMセルは、ATMレイ
ヤ処理部611におけるATMレベルのみの処理で高速
に転送される。
【0086】(実施形態2−1)次に、実施形態2−1
を説明する。本実施形態(および後述する実施形態2−
2〜実施形態2−13)は、制御メッセージを用いる通
信システムである。
【0087】制御メッセージには、送信する情報パケッ
トの宛先端末と自端末とを特定する情報(バイパスパイ
プID)が含まれており、この情報を解析してVCC管
理表から利用する仮想的転送路(VCC)を選択するの
で、制御メッセージを送る端末の都合で始端と終端が様
々なバイパスパイプを設定することができる。制御メッ
セージのフォーマットの一例を図18に示す。
【0088】本実施形態2−1のスイッチ604は、実
施形態1−1と同様の構成である。
【0089】図19は、本実施形態の送信または受信す
る端末602の構成例である。本実施形態の端末602
は、基本的には実施形態1−1の端末602と同様の構
成であり、ATMレイヤ処理部621、ATMセル・I
Pパケット変換部622、IPレイヤ処理部623´
´、VCC管理部624および宛先管理部627から構
成される。VCC管理部624は、VCC制御部625
とVCC管理表626´´から構成される。宛先管理部
627は、宛先管理表629´´と宛先制御部628か
ら構成される。本実施形態では、IPレイヤ処理部62
3´´内部に、先の実施形態のように情報パケットの送
受信を行う情報パケット送受信部6231と、制御メッ
セージの送受信を行う制御メッセージ送受信部6232
が設けられている。
【0090】宛先管理表629´´の一例を図20に示
す。本実施形態の宛先管理表629´´は、情報を送信
する宛先(例えば宛先端末のIPアドレスあるいは宛先
ネットワークのnetID等)とI/F及びVPI/V
CIとの対応を記憶する。また、本実施形態では、宛先
管理表629´´内の各宛先毎に利用するバイパスパイ
プIDが付与される。
【0091】VCC管理表626´´の一例を図21に
示す。本実施形態のVCC管理表626´´は、実施形
態1−2とほぼ同様の構造であり、デフォルトVCC管
理表6263とその他のVCC管理表6264に分かれ
ている。ただし、デフォルトVCC管理表6263は、
実施形態1−2のデフォルトVCC管理表6261と同
様の構造に加えて、各VCC毎に付与されたVCCID
を持ち、その他のVCC管理表6264も、実施形態1
−2のその他のVCC管理表6262と同様の構造に加
えて、各VCC毎に付与されたVCCIDを持つ。
【0092】図22は、本実施形態のルータ601の構
成例である。本実施形態のルータ602は、基本的には
実施形態1−1のルータ602と同様の構成であり、A
TMレイヤ処理部611、ATMセル・IPパケット変
換部612、IPレイヤ処理部613´´、VCC管理
部614およびバイパスパイプ管理部617から構成さ
れる。 本実施形態では、IPレイヤ処理部613´´
内部に、先の実施形態のように情報パケットの送受信を
行う情報パケット送受信部6131と、制御メッセージ
の送受信を行う制御メッセージ送受信部6132が設け
られている。制御メッセージ送受信部6132は、情報
パケットとは別にバイパスパイプの設定等の指示が入っ
た制御メッセージの送受信を行い、適宜VCC管理部6
14やバイパスパイプ管理部617にアクセスする。
【0093】VCC管理部614は、実施形態1−2と
同様であり、VCC制御部615とVCC管理表616
´から構成される。
【0094】バイパスパイプ管理部617は、実施形態
1−2と同様であり、バイパスパイプ管理表619´´
とバイパスパイプ制御部618から構成される。ただ
し、本実施形態では、バイパスパイプ管理部のバイパス
パイプ管理表の構成に特徴がある。このバイパスパイプ
管理表619´´の一例を図23に示す。図のように、
各バイパスパイプ毎にバイパスパイプIDが付加され
る。
【0095】本実施形態では、デフォルトVCCから制
御メッセージを受信すると、受信した制御メッセージの
指示に従ってバイパスパイプの設定・解放・経路変更を
行う。
【0096】本実施形態で述べる通信システムの一具体
例は、前述の図10と同様である。図10のように、端
末H1とルータA間、ルータAとルータB間、ルータB
と端末H2と間にはVCが張られている(PVC)。ス
イッチa〜eの経路制御テーブル642夫々には、例え
ば図24(a)〜(e)に示す初期設定がなされてい
る。ホストH1、ホストH2のVCC管理表626、ル
ータAとルータBのVCC管理表616夫々には、例え
ば図25(a)〜(d)に示す初期設定がなされてい
る。
【0097】以下、送信端末による情報パケットの送出
手順を説明する。図26に、送信端末の情報パケットの
送出手順のフローチャートを示す。
【0098】送信すべき情報が発生すると(ステップS
161)、宛先管理表629´´を参照し、IPパケッ
ト内のDestination IP Address
(宛先IPアドレス)に該当するエントリの有無を調べ
る(ステップS162)。エントリが存在する場合に
は、対応するI/F及びVPI/VCIを取得し(ステ
ップS163)、所定のフォーマットでATMセル化し
て(ステップS168)、送信する(ステップS16
9)。
【0099】エントリが存在しない場合には、IPレイ
ヤ処理部623´´内のIP経路表を参照してネクスト
・ホップを決定する(ステップS164)。バイパスパ
イプによる転送を希望しない場合は、デフォルトVCC
管理表6263を参照し、ネクスト・ホップに対応する
I/F及びVPI/VCIを取得し(ステップS12
8)、所定のフォーマットでATMセル化して(ステッ
プS168)、送信する(ステップS169)。バイパ
スパイプによる転送を希望する場合には、制御メッセー
ジを用いてバイパスパイプを作成して宛先管理表629
´´に登録し(ステップS166)、対応するI/F及
びVPI/VCIを取得し(ステップS163)、所定
のフォーマットでATMセル化して(ステップS13
0)、送信する(ステップS131)。
【0100】次に、ルータによる情報パケットの取扱手
順を説明する。図27に、ルータの情報パケットの取扱
手順のフローチャートを示す。
【0101】バイパスVCCから情報パケットを受信し
た場合は(ステップS171,172)、その受信した
I/F及びVPI/VCIに対応するバイパスパイプを
バイパスパイプ管理表619´´で検索して送信すべき
I/F及びVPI/VCIを取得し(ステップS17
3,174)、ATMレイヤ処理部611において交換
を行い(ステップS175)、ATMレベルのみの処理
でATMセルをバイパスパイプに送出する(ステップS
180)。
【0102】デフォルトVCCから情報パケットを受信
した場合は(ステップS180)、情報パケットをデセ
ル化してIPレイヤ処理部613´´へ渡し(ステップ
S176)、IP経路表に基づいてネクスト・ホップを
決定する(ステップS177)。得られたネクスト・ホ
ップのIPアドレスに基づいてデフォルトVCC管理表
616´を参照し、対応するI/F及びVPI/VCI
を取得し(ステップS178)、そのVPI/VCIを
付加して再びATMセル化して(ステップS179)、
送信する(ステップS180)。
【0103】(実施形態2−2)次に、実施形態2−2
では、実施形態2−1の通信システムにおける制御メッ
セージの取扱の一方法について述べる。本実施形態は、
バイパスパイプの設定・解放等を指示する制御パケット
を、そのバイパスパイプの構成要素として利用するバイ
パスVCCを通じて転送する方法、すなわち情報パケッ
トと制御パケットが同一のバイパスVCCにより転送さ
れる方法である。
【0104】本実施形態の通信システムは、情報パケッ
トを送信又は受信する端末と、情報パケットの転送を行
うスイッチとを含む少なくとも2つのネットワークと、
これらネットワーク間を接続する少なくとも1つのルー
タとからなる通信システムであって、前記スイッチは、
前記端末と前記ルータとの間、及び、前記ルータが複数
ある場合にはルータ間に、ネットワークレイヤレベルの
パケット転送処理を行わずに情報パケットが転送される
ような仮想的転送路(例えばVirtualChann
el Connection又はVirtual Pa
ss)が形成されるよう設定された経路制御テーブル
と、この経路制御テーブルを参照して情報パケットの転
送を行う手段とを備え、前記送信端末は、自端末とルー
タとの間に形成されている仮想的転送路の自端末が属す
るネットワーク内でユニークな識別情報(例えばVCC
ID又はVPI/VCI)を記憶する記憶手段と、この
記憶内容を参照して選択した仮想的転送路を用いて、送
信する情報パケットの宛先端末と自端末とを特定する情
報(例えばバイパスパイプID)を含むメッセージを送
信する第1の送信手段と、選択した前記仮想的転送路を
用いて、前記情報パケットを送信する第2の送信手段と
を備え、前記ルータは、自ルータと他のルータあるいは
端末との間に形成されている仮想的転送路の他のルータ
あるいは端末が属するネットワーク内でユニークな識別
情報(例えばVCCID又はVPI/VCI)を記憶す
る第1の記憶手段と、自ルータが接続する2つのネット
ワークのうち一方に属する仮想的転送路と他方に属する
仮想的転送路の対応関係(例えばVCIの対応又はVP
Iの対応)を記憶する第2の記憶手段と、前記送信端末
あるいは他のルータから転送されてきたメッセージに含
まれる前記宛先端末と自端末とを特定する情報をネット
ワークレイヤレベルで解析し、次の転送先となるべきル
ータあるいは端末と自ルータとの間に形成されている仮
想的転送路を前記第1の記憶手段を参照して選択し、こ
の選択された仮想的転送路と前記メッセージの転送に用
いられた仮想的転送路との対応関係を前記第2の記憶手
段に登録する登録手段と、前記送信端末あるいは他のル
ータから転送されてきた情報パケットを、ネットワーク
レイヤレベルのパケット転送処理を行わずに、前記第2
の記憶手段に記憶されている対応関係に従って転送する
手段とを主な構成要素として備えるものである。
【0105】ここで、図28に、本実施形態のバイパス
パイプ設定のメッセージ・シーケンスを示す。バイパス
パイプ設定時には、ルータR2からルータR4までのバ
イパスパイプの設定を指示するルータR2が、バイパス
VCCを通じてまずルータR3にバイパスパイプ・セッ
トアップ・メッセージ(Bypass Pipe Se
tupメッセージ)を送信する。Bypass Pip
e Setupメッセージを受信したルータR3は、さ
らにルータR4に対してバイパスVCCを通じてByp
ass Pipe Setupメッセージを送信する。
これを受けたルータR4は、バイパスパイプ・Ackメ
ッセージ(Bypass Pipe Ackメッセー
ジ)をバイパスVCCを通じてルータR3に送信し、さ
らにルータR3がルータR2にBypass Pipe
AckメッセージをバイパスVCCを通じて送信し、
ルータR2からルータR4に至るバイパスパイプが完成
する。
【0106】バイパスパイプの解放については、各ルー
タにおいてセル流監視を行い、適宜タイマーを用いてル
ータ独自の判断で解放する。
【0107】(実施形態2−3)本実施形態では、実施
形態2−1の通信システムにおける制御メッセージの取
扱の一方法について述べる。本実施形態は、ATMシグ
ナリングを利用してバイパスパイプの設定を行う方法で
ある。ATMシグナリングには、ATMシグナリング用
のwell known VCが利用される。
【0108】本実施形態の通信システムは、情報パケッ
トを送信又は受信する端末と、情報パケットの転送を行
うスイッチとを含む少なくとも2つのネットワークと、
これらネットワーク間を接続する少なくとも1つのルー
タとからなる通信システムであって、前記スイッチは、
前記端末と前記ルータとの間、及び、前記ルータが複数
ある場合にはルータ間に、ネットワークレイヤレベルの
パケット転送処理を行わずに情報パケットが転送される
ような仮想的転送路(例えばVirtualChann
el Connection又はVirtual Pa
ss)が形成されるよう設定された経路制御テーブル
と、この経路制御テーブルを参照して情報パケットの転
送を行う手段と、ATMシグナリング処理を行い、端末
とルータとの間に形成されている仮想的転送路を割り当
て、この割り当てた仮想的転送路の識別情報(例えばV
PI/VCI)を含むシグナリングパケットを端末及び
ルータへ送信する手段とを備え、前記送信端末は、自端
末の属するネットワーク内のATMシグナリング処理手
段へ、送信する情報パケットの宛先端末と自端末とを特
定する情報(例えばバイパスパイプID)を含むシグナ
リングパケット(例えばメッセージ)を送信する第1の
送信手段と、前記ATMシグナリング処理手段から割り
当てられた仮想的転送路を用いて、前記情報パケットを
送信する第2の送信手段とを備え、前記ルータは、自ル
ータが接続する2つのネットワークのうち一方に属する
仮想的転送路と他方に属する仮想的転送路の対応関係
(例えばVPI/VCIの対応)を記憶する記憶手段
と、一方のネットワークに属するATMシグナリング処
理手段から送信されてきたシグナリングパケットに含ま
れる前記宛先端末と自端末とを特定する情報をネットワ
ークレイヤレベルで解析し、他方のネットワークに属す
るATMシグナリング処理手段から次の転送先となるべ
きルータあるいは端末と自ルータとの間に形成されてい
る仮想的転送路を割り当ててもらい、この割り当てられ
た仮想的転送路と前記シグナリングパケットに含まれる
識別情報が示す仮想的転送路との対応関係を前記記憶手
段に登録する登録手段と、前記送信端末あるいは他のル
ータから転送されてきた情報パケットを、ネットワーク
レイヤレベルのパケット転送処理を行わずに、前記記憶
手段に記憶されている対応関係に従って転送する手段と
を主な構成要素として備えるものである。
【0109】図29に、本実施形態のバイパスパイプの
設定および解放のシーケンスを示す。ルータR2からル
ータR4へのバイパスパイプの設定を、ルータR2が指
示する場合のモデルである。ATM網内には、ATMシ
グナリングを取り扱う呼制御装置605がある。バイパ
スパイプの設定として3種類のシーケンスを列挙した。
【0110】(b)に示す設定1は、まずルータR2か
らルータR3に、そしてルータR3からルータR4に、
順次、呼制御装置605−1,605−2を介してAT
MシグナリングのSETUPメッセージが送信される。
その後ルータR4からルータR3に、そしてルータR3
からルータR2に、順次、呼制御装置605−2,60
5−2を介してATMシグナリングのCONNECTメ
ッセージが送信される。ルータR2にCONNECTメ
ッセージが返ってきた時点でバイパスパイプが完成す
る。
【0111】(c)に示す設定2は、まずルータR2か
らルータR3に呼制御装置605−1を介してATMシ
グナリングのSETUPメッセージが送信される。SE
TUPメッセージを受けたルータR3は、ルータR4に
対して呼制御装置605−2を介してSETUPメッセ
ージを送信すると同時にルータR2に対して呼制御装置
605−1を介してCONNECTメッセージを送信す
る。ルータR3からSETUPメッセージを受信したル
ータR4は、ルータR3に対してCONNECTメッセ
ージを送信する。二つのCONNECTメッセージがい
ずれもそれぞれのルータに届いた時点で、ルータR2か
らルータR4へのバイパスパイプは完成する。
【0112】(d)に示す設定3は、設定2と同じメッ
セージ・シーケンスを行った後、ルータR4がATMシ
グナリングではない独自の制御メッセージであるByp
ass Pipe AckメッセージをルータR2に送
信した時点でバイパスパイプが完成する。
【0113】一方、バイパスパイプの解放として2種類
のメッセージ・シーケンスを挙げた。
【0114】(f)に示す解放1は、設定1と類似して
いる。まずルータR2からルータR3に、そしてルータ
R3からルータR4に、順次,呼制御装置605−1,
605−2を介してATMシグナリングのREL(RE
Lease)メッセージが送信される。その後ルータR
4からルータR3に、そしてルータR3からルータR2
に、順次,呼制御装置605−2,605−1を介して
ATMシグナリングのRELCOM(RELease
COMplete)メッセージが送信される。ルータR
2にRELCOMメッセージが返ってきた時点でバイパ
スパイプが解放される。
【0115】解放2は、設定2に類似している。まずル
ータR2からルータR3に呼制御装置605−1を介し
てATMシグナリングのRELメッセージが送信され
る。RELメッセージを受けたルータR3は、ルータR
4に対して呼制御装置605−2を介してRELメッセ
ージを送信すると同時にルータR2に対して呼制御装置
605−1を介してRELCOMメッセージを送信す
る。ルータR3からRELメッセージを受信したルータ
R4は、ルータR3に対してRELCOMメッセージを
送信する。二つのRELCOMメッセージがいずれもそ
れぞれのルータに届いた時点で、ルータR2からルータ
R4へのバイパスパイプは解放される。
【0116】バイパスパイプの設定と解放は独立した手
続きであり、設定3種類と解放2種類をどのように組み
合わせて設定および解放を行っても構わない。
【0117】(実施形態2−4)本実施形態は、デフォ
ルトVCC等アウトバンドを利用し、ハード・ステート
でルータ間あるいはルータ・端末間の詳細なバイパスパ
イプの設定を行う方法である。
【0118】本実施形態の通信システムは、情報パケッ
トを送信又は受信する端末と、情報パケットの転送を行
うスイッチとを含む少なくとも2つのネットワークと、
これらネットワーク間を接続する少なくとも1つのルー
タとからなる通信システムであって、前記スイッチは、
前記端末と前記ルータとの間、及び、前記ルータが複数
ある場合にはルータ間に、ネットワークレイヤレベルの
パケット転送処理を行わずに情報パケットが転送される
ような仮想的転送路(例えばVirtualChann
el Connection又はVirtual Pa
ss)が形成されるよう設定された経路制御テーブル
と、この経路制御テーブルを参照して情報パケットの転
送を行う手段とを備え、前記送信端末は、自端末とルー
タとの間に形成されている仮想的転送路の自端末が属す
るネットワーク内でユニークな識別情報(例えばVCC
ID又はVPI/VCI)を記憶する記憶手段と、この
記憶内容を参照して選択した仮想的転送路の前記識別情
報、及び、送信する情報パケットの宛先端末と自端末と
を特定する情報(例えばバイパスパイプID)を含むメ
ッセージを送信する第1の送信手段と、選択した前記仮
想的転送路を用いて、前記情報パケットを送信する第2
の送信手段とを備え、前記ルータは、自ルータと他のル
ータあるいは端末との間に形成されている仮想的転送路
の他のルータあるいは端末が属するネットワーク内でユ
ニークな識別情報(例えばVCCID又はVPI/VC
I)を記憶する第1の記憶手段と、自ルータが接続する
2つのネットワークのうち一方に属する仮想的転送路と
他方に属する仮想的転送路の対応関係(例えばVCIの
対応又はVPIの対応)を記憶する第2の記憶手段と、
前記送信端末あるいは他のルータから転送されてきたメ
ッセージに含まれる前記宛先端末と自端末とを特定する
情報をネットワークレイヤレベルで解析し、次の転送先
となるべきルータあるいは端末と自ルータとの間に形成
されている仮想的転送路を前記第1の記憶手段を参照し
て選択し、この選択された仮想的転送路と前記メッセー
ジに含まれる識別情報が示す仮想的転送路との対応関係
を前記第2の記憶手段に登録する登録手段と、前記送信
端末あるいは他のルータから転送されてきた情報パケッ
トを、ネットワークレイヤレベルのパケット転送処理を
行わずに、前記第2の記憶手段に記憶されている対応関
係に従って転送する手段とを主な構成要素として備える
ものである。
【0119】また、好ましくは、情報パケット送信を送
信端末側で切り替えるために、前記端末は、前記第1の
送信手段により前記メッセージに加えて情報パケットを
も送信するものであり、前記ルータは、転送されてきた
情報パケットの受信に用いられた仮想的転送路について
の対応関係が前記第2の記憶手段に記憶されていない場
合には、受信した情報パケットに含まれる宛先端末情報
をネットワークレイヤレベルで解析して次の転送先とな
るべきルータあるいは端末を決定し、この決定されたル
ータあるいは端末へ前記情報パケットを転送する手段
と、前記登録手段による登録がされたことを前記送信端
末に通知する手段とを更に備え、前記送信端末は、この
通知を受けた後、情報パケットの送信を前記第1の送信
手段から前記第2の送信手段に切り替えて行うものであ
ることを特徴とする。
【0120】図30に、ルータAからルータDまでのバ
イパスパイプの設定/解放を、ルータAが指示する場合
の制御メッセージ・シーケンスの例をいくつか挙げた。
バイパスパイプの設定および解放に際しては、情報パケ
ットの転送効率を維持するため、1セル時間内でのAT
M経路制御テーブルの書換えが望ましい。ここでは、特
に図30(b)の設定1および(e)の解放2の手法に
ついて、さらに詳細に述べる。
【0121】図31〜図33に、設定時の制御メッセー
ジ・シーケンス図を示す。図中に示すように、各図にお
ける黒丸の記号はバイパスパイプ設定要求指示を行なっ
たルータを示し、四角の記号はATM・レイヤ・レベル
の設定が完了したことを示す。バイパスパイプ設定時の
制御メッセージは、隣接ルータに対し、デフォルトVC
Cを用いてホップバイホップに転送される。図31〜図
33における太い実線の矢印は制御メッセージを表す。
また、ルータ内部の状態変化とその時の動作を枠で囲ん
で示した。この枠内にある“AS(数字)”で示される
状態の具体的な動作は、図34に示す。
【0122】図34の各項目について図35を用いて説
明する。(c)のようなバイパスパイプ管理表は、バイ
パスVCCがどの入力ポートからどの出力ポートに出て
行くかを管理する。具体的には、バイパスパイプID毎
に状態とバイパスパイプに出力するパケット、そして、
入力側と出力側に項目が別れそれぞれポートとVCCI
Dが書かれている。ATM転送は、ルータ内部のATM
経路表を設定し、ATM転送を行う。(d)のようなI
P−VC対応表は、バイパスパイプの最初のルータでパ
ケットを転送する際に、パケットの宛先IPアドレスか
らどのVCに出力したらよいか決定する表である。この
表は、バイパスパイプが設定された時、バイパスパイプ
の入口側のルータで設定される。
【0123】図31は目的のルータまでバイパスパイプ
が設定された場合、図32は途中のルータまでバイパス
パイプが設定された場合、図33はバイパスパイプが設
定されなかった場合のメッセージ・シーケンスである。
以下、この3つの場合について説明する。
【0124】図31は、ルータAからルータDまでバイ
パスパイプが完全に設定された時のメッセージ・シーケ
ンスである。ルータAがバイパスパイプ設定指示を受け
ることが黒丸で示されている。指示を受けると、ルータ
AはパイプID=#1に関する内部状態を“アイドル状
態”から“設定要求送信状態”に移す。具体的には、バ
イパスパイプ管理表のパイプID=#1の状態を変更す
る。次に、バイパスパイプ管理表の出力側に使用したV
CCIDとポートを登録する。さらに、バイパスパイプ
設定要求メッセージをルータD宛への次段ルータである
ルータBに送信する。このメッセージには、パイプID
と使用するVCCIDと最終宛先アドレスと送信者アド
レスが含まれる。ここでは、パイプIDは#1、VCC
IDは#2、最終宛先アドレスはルータD、送信者アド
レスはルータAとする。ここでの最終宛先アドレスと送
信者アドレスは、IPパケットのヘッダ内のそれではな
く、バイパスパイプ設定メッセージの中にあるものであ
る。以上の一連の動作を図34では、“AS1”で示し
ている。
【0125】ルータBは、ルータAが送出したバイパス
パイプ設定要求パケットを受信することで動作を始め
る。まず、ルータAまでのバイパスVCCが使用でき、
ルータAがルータBへバイパスパイプを設定が許可され
ているかどうかを確認する。この条件をP1と呼ぶ。次
に、ルータBは受信パケットの最終宛先アドレスを見
て、自分がバイパスパイプの最後のルータであるかどう
か確認する。最後のルータになる条件は、「次にバイパ
スパイプ設定メッセージを送るルータへのリンクがAT
Mではない場合」または「最終宛先アドレスと同一サブ
ネットの場合」のどちらかである。今後、この条件をP
2と呼ぶ。ここで、次に送るべきルータへのリンクはA
TMで、最終宛先アドレスはルータDなので、ルータB
はバイパスパイプの最後のルータではない。ルータのパ
イプID=#1に関する内部状態を“アイドル状態”か
ら“設定要求受信状態”に変更する。次に、バイパスパ
イプ設定要求メッセージをルータD宛への次段ルータで
あるルータCに送信する。バイパスパイプ設定要求メッ
セージの内容は、パイプID、最終宛先アドレスはルー
タAから送られて来たものと同じで、VCCIDに関し
てはルータBが使用するVCCIDを入れる。メッセー
ジを送信し終えると、バイパスパイプ管理表の入力側と
出力側のパイプID=#1の項目に使用するVCCID
とポートをそれぞれ登録する。
【0126】ルータCも、ルータBと同様に、条件P1
によりルータBとルータCの間のバイパスVCCを使用
可能であることを確認し、条件P2によりバイパスパイ
プの最後であるかどうかを確認し、最後のルータでない
ことが分かる。その後、ルータBと同様な動作を行な
い、ルータDにバイパスパイプ設定要求メッセージを送
出する。
【0127】バイパスパイプ設定要求メッセージを受信
したルータDは、条件P1によりルータCとルータDの
間のバイパスVCCを使用可能であることを確認する。
自分がバイパスパイプの最後であるか条件P2を確かめ
る。この設定要求メッセージの最終宛先はルータDであ
るから、自分がバイパスパイプの最後のルータであるこ
とを認識する。ルータDは、内部状態を“アイドル状
態”から“出口状態”に変更し、バイパスパイプ設定応
答メッセージをバイパスパイプ設定要求メッセージが来
た方向すなわちルータCに返す。このメッセージの内容
は、パイプIDとVCCIDと送信元アドレスからな
る。送信元アドレスは、ルータDになる。次に、バイパ
スパイプ管理表の入力側にVCCIDとポートを登録す
る。
【0128】ルータCは、バイパスパイプ設定応答メッ
セージをルータDから受信すると、内部状態を“設定要
求受信状態”から“中継状態”に移す。バイパスパイプ
設定応答メッセージをバイパスパイプ管理表の入力側に
書いてあるVCCIDから前段のルータを認識し、ルー
タBに送出する。このとき、メッセージの内容は、パイ
プIDと最終宛先アドレス、送信元アドレスをそのまま
にして、VCCIDだけバイパスパイプ管理表に書いて
あるものを使う。最後にATM転送が出来るようにAT
Mの経路表を変更する。
【0129】ルータBは、バイパスパイプ設定応答メッ
セージをルータCから受信すると、ルータCと同様に動
作し、バイパスパイプ設定応答メッセージをルータAに
送る。
【0130】ルータAは、バイパスパイプ設定応答メッ
セージをルータBから受信すると、内部状態を“設定要
求送信状態”から“入口状態”に移し、バイパスパイプ
管理表の入力側にVCCIDとポートを登録し、IPパ
ケットの出力先をデフォルトVCCから現在設定したバ
イパスパイプに変更するため出力するパケットからVP
I/VCIに変換するIPアドレス−VC対応表にバイ
パスパイプに出力するIPアドレスとVPI/VCIを
