JP3223604B2 - 真空炉及び真空炉における被処理材加熱方法 - Google Patents

真空炉及び真空炉における被処理材加熱方法

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    • H04B3/00Line transmission systems
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/69Spread spectrum techniques
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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Furnace Details (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の被処理材に焼入や
焼戻或いは焼結、焼成などの熱処理を施す為に用いられ
る真空炉及びその真空炉における被処理材の加熱方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の真空炉としては、内部に被処理
材の存置空間を有する真空容器内において上記存置空間
の周囲に被処理材加熱用の複数のヒータを備え、上記各
ヒータの給電経路には発熱量調節器を夫々個別に介設
し、それらの発熱量調節器と真空容器内の被処理材の温
度を検出する為に真空容器内に設けられた温度検出器と
の間に、上記複数のヒータの発熱量に偏差を持たせるよ
う夫々個別の偏差設定器を介設したものがある。この真
空炉にあっては、真空状態で被処理材の加熱をする場
合、被処理材をその周囲の複数のヒータによって被処理
材全体の温度分布を均一化させた状態で加熱でき、しか
も温度検出器による被処理材の温度の検出値に基づいて
上記ヒータの発熱量を制御するから、被処理材の温度状
況に即した加熱ができる。その上、上記温度検出器によ
る温度の検出は一箇所であっても、複数のヒータの発熱
量は相互に偏差を持たせた状態で制御できるから、上記
複数のヒータを夫々個別制御した場合と同様に被処理材
の全域の温度制御ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの従来の真空
炉では、真空容器内に雰囲気ガスを入れた状態で被処理
材の加熱を行うと、真空容器内での対流が加わって被処
理材の各部の温度条件が変わり、それまでの制御では被
処理材の温度の均一性が崩れる問題点があった。
【0004】本願発明は上記従来技術の問題点(技術的
課題)を解決する為になされたもので、真空状態におい
ては、被処理材全体の温度分布を均一に、しかも被処理
材の温度状況に即した加熱ができ、その上、一箇所の温
度検出であっても複数のヒータを個別制御した場合と同
様の制御ができ、更に、そのような状況での被処理材の
加熱を真空下のみならず雰囲気ガスの存在下でも同様に
行い得るようにした真空炉及び真空炉における被処理材
加熱方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本願発明における真空炉は、内部に被処理材の存置
空間を有する真空容器内においては、上記存置空間の周
囲に夫々上記存置空間に存置される被処理材を加熱する
為の複数のヒータを備え、上記各ヒータの給電経路には
発熱量調節器を夫々個別に介設し、それらの発熱量調節
器と真空容器内の被処理材の温度を検出する為に真空容
器内に設けられた温度検出器との間には、上記複数のヒ
ータの発熱量に偏差を持たる為の偏差設定器を夫々個別
に介設している真空炉において、上記存置空間の雰囲気
ガス圧又は雰囲気ガス温度に応じて上記各偏差設定器の
偏差の設定値を変更させるための雰囲気ガス信号発生手
段を備えたものである。
【0006】
【作用】被処理材は周囲の複数のヒータによって加熱さ
れる。温度検出器は被処理材の温度を検出し、その検出
値に基づいて複数のヒータの発熱量が制御される。該制
御の場合、一つの温度検出器による検出値に基づき、複
数のヒータの発熱量が予め偏差設定器に設定された偏差
を持たせた状態で制御される。従って、被処理材をその
全体の温度を均一化させた状態で加熱できる。真空容器
内に雰囲気ガスが存在する状態で被処理材の加熱を行う
場合、雰囲気ガス信号発生手段によって上記偏差設定器
