JP3222637B2 - 位相シフトマスク - Google Patents

位相シフトマスク

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JP3222637B2
JP3222637B2 JP16292093A JP16292093A JP3222637B2 JP 3222637 B2 JP3222637 B2 JP 3222637B2 JP 16292093 A JP16292093 A JP 16292093A JP 16292093 A JP16292093 A JP 16292093A JP 3222637 B2 JP3222637 B2 JP 3222637B2
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耕治 橋本
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路の製造
等に用いられる露光用マスクに係わり、特に位相シフト
法を利用して解像度の向上をはかった位相シフトマスク
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は高集積化,微細
化の一途を辿っており、その製造に際しては、微細加工
の要としてリソグラフィ技術が重要である。リソグラフ
ィ技術において、例えば光源に関しては、g線,i線,
エキシマレーザ,X線等種々の光源の採用が検討されて
おり、またレジスト材料に関しても、各光源に適した新
レジスト材料の開発が行われている。さらに、多層レジ
スト法,CEL(Contrast Enhancement Layer)法及び
イメージリバース法等のレジスト処理技術に関しても研
究が進められている。
【0003】これに対し、マスク製作技術に関しては、
これまで十分な検討がなされていなかったが、最近にな
って位相シフト法が提案されている(M.D.Levenson, N.
S.Viswanathan and R.A.Simpson: IEEE Trans. ED-29(1
982)1828)。
【0004】図20に位相シフト法の原理を示す。この
Levenson らが提案した位相シフト法は、その原理から
からライン・アンド・スペースのような単純な繰り返し
のパターンには有効であるが、複雑なパターンになると
隣合う開口部を透過する光の位相が同位相となる部分が
生じるため、位相シフト法としての効果が著しく低減す
る。
【0005】従来の位相シフト法をDRAMなどの電子
デバイスに適用する場合、セルアレイ部などの単純な繰
り返しパターンが多い部分には有効であるが、セルアレ
イ部から周辺回路へ導出する部分(センスアンプなど)
は複雑なパターン配置をしたものが多く、この部分に従
来の位相シフト法を適用しようとすると、パターンを位
相シフタが配置しやすいように書き換えなければならな
い。このため、従来の位相シフト法は設計的に制約の大
きなものであった。
【0006】一方、位相シフトマスクのシフタ材料には
次の問題があった。今まで提案されている位相シフタに
は透過性の高いレジスト(PMMAなど)やCVD法や
スパッタ法で形成したSiO2 膜、SOG等の塗布で形
成するSiO2 膜、エッチングによりシフタとなる部分
を彫り込んだものなどある。このうちエッチングにより
シフタ層を形成する方式は、エッチングの形状,残渣等
により位相シフタ部と通常の開口部との透過光強度が異
なり、位相シフタ部と通常の開口部で形成される解像パ
ターンに不均一性が生じるといった問題が存在した。ま
た、位相シフタを透過性の高い材料で形成しても、基板
開口部と位相シフタ部を通過する光の強度が異なるのを
避けることはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の位
相シフト法においては、ライン・アンド・スペースのよ
うな繰り返しのパターンに交互に位相シフタを配置しな
いと位相シフト法としての十分な効果が得られないと考
えられており、従来の位相シフト法はマスクパターンの
設計上の制約が大きいものと考えられていた。
【0008】また、エッチングにより位相シフタを形成
する方法には、エッチングの形状,残渣等により基板開
口部を透過した光強度と位相シフタを透過した光強度の
値が異なるといった問題があった。このため、位相シフ
タ部と透明基板の開口部で形成される解像パターンに不
均一性が生じ、露光パターンが所望通り形成されないと
いった問題が生じていた。
【0009】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的とするところは、位相シフト法における十
分な解像力を保持しながら、マスクの設計的な制約を小
さくすることのできる位相シフトマスクを提供すること
にある。
【0010】また、本発明の他の目的は、基板開口部を
透過した光強度と位相シフタを透過した光強度を近付け
ることができ、位相シフタ部と透明基板の開口部で形成
される解像パターンの均一性向上をはかり得る位相シフ
トマスクを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、従来位
相シフトマスクにおける設計的な制約を小さくし、かつ
位相シフト法としての効果が十分得られるように、例え
ば(0°,90°,180°,270°)の位相組み合
わせ(隣合うパターンを透過した光の相対位相差が90
°若しくは180°)で位相シフタを配置した位相シフ
トマスクを実現することである。
【0012】即ち本発明は、透光性基板と、この基板上
に形成された遮光層からなる所定パターンと、この遮光
層で覆われていない開口領域に選択的に形成され、前記
基板を透過するリソグラフィ光に対して位相を、90
°,180°,270°シフトする位相シフタ層が形成
された位相シフトマスクにおいて、隣接する開口領域を
透過した光の相対位相差が略180°となるように位相
シフタ層を配置した任意の2本の平行な第1の開口部で
囲まれた領域に形成された第2の開口部の全て若しくは
一部が第1の開口部に平行であり、かつ第1の開口部に
垂直な任意の断面における第2の開口部の本数が偶数の
部分では、第2の開口部内で隣接するもの同士の相対位
相差を180°とし、かつ第1の開口部とそれに隣接す
