JP3223980U - 建築用木材加工品およびそれを使用した木造建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】板目板の板材に反りが生じても板材の上側に凸となるアール形状を維持し、薬液などを不要とし、天然無垢の建築用木材加工品を提供する。【解決手段】無垢木材を加工し、木表が表面側で木裏を裏面側である未加工の未加工板目板100を加工した加工板目板とした建築用木材加工品であって、前記加工板目板の幅方向の中心方向に向けて高く、幅方向の両側部に向けて低くなるように、上側に凸となるアール形状に形成され、前記アール形状の曲率半径が、前記加工板目板の前記木表の年輪のアール形状よりも曲率半径が小さく、かつ、第1のアール形状の値が250mm≦第1のアール形状≦500mmの範囲に調整されて加工されたものである。【選択図】図1
Description
本考案は、建築用木材加工品およびそれを使用した木造建築物に関する。例えば、板目材を用いた床デッキ材や壁面材として利用される。
木材は、建築用資材として広く利用されている。天然の無垢材を用いる場合、丸太から板材を製材する際に板材の取り方により柾目板と板目板に分けられる。
柾目板は、樹芯から同心円に拡がる年輪に対して、年輪を直交するように板材を取るように製材したものである。つまり、柾目板の板取りは樹芯から放射状に板材を取る方法である。柾目板では年輪が板材の上下縦方向に並ぶものとなり、木口をみれば木目が木口の縦方向に並ぶものとなる。この柾目取りの板材は木材の収縮が少なく反りや割れに強くなるというメリットがあるが、板取りにおいて樹芯から放射状に板材を取るので丸太のうち板材とならない端材が多く出てしまうというデメリットがある。
柾目板は、樹芯から同心円に拡がる年輪に対して、年輪を直交するように板材を取るように製材したものである。つまり、柾目板の板取りは樹芯から放射状に板材を取る方法である。柾目板では年輪が板材の上下縦方向に並ぶものとなり、木口をみれば木目が木口の縦方向に並ぶものとなる。この柾目取りの板材は木材の収縮が少なく反りや割れに強くなるというメリットがあるが、板取りにおいて樹芯から放射状に板材を取るので丸太のうち板材とならない端材が多く出てしまうというデメリットがある。
板目板は、樹芯から平行に板材を取るように製材したものである。樹芯から平行に板材を取るので、板材の表と裏で木目の現れ方が異なり、木口を見れば、樹芯から同心円に拡がる年輪の一部が円弧として現れる。板目板では、樹皮側の板面を木表、樹芯側の板面を木裏と呼ぶ。この板目板の板取りした板材は柾目板の板取りした板材よりも無駄が少なくなるメリットがあるが、木材の収縮が比較的大きくなり、反りや割れが出やすいというデメリットがある。
一般には、経済的な優位性を重視して板目板が多用される。本考案でも板目板を対象とする。
一般には、経済的な優位性を重視して板目板が多用される。本考案でも板目板を対象とする。
板目板を用いる場合、反り止めの工夫が必要である。従来から、板目板の板面に反り止め桟を設けたり、反り止め金具を設けたりする工夫があるが、使用する箇所においてそのような桟や金具を取り付けられない場合も多い。
そこで、例えば、特開2001−212805号公報では、ひび割れ防止剤や各種防腐剤あるいは防黴剤等を注入または塗布して耐久性を高める工夫が開示されている。例えば、木材の割れ防止剤としては、シリル基含有ポリオキシアルキレン化合物を含有する液状割れ防止剤が開示されている。
また、例えば、図5に示す特開2007−239370号公報では、上面または下面あるいはその両方に、少なくとも、ひび割れの防止、滑り止め、及び排水性と通気性を確保するために、所望数の溝部を設けることにより、表裏の収縮率の違いを溝部で吸収せしめることにより、割れや反りを防止しようとする技術があった。
また、例えば、図5に示す特開2005−28824号に開示された技術は、無垢材の床材本体の木表を上面側に向け、その床材本体の木表について上側に凸となるアール形状に形成するものである。この技術は同文献の0020段や同文献の図1から図3で示すように、施用後に木表側に向けて反りが起こる結果、最終的に平面に調整されるように木表側の板面にアールを設ける技術である。