の設定値が変更される。その結果、雰囲気ガス中でも被
処理材をその全体の温度を均一化させた状態で加熱でき
る。
【0007】
【実施例】以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。図1、2において、1は真空炉を示す。2は真空容
器で、本体3と扉4から成る。5は断熱壁で、本体6と
扉7から成る。8は断熱壁内の熱処理室である。10は熱
処理室8内に設けた載置台、11はその上側の被処理材存
置空間を示す。12a〜12fは存置空間11の周囲に配設さ
れたヒータで、夫々上面側、下面側、及び左、右、前、
後の各側面側に設けられたものを示し(本明細書中では
扉の側を前、その反対側を後と呼び、左右は扉の側から
見ての左右を言う)、各々は断熱壁に取付けてある。尚
前面側及び後面側のヒータ12e,12fは設けない例もあ
る。13は処理室8内に備えた温度検出器(例えば熱電
対)である。次に15は周知の冷却機構を示し、16はクー
ラ、17は冷却ファン、18はファンモータ、19は真空保持
用のモータカバー、20, 21はダクト、22, 23は上下流切
替用のダンパーである。上記冷却機構15にあっては、ク
ーラ16及びファン17を運転することにより、冷却用のガ
スが実線矢印の如き経路で循環し、存置空間11の被処理
材31が冷却される。尚ダンパー22, 23の切替により、冷
却用のガスを存置空間11に下から上へ向けて流して被処
理材を冷却できる。
【0008】次に上記ヒータ12a〜12fの制御系統を示
す図3について説明する。尚図3において符号数字に付
した英小文字a〜fは、それらを付した符号で示される
各部材が上記各ヒータ12a〜12fに対応する部材である
ことを示す。以下においては必要のある場合を除き英小
文字a〜fを省略して説明を行う。25は電源端子で、商
用電源に接続される。26はヒータへの給電経路に介設し
た発熱量調節器で、例えば電流調節器である。電流調節
器としては例えばサイリスタを用いる。27は電圧降下用
の変圧器である。上記電流調節器26と変圧器27とを図示
の如き順序に接続すると、電流調節器26は小電流容量の
もので足りる。28は周知の温度調節計で、温度検出器13
から得る検出値に基づき制御信号を出力する。29は偏差
設定器で、温度調節計28からの制御信号を受け、自体に
予め設定された偏差値をその制御信号に加えて上記電流
調節器26に与えるようにしてある。
【0009】次に上記偏差設定器29及びそれに雰囲気ガ
ス信号を与えてその偏差の設定値を変更する雰囲気ガス
信号発生手段を示す図4について説明する。31〜33は夫
々偏差設定要素で、例えば可変抵抗器で構成される。34
〜36は要素選択用のスイッチで、夫々マグネット37〜39
によって選択的に閉成される。40は雰囲気ガス信号発生
手段の一例として示す真空圧力計で、前記存置空間11に
おける雰囲気ガスのガス圧に応じ複数の接点41〜43が選
択的に閉じて、マグネットに雰囲気ガス信号として電気
的な信号を与えるように構成されている。
【0010】次に上記真空炉を用いた被処理材の熱処理
を説明する。扉4,7が開けられ、被処理材31が載置台
10の上に乗せられる。載置状態は、大きな被処理材31は
そのまま、小さなものは例えば棚に積んだ状態である。
次に扉4,7が閉じられ、真空容器2内が真空排気さ
れ、ヒータ12a〜12fへの通電によりそれらが発熱し、
それらからの主として輻射伝熱によって被処理材31が加
熱される。
【0011】上記加熱の場合、被処理材31の温度は温度
検出器13によって検出され、それからの信号に基づき温
度調節計28、偏差設定器29を経て電流調節器26が制御さ
れ、各ヒータ12a〜12fの発熱量が制御される。それら
ヒータ12a〜12fの発熱量の制御は、予め偏差設定器29
に設定された偏差をもった状態で行われる。従って存置
空間11に存置された被処理材31はその何れの部分も略均
一な温度に加熱される。尚上記各偏差設定器29a〜29f
に設定すべき偏差値は、被処理材31の形態、大きさ、存
置空間11での積載状態等の違い、熱処理室8内における
抜熱部や輻射熱を遮る部分の存在、対流の偏り等に応じ
て、夫々存置空間11の各部の被処理材31の温度を均一に
することのできる種々の値を予め実験的に求めておき、
それらの値のうちから実情に合ったものを選択して用い
るのが良い。
【0012】上記のようにして被処理材31に対する所定
の加熱が済んだならば、ヒータへの通電が停止され、冷