登録する。また、図35(e)のようなIP経路表の仮
想次ホップIPアドレスを登録する。以上によりルータ
AからルータDへのバイパスパイプの設定が終了する。
【0131】次に、図32の場合を説明する。これは、
バイパスパイプが途中まで設定される場合である。図3
1の場合と同様にルータAがバイパスパイプ設定指示を
受けることが黒丸で示されている。ルータAからルータ
Cまでの動作は同じである。ルータDは、ルータCから
のバイパスパイプ設定要求パケットを受信すると、バイ
パスVCCが使用可能であるか条件P1を試す。その時
条件が満足されなかったとする。すると、ルータDは、
内部状態を“アイドル状態”のままにして、バイパスパ
イプ拒絶メッセージをルータCに返す。このメッセージ
の内容は、最終宛先アドレスと発信元アドレスとパイプ
IDとVCCIDを含む。最終宛先アドレスは、ルータ
Dであり発信元アドレスはルータAとして返す。
【0132】ルータCは、バイパスパイプ設定拒絶メッ
セージを受けると、内部状態を“設定要求受信状態”か
ら“出口状態”へと変更する。そして、バイパスパイプ
設定応答メッセージをルータBに送信する。この時、メ
ッセージの内容の最終アドレスをルータCとする。バイ
パスパイプ管理表の出力側を削除して動作を終える。
【0133】ルータB、ルータAに関しては図31の場
合と同様に動作し、最終的にルータAからルータCまで
のバイパスパイプが設定される。
【0134】図33は、バイパスパイプ設定要求を出し
たが、隣のルータBで拒絶され、バイパスパイプが作成
できない場合である。ルータBが、バイパスパイプ設定
要求メッセージを受信し、条件P1を調べて使用可能な
バイパスVCCがないと認識し、バイパスパイプ設定拒
絶を返す。ルータAが、バイパスパイプ設定拒絶メッセ
ージを受けると、内部状態を“設定要求送信”から“ア
イドル状態”へ移し、バイパスパイプ管理表の出力側を
削除する。最終的にバイパスパイプは設定されない。
【0135】次に、図36〜図38に、バイパスパイプ
解放時の制御メッセージのメッセージシーケンス図を示
す。図中、黒丸はバイパスパイプの解放を指示したルー
タである。図36〜図38における太い実線の矢印は制
御メッセージを表す。また、ルータ内部の状態変化とそ
の時の動作を枠で囲んで示した。この枠内にある“AR
(数字)”で示される状態の具体的な動作は、図34に
示す。
【0136】バイパスパイプの解放を行う主体は複数考
えられる。例えば、図36のように、バイパスパイプの
入口のルータが解放する場合、あるいは図37のよう
に、バイパスパイプの途中のルータが解放する場合であ
る。これらの場合、いずれについても、バイパスパイプ
が解放される時は部分的解放でなく、バイパスパイプ全
てを解放する。このメッセージもバイパス設定メッセー
ジと同様に隣接ルータ間のデフォルトVCCを用い、ホ
ップバイホップで転送される。
【0137】図36は、バイパスパイプの入口ルータが
解放指示を出す場合である。バイパスパイプの入口ルー
タであるルータAは、内部状態を“入口状態”から“解
放要求(下流)送信状態”へ移す。次に、送信パケット
がバイパスパイプを使わないように、IP−VC対応表
からこのバイパスパイプに該当するものを削除する。さ
らに、ルータBにバイパスパイプ解放要求(下流方向)
を出す。このパケットの内容は、解放したいパイプID
とVCCIDと発信元アドレスとが入っている。発信元
アドレスには、ルータAを入れる。
【0138】ルータBは、バイパスパイプ解放要求メッ
セージを受信すると、内部状態を“中継状態”から“解
放要求(下流)送信状態”に移す。バイパスパイプ管理
表の入力側を削除し、ルータAにはバイパスパイプ解放
応答(上流)を、ルータCにはバイパスパイプ解放要求
(下流)を送信する。バイパスパイプ応答メッセージの
内容は、パイプIDとVCCIDと発信元アドレスが入
っている。発信元アドレスには、ルータBを入れる。バ
イパスパイプ解放要求メッセージの発信元アドレスは、
このメッセージを最初に発行したルータAのアドレスを
入れる。
【0139】ルータCも,バイパスパイプ解放要求メッ
セージを受信すると,ルータBと同様の動作を行なう。
【0140】ルータDは、バイパスパイプ解放要求メッ
セージを受信すると内部状態を“出口状態”から“アイ
ドル状態”へ移す。次に、バイパスパイプ管理表の入力
側を削除し、バイパスパイプ解放応答メッセージを送出
する。
【0141】バイパスパイプ解放応答メッセージを受信
したルータ(ルータA,B,C)は、内部状態を“解放
要求(下流)送信状態”から“アイドル状態”に移す。
以上の動作を行なうことにより、バイパスパイプが解放
される。
【0142】図37は、中段のルータが解放指示を出す
場合である。ここでは、ルータBとする。バイパスパイ
プ解放指示を受けたルータBは、内部状態を“中継状
態”から“解放要求送信(上流)(下流)状態”に移
す。次に、ATM転送を終了するためにATM経路表の
削除を行なう。ルータAにバイパスパイプ解放要求パケ
ット(上流)とルータCにバイパスパイプ解放要求パケ
ット(下流)を送出する。
【0143】ルータC、ルータDは夫々、図36の場合
と同様の動作をする。
【0144】ルータAは、バイパスパイプ解放要求(上
流)を受信すると、内部状態を“入口状態”から“アイ
ドル状態”へ移す。次に、IPパケットの転送をバイパ
スパイプからデフォルトVCに移すため、バイパスパイ
プ管理表の使用者を参照し、IP経路表の仮想次段ルー
タを削除する。また、IP−VC対応表からバイパスパ
イプの項目を削除し、バイパスパイプ管理表の出力側を
削除する。バイパスパイプ解放応答(下流)メッセージ
をルータBに送り動作を終了する。
【0145】バイパスパイプ解放応答(下流)を受信し
たルータBは、内部状態を“解放要求(上流)(下流)
送信状態”から“解放要求(上流)送信状態”へ移す。
次に、バイパスパイプ管理表の入力側を削除して終了す
る。
【0146】図38は、バイパスパイプ解放の時の例外
処理として挙げた一例である。これは、ルータAとルー
タBが同時にバイパスパイプ解放要求メッセージを出し
た場合である。ルータAとルータBのバイパスパイプ解
放要求メッセージを出す時点では、上記の正常時の動作
と同じである。ルータBがバイパスパイプ解放要求メッ
セージを受信した時、内部状態を“解放要求(上流)
(下流)送信状態”から“解放要求(下流)送信状態”
へ移し、バイパスパイプ管理表の入力側を削除する。
【0147】ルータAは、バイパスパイプ解放要求メッ
セージを受信すると、内部状態を“解放要求(下流)送
信状態”から“アイドル状態”に移し、バイパスパイプ
管理表の出力側を削除する。
【0148】さて、ここまで述べてきたバイパスパイプ
設定および解放の手順と内部動作を、ルータ内部の状態
遷移としてまとめることとする。これまでのバイパスパ
イプの設定および解放の手順と内部動作に関しては、パ
ケットが必ず到達する正常時のみを記述してきたが、実
際にはパケットが無くなる可能性がある。そこで、要求
メッセージを送出した場合はタイマーを起動し、そのメ
ッセージに対する応答がない場合には、新たな動作を行
うものとする。
【0149】そのような状態遷移を、図39に示す。各
節(図中の枠)がルータ内部の状態を示し、9つの状態
が存在する。状態間の矢印は、次の状態に移ることを示
している。各矢印の横には、「状態が移る事象」と「そ
の時の動作」を示してある。例えば、アイドル状態の
時、設定要求指示が来た場合、状態をアイドル&設定要
求送信に移し、AS1の動作を行う。
【0150】なお、この状態遷移図には記述されていな
いが、実際には入口状態か中継状態か出口状態にあると
きにバイパスパイプがつながっているか定期的に確か
め、つながっていない時にはアイドル状態に戻る必要が
ある。
【0151】(実施形態2−5)本実施形態では、実施
形態2−1の通信システムにおける制御メッセージの取
扱の一方法について述べる。本実施形態は、デフォルト
VCC等アウトバンドを利用し、ソフト・ステートでバ
イパスパイプの設定を行う方法である。
【0152】本実施形態の通信システムは、前述した実
施形態2−4と同様に、情報パケットを送信又は受信す
る端末と、情報パケットの転送を行うスイッチとを含む
少なくとも2つのネットワークと、これらネットワーク
間を接続する少なくとも1つのルータとからなる通信シ
ステムであって、前記スイッチは、前記端末と前記ルー
タとの間、及び、前記ルータが複数ある場合にはルータ
間に、ネットワークレイヤレベルのパケット転送処理を
行わずに情報パケットが転送されるような仮想的転送路
(例えばVirtual Channel Conne
ction又はVirtual Pass)が形成され
るよう設定された経路制御テーブルと、この経路制御テ
ーブルを参照して情報パケットの転送を行う手段とを備
え、前記送信端末は、自端末とルータとの間に形成され
ている仮想的転送路の自端末が属するネットワーク内で
ユニークな識別情報(例えばVCCID又はVPI/V
CI)を記憶する記憶手段と、この記憶内容を参照して
選択した仮想的転送路の前記識別情報、及び、送信する
情報パケットの宛先端末と自端末とを特定する情報(例
えばバイパスパイプID)を含むメッセージを送信する
第1の送信手段と、選択した前記仮想的転送路を用い
て、前記情報パケットを送信する第2の送信手段とを備
え、前記ルータは、自ルータと他のルータあるいは端末
との間に形成されている仮想的転送路の他のルータある
いは端末が属するネットワーク内でユニークな識別情報
(例えばVCCID又はVPI/VCI)を記憶する第
1の記憶手段と、自ルータが接続する2つのネットワー
クのうち一方に属する仮想的転送路と他方に属する仮想
的転送路の対応関係(例えばVCIの対応又はVPIの
対応)を記憶する第2の記憶手段と、前記送信端末ある
いは他のルータから転送されてきたメッセージに含まれ
る前記宛先端末と自端末とを特定する情報をネットワー
クレイヤレベルで解析し、次の転送先となるべきルータ
あるいは端末と自ルータとの間に形成されている仮想的
転送路を前記第1の記憶手段を参照して選択し、この選
択された仮想的転送路と前記メッセージに含まれる識別
情報が示す仮想的転送路との対応関係を前記第2の記憶
手段に登録する登録手段と、前記送信端末あるいは他の
ルータから転送されてきた情報パケットを、ネットワー
クレイヤレベルのパケット転送処理を行わずに、前記第
2の記憶手段に記憶されている対応関係に従って転送す
る手段とを主な構成要素として備えるものである。
【0153】また、好ましくは、情報パケット送信を送
信端末側で切り替えるために、前記端末は、前記第1の
送信手段により前記メッセージに加えて情報パケットを
も送信するものであり、前記ルータは、転送されてきた
情報パケットの受信に用いられた仮想的転送路について
の対応関係が前記第2の記憶手段に記憶されていない場
合には、受信した情報パケットに含まれる宛先端末情報
をネットワークレイヤレベルで解析して次の転送先とな
るべきルータあるいは端末を決定し、この決定されたル
ータあるいは端末へ前記情報パケットを転送する手段
と、前記登録手段による登録がされたことを前記送信端
末に通知する手段とを更に備え、前記送信端末は、この
通知を受けた後、情報パケットの送信を前記第1の送信
手段から前記第2の送信手段に切り替えて行うものであ
ることを特徴とする。
【0154】図40にバイパスパイプ設定及び解放のメ
ッセージ・シーケンスを示す。ルータAからルータDへ
のバイパスパイプの設定および解放のモデルである。
【0155】ここでは、図40(b)の設定1に示す受
信者主導のソフトステート型のバイパスパイプ制御プロ
トコルについて詳細に述べる。
【0156】ルータAは、ルータDまでバイパスパイプ
を許可しバイパスパイプの経路を途中ルータに知らせる
ために、経路メッセージをルータDへ向けて定期的に流
す。途中のルータであるルータB、ルータCはこのメッ
セージを次のルータに転送するとともに、経路を記憶す
るため、バイパスパイプ管理表の前段ルータの項目に前
段ルータのIPアドレスを記入する。ルータBはルータ
AのIPアドレスを書き、ルータCはルータAのIPア
ドレスを書く。経路メッセージを受信したルータDは、
バイパスパイプ管理表の前段ルータの項目にルータCの
IPアドレスを書く。
【0157】ルータDがバイパスパイプを利用したい場
合、予約メッセージをバイパスパイプ管理表の前段ルー
タの項目にあるアドレス(ここではルータC)に送出す
る。バイパスパイプ管理表には、バイパスパイプとして
使用するバイパスVCCを入力側に登録する。予約メッ
セージは定期的に送出するので、タイマーT1を始動
し、これがタイムアウトすると再度同じメッセージを送
出する。
【0158】ルータCは、予約メッセージを受信する
と、自分がバイパスパイプの最初のルータでないことを
確認する。この条件を条件P3とする。自分が最初のル
ータでないことが確認されると、予約メッセージを前段
のルータBに送るともにルータB・ルータC間のバイパ
スVCCとルータC・ルータD間のバイパスVCCをA
TM転送ができるようにATM経路表を書き換える。ま
た、バイパスパイプ管理表の入力側と出力側にバイパス
VCCを登録する。最後に予約メッセージが定期的に流
れて来ることを監視するため、タイマーT2を始動す
る。
【0159】ルータBは、ルータCと同様な動作で、予
約メッセージを転送する。ルータAが予約メッセージを
受信すると、自分がバイパスパイプの最初のルータであ
ることを確認し、バイパスパイプ管理表の出力側にバイ
パスVCCを登録し、IP経路表とIP−VC対応表を
変更する。最後に予約メッセージが定期的に流れて来る
ことを監視するため、タイマーT2を始動する。以上に
より、ルータAからルータDへのバイパスパイプが設定
される。
【0160】なお、図40(c)の設定2に示す送信者
主導のソフトステート型のバイパスパイプ制御プロトコ
ルも受信者主導のものと同様に実現可能である。
【0161】バイパスパイプの解放の方法は2通りあ
り、1つは明示的に解放メッセージを送る方法、もう1
つは定期的に送られて来るはずの予約メッセージが来な
くなり、タイマーがタイムアウトしたときに解放すると
いう方法である。
【0162】図40(d)の解放1および(e)の解放
2には、明示的に解放メッセージを送る方法を記述し
た。ルータAから解放する解放1の場合は、ルータA
は、内部の状態を“入口状態”から“アイドル状態”に
移す。次に、バイパスパイプ管理表の出力側、IP−V
C対応表、IP経路表の仮想次段ルータを削除し、タイ
マーT2を終了する。解放メッセージを送出することで
明示的にルータBへ通知する。
【0163】ルータBが解放メッセージを受信すると、
内部状態を“中継状態”から“アイドル状態”に変更す
る。そのとき、ATM転送をやめるためATM経路表か
ら削除し、バイパスパイプ管理表の入力側と出力側も削
除する。タイマーT2を終了し、解放メッセージをルー
タCに出す。
【0164】ルータCは、ルータBと同じ動作をする。
【0165】ルータDが、解放メッセージを受信すると
内部状態を“出口状態”から“アイドル状態”へ変更す
る。次に、バイパスパイプ管理表の入力側を削除してタ
イマーT1を削除して終了する。
【0166】次に、ルータDからルータAへ解放メッセ
ージを流す解放2の場合も、基本的に解放1と同様であ
る。ルータDは、内部状態を“出口状態”から“アイド
ル状態”へ変更し、解放メッセージをルータCに送る。
また、バイパスパイプ管理表の入力側を削除し、タイマ
ーT1を終了する。
【0167】解放メッセージを受信したルータCは、内
部状態を“中継状態”から“アイドル状態”へ変更し、
バイパスパイプ管理表の入力側と出力側を削除して、A
TM経路表を書き換える。次に、解放メッセージをルー
タBに送出し、タイマーT2を終了する。
【0168】ルータBもルータCと同様に行い、ルータ
Aは、解放メッセージを受信すると、内部状態を“入口
状態”から“アイドル状態”に変更する。次に、バイパ
スパイプ管理表の出口側を削除し、IP経路表とIP−
VC対応表を削除し、タイマーT2を終了して終わる。
【0169】以上は、明示的な解放を示したが、途中で
解放パケットが紛失する場合があるので、ローカルのタ
イマーを使ってバイパスパイプを解放できるようにす
る。予約メッセージは、出口のルータから定期的に送ら
れてくる。そこで、この予約メッセージが来なくなった
ことを認識して、バイパスパイプを解放する。
【0170】各ルータは、タイマーT2を持ち、予約メ
ッセージが到着するたびにリセットする。予約メッセー
ジが来なくなり、このタイマーがタイムアウトすると、
内部状態を“アイドル状態”に変更し、バイパスパイプ
管理表とそれに関係するATM経路表、IP経路表、I
P−VC対応表を削除する。
【0171】さて、これまで述べてきたソフトステート
型のバイパスパイプの設定および解放について、状態遷
移図を図41に示す。内部状態を、4つの節(図中の
円)で示している。矢印が状態遷移を示し、その状態遷
移が起こる事象と動作を(事象/動作)の形で示してあ
る。“A(数字)”で示される状態の具体的な動作は、
図42に示す。
【0172】なお、送信者主導のソフトステート型のバ
イパスパイプの設定および解放については、図43およ
び図44に示す。この場合の手順等については、上記の
説明から明らかであるので、ここでの詳細な説明は省略
する。
【0173】(実施形態2−6)本実施形態では、実施
形態2−1におけるルータに、デフォルトVCCから情
報パケットを受信した場合に、ルータ自ら能動的にバイ
パスパイプを作成する機能を付加したルータについて述
べる。これにより、たとえ情報パケットの送信端末が意
図しなくとも、経路の中途のルータにより経路の一部に
バイパスパイプが形成され、情報パケットの転送の高速
化を図ることができる。図45に、本実施形態のルータ
の情報パケット取扱手順のフローチャートを示す。
【0174】情報パケット(ATMセル)を受信すると
(ステップS191)、受信したVCCがデフォルトV
CCであるか否か調べる(ステップS192)。
【0175】デフォルトVCCである場合には、ATM
セルをデセル化してIPレイヤ処理部613´´へ渡す
(ステップS193)。バイパスパイプを作成する場合
は、制御メッセージを用いてバイパスパイプを作成し
(ステップS195)、バイパスパイプ管理表619´
´に登録し(ステップS196)、送出すべきI/Fお
よびVPI/VCIを取得し(ステップS197)、そ
のI/FおよびVPI/VCIを付加して再びATMセ
ル化して(ステップS200)、送信する(ステップS
204)。一方、バイパスパイプを作成しない場合は、
IP経路表に基づいてネクスト・ホップを決定し(ステ
ップS198)、得られたネクスト・ホップのIPアド
レスに基づいてデフォルトVCC管理表を参照し、対応
するI/FおよびVPI/VCIを取得し(ステップS
199)、そのI/FおよびVPI/VCIを付加して
再びATMセル化して(ステップS200)、送信する
(ステップS204)。
【0176】デフォルトVCCでない場合には、バイパ
スパイプ管理表619´´でバイパスパイプを検索し
(ステップS201)、送出すべきI/FおよびVPI
/VCIを取得し(ステップS202)、そのI/Fお
よびVPI/VCIを付加して再びATMセル化して
(ステップS203)、送信する(ステップS20
4)。
【0177】(実施形態2−7)実施形態2−1以降の
例では、バイパスパイプの経路は、基本的にIP経路に
沿っている。図46のような構成の通信システムにおい
て、バイパスパイプの途中にあるルータR3のIP経路
表が変化した場合、ルータは次のような契機でIP経路
表の変更の事実を知る。
【0178】i)ルータ内におけるポーリングあるいは
通知 ii)pathメッセージあるいはreservatio
nメッセージによる通知 また、R3のIP経路表の変更に対して、次のような対
応の方法がある。
【0179】i)既存のバイパスパイプをそのまま使用
する ii)バイパスパイプの経路をIPの経路に沿ったものに
変更する 例えば、現状のUNIXの実装におけるIP経路表は、
エントリとして宛先アドレスと次段ルータと出力インタ
フェースという項目がある。本実施形態では、IP経路
表はこれら3つのエントリのみから構成されるものとす
る。バイパスパイプの経路をIPの経路に沿ったものに
変更する方法としては、以下の2つが考えられる。
【0180】i)バイパスパイプを構成する全てのバイ
パスVCCを解放した後、バイパスパイプを再構築す
る。バイパスパイプの経路上にある全てのルータがIP
経路を監視し、バイパスパイプに関連した経路が変わっ
た時に、バイパスパイプを構成する全てのバイパスVC
Cを解放するためのメッセージを送信する。このメッセ
ージは、メッセージを送信するルータが、関係する全て
の他のルータに直接送信するか、隣接ルータに送信する
と、隣接ルータが順次転送し、全てのルータが受け取る
必要がある。これを実現するためには、デフォルトVC
Cにデータとして送信するか、バイパスVCCの制御メ
ッセージとして送信する必要がある。制御メッセージの
例としては、B−ISDNにおけるOAM(Opera
tion,Administration and M
aintenance)プロトコルのVCレベルのOA
M情報のフロー(F5と呼ばれる)を用いる方法や、A
TMシグナリングを用いる方法がある。
【0181】全てのバイパスVCC解放後に、他の実施
形態に示したバイパスパイプ設定手順を用いてバイパス
パイプを作成し、経路変更が完了する。
【0182】ii)IPの経路変更に関係するバイパスV
CCを部分的に解放した後に、IPの経路に沿ったバイ
パスパイプを作成するのに必要なバイパスVCCを確保
して、バイパスパイプを再構築する。
【0183】(実施形態2−8)以上述べた実施形態
で、各ノード及びデフォルトVCCの障害は、公知のル
ーティング・プロトコルにより検出される。
【0184】バイパスVCCの障害検出に関しては、B
−ISDNにおけるOAMプロトコルのVCレベルのO
AM情報のフロー(F5)を用いることができる。バイ
パスパイプの障害検出に関しては、同じくOAMプロト
コルのバイパスパイプ・レベルのOAM情報のフローを
用いることができる。
【0185】(実施形態2−9)以上述べた実施形態
で、情報パケットの転送を、通常のIP転送からバイパ
スパイプを用いたATMレベルの転送に切替える時点に
ついては、以下の2通りの方法が可能である。
【0186】i)目的のノードまでバイパスパイプが設
定されてから、情報パケットの転送をバイパスパイプを
通すように変更する。 ii)隣接ノードまでバイパスパイプが設定されたら、情
報パケットの転送をできたところまでのバイパスパイプ
を通すように変更する。
【0187】バイパスパイプに情報パケットを流す以前
の情報パケットの取扱としては、以下の2通りが考えら
れる。
【0188】i)バイパスパイプ完成以前は、情報パケ
ットをデフォルトVCCを用いて転送する。 ii)情報パケットをバイパスパイプに通せるようになる
までは、バイパスパイプの入口で待機させる 現在のIPのようなコネクション・レスのネットワーク
・レイヤ・プロトコルの場合は、情報パケットの転送切
替の時点については上記のいずれも可能であり、バイパ
スパイプに情報パケットを流す以前の情報パケットの取
扱としては、バイパスパイプ完成以前は情報パケットを
デフォルトVCCを用いて転送するのが適当であろう。
【0189】コネクション・オリエンテッドのネットワ
ーク・レイヤ・プロトコルの場合は、情報パケットの転
送切替の時点については、目的のノードまでバイパスパ
イプが設定されてから情報パケットの転送をバイパスパ
イプを通すように変更し、バイパスパイプに情報パケッ
トを流す以前の情報パケットの取扱としては、情報パケ
ットをバイパスパイプに通せるようになるまではバイパ
スパイプの入口で待機させるのが適当であろう。但し、
ネットワーク・レイヤにおけるコネクションの設定要求
は、バイパスパイプ設定の制御メッセージ中にカプセル
化されるものとする。
【0190】(実施形態2−10)以上述べた実施形態
で、バイパスパイプを利用する各種のノードについて、
図46および図47の例を参照しながら説明する。図の
左方から右方に向かって、バイパスパイプに情報パケッ
トを流すものと仮定すると、ルータR2・ルータR4間
のバイパスパイプを利用する情報パケットの発信者の例
としては以下のノードが挙げられる。
【0191】i)イーサネットやルータを介してルータ
R2に接続する全てのノード(図46では、ホストH
1、ルータR1、ルータR2) ii)アドレス・プレフィクスが同一(例えば同一サブネ
ット)のノード(図46では、ホストH1、ルータR
1) iii )単一ノード(図46では、ホストH1) iv)単一ノードの単一アプリケーション(例えば、H1
port 300) また、ルータR2・ルータR4間のバイパスパイプを利
用する情報パケットの受信者の例としては以下のノード
が挙げられる。
【0192】i)イーサネットやルータを介してルータ
R4に接続する全てのノード(図46では、ホストH
2、ルータR4、ルータR5) ii)アドレス・プレフィクスが同一(例えば同一サブネ
ット)のノード(図46では、ホストH2、ルータR
5) iii )単一ノード(図46では、ホストH2) iv)単一ノードの単一アプリケーション(例えば、H2
port 256) (実施形態2−11)以上述べた実施形態で、バイパス
パイプを利用する各種のノードについて、図48を例に
とって述べる。図の左方から右方に向かって、バイパス
パイプに情報パケットを流すものと仮定すると、ルータ
R2・ルータR4間のバイパスパイプを設定したいと思
うノードの例としては以下のノードが挙げられる。
【0193】i)非ATM送信側ホストあるいはアプリ
ケーション(図48では、H1) ii)ATM送信側ホストあるいはアプリケーション(図
48では、H3) iii )初段のセルスイッチルータ(図48では、R2) iv)中間段のセルスイッチルータ(図48では、R3) v)最終段のセルスイッチルータ(図48では、R4) vi)ATM受信ホストあるいはアプリケーション(図4
8では、H4) vii )非ATM受信ホストあるいはアプリケーション
(図48では、H2) 上記iは、例えばST IIで実現可能であり、vii
は、例えばRSVPで実現可能である。その他は、バイ
パスパイプの制御メッセージで可能である。
【0194】また、ノードがバイパスパイプを設定を思
い立ち、制御メッセージを送信する契機には、次のよう
なものが挙げられる。
【0195】i)そのノードにおいて集計している統計
の値が規定値に達した場合 ii)次のメッセージを受信した場合 RSVPメッセージ(Path messageあるい
はReservation message等) ST II message(Connect mes
sageあるいはAccept message等) TCP syn or fin message iii )アプリケーションからの指示(例えば、ホストの
IP層もしくは上位層による帯域もしくはQoSの確保
を要求する指示)があった場合 また、バイパスパイプの解放の契機についても、同様に
考えられる。
【0196】i)そのノードにおいて集計している統計
の値が規定値に達した場合 ii)アプリケーションからの指示(例えば、ホストのI
P層もしくは上位層による帯域もしくはQoSの確保を
要求する指示)があった場合 ただし、ST IIのようなハードステート型のプロト
コルに対応する場合は、明示的な解放要求によってのみ
バイパスパイプが解放されるのに対し、RSVPのよう
なソフトステート型のプロトコルに対応する場合は明示
