JP3224288B2 - トルエン不均化における改良された選択性のための開始工程 - Google Patents

トルエン不均化における改良された選択性のための開始工程

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
【0002】
【発明の分野】本発明は、アルキル芳香族原料流の不均
化における、そしてより特に比較的高いアルミニウム含
有量のモルデン沸石を使用するトルエン含有供給原料の
不均化における、使用のための開始工程に関するもので
ある。
【0003】
【関連技術の記載】トルエンの不均化は既知のアルキル
交換反応を包含しており、そこではトルエンが下記の反
応に従いベンゼンおよびキシレンに転化される:
【0004】
【化1】
【0005】反応(1)は穏やかな発熱性である。
【0006】モルデン沸石はアルキル芳香族化合物類の
アルキル交換において有用な多数の分子ふるい触媒の1
種である。結晶性アルミノ珪酸塩ゼオライトとして、モ
ルデン沸石は結晶構造内で酸素原子により相互結合され
ているケイ素およびアルミニウム原子の網目構造を示し
ている。モルデン沸石触媒の一般的記載に関しては、カ
ーク−オスマー(Kirk-Othmer)、エンサイクロペディア
・オブ・ケミカル・テクノロジー(Encyclopedia of Che
mical Technology)、3版、1981、項目「分子ふる
い」、15巻、638−643頁を参照のこと。天然産
出されるかまたは天然産出ゼオライトを模倣して合成さ
れたモルデン沸石は典型的には約10以下の比較的低い
シリカ対アルミナモル比を示す。しかしながら、実質的
にそれより低いアルミナ含有量を示すモルデン沸石触媒
も既知である。これらのアルミニウム不足性モルデン沸
石触媒は10より大きく約100までの範囲のシリカ対
アルミナ比を示し、そして例えばサンド(Sand)の米国特
許番号3,436,174中に開示されている直接的合成
によりまたはヴーリース(Voorhies)他の米国特許番号
3,480,539中に開示されている比較的簡便に製造
されたモルデン沸石の酸抽出により製造することができ
る。典型的なおよびアルミニウム不足性モルデン沸石の
両者ともトルエンの不均化において有用であることが知
られている。
【0007】トルエン供給原料の不均化は約200℃−
約600℃の範囲またはそれ以上の温度においてそして
大気圧−多分100気圧以上の範囲の圧力において実施
することができる。しかしながら、特定触媒は反応温度
に対して制限を課するかもしれず、その結果として触媒
活性および老化特性に影響を与える。一般的には、先行
技術は高アルミニウムモルデン沸石(低いシリカ対アル
ミナ比)の使用時の比較的高い温度の使用および低アル
ミナモルデン沸石の使用時の幾分比較的低い温度を示唆
している。従って、高いシリカ/アルミナ比を示すモル
デン沸石触媒がアルキル芳香族類のアルキル交換におい
て使用される場合には、温度範囲の低い方の端部に向か
って操作することが実際的である。しかしながら、バト
ラー(Butler)の米国特許番号4,665,258は370
°−500℃の温度範囲を含む比較的厳しい不均化条件
下でアルミニウム不足性モルデン沸石触媒を使用するト
ルエン含有供給原料の不均化を開示している。モルデン
沸石触媒は少なくとも30の、そしてより望ましくは4
0−60の範囲内の、シリカ/アルミナモル比を示す。
供給原料はモルデン沸石触媒を含有している反応区域に
比較的高い空間速度を与える速度で供給することができ
る。トルエン重量毎時空間速度(WHSV)は1より大
きくてもよい。水素を反応区域に3−6の範囲内の水素
/トルエンモル比で供給する。水素圧力は35kg/c
2 (500psi)以上であってもよい。トルエン供
給原料はそれを反応区域に供給する前に乾燥する必要は
なく、そして該特許は100ppmを越える水含有量を
示すトルエン供給原料を開示している。
【0008】バトラー他はまた、不均化反応の開始前に
熱い予備流入気体である窒素または水素を反応区域に通
すことも開示している。予備流入気体をトルエン原料が
始動される時間までに触媒を実質的に脱水するのに充分
な温度に加熱する。この方法により、不均化工程は最初
に幾らか比較的低い温度において且つトルエン転化率を
減少させずに実施することができる。不均化が進行する
につれて、温度が次第に高まってトルエン転化率を希望
する水準に、典型的には理論値の約80%に、保つ。