却用のガスが真空容器2内に導入され、クーラ16やファ
ン17が前述のように運転されて、被処理材31の冷却が行
われる。冷却が終了すると、扉4,7が開かれて熱処理
を終えた被処理材31が取り出される。
【0013】次に上記真空炉において存置空間に雰囲気
ガスを入れた状態で被処理材の加熱を行う場合には、真
空圧力計40がその雰囲気ガス圧を感知して接点41〜43が
切り替わり、偏差設定器29のスイッチ34〜36が切り替わ
って偏差の設定値が変更される。そしてその状態で前記
と同様にして被処理材の温度分布が均一化する状態で熱
処理が行われる。
【0014】次に、真空状態での均熱加熱のみに適合す
るように偏差の設定を行った従来の真空炉と、雰囲気ガ
ス圧に応じて偏差の設定値が変更される本実施例の真空
炉に関して、種々の雰囲気ガス圧の下での加熱時におけ
る夫々被処理材における周知の9点間の温度分布幅を実
測したところ、次の表1の如き改善が見られた。尚被処
理材の加熱温度は1100℃である。
【0015】
【表1】
【0016】次に上記雰囲気ガス信号発生手段は、存置
空間11に雰囲気ガスが存在する時にその雰囲気ガスの温
度に応じて上記偏差設定器29の偏差の設定値を変更する
雰囲気ガス信号を発生するものでも良い。例えば図4の
真空圧力計40に代えて、存置空間11の雰囲気ガス温度を
感知し、その温度に応じて接点が切り替わるようにした
温度検出器を用いても良い。この場合、ヒータからの輻
射に比べて雰囲気ガスの対流の影響が大きい低温時には
雰囲気ガスの対流を大きく考慮に入れた設定にし、上記
輻射の影響が大きい高温時には真空の場合と同様の設定
にすることができる。このような手段は単独で使用する
他に、前記雰囲気ガスの圧力に応じて偏差の設定値を変
更するものと併用するとなお良い。
【0017】次に、雰囲気ガス中において高温(1200
℃)の均熱加熱のみに適合するように偏差の設定を行っ
た比較例の真空炉と、雰囲気ガスの温度に応じて偏差の
設定値が変更される本実施例の真空炉に関して、種々の
雰囲気ガス温度の下での加熱時における夫々被処理材に
おける周知の9点間の温度分布幅を実測したところ、次
の表2の如き改善が見られた。尚存置空間の圧力は350T
orrである。
【0018】
【表2】
【0019】次に、上記炉内のヒータ12a〜12fの制御
は、図3に2点鎖線で示されるように、ヒータ12a〜12
fを2組(例えばヒータ12a〜12cとヒータ12d〜12
f) に区分し、各々の組において夫々温度検出器13',1
3" 及び温度調節計28',28" により前記実施例と同様の
制御を行っても良い。また断熱壁5の形状は、図2の如
き断面が四角な形状以外に、円筒状であっても良い。
【0020】次に図5は偏差設定器の異なる実施例を示
すもので、偏差設定器29が一つの可変抵抗器45で構成さ
れ、その可動部46を連続的に作動させる作動部材47を、
存置空間の雰囲気ガス圧を計測する真空圧力計48(雰囲
気ガス温度を計測する温度計であっても良い)によって
操作するようにした例を示すものである。
【0021】次に上記雰囲気ガス信号発生手段は真空炉
の操作盤の盤面に取付けた手動操作するスイッチであっ
ても良い。この場合そのスイッチは真空炉の操業時の雰
囲気ガス圧或いは雰囲気ガスの温度に応じて作業員が手
動で操作して偏差設定器29の偏差の設定値を変更する。
【0022】
【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、存置
空間11を真空にした状態で被処理材31を加熱する場合、
その被処理材31には周囲の複数のヒータ12a〜12fから
熱が与えられるから、被処理材31の全体を温度分布の均
一化を向上させた状態で加熱できる効果があるは勿論の
こと、上記加熱の場合、温度検出器13によって被処理材
31の温度を検出し、その検出値に基づいて上記ヒータ12
a〜12fの発熱量を制御するから、被処理材31の温度状
況に即した加熱ができる効果がある。
【0023】しかも上記制御の場合、上記温度検出器13
による温度の検出は一箇所であっても、複数のヒータ12
a〜12fの発熱量は相互に偏差を持たせた状態で制御で
きるから、上記被処理材31は、上記複数のヒータを夫々
個別制御した場合と同様の全域の温度制御ができる特長
がある。このことは、被処理材の温度均一化の為の制御
網の単純化を可能にできる有用性を有する。