る第2の開口部の相対位相差を180°とし、第2の開
口部の本数が奇数の部分では、第2の開口部内で隣接す
るもの同士の相対位相差を90°若しくは180°と
し、かつ第1の開口部とそれに隣接する第2の開口部の
相対位相差を90°若しくは180°となるように設定
してなることを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【作用】本発明において、従来の位相シフトマスクの開
口部にシフタを配置するとき、本来は隣合うパターンが
同位相とならないように0°,180°,0°,180
°…(隣合うパターンを透過する光の相対位相差が18
0°)とシフタを交互に配置するが、本発明者らは連続
するパターンに0°,90°,180°,270°(隣
合うパターンを透過する光の相対位相差が90°)のシ
フタを配置し、その解像性を調べた。その結果を図17
に示す。シフタを0°,90°,180°,270°に
配置しても0°,180°,0°,180°…と配置す
る場合に比べ解像力の低下は少なく、通常露光(全開口
部を透過する光の位相が同位相)に比べ解像性が高いこ
とが判明した。
【0022】以上の結果から本発明のように、開口部に
シフタを配置するとき、0°,180°の位相シフタだ
けでなく、例えば90°,270°の位相シフタを配置
し隣合う開口部を透過する相対位相差を90°として
も、位相シフト法としての十分な効果が得られる。さら
に、従来は位相シフト法の効果を高めるためライン・ア
ンド・スペースのような周期的なパターンに0°,18
0°の位相シフタを交互に配置していたため設計的な制
約が大きかったが、例えば90°,270°若しくは1
20°,240°の位相シフタを設けることによって、
位相シフト法としての十分な効果が得られ設計的な自由
度が高くなる。
【0023】具体的な配置方法としては、高密度メモリ
素子のような電子デバイスのパターンに対しては、例え
ば高密度メモリ素子のメモリセルアレイ内パターンのよ
うな周期的若しくは高い解像性が要求されるパターン部
分には0°,180°(隣合うパターンを透過する光の
相対位相差が180°)の組み合わせで位相シフタを配
置し、その他のパターン部分(非周期的なパターン)に
は0°,90°,180°,270°の位相シフタを隣
合うパターンを透過する光の相対位相差が90°若しく
は180°となるように配置する。
【0024】一方、位相シフタの形成を、透過性の高い
レジストやCVD法やスパッタ法で形成したSiO2
膜、SOG等の塗布で形成するSiO2 膜といった成膜
によって形成する場合、位相シフタと透明基板との露光
波長に対する屈折率を厳密に合わせないと位相シフタと
透明基板との界面での多重反射が起こり、図18に示す
ように基板開口部を透過した光強度Iq と位相シフタを
透過した光強度Is の値が異なってくる。これは、位相
シフタ部と基板の開口部で形成される解像パターン寸法
に不均一性が生じることを意味している。この問題は、
位相シフタと透明基板との屈折率を等しくすることで解
決できるが、位相シフタ膜を成膜で行う以上、両者の屈
折率を厳密に等しくすることは不可能に近い。
【0025】そこで、基板開口部及び位相シフタ部の両
方に位相シフタ材料と同じバッファ膜を形成することに
より、基板開口部及び位相シフタ部の両方で積極的に多
重反射を生じさせ、これらの多重反射の影響を等しくす
ることにより、位相シフタ部と基板開口部で形成される
解像パターン寸法に不均一が生じないようにしている。
多重反射の影響が等しくなる理由は、後述するようにバ
ッファ膜の膜厚を最適に調整すればよい。ここでは、位
相シフタを成膜で形成してもマスク全面において多重反
射の影響が等しくなり、位相シフタ部と基板開口部で形
成される解像パターン寸法に不均一が生じないようにす
る方法の原理を説明する。
【0026】図19に示す透明基板/シフタの2層構造
におけるシフタ内の多重反射について考える。nq ,n
s はそれぞれ透明基板、位相シフタの露光波長における
屈折率で、透明基板から位相シフタへの入射光に対して
の振幅透過率をt1 、位相シフタから透明基板への振幅
反射率をr1 、位相シフタから空気への振幅透過率、振
幅反射率をそれぞれt2 ,r2 とする。また、シフタの
厚みをhとする。波長λ、振幅a0 の光が角度φ0 で透
明基板へ入射し、空気中へ出て行くときのL1,L2
3 …の振幅はa0 1 2 ,a0 1 2 1 2
0 1 2 (r1 2 2 …であるから、これらを加
え合わせた干渉波の複素振幅は、 at =a0 1 2 +a0 1 2 (r1 2 ) exp(iδ) +a0 1 2 (r1 2 2 exp(i2δ)+… =a0 1 2 /(1−r1 2 exp(iδ)) … (1) で与えられる。
【0027】ここで、隣合う光束間の位相差δは図19
より δ=k{(AB+BC)ns −AP} =(4πhn/λ)cos φ1 … (2) である。
【0028】従って干渉光の強度は、 It =|at 2 =a0 2 1 2 2 2 /{1+(r1 2 2 −2r1 2 cos δ} … (3) ここで、r1 ,r2 ,t1 ,t2 は垂直入射(φ1
0)とすると、 r1 =(nq −ns )/(nq +ns ) r2 =(1−ns )/(1+ns ) t1 =2nq /(ns +nq ) t2 =2ns /(1+ns ) … (4) であるから、入射強度Ia =ao 2 に対する透過光強度
t の比は、
【数1】 となり、δは (2)式より δ=4πhns /λ … (6) となるので、シフタを配接していない開口部に対して位
相がθだけずれるシフタを透過する光のδは (6)式より δθ=(4πns /λ)・λ/{2(ns −1)}・θ/π ={2ns /(ns −1)}θ … (7) 基板開口部と位相シフタ部を透過する光強度を等しくす
るために、全面に位相シフタと同じ材料を位相角δθだ
け形成する。このとき、(5) 式で表わされるIt/Ia
は、基板開口部と位相シフタ部で等しくなるので、 cos (δπ+δθ)=cos δθ ∴θ={(ns −1)/2ns }{m−(ns /(ns −1))}π … (8) (6)(7)(8) 式より h=(λ/4ns ){m−(ns /(ns −1))} (m=1,2,3…) … (9) よって、(9) 式を満足する膜厚hの位相シフタと同材料