的な解放要求を受信した時だけではなく、定期的な帯域
保持要求(RSVPではRefleshmessag
e)を受信しなくなった場合に経路上の各ルータが個々
にバイパスパイプを解放する点が多少異なる。
【0197】(実施形態2−12)これまでの実施形態
では、VCはPVCであることを仮定していた。これら
のVCは、SVCであっても構わない。SVCの場合
は、送受信装置およびルータ内のVCC管理表のステー
タス欄は基本的には不要である。VCが必要になる度に
新たなVCを張ればよいからである。また、SVCを使
用するが、あらかじめVCを設定しておくことで、PV
Cと同様に扱うこともできる。この場合、VCC管理表
のステータスは必要である。この方法では、VCが張ら
れてから切られるまでの間の動作は、VCを利用した通
信方法と同様である。
【0198】また、これまでの実施形態では、あらかじ
めバイパスパイプ制御用にデフォルトVCCやいくつか
のバイパスVCCを張っておくことを仮定していたが、
あらかじめルータ間に一定の容量のVPを用意しておく
方法もある。この方法では、VP内でVCが確保されて
から解放されるまでの間の動作は、VCを利用した通信
方法と同様である。
【0199】さらに、全てのルータ間にメッシュ状にV
Pをあらかじめ用意しておくのではなく、通信を実施し
たい情報パケットの到来(そのルータ間での最初のVC
要求)を待ってルータ間にATMシグナリングでVPを
張るSVP(Switched VP)を利用する方法
もある。この方法を用いると、ATMシグナリングを用
いてVPが張られてからVPが切られるまでの間の動作
は、VPを利用した通信方法と同じである。
【0200】(実施形態2−13)これまでの実施形態
で述べてきたような機能を持つルータは、現在種々のネ
ットワークで使用されている既存のルータとの共存が可
能である。例えば、IPレベルでの交換機能しかもたな
い従来型のルータが、制御メッセージを用いてバイパス
パイプを作成しATMレベルでの交換を行う機能を持つ
ルータから制御メッセージを受けとった場合、その制御
メッセージを無視することによりバイパスパイプは作成
されず、各ルータではIPレベルの交換が行われる。つ
まり、これまでの実施形態で述べてきたような機能を持
つルータは、最低限従来からのIPレベルの交換が可能
であり、バイパスパイプを構成可能な高機能ルータや端
末が複数そろう等ある一定の条件が満たされた場合に、
ATMレベルでの情報パケットの高速な交換を実施可能
となる。
【0201】ここで、以下の実施形態で使う語句につい
て説明する。
【0202】直結VCは、上記のバイパスパイプを意味
する。
【0203】網間接続装置(IWU)は、上記のルータ
を意味する。
【0204】隣接VCは、上記のデフォルトVCCに相
当するものである。
【0205】(実施形態3)本実施形態は、これまでに
述べてきたルータについて概括したものである。
【0206】図49に、本発明の実施形態3に係るルー
タの構成図を示す。図中、太い線はデータパケット/セ
ルの流れを示し、細い線は制御情報の流れを示す。
【0207】本実施形態のルータは、複数のネットワー
ク・インタフェース部(以下、ネットワークI/F部と
呼ぶ)201、データリンク層交換部202、データリ
ンク層−ネットワーク層交換部203、ネットワーク層
交換部204、データリンク層コネクション設定判断部
205、データリンク層制御部206、ネットワーク層
制御部207を具備する。
【0208】このルータは、各ネットワーク・インタフ
ェース部201で、ATM−LANやEtherne
t、FDDIの様な所望のLANに接続されている。複
数存在するネットワークI/F部201のうち少なくと
も1つは、ATMのような仮想コネクション型のLAN
を収容するものとする。ここでは、ATM,Ether
netなどのLANをデータリンク層として扱ってい
る。
【0209】データリンク層交換部202は、ネットワ
ークI/F部201に接続するLANからデータリンク
層PDU(Protocol Data Unit)が
到着したとき、およびデータリンク層−ネットワーク層
交換部203からデータリンク層PDUが到着したとき
に、そのデータリンク層PDUのヘッダのアドレスを見
て出力ネットワークI/F部201を決めるものであ
る。出力ネットワークI/F部201を決めるために、
データリンク層(以下、L2と呼ぶ)ルーティングテー
ブルを内部に持つ。このテーブルの管理は、データリン
ク層制御部206が受け持つため、ここではデータリン
ク層PDUのヘッダアドレスを見て出力インタフェース
(出力I/F)を決定する。データリンク層交換部20
2を設けることで、ネットワーク層(以下、L3と呼
ぶ)交換のみの場合と比べて高速パケット/セル交換が
できる。
【0210】データリンク層−ネットワーク層変換部2
03は、L2からL3へ、およびL3からL2へのデー
タリンク層PDUの構成を行なう。例えばATMでは、
ATMセルがデータリンク層交換部202から入力され
た場合、ATMセルをL3パケットにアセンブルする。
また、L3パケットがネットワーク層交換部204から
入力された場合は、L3パケットをATMセルに分割す
るAALの処理を行なう。
【0211】ネットワーク層交換部204は、従来のル
ータで用いられているものと同様の機能を有するもので
あり、L3パケットの宛先アドレスを見て、L3ルーテ
ィングテーブルと比較して、出力I/Fを決定する。
【0212】データリンク層コネクション設定判断部2
05は、ネットワーク層パケットの入出力統計情報に基
づいて、ある一定数以上のパケットが入力・出力・通過
した場合、ネットワーク層交換部204で出力先が決定
されるネットワーク層転送からデータリンク層交換部2
02で出力先が決定されるデータリンク層転送に切替え
ることを決定する。この機能により、高速にパケット転
送することができる。ネットワーク層転送からデータリ
ンク層転送に切替える際にデータリンクコネクションを
データリンク層制御部206で設定する方法と、予めデ
ータリンクコネクションを設定しておき使っていないデ
ータリンクコネクションを用いる方法がある。切替えの
判断手法の詳細は後述する。
【0213】データリンク層制御部206は、データリ
ンク層がATMのようなコネクションオリエンテッドの
場合、コネクションの設定/開放、コネクション設定/
開放のパケットのリレーを行なう。ここで設定したコネ
クション情報をデータリンク層交換部202にあるデー
タリンク層ルーティングテーブルに登録/削除する。
【0214】ネットワーク層制御部207は、ネットワ
ーク層交換部204のルーティングテーブルを管理する
機能を持つ。ルーティングテーブルが静的な場合は、最
初の1度だけ設定される。動的ルーティングの場合は、
隣接するルータとの間で経路情報を交換し、ルーティン
グテーブルを管理する。隣接ルータとの経路情報交換
は、既存のルーティングプロトコルであるRIP,OS
PFなどを使用することが可能である。
【0215】次に、本実施形態のルータによるパケット
転送時の手順を2つ説明する。パケット転送手順1は、
ネットワーク層交換部204で行なわれるパケット転送
とデータリンク層コネクション判断部205で行なわれ
るコネクションの判断が別々の手順で並行して行なわれ
るものであり、パケット転送手順2は、ネットワーク層
交換部204とデータリンク層コネクション判断部20
5が協調し合うものである。
【0216】ここでは、バイパスパイプを用いたルータ
によるパケット転送についての概要を記述している。
【0217】まず、図50を参照しながらパケット転送
手順1を説明する。
【0218】ネットワークI/F部201からデータリ
ンク層PDUが入力されると(ステップS1)、データ
リンク層交換部202では、受信したデータリンク層P
DUの入力コネクションIDあるいはL2宛先アドレス
をキーとしてL2ルーティングテーブル(図50中のt
1)を検索する(ステップS2)。
【0219】検索が成功した場合は、そのエントリに書
かれている出力I/Fに渡し、出力コネクションIDを
書き換えて(ステップS6)、ネットワークI/F部2
01から送出する(ステップS13)。
【0220】一方、出力I/Fが上位層を示している場
合は、データリンク層−ネットワーク層変換部203に
渡しL2パケットをL3パケットに組み立てを行なう
(ステップS3)。例えば、ATMの場合はAAL処理
を行ない、ethernetの場合は、ヘッダを取り除
くことを行なう。L2パケットからL3パケットへの変
換が行なわれた後、そのL3パケットが自分宛かどうか
確認し(ステップS4)、自分宛のパケットの場合は、
ネットワーク層制御部207、データリンク層制御部2
06に渡す(ステップS5)。自分宛のパケットではな
く転送するパケットの場合は、送信のための以下のよう
な手続きを行なう。
【0221】まず、L3ルーティングテーブル(図50
中のt4)を参照し、パケットの宛先アドレスをキーと
して次ホップアドレスと出力I/Fを決定する(ステッ
プS8)。ここで、宛先アドレスとは、パケットを転送
する宛先アドレスのみでなく、ネットワークマスクやI
Pngで設定されるようなフローIDを含む。ネットワ
ークマスクを使用することで、宛先の1つのホストを特
定するのではなく、複数のホストのグループを特定する
ことができ、より大きな部分を指定することができる。
また、フローIDを用いることで宛先のホストの特定の
アプリケーションを特定することができ、より細かい指
定が出来るようになる。以下、宛先アドレスと示した場
合は、「宛先ホストのアドレス」、あるいは「宛先ホス
トのアドレスとネットワークマスク」「宛先ホストのア
ドレスとフローID」「宛先ホストのアドレスとネット
ワークマスクとフローID」のいずれかを指すものとす
る。
【0222】出力I/Fが決定すると、まずはじめに
「直接VCテーブル」(図50中のt3)を検索し、宛
先アドレスのエントリがあるか調べる(ステップS
9)。このテーブルは、データリンク層制御部206が
管理し、途中のルータでL3フォワードをせずに、L2
フォワードをしている場合にここに登録される。このテ
ーブルを引くことにより、L3アドレスから送出するパ
ケットに付けるべきコネクションIDが分かる。このテ
ーブルを用いることで、次段あるいはそれより遠くのル
ータでL2転送を行なうことが出来、高速なパケット転
送が可能になる。
【0223】直接VCテーブルを検索してもエントリが
見つからない場合は、「隣接VCテーブル」(図50中
のt2)を検索する(ステップS10)。このテーブル
は、同じLAN内に存在するルータ/端末が書かれてお
りホップバイホップにL3パケットを転送する場合に用
いる。
【0224】隣接VCテーブルにもエントリが無かった
場合は、出力コネクションIDがわからないので、AR
P(Address Resolution Prot
ocol)を用いてL3アドレスからL2アドレスを解
決し、コネクションを設定して、隣接VCテーブルにエ
ントリを登録しその出力コネクションIDを用いて出力
する(ステップS11)。
【0225】出力コネクションIDが決定したパケット
は、データリンク層−ネットワーク層変換部203にお
いて、L3パケットからL2パケットに変換され、ネッ
トワークI/F部201を通してLANに出力される
(ステップS13)。
【0226】次に、図51を参照しながらパケット転送
手順2を説明する。
【0227】パケット転送手順2は、パケット転送手順
1と基本的には同様であるので、主にその相違点を説明
する。パケット転送手順1で「直接VC」の検索に失敗
した後、「隣接VC」の検索を行なったが、パケット転
送手順2では、直接VCの検索に失敗した後、直接VC
を設定するか判断する(ステップS21)。そして、直
接VCを設定する(ステップS22)か、あるいは直接
VCを設定しない場合は前述したステップS10の隣接
VC検索以降の処理を行う。
【0228】なお、上記判断は、データリンク層コネク
ション設定判断部205で行なう方法もある。また、直
接VCの検索に失敗したら必ず直接VCを設定する方法
もある。
【0229】パケット転送手順1のステップS7からS
13と、パケット転送手順2のステップS7からS1
3,S21,S22は、パケット送出のための手順であ
り、ルータのみでなくパケットを送出する端末でも使用
することができる。
【0230】さて、次にデータリンク層コネクション設
定判定部205の一例を示す。
【0231】データリンク層コネクション設定判定部2
05は、ネットワーク層交換部204での統計情報によ
りデータリンク層コネクションの設定、開放を指示し、
その情報をデータリンク層交換部202のデータリンク
層ルーティングテーブルに反映させる。ある一定以上の
パケットを受信、送信あるいは転送すると、データリン
ク層コネクションを設定し、データリンク層ルーティン
グテーブルにこのコネクションを入れる。また、ある一
定以上の時間パケットが来なかった場合は、データリン
ク層コネクションを開放し、データリンク層ルーティン
グテーブルからそのエントリを削除する。この手順を図
52で説明する。
【0232】図52において、ネットワーク層パケット
統計情報(図52中のt5)は、ネットワーク層交換部
204でパケットを転送する時に更新されるカウント値
は、受信パケットの数である。受信パケットがある一定
値(CONST1とする)以上ある場合は、データリン
クコネクションを設定し、データリンク層ルーティング
テーブルにエントリを入れる。受信パケットがある一定
値(CONST2とする)以下の場合にはデーリンクコ
ネクションを開放し、デーリンク層ルーティングテーブ
ルのエントリを削除する。その後、統計情報をリセット
して、タイマーに設定された時間だけ待ち、繰り返し上
記処理を行なう。
【0233】例えば、CONST1=1にすることで、
始めのパケットだけパケット転送をし、次からはセル転
送に切替えることができる。
【0234】また、データリンク層コネクションの開放
の方法として、始めにある一定値(CONST3とす
る)をネットワーク層パケット統計情報表のカウント値
に入れ、時間が経過することでこの値を減少させ、0に
なった時点で開放する方法もある。
【0235】ここでは、ネットワーク層のパケット統計
情報を扱っていたが、これと同様にして、データリンク
層データの統計情報を扱い、データリンク層コネクショ
ンの開放をすることができる。
【0236】このように本実施形態によれば、通信頻度
の高いコネクションレス通信をほとんどコネクションオ
リエンティッドコネクションのように小さなオーバーヘ
ッドで転送可能となる。このような、高速コネクション
レスサービスクラスはネットワークレイヤの処理を行う
必要がなく、レイヤ3処理のオーバーヘッドが大幅に軽
減される。したがって、高速コネクションレスサービス
クラスのデーラグラム転送のレイテンシー特性が向上さ
れると同時に、一般のコネクションレスサービスもその
処理量が減少するので、高速な転送が実現される。さら
に、レイヤ3の処理量が減少するので、ネットワーク接
続装置がふくそう状態に陥る確率が小さくなる。
【0237】(実施形態4)次に、本発明の実施形態4
を説明する。
【0238】本実施形態は、これまでに述べてきたルー
タを利用して複数のネットワークを接続した際のネット
ワーク構成の概要を述べたものである。
【0239】本実施形態では、ネットワーク接続装置と
して例えば実施形態3のルータを利用して、複数のネッ
トワークを接続するものである。
【0240】図53〜図55には、3つのサービスクラ
スのレイヤ処理を示した。
【0241】図53は、コネクションオリエンティッド
サービスクラスであり、コネクションの設定フェーズに
おいてレイヤ2レベルのデータユニットリレーイングテ
ーブルが設定される。例えばレイヤ2がATMであると
すれば、レイヤ2のデータユニットリレーイングテーブ
ルはVCI/VPIの変換テーブルになる。
【0242】図54は、高速コネクションレスサービス
クラスであり、ネットワーク接続装置では、キャッシュ
テーブル参照機能230がレイヤ2レベルのキャッシュ
テーブルを用いることによって、レイヤ2レベルのデー
タユニットリレーイングが行われる。キャッシュテーブ
ルには、後述するようにデータリンクアドレスの変換情
報とデータリンクユニットがネットワーク接続装置を通
過したあとの時間経過を示すTTL情報がある。
【0243】図55は、通常のコネクションレス通信ク
ラスであり、ネットワーク接続装置(コネクションレス
プロトコルを処理するサーバーでも構わない)では必ず
ネットワークレイヤ処理が行われ、適切なデータリンク
コネクションにデータユニットがリレーイングされる。
【0244】1つのデータリンクコネクション内に複数
のコネクションレスパケットが多重化されるので、レイ
ヤ3データユニットがデータリンクでは複数のデータリ
ンクユニットに分割される場合には、データリンクレイ
ヤでネットワークレイヤのデータリンクを識別するため
の識別子を持っていないと、ネットワークレイヤデータ
ユニットのパイプライン伝送を行うことができないが、
例えばATMであれば、AAL3/4を用いてMIDを
利用することなどでネットワークレイヤデータユニット
のパイプライン伝送を行うことが可能である。
【0245】図56には、高速コネクションレスサービ
スクラスと一般のコネクションレスサービスクラス間の
状態遷移図を示した。
【0246】最初、コネクションは、一般のコネクショ
ンレスサービスクラスに設定される。パケットが到着す
ると送信元アドレスと宛先アドレスに対応するテーブル
のTTL値がセットされる。
【0247】TTLがエクスパイア(Expeir)す
る前で高速コネクションレスサービスクラスでキャッシ
ュテーブルからエントリーを外すことが可能なものがあ
れば、そのコネクションレスサービスクラスは高速コネ
クションレスサービスクラスへと状態を変え、高速コネ
クションレスサービスクラスのキャッシュテーブルにエ
ントリーされ同時にTTLがセットされる。ここで、コ
ネクションレスサービスクラスのエントリーからは削除
される。高速コネクションクラスにエントリーされる
と、1つのデータリンクコネクションが提供され、それ
を専有することになる。TTLがエクスパイアする前に
次のパケットが到着すれば、キャッシュテーブルのTT
Lは更新される。一方、TTLがエクスパイアすると、
キャッシュテーブルから削除可能な候補となる。
【0248】図57には、高速コネクションレスサービ
スクラスのキャッシュテーブルに設ける必要のある情報
を示した。ここでは、入力データリンクアドレスと対応
する出力データリンクアドレス、さらにTTL情報が設
けられる。例えば、ATMであれば、データリンクアド
レスはATMコネクションを示すVCI/VPIとな
る。
【0249】図58は、通常のコネクションレスサービ
スクラスに対するテーブルである。エントリーは、宛先
アドレス、送信元アドレス(どちらもネットワークレイ
ヤアドレス)およびTTLである。なお、このテーブル
へのエントリーは、すべてのデータグラムに対して行わ
れる必要はない。つまり、このテーブルにはエントリー
されないコネクションレス通信が存在することができ
る。
【0250】図59には、ネットワーク接続装置におけ
るデータユニットのリレーイングの様子を示した。3つ
のサービスクラスが定義されており、それぞれが、複数
のデータリンクコネクションを持つことができる。
【0251】(a)コネクションオリエンティッド通信
サービスクラスは、レイヤ2の処理のみが行われ次のデ
ータリンクコネクションにリレーイングされる。
【0252】(b)高速コネクションレス通信サービス
クラスは、レイヤ2キャッシュ情報テーブルを用いてレ
イヤ2アドレス情報を用いて次のデータリンクコネクシ
ョンにリレーイングされる。
【0253】(c)コネクションレス通信サービスクラ
スは、レイヤ3の処理が行われ、次の適切なデータリン
クコネクションにリレーイングされる。
【0254】上記した(b)のクラスと(c)のクラス
の間では、使用するデータリンクコネクションが動的に
変化することがある。つまり、1つの上位レイヤコネク
ションでも、コネクションのセッション中に使用するデ
ータリンクコネクションが変化する場合がある。例え
ば、1つのTCPセッションで、最初はパケットの送信
頻度が低く、コネクションレス通信サービスクラスで通
信を行っていて、FTPによりファイル転送を始めると
パケットの送信頻度が増加して、(b)の高速コネクシ
ョンレスサービスクラスに変化する。FTP終了後はパ
ケットの送信頻度が減少して、再び、コネクションレス
サービスクラスに変化する。さらにセッションを終了せ
ずに別のファイルをFTPすると、再び、パケットの送
信頻度が増加し、高速コネクションレスサービスクラス
に変化する。ただし、この場合の使用データリンクコネ
クションは、前回の高速コネクションレスサービスクラ
スで使用したデータリンクコネクションとは異なるのが
一般的である。
【0255】本実施形態によれば、通信頻度の高いコネ
クションレス通信をほとんどコネクションオリエンティ
ッドコネクションのように小さなオーバーヘッドで転送
可能となる。このような、高速コネクションレスサービ
スクラスはネットワークレイヤの処理を行う必要がな
く、レイヤ3処理のオーバーヘッドが大幅に軽減され
る。したがって、高速コネクションレスサービスクラス
のデータグラム転送のレイテンシー特性が向上されると
同時に、一般のコネクションレスサービスもその処理量
が減少するので、高速な転送が実現される。さらに、レ
イヤ3の処理量が減少するので、ネットワーク接続装置
がふくそう状態に陥る確率が小さくなる。
【0256】(実施形態5)次に、本発明の実施形態5
を説明する。
【0257】本実施形態は、VPを用いてバイパスパイ
プの制御および通信を行う場合について詳細に述べたも
のである。
【0258】図60に、本発明の実施形態5に係るAT
M網の構成を示す。このように本実施形態のATM網
は、ATM−LAN11〜18と網間接続装置(IW
U)1A〜1Fからなる。
【0259】ATM−LAN11〜18は、それぞれA
TM方式にて運用されるローカルエリアネットワークで
ある。これらのATM−LANは、例えばATMフォー
ラムなどの標準化団体の規定したプロトコルに従って運
用されていても良い。
【0260】網間接続装置1A〜1Fは、複数のLAN
(本実施形態の場合はATM−LAN)を、相互に接続
するための装置である。
【0261】本実施形態では、図60のようにATMイ
ンターネットを構成している。ATM−LAN11〜1
8は、IP(インターネットプロトコル)のサブネット
となっており、それぞれサブネットアドレス(サブネッ
トID)#1〜#8を有する。ここでは、ATMインタ
ーネットを構成するネットワークレイヤプロトコル/ネ
ットワークレイヤアドレスとして、IP/IPアドレス
を考えるが、ネットウエア/IPXや、AppleTa
lk等他のプロトコルについても同様に考えることがで
きる。
【0262】以下の説明では「サブネット」という言葉
を「ネットワークレイヤにおける単位ネットワークある
いはサブネット」という意味で用いることとする。
【0263】以上の説明からもわかるように本実施形態
においては、物理的なLAN(ATM−LAN)と理論
的なサブネット(IPサブネット)が一致している場合
(すなわち各ATM−LANが夫々1つのサブネットに
対応している場合)を示している。なお、1つのATM
−LAN内に複数のサブネットが論理的に構成される場
合についても、IWUがそれらの複数のサブネットに関
しても(網管理、データグラムの配送等の)サポートを
行うと考えた上で、同様の議論が可能である。
【0264】次に、ATM−LAN11〜18の内部構
造の一例として、図61にATM−LAN11の内部構
造を示す。図61では、ATM−LAN11は、ATM
スイッチノード21〜24および端末装置2A〜2Gを
含むものとして示してある。
【0265】ATMスイッチノード21〜24は、内部
にATMスイッチ(あるいはATMスイッチと同等の機
能を有する装置)を内蔵したスイッチング・ハブであ
る。ATMスイッチノード21〜24は、いくつかのポ
ートを有しており、これらポートを通して端末装置ある
いは他のATMスイッチノードと接続される。本実施形
態では、これらの接続インタフェースはATM方式であ
るとする。
【0266】端末装置2A〜2Gは、例えばPC、ワー
クステーション、プリンタ、サーバ等の装置であり、そ
れぞれATM−LANに直接接続されるためのATMイ
ンタフェース(あるいはATMインタフェースを持つタ
ーミナルアダプタ)を有する。
【0267】他のATM−LAN12〜18も、それぞ
れATMスイッチノード、端末装置から構成されてい
る。ただし、内部のATMスイッチノード間のトポロ
ジ、接続インタフェース速度、ノード数、端末数など
は、それぞれのATM−LANにおいて任意である。
【0268】前述のようにATM−LAN11は、例え
ばATMフォーラムに準拠したLANであるが、以下の
ような特徴を持つ。
【0269】(1)それぞれの端末装置あるいはATM
スイッチノードが、それぞれのリンクレイヤアドレス
(本実施形態の場合はATMアドレス)を持つ。また、
リンクレイヤアドレスは、1つのATM−LAN内にお
いて互いに重複しない。
【0270】(2)それぞれの端末装置あるいはATM
スイッチノードは、ネットワークレイヤアドレスとし
て、それぞれのIPアドレスを持つ。ネットワークレイ
ヤアドレスは、一般にグローバルユニークなアドレスで
ある。
【0271】(3)それぞれの端末装置あるいはATM
スイッチノードは、それらが属するATM−LANに対
してのブロードキャストチャネルを持つ。ブロードキャ
ストチャネルを介して、各端末装置あるいはATMスイ
ッチノードは、そのATM−LANに属する全ての他端
末/ノードに対して、同時にメッセージ(セル)を送出
することができる。
【0272】各々のATM−LAN内において、内部に
て使用されるVPI/VCI値は、各ATM−LANの
内部に存在するVPI/VCI値決定機能(図示せず)
が決める権限をもっており、この権限は各々のATM−
LANにおいて独立である。ATM−LAN内の端末装
置、ノードは、送出したい情報が存在する場合は、送出
先が該ATM−LAN内であるか否かにかかわらず、そ
の情報をATMセルに格納し、所定のATMセルヘッダ
を付与して、ATM−LAN内に送出する。
【0273】次に、網間接続装置(IWU)について説
明する。
【0274】ここでは、網間接続装置(ルータ)のハー
ド構成について記述している。
【0275】図62に、図60のIWU1A,1C,1
D,1Eに該当する網間接続装置の論理構成図を示す。
この網間接続装置は、2つのATM−LANとの物理イ
ンタフェースを有するものである。以下、このようなI
WUを「2ポートIWU」と呼ぶ。
【0276】2ポートIWUは、論理的に、網インタフ
ェース31,33、アッドドロップ及びヘッダ変換部
(アッドドロップ/ヘッダ変換部)32、AAL処理部
34、ルータ処理部35、リンクレイヤコネクション処
理部36、IWU制御部37からなる。
【0277】網インタフェース31,33は、ATM−
LANとの物理的なインタフェースを提供するものであ
り、IWUの各物理ポートごとに用意される。ここで
は、例えば、E/O変換,O/E変換、SDH処理、セ
ル同期処理、スクランブル処理/デスクランブル処理な
ど、伝送物理媒体上の信号とATMセルとの間の変換処
理を行い、アッドドロップ/ヘッダ変換部32との間
で、ATMセルのやりとりを行う機能を持つ。
【0278】アッドドロップ/ヘッダ変換部32は、網