また、例えば、特開2019−98653号公報に開示された技術は、青森ヒバの赤身部位を用いたヒノキチオールが含まれたムク材を、木表側を板材上面として用いたものであり、板材上面の適合加工形状は、両側部がその内側より低くなるように形成された排水促進面を具えた形状であり、板材下面の適合加工形状は、板材下面の一部を長手方向に沿って溝状に削成された形状の通気促進溝を具えた形状とされ、更に前記板材は、その含水率を15%以下とし、表面に抗菌性塗料としての天然成分から成る水性塗料を塗布することにより、塗料が浸透した部位を酸化させるとともに、木口を目止め処理したことを特徴としたウッドデッキ用板材が開示されている。この従来技術は抗菌性塗料の塗布に関する工夫を述べたものである。
上記した従来の特開2001−212805号公報に開示された技術は、ひび割れ防止剤や各種防腐剤あるいは防黴剤等を注入または塗布して耐久性を高める工夫であり、反りや割れを緩和する一定の効果が期待できる。しかし、板目板の反りが大きい場合、かならずしも十分な対策とは言えない場合がある。また開示されているシリル基含有ポリオキシアルキレン化合物は有機化合物であるため、木材にそのような薬液を注入したりコーティングしたりすることによって、天然無垢の板材の良さが失われてしまうおそれがある。
次に、上記した従来の特開2007−239370号公報に開示された技術は、板目板の裏面に溝を設けるものであり、割れを防止するための一定の効果が期待できる。表面ではなく裏面側の工夫であるので、板目板をウッドデッキ材として使用したりする場合には有効な技術であると言える。しかし、裏面に溝を設ける技術は、割れを防止するには役立つが表面側への反りは防止することができない。むしろ溝があることにより裏面側の張力が減じられ、表面側での反りが防止できないことも想定される。
次に、上記した従来の特開2005−28824号公報に開示された技術は、無垢材の床材本体の木表を上面側に向け、その床材本体の木表について上側に凸となるアール形状に形成し、施用後に木表側に向けて反りが起こる結果、最終的に平面に調整されるように木表側の板面にアールを設ける技術であるが、天然木材は自然のものであり、板目板の木表側に向けて起こり得る反りの大きさはまばらであり、最終的に平面に調整されるとは限らない。つまり、反りの大きさに応じて、平面近くになるもの、上に凸面のアールが残るもの、逆に上に凹面に反ってしまうものが混在するおそれが出てしまう。
次に、上記した従来の特開2019−98653号公報に開示された技術は、木表側を板材上面として用い、板材上面の適合加工形状は両側部がその内側より低くなるように形成された排水促進面を具えた形状とするので、上記した従来の特開2005−28824号公報と同じ技術の一つであり、上側に凸となるアール形状に形成する技術と言える。しかし、板目板の木表側に向けて起こり得る反りの大きさについての制御は開示されていない。素材として青森ヒバの赤身部位を用いたヒノキチオールが含まれたムク材を用いることや、含水率を15%以下とした上で表面に抗菌性塗料としての天然成分から成る水性塗料を塗布することにより塗料が浸透した部位を酸化させることなどの工夫が盛り込まれているが、果たして板目板の反りの大きさとアールの大きさの関係などが判然とはしないため、青森ヒバの赤身部位の板目板というだけでは、板目板の木表側に向けて起こり得る反りの大きさについての制御は十分ではない。
考案者らは、木材を取り扱う事業を長年行っており、板目板の板材に起こり得る反りの大きさと、板材の木表について上側に凸となるアール形状の関係を制御することにより、反りが生じても板材の上側に凸となるアール形状を維持し、特段の薬液などを不要とし、天然の無垢材の良さを維持せしめた建築用木材加工品を着想するに至った。
上記目的を達成するため、本考案の建築用木材加工品は、無垢木材を加工し、木表が表面側で木裏を裏面側である未加工の未加工板目板を加工した加工板目板とした建築用木材加工品であって、前記加工板目板の幅方向の中心方向に向けて高く、幅方向の両側部に向けて低くなるように、上側に凸となるアール形状に形成され、前記アール形状の曲率半径が、前記加工板目板の前記木表の年輪のアール形状よりも曲率半径が小さく、かつ、その曲率半径R1の値が250mm≦R1≦500mmの範囲に調整されたものであることを特徴とする建築用木材加工品である。
ここで、アール形状の曲率半径であるが、アール形状の曲率半径が小さ過ぎる(曲率が大き過ぎる)と、あまりに盛り上がりが大きい板目板となり、かえって使用しづらいことも想定できる。例えばウッドデッキに使用しても球状に盛り上がり過ぎるとかえって歩きづらくなる。一方、アール形状の曲率半径が大き過ぎる(曲率が小さ過ぎる)と、当初は平面に近くなり使いやすいが、板目板の経年劣化により反りが大きくなれば、上に凹の反り返りが生じてしまうおそれがある。