の膜を全面に形成すれば基板開口部と位相シフタ部の多
重反射の影響が同じになりそれぞれの透過光強度が等し
くなる。
【0029】次に、位相シフタと同材料の膜を全面に形
成しないときのシフタ材料の屈折率の許容範囲について
考える。このとき、基板開口部と位相シフタ部を透過す
る光強度の差が基板開口部の光強度の1%以内が許容範
囲とすると、 |(Is −Iq )/Iq )|≦0.01 … (10) (5)(10) 式より
【数2】 いま、位相シフタ膜厚の180°からのずれ量の許容範
囲が±10°とすると 170°≦δ≦190° … (12) 透明基板の屈折率nq は露光波長λにより一様に決まる
ので、(8)(9)式を同時に満足するシフタの屈折率ns
シフタ基板界面での多重反射、シフタ膜厚の180°か
らのずれ量から見て望ましい値であり、このような屈折
率の値の材料を選ぶべきである。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0031】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
に係わる位相シフトマスクの構造を示すもので、(a)
は平面図、(b)(c)は(a)の矢視A−A′断面図
である。まず、図1(b)では、透明基板1上に遮光膜
パターン2が形成されている。透明基板1の材料として
は例えば石英、遮光膜2の材料としては例えば酸化クロ
ムなどがある。さらに、透明基板1上の開口部のある領
域に厚さt t=λ/2(ns −1)×φ/180 … (13) の位相シフタ3が形成されている。但し、λ:露光波
長、ns :露光波長における位相シフタの屈折率、φ:
透明開口部101 を透過する光との位相差である。
【0032】また、1つの開口部に形成される位相シフ
タ3の厚さは、その開口部の領域では同じものとして形
成される。位相シフタ3の材料としては、例えば液相成
長法,スパッタ法,塗布法若しくはCVD法で形成され
たSiO2 膜などが考えられる。
【0033】いま、露光光をi線(λ=365nm)、
位相シフタ材料を液相中で形成したSiO2 膜とする
と、位相シフタのi線波長での屈折率はns =1.44
6であるから、位相シフタ3を透過する光と透明開口部
101を透過する光との位相差を180°としたい場合
は、(13)式より位相シフタ3の膜厚を409nmとす
ればよいことが分かる。同様に、位相差を90°とした
いときは膜厚が204.5nm、位相差を270°とし
たいときは膜厚が613.5nmの位相シフタ3を形成
すればよいことが分かる。このとき、位相シフタ3の膜
厚誤差の許容範囲は所望の膜厚の±10%以内である。
【0034】このように従来のレベンソン型位相シフト
法は、0°と180°の位相だけで位相シフトマスクを
形成していたため、隣合うパターンの位相が異なる組み
合わせは(0°,180°)の1通りしかなく、そのた
め設計的に制約が大きなものであった。そこで、図1
(b)のように新たに90°,270°の位相シフタを
追加することで、隣合うパターンの位相が異なる組み合
わせは(0°,90°)(0°,180°)(0°,2
70°)(90°,180°)(90°,270°)
(180°,270°)の6通りとなり、設計的な制約
が大幅に緩和されることになる。
【0035】また、図1(b)では透明基板1上に位相
シフタ3を形成する例を示したが、位相シフタは図1
(c)のように彫り込みによって形成してもよい。この
場合、彫り込み量は(13)式で表され、ns は露光波長
における透明基板の屈折率となることは言うまでもな
い。このとき、彫り込み量誤差の許容範囲は所望の彫り
込み量の±10%以内である。
【0036】以上述べたように、従来はレベンソン型位
相シフト法の効果を高めるため180°のシフタをライ
ン・アンド・スペースのような繰り返しのパターンに交
互に配置していたため設計的な制約が大きかったが、本
実施例のように、開口部にシフタを配置するとき、例え
ば0°,90°,180°,270°のシフタを配置す
ることによって位相シフト法としての十分な効果が得ら
れ、さらには設計的な自由度が高くなる。
【0037】具体的な配置としては、高密度メモリ素子
のメモリセルアレイパターンのような周期的若しくは高
い解像性が要求されるパターン部分には(0°,180
°)の位相組み合わせ(相対位相差180°)を用い、
その他のパターンには隣合うパターンの位相が異なる組
み合わせが(0°,90°),(0°,180°),
(0°,270°),(90°,180°),(90
°,270°),(180°,270°)(相対位相差
90°若しくは180°)となるようにシフタを配置す
ることによって、セルアレイ部は高い解像力が得られ、
その他の部分は設計的な制約が緩和される。
【0038】(実施例2)図2は、本発明の第2の実施
例に係わる位相シフトマスクの製造工程を示す断面図で
ある。本実施例では、液相成長法を用いた位相シフトマ
スクの製造方法について説明する。
【0039】まず、図2(a)に示すように、透明基板
10上に遮光膜11からなるパターンを形成する。透明
基板10としては例えば石英基板、遮光膜11としては
例えば厚さ100nmの酸化クロムなどを用いる。
【0040】次いで、図2(b)に示すように、シフタ
を形成しない透明基板開口部110及び180°のシフ
タを形成する透明基板開口部112上にレジスト12が
形成されるように、レジストをパターニングする。即
ち、位相を180°で除したときの小数部が0.44以
上0.55以下の位相シフタが形成される開口部を抜き
パターンとする。このレジストのパターニングには、電
子ビームを用いてもよいし光リソグラフィを用いてもか
まわない。
【0041】次いで、酸化珪素が過飽和に溶解した液相
中に透明基板を浸し、図2(c)に示すように、透明開
口部に酸化珪素膜13を成長させる。このとき成長させ
る酸化珪素膜13の膜厚は、位相シフタを透過した光と
透明基板を透過した光の位相差が90°に近くなるよう
な膜厚とする。このとき、位相シフタの膜厚誤差の許容
範囲は所望の膜厚の±10%以内である。いま、露光光
をi線(λ=365nm)とすると、液相成長法を用い
て形成した酸化珪素のi線波長での屈折率はns =1.