インタフェース31,33から送られて来たセルのう
ち、あらかじめ設定されたATMセルヘッダ値(VPI
/VCI/PT値など)を有するセルをドロップし(引
き抜き)、AAL処理部34に対して渡す機能、あらか
じめ設定されたATMセルヘッダ値を有するセルのヘッ
ダを内部に有するヘッダ変換テーブルに従って変換し、
(AAL処理部34に送ることなく)反対側の網インタ
フェースに対して送出する機能、AAL処理部34より
渡されたATMセルを指定の方向(指定の方向のセル同
期部)に対して挿入、送出する機能を有する。
【0279】アッドドロップ/ヘッダ変換部32におい
て、ヘッダ変換テーブルに登録されていないATMセル
ヘッダ値を有するセルが入力された場合については、本
モジュール内にてそのセルは廃棄され、かわりに出力側
には空セルが挿入・出力されても良い。
【0280】AAL処理部34は、アッドドロップ/ヘ
ッダ変換部32より渡されたATMセルを、デセル化
し、上位レイヤパケット(例えばIPパケット)の形に
組み立て、宛先となる上位レイヤの処理部(本実施形態
では例えばルータ処理部やIWU制御部など)に対して
パケットを渡す機能、上位レイヤの処理部(ルータ処理
部など)から渡されたパケットを、セル化してアッドド
ロップ/ヘッダ変換部32に対して送出する機能を有す
る。
【0281】ルータ処理部35は、ネットワークレイヤ
処理を行うルータとしての機能(すなわちAAL処理部
34からデータグラム(例えばIPデータグラム)を受
取りこのデータグラムのルーチング処理を行うとともに
他ルータとの間でのルーチングプロトコル(例えばRI
PやOSPF等)のデータの授受や処理を行う機能)の
他に、後述する「ATMインターネット向けルーチング
プロトコル」のデータのやりとり及び処理を行い、その
処理結果によりリンクレイヤコネクション処理部36と
アッドドロップ/ヘッダ変換部32に働きかけ必要な処
理を行う機能も有する。
【0282】リンクレイヤコネクション処理部36は、
網インタフェース31,33を介して接続されるリンク
レイヤ(本実施形態の場合はATM−LAN)のコネク
ション処理、シグナリング処理、呼処理を行う機能を持
つ。
【0283】IWU制御部37は、IWU全体の制御を
行う機能を持つ(IWUの初期化等も行う)。
【0284】網間接続装置は、専用の装置を用いて構成
することも、PCやワークステーションなどの汎用の計
算機を用いて構成することも可能である。図63に、汎
用の計算機(本実施形態ではワークステーション)を用
いて、2ポートIWUを構成する場合の内部構成図を示
す。
【0285】図63の網間接続装置は、ワークステーシ
ョン(WS)41に、拡張ボードとして通信ボード42
を接続した構成となっている。WS41には、ATMイ
ンタフェースによる通信インタフェースが存在せず、通
信ボード42によりATMインタフェース機能を有する
ものとする。
【0286】通信ボード(ATM通信ボード)42は、
物理インタフェース対応部(A)421、セル同期部
(A)422、物理インタフェース対応部(B)42
3、セル同期部(B)424、アッドドロップ/ヘッダ
変換部425、AAL処理部426、バスインタフェー
ス部427からなる。
【0287】また、ワークステーション41は、CPU
411、メインメモリ412、バスインタフェース41
3、ハードディスク414、メインバス415、周辺バ
ス416からなる。なお、CRT、フレームメモリ、他
のネットワークインタフェース等は省略してある。
【0288】以下、上記の各ブロックの機能について説
明する。
【0289】はじめに通信ボード42について説明す
る。
【0290】物理インタフェース対応部421,423
は、物理伝送媒体(例えば光ファイバーや同軸ケーブ
ル、シールド無しツイストペアケーブルなど)と通信ボ
ード42内での処理物理方式(本実施形態では電気イン
タフェース)との互いの変換を行う機能を有する。ま
た、物理伝送媒体におけるATMセルの伝送方式として
SDH(Synchronous Digital H
ierarchy)などの伝送方式を適用している場
合、この伝送方式に適合させる機能も有する。また、物
理インタフェース対応部421,423の異常時に、そ
の旨を外部に知らせる機能や、初期設定のためのレジス
タなども有している。
【0291】セル同期部422,424は、物理インタ
フェース対応部421,423から入力されたビット流
から、ATMセルのHEC(Header Error
Control)フィールドを参照、演算して、AT
Mセル単位での同期をとる機能、アッドドロップ/ヘッ
ダ変換部425から送られてきたATMセルにHECフ
ィールドを計算、挿入する機能を有する。
【0292】ここで、物理インタフェース対応部(A)
421、セル同期部(A)422側のインタフェースを
A側インタフェースと、物理インタフェース対応部
(B)423、セル同期部(B)424側のインタフェ
ースをB側インタフェースと呼ぶこととする。A側、B
側の各インタフェースは、図62の網インタフェース3
1,33にそれぞれ対応するものである。
【0293】アッドドロップ/ヘッダ変換部425は、
セル同期部422,424から送られて来たセルのう
ち、あらかじめ設定されたATMセルヘッダ値(VPI
/VCI/PT値など)を有するセルをドロップし(引
き抜き)、AAL処理部426に対して渡す機能、あら
かじめ設定されたATMセルヘッダ値を有するセルのヘ
ッダを内部に有するヘッダ変換テーブルに従って変換
し、反対側のセル同期部に対して送出する機能、ALL
処理部426より渡されたATMセルを指定の方向(指
定の方向のセル同期部)に対して挿入、送出する機能を
有する。
【0294】また、アッドドロップ/ヘッダ変換部42
5において、ヘッダ変換テーブルに登録がされていない
ATMセルヘッダ値を有したセルが入力された場合につ
いては、本モジュール内にて該セルは廃棄され、かわり
に出力側には空セルが挿入・出力される。
【0295】AAL処理部426は、アッドドロップ/
ヘッダ変換部425より渡されたATMセルをデセル化
し、上位レイヤパケットの形に組み立て、これを格納
し、必要に応じてバスインタフェース427に対して送
出する機能、バスインタフェース427から渡された上
位レイヤパケットを格納し、これを必要に応じてATM
セル化し、アッドドロップ/ヘッダ変換部425に対し
て送出する機能を有していても良い。
【0296】バスインタフェース427は、ワークステ
ーション41の標準バスインタフェースと接続され、こ
の標準バスインタフェースから入出力されるデータと、
通信ボード内との仲立ちを行う機能と、標準バスインタ
フェースを介して得られたワークステーション側からの
通信ボード内の各種モジュールの設定命令あるいは通信
ボード内の各種モジュールからワークステーション側へ
の通知などを中継し、通信ボード内の各種ボード内の各
種モジュールの制御を行う機能を有する。
【0297】次に、ワークステーション41について説
明する。
【0298】CPU411は、ワークステーション41
のメインプロセッサであり、 (1)ワークステーション上で動作するオペレーティン
グシステム (2)ワークステーション上で動作する各種アプリケー
ションプログラム などがCPU411上にて稼動している。
【0299】また、本実施形態では、図63の構成が網
間接続装置として動作をするため、上記(1)、(2)
のソフトウエアの他に (3)網間接続装置としてのアプリケーションプログラ
ム 等のソフトウエアが動作をしている。
【0300】この網間接続装置としてのアプリケーショ
ンプログラムとは、 (3−1)網間接続装置としての制御/管理プログラム (3−2)網間接続装置とつながるリンクレイヤネット
ワーク(ATM−LAN)との間で、リンクレイヤコネ
クション(ATMコネクション)の設定、変更、切断、
管理のための制御プログラム (3−3)ネットワークレイヤ処理(ルータ処理)プロ
グラム (3−4)通信ボード42の制御プログラム 等を含む。
【0301】なお、ここで(3−2)のリンクレイヤコ
ネクション制御プログラムや、(3−4)の通信ボード
42の制御プログラムの一部はワークステーション41
のデバイスドライバとして実装されていてもよい(通信
ボード42はデバイスの一つとみなされる)。
【0302】メインメモリ412は、ワークステーショ
ン41の主記憶装置である。
【0303】バスインタフェース413は、CPU41
1からの指令により、メインバス415と周辺バス41
6とを電気的に接続/分離する機能を有する。
【0304】ハードディスク414は、周辺バス416
と接続される大容量記憶装置である。
【0305】ワークステーション41は、拡張スロット
を少なくとも一つ以上有しており、これらの拡張スロッ
トはそれぞれ周辺バス416と、そのバス(例えばSバ
スやTURBOバス、ISAバス、PCIバスなど)の
標準インタフェースを有するものとする。
【0306】また、本実施形態のワークステーション4
1においては、標準バスインタフェースを通して、通信
ボード42内のバスインタフェース部427内あるいは
バスインタフェース部427を介してAAL処理部42
6内に存在するメモリのアドレスが直接見えるような構
成になっていても良い。すなわち、CPU411は、直
接通信ボード42内のメモリ空間が、CPU411から
見えるアドレス空間(またはI/O空間)の一部として
見える構成となっている。
【0307】ワークステーション41と接続された通信
ボード42内のバスインタフェース部427は、前述の
ように通信ボード内の各モジュールの制御を行う機能を
CPU411からの命令により行うことができる。すな
わち、CPU411にて動作している。前述の網間接続
装置ソフトウエアからの命令に従って、CPU411は
バスインタフェース部427を通して通信ボード42内
の各モジュールに各種の設定を行う。
【0308】まずはじめに、CPU411上にて動作す
る網間接続装置ソフトウエアは、通信ボード42の初期
化を行う。初期化には、CPU411上にて動作する網
間接続装置ソフトウエアとしてのリンクレイヤコネクシ
ョン処理ソフトウエア、網管理ソフトウエア、ルータ処
理ソフトウエアと、網間接続装置と接続されるATM−
LAN内のコネクション設定機能、他のルータ等とのA
TMコネクション/上位レイヤコネクションの確立など
も含まれる。ATMコネクションの確立は、CPU41
1上にて動作する網間接続装置ソフトウエアがバスイン
タフェース部427を介してアッドドロップ/ヘッダ変
換部425に対して、「ある物理インタフェースから入
力されたATMセルのうち、所定のATMセルヘッダ値
を有するものはワークステーション41側にドロップす
る」、「AAL処理部426は、ドロップされたATM
セルをデセル化してバスインタフェース部427を介し
てCPU411(の網間接続装置のソフトウエア)に対
して渡す」、「CPU411(の網間接続装置のソフト
ウエア)からワークステーション外部に対してデータを
送出すべく、該データをバスインタフェース部427を
介してAAL処理部426に渡し、ここで所定のATM
セルヘッダ値を付与してATMセル化した後、アッドド
ロップ/ヘッダ変換部425にて適当な物理インタフェ
ース側に挿入・送出する」といった処理内容を具体的に
設定することにより行われる。
【0309】その際、ワークステーション41と通信ボ
ード42との間のデータのやり取りは、そのデータが運
ばれてきたあるいは運ばれる、A側あるいはB側の物理
インタフェースと、ATMセルのセルヘッダ値と共に伝
達する方式となっていても良い。
【0310】次に、網間接続装置をATMレイヤ処理の
みで貫通するATMコネクションについて述べる。
【0311】網間接続装置をまたがって設定されるAT
Mコネクションについては、CPU441上にて動作す
る各種プログラムによりその設定が行われる。実際の貫
通ATMコネクションの物理的な設定は、以下のように
して行われる。すなわち、CPU411上にて動作する
ソフトウエアがバスインタフェース部427を介してア
ッドドロップ/ヘッダ変換部425に対して、「特定の
ATMセルヘッダ値(例えばヘッダ値=X)を持った、
ある一方の側(例えばA側)の物理インタフェースから
入力されたATMセルについては、ヘッダ値を所定の値
(例えばヘッダ値=Y)に書き換えた後、もう一方の側
(例えばB側)に送出する」といった処理内容を設定す
る。逆方向のATMコネクション(例えばB→A方向の
ATMコネクションや双方向コネクション)が存在する
場合にも、アッドドロップ/ヘッダ変換部425に対し
て適宜設定を行う。これによって、例えばA側から入力
されたヘッダ値=XのATMセルは、ヘッダ値=Yに書
き換えられて、B側のインタフェースから出力される。
その際、網間接続装置内(通信ボード内)ではATMレ
イヤ処理のみが行われる。このようにして、通信ボード
42をATMレイヤ処理のみで貫通するATMコネクシ
ョンが設定できる。
【0312】なお、アッドドロップ/ヘッダ変換部42
5内に、UPC機能すなわちポリシング/シェイピング
機能を有していても良い。すなわち、特定のATMセル
ヘッダ値を有したセル流について流量監視を行ったり、
流量制限を行ったりすることが可能である。
【0313】次に、図64に、ATM−LANとの物理
的インタフェースが2以上である網間接続装置(図60
ではIWU1B、1Fに該当するもの)の論理構成図を
示す。以下、このようなIWUを「マルチポートポート
IWU」と呼ぶ。
【0314】マルチポートポートIWUは、論理的に、
網インタフェース51−1〜51−n、スイッチ入出力
処理部54−1〜54−n、ATMスイッチ57、AA
L処理部58、ルータ処理部59、リンクレイヤコネク
ション処理部60、IWU制御部61からなる。
【0315】網インタフェース54−1〜54−nは、
図62の網インタフェース31と同様の機能を有する。
【0316】スイッチ入出力処理部54−1〜54−n
は、網インタフェース51−1〜51−nから送られて
来たセルのヘッダ値(VPI/VCI/PT値など)参
照し、内部スイッチテーブルをもとに、ATMスイッチ
57におけるセルルーチングに必要なルーチングの付
与、削除を行う。また、セルヘッダ値の変換もここで行
う。
【0317】網インタフェースから入力されたセルのう
ちAAL処理部58に送られることなく、セルヘッダ変
換のみを受けて他の網インタフェースに送られたセル
は、ATMレイヤ処理のみでIWUを貫通する。
【0318】AAL処理部58は、ルーチングの付与、
削除機能を持つ以外は、図62のAAL処理部34と同
様の機能を有する。
【0319】ルータ処理部59、リンクレイヤコネクシ
ョン処理部60、IWU制御部61はそれぞれ図62の
ルータ処理35、リンクレイヤコネクション処理部3
6、IWU制御部37と同様の機能を有する。
【0320】図64の網間接続装置についても、専用の
装置を用いて構成することも、PCやワークステーショ
ンなどの汎用の計算機を用いて構成することも可能であ
る。
【0321】汎用の計算機(本実施形態ではワークステ
ーション)を用いて、マルチポートIWUを構成する場
合は、図64のAAL処理部58よりも左側を通信ボー
ドに格納するマルチポートの網インタフェースを持つ通
信ボードを用意すれば良い。ただし、計算機のCPU
は、スイッチ入出力処理部内のスイッチテーブルを適当
に設定し、貫通ATMコネクション、網インタフェース
と各種処理部59,60,61間のATMコネクション
の設定を行うことができる必要がある。
【0322】これらのIWUは、物理的に接続されるA
TM−LANのIPサブネットアドレス(サブネットI
D)をそれぞれ持つことになる。例えばIWU1AはA
TM−LAN11のIPサブネットID(=#1)と、
ATM−LAN12のIPサブネットID(=#2)を
持つ。また、IWU1BはIPサブネットID=#2,
#3,#5を持つことになる。
【0323】また、各IWUにおいて、各網インタフェ
ース(物理ポート)にはそれぞれ識別番号がつけられて
おり、IWU内のルータ機能は、網インタフェースごと
に、さらには仮想コネクション(VC)ごとに、データ
グラムを送出することができる。図60には、各IWU
において各網インタフェースにつけられた識別番号を示
してある。例えばIWU1Aにおいては、ATM−LA
N11とつながる網インタフェースには*A,ATM−
LAN12とつながる網インタフェースには*Bといっ
た識別番号がつけられている。
【0324】ここで、IWU内にデータリンクレイヤの
コネクション設定要求のリレーイング機能(例えばAT
Mフォーラム標準の網間シグナリングのリレーイング機
能)を設けることは必須ではない。すなわち、各ATM
−LANと、IWU間のインタフェースはUNI(ユー
ザ・網インタフェース)であっても良い。したがって、
本実施形態では例えばATM−LAN11とATM−L
AN12が、データリンクレイヤのコネクション設定機
能を用いて、IWUを跨がった両ATM−LAN間のエ
ンド−エンドのATMコネクションの設定が必ずしもで
きない状況をも想定している。
【0325】次に、本発明に係るATMインターネット
環境におけるデータグラムの配送方式について説明す
る。
【0326】図60において、各ATM−LANを既存
のLAN(イーサネット等)とし、各IWUを既存のル
ータとすれば、この構成は、既存のインターネット環境
と同様のものとなることがわかる。既存インターネット
環境に対して、図60の構成の有する相違点は、各LA
Nがコネクションオリエンテッド(CO)網である点、
各IWUが内部にデータリンクレイヤにおける各LAN
間のスルー機能(具体的にはATMレイヤ処理のみでの
網インタフェース間のスルー機能)がある点、ルータ処
理部内にて稼動しているルーチングプロトコル(ATM
向けルーチングプロトコル)がIWU内部のATMレイ
ヤのみのスルー機能の制御を司ることができる点にあ
る。
【0327】以下に、本実施形態におけるATMーLA
Nのインターネット環境の立ち上げ手順及び運用につい
て、図65のアルゴリズムを用いて具体的に説明する。
【0328】ここでは、VPを利用する場合のルータの
初期化について述べている。
【0329】例えば、図60において、IWUは1Bの
みが稼動中であり、他のIWUは未稼動であるものとす
る。この場合、ATM−LAN12,13,15は、そ
れぞれIWU1Bを介してLAN間接続がされており、
上記のATM−LAN間にまたがるデータグラム(IP
パケット)の転送は、IWU1B内のルータ機能を介し
て可能である。すなわち、例えばATM−LAN12内
の端末装置は、ATM−LAN15内の端末装置に対し
てデータグラムを送出する必要がある場合、まずIWU
1B(内のルータ機能)に対してデータグラムを送出す
る。IWU1B(内のルータ機能)は、データグラムの
宛先IPアドレス(サブネットID=#5が記されてい
る)を参照して、データグラムを該当サブネット(AT
M−LAN15)に対して送出する。
【0330】IWU(内のルータ機能)と、各ATM−
LAN内の端末装置間のデータグラムの送受方法につい
ては、各ATM−LANに依存する。例えば、各種端末
装置と、IWU(内のルータ機能)間にポイント−ポイ
ントのATMコネクションが張られている場合がある。
【0331】この状態では、ATM−LAN12,1
3,15間のLAN間通信のみが可能である。すなわ
ち、ATM−LAN11等は、ATM−LANに接続さ
れているIWUが稼動していないため、理論的に(サブ
ネットレベルで)スタンドアロンの状態となっており、
他のATM−LANとのデータグラムの送受はできな
い。
【0332】この状態で、IWU1Aが立ち上がる場合
を考える。IWU1Aのルータ処理部は、直接接続して
いるATM−LAN(ここでは11と12)のブロード
キャストチャネルを通して、パケットを送出する(ステ
ップS1001)。このパケットは、パケットを送出す
るLANと接続したルータに対して、ルーチング情報を
要求するパケットであり、いわゆる「ルータを探索す
る」パケットである。このようなパケットは、IWUの
ルータ処理部間で稼動するルーチングプロトコル(例え
ばRIPや、OSPF等)において生成、処理されるも
のである。以下、このパケットを「探索パケット」と呼
ぶ。探索パケット内には、自らのIPアドレス(ATM
−LAN11に送出パケットにはサブネットIDが#1
であるようなIPアドレス、ATM−LAN12に対し
てはサブネットIDが#2であるようなIPアドレス)
と、ルータが配送を担当しているサブネット(ここでは
#1、#2)についての情報(ルータ内部のルーチング
テーブル)を情報として含んでいる。
【0333】この探索パケットは、IWU1Bのルータ
処理部にて捕捉される(ステップS1001)。IWU
1Bは、サブネットID=#2のIPアドレスを有して
いるので、ATM−LAN12に属しているとみなされ
るため、ブロードキャストパケットはIWU1Bにも到
達する。
【0334】IWU1Bのルータ処理部にて捕捉された
検索パケットは、このルータ処理部にて解析される。ル
ータ処理部は、ATM−LAN12(あるいは網インタ
フェース*A)に、サブネットID=#1を担当してい
るルータが存在していることを探索パケットを通して知
ることができる。
【0335】ここで、IWU1Bは、IWU1A(のル
ータ処理部)との間に、データグラム配送用のATMコ
ネクションを張ることを試みる(ステップS1002〜
S1004)。ここで、本実施形態における両IWU間
に張るデータグラム配送用のATMコネクションは、バ
ーチャルパス(VP)とする。すなわち、IWU1B
は、ATM−LAN12のリンクレイヤコネクション設
定機能(ATM−LAN12がATMフォーラム準拠の
場合はシグナリング機能あるいは網管理機能)を使っ
て、VPを張ることを試みることとなる。
【0336】このVPは、QOSありのVPとしてもよ
い。すなわち、平均レートや、ピークレイト、レイテン
シ等を保証されたVPをする。また、このVPを特願平
5−258923における、QOS保証の最低値を定め
ることのできるVPとしても良い。また、このVPは、
後述するように今後の全ての両IWU間のデータグラム
配送の基本となるため、パーマネントVPとして確立し
ても良い。
【0337】このVPはIWU1B(のルータ機能)
が、データグラム配送を意図して、IWU1Aとの間に
張るATMコネクションである。このため、IWU1A
は、VP確立手順において、このVPがIWU1Bとの
間のデータグラム配送のためのものであるということを
シグナリング手順あるいはATM−LAN12の網管理
機能によるVP確立手段中において認識する必要があ
る。
【0338】また、一般にデータリンクレイヤのコネク
ション設定手順は、データリンクレイヤアドレス(本実
施形態の場合はATMアドレス)を用いて行われるた
め、上位レイヤアドレス(本実施形態の場合IPアドレ
ス)についての情報は交換されていない。したがって、
VP確立手順において「そのVPが、そのIPサブネッ
トとどのIPサブネット間とを接続するものであるか」
という上位レイヤのアドレス情報の交換も必要である。
【0339】本実施形態では、そのような情報の交換を
以下のように達成する。すなわち、IWU1Bは、シグ
ナリング手順、あるいは網管理機能によるVP確立手段
において、ユーザ・ユーザ情報(シグナリング手順など
において直接エンドユーザ間でやりとりすることができ
る情報領域)を通して、「これはデータグラム配送を意
図したVPの確立手段である」ということを伝える方法
である(ステップS1004)。
【0340】この情報の交換については、いくつかの方
法が考えられる。
【0341】第1の方法は、最初にIWU1AがIWU
1Bに送出する探索パケット内に、乱数、IWU1Aの
IPアドレス、あるいはサブネットIDなどの情報を格
納しておき、IWU1Bは、この値をユーザ・ユーザ情
報として用いて、データグラム配送用VPを確立する方
法である。IWU1Aは、シグナリング、あるいはAT
M−LAN12の網管理機能によるVP確立手段におい
てユーザ・ユーザ情報を見て、この情報が、自分が先に
送出した探索パケットに対する応答であることを知るこ
とができる。
【0342】第2の方法は、ユーザ・ユーザ情報(ある
いはシグナリング情報要素として)のデフォルト値とし
て、「データグラム配送用コネクションのシグナリング
手順」であることを意味する数値を用意しておくことで
ある。ただし、どの値をユーザ・ユーザ情報として用い
るかは、プロトコルとしてあらかじめ定めておく必要が
ある。このようにすることで、IWU1Aは、VPから
のパケットの受信先をルータ処理部とあらかじめ定める
ことができる。また、IWU1Bは、引き続いてルーチ
ング情報(IWU1Bが持つルーチングテーブル)を送
出することにより、IWU1Aは、ルーチン情報を登載
したIPパケットのソースアドレスを参照することによ
り、そのVPの接続先のIPアドレスを知ることができ
る。
【0343】第3の方法は、VPとして確立した後に
(この時点ではIWU1AはこのVPが何のためのVP
かわからない)、IWU1AはInARP(インバース
アドレスレゾリューションプロトコル)をこのVPに対
してかけることである。IWU1Bは、このInARP
に対して、自分のIPアドレスを回答する。これが終了
するまでは、ルーチング情報をIWU1Aに対して送出
しなくても良い。
【0344】なお、ここで確立するVPは、IWU間に
確立するものとする。後述するように、このVPはIW
Uにて必ず終端されるが、このVP内のいくつかのバー
チャルコネクション(VC)は、IWU内のルータ処理
部で終端されることなく、IWU内をATMレイヤ処理
のみでスルーする場合も有り得る。
【0345】まず、当初は隣接するルータ間すなわち同
一のATM−LANに接続されたルータ機能(本実施形
態ではIWUのルータ処理部)間において、データグラ
ムを配送するためのチャネル(バーチャルチャネル;V
C)をあらかじめ決めておいても良い。また、ルータ間
では、データグラム転送そのもののためのデータグラム
のやりとりと、ルーチング情報の交換などルータ間に閉
じたデータグラムのやりとりとがある。さらに、これら
を同一VP中の別々のVCとして使用しても良い。
【0346】いずれの場合も、IWU1B(のルータ処
理部)は、データグラム配送用VP内のVCを通して、
ルーチング情報をIWU1A(のルータ処理部)に送出
する。
【0347】IWU1Aは、IWU1B(のルータ処理
部)から送られてきたルーチング情報を参照し、ルータ
処理内部のルーチングテーブルを作成する(ステップS
1005,S1006)。
【0348】図66には、この時点における隣接するル
ータ間に確立されたデータグラム配送用コネクションの
初期状態の一例を示す。図67は、図66のIWU1A
内のルーチングテーブルを示す。図68は、図66のI
WU1B内のルーチングテーブルを示す。
【0349】このように、直接接続していないATM−
LANについては、複数のルータ経由にてデータグラム
を配送することになるため、次段のルータへとつながる
物理インタフェース、VPの識別子(VPI)及び隣接
ルータ間接続用のVCの識別子(VCI)等がルーチン
グテーブルに登録される。なお、直接接続していないA
TM−LANは、メトリック値によって示される。例え
ばメトリックがホップ数であれば、メトリック≧1の場
合である。
【0350】なお、以下では、隣接ルータ接続用のVC
あるいは同一のATM−LANに接続されたルータ機能
間に確立されるVCを、「隣接VC」と呼ぶ。
【0351】この時点では、2ホップ以上のホップ数で
ルーチングされる経路はないので、データグラムの配送