【0024】更に本願発明においては上記存置空間11に
雰囲気ガスを入れた状態で被処理材31を加熱したい場合
には、その雰囲気ガスのガス圧又は温度に応じて各偏差
設定器29a〜29fの設定値を変えて、上記真空の場合と
同様に被処理材31の全体の温度分布を均一化させた状態
で加熱できる特長がある。このことは、本願発明の真空
炉は真空中での被処理材の均一加熱にも、又雰囲気ガス
中での被処理材の均一加熱にも用いることができること
であって、多用途に活用できる有用性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空炉の縦断面図。
【図2】ヒータの配置状態を示す為の図1におけるII−
II線断面図。
【図3】ヒータの制御系統を示す回路図。
【図4】偏差設定器と雰囲気ガス信号発生手段とを示す
回路図。
【図5】偏差設定器と雰囲気ガス信号発生手段の異なる
実施例を示す回路図。
【符号の説明】
2 真空容器 11 存置空間 12a〜12f ヒータ 13 温度検出器 26 発熱量調節器 29 偏差設定器 40 雰囲気ガス信号発生手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−52215(JP,A) 特開 平4−52216(JP,A) 特開 平3−110382(JP,A) 特開 昭64−8225(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/773 F27D 7/06 F27D 11/02 H05B 3/00 350

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に被処理材の存置空間を有する真空
    容器内においては、上記存置空間の周囲に夫々上記存置
    空間に存置される被処理材を加熱する為の複数のヒータ
    を備え、上記各ヒータの給電経路には発熱量調節器を夫
    々個別に介設し、それらの発熱量調節器と真空容器内の
    被処理材の温度を検出する為に真空容器内に設けられた
    温度検出器との間には、上記複数のヒータの発熱量に偏
    差を持たる為の偏差設定器を夫々個別に介設している真
    空炉において、上記存置空間の雰囲気ガス圧又は雰囲気
    ガス温度に応じて上記各偏差設定器の偏差の設定値を変
    更させるための雰囲気ガス信号発生手段を備えたことを
    特徴とする真空炉。
  2. 【請求項2】 内部に被処理材の存置空間を有する真空
    容器内においては、上記存置空間の周囲に夫々上記存置
    空間に存置される被処理材を加熱する為の複数のヒータ
    を備え、上記各ヒータの給電経路には発熱量調節器を夫
    々個別に介設し、それらの発熱量調節器と真空容器内の
    被処理材の温度を検出する為に真空容器内に設けられた
    温度検出器との間には、上記複数のヒータの発熱量に偏
    差を持たる為の偏差設定器を夫々個別に介設している真
    空炉において、上記存置空間に被処理材を存置させてそ
    れを加熱するに当たっては、上記存置空間の雰囲気ガス
    の圧力に応じて上記各偏差設定器の設定値を変更するこ
    とにより、上記存置空間に存置させた被処理材の全体の
    温度が均一化する状態で加熱することを特徴とする真空
    炉における被処理材加熱方法。
  3. 【請求項3】 内部に被処理材の存置空間を有する真空
    容器内においては、上記存置空間の周囲に夫々上記存置
    空間に存置される被処理材を加熱する為の複数のヒータ
    を備え、上記各ヒータの給電経路には発熱量調節器を夫
    々個別に介設し、それらの発熱量調節器と真空容器内の
    被処理材の温度を検出する為に真空容器内に設けられた
    温度検出器との間には、上記複数のヒータの発熱量に偏
    差を持たる為の偏差設定器を夫々個別に介設している真
    空炉において、上記存置空間に被処理材を存置させてそ
    れを加熱するに当たっては、上記存置空間の雰囲気ガス
    の温度に応じて上記各偏差設定器の設定値を変更するこ
    とにより、上記存置空間に存置させた被処理材の全体の
    温度が均一化する状態で加熱することを特徴とする真空
    炉における被処理材加熱方法。
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