446であるから、このとき形成する酸化珪素膜13の
膜厚は204.5nmに近い値となる。
【0042】次いで、図2(d)に示すように、レジス
ト12をSH法やアッシャー法などを用いて剥離する。
次いで、図2(e)に示すように、シフタを形成しない
透明基板開口部110及び90°のシフタを形成する透
明基板開口部111上にレジスト14が形成されるよう
に、レジストをパターニングする。即ち、位相を180
°で除したときの値ai が0.94<ai となる位相シ
フタが形成される開口部を抜きパターンとする。このレ
ジストのパターニングには、電子ビームを用いてもよい
し光リソグラフィを用いてもかまわない。
【0043】次いで、酸化珪素が過飽和に溶解した液相
中に透明基板を浸し、図2(f)に示すように、透明開
口部に酸化珪素膜15を成長させる。このとき成長させ
る酸化珪素膜15の膜厚は、位相シフタを透過した光と
透明基板を透過した光の位相差が180°近くなるよう
な膜厚とする。このとき、位相シフタの膜厚誤差の許容
範囲は所望の膜厚の±10%以内である。いま、露光光
をi線(λ=365nm)とすると、液相成長法を用い
て形成した酸化珪素のi線波長での屈折率はns =1.
446であるから、このとき形成する酸化珪素膜の膜厚
は409nmに近い値となる。次いで、図2(g)に示
すように、レジストをSH法やアッシャー法などを用い
て剥離する。
【0044】これにより、第1回目の酸化珪素膜13の
成長で基板開口部111に膜厚204.5nmの位相シ
フタ(90°)が形成され、第2回目の酸化珪素膜15
の成長で基板開口部112に膜厚409nmの位相シフ
タ(180°)が形成され、第1回及び第2回目の酸化
珪素膜13,15の成長で基板開口部113に膜厚61
3.5nmの位相シフタ(270°)が形成されること
になる。
【0045】以上説明したように本実施例の位相シフト
マスク製造方法を用いると、位相シフタの膜厚として9
0°,180°,270°の3種類が存在するが、遮光
膜パターン形成後のマスク上のレジストパターニングは
2回で済み、マスク製造工程の短縮化がはかれる。さら
に、90°の位相シフタ(即ち薄い膜厚の位相シフタ)
から先に形成しているため、マスク上の2回目のレジス
トパターニングの際(図2(e))、下地の段差(位相
シフタと遮光膜の段差)の影響を最小限に抑えることが
できる。
【0046】(実施例3)図3は、本発明の第3の実施
例に係わる位相シフトマスクの製造工程を示す断面図で
ある。本実施例では、液体の酸化珪素膜を塗布する方法
(例えばSOGなど)やスパッタ法、CVD法を用いた
位相シフトマスクの製造方法について説明する。
【0047】まず、図3(a)に示すように、透明基板
16上に遮光膜17からなるパターンを形成する。透明
基板16としては例えば石英基板、遮光膜17としては
例えば厚さ100nmの酸化クロムなどを用いる。
【0048】次いで、液体の酸化珪素膜を塗布する方法
(例えばSOGなど)やスパッタ法,CVD法を用い
て、図3(b)に示すように、酸化珪素膜18をマスク
全面に形成する。このとき形成する酸化珪素膜18の膜
厚は、位相シフタを透過した光と透明基板を透過した光
の位相差が90°に近くなるような膜厚とする。このと
き、位相シフタの膜厚誤差の許容範囲は所望の膜厚の±
10%以内である。いま、露光光をi線(λ=365n
m)とすると、CVD法を用いて形成した酸化珪素のi
線波長での屈折率はns =1.446であるから、この
とき形成する酸化珪素膜18の膜厚は204.5nmに
近い値となる。
【0049】次いで、図3(c)に示すように、90°
のシフタを形成する透明基板開口部117及び270°
のシフタを形成する透明基板開口部119上にレジスト
19が形成されるように、レジストをパターニングす
る。即ち、位相を180°で除したときの小数部が0.