はすべてこの隣接VCを通して行われている。以下の実
施形態では、隣接VCは1本確立してあるのみの場合を
説明する。なお、隣接VCを複数本用意し、例えば宛先
サブネットごとに使い分けても良い。
【0352】次に、IWU1Cが立ち上がる場合を考え
る。IWU1Aの場合と同様に、IWU1Cのルータ処
理部は、直接接続しているATM−LAN(ここでは1
3と14)のブロードキャストチャネルを通して、探索
パケットを送出し、IWU1Bとの間にデータグラム配
送用のVPを確立し、更に各々のルータ処理部間に隣接
ルータ接続用のVCを、該VC内に確保する(ステップ
S1001〜S1006)。
【0353】この隣接VCを通してIWU1Bと、IW
U1Cはルーチング情報を交換する。また、ルーチング
情報の交換により更新された各IWU内のルーチンテー
ブルも、隣接VCを通して交換される。更新ルーチング
情報の交換はRIPやOSPF等の既存ネットワークレ
イヤルーチンプロトコルにて行われる処理である。
【0354】これら既存ネットワークレイヤルーチンプ
ロトコルによるルーチン情報の交換によって、IWU1
A内のルータ処理部は、数ホップ先にルータ1Cが出現
し、かつメトリックの値から、このルータがIWU1A
と同一のATM−LANには接続されていないことを認
識する(ステップS1007)。同様に、IWU1C
も、数ホップ先(自分が接続されたATM−LANとは
異なるATM−LAN上)にルータ1Aが存在すること
を認識する。当然ながらこの時点では、これらルータ処
理部間(IWU1Aと1Cの間)にエンド−エンドのデ
ータリングレイヤコネクション(本実施形態の場合はA
TMコネクション)は確立されておらず、両ルータ処理
部間でのデータグラムのやりとりは、IWU1B内のル
ータ処理部を介して行われることになる。
【0355】ここで、数ホップ先に直接エンド−エンド
のATMコネクションで接続されていないサブネットが
存在していることを認識したルータは、両ルータ間にエ
ンド−エンドのATMコネクションの確立を図り始める
(ステップS1008)。両ルータ間で、エンド−エン
ドのATMコネクションが確立された場合、両ルータ間
のデータグラムのやりとりは、このエンド−エンドのA
TMコネクションを通して行うことを意図する。以下、
この隣接していないルータ間で確立されるエンド−エン
ドのATMコネクションを、「直結VC」と呼ぶ。
【0356】「数ホップ先に、直接エンド−エンドのA
TMコネクションで接続されていないルータが存在して
いることを認識したルータ」として、ここではIWU1
Aの処理部を取り上げる。すなわち、IWU1Bとの間
の隣接VCを通したルーチング情報の交換により、数ホ
ップ先に新たなルータ(IWU1C)が出現したことを
(ルーチングテーブルのメトリックの値を通して)認識
し、この間(IWU1Aと1C間)の直接VCを張るこ
とを試みる。ここで、直結VCとはIWU1A(のルー
タ処理部)から、IWU1C(のルータ処理部)への片
方向VCである。逆方向、すなわちIWU1CからIW
U1A方向の直結VCは、IWU1C主導で確立するこ
とになる。
【0357】この処理を行う方法として、本実施形態で
は2つの方法(ステップS1009,S1010)を説
明する。ここでは、VPを利用してバイパスパイプの設
定を行う際の制御メッセージを用いた場合の設定手順に
ついて述べる。
【0358】まず、図69、図70を参照しながら、
「直結VC設定要求メセージ」を用いた方法(ステップ
S1009)を説明する。
【0359】さて、IWU1A(のルータ処理部)は、
ルーチングテーブルの参照によって、数ホップ先に直結
VCで結合されていないサブネットの存在を認識する
(ステップS2001)と、IWU1Cとの間に直結の
VCを張るべく、「直結VC設定要求メッセージ」を、
内部ルーチングテーブルに従って、次段のルータ(ここ
ではIWU1B)に向かって送出する(ステップS20
02,S2003)。「直結VC設定要求メッセージ」
は、両ルータ間の隣接VCを通して送出すれば良い。
「直結VC設定要求メッセージ」は、隣接するルータ間
をホップバイホップにて転送されるため、常に隣接VC
を通して転送される。
【0360】本実施形態では、隣接するルータ間はVP
パイプが確立されており、データグラム配送に用いる隣
接VCも直結VCも共に、このVPに収容する。
【0361】この場合の「直結VC設定要求メッセー
ジ」には、 (1)起点側ルータのIPアドレス (2)終点側ルータのIPアドレス (3)VPパイプ内の利用したいVCI値 の各値を少なくとも含ませる。
【0362】例えば、IWU1Aが、IWU1Cとの間
の(片方向)直結VCを、VCI=$yにて確立したい
とした場合は、上記(3)として、$yなる値を入れて
おく。その際、IWU1Aは、IWU1Bとの間のVP
内のVCI値=$yを捕捉する(ステップS200
4)。
【0363】なお、この時点で、IWU1Aは、IWU
1Cに向けてのデータグラムの送信をVCI値=$yに
て示されるVCを通して始めても良いし、メッセージの
送出の一定時間の後に送信を始めても良いし、IWU1
B側から「メッセージの受信確認」を何らかの形で受信
した後に送信を始めても良い。後述するように、どの場
合においても、このVCは、いずれかの途中経路のルー
タ処理部がその受信先となっているため、VCがたとえ
終点側のルータとエンド−エンドで直結されていないと
しても、VCを通してデータグラムの配送が可能であ
る。この時点で、IWU1A内のルーチングテーブルの
IWU1A内のルーチングテーブルのIWU1Cの宛先
データリンクレイヤ識別子(本実施形態の場合はVPI
/VCI値)は、この値(VCI=$y)が登録される
ことになる。ただし、メトリックの値は直結VCが確立
したからといって減少することはなく、そのままの値を
持つ。
【0364】IWU1Bは、前述のように「直結VC設
定要求メッセージ」をIWU1Aとの間の隣接VCを通
して受信する(ステップS2005)。IWU1Bは、
このメッセージを通して、「隣接VCを収容しているV
Pにおいて、VCI値=$yのVCは、IWU1Cとの
直結VCとして確立することを要求されている」という
ことを認識することができる。この時点で、VCI=$
yのVCの接続先をIWU1B内のルータ処理部となる
ように、IWU1B内のアッドドロップ/ヘッダ変換部
32あるいはスイッチ入出力処理部内のスイッチテーブ
ルを設定しても良いし、VP確立の時点で、あらかじめ
VP内の全VCI値について、接続先IWU1B内のル
ータ処理部となるようにしておいても良い(ステップS
2006)。この時点では、このVPのVCI値=$に
て示されるVCは、IWU1B内のルータ処理部に接続
されていることから、直結VCとはなっていないが、こ
のVCを通してデータグラムを最終的にIWU1Cに対
して送出することはこの時点でも可能である。
【0365】次に、IWU1B(のルータ処理部)は、
「直結VC設定要求メッセージ」の終点側ルータについ
て、自らのルーチングテーブルを参照して、次ホップと
なるルータを検索する(ステップS2007)。自ら
(IWU1B)が、終点側ルータとなる場合は、直結V
Cを自直結VCを自IWU(ルータ処理部)にて終端し
てしまえば良い(ステップS2008)。本実施形態の
場合は、終点側ルータIWU1Cは、IWU1Bと隣接
しているため、次ホップのルータはIWU1C自身とな
る(ステップS2009)。IWU1Bは、IWU1C
との間のVPにおいて、まだ利用していないVCI値
(例えば$b)を捕捉し、該VCを通して「直結VC設
定要求メッセージ」を、上記(3)の利用したいVCI
を$bに書き換えた上で次ホップのルータ(IWU1
C)に送出する(ステップS2010)。
【0366】ここで、IWU1Bにおいて、IWU1A
とIWU1Bの間のVPのVCI=$yにて示されるV
Cと、ATMレイヤにて直結することにより、直結VC
を生成することができる。「ATMレイヤによる直結」
は、「直結VC設定要求メッセージ」を受信したルータ
処理部自身が、2ポートIWUの場合は、アッドドロッ
プ/ヘッダ変換部32のヘッダ変換テーブルを、マルチ
ポートIWUの場合は、スイッチ入出力処理部内のスイ
ッチテーブルを、上記のように直接設定することによ
り、あるいはテーブル設定を司る処理機能に直接設定の
プリミティブを発行することにより行う。この点に、本
発明の1つの特徴がある(ステップS2011)。
【0367】このテーブル設定は、「直結VC設定要求
メッセージ」受信の直後に行ってもよいし、メッセージ
を次段のルータの送出いた一定時間後に行っても良い
し、次段のルータから「メッセージの受信確認」を何ら
かの形で受信した後に行っても良い。
【0368】図71に、上記のような手順を踏んだ後の
IWU1Aを起点としたデータグラム配送用の隣接VC
/直結VCの様子(途中状態)を示す。図72には、図
71のIWU1A内のルーチングテーブルを示す。な
お、図71には、IWU1Aを起点とするVC以外のV
Cについては示していない。
【0369】以上は、「直結VC設定要求メッセージ」
を用いた直結VCの確立方法であったが、その他、デー
タグラム配送用VP内の任意のVCを送信側が選択した
後、要求メッセージを事前に送信すること無く、該VC
を通してデータグラムを送出してしまう方法も考えられ
る(ステップS1010)。ここでは、VPを利用して
バイパスパイプの設定を行う際の制御メッセージを用い
ない場合の設定手順について、図73、図74を参照し
ながら説明する。
【0370】(1)初段のルータ(IWU)は、直結V
Cが設定されてなく、かつ、このルータが直接配送を担
当していない宛先サブネットへのデータグラムを受信し
た場合(ステップS3001)、そのサブネットまでの
直結VCを確立すべく、内部のルーチングテーブルを参
照して(ステップS3002)、次段のルータ(IW
U)を調べ、このルータ(IWU)へとつながるVP内
から、隣接VCとして使用されておらずかつ任意の未使
用のVCを1本捕捉し(ステップS3003)、該VC
を通して、該データグラムを送出する(ステップS30
04)。
【0371】(2)上記データグラムを受信した2段目
のルータ(IWU)は(ステップS3006)、隣接V
Cとして使用されていないVCから、データグラムを受
信したことにより「隣接するルータ(前段のルータ)は
該VCを受信したデータグラムの宛先サブネット宛の直
結VCとして使用することを希望している」ことを認識
する。2段目のルータは、内部のルーチングテーブルを
参照して、宛先サブネットに対する次段のルータ(IW
U)を調べ(ステップS3007,S3009)、次段
のルータへとつながるVP内から、上記(1)と同様に
未使用のVCを1本捕捉し、このVCを通して該データ
グラムを送出する(ステップS3010)と共に、該V
C(2段目のルータと3段目のルータ間のVC)と、初
段と2段目のルータ間のVCとを、内部のヘッダ変換機
能あるいはスイッチテーブルに適当に設定することによ
り、ATMレイヤにて直結する(ステップS301
1)。また、データグラムの宛先サブネットがルータ処
理部が配送を担当するサブネットである場合は、直結V
Cの転送先をIWU内部のルータ処理部とする(ステッ
プS3008)。
【0372】(3)3段目以降のルータ(IWU)につ
いても、上記(2)と同様の動作を行う。
【0373】(4)最終段のルータ(IWU)は未使用
のVCから、自IWUが配送を担当するサブネット宛の
データグラムを受信することにより、これが自分宛の直
結VCであることを認識する(ステップS3008)。
【0374】以上の手順を用いることにより、「直結V
C設定要求メッセージ」を用いること無く、直結VC環
境を構築していくことができる。また、この方法では、
実際に送信されるデータグラムが存在する経路にのみ直
結VCが構築されることから、実際に使用されることの
無い、無駄な直結VCの確立を行わなくてもすむという
利点もある。
【0375】なお、その際、データグラム配送用VP内
の全VCについて、その受信先がIWU内のルータ処理
部となるようにあらかじめアッドドロップ/ヘッダ変換
部、あるいはスイッチテーブルに設定されている必要が
ある(ステップS3005)。
【0376】以上、直結VCを確立する方法を2通り述
べた。
【0377】ここまでの説明からわかるように、本ルー
チング方式は、RIP、OSPF等の既存ルーチングプ
ロトコルにより指示されたルーチング経路に沿って、直
結のデータリンクレイヤコネクション(本実施形態の場
合はATMコネクション)を確立する方式である。
【0378】ここでは、IWU1A主導の直結VC確立
手順について説明したが、(1)IWU1Aのルーチン
グテーブルに、数ホップ先に、直接エンド−エンドのA
TMコネクションで接続されていないルータが存在して
いることを認識した場合は、上記と同様の手順で直結V
Cの確立を試みること、(2)その他の全てのIWU
(のルータ処理部)が、同様にIWU自身を起点とする
直結VCの確立を行うこと、により、最終的に全てのI
WU(内のルータ処理部)間(正確にはIWU内のルー
タ処理部と2ホップ以上はなれたサブネットを収容する
ルータ処理部間;したがって同一のIWU間に複数本の
直結VCが確立されることも有り得る)に、メッシュ状
の直結VCを確立することができる。
【0379】図75に、各隣接IWU間に張られるVP
81〜87の様子を示す。
【0380】図76には、IWU1Aを起点としたデー
タグラム配送用の隣接VC及び直結VCが上記VP内に
確立されている様子(最終状態)を示す。図中91はI
WU1Bとの間の隣接VCであり、92〜95は直結V
Cである。IWU1Aと同様に、各IWU(のルータの
処理部)を起点として、隣接VC、直結VCが確立され
ている。図77には、図76のIWU1A内のルーチン
グテーブルを示す。
【0381】ここで例として、図78にIWU1Bを起
点としたデータグラム配送用の隣接VC/直接VCの様
子(最終状態)を、図79に図78のIWU1B内のル
ーチングテーブルを示す。図中91はIWU1Aとの間
の隣接VCであり、IWU1Aと共用してもよい。この
場合、隣接VCは双方向VCである。102〜104は
隣接VC、105はサブネット#8との間の直結VCで
ある。
【0382】このように、各IWUからみてホップバイ
ホップの配送を用いれば、2ホップ以上が必要であった
データグラムの配送にて、本発明のIWU(ルータ)及
びデータグラム配送方式(ルーチング方式)を用い途中
段のIWUをデータリンクレイヤ(本実施形態の場合は
ATMレイヤ)処理のみにてスルーさせ、直結VCを通
してデータグラムの配送を行うことができるため、途中
経由するルータ(レイヤ3処理エンティティ)は高々2
つとすることができ、大幅なデータグラム配送の高速化
を図ることができる。
【0383】以下では、ルータ内でのバイパスパイプの
QOS(Quality of Service)確保
について述べる。
【0384】隣接VCと直結VCは、共に当初に確立さ
れた隣接ルータ間のVP内に確立される。このVPは、
1つのATM−LAN内に閉じたものである。その終点
となるIWUがそれぞれ、同一のATM−LANに接続
されている。前述のように、このVPについては、QO
Sを確保したものとして確立し、ルータ間を配送される
データグラムを、全てこのVP内の隣接VCあるいは直
結VCを通して配送する。このため、これら1本のVP
に多重化されたVC全体で、VPに関して確保されたQ
OSが確保される形となり、このQOSが、ルータ間を
配送されるデータグラム全体において確保されるQOS
となる。なお、このVPは双方向のVPとしてもよく、
双方向及び両方向に向かう片方向VCがこの同一のVP
内に収容されても良い。
【0385】なお、例えば図71などを見ればわかるよ
うに、該VPはATM−LAN内に閉じたものであり、
IWU内のATMスイッチ(あるいはヘッダ変換機能)
では基本的にQOSは確保されない。VPはATMスイ
ッチを貫通していないため、IWUのATMスイッチに
おいて、該VP内のVCはそれぞれの出力ポート(ルー
タ処理部あるいは他出力ポート)のVPにスイッチング
されるが、その際に複数の入力からのトラヒックが特定
の出力ポートに集中すると輻輳が発生する。このため、
IWU内に実装するATMスイッチは、他に配置される
ATMスイッチと比較してセル廃棄率の少ないものとす
ることが望ましい。
【0386】なお、上記特定の出力ポートに対するトラ
ヒックの集中により、ATMセル/パケットの廃棄が起
こり得る場合には、一時的に直結VCの接続先をIWU
内のルータ処理部に切り替え、セル廃棄を回避させても
良い。この場合、直結VCを途中で終端することにな
り、データグラムの経由ルータ処理部の数が少なくとも
1つ増えることになるがデータの廃棄、これにともなう
レイテンシの増加、データ再送によるトラヒックの増加
を防ぐことが可能となる。
【0387】以下では、ソフトステートでバイパスパイ
プの設定をすることについて触れる。
【0388】送信側IWU(のルータ処理部)は前述の
「直結VCメッセージ」は、一定時間ごと(例えば30
秒ごと)の送出してもよい。これは例えば、直結VCの
途中段(中継段)のIWUは、直結VCについてタイム
アウト値を有しており、このタイムアウト値が「直結V
C設定要求メッセージ」の受信によりリセットされると
いった使用方法が考えられる。これにより、すでに使わ
れなくなっている直結VCがガーベージとして残ること
を防ぐことが可能となる。
【0389】また、直結VCの途中段のIWUが、各直
結VCについてセルトラヒックの有無を監視しており、
一定時間以上トラヒックがない場合は直結VCは利用さ
れていないと判断して、これをリセットすることすなわ
ち直結VCを構成していたVCの受信先を内部のルータ
処理部に変更し該VCの送信元、受信先に関する情報を
リセットすることによっても、同様の効果を得ることが
できる。
【0390】以下では、ソフトステートでバイパスパイ
プの解放をすることについて触れる。
【0391】「直結VC設定要求メッセージ」は1メッ
セージにつき1直結VCについての設定要求のみを登載
する必要はなく、1メッセージ中に、複数の直結VCの
設定要求を登載する必要はなく、1メッセージ中に、複
数の直結VCの設定要求のみを登載しても良い。一般に
いくつかの直結VCは同一経路をたどりながら終点IW
Uに到達するため、「直結VC設定要求メッセージ」に
複数の直結VCについての設定要求を登載することは、
トラヒックの削減の観点や、管理の容易性などからも有
用である。特に、後述する異常時などにおいて、1度に
複数本の直結VCの設定を要求するような場合は、ネッ
トワーク及びIWU内のCPUの輻輳を防ぐ意味で有用
である。
【0392】次に、ルーチングプロトコルの動作によ
り、IWU内のルーチングテーブルに変更があった場合
の対処方法について図80を参照しながら説明する。こ
の変更の内容としては、例えばインターネットの環境の
トポロジが変更された場合や、途中のルータ、IWU、
ATM−LAN等がダウンした場合(異常時)に起こり
得るメトリック値の変更などである。
【0393】以下では、バイパス経路が変更される場合
について、詳細に述べる。ルーチングテーブルの変更に
ついては、以下のように対処する。
【0394】1)隣接のルータについて、異常の発生、
例えば定期的に転送されてくるはずのルーチング情報が
来ない場合やメトリック値の計算結果が増加している場
合などを認識した(ステップS4001〜S4003)
IWUのルータ処理部は、その隣接ルータ方向へと接続
している直結VCについて、アッドドロップテーブルあ
るいはスイッチテーブルを書き換えて、自ルータ処理部
がその終端点となるように変更する(ステップS400
4)。自ルータ処理部が、それまで直結VCであった該
VCから受信したデータグラムについては、内部の(更
新された)ルーチンテーブルに従って配送を続ける(ス
テップS4005)。なお、この直結VCについては、
RIPなどの既存ルーチングプロトコルによるルーチン
グ情報が直結VCの上流側へと流れていくことにともな
う、上流側の異常認知により、もし以降、ルーチング経
路が変更になって、該直結VCが使われなくなる場合
は、定期的に流れてくるはずの「直結VC設定要求メッ
セージ」がこないことによるあるいは該当するVC内に
トラヒックが存在しないことによるタイムアウトによ
り、最終的に一定時間内に削除される(ステップS40
06)。
【0395】2)ルーチングテーブルの変更を認識し
た、起点IWUは(ステップS4001〜S400
7)、新規に書き換えられた内部のルーチングテーブル
にしたがって「直結VC設定要求メッセージ」を発行す
る(ステップS4008)。あとは図69/図70、あ
るいは図73/図74の手順に従って、再度直結VCの
確立を行えば良い(ステップS4009)。
【0396】3)直結VCの中継段のルータは、特別な
動作を行う必要はない(ステップS4001〜S401
0)。なお使われなくなった直結VCについては、前述
のタイムアウトなどにより自動的に削除される(ステッ
プS4011)。
【0397】4)途中段のネットワーク断、あるいはル
ータ断の時は、一時に複数のルーチングテーブルに変更
が生ずると考えられるため、新規に発行する「直結VC
設定要求メッセージ」は、同一の方向について直結VC
設定要求を、同一メッセージ内で同時に要求する。この
ことにより、ネットワーク内の直結VC設定要求メッセ
ージ数(パケット数)の減少を図ることができると共
に、このメッセージを処理するIWU内の処理機能(例
えばCPU)も、同一メッセージ内でこの処理を行うこ
とができるため、処理負荷の減少、及び速やかな回復を
も図ることができる。
【0398】なお、起点IWUは、ルーチングテーブル
の変更を認識するまで、あるいは「直結VC設定要求メ
ッセージ」の生成中(場合によっては生成後の一定時間
あるいは設定確認メッセージの受信まで)は、隣接VC
あるいはそれまで使用していた直結VCを用いて、終点
サブネットへのデータグラム転送を行えば良い。
【0399】なお、本実施形態においては、確立してい
く直結VCの方向を、「送信側IWUから終端IWU」
の方向として説明してきた。すなわち、「直結VC設定
要求メッセージ」の流れと同一の方向に直結VCは確立
していく。
【0400】なお、ここでは「直結VC設定要求メッセ
ージ」を明示的に送出する場合について詳述したが、起
点IWUがいきなり新経路の未使用VCにデータグラム
を送出することも可能である。この場合は、図73/図
74のアルゴリズムを用いることになる。
【0401】(実施形態6)次に、本発明の実施形態6
について説明する。
【0402】本実施形態では、先に述べたVCを利用し
て制御メッセージを用いてバイパスパイプや通信等を設
定する場合の手順を概括的におよび詳細に述べたもので
ある。
【0403】図81に、本発明の実施形態6に係るAT
M網の様子を示す。このように、本実施形態のATM網
も、実施形態5のATM網と同様に、ATM−LAN1
11〜118、網間接続装置(IWU)11A〜11F
からなる。それぞれの機能は実施形態5と同様である。
また、本実施形態においても、それぞれのATM−LA
Nは、IP(インターネットプロトコル)のサブネット
となっており、サブネットアドレスを有している。図8
1の様に、ATM−LAN111〜118は、それぞれ
サブネットアドレス(サブネットID)#1〜#8を持
つ。
【0404】次に、本実施形態におけるATMインター
ネット環境におけるデータグラムのルーチング方式につ
いて図82を参照しながら説明する。
【0405】例えば、図81において、IWUは11B
のみが稼働中であり、他のIWUは未稼働であるものと
する。この場合、ATM−LAN112,113,11
5は、それぞれIWU11Bを介してLAN間接続され
ており、サブネット間のデータグラム配送が可能であ
る。
【0406】実施形態5と同様に、この状態では、AT
M−LAN112,113,115間のLAN間通信の
みが可能である。すなわち、ATM−LAN111等
は、ATM−LANに接続されているIWUが稼働して
いないため、論理的に(サブネットレベルで)スタンド
アロンの状態となっており、他のATM−LANとのデ
ータグラムの送受はできない。
【0407】この状態で、IWU11Aが立ち上がる場
合を考える。実施形態5と同様に、IWU11Aのルー
タ処理部は、直接接続しているATM−LAN(ここで
は111と112)のブロードキャストチャネルを通し
て、探索パケットを送出する。探索パケットは、IWU
11Bのルータ処理部にて捕捉される。IWU11Bの
ルータ処理部にて捕捉された探索パケットは、このルー
タ処理部にて解析される。ルータ処理部は、ATM−L
AN112(あるいは網インタフェース*A)に、サブ
ネットID=#1を担当しているルータが存在している
ことを探索パケットを通して知ることができる(ステッ
プS5001)。
【0408】ここで、IWU11Bは、IWU11A
(のルータ処理部)との間に、データグラム配送用のA
TMコネクションを張ることを試みる(ステップS50
02〜S5004)。
【0409】ここで、本実施形態では、両IWU間に張
るデータグラム配送用コネクションはVCとする。すな
わち、IWU11Bは、ATM−LAN112のデータ
リンクレイヤコネクション設定機能(ATM−LAN1
12がATMフォーラム準拠の場合はシグナリング機能
あるいは網管理機能)を使って、該VCを張ることを試
みることとなる。
【0410】このVCは、QOSありのVCとしてもよ
い。すなわち、平均レートや、ピークレート、レイテン
シ等を保証されたVCとする。
【0411】また、実施形態5と同様に、ユーザユーザ
情報を用いるなどの方法により、IWU間は、そのデー
タリンクレイヤコネクションがどのような目的で張られ
るものであるのかを、知ることが可能である。
【0412】なお、ここで確立するVCは、実施形態5
における「隣接VC」となり、隣接するルータ(IWU
内のルータ処理部)間のデータグラムのやりとり及びル
ーチング情報の交換などをこのVCを通して行うことに
なる。このVCは以降のデータグラムの配送、ルーチン
グ情報の交換などに使われる基本的なATMコネクショ
ンとなるため、このコネクションはPVC(パーマネン
トVC)として確立しておいても良い。このVCは、双
方向VCであってもよい。
【0413】このVCを通して、IWU11B(のルー
タ処理部)は、ルーチング情報をIWU11A(のルー
タ処理部)に送出する。IWU11Aは、IWU11B
(のルータ処理部)から送られてきたルーチング情報を
参照し、このルータ処理部内部のルーチングテーブルを
作成する(ステップS5005,S5006)。
【0414】図83に、この時点における隣接ルータ間
に確立された隣接VCをの様子を示す。図84は、図8
3のIWU1A内のルーチングテーブル(初期状態)の
一例を示す。図85は、図83のIWU1B内のルーチ
ングテーブル(初期状態)の一例を示す。
【0415】次に、IWU11Cが立ち上がる場合を考
える。実施形態5の場合と同様に、IWU11Cのルー
タ処理部は、ブロードキャストチャネルを通して、探索
パケットを送出し、IWU11Bとの間にデータグラム
配送用のVC(隣接VC)を確立する(ステップS50
01〜S5004)。この隣接VCを通して、IWU1
1BとIWU11Cはルーチング情報を交換し、登録な
どが行われる(ステップS5005,S5006)。ま
た、ルーチング情報の交換により更新された各IWU内
のルーチングテーブルも、隣接VCを通して交換され
る。実施形態5と同様に、この更新ルーチング情報の交