そこで、板目板の反りを考慮に入れつつ、使用に差支えのない程度のアール形状に調整することが好ましい。そこで、本考案では、未加工板目板の状態において、その上表面から下方dmmに仮想面を仮定し、その仮想面での反りを想定した上でアール加工の形状を作り込む。下方dmmに仮想面における木口の年輪から推定した仮想面と樹心との距離amm,木口での仮想面と年輪が為す角θ、未加工板目板幅2ay、前記角θにおける無垢木材の樹心方向への収縮率arθと接線方向への収縮率atθとして決定される、仮想面の幅方向の両端部の反り高bを想定する。その反り高bが想定できれば、木口の両端部におけるアール形状の軌跡が未加工板目板の上表面からbmmよりも下を通過する軌跡となるアールの値を持つアール形状に加工する。
つまり、下方dmmの仮想面での反りbを想定した上で、その上を通過する上に凸のアールを軌跡とするアール形状とすれば、経年劣化により加工板目板の幅方向における反りが生じても平面までは達せずに上に凸のアール形状が維持できることとなる。
本考案では、具体的には仮想面の両端部の反り高bとして、
b=a(atθ−arθ)y・tan−1y とする。
本考案では、具体的には仮想面の両端部の反り高bとして、
b=a(atθ−arθ)y・tan−1y とする。
なお、未加工板目板として使用する原木は、大木であることは殆どなく、原木の直径は300mmから1000mm程度のものが多い。また樹種もスギ、ブナ、マツ、ヒノキ、モミ、ヒバ、ケヤキ、ツゲ、サクラ、シラカバなどが殆どであり、そこで、それらから想定した原木の太さ、年輪、樹種の収縮率、板目板の幅などから、アール形状の曲率半径R1の値は、250mm≦R1≦500mmの範囲に調整されたものであれば良いことが多い。
さらに、本考案では、幅方向の両側部の角部分に丸みを付ける第2のアール形状を設けることも可能である。その曲率半径R2の値が2mm≦R2≦20mmの範囲に調整されたものが好ましい。
このように両端部の角部分に丸みを付けておくことにより、経年劣化による端のほつれがなくなり、また、雨水などが排出されやすくなる。
このように両端部の角部分に丸みを付けておくことにより、経年劣化による端のほつれがなくなり、また、雨水などが排出されやすくなる。
さらに、裏面側において加工板目板の長さ方向に溝を形成することも好ましい。上表面側と裏面側の形状の違いによる表裏収縮のずれなどを吸収する上で有効である。
本考案の建築用木材加工品は、その用途としては限定されずに広く使用できるが、例えば、ウッドデッキ材、壁面板材として使用することができる。
ウッドデッキ材として配する場合、本考案にかかる加工板目板同士を密接させずに配列すれば、適度に雨水が下方に排出されるように工夫することができる。
ウッドデッキ材として配する場合、本考案にかかる加工板目板同士を密接させずに配列すれば、適度に雨水が下方に排出されるように工夫することができる。
本考案にかかる建築用木材加工品によれば、加工板目板の幅方向の中心方向に向けて高く、幅方向の両側部に向けて低くなるように、上側に凸となるアール形状に形成されているので、適度な立体感が得られて歩きやすく、雨水などが溜まりにくい構造となる。アール形状が、過度な立体感が出ないように抑えつつ、かつ、経年劣化しても上に反らないような大きさに調整されており、適したアール形状が維持できる形状となっている。両端部の角に第2のアール形状を設けることにより木端のほつれが生じにくく、かつ、雨水などが溜まりにくい構造となる。
本考案の建築用木材加工品の実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1は、本考案の実施例1にかかる建築用木材加工品100の加工および形状例を簡単に示した図である。
図1(a)は基本部材である未加工板目板100を取り出して木口を示した図である。図1(a)に示す基本部材である未加工板目板100は、矩形の板目板であるが、木口には年輪が現れている(図中点線で示した円弧)。
本考案の建築用木材加工品の加工板目板200は、無垢木材を原材料とし、木表が表面側で木裏を裏面側である未加工の未加工板目板100を加工することにより製作する。図1(a)に示すように、上面側が木表(樹皮に近い側)で、下面側が木裏(樹心に近い側)となるように取られた未加工板目板100となっている。
図1(a)は基本部材である未加工板目板100を取り出して木口を示した図である。図1(a)に示す基本部材である未加工板目板100は、矩形の板目板であるが、木口には年輪が現れている(図中点線で示した円弧)。