44以上0.55以下の位相シフタが形成される開口部
を抜きパターンとする。このレジストのパターニングに
は、電子ビームを用いてもよいし光リソグラフィを用い
てもかまわない。
【0050】次いで、図3(d)に示すように、シフタ
を形成しない透明基板開口部116及び180°のシフ
タを形成する透明基板開口部118上の酸化珪素膜をエ
ッチングにより除去する。このエッチングは等方性、異
方性いずれの方法を用いてもかまわない。
【0051】次いで、液体の酸化珪素膜を塗布する方法
(例えばSOGなど)やスパッタ法,CVD法を用い
て、図3(e)に示すように、酸化珪素膜20をマスク
全面に形成する。このとき形成する酸化珪素膜20の膜
厚は、位相シフタを透過した光と透明基板を透過した光
の位相差が180°に近くなるような膜厚とする。この
とき、位相シフタの膜厚誤差の許容範囲は所望の膜厚の
±10%以内である。いま、露光光をi線(λ=365
nm)とすると、CVD法を用いて形成した酸化珪素の
i線波長での屈折率はns =1.446であるから、こ
のとき形成する酸化珪素膜20の膜厚は409nmに近
い値となる。
【0052】次いで、図3(f)に示すように、180
°のシフタ形成する透明基板開口部118及び270°
のシフタを形成する透明基板開口部119上にレジスト
21が形成されるように、レジストをパターニングす
る。即ち、位相を180°で除したときの値ai が0.
94<ai となる位相シフタが形成される開口部を抜き
パターンとする。このレジストのパターニングには、電
子ビームを用いてもよいし光リソグラフィを用いてもか
まわない。
【0053】次いで、図3(g)に示すように、シフタ
を形成しない透明基板開口部116及び90°のシフタ
を形成する透明基板開口部117上の酸化珪素膜をエッ
チングにより除去する。このエッチングは等方性、異方
性いずれの方法を用いてもかまわない。その後、レジス
トをSH法やアッシャー法などを用いて剥離する。
【0054】このような実施例であっても、遮光膜パタ
ーン形成後のマスク上のレジストパターニングは2回行
うだけで、位相シフタの膜厚として90°,180°,
270°の3種類を形成することができ、第2の実施例
と同様の効果が得られる。
【0055】(実施例4)図4は、本発明の第4の実施
例に係わる位相シフトマスクの製造方法を示す断面図で
ある。本実施例では、エッチング法を用いた位相シフト
マスクの製造方法について説明する。
【0056】まず、図4(a)に示すように、透明基板
26上に遮光膜27からなるパターンを形成する。透明
基板26としては例えば石英基板、遮光膜27としては
例えば厚さ100nmの酸化クロムなどを用いる。
【0057】次いで、図4(b)に示すように、シフタ
を形成しない透明基板開口部120及び180°のシフ
タを形成する透明基板開口部122上にレジスト28が
形成されるように、レジストをパターニングする。この
レジストのパターニングには、電子ビームを用いてもよ
いし光リソグラフィを用いてもかまわない。即ち、位相
を180°で除したときの小数部が0.44以上0.5
5以下の位相シフタが形成される開口部を抜きパターン
とする。
【0058】次いで、図4(c)に示すように、透明基
板26をエッチングによって彫り込む。このエッチング
は等方性、異方性いずれの方式を用いてもかまわない。
このときエッチングで彫り込む深さは、彫り込み部を透
過した光と透明基板26を透過した光の位相差が90°
に近くなるような膜厚とする。このとき、彫り込む深さ
の許容範囲は所望の彫り込み量の±10%以内である。
いま、露光光をi線(λ=365nm)、透明基板26
を石英とすると、石英のi線波長での屈折率はns
1.446であるから、このとき掘り込む深さは20
4.5nmに近い値となる。その後、図4(d)に示す
ように、レジスト28をSH法やアッシャー法などを用
いて剥離する。
【0059】次いで、図4(e)に示すように、シフタ
を形成しない透明基板開口部120及び90°のシフタ
を形成する透明基板開口部121上にレジスト29が形
成されるように、レジストをパターニングする。即ち、
位相を180°で除したときの値ai が0.94<ai
となる位相シフタが形成される開口部を抜きパターンと
する。このレジストのパターニングには、電子ビームを
用いてもよいし光リソグラフィを用いてもかまわない。
【0060】次いで、図4(f)に示すように、透明基
板26をエッチングによって彫り込む。このエッチング
には、等方性,異方性いずれの方法を用いてもかまわな
い。このときエッチングで彫り込む深さは、彫り込み部
を透過した光と透明基板26を透過した光の位相差が1
80°に近くなるような膜厚とする。このとき、彫り込
む深さの許容範囲は所望の彫り込み量の±10%以内で
ある。いま、露光光をi線(λ=365nm)、透明基
板26を石英とすると、石英のi線波長での屈折率はn
s =1.446であるから、このとき掘り込む深さは4
09nmに近い値となる。その後、図4(g)に示すよ
うに、レジスト29をSH法やアッシャー法などを用い
て剥離する。
【0061】これにより、第1回目のエッチングで基板
開口部121に掘り込み深さ204.5nmの位相シフ
タ(90°)が形成され、第2回目のエッチングで基板