【0009】メナード(Menard)他の米国特許番号4,7
23,049は、上記のバトラー特許中に開示されてい
る型のアルミニウム不足性モルデン沸石上で実施される
トルエン不均化を開示している。好適には370°−5
00℃の反応区域温度においてそしてより好適には40
0°−500℃の温度において改質されていないアルミ
ニウム不足性モルデン沸石触媒を用いて実施されるこの
方法では、水素の供給を続けながら反応区域へのトルエ
ンの供給を中断する。好適には水素供給が続けられてい
る間の中断期間は反応区域へのトルエン供給原料の供給
を制限する前の少なくとも1日間である。この操作方式
は触媒の老化性質を促進させそして対応するトルエン転
化率における減少なしに反応器区域温度における減少を
示すことが開示されている。
【0010】触媒的に活性な金属含有量を有するアルミ
ニウム不足性モルデン沸石触媒を促進させることも一般
的な実施法である。例えば、ブランデンブルグ(Branden
burg)他の米国特許番号3,476,821は10−10
0の範囲内のそして好適には約20−60の範囲内のシ
リカ/アルミナ比を有するモルデン沸石触媒を使用する
不均化反応を開示している。モルデン沸石はVIII族金属
類から選択された硫化されている金属の包含により改質
されている。金属はモルデン沸石中に既知のイオン交換
または含浸技術により包含させることができる。特に好
適な硫化されているVIII族金属類は0.5−10重量%
の濃度で存在しているコバルトおよびニッケルである。
酸化ニッケルと比較した時に、硫化ニッケルは気体およ
び飽和炭化水素収率により示されている如く比較的低い
過剰活性を与えると言われている。ここで望ましい温度
範囲は約204.4−398.9℃(400−750°
F)そして好適には232.2−337.8℃(450−
640°F)であると言われている。金属促進剤は、数
時間または数日間にわたり延長する実験により示されて
いる如く、活性および触媒寿命を実質的に増加させる。
すでに記されている如く、水素はトルエンと共に反応
区域に供給される。不均化反応(1)は水素の化学的消
費を含んでいないが、共原料である水素の使用は一般的
には例えば上記のブランデンブルグ特許中に開示されて
いる如く触媒の有効寿命を延長させると考えられてい
る。通常は水素/トルエンモル比で測定される水素の供
給量は先行技術では温度が増加するにつれて増加するこ
とが一般的に示されている。
【0011】バーヴィカッチ(Bhavikatti)他、「アルミ
ニウム−不足性および金属−充填されたモルデン沸石類
上でのトルエン不均化、1、触媒活性および老化(Tolue
neDisproportionation Over Aluminum-Defisient and M
etal-Loaded Mordenites.1. Catalytic Activity and A
ging)」、Ind. Eng. Chem. Prod. Res. Dev.、198
1、20、102−105、は400℃における12−
61の範囲のシリカ/アルミナモル比を有するモルデン
沸石触媒上での大気圧および1の空間速度(WHSV)
におけるトルエン不均化を開示している。シリカ/アル
ミナモル比が増加するにつれて、触媒活性は実質的に減
少しながら老化性質が増加する。すなわち、老化速度は
比較的低かった。短期間老化研究に基づくと、最良のシ
リカ/アルミナモル比は23であるようである。モルデ
ン沸石にニッケルを充填することによっても、触媒衰微
は抑制された。12、16および23のシリカ/アルミ
ナ比を有するモルデン沸石は、ニッケルの含有によりア
ンモニウムモルデン沸石を硝酸ニッケルの水溶液でイオ
ン交換することを含む工程により、改質された。イオン
交換後に、触媒は水素環境下で2時間にわたり活性化さ
れた。23のシリカ/アルミナ比を有するニッケル改質
されたモルデン沸石に関する最良の活性化温度は約55
0℃であることが示されていた。12のシリカ/アルミ
ナ比を有するニッケル改質されたモルデン沸石は、23
のシリカ/アルミナ比のニッケル充填されたモルデン沸
石と比べた時に相当低い活性を示した。
【0012】ミッチェ(Mitsche)の米国特許番号3,56
2,345は、トルエンの不均化における例えばモルデ
ン沸石触媒の如き分子ふるいの使用を開示している。触
媒は約6−約12のシリカ/アルミナモル比、約3−約
18オングストロームの孔開口部および酸化または還元