本考案の建築用木材加工品の加工板目板200は、無垢木材を原材料とし、木表が表面側で木裏を裏面側である未加工の未加工板目板100を加工することにより製作する。図1(a)に示すように、上面側が木表(樹皮に近い側)で、下面側が木裏(樹心に近い側)となるように取られた未加工板目板100となっている。
図1(b)は想定する仮想面の一例を木口にて示した図である。図1(b)に示した例では、未加工板目板の上表面から下方dmmに仮想面110を仮定している。dmmとしてどのぐらいの数値にするかは限定されないが、ここでは、例えば、d=5mm程度としてみる。
図1(c)は経年劣化時に想定される仮想面110に生じる反り面120を木口にて描いた図である。また、図2は、木口において取った各数値の関係を示す図である。
図2に示すように、下方dmmに仮想面における木口の年輪から推定した仮想面と樹心との距離amm,木口での仮想面と年輪が為す角θ、未加工板目板幅2ayの関係については、木口に現れる年輪を見れば簡単に想定することができる。
図2に示すように、下方dmmに仮想面における木口の年輪から推定した仮想面と樹心との距離amm,木口での仮想面と年輪が為す角θ、未加工板目板幅2ayの関係については、木口に現れる年輪を見れば簡単に想定することができる。
角θにおける無垢木材の樹心方向への収縮率arθ、接線方向への収縮率atθとすれば、仮想面の幅方向の両端部の反り高bは
b=a(atθ−arθ)y・tan−1y となる。
反り面120は図1(c)に点線で描いたようなものとなる。
b=a(atθ−arθ)y・tan−1y となる。
反り面120は図1(c)に点線で描いたようなものとなる。
次に、図1(d)は加工板目板の第1のアール形状の加工面130となる軌跡を木口にて描いた図である。なお、ここでは後述する第2のアール形状の加工に対比して第1のアール形状と呼ぶ。
図1(d)に示すように、この反り高bに対して、木口の両端部における第1のアール形状の加工面130の軌跡が未加工板目板の上表面からbmmよりも下を通過する軌跡となるアールの値を持つアール形状を想定する。
下方dmmの仮想面での反りbを想定した上で、その上を通過する上に凸のアールを軌跡とする第1のアール形状の加工面130とすれば、経年劣化により加工板目板の幅方向における反りが生じても加工面130が平面までは達せずに上に凸のアール形状が維持できることとなる。
つまり、加工面130はその下方にある仮想面110が経年劣化して反り面120になるように反り返っても、その両端が反り返る大きさよりも大きなアールにて両端が下方に下がっているため、経年劣化してもなお両端は中央付近よりも下に下がった形状、つまり、上に凸のアール形状が維持されることとなる。
図1(d)に示すように、この反り高bに対して、木口の両端部における第1のアール形状の加工面130の軌跡が未加工板目板の上表面からbmmよりも下を通過する軌跡となるアールの値を持つアール形状を想定する。
下方dmmの仮想面での反りbを想定した上で、その上を通過する上に凸のアールを軌跡とする第1のアール形状の加工面130とすれば、経年劣化により加工板目板の幅方向における反りが生じても加工面130が平面までは達せずに上に凸のアール形状が維持できることとなる。
つまり、加工面130はその下方にある仮想面110が経年劣化して反り面120になるように反り返っても、その両端が反り返る大きさよりも大きなアールにて両端が下方に下がっているため、経年劣化してもなお両端は中央付近よりも下に下がった形状、つまり、上に凸のアール形状が維持されることとなる。
なお、未加工板目板として使用する原木は、大木であることは殆どなく、原木の直径は300mmから1000mm程度のものが多い。また樹種もスギ、ブナ、マツ、ヒノキ、モミ、ヒバ、ケヤキ、ツゲ、サクラ、シラカバなどが殆どであり、そこで、それらから想定した原木の太さ、年輪、樹種の収縮率、板目板の幅などから、第1のアール形状の曲率半径R1の値は、250mm≦R1≦500mmの範囲に調整されたものであれば良いことが多い。
また、幅方向の両側部の角部分に丸みを付ける第2のアール形状としては、その曲率半径R2の値が2mm≦R2≦20mmの範囲に調整されたものが好ましい。この例ではR=5mmとなっている。
また、幅方向の両側部の角部分に丸みを付ける第2のアール形状としては、その曲率半径R2の値が2mm≦R2≦20mmの範囲に調整されたものが好ましい。この例ではR=5mmとなっている。
図1(e)は、図1(d)で決めたアール形状の加工面130の軌跡に沿ってアール加工して得られた加工板目板の一例を木口にて示す図である。