開口部122に掘り込み深さ409nmの位相シフタ
(180°)が形成され、第1回及び第2回目のエッチ
ングで基板開口部123に掘り込み深さ613.5nm
の位相シフタ(270°)が形成されることになる。
【0062】以上説明したように本実施例の位相シフト
マスク製造方法を用いると、位相シフタの膜厚として9
0°,180°,270°の3種類が存在するが、遮光
膜パターン形成後のマスク上のレジストパターニングは
2回ですみ、マスク製造工程の短縮化がはかれる。さら
に90°の位相シフタ(即ち彫り込みの浅い位相シフ
タ)から先に形成しているため、マスク上の2回目のレ
ジストパターニングの際(図4(e))、下地の段差
(位相シフタと遮光膜の段差)の影響を最小限に抑える
ことができる。
【0063】(実施例5)図5は、本発明の第5の実施
例に係わる位相シフトマスクの位相シフタの配置例を示
す平面図である。なお、比較のために従来の位相シフタ
の配置例を図6に示す。各図とも周期的なパターンから
なるセルアレイ領域と、非周期的なパターンからなるセ
ンスアンプ領域を点線で囲んである。
【0064】図6に示す従来例では、0°,180°の
位相のみで開口部にシフタを配置している。セルアレイ
部のような周期的なパターンの部分では180°に対す
る膜厚のシフタがあれば、隣合う開口部を透過する光の
位相が異なるように配置できる。しかし、セルアレイ部
からの導出部(ここではセンスアンプ部を例にあげてい
る)では、隣合う開口部を透過する光の位相が同位相と
なる部分(図中のp,q)が存在する。これらの部分で
は位相シフト法の効果が著しく低下するため、寸法を大
きくしたり、隣合う開口部を透過する光の位相が異なる
ようにパターンを書き換える必要がある。このため、0
°,180°の位相のみで開口部にシフタを配置する場
合は設計的に制約が大きいと言える。
【0065】これに対し図5に示す本実施例では、0
°,180°の位相の他に、90°,270°の位相シ
フタを用いた場合のシフタの配置例を示している。この
ように0°,90°,180°,270°の4種類の位
相を用いた場合、隣合う開口部を透過する光の位相を異
ならせようとすると、位相差は90°若しくは180°
となる。前記図17でも分かるように隣合う開口部を透
過する光の位相差は180°の方が解像力が高いので、
セルアレイ部のような単純な繰り返しパターンの部分で
は、0°,180°,0°,180°…とシフタを配置
することが望ましい。それは、例えばDRAMのセル部
分はトレンチやスタックといった3次元構造をとること
が多く、その分高い解像力が要求されるからである。
【0066】さらに本実施例では、センスアンプ部にお
いて従来では隣合う開口部を透過する光の位相が同相と
なる部分において、90°,270°といった位相を設
けている。この配置方法によって、センスアンプ部分に
おいても隣合う開口部を透過した光の位相が異なるよう
になり、位相シフト法の効果を持たせることができる。
従って、従来の位相シフト法のように隣合う開口部を透
過する光の位相が同じになる部分が少なくなり、これら
の部分の寸法を大きくしたり、隣合う開口部を透過する
光の位相が異なるようにパターンを書き換えるといった
設計的な制約が小さくなる。
【0067】(実施例6)図7は、本発明の第6の実施
例に係わる位相シフトマスクの位相シフタ配置例を示す
平面図である。図7(a)は従来例であり、0°,18
0°の位相のみで開口部にシフタを配置している。この
ように従来のレベンソン型位相シフト法は、0°,18
0°の位相の組み合わせだけで位相シフトマスクを形成
していたため、隣合うパターンの位相が異なる組み合わ
せは(0°,180°)の1通りしかなく、そのため図
7(a)のパターンs,qには0°,180°のいずれ
の位相を配置しても隣合うパターンの位相が等しくなっ
てしまう。このため、この部分で位相シフト法の効果が
著しく低減してしまう。
【0068】そこで本実施例では図7(b)のように、
パターンs,qに新たに90°,270°の位相シフタ
を組み合わせる。これによって、隣合うパターンの位相
が異なる組み合わせは(0°,90°),(0°,18
0°),(0°,270°),(90°,180°),
(90°,270°),(180°,270°)の6通
りとなり、隣合うパターンの位相が異なるようになり位
相シフト法としての効果が生じてくる。
【0069】(実施例7)図8は、本発明の第7の実施
例に係わる位相シフトマスクの位相シフタ配置例を示す
平面図である。この実施例では、隣接する開口部を透過
した光の相対位相差が180°に近くなるように位相シ
フタを配置した任意の2本の平行な開口部分で囲まれた
領域(図中の点線内の領域DA )に、前記2本の囲む開
口部分に沿う方向に開口部分が形成されている。さら
に、前記2本の囲む開口部分に沿う方向に垂直な任意の
断面(A−A′断面)における開口部の本数は偶数(図
では2本)である。この場合、隣合う開口部を透過した
光の相対位相を180°に近くなるように位相シフタを
配置する。
【0070】このように配置することによって、隣合う
開口部を透過した光の相対位相は常に180°に近くな
るようになり位相シフト法としての効果が十分に発揮さ
れ、本マスクを用いて形成されたパターンには高い解像