状態の触媒的に活性な金属物質、特にモリブデン、タン
グステン、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、白金、パ
ラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、および
イリジウムを含むVIB族およびVIII族金属類、の加入に
より特徴づけられている。ミッチェは約200℃−約4
80℃の温度におけるアルキル交換を開示しておりそし
て420℃−450℃の温度におけるトルエンのアルキ
ル交換の特定例を供している。
【0013】ミッチェ他の米国特許番号3,677,97
3は、トルエンの不均化における約10−約30のシリ
カ/アルミナモル比を供するアルミナ塩と複合されたモ
ルデン沸石触媒の使用を開示している。この特許で提唱
されている反応条件は上記のミッチェ特許中に示されて
いるものと同様でありそして前者の特許のようにミッチ
ェ他は触媒中へのVIB族およびVIII族金属類の加入を開
示している。
【0014】マーシリー(Marcilly)の米国特許番号4,
151,120は、10−100内のシリカ/アルミナ
モル比を有するモルデン沸石触媒中へのコバルト、ニッ
ケル、銀またはパラジウムの加入を含んでいる炭化水素
転化触媒の製造方法を開示している。モルデン沸石中へ
の金属の加入後に、触媒を乾燥しそして300−700
℃の範囲内の温度において1%より少ない水分含有量を
有する不活性または酸化性気体の存在下で乾燥か焼工程
にかける。マーシリーは、420℃、30バール、5の
空間速度(WHSV)および5の水素/炭化水素モル比
という反応条件におけるトルエンの不均化の種々の例を
開示している。
【0015】デュフレーン(Dufresne)他の米国特許番号
4,723,048は、金属類の含有により改質されたゼ
オライト触媒を使用するトルエンの不均化方法を開示し
ている。触媒はいわゆる「広孔」モルデン沸石の性質の
ナトリウム含有モルデン沸石すなわち7−10オングス
トロームの直径を示す主要孔を有するモルデン沸石また
は「小孔」モルデン沸石すなわち4−6オングストロー
ムの直径を示す主要孔を有するモルデン沸石であると記
載されている。モルデン沸石類は処理されてそこからナ
トリウムを抽出して1重量%以下のナトリウムイオンそ
して好適には0.5重量%以下のナトリウムイオンを与
える。デュフレーンは、0.43重量%−2.11重量%
の範囲のニッケルの含有によりそしてニッケルをある種
の他の金属類と一緒に含有することにより改質されてい
る10.6(触媒A)、14.6(触媒B)、25.2
(触媒C)、および58.6(触媒D)のシリカ/アル
ミナ比を有するモルデン沸石類を開示している。デュフ
レーンは促進された老化工程の前後の10%−45%の
転化割合でニッケル改質された触媒の活性を開示してい
る。1.1%のニッケルを含有している触媒が最良の活
性を示し、2.11%のニッケルを含有している触媒B
および0.43%のニッケルを含有している触媒がそれ
よりわずかに低い活性を示す。1.81%のニッケル含
有量を有する触媒Aに関しては最も劣った活性であっ
た。
【0016】上記の代表的な先行技術は、金属促進性モ
ルデン沸石触媒を使用するアルキル芳香族不均化に関し
て行われる実験的および研究的操作の多くは比較的高水
準のアルキル芳香族転化率を得るかまたは触媒寿命を延
長させる(すなわち触媒の不活性化を調節する)ことに
関するものであった。
【0017】現存技術とは異なり、本発明はアルキル芳
香族類の不均化における使用のための開始工程に関する
ものであり、それは反応の全く最初から望ましいベンゼ
ン生成物への比較的大きい選択性並びに同時に起きる芳
香族供給物質の水素化による望ましくない化合物(以下
では非−芳香族化合物)の副生における相当な減少を生
じる。
【0018】本発明の実際的な利点は本質的に二倍であ
る。特に、比較的高い商業的価値を有しておりそして事
実上不断である需要を有する芳香族溶媒としてベンゼン
を製造する手段の効率を増加するための有効な経済的な
根拠がある。さらに精製操作に関連すると、匹敵する沸
点範囲の望ましくない非−芳香族化合物類からのベンゼ
ンの蒸留分離は非−芳香族副生物の相当な減少のために
顕著に促進され、それが本発明の目的である。
【0019】上記の如く、トルエン不均化を含む芳香族
水素化に一般的であるが望ましくない副生物(これは水
素がアルキル芳香族と共に不均化条件下で共に供給され