図1(e)に示すように、やわらかなラインにて上に凸の第1のアール形状の加工がされており、かつ、両端には第2のアール形状の加工が施されている。
図1(e)に示すように、やわらかなラインにて上に凸の第1のアール形状の加工がされており、かつ、両端には第2のアール形状の加工が施されている。
図3は、実際に試作した本考案の建築用木材加工品の例である。木口で示している。長さは任意で良い。図3の例では、第1のアール形状として、R=360mmの加工が施された例である。また、第2のアール形状はR=5mmとなっている例である。
図4は、ウッドデッキ300として本考案の建築用木材加工品である加工板目板200を組み付けた施工例のごく一部を取り出した図である。
図4は、ウッドデッキ300として加工板目板200を組み付ける際に、加工板目板200同士の間に少し隙間を空けて組み付けた例となっている。このように、加工板目板200同士の間に少し隙間を空けると、雨水が下方に通り抜けやすくなり、風通しも良くなるという効果が得られる。間隙としては、2から7mm程度空いておれば雨水の通り抜け、風通しの良さという効果が得られる。
図4は、ウッドデッキ300として加工板目板200を組み付ける際に、加工板目板200同士の間に少し隙間を空けて組み付けた例となっている。このように、加工板目板200同士の間に少し隙間を空けると、雨水が下方に通り抜けやすくなり、風通しも良くなるという効果が得られる。間隙としては、2から7mm程度空いておれば雨水の通り抜け、風通しの良さという効果が得られる。
以上、本考案の建築用木材加工品の構成例における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本考案の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本考案の建築用木材加工品は、建築用に用いられる木材加工品として広く適用することができる。例えば、ウッドデッキ、木造建築物の外壁面や内壁面において、簡易に組み付けることができる。
100 未加工板目板
110 仮想面
120 仮想反り面
130 第1のアール加工面
140 第2のアール加工
200 加工板目板
300 ウッドデッキ
110 仮想面
120 仮想反り面
130 第1のアール加工面
140 第2のアール加工
200 加工板目板
300 ウッドデッキ
Claims (8)
- 無垢木材を加工し、木表が表面側で木裏を裏面側である未加工の未加工板目板を加工した加工板目板とした建築用木材加工品であって、
前記加工板目板の幅方向の中心方向に向けて高く、幅方向の両側部に向けて低くなるように、上側に凸となるアール形状に形成され、
前記アール形状の曲率半径が、前記加工板目板の前記木表の年輪のアール形状よりも曲率半径が小さく、かつ、その曲率半径R1の値が250mm≦R1≦500mmの範囲に調整されて加工されたものであることを特徴とする建築用木材加工品。 - 前記未加工板目板の上表面から下方dmmに仮想面を仮定し、木口の年輪から推定した前記仮想面と樹心との距離amm,前記木口での前記仮想面と年輪が為す角θ、前記未加工板目板幅2ay、前記無垢木材の樹心方向への収縮率arθ、前記無垢木材の接線方向への収縮率atθとして決定される前記仮想面の幅方向の両端部の反り高bに対して、前記木口の前記両端部における前記アール形状の軌跡が前記未加工板目板の上表面からbmmよりも下を通過する軌跡となるアールの値を持つアール形状となっているものであることを特徴とする請求項1に記載の建築用木材加工品。
- 前記仮想面の両端部の反り高bが、
b=a(atθ−arθ)y・tan−1y
の大きさであることを特徴とする請求項2に記載の建築用木材加工品。 - 前記幅方向の両側部の角部分に丸みを付ける第2のアール形状が設けられており、その曲率半径R2の値が2mm≦R2≦20mmの範囲に調整されたものであることを特徴とする請求項1に記載の建築用木材加工品。
- 前記裏面側において、前記加工板目板の長さ方向に溝を形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の建築用木材加工品。
- ウッドデッキ材または壁面板材として使用される請求項1から5のいずれかに記載の建築用木材加工品。
- 請求項6に記載の建築用木材加工品を使用して製作した木造建築物。
- 前記建築用木材加工品の敷設にあたり、前記建築用木材加工品同士の間に2から7mmの間隙を空けて使用することを特徴とする請求項7に記載の木造建築物。
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