力が得られるようになる。
【0071】(実施例8)図9は、本発明の第8の実施
例に係わる位相シフトマスクの位相シフタ配置例を示す
平面図である。この実施例では、隣接する開口部を透過
した光の相対位相差が180°に近くなるように位相シ
フタを配置した任意の2本の平行な開口部分で囲まれた
領域(図中の点線内の領域DB )に、前記2本の囲む開
口部分に沿う方向に開口部分が形成されている。さら
に、前記2本の囲む開口部分に沿う方向に垂直な任意の
断面(B−B′断面)における開口部の本数は偶数(図
では3本)である。この場合、隣合う開口部を透過した
光の相対位相を90°に近くなるように位相シフタを配
置する。
【0072】このように配置することによって、隣合う
開口部を透過した光の相対位相は常に90°に近くなる
ようになり位相シフト法としての効果が十分に発揮さ
れ、本マスクを用いて形成されたパターンには高い解像
力が得られるようになる。
【0073】(実施例9)図10は、本発明の第9の実
施例に係わる位相シフトマスクの位相シフタ配置例を示
す平面図である。この実施例では、隣接する開口部を透
過した光の相対位相差が180°に近くなるように位相
シフタを配置した任意の2本の平行な開口部分で囲まれ
た領域(図中の点線内の領域DC )に、前記2本の囲む
開口部分に沿う方向に開口部分が形成されている。さら
に、前記2本の囲む開口部分に沿う方向に垂直な任意の
断面における開口部の本数は偶数の場合と奇数の場合が
混在している。即ち、C1−C1′断面では偶数(図で
は2本)、C2−C2′断面、C3−C3′断面では奇
数(図ではそれぞれ1本と3本)である。
【0074】このように偶数箇所が1つ、奇数箇所が複
数の場合、まず偶数の部分の隣接した開口部を透過した
光の相対位相を180°に近くなるようにし(即ちC1
−C1′断面においてQ1を180°、R1を0°に近
い値とし)、次にそれ以外の開口部分においては隣接す
る開口部を透過した光の相対位相を90°に近くなるよ
うに(即ちC2−C2′断面、C3−C3′断面におい
てP1を90°若しくは270°に近い値と)する。
【0075】このように配置することによって、隣合う
開口部を透過した光の相対位相は常に180°若しくは
90°に近くなるようになり位相シフト法としての効果
が十分に発揮され、本マスクを用いて形成されたパター
ンには高い解像力が得られるようになる。
【0076】(実施例10)図11は、本発明の第10
の実施例に係わる位相シフトマスクの位相シフタ配置例
を示す平面図である。この実施例では、隣接する開口部
を透過した光の相対位相差が180°に近くなるように
位相シフタを配置した任意の2本の平行な開口部分で囲
まれた領域(図中の点線内の領域DD )に、前記2本の
囲む開口部分に沿う方向に開口部分が形成されている。
さらに、前記2本の囲む開口部分に沿う方向に垂直な任
意の断面における開口部の本数は偶数の場合と奇数の場
合が混在している。即ちD1−D1′断面、D2−D
2′断面では偶数(図では2本)、D3−D3′断面で
は奇数(図では3本)である。
【0077】このように奇数箇所が1つ、偶数箇所が複
数の場合、まず複数ある偶数の部分(図ではD1−D
1′断面とD2−D2′断面)のうち、どちらか一つ
(図ではD1−D1′断面とする)において隣接した開
口部を透過した光の相対位相を180°に近くなるよう
にする(即ちD1−D1′断面においてQ2を180
°、R2を0°に近い値とする)。次にそれ以外の偶数
の部分(図ではD2−D2′断面)において隣接した開
口部を透過した光の相対位相を180°に近くなるよう
にする(即ちD2−D2′断面においてP2を180°
に近い値とする)。このとき、P2−Q2間の相対位相
差は0°となり、この部分において位相シフト法の効果
が得られなくなる。そこで、P2若しくはQ2のいずれ
かを90°若しくは270°に近い値とする。これによ
り、P2−Q2間の相対位相差は90°となり、この部
分においても位相シフト法の効果が得られるようにな
る。
【0078】このように配置することによって、隣合う
開口部を透過した光の相対位相は常に180°若しくは
90°に近くなるようになる。さらに相対位相180°
から先に配置することによって、相対位相180°の部
分が形成されることになり、マスク全面にわたって相対
位相90°の場合よりも位相シフト法としての効果が十
分に発揮され(図17より相対位相90°よりも180
°のほうが位相シフト法としての効果が高い)、本マス
クを用いて形成されたパターンには高い解像力が得られ
るようになる。
【0079】次に、本発明とは直接的には関係ないが、
以下に2つの参考例(実施例11,12)を図面を参照
して説明する。
【0080】(実施例11)図12は本発明の第11の
実施例に係わる位相シフトマスクの構造を示す断面図で
ある。透明基板50上に遮光膜パターン51が形成され
ている。透明基板50の材料としては例えば石英、遮光
膜51の材料としては例えば酸化クロムなどを用いた。
石英基板50上の開口部のある領域に厚さλ/2(ns
−1)(λ:露光波長、ns :露光波長における位相シ
フタの屈折率)の位相シフタ52が形成されている。位
相シフタ52の材料としては、例えば液相成長法,スパ