る時に生じる)は原則的には例えばメチルシクロヘキサ
ンの如き非−芳香族化合物でありそしてそれより少量の
他のパラフィン系および環式化合物である。これらの化
合物の生成は金属促進性モルデン沸石触媒およびその他
としては低い反応温度の存在に伴い特に観察される。し
かしながら、非−芳香族副生物水準は触媒寿命と直接的
に関連して減少することが知られている。従って、トル
エン不均化におけるベンゼンおよびキシレン(類)への
選択性は、安定化されるまでは上記の望ましい生成物に
対する最適な選択性を妨害する非−芳香族化合物の副生
物水準に依存している。出願人は反応開始中に共に供給
される水素量を調節することにより非−芳香族生成水準
を制限することができ、それによりベンゼン生成物に対
する比較的大きい反応選択性を生じるということを発見
した。
【0020】反応安定性および触媒老化特性を増加する
ことが信じられているため、アルキル芳香族類の不均化
において水素共原料を使用するのが望ましいことは一般
的に知られている。マーシリーにより(米国特許4,1
51,120)、バトラー他により(米国特許4,66
5,258)そしてバーヴィカッチ(Ind. Eng. Chem. P
rod. Res. Dev.、1981、20、102−105)に
より開示されている如く、例えば、先行技術は一般的に
3より大きい水素対トルエンのモル比を教示している。
出願人の発明はそれとは対照的に3.0以下のそして好
適には約1.0−2.0の水素対トルエンのモル比を教示
している。
【0021】従って、上記の観点では評価し得るほど望
ましく且つ安定な濃度のベンゼンを与えそして同時に望
ましくない非−芳香族化合物の副生における減少も与え
るアルキル芳香族原料流を不均化する開始方法に関する
要望が当技術において存在している。
【0022】
【発明の要旨】本発明に従うと、金属促進性モルデン沸
石触媒上での実質的に純粋なトルエン供給原料の不均化
方法が提供され、ここでは比較的低い濃度の水素共原料
を使用することにより望ましいベンゼン生成物の収率が
方法の開始中に増強され同時に望ましくない非−芳香族
生成物(類)が抑制される。本発明の実施においては、
トルエン供給原料が約16:1−22:1のシリカ対ア
ルミナモル比を示しそして1.0−1.5重量%の範囲内
のニッケル量を含有している金属促進性モルデン沸石触
媒を含有している反応区域に供給される。反応区域は2
50℃の開始温度で操作されており、それはその後に少
なくとも38.5kg/cm 2 ・g(550psig)
圧力下で徐々に約320°−330℃の範囲内に高めら
れる。供給原料は反応区域に約2のトルエンLHSVを
与えるのに充分な速度で供給される。水素気体は約0.
5−2.5のそして最も好適には約1.0−2.0の間の
水素対トルエンモル比を得るのに充分な速度で共に供給
される。トルエンからベンゼンおよびキシレンへの不均
化後に、不均化生成物が反応区域から除去される。
【0023】本発明の別の面では、水素共原料の濃度を
高めることそしてその結果として水素対トルエンのモル
比を3−4の間の値に高めることが可能であり、反応に
おける該時点で望ましい低く且つ安定な濃度の非−芳香
族化合物が生成物流中で観察される。非−芳香族類の安
定化された製造後の水素濃度におけるこの後開始増加が
一般的には触媒の老化性を促進させると信じられてい
る。
【0024】
【好適態様の記載】以上の論議で証されている如く、金
属で改質されたゼオライト触媒上でのトルエンの不均化
における水素の使用は当技術で既知である。しかしなが
ら、本発明はニッケルで改質されたモルデン沸石触媒上
での比較的低い温度条件下でのトルエン不均化を開始さ
せる改良された方式を提供するものであり、そらは望ま
しいことに例えば0.5%より少ない低収率の非−芳香
族生成物を与えそして39−40重量%の間の望ましい
高収率の望ましいベンゼンを生じる。
【0025】本発明の顕著な利点はここでは図1にグラ
フで示されており、それはニッケル促進性モルデン沸石
触媒の使用においては反応開始中の水素共原料の濃度を
減少させることにより生成物流中での最少の非−芳香族
化合物の生成を伴う約48%のトルエン転化率水準が得
られることを示している。この方法は比較的高い収率の
望ましいベンゼン生成物を生じる。最適な水素対トルエ
ンの詳細点は測定されていないが、最も意義ある改良は
約0.5−2.5の間、そしてより好適には約1.0−2.