換はRIPやOSPF等の既存ネットワークレイヤルー
チングプロトコルにて行われる処理である。
【0416】これらのネットワークレイヤルーチングプ
ロトコルによるルーチング情報の交換によって、IWU
11A内のルータ処理部は、数ホップ先にルータ11C
が出現し、かつメトリックの値から、このルータは、I
WU11Aと同一のATM−LANには接続されていな
いことを認識する(ステップS5007)。同様に、I
WU11Cも、数ホップ先(自分が接続されたATM−
LANとは異なるATM−LAN上)にルータ11Aが
存在することを認識する。当然ながら、この時点では、
これらのルータ処理部間にエンド−エンドのデータリン
クレイヤコネクション(本実施形態の場合はATMコネ
クション)は確立されておらず、両ルータ処理部間での
データグラムのやりとりは、IWU11B内のルータ処
理部を介して行われることになる。
【0417】ここで、数ホップ先に直接エンド−エンド
のATMコネクションで接続されていないルータが存在
していることを認識したルータは、両ルータ間にエンド
−エンドのATMコネクションの確立を図り始める(ス
テップS5008)。実施形態5の場合との相違は、こ
こで確立しようとする直結VCが、結果的にマルチポイ
ント−ポイントのVCとなることである。ただし、各デ
ータリンクレイヤネットワーク(本実施形態の場合はA
TM−LAN)は、これらのVCをマルチポイントコネ
クションであるとはまったく認識しておらず、各デーリ
ンクレイヤコネクションのマルチプレクス処理は各IW
U内にて閉じて行われることになる。
【0418】以下、図86、図87を参照しながら、本
実施形態におけるIWUの直結VCの確立手順について
説明する。
【0419】実施形態5と同様に、「数ホップ先に直接
エンド−エンドのATMコネクションで接続されていな
いルータが存在していることを認識したルータ」とし
て、ここではIWU11Aのルータ処理部を取り上げ
る。すなわち、IWU11Aのルータ処理部が、IWU
11Bとの間の隣接VCを通したルーチング情報の交換
により、数ホップ先に新たなルータ(IWU11C)が
出現したこことをメトリックの値を通して認識し(ステ
ップS6001)、この間に直結VCを張ることを試み
る。ここでも、直結VCとは、IWU11A(のルータ
処理部)から、IWU11C(のルータ処理部)への片
方向VCである。逆方向、すなわちIWU11CからI
WU11A方向の直結VCは、IWU11C主導で確立
することになる。
【0420】さて、IWU11A(のルータ処理部)
は、IWU11Cとの間に直結のVCを張るべく、「直
結VC設定要求メッセージ」を、内部のルーチングテー
ブルに従って(ステップS6002)、次段のルータ
(ここではIWU11B)に向かって送出する(ステッ
プS6003)。このメッセージは、両ルータ間の隣接
VCを通して送出すれば良い。「直結VC設定要求メッ
セージ」は、隣接するルータ間をホップバイホップにて
転送されるため、常に隣接VCを通して転送される。後
述する手順により、直結VCを得たならば、該VCを通
して、該サブネットあてのデータグラムを送出する(ス
テップS6004)。
【0421】実施形態5と同様に、この場合の「直結V
C設定要求メッセージ」には、起点側/終点側両ルータ
のIPアドレス、および必要な場合は、データリンクネ
ットワークのシグナリング時に用いるユーザユーザ情報
として使う値等が含まれる。
【0422】IWU11Bは、前述のように「直結VC
設定要求メッセージ」を隣接VCを通して受信する(ス
テップS6005)。IWU11Bは、このメッセージ
を通して、隣接ルータであるIWU11AがIWU11
Cとの間に直結VCの設定を要求していることを認識す
る。ここで、IWU11Bは、その時点でまだIWU1
1Cへの直結VCが隣接VC以外には確立されていない
ことを確認し、以下の動作を行う。
【0423】1)IWU11AとIWU11Bとの間の
データリンクレイヤコネクション(本実施形態の場合は
ATMコネクション)を確立すべく、ATM−LAN1
11のシグナリング機能に、IWU11AからIWU1
1Bへの片方向VCの設定を要求する。必要な場合は、
このVCにQOSを設定しても良い。また、実施形態5
と同様に、以降確立する直結VCについては、QOSあ
りのVPに格納する方式をとっても良い。
【0424】2)その際には、シグナリングメッセージ
のユーザユーザ情報に、あらかじめ定めておいた値を入
れておく。このことにより、IWU11Aは、このシグ
ナリング要求によって確立されるVCは、IWU11C
との間の直結VCとして使用されるものであることを認
識することができる(ステップS6006)。
【0425】3)これと並行して、内部のルーチングテ
ーブルに従い、終端IWUが存在する方向の次段ルータ
に対して、「直結VC確立要求」をIWU11Cとの間
の隣接VCを介してリレーイングする(ステップS60
07〜S6009,ステップS6011〜S601
2)。本実施形態の場合は、IWU11Cに対して送出
する。その際は、ユーザユーザ情報として使用したい値
については、必要な場合は書き換えても良い。
【0426】4)ATM−LAN111のシグナリング
機能からの「接続完了」メッセージを受信する(ステッ
プS6006)。また、ATM−LAN112のシグナ
リング機能からの「セットアップ」メッセージ及び「接
続完了」メッセージを受信する。
【0427】5)可能であれば、例えば具体的には両側
のATM−LAN内のATMコネクションが確立された
ならば、内部のヘッダ変換テーブルあるいはスイッチテ
ーブルに適当に設定を行い、ATMレイヤ処理のみにて
IWU11Bをスルーできるように設定を行って、それ
らのATMコネクションをATMレイヤ接続し、データ
リンクレイヤからみて直結のVCとする(ステップS6
013)。
【0428】なお、直結VCの確立途中の段階では、特
に経由するIWU数が多い場合に、途中のIWUまでは
ATMレイヤで直結されたVCが存在するが、終端のI
WUまでは達していないという状況が発生し得る。この
ような場合、生成途中のVCの接続先をIWU内のルー
タ処理部となるように、IWU内のアッドドロップ/ヘ
ッダ変換部32あるいはスイッチ入出力処理部内のスイ
ッチテーブルを設定しても良い。このようにすることに
より、該IWUまではATMレイヤのみでデータグラム
が配送されるため(該IWUに到達するまでに通過する
他のIWUについてはATMレイヤ処理のみでスルーす
るため)、ホップバイホップのデータグラム配送と比較
して、より高速なデータグラム配送が直結VCの確立過
程においても可能となる。
【0429】また、この場合、その時点までルータ処理
部を接続先として設定してきたVCについて、その接続
先を次段のVCとするタイミングすなわちIWU内のヘ
ッダ変換テーブルあるいはスイッチテーブルの書換のタ
イミングとして、該VCにおいて、1パケットが通過し
た時点とすれば、この切り替えの時点でのパケットの破
壊(パケットの一部がルータに配送され残りの一部が直
結VCを通して次段以降に配送されてしまうこと)が発
生することを未然に行うことができる。例えば、データ
グラムのATMセル化をAAL(ATMアダプテーショ
ンレイヤ)タイプ5を用いて行っている場合は、ATM
セルのユーザユーザ情報フィールドを用いて、この区切
り目を知ることができるため、区切り目を認知した時点
でテーブルの書換を行えば良い。
【0430】このようにして、IWU11AとIWU1
1Cとの間の直結VCの確立を行うことができる。同様
の方法で、IWU11CからIWU11A方向への直結
VCの確立も行われたことになる。この時点での直結V
Cの様子を図88に示す。IWU11CからIWU11
Aへの直結VCとして131が、IWU11AからIW
U11Cへの直結VCとして132が、それぞれ確立さ
れている。その他に隣接VCとしてIWU11A,11
B間に133が、11Bと11C間に134がそれぞれ
存在する。なお、この隣接VCは双方向VCとしている
が、片方向VCを2本(両方向)用意する形でも良い。
【0431】次に、インターネットワークされるLAN
の数が増えた場合について考える。ここでは、バイパス
パイプをマルチポイント−ポイントに設定する場合につ
いて触れる。一例として、IWU11EとIWU11F
が立ち上がり、これらがルーチング情報の交換により、
サブネット#1(IWU11Aのルータ処理部)への直
結VCの確立を行う場合を考える。
【0432】IWU11EとIWU11Fが立ち上がる
と、前述のように、IWU11EはIWU11Bとの間
に、IWU11FはIWU11Cとの間に、それぞれ隣
接VCを確立し、これを通してルーチング情報の交換な
どを行う。ルーチング情報の交換を通して、両IWU
は、数ホップ先にIWU11Aが存在していることを知
り(ステップS6001)、これらと直結のVCを確立
することを試みる(ステップS6002〜S600
3)。
【0433】実際には、IWU11Fは、ルーチング情
報の交換により、数ホップ先にIWU11B(サブネッ
ト#2,#5)、11A(サブネット#1)、11E
(サブネット#7)がそれぞれ存在することを認識する
ため、これらとの間に直結VCを確立しようと、「直結
VC確立要求メッセージ」を一時に、3つの直結VC確
立要求を1つのメッセージ内に納めて、IWU11Cに
送出しても良い。IWU11Eについても同様である。
【0434】まず、IWU11Fからの「IWU11F
からIWU11A(サブネット#1)方向の直結VC接
続要求メッセージ」を受信したIWU11Cの動作を説
明する。図88のように、IWU11Cには、既に直結
VC131が確立されている(ステップS6009)。
本実施形態においては、IWU11C内部において、直
結VCのマルチプレクスを行う。言い換えると、IWU
11Cは、IWU11Fからの直結VC用のVCを捕捉
すると、これを先に確立したIWU11CからIWU1
1Aへの直結VCにマージする。すなわち、IWU11
FからIWU11AへのVCと、IWU11C内のルー
タ処理部からIWU11AへのVCとを、内部のアッド
ドロップ/ヘッダ変換部内のテーブル(マルチポートI
WUの場合はスイッチテーブル)を用いて、共にIWU
11CからIWU11Aへの直結VCへと結合する(ス
テップS6010)。
【0435】同様に、IWU11Eからの「IWU11
EからIWU11A(サブネット#1)方向の直結VC
接続要求メッセージ」を受信したIWU11Bは、すで
にIWU11B内に確立されているIWU11Aに向け
ての直結VC131を利用し、先のIWU11Eからの
直結VC用に確立されたVCと、この直結VC131と
を内部のスイッチテーブルを適当に設定することにより
マージして(ステップS6010)、結果的にATMレ
イヤ処理のみでIWU11EからのデータグラムがIW
U11A(のルータ処理部)に到達するように設定す
る。
【0436】図89で見ればわかるように、IWU内の
ルータ処理部からの直結VCは、各IWUにてマージさ
れ、結果的にIWUをノードとし、IWU11Aをルー
トとするスパニング木が構成されていることがわかる。
「マルチポイント−ポイントコネクション」は、ATM
−LANのマルチポイントコネクションを使って構成さ
れているのではなく、IWU内でのコネクションのマー
ジにより行われているものである。したがって、このマ
ルチポイント−ポイントATMコネクションは、ルータ
間のプロトコルのみで実現することができる。すなわ
ち、データリンクレイヤにマルチポイント接続などの機
能は必ずしも必要ではない。
【0437】最終的に、図89で示したようなマルチポ
イント−ポイントのATMコネクションが各IWUをル
ート(宛先)とし、その他のIWUをリーフ(起点)と
するような形で形成される。
【0438】ここで、このマルチポイント−ポイントA
TMコネクションからのセル流が、ノードとなる各IW
Uにてマージされる場合に、データグラムのマルチプレ
クスが発生するため、以下のような点に注意が必要であ
る。
【0439】1)AALとしてタイプ3/4を用いる場
合は、各データグラムのソースは、相異なるMIDを付
与する。これにより、IWU11Aは、各送信元を判別
することが可能となる。
【0440】2)AALとしてタイプ5を用いる場合
は、セルレベルでのIWU11Aでの送信元判別が不可
能であるため、IWU内のアッドドロップ機能、または
ATMスイッチに、同一VC内には、1つのAAL−P
DU(データグラム)を送出し終えるまでは、その他の
PDUを該VC内に流入させない機能を付与する。
【0441】以上、説明したようなマルチポイント−ポ
イントのATMコネクションが各IWUをルート(宛
先)として形成されている。また、これらのマルチポイ
ント−ポイントのATMコネクションの分岐点(ノー
ド)は、IWUに位置している。このようにすることに
より、直結のVCを、より少ないVC数(具体的には1
つのATM−LANあたりインターネットワーキングし
ているATM−LANの数)にて実現することが可能で
ある。
【0442】本実施形態では、ルータ間にて稼働してい
るルーチングプロトコルにて生成された、データグラム
配送のためのスパニング木を、そのままATMコネクシ
ョンによるマルチポイント−ポイントコネクションによ
り実現している形となる。
【0443】なお、これらのマルチポイント−ポイント
VCも各ATM−LAN内にて閉じてみた場合は、ポイ
ント−ポイントのVC(前述のようにQOSありのVC
である場合もある)である。
【0444】IWUにて、複数箇所からのデータグラム
を1本のVCに多重するため、場合によってはトラヒッ
クの集中などが起こり、VCの容量をオーバーしたり、
ATMスイッチ内にてセルの廃棄が起こる可能性があ
る。これを防ぐためには、以下のような方法が考えられ
る。
【0445】1)副輳や、廃棄が発生しそうなVCにつ
いては、ATMレイヤ処理のみによる該VCへのセルの
リレーは一時、あるいは一部中断し、ルータ処理部に対
してルーチングする。 2)スパニング木の下流(すなわち、より終端点IWU
に近い側)については、上流のVCと比較して、より大
きな帯域資源を確保しておく。 3)基本的にセル廃棄が発生するのはスパニング木のノ
ードとなるIWUにおいてである。したがって、このI
WU内のATMスイッチについては、ATM−LAN内
のATMスイッチと比較して、より少ないセル廃棄率を
達成できる高パフォーマンスのものを選択する。
【0446】また、実施形態5と同様に、「直結VC設
定要求メッセージ」を一定時間ごとに発行する。 2)途中段(中継段)のIWUは直結VCについてタイ
ムアウト値を有し、「直結VC設定要求メッセージ」の
受信によりタイムアウト値をリセットする。 3)1つの「直結VC設定要求メッセージ」に、複数の
対地の宛先サブネットIDを含む。 等の施策を施しても良い。
【0447】また、本実施形態においては、直結VC設
定要求メッセージを使った例を説明したが、実施形態5
の第2の方法のように、該メッセージを用いず、次段の
IWU (ルータ)との間に確立したVCを介して、い
きなりデータグラムを送出し、これを受信したIWU
(ルータ)は、順次該VCの識別子と宛先サブネットと
の対応関係と、次ホップへのVCとをATMレイヤにて
直結することによる直結VC生成方式を適用することも
可能である。
【0448】また、ルーチングプロトコルの動作によ
り、IWU内のルーチングテーブルに変更があった場合
も、実施形態5と同様な対処を行うことができる。
【0449】以上のようにして、各IWU(宛先となる
サブネットへのデータグラムの配送を直接担当するIW
U)をルート(宛先)として、各IWUを起点としたマ
ルチポイント−ポイントのATMコネクションが構成さ
れ、各IWUから、宛先となるIWUへのデータグラム
配送を該マルチポイント−ポイントのATMコネクショ
ンをルータ処理部内のルーチングテーブルに登録し、こ
のATMコネクションを用いてデータグラム配送を行う
ことにより、該データグラムは途中段のIWUにおい
て、ATMレイヤ処理のみにてこれをスルーすることが
できるため、ルータ処理部におけるいわゆるレイヤ3処
理(ネットワークレイヤ処理)によるルーチングは初段
(送信元のサブネットを担当するルータ)と、最終段
(受信先のサブネットを担当するルータ)の高々2回の
みでよく、従来のホップバイホップのルーチングと比較
して、非常に高速なデータグラム配送を行う環境を提供
することができる。
【0450】(実施形態7)次に、本発明の実施形態7
について説明する。
【0451】本実施形態では、先に述べたSVCを利用
してバイパスパイプを設定したり通信を行う際の手順を
概括的におよび詳細に述べたものである。
【0452】図90に、本発明の実施形態7に関わるA
TM網の様子を示す。このように、本実施形態のATM
網も、実施形態5および実施形態6のATM網と同様
に、ATM−LAN151〜158、網間接続装置(I
WU)15A〜15Fからなる。それぞれの機能は実施
形態5と同様である。また、本実施形態においても、そ
れぞれのATM−LANは、IP(インターネットプロ
トコル)のサブネットとなっており、サブネットアドレ
スを有している。図90の様に、ATM−LAN151
〜158は、それぞれサブネットアドレス(サブネット
ID)#1〜#8を持つ。
【0453】次に、本実施形態におけるATMインター
ネット環境におけるデータグラムのルーチング方式につ
いて説明する。全体のアルゴリズムは図82とほぼ同様
であるので、図82を参照しながら説明する。
【0454】実施形態6と同様に、図90において、I
WUは15Bのみが稼働中であり、他のIWUは未稼働
であるものとする。この状態で、IWU15Aが立ち上
がる場合を考える。実施形態6と同様の手順で、IWU
15AとIWU15B間に隣接VCが確立される。IW
U15Aと15B内のルーチングテーブルには、図8
4、図85と同様な形でルーチングテーブルが形成され
る(ステップS5001〜S5006)。
【0455】次に、IWU15Cが立ち上がる場合を考
える。実施形態6の場合と同様に、IWU15Cのルー
タ処理部は、ブロードキャストチャネルを通して、探索
パケットを送出し、IWU15Bとの間にデータグラム
配送用のVC(隣接VC)を確立する。この隣接VCを
通して、IWU15BとIWU15Cはルーチング情報
を交換する(ステップS5001〜S5006)。ま
た、このルーチング情報の交換により更新された各IW
U内のルーチングテーブルも、隣接VCを通して交換さ
れる。実施形態6と同様に、更新ルーチング情報の交換
はRIPやOSPF等の既存ネットワークレイヤルーチ
ングプロトコルにて行われる処理である。
【0456】これらのネットワークレイヤルーチングプ
ロトコルによるルーチング情報の交換によって、IWU
15A内のルータ処理部は、数ホップ先にルータ15C
が出現し、かつメトリックの値から、このルータは、I
WU15Aと同一のATM−LANには接続されていな
いことを認識する(ステップS5007)。同様に、I
WU15Cも、数ホップ先にルータ15Aが存在するこ
とを認識する。この時点では、これらのルータ処理部間
にエンド−エンドのデータリンクコネクション(本実施
形態の場合はATMコネクション)は確立されておら
ず、両ルータ処理部間でのデータグラムのやりとりは、
IWU15B内のルータ処理部を介して行われることに
なる。
【0457】ここで、数ホップ先に直接エンド−エンド
のATMコネクションで接続されていないルータが存在
していることを認識したルータは、両ルータ間にエンド
−エンドのATMコネクションの確立を図り始める(ス
テップS5008)。(ただし、図86/図87は後述
の実施形態7の第1の方法の説明となっている。) 実施形態6の場合との相違は、各直結VCを個々に確立
する点、すなわち各IWU(のルータ処理部)を起点と
し、宛先となるサブネットを直接収容するルータ処理部
を含むIWUを終点とする直結VCをそれぞれ別個のV
Cとして確立する点にある。また、実施形態5との相違
は、これらのVCをルータ処理部(IWU)間に確立さ
れたVP内に収容するのではなく、別々のVCとして確
立する点である。
【0458】実施形態6と同様に、「数ホップ先に直接
エンド−エンドのATMコネクションで接続されていな
いルータが存在していることを認識したルータ」とし
て、ここではIWU15Aのルータ処理部を取り上げ
る。すなわち、IWU15Aのルータ処理部が、IWU
15Bとの間の隣接VCを通したルーチング情報の交換
により、数ホップ先に新たなルータ(IWU15C)が
出現したことをメトリックの値を通して認識し、この間
に直結VCを張ることを試みる。ここでも、直結VCと
は、IWU15A(のルータ処理部)から、IWU15
C(のルータ処理部)への片方向VCである。逆方向、
すなわちIWU15CからIWU15A方向の直結VC
は、IWU15C主導で確立することになる。
【0459】上記処理を行うには、3つの方法がある。
【0460】第1の方法は、実施形態5および実施形態
6と同様に「直結VC設定要求メッセージ」を用いて、
直結VCを確立する方法である。IWUにおけるVCの
マージを行わない点を除いて、実施形態6と同様にして
行うことができる。アルゴリズムは図86/図87の場
合とほぼ同様であるが、ステップS6009とステップ
S6010が不要となる。
【0461】すなわち、 1)初段のルータが「直結VC設定要求メッセージ」を
生成する。これをルータ(IWU)内のルーチングテー
ブルに従って、隣接VCを用いて次段のルータにフォワ
ードする。(ステップS6001〜S6004) 2)これを受信した中継段のルータ(IWU)は、該I
WUと前段のルータ(IWU)間に、リンクレイヤコネ
クション(本実施形態の場合はATMコネクション)を
確立する。また、該メッセージを次段のルータにフォワ
ードする。さらに、該IWUと前段のIWU間に確立さ
れたVCと、該IWUと次段のIWU間に確立されたV
C(次段のIWUによって確立される)とを、内部のヘ
ッダ変換テーブルあるいはスイッチテーブルの設定によ
りATMレイヤ接続する。(ステップS6005〜S6
008、ステップS6011〜S6013) 3)最終段のルータ(IWU)は、該IWUと前段のル
ータ(IWU)間にリンクレイヤコネクションを確立
し、該コネクションの終端点を該IWU内のルータ処理
部とする(ステップS6008)。という一連の動作に
より、直結VCを確立することができる。この処理を各
々のルータ処理部(IWU)が独立に行うことにより、
最終的に各IWUを起点とし、宛先サブネットを収容す
るルータ処理部を収容するIWUを終点とした直結VC
が、最大メッシュ状にATM網内に張られることにな
る。
【0462】次に、図91、図92を参照しながら第2
の方法について説明する。第1の方法では、「直結VC
設定要求メッセージ」を通して、明に直結VCの確立を
次段のルータ(IWU)に対して要求していく方式であ
ったが(すなわちデータリンクレイヤコネクションの確
立は次段のIWUが主導するものであったが)、第2の
方法ではデータリンクレイヤコネクションの確立を前段
のIWUが行う方式である。具体的には、以下のように
する。
【0463】1)直結VCの確立を行いたい、初段のル
ータ処理部(を収容するIWU)は、内部のルーチング
テーブルを参照して、次段のルータ(IWU)を認識
し、次段のルータとの間に、VC(ただし両方向のVC
であり、両方向とするのは後述するInARPメッセー
ジが逆方向に流れてくるからである)の確立をATM−
LANに対して要求する(ステップS7001〜S70
03)。ただし、このVCは両方向のVCであり、両方
向とするのは後述するInARPメッセージが逆方向に
流れてくるからである。
【0464】この時点では、特別な「直結VC設定要求
メッセージ」のようなメッセージは発行しない。例え
ば、IWU15Aが、IWU15Cとの間に直結VCを
確立したい場合に、ATM−LAN152に対して、I
WU15Bとの間のVCの設定を求める。
【0465】2)途中段(中継段)のIWU(例えば1
5B)は、前段のIWU(例えば15A)とサブネット
を共有しているATM−LAN(例えば152)から、
VCの設定要求を受け取る(ステップS7006)。た
だし、この時点では該VCの使用目的が不明であり、か
つ該VCの起点となるエンドポイントのIPアドレスも
不明であるため、IWU(15B)は、InARP要求
メッセージを生成し、InARP要求メッセージを該V
Cに投入する(ステップS7007)。
【0466】3)InARP要求メッセージは、IWU
15Aに到達する。IWU15Aは、InARP応答と
して、自分のIPアドレスを返答すると共に、このリン
クレイヤコネクション(VC)を、ある特定のサブネッ
ト(例えばサブネット#4)との間の直結VCとして使
用したい旨をInARP応答メッセージに含めて、ある
いはInARPメッセージとは別個に該VCを通して送
出する(ステップS7004)。よって、ここでのIn
ARP応答メッセージは、本発明の方法のための特別な
フォーマットを有する必要がある。
【0467】4)このメッセージを受信した途中段のI
WU(15B)は、該VCを特定のサブネット宛専用の
VCとして認識する(ステップS7008)。更に、内
部のルーチングテーブルを参照して、次段のルータ(例
えばIWU15C)と接続するATM−LAN(例えば
ATM−LAN153)に対して、VC(15Bと15
C間の両方向VC)の確立を要求する(ステップS70
11)。また、該VCが確立し、該VCが次段のIWU
によって直結VCの為に確立されたことが認識されたな
らば、前段のVCと該VCとを内部のヘッダ変換テーブ
ル、あるいはスイッチテーブルを設定することによりA
TMレイヤにて直結し、ATMレイヤ処理のみにて該V
C間をスルーできるようにする(ステップS701
2)。
【0468】5)最終段のルータ(例えばIWU15
C)は、上記(2)と(4)の手順を行うことによっ
て、自分に対して設定要求のあったVCが、自分を終点
とする直結VCの為に確立されたものであることをIn
ARP応答メッセージ(あるいはこれに続くメッセー
ジ)によって認識し(ステップS7009)、該VCを
内部のルータ処理部に接続する(ステップS701
0)。
【0469】この場合、InARP応答メッセージ(あ
るいは別の形のメッセージ)に、直結VCの終端点とな
るサブネットのIDが入る点に注意が必要である。
【0470】このようにして、第2の方法では直結VC
の確立を行っていく。
【0471】なお、本第2の方法では、双方向のVCを
使っているため、結局双方向のVCによる直結VCがで
きることとなる。よって、2つのIWU間に、双方向の
直結VCが複数本できてしまうのを防ぐため、中間段の
ルータ(IWU)は、直結VC確立手順を進めている際
に、反対方向からの直結VC確立手順が同時に進んでお
り、目的地となるサブネット(IWU)への直結VCが
順方向に既にできあがっている場合は、これらのVC同
士を該IWUにて、ヘッダ変換テーブルあるいはスイッ
チテーブルへの設定によるATMレイヤ直結を行うこと
によって、直結VCの設定の大幅な時間の節約、及び手
順の簡易化を図ることも可能である。
【0472】各IWUは、第1、第2のいずれかの方法
にて、順次直結VCを確立していく。ルーチングテーブ
ルに接続されるサブネットの数が増える度に、直結VC
を確立していっても良い。
【0473】なお、第2の方法にて述べたように、送信
側主導にてVCを確立した後に、InARPメッセージ
が到着するのを待つこと無く、実施形態5のようにいき
なり該VCに、直結を希望するサブネット宛のデータグ
ラムを投入し、次段のIWUは、このデータグラムの受