0の間、で得られることが測定されている。
【0026】本発明に従うと、金属性水素化成分、より
特にニッケル、の含有により改質されたモルデン沸石型
の触媒を使用するトルエン不均化方法が提供され、そこ
では非−芳香族副生物の劇的な減少が約48%のトルエ
ン転化率、比較的低い温度、および望ましい低い触媒失
活速度と共に得られる。
【0027】本発明で使用されるモルデン沸石触媒は好
適には16:1−22:1の間のそしてより好適には約
18:1のシリカ対アルミナのモル比を示す。モルデン
沸石触媒はさらにニッケルの含有により改質される。出
願人の実験は、1.0重量%以上までのニッケルから製
造された触媒を使用することにより最良の結果が得られ
ることを示唆している。当技術では低いニッケル含有量
のモルデン沸石触媒がトルエンの転化において有用であ
りそしてベンゼンおよびキシレン類への選択性を助ける
ことが一般的に知られているが、それらは一般的に劣っ
た老化性質(特性)を示す。実験は、比較的大量のニッ
ケルを使用できるが対応する意義ある利点はなく、触媒
中のニッケル含有量の好適上限は約1.5重量%である
ことを示している。
【0028】本発明は、研究室反応器を用いる3種の水
素対トルエンモル比を使用して行われた研究から生じ
た。各場合とも、触媒は水素気体流下で適当な温度、好
適には250℃、に加熱することにより予備乾燥され
た。
【0029】その後、実質的に純粋なトルエン供給原料
を反応区域上に250℃の開始温度、並びに42kg/
cm 2 ・g(600psig)の圧力および供給原料液
体毎時空間速度(LHSV)=2.0において通し、該
温度はその後徐々に約320℃−330℃の範囲内に高
められた。水素対トルエンのモル比は0.5、1.7およ
び3.3に変えた。希望する48%の転化率を保つため
に反応器温度は徐々に高められた。
【0030】本発明をそれの特定態様を参照しながら記
載してきたが、本発明の精神または特許請求の範囲から
逸脱しない限り種々の変化および改変を行えることは本
発明の専門家には自明であろう。
【0031】本発明の主なる特徴および態様は以下のと
おりである。
【0032】1.トルエン−含有供給原料を金属促進性
モルデン沸石触媒の上で不均化させてベンゼンおよびキ
シレンを製造する方法のためのアルキル交換開始工程に
おいて、該工程の段階が (a)実質的に純粋なトルエンおよび水素気体の共原料
を反応区域中に通し、そしてそれをニッケルの含有によ
り改質されているモルデン沸石触媒と接触させ、ここで
該触媒は約16:1−22:1の範囲のシリカ対アルミ
ナモル比を有しており、該供給原料は該反応区域に約2
のトルエンLHSVを与えるのに充分な速度で供給され
ており、 (b)不均化反応を該反応区域内で約250℃の開始反
応温度および少なくとも38.5kg/cm 2 ・g(55
0psig)の圧力において実施し、 (c)該共原料を調節して反応開始時に約0.5−3.5
の範囲内の水素対トルエンモル比を得て、そして (d)ベンゼンおよびキシレンを含有している不均化生
成物を該反応区域から除去することを含んでいる工程。
【0033】2.該反応温度を漸増的に約320−33
0℃に上昇させる、上記1の方法。
【0034】3.該トルエン不均化が約48%でありそ
してそれが反応温度の調節により保たれている、上記1
の方法。
【0035】4.反応開始時に水素対トルエンのモル比
が約1.0−2.0の範囲内である、上記1の方法。
【0036】5.水素対トルエンのモル比が約1.5で
ある、上記1の方法。
【0037】6.該水素共原料濃度が反応開始10日以
内に3−4の間の水素対トルエンのモル比を生じるよう
に調節される、上記1の方法。
【0038】7.該不均化生成物中の非−芳香族化合物
の水準が不均化生成物(類)の0.5重量%以下の安定
値である、上記1の方法。
【0039】8.該製造されたベンゼンが不均化生成物
(類)の39−40重量%の間の安定値である、上記1
の方法。
【0040】9.該モルデン沸石触媒が約17:1−2
2:1のシリカ対アルミナのモル比を示す、上記1の方
法。
【0041】10.該モルデン沸石触媒が約18のシリ
カ対アルミナのモル比を示す、上記1の方法。
【0042】11.金属促進性モルデン沸石触媒が1.