信によって、該VCが、該データグラムの宛先アドレス
となっているサブネットへの直結VCを希望しているこ
とを認識する第3の方法を適用することも可能である。
ただし、この場合は該VCが確立された時点で、そのV
C内のデータの受信先をあらかじめルータ処理部と設定
しておく必要がある。この第3の方法のアルゴリズム
を、図93、図94に示す。
【0474】また、第1、第2、第3の方法において、
一時に数本のVCを確立し、順次利用していく方法もあ
る。すなわち、複数のルータ間に、QOSを保証した仮
想パス(VP)を確立し、両ルータ間のデータグラムの
転送は、該VP内に確立された、QOSを保証しない仮
想コネクション(VC)を介して行う。またその際、該
VP内に、該VPの終端となる隣接するルータ間を相互
に結合するVCと、該ルータをデータリンクレイヤ処理
のみにてスルーし、さらに遠方のルータとを相互に結合
するVCを多重化してもよい。
【0475】複数のルータ間に、QOSを保証した仮想
パス(VP)を確立し、両ルータ間のデータグラムの転
送は、該VP内に確立された、QOSを保証しない仮想
コネクション(VC)を介して行うことにより、ルータ
間のデータグラムの転送を同一対地(同一の次ホップの
ルータ装置)に関して複数のVCを介して行う際に、該
VC群全体で、一定のQOS(VPに割り当てられたQ
OS)を保証することが可能となり、このQOSが、
「両ルータ間のデータグラム転送のためのQOS」であ
ると定めることができる。
【0476】また、該VP内に、該VPの終端となる隣
接するルータ間を相互に結合するVCと、該ルータ装置
をデータリングレイヤ処理のみにてスルーし、さらに遠
方のルータとを相互に結合するVCを多重化することに
より、ルータ間トラヒックを一定のQOS値を保証した
上で実現することが可能となる。
【0477】このようにして、直結VCがそれぞれ確立
される。
【0478】一例として、図95に、IWU15Aを起
点としたデータグラム配送用隣接VC/直結VCの様子
(全ての直結VCが張られている場合)の図を示す。こ
のように、IWU15Aを起点としたデータグラム配送
用のVCは、隣接VC161、及び直結VC162〜1
65からなる。隣接VC161は双方向のVCであって
もよいが、直結VC162〜165は全てルータ処理部
(IWU)15Aを起点とする片方向VCである。
【0479】このようなVC群が各IWU(ルータ処理
部)を起点として、確立されている。
【0480】なお、この方法でも実施形態6と同様に、 1)直結VCの確立途中の段階で、該VCを通してデー
タグラムの配送を行っても良い。特に、経由するIWU
数が多い場合、途中のIWUまではATMレイヤで直結
されたVCが存在するが、終端のIWUまでは達してい
ないという状況が発生し得るが、生成途中のVCの接続
先をIWU内のルータ処理部となるように、IWU内の
アッドドロップ/ヘッダ変換部32、あるいはスイッチ
入出力処理部内のスイッチテーブルを設定しておくこと
により、該IWUまではATMレイヤ処理のみでデータ
グラムが配送されるため、ホップバイホップのデータグ
ラム配送と比較して、より高速なデータグラム配送が直
結VCの確立過程においても可能となる。 2)「直結VC設定要求メッセージ」を一定時間ごとに
発行する。 3)途中段(中継段)のIWUは直結VCについてタイ
ムアウト値を有し、「直結VC設定要求メッセージ」の
受信によりタイムアウト値をリセットする。 4)1つの「直結VC設定要求メッセージ」に、複数の
対地の宛先サブネットIDを含む。 5)ルーチングプロトコルの動作により、IWU内のル
ーチングテーブルに変更があった場合も、実施形態5と
同様な対処を行う。 等の施策を施すことも可能である。
【0481】以上のようにして、各IWU(宛先となる
サブネットへのデータグラムの配送を直接担当するIW
U)を終点として、各IWUを起点とした直結のATM
コネクションが構成され、各IWUから、宛先となるI
WUへのデータグラム配送を該ATMコネクションを用
いて行うことにより、該データグラムは途中段のIWU
において、ATMレイヤ処理のみにてスルーすることが
できるため、ルータ処理部におけるいわゆるレイヤ3処
理(ネットワークレイヤ処理)によるルーチングは初段
(送信元のサブネットを担当するルータ)と、最終段
(受信先のサブネットを担当するルータ)の高々2回の
みでよく、従来のホップバイホップのルーチングと比較
して、非常に高速なデータグラム配送を行う環境を提供
することができる。
【0482】なお、本実施形態の説明においては、イン
ターネットワーキングされるLANとして、ATM−L
ANを仮定してきたが、本発明の手法は、仮想コネクシ
ョン型ネットワークであれば、ATM−LAN以外の網
についても適用が可能である。このような網としては、
例えばフレームリレー網が考えられる。この場合は、本
実施形態において、ATMレイヤ直結、すなわちATM
セルのVPI/VCIを参照してIWU内でのセルのリ
レーイングを行ったのと同様にフレームリレーの仮想コ
ネクション識別子(DLCI)の参照及びフレームリレ
ーフレームのリレーイングにより、データリンクレイヤ
直結のコネクションを生成する。この場合も、直結VC
については、IWUにおけるネットワークレイヤ処理は
不要となる。
【0483】また、ATM−LANとフレームリレー網
といった、相異なるデータリンクネットワーク同士がI
WUを通してインターネットワーキングされており、A
TM−LANのVCと、フレームリレー網のVC間を1
対1に対応させて、これらをネットワークレイヤ処理を
施すことなく、互いにデータリンクレイヤ識別子(AT
MではVPI/VCI、フレームリレーではDLCI)
のみで接続することも可能である。
【0484】なお、本実施形態において確立されるデー
タグラム配送用VP/VC(あるいはその一部)とし
て、ATMフォーラム標準化中のABR(Availa
bleBit Rate)コネクションを利用すること
も可能である。
【0485】また、本実施形態においては、直結VCの
確立をルータ装置間のみとて説明してきたが、ルートホ
ストの技術を用いて、端末装置(ホスト)をルータ装置
とみなしてルーチングプロトコルを稼動し、端末装置
(ホスト)−ルータ装置間、あるいはルータ装置−端末
装置間、あるいは端末装置−端末装置間で、直結VCを
確立することも容易に可能である。
【0486】ここで、以上説明してきた各実施形態の基
となるいくつかの発明(ここでは、課題を解決するため
の手段と呼ぶ)と、その作用効果をまとめる。
【0487】まず、課題を解決するための手段を列挙す
る。
【0488】(1)第1の課題解決手段は、仮想コネク
ション型ネットワークとの物理インターフェイスを有す
るネットワーク接続装置において、所望の物理ネットワ
ークを接続するための複数のネットワークインタフェー
ス手段と、任意の仮想コネクション同士をデータリンク
層で交換するデータリンク層交換手段と、ネットワーク
層パケットを交換するネットワーク層交換手段と、前記
ネットワーク層交換部の受信パケットおよび送信パケッ
トの少なくとも一方に基づいてまたは外部からの要求に
応じて、前記データリンク層の仮想コネクションを前記
データリンク層交換部で相互接続してネットワーク層転
送からデータリンク層転送に切替える制御を行う制御手
段とを具備したことを特徴とする。
【0489】また、好ましくは、第1の課題解決手段に
係るネットワーク接続装置において、次ホップの前記ネ
ットワーク接続装置がデータリンク層転送を行なってい
る場合にその仮想コネクションIDと宛先ネットワーク
層アドレスとの対応を取るための直接仮想コネクション
・テーブルを設定する第1の設定手段と、次ホップのネ
ットワーク層アドレスからデータリンク層の出力コネク
ションIDの対応を取るための隣接仮想コネクション・
テーブルを設定する第2の設定手段と、ネットワーク層
パケットを送出する場合に前記直接仮想コネクション・
テーブルおよび前記隣接仮想コネクション・テーブルを
検索して出力コネクションIDを決定する出力コネクシ
ョンID決定手段とをさらに具備したことを特徴とす
る。
【0490】また、好ましくは、第1の課題解決手段に
係るネットワーク接続装置において、次段のネットワー
ク接続装置に対して、データリンク層の仮想コネクショ
ンの設定要求を送出する手段と、前段のネットワーク接
続装置から前記設定要求を受信した場合、該前段のネッ
トワーク接続装置との間に確立された第1の仮想コネク
ションを捕捉し、該設定要求を次段のネットワーク接続
装置に送出する手段とをさらに具備し、前記制御手段
は、次段のネットワーク接続装置と自ネットワーク接続
装置の間に確立された第2の仮想コネクションと前記第
1の仮想コネクションとを前記データリンク層交換手段
を用いて相互にデータリンク層にて接続する制御を行う
ことを特徴とする。
【0491】また、好ましくは、第1の課題解決手段に
係るネットワーク接続装置において、前段のネットワー
ク接続装置から、専用の仮想コネクションが割り当てら
れていない所定の宛先ネットワークに対するデータグラ
ムを第1の仮想コネクションを通して受信した場合に、
次段のネットワーク接続装置との間に確立された仮想コ
ネクションを少なくとも1本捕捉して、これを該宛先ネ
ットワークに対する専用の第2の仮想コネクションとし
て割り当て、該第2の仮想コネクションを介して該宛先
ネットワークに対するデータグラムを送出する手段をさ
らに具備し、前記制御手段は、前記第1の仮想コネクシ
ョンと前記第2の仮想コネクションとを前記データリン
ク層交換手段を用いて相互にデータリンク層にて接続す
る制御を行うことを特徴とする。
【0492】第2の課題解決手段は、複数のネットワー
クを複数のネットワーク接続装置により接続して成るコ
ネクションオリエンテッド網のための該ネットワーク間
のデータグラム配送方法において、前記ネットワーク接
続装置間にQOSを保証した仮想パスを確立し、この仮
想パス内に少なくとも1つのQOSを保証しない仮想コ
ネクションを確立し、前記ネットワーク接続装置間にて
該QOSを保証しない仮想コネクションを利用して前記
データグラムの転送を行うことを特徴とする。
【0493】(2)他の課題解決手段では、コネクショ
ンレス通信に対して割り当てるデータリンク資源をプー
ルしておき、通信頻度の高いコネクションレス通信に
は、この資源を割り当てる。資源の割当はキャッシング
の方式を用い、通信頻度の高いコネクションレスパケッ
トはキャッシュテーブルにエントリーされ、データリン
クレベルでのデータユニットのリレーイングを行う。す
なわち、データリンクコネクションは一旦終端される
が、ネットワークレイヤ処理を行わずに、キャッシュテ
ーブルを用いて、次のデータリンクコネクションにデー
タリンクを投入する。
【0494】コネクションオリエンティッド通信は、キ
ャッシュではなくコネクションの設定とともにエントリ
ーされるテーブルに書き込まれる。一方、通常のコネク
ションレスパケット(パケットの通信頻度が比較的低
い)は1つあるいは複数のデータリンクコネクションに
多重化されてリレーイングされる。データリンクコネク
ションの終端点ではネットワークレイヤの処理が行われ
る。
【0495】すなわち、ネットワーク間を相互接続する
ネットワーク接続装置において、ネットワークレイヤレ
ベルでのコネクションオリエンティッド通信サービスク
ラス、高速コネクションレス通信サービスクラスおよび
コネクションレス通信サービスクラスの3つのサービス
クラスを提供し、高速コネクションレス通信サービスク
ラスおよびネットワークレイヤレベルでのコネクション
オリエンティッドサービスクラスについては、ネットワ
ーク相互接続装置でのネットワークレイヤ処理を行わ
ず、データリンクレイヤのアドレス情報のみを用いてパ
ケットのリレーイングを行うことを特徴とする。
【0496】また、好ましくは、ネットワークレイヤレ
ベルでのコネクションオリエンティッドサービスクラ
ス、高速コネクションレス通信サービスクラスに対して
は、ネットワーク相互接続装置においてネットワークレ
イヤサービスデータユニットの再構築を行うことなく、
順次データリンクレイヤのセグメントをリレーイングす
ることを特徴とする。
【0497】また、好ましくは、高速コネクションレス
通信サービスクラスのデータリンクレイヤセグメントの
リレーイングに必要な情報テーブルは一定時間データリ
ンクレイヤセグメントの到着がないとリフレッシュさ
れ、コネクションレス通信サービスクラスになり、コネ
クションレス通信サービスクラスのパケットはパケット
の送信間隔が定められた一定値よりも短い場合には、高
速コネクションレス通信サービスクラスに変化し、デー
タリンクレイヤでのリレーイングに必要なテーブルにリ
レーイング情報がエントリーされることを特徴とする。
【0498】(3)また、本課題解決手段の第1のネッ
トワーク接続装置は、相異なるネットワークIDを有す
る複数のレイヤ3ネットワークを相互に接続する機能を
有し、かつ、仮想コネクション形ネットワークとの物理
インタフェースを1つ以上有するネットワーク接続装置
であって、任意のVC(仮想コネクション)同士をデー
タリンクレイヤレベルで相互に接続する機能をもつデー
タリンクレイヤ接続部と、内部にデータグラム配送用の
ルーチングテーブルを有し、他ルータと交換するルーチ
ング情報をもとに、該ルーチングテーブルの設定を行う
機能をもつルーチングプロトコル処理部と、データグラ
ムを終端上記ルーチングプロトコル処理内のルーチング
テーブルを参照して、これをルーチングする機能をもつ
ルータ処理部を少なくとも構成要素とし、該ルーチング
プロトコル処理部は、該ルーチング情報、または受信デ
ータグラムの受信インタフェースとVC識別子を基に、
前記データリンクレイヤ接続部において相互に接続され
るVCを設定するテーブルへの設定を行う。
【0499】また、本課題解決手段の第2のネットワー
ク接続装置は、ルーチングテーブルに、任意のネットワ
ーク、またはサブネットに対するルーチング情報の新規
の登録、もしくは登録情報の変更が生じた場合に、ルー
チングテーブルにて示される次ホップの本課題解決手段
の第1のネットワーク接続装置に対して、該ネットワー
ク/サブネットに対するエンド−エンドのデータリンク
レイヤコネクションの設定要求を送出する。
【0500】また、本課題解決手段の第1のネットワー
ク接続装置は、本課題解決手段第2のネットワーク接続
装置から、エンド−エンドのデータリンクレイヤコネク
ションの設定要求を受信した場合、該設定要求を送出し
た前段のルータとの間に確立されたVC(P32)を捕
捉し、かつ該設定要求を内部のルーチングテーブルに従
って次段のルータに送出し、かつ該次段のルータと該自
ルータの間に確立されたVC(P34)と、前記VC
(P32)とをデータリンクレイヤ接続部にて相互にデ
ータリンクレイヤレベルにて接続してもよい(これを実
現するネットワーク接続装置を第3のネットワーク接続
装置と呼ぶ)。
【0501】また、本課題解決手段の第1のネットワー
ク接続装置あるいは第2のネットワーク接続装置から発
行される前記のエンド−エンドのデータリンクレイヤコ
ネクションの設定要求は、一定時間ごとに発行され、該
設定要求が一定時間到着しない場合は、該設定要求によ
り確立されたエンド−エンドのデータリンクレイヤコネ
クションをキャンセルし、該VCからのデータの転送先
を内部のルータ処理部に変更してもよい。
【0502】また、本課題解決手段の第4のネットワー
ク接続装置は、データグラムを内部のルーチングテーブ
ルに従ってルーチングするネットワーク接続装置であっ
て、送信するデータグラムの宛先ネットワーク/サブネ
ットに対して、専用のVCが割り当てられていない場合
に、ルーチングテーブルにて示される次ホップの第1の
ネットワーク接続装置との間に確立されたVCを少なく
とも1本捕捉して、これを該宛先ネットワーク/サブネ
ット宛の専用VCとし、以降は該VCを介して該サブネ
ット宛のデータグラムを送出する。
【0503】また、本課題解決手段の第1のネットワー
ク接続装置において、宛先ネットワーク/サブネットに
対して、専用のVCが割り当てられていないデータグラ
ムをVC(P61)を通して受信した場合に、ルーチン
グテーブルにて示される次ホップの第1のネットワーク
接続装置との間に確立されたVCを少なくとも1本捕捉
して、これを該宛先ネットワーク/サブネット宛の専用
VC(P62)とし、以降は該VCを介して該サブネッ
ト宛のデータグラムを送出するとともに、前記VC(P
61)とVC(P62)とをデータリンクレイヤ接続部
にて相互にデータリンクレイヤレベルにて接続してもよ
い(これを実現するネットワーク接続装置を、第5のネ
ットワーク接続装置と呼ぶ)。
【0504】また、第1、第3、第5のネットワーク接
続装置において、前記特定ネットワーク/サブネット宛
専用のVC内のセルを監視し、一定時間セルトラヒック
が無い場合は、先にデータリンクレイヤ接続部にて相互
に接続したVCからのデータの転送先を内部のルータ処
理部に変更し、該VCと転送先ネットワーク/サブネッ
トとの対応関係をキャンセルする機能を有していても良
い。
【0505】また、第1、第3、第5のネットワーク接
続装置において、隣接する次段のルータあるいはリンク
に異常が認識される場合、データリンクレイヤ接続部に
おいて、該異常が認識される方向へ設定された、該デー
タリンクレイヤ接続部をデータリンクレイヤにてスルー
するデータリンクレイヤコネクションの受信先を該ネッ
トワーク接続装置内のルータ処理部と変更するしてもよ
い。
【0506】また、第3のネットワーク接続装置におい
て、「データリンクレイヤ接続部にてデータリンクレイ
ヤレベルで相互に結合された専用のVC」が割り当てら
れていないエンド−エンドのデータリンクレイヤコネク
ションの設定要求を受信した場合、あるいは第5のネッ
トワーク接続装置において、宛先ネットワーク/サブネ
ットに対して、「データリンクレイヤ接続部にてデータ
リンクレイヤレベルで相互に結合された専用のVC」が
割り当てられていないデータグラムをVCを通して受信
した場合に、既に該宛先ネットワーク/サブネット宛の
データリンクレイヤコネクションVCが確立している場
合は、該VCに前段のネットワーク接続装置から自ネッ
トワーク接続装置までのVCをマルチプレクスすると共
に、該マルチプレクスの際は、あるソースからの上位レ
イヤバケットの送信中に、別のソースからの上位レイヤ
バケットがセルレベルで多重されないようにスケジュー
リングを行ってもよい。
【0507】また、本課題解決手段のコネクションオリ
エンテッド網のインターネットにおけるデータグラム配
送方法においては、コネクションオリエンテッド網のイ
ンターネットを行う複数のネットワーク接続装置間に、
QOSを保証した仮想パス(VP)を確立し、両ルータ
間のデータグラムの転送は、該VP内に確立された、Q
OSを保証しない仮想コネクション(VC)を介して行
う。
【0508】また、上記のデータグラム配送方式におい
て、該VP内に、該VPの終端となる隣接するネットワ
ーク接続装置間を相互に結合するVCと、該ネットワー
ク接続装置をデータリンクレイヤ処理のみにてスルー
し、更に遠方のネットワーク接続装置とを相互に結合す
るVCを多重化してもよい。
【0509】次に、作用について説明する。
【0510】(1)第1の課題解決手段では、ネットワ
ーク層交換部の受信パケットおよび送信パケットの少な
くとも一方に基づいてまたは外部からの要求に応じて、
データリンク層の仮想コネクションをデータリンク層交
換部で相互接続させることによりネットワーク層転送か
らデータリンク層転送に切替えるようにした。
【0511】これによって、コネクションレス通信をほ
とんどコネクションオリエンティッドコネクションのよ
うに小さなオーバーヘッドで転送可能となる。このよう
な、高速コネクションレスサービスクラスはネットワー
クレイヤの処理を行う必要がなく、レイヤ3処理のオー
バーヘッドが大幅に軽減される。したがって、高速コネ
クションレスサービスクラスのデーラグラム転送のレイ
テンシー特性が向上されると同時に、一般のコネクショ
ンレスサービスもその処理量が減少するので、高速な転
送が実現される。さらに、レイヤ3の処理量が減少する
ので、ネットワーク接続装置がふくそう状態に陥る確率
が小さくなる。この効果は、例えば通信頻度の高いコネ
クションレス通信などの場合に特に絶大なものとなる。
【0512】第2の課題解決手段では、ネットワーク接
続装置間にQOSを保証した仮想パス(VP)を確立
し、ネットワーク接続装置間のデータグラムの転送は、
該VP内に確立されたQOSを保証しない仮想コネクシ
ョン(VC)を介して行うことにより、ネットワーク接
続装置間のデータグラムの転送を同一の次ホップのネッ
トワーク接続装置に対して複数のVCを介して行う際
に、該VC群全体で一定のQOS(VPに割り当てられ
たQOS)を保証することが可能となり、このQOSが
「両ネットワーク接続装置間のデータグラム転送のため
のQOS」であると定めることができる。
【0513】(2)通信頻度の高いコネクションレス通
信をほとんどコネクションオリエンティッドコネクショ
ンのように小さなオーバーヘッドで転送可能となる。こ
のような、高速コネクションレスサービスクラスはネッ
トワークレイヤの処理を行う必要がなく、レイヤ3処理
のオーバーヘッドが大幅に軽減される。したがって、高
速コネクションレスサービスクラスのデータグラム転送
のレイテンシー特性が向上されると同時に、一般のコネ
クションレスサービスもその処理量が減少するので、高
速な転送が実現される。さらに、レイヤ3の処理量が減
少するので、ネットワーク接続装置がふくそう状態に陥
る確率が小さくなる。
【0514】(3)本課題解決手段の第1のネットワー
ク接続装置において、ルーチングプロトコル処理部は、
他のネットワーク接続装置間と交換するルーチング情
報、または受信データグラムの受信インタフェースとV
C識別子を基に、前記データリンクレイヤ接続部におい
て相互に接続されるVCを設定するテーブルへの設定を
行う機能をもつことで、ルーチングプロトコルの作成す
るルーチングテーブルに従った、該ネットワーク接続装
置をまたがるデータリンクコネクションを作成すること
が可能になる。
【0515】このネットワーク接続装置をまたがるデー
タリンクレイヤコネクションの利用により、必ずネット
ワーク接続装置にてレイヤ3処理を施していた従来方法
と比較して、飛躍的に高速なLAN間接続を実現するこ
とが可能となる。
【0516】このルーチンプロトコルは、一般にRIP
やOSPF等のネットワークレイヤルーチングプロトコ
ルであり、ネットワーク接続装置に例えばATMフォー
ラムやITU−T等の標準化団体の定めた網間シグナリ
ング処理機能が無かったとしても、データリンクレイヤ
コネクションの設定を行うことが可能になる。
【0517】また、本課題解決手段の第1または第2の
ネットワーク接続装置がエンド−エンドのデータリンク
レイヤコネクションの設定要求を送出する機能をもつこ
とにより、該ネットワーク接続装置は、明示的に第1の
ネットワーク接続装置をスルーするデータリンクレイヤ
コネクションの設定、ひいては各ネットワーク接続装置
のルーチングテーブルに記載された経路に従った、エン
ド−エンドのデータリンクレイヤコネクションの設定を
促すことが可能となる。
【0518】また、この設定要求に従って、VC(P3
4)と、VC(P32)とをデータリンクレイヤ接続部
にて相互にデータリンクレイヤレベルにて接続すること
により、該ネットワーク接続装置をデータリンクレイヤ
レベルにてスルーし、かつ内部のルーチングテーブルの
経路に従ったエンド−エンドのデータリンクレイヤコネ
クションの設定が具体的に可能となる。
【0519】この方式においても、該ネットワーク接続
装置をまたがるデータリンクレイヤコネクションの利用
により、必ずネットワーク接続装置にてレイヤ3処理を
施していた従来方式と比較して、飛躍的に高速なLAN
間接続を実現することが可能となる。
【0520】また、設定要求が、一定時間ごとに発行さ
れ、該設定要求が一定時間到着しない場合は、該設定要
求により確立されたエンド−エンドのデータリンクレイ
ヤコネクションをキャンセルし、該VCからのデータの
転送先を内部のルータ処理部に変更することにより、該
設定要求を最初に送出した起点ネットワーク接続装置の
異常や、該経路の途中ネットワーク接続装置あるいは途
中リンクにおける異常の場合に、該データリンクレイヤ
コネクションを介したデータグラムの転送ができない場
合でも、これらのデータリンクレイヤコネクションがガ
ーベージ(ゴミ)として残ってしまうことを未然に防止
することが可能になる。
【0521】また、本課題解決手段の第1または第4の
ネットワーク接続装置が、送信するデータグラムの宛先
ネットワーク/サブネットに対して、専用のVCが割り
当てられていない場合に、ルーチングテーブルにて示さ
れる次ホップの本課題解決手段の第1のネットワーク接
続装置との間に確立されたVCを少なくとも1本捕捉し
て、これを該宛先ネットワーク/サブネット宛の専用V
Cとし、以降は該VCを介して該サブネット宛のデータ
グラムを送出することにより、該ネットワーク接続装置
は、該VCを該宛先ネットワーク/サブネット宛の専用
VCとして以降使用することができると共に、該VCに
ついて、次段以降の本課題解決手段の第1のネットワー
ク接続装置においてデータリンクレイヤレベルで宛先ネ
ットワーク/サブネットまでのエンド−エンドのVCに
て接続を行うための一部分として使用することが可能と
なる。
【0522】また、前記VC(P61)とVC(P6
2)とをデータリンクレイヤ接続部にて相互にデータリ
ンクレイヤレベルにて接続することにより、該ネットワ
ーク接続装置をデータリンクレイヤレベルにて接続する
ことにより、該ネットワーク接続装置をデータリンクレ
イヤレベルにてスルーし、かつ内部のルーチングテーブ
ルの経路に従ったエンド−エンドのデータリンクレイヤ
コネクションの設定が具体的に可能となる。
【0523】また、前記特定ネットワーク/サブネット
宛専用のVC内のセルを監視し、一定時間セルトラヒッ
クが無い場合は、先にデータリンクレイヤ接続部にて相
互に接続したVCからのデータの転送先を内部のルータ
処理部に変更し、該VCと転送先ネットワーク/サブネ
ットとの対応関係をキャンセルすることにより、該(本
課題解決手段のネットワーク接続装置にてデータリンク
レイヤレベルで相互接続された)VCの起点ネットワー
ク接続装置の異常や該経路の途中ネットワーク接続装
置、あるいは途中リンクにおける異常の場合に、該デー
タリンクレイヤコネクションを介したデータグラムの転
送ができない場合でも、これらのデータリンクレイヤコ
ネクションがガーベージ(ゴミ)として残ってしまうこ
とを未然に防止することが可能となる。
【0524】また、第1、第3、第5のネットワーク接
続装置において、隣接する次段のルータ、あるいはリン
クに異常が認識される場合、データリンクレイヤ接続部
において、該異常が認識される方向へ設定された、該デ
ータリンクレイヤ接続部をデータリンクレイヤにてスル
ーするデータリンクレイヤコネクションの受信先を該ネ
ットワーク接続装置内のルータ処理部と変更することに
より、異常の検出された方向へのデータグラムの転送を
未然に防ぎ、従来のデータグラムの転送と転送と同様
な、「異常発生箇所の前段のルータのルーチングテーブ
ルに従ったデータグラム配送」いう図式をエミュレート
することが可能となる。また、異常の認知された前段の
ネットワーク接続装置にて該対処を行うことにより、途
中段(データリンクレイヤレベルでのVCの相互接続を
行っている本課題解決手段のネットワーク接続装置の