0−1.5重量%の範囲内のニッケル濃度を示す、上記
1の方法。
【0043】12.金属促進性モルデン沸石触媒が1.
2−1.4重量%の範囲内のニッケル濃度を示す、上記
1の方法。
【0044】13.金属促進性モルデン沸石触媒が約
1.25重量%のニッケル濃度を示す、上記1の方法。
【0045】14.実質的に純粋なトルエンおよび水素
気体の共原料を反応区域中に通し、そしてそれを反応区
域内でニッケルの含有により改質されているモルデン沸
石触媒と接触させ、ここで該触媒は約16:1−22:
1の範囲のシリカ対アルミナモル比を有しており、該供
給原料は該反応区域に約2のトルエンLHSVを与える
のに充分な速度で供給されており、そしてベンゼンおよ
びキシレンを含有している不均化生成物を該反応区域か
ら除去することを含む型の、トルエン−含有供給原料を
金属促進性のモルデン沸石触媒の上で不均化させてベン
ゼンおよびキシレンを製造するためのアルキル交換開始
方法において、改良が (a)不均化反応を該反応区域内で約250℃の開始反
応温度および少なくとも38.5kg/cm 2 ・g(55
0psig)の圧力において実施し、そして (b)該共原料を調節して反応開始時に約0.5−3.5
の範囲内の水素対トルエンモル比を得ることを含んでい
るような方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ニッケルで改質されたモルデン沸石触
媒上で実施され、水素がトルエンと0.5、1.7および
3.3のモル関係で共に供給されているトルエン不均化
と同時に非−芳香族化合物への生成物選択性を触媒老化
の関数として示しているグラフである。
【図2】図2は、ニッケルで改質されたモルデン沸石触
媒上で実施され、水素がトルエンと0.5、1.7および
3.3のモル関係で共に供給されているトルエン不均化
と同時にベンゼンへの生成物選択性を触媒老化の関数と
して示しているグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アシム・クマール・ゴシユ アメリカ合衆国テキサス州77062ヒユー ストン・マブリイミルロード1627 (72)発明者 トマス・ロス・シユラー アメリカ合衆国テキサス州77547ガレナ パーク・ノースメイン400 (56)参考文献 特開 昭46−3713(JP,A) 特開 昭49−54285(JP,A) 特公 昭55−22148(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 6/12 C07C 15/04 C07C 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルエン−含有供給原料を金属促進性モ
    ルデン沸石触媒の上で不均化させてベンゼンおよびキシ
    レンを製造する方法のためのアルキル交換開始工程にお
    いて、該工程の段階が (a)実質的に純粋なトルエンおよび水素気体の共原料
    を反応区域中に通し、そしてそれをニッケルの含有によ
    り改質されているモルデン沸石触媒と反応区域内で接触
    させ、ここで該触媒は16:1−22:1の範囲のシリ
    カ対アルミナモル比を有しており、該供給原料は該反応
    区域に2のトルエンLHSVを与えるのに充分な速度で
    供給されており、 (b)不均化反応を該反応区域内で250℃の開始反応
    温度および少なくとも38.5kg/cm 2 ・g(550
    psig)の圧力において実施し、 (c)該共原料を調節して反応開始時に0.5−3.5の
    範囲内の水素対トルエンモル比を得て、そして (d)ベンゼンおよびキシレンを含有している不均化生
    成物を該反応区域から除去することを含んでいることを
    特徴とする工程。
  2. 【請求項2】 実質的に純粋なトルエンおよび水素気体
    の共原料を反応区域中に通し、そしてそれを反応区域内
    でニッケルの含有により改質されているモルデン沸石触
    媒と接触させ、ここで該触媒は16:1−22:1の範
    囲のシリカ対アルミナモル比を有しており、該供給原料
    該反応区域に2のトルエンLHSVを与えるのに充分
    な速度で供給されており、そしてベンゼンおよびキシレ
    ンを含有している不均化生成物を該反応区域から除去す
    ることを含む型の、トルエン−含有供給原料を金属促進
    性のモルデン沸石触媒の上で不均化させてベンゼンおよ
    びキシレンを製造するためのアルキル交換開始方法にお
    いて、 (a)不均化反応を該反応区域内で250℃の開始反応
    温度および少なくとも38.5kg/cm 2 ・g(550
    psig)の圧力において実施し、そして (b)該共原料を調節して反応開始時に0.5−3.5の
    範囲内の水素対トルエンモル比を得る、 ことを特徴とする改良方法。
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