内、VCの起点となっているネットワーク接続装置と、
異常発生箇所の前段のネットワーク接続装置の間に位置
するネットワーク接続装置)においては特に該相互接続
を行っているVCに対して対処を行なわなくとも、従来
技術通りの異常時におけるデータグラム配送の継続が可
能となり、途中段のネットワーク接続装置の負荷を軽減
できる。
【0525】また、第3のネットワーク接続装置におい
て、「データリンクレイヤ接続部にてデータリンクレイ
ヤレベルで相互に結合された専用のVC」が割り当てら
れていないエド−エンドのデータリンクレイヤコネクシ
ョンの設定要求を受信した場合、あるいは、第5のネッ
トワーク接続装置において、宛先ネットワーク/サブネ
ットに対して、「データリンクレイヤ接続部にてデータ
リンクレイヤレベルで相互に結合された専用のVC」が
割り当てられていないデータグラムをVCを通して受信
した場合に、既に該宛先ネットワーク/サブネット宛の
データリンクレイヤコネクションVCが確立している場
合は、該VCに前段のネットワーク接続装置から自ネッ
トワーク接続装置までのVCをマルチプレクスすること
により、網全体で確立すべきVC数を低減することが可
能となる。また、該マルチプレクスの際に、あるソース
からの上位レイヤパケットの送信中に、別のソースから
の上位レイヤパケットがセルレベルで多重化されないよ
うにスケジューリングを行うことにより、マルチプレク
スされたVCにおいて、相異なるソースからのデータグ
ラムがセルレベルで(同一のセルヘッダ値を有した状態
で)多重化され、受信側にてデセル化処理(上位レイヤ
パケットの再生処理)が不可能となることを未然に防止
することが可能となる。
【0526】また、本課題解決手段のコネクションオリ
エンテッド網のインターネットにおけるデータグラム配
送方法においては、コネクションオリエンテッド網のイ
ンターネットを行う複数のネットワーク接続装置間に、
QOSを保証した仮想パス(VP)を確立し、ネットワ
ーク接続装置間のデータグラムの転送は、該VP内に確
立された、QOSを保証しない仮想コネクション(V
C)を介して行うことにより、ネットワーク接続装置間
のデータグラムの転送を同一対地(同一の次ホップのネ
ットワーク接続装置)に関して複数のVCを介して行う
際に、該VC群全体で、一定のQOS(VPに割り当て
られたQOS)を保証することが可能となり、このQO
Sが、「両ネットワーク接続装置間のデータグラム転送
のためのQOS」であると定めることができる。
【0527】また、該VP内に、該VPの終端となる隣
接するネットワーク接続装置間を相互に結合するVC
と、該ネットワーク接続装置をデータリングレイヤ処理
のみにてスルーし、更に遠方のネットワーク接続装置と
を相互に結合するVCを多重化することにより、第1、
第3、第5のネットワーク接続装置において実現される
データグラムの転送方法におけるネットワーク接続装置
間トラヒックを、一定のQOS値を保証した上で実現す
ることが可能となる。
【0528】最後に、主な効果について述べる。
【0529】本課題解決手段に係るネットワーク接続装
置によれば、ネットワーク層交換部の受信パケットおよ
び送信パケットの少なくとも一方に基づいてまたは外部
からの要求に応じて、ネットワーク層転送からデータリ
ンク層転送に切替えるようにしたので、コネクションレ
ス通信をほとんどコネクションオリエンティッドコネク
ションのように小さなオーバーヘッドで転送可能とな
る。したがって、高速コネクションレスサービスクラス
のデーラグラム転送のレイテンシー特性が向上されると
同時に、一般のコネクションレスサービスもその処理量
が減少するので、高速な転送が実現される。
【0530】
【発明の効果】本発明によれば、ネットワーク接続装置
が、一方のネットワークからの受信に使用される転送路
と他方のネットワークへの送信に使用される転送路との
対応関係を記憶する手段を有し、ネットワークレイヤレ
ベルでの処理を行ってパケット転送を行う際にパケット
の受信に使用された仮想コネクションと送信に使用され
た仮想コネクションとを検出しそれら検出された仮想コ
ネクションに基づいてこの記憶手段に必要な対応関係を
登録し、この対応関係に従って(ネットワークレイヤレ
ベルの処理を行うことなく)ネットワークレイヤレベル
より下位レベル(例えばATMレイヤレベル)の処理で
パケット転送を行うため、例えば送信端末から宛先端末
まで複数のネットワークをまたがってATMレイヤレベ
ルの処理のみでパケットが転送できることになり、ネッ
トワーク間の高速なパケット転送が実現できる。
【0531】また、本発明によれば、上記の検出に基づ
いて記憶手段に必要な対応関係を登録するネットワーク
接続装置へパケットを送信するネットワークノード装置
は、はじめは、ネットワーク接続装置においてネットワ
ークレイヤレベルの処理でパケット転送されていたもの
が、ネットワークレイヤレベルより下位レベルの処理で
パケット転送されるようになり、ネットワーク間の高速
なパケット転送が実現できる。
【0532】また、本発明によれば、制御メッセージに
基づいて記憶手段に必要な対応関係を登録するネットワ
ーク接続装置へパケットを送信するネットワークノード
装置は、制御メッセージを送った後に記憶手段を更新す
ることにより、ネットワーク接続装置においてネットワ
ークレイヤレベルより下位レベルの処理でパケット転送
されるようになり、ネットワーク間の高速なパケット転
送が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本ネットワーク・モデル構成の一例を示す図
【図2】本発明の実施形態1に係るATM交換機の構成
例を示す図
【図3】ATM交換機の持つ経路制御テーブルの一例を
示す図
【図4】同実施形態に係る送受信端末の構成例を示す図
【図5】送受信端末の持つVCC管理表の一例を示す図
【図6】送受信端末の持つ宛先管理表の一例を示す図
【図7】同実施形態に係るルータの構成例を示す図
【図8】ルータの持つVCC管理表の一例を示す図
【図9】ルータの持つバイパスパイプ管理表の一例を示
す図
【図10】ネットワーク構成の一例を示す図
【図11】図10のネットワークの各スイッチの経路制
御テーブルの内容の一例を示す図
【図12】図10のネットワークの各ノードの持つVC
C管理表の内容の一例を示す図
【図13】同実施形態の送信端末の情報パケットの送出
手順を示すフローチャート
【図14】同実施形態のルータの情報パケットの取扱手
順を示すフローチャート
【図15】発明の実施形態1−2に係る送受信端末の持
つVCC管理表の一例を示す図
【図16】同実施形態の送信端末の情報パケットの送出
手順を示すフローチャート
【図17】同実施形態のルータの情報パケットの取扱手
順を示すフローチャート
【図18】制御メッセージのフォーマットの一例を示す
【図19】本発明の実施形態2−1に係る送受信端末の
構成例を示す図
【図20】送受信端末の持つ宛先管理表の一例を示す図
【図21】送受信端末の持つVCC管理表の一例を示す
【図22】同実施形態に係るルータの構成例を示す図
【図23】ルータの持つバイパスパイプ管理表の一例を
示す図
【図24】図10のネットワークの各スイッチの経路制
御テーブルの内容の他の例を示す図
【図25】図10のネットワークの各ノードの持つVC
C管理表の内容の他の例を示す図
【図26】同実施形態の送信端末の情報パケットの送出
手順を示すフローチャート
【図27】同実施形態のルータの情報パケットの取扱手
順を示すフローチャート
【図28】本発明の実施形態2−2に係るバイパスパイ
プ設定のシーケンスを説明するための図
【図29】本発明の実施形態2−3に係るバイパスパイ
プ設定および解放のシーケンスを説明するための図
【図30】本発明の実施形態2−4に係るバイパスパイ
プ設定および解放のシーケンスを説明するための図
【図31】バイパスパイプ設定時の制御メッセージ・シ
ーケンスを示す図
【図32】バイパスパイプ設定時の他の制御メッセージ
・シーケンスを示す図
【図33】バイパスパイプ設定時のさらに他の制御メッ
セージ・シーケンスを示す図
【図34】各制御メッセージ・シーケンスの動作を説明
するための図
【図35】バイパスパイプの設定および解放の際に用い
る各表を示す図
【図36】バイパスパイプ解放時の制御メッセージ・シ
ーケンスを示す図
【図37】バイパスパイプ解放時の他の制御メッセージ
・シーケンスを示す図
【図38】バイパスパイプ解放時のさらに他の制御メッ
セージ・シーケンスを示す図
【図39】同実施形態のルータの状態遷移図
【図40】本発明の実施形態2−5に係るバイパスパイ
プ設定および解放のシーケンスを説明するための図
【図41】同実施形態のルータの状態遷移図
【図42】各制御メッセージ・シーケンスの動作を説明
するための図
【図43】同実施形態のルータの状態遷移図
【図44】各制御メッセージ・シーケンスの動作を説明
するための図
【図45】本発明の実施形態2−6に係るルータの情報
パケットの取扱手順を示すフローチャート
【図46】ネットワーク構成の一例を示す図
【図47】バイパスパイプを利用する情報パケットの発
信者および受信者を説明するための図
【図48】ネットワーク構成の一例を示す図
【図49】本発明の実施形態3に係るルータの概略構成
【図50】同実施形態のルータでのパケット送受信の手
順の一例を説明するための図
【図51】同実施形態のルータでのパケット送受信の手
順の他の例を説明するための図
【図52】同実施形態のデータリンク層コネクション設
定判定部の手順の一例を説明するための図
【図53】本発明の実施形態4におけるコネクションオ
リエンティッドサービスを説明するための図
【図54】同実施形態における高速コネクションレスサ
ービスを説明するための図
【図55】同実施形態におけるコネクションレスサービ
スを説明するための図
【図56】同実施形態における高速コネクションレスと
コネクションレスサービスの状態遷移を説明するための
【図57】同実施形態におけるキャッシュテーブル情報
を示す図
【図58】同実施形態におけるコネクションレスサービ
スクラス管理テーブルを示す図
【図59】同実施形態におけるネットワーク接続装置で
のコネクションのリレーイングを説明するための図
【図60】本発明の実施形態5に係るATM網の概略構
成図
【図61】同実施形態のATM−LANの内部構造を示
す図
【図62】同実施形態の2ポート網間接続装置の内部構
造を示す図
【図63】同実施形態の2ポートIWUの概略構成図
【図64】同実施形態のマルチポート網間接続装置の内
部構造
【図65】同実施形態のATMーLANのインターネッ
ト環境の立ち上げ手順及び運用のフロチャート
【図66】隣接するルータ間に確立されたデータグラム
配送用コネクションの初期状態の一例を示す図
【図67】図66のIWU1A内のルーチングテーブル
を示す図
【図68】図66のIWU1B内のルーチングテーブル
を示す図
【図69】初段ルータに関するIWUの直結VC確立手
順のフローチャート
【図70】中間段/最終段ルータに関するIWUの直結
VC確立手順のフローチャート
【図71】IWU1Aを起点としたデータグラム配送用
隣接VC/直結VCの途中状態の一例を示す図
【図72】図71のIWU1A内のルーチングテーブル
を示す図
【図73】初段ルータに関するIWUの他の直結VC確
立手順のフローチャート
【図74】中間段/最終段ルータに関するWUの他の直
結VC確立手順のフローチャート
【図75】隣接するIWU間に確立されるVPを示す図
【図76】IWU1Aを起点としたデータグラム配送用
隣接VC/直結VCの最終状態の一例を示す図
【図77】図76のIWU1A内のルーチングテーブル
を示す図
【図78】IWU1Bを起点としたデータグラム配送用
隣接VC/直結VCの最終状態の一例を示す図
【図79】図78のIWU1B内のルーチングテーブル
を示す図
【図80】本発明の実施形態5に係る異常時における対
応の処理の流れを示すフローチャート
【図81】本発明の実施形態6に係るATM網の概略構
成図
【図82】同実施形態のATMインターネット環境にお
けるデータグラムのルーチング手順を示すフローチャー
【図83】隣接ルータ間に確立された隣接VCとIWU
内のルーチングテーブルの初期状態の一例を示す図
【図84】図83のIWU1A内のルーチングテーブル
を示す図
【図85】図83のIWU1B内のルーチングテーブル
を示す図
【図86】初段ルータに関するIWUの直結VC確立手
順のフローチャート
【図87】中間段/最終段ルータに関するIWUの直結
VC確立手順のフローチャート
【図88】IWU11A,11B,11C間のデータグ
ラム配送用隣接VC/直結VCを示す図
【図89】IWU11Aへの直結VCの構成を示す図
【図90】本発明の実施形態7に係るATM網の概略構
成図
【図91】初段ルータに関するIWUの直結VC確立手
順のフローチャート
【図92】中間段/最終段ルータに関するIWUの直結
VC確立手順のフローチャート
【図93】初段ルータに関するIWUの他の直結VC確
立手順のフローチャート
【図94】中間段/最終段ルータに関するIWUの他の
直結VC確立手順のフローチャート
【図95】IWU15Aを起点としたデータグラム配送
用隣接VC/直結VCを示す図
【図96】従来のルータおよびLAN環境を説明するた
めの図
【符号の説明】
201…ネットワーク・インタフェース部 202…データリンク層交換部 203…データリンク層−ネットワーク層交換部 204…ネットワーク層交換部 205…データリンク層コネクション設定判断部 206…データリンク層制御部 207…ネットワーク層制御部 11〜18,111〜118,151〜158…ATM
−LAN 1A〜1F,11A〜11F,15A〜15F…網間接
続装置 21〜24…ATMスイッチノード 2A〜2G…端末装置 31,33…網インタフェース 32…アッドドロップ及びヘッダ変換部 34…AAL処理部 35…ルータ処理部 36…リンクレイヤコネクション処理部 37…IWU制御部 41…ワークステーション 42…通信ボード 51−1〜51−n…網インタフェース 54−1〜54−n…スイッチ入出力処理部 57…ATMスイッチ 58…AAL処理部 59…ルータ処理部 60……リンクレイヤコネクション処理部 61…IWU制御部 81〜87…VP 91,102〜104,133,134,161…隣接
VC 92〜95,105,131,132,162〜165
…直結VC 411…CPU 412…メインメモリ 413…バスインタフェース 414…ハードディスク 415…メインバス 416…周辺バス 421…物理インタフェース対応部(A) 422…セル同期部(A) 423…物理インタフェース対応部(B) 424…セル同期部(B) 425…アッドドロップ/ヘッダ変換部 426…AAL処理部 427…バスインタフェース部 601…ルータ 611…ATMレイヤ処理部 612…ATMセル・IPパケット変換部 613,613´´…IPレイヤ処理部 6131…情報パケット送受信部 6132…制御メッセージ送受信部 614…VCC管理部 615…VCC制御部 616…VCC管理表 617…バイパスパイプ管理部 618…バイパスパイプ制御部 619,619´´…バイパスパイプ管理表 602…端末 621…ATMレイヤ処理部 622…ATMセル・IPパケット変換部 623,623´´…IPレイヤ処理部 6231…情報パケット送受信部 6232…制御メッセージ送受信部 624…VCC管理部 625…VCC制御部 626,626´,626´´…VCC管理表 6261,6263…デフォルトVCC管理表 6262,6264…その他のVCC管理表 627…宛先管理部 628…宛先管理表制御部 629,629´´…宛先管理表 603…ATM網 604…ATM交換機 641…情報パケット転送部 642…経路制御テーブル 605−1,605−2…呼制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 健 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 江崎 浩 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平6−311185(JP,A) 特開 平6−205039(JP,A) 特開 平4−107029(JP,A) 特開 平5−219096(JP,A) M.Ohta,H.Esaki,K. Nagami,”Convention al IP over ATM”,IN TERNET DRAFT,draft −ohta−ip−over−atm− 01.txt,July 1994 1994年電子情報通信学会秋季大会 B −599(1994年9月5日) 電子情報通信学会技術研究報告 IN 93−108(1994年1月28日) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 H04L 12/46 H04L 12/56 H04L 12/66

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の論理ネットワークに接続されて、第
    2の論理ネットワークに接続されたノードにパケットを
    送信するネットワークノード装置であって、 前記第1の論理ネットワークとのインタフェースを提供
    するインタフェース手段と、 前記第1の論理ネットワークと前記第2の論理ネットワ
    ークとを接続するネットワーク接続装置に、該ネットワ
    ーク接続装置において該第1の論理ネットワークからパ
    ケットを受信するために用いられる第1の仮想的転送路
    と該第2の論理ネットワークへパケットを送信するため
    に用いられる第2の仮想的転送路との間の対応関係を登
    録させるための情報を含む制御メッセージを送信する第
    1の送信手段と、 前記パケットの宛先情報と該パケットを送信するために
    使用すべき前記第1の仮想的転送路との間の対応を記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された前記対応に従って前記パケッ
    トを送信する第2の送信手段とを備えたことを特徴とす
    るネットワークノード装置。
  2. 【請求項2】自装置と前記ネットワーク接続装置との間
    の前記第1の仮想的転送路についての前記第1の論理ネ
    ットワークでユニークな識別情報を記憶する格納手段を
    更に備え、 前記第1の送信手段は、前記格納手段に記憶された前記
    第1の仮想的転送路の前記識別情報および前記第1の仮
    想的転送路上を転送されるべきパケットグループを特定
    するための特定情報を含む制御情報を送信することを特
    徴とする請求項1に記載のネットワークノード装置。
  3. 【請求項3】前記第1の送信手段は、自装置により転送
    されるべきパケットの転送に関連する統計情報に基づい
    て前記制御メッセージを送信することを特徴とする請求
    項1に記載のネットワークノード装置。
  4. 【請求項4】前記第1の送信手段は、前記ネットワーク
    接続装置を越えた側で新たなノードが立ち上げられた場
    合に前記制御メッセージを送信することを特徴とする請
    求項1に記載のネットワークノード装置。
  5. 【請求項5】前記第1の送信手段は、自装置が前記ネッ
    トワーク接続装置を介して転送されるべきパケットを送
    信する必要が生じた場合に前記制御メッセージを送信す
    ることを特徴とする請求項1に記載のネットワークノー
    ド装置。
  6. 【請求項6】仮想コネクションを通してパケットの送受
    信を行うための、少なくとも1つのインタフェース手段
    と、 パケットを送信すべき次段ノードアドレスを決定し、該
    次段ノードアドレスに対応する第1の仮想コネクション
    を通して該パケットを送信する第1の送信手段と、 特定の宛先アドレスを持つパケットの送信に使用される
    べき第2の仮想コネクションと、前記特定の宛先アドレ
    スとの間の対応を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された前記対応に従って前記特定の
    宛先アドレスを持つパケットを前記第2の仮想コネクシ
    ョンを通して送信する第2の送信手段とを備えたことを
    特徴とするネットワークノード装置。
  7. 【請求項7】前記特定の宛先アドレスを持つパケットに
    ついて決定された次段ノードに、前記第2の仮想コネク
    ションと該次段ノードから前記宛先ノードに向かう第3
    の仮想コネクションとの間の対応関係を登録させるため
    の情報を含む制御メッセージを送信する第3の送信手段
    を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載のネット
    ワークノード装置。
  8. 【請求項8】前記制御メッセージに含まれる前記第2の
    仮想コネクションに関する情報に従って前記記憶手段に
    前記対応を登録する登録手段を更に備えたことを特徴と
    する請求項7に記載のネットワークノード装置。
  9. 【請求項9】前記第3の送信手段が前記制御メッセージ
    を送信した後に、前記第1の送信手段によるパケット送
    信を前記第2の送信手段によるパケット送信に切り替え
    ることを特徴とする請求項7に記載のネットワークノー
    ド装置。
  10. 【請求項10】前記登録が行われたことを示す通知が前
    記次段ノードから返された場合に、前記第1の送信手段
    によるパケット送信を前記第2の送信手段によるパケッ
    ト送信に切り替えることを特徴とする請求項7に記載の
    ネットワークノード装置。
  11. 【請求項11】自ノードの接続された第1の論理ネット
    ワークと、これとは異なる第2の論理ネットワークとを
    接続するネットワーク接続装置に、該ネットワーク接続
    装置において該第1の論理ネットワークからパケットを
    受信するために用いられる第1の仮想的転送路と該第2
    の論理ネットワークへパケットを送信するために用いら
    れる第2の仮想的転送路との間の対応関係を登録させる
    ための情報を含む制御メッセージを送信し、 パケットの宛先情報と該パケットを送信するために使用
    すべき前記第1の仮想的転送路との間の対応を記憶し、 記憶された前記対応に従って前記パケットを前記第1の
    仮想的転送路を通して送信することを特徴とするパケッ
    ト転送方法。
  12. 【請求項12】特定の宛先アドレスを持つパケットの送
    信に使用可能な第1の仮想コネクションと、前記特定の
    宛先アドレスとの間の対応を記憶し、 記憶された前記対応に従って前記特定の宛先アドレスを
    持つパケットを前記第1の仮想コネクションを通して送
    信し、 前記特定の宛先アドレスを持たないパケットを、該パケ
    ットについての次段ノードアドレスに基づいて決定され
    る第2の仮想コネクションを通して送信することを特徴
    とするパケット転送方法。
  13. 【請求項13】少なくとも2つの論理ネットワークを接
    続するネットワーク接続装置において、 一方の前記論理ネットワークから受信したパケットに対
    しネットワークレイヤレベルの処理を施して他方の前記
    論理ネットワークへ送信する第1の転送手段と、 一方の前記論理ネットワークからのパケットの受信に使
    用されるべき仮想的転送路と他方の前記論理ネットワー
    クへのパケットの送信に使用されるべき仮想的転送路と
    の対応関係を記憶する記憶手段と、 この記憶手段に記憶された対応関係に従って、前記ネッ
    トワークレイヤレベルの処理を行わずに、パケット転送
    を行う第2の転送手段と、 前記第1の転送手段による転送を行う際に、前記パケッ
    トの受信に使用された仮想的転送路と送信に使用された
    仮想的転送路とを検出し、それら検出された仮想的転送
    路に基づいて前記対応関係を前記記憶手段に登録する手
    段とを備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
  14. 【請求項14】前記記憶手段は、前記一方の論理ネット
    ワークからのパケットの受信に用いられる仮想コネクシ
    ョンについて、前記第1の転送手段によりパケット転送
    を行うべきか否かを示す情報をも記憶することを特徴と
    する請求項13に記載のネットワーク接続装置。
  15. 【請求項15】一方の論理ネットワークに属する第1の
    ノードから他方の論理ネットワークに属する第2のノー
    ドへ送信されるパケットを転送するパケット転送方法で
    あって、 前記第1のノードからのパケットの送信に使用可能な第
    1の仮想コネクションを通して送信された、宛先ノード
    情報を含むパケットを受信し、 前記パケットに含まれる前記宛先ノード情報をネットワ
    ークレイヤレベルで解析し、前記第2のノードへのパケ
    ットの送信に使用可能な第2の仮想コネクションを決定
    し、 前記パケットを前記第2の仮想コネクションを通して送
    信するとともに、前記パケットの受信に使用された前記
    第1の仮想コネクションと前記パケットの送信に使用さ
    れた第2の仮想コネクションとの対応関係を記憶手段に
    記憶し、 新たにパケットを受信したときに用いられた仮想コネク
    ションについての対応関係が前記記憶手段に記憶されて
    いる場合に、該対応関係に従って、ネットワークレイヤ
    レベルの解析を行わずに、該新たに受信したパケットを
    転送することを特徴とするパケット転送方法。
  16. 【請求項16】複数の仮想コネクション型論理ネットワ
    ークと、 端末ノードおよび前記論理ネットワークを接続するネッ
    トワーク接続装置を含む、前記論理ネットワークに接続
    された複数のネットワークノードとを備え、 前記ネットワーク接続装置の各々は、 一方のネットワークノードからのパケットの送信に使用
    可能な第1の仮想コネクションと他方の論理ネットワー
    クノードへのパケットの送信に使用可能な第2の仮想コ
    ネクションとの対応関係を記憶する記憶手段と、 新たなパケットを受信したときに用いられた仮想コネク
    ションについての対応関係が前記記憶手段に記憶されて
    いる場合には、ネットワークレイヤレベルの処理を行わ
    ずに、該新たな受信したパケットを転送する手段と、 新たなパケットを受信したときに用いられた仮想コネク
    ションについての対応関係が前記記憶手段に記憶されて
    いない場合には、ネットワークレイヤレベルの処理を行
    って、該新たな受信したパケットを転送する手段とを備
    え、 前記第1の仮想コネクションを通して送信された前記新
    たなパケットを受信した場合に、該前記新たなパケット
    に含まれる宛先ノード情報をネットワークレイヤレベル
    で解析して前記第2の仮想コネクションを決定し、前記
    対応関係を前記記憶手段に登録することを特徴とするネ
    ットワークシステム。
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1994年電子情報通信学会秋季大会 B−599(1994年9月5日)
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