ッタ法若しくはCVD法で形成されたSiO2 膜などを
用いた。
【0081】ここまでは従来構造と同じであるが、本実
施例ではさらに、位相シフタ52と同じ成膜方法で形成
した位相シフタ52と同じ材料(バッファ膜)53を、
石英開口部501と位相シフタ部502の両方の光透過
部を含む領域に均一に形成する。このとき、成膜方法に
よっては遮光膜上に形成される場合もあるが、遮光膜5
1上に形成されたバッファ膜53は露光の際転写に影響
しない。この位相シフタと同じ材料のバッファ膜53の
膜厚hは露光波長λと位相シフタの屈折率nsで決定さ
れ、次式で与えられる。
【0082】 h=(λ/4ns ){m−ns /(ns −1)} … (14) 但し、ns :シフタ屈折率,λ:露光波長,m:整数で
ある。
【0083】いま、露光光をi線(λ=365nm)、
位相シフタ材料を液相中で形成したSiO2 膜とする
と、位相シフタのi線波長での屈折率はns =1.44
6であるから位相シフタ52の膜厚は409nm、位相
シフタと同じ材料のバッファ膜53の膜厚はm=5のと
き11.1nmとなる。
【0084】即ち、i線に対する位相シフトマスクを液
相成長法を用いて形成するには、石英基板50上に遮光
膜パターン51を形成した後、409nmの位相シフタ
52を液相成長法を用いて形成し、さらに同じ方法を用
いて11.1nmの位相シフタ52と同じ材料のバッフ
ァ膜53を石英開口部501と位相シフタ部502の両
方に形成すればよい。このバッファ膜53の膜厚の所望
値からのずれの許容範囲は、所望値の±10%以内であ
る。
【0085】図13に露光光をi線、位相シフタを液相
成長法を用いたSiO2 膜としたときの、入射強度に対
する透過光の比Is の位相角δ依存性を示す。図より、
δ=0°のときIs は92.793%なのに対して、δ
=180°のときは93.109%となる。これは、液
相成長法を用いてi線用位相シフトマスクを形成した場
合、本実施例の手法(位相シフタと同じ膜を石英開口部
と位相シフタ部の両方に均一に形成するといった手法)
を用いないと、位相シフタ部を透過した光強度は石英開
口部を透過した光強度に比べ0.316%も高くなって
しまうことが分かる。
【0086】これを補正するために、位相シフタ部を透
過した光強度と石英開口部を透過した光強度を等しく
し、かつ位相シフタ部を透過した光の位相と石英開口部
を透過した光の位相を180°異なるようにするには、
図13に示すように位相角δに対応する膜厚hを、石英
開口部と位相シフタ部の両方に均一に形成すればよいこ
とが分かる。
【0087】露光光をi線(λ=365nm)、位相シ
フタ材料を液相中で形成したSiO2 膜(ns =1.4
46)としたときの本実施例に示した膜厚hと整数mの
値の関係を図14に示す。図14よりmの値によっては
膜厚hは負の値となるが、これはマスク製作上不合理で
ある。従って、mはh≧0となるような値を選ぶべきで
ある。さらに、マスク製作におけるスループットの関係
から膜厚hはなるべく薄い値とすることが望ましい。
【0088】例えばi線用位相シフタのSiO2 を液相
中(成膜レート約100nm/h)で形成すると、図1
4よりm=10の場合、成膜時間が通常の位相シフトマ
スクの約12%も余分にかかることになる。また、hの
値が小さ過ぎると成膜時間が短時間であるため、均一で
精度の高い膜が形成できない。液相中で位相シフタを形
成する場合、膜厚20nm以下では膜の均一性が低いこ
とが知られている。つまり、mの値の下限は膜厚の安定
性で決定され、この下限値はマスク製作プロセスによっ
て異なる。以上のことから、液相中でi線用の位相シフ
トマスクを形成する場合、図14に示したようにmの値
は6から9までが適当であると考えられる。
【0089】このように本実施例によれば、通常の位相
シフトマスクの作製プロセスを経て形成されたマスクの
全面(透明基板開口部と位相シフタ部)に位相シフタと
同一の材料を形成し、この材料の膜厚を選ぶことによっ
て(膜厚の値は露光波長と位相シフタ材料の屈折率によ
って決まる)、透明基板開口部を透過した光強度と位相
シフタを透過した光強度の値を等しくすることができ
る。これにより、位相シフタ部と透明基板開口部で形成
される解像パターンに不均一性が生じることなく所望通
りパターンが形成されるようになる。
【0090】(実施例12)図15は、本発明の第12
の実施例における最適屈折率をもつシフタ材料を選ぶ方
法を説明するための図である。第11の実施例で示した
ように位相シフタと同じ膜を石英開口部と位相シフタ部
の両方に形成する手法を用いないとき、石英開口部の透
過光強度と位相シフタ部の透過光強度の差が許容範囲内
となるようにシフタ材料の屈折率(即ち適したシフタ材
料)を選ばなければならない。いま、石英開口部の透過
光強度と位相シフタ部の透過光強度の差が石英開口部の
光強度の1%以内が許容範囲とすると、前記(11)式の
ようになる。
【0091】また、位相シフタ膜厚の180°からのズ
レ量の許容範囲が±10度とすると前記(12)式のよう
になる。
【0092】図4は、KrFエキシマレーザーを用いた
ときのIs /Iq の位相シフタ屈折率ns 依存性を示し
ている。(12)式を満たすIs /Iq の値は、図4の斜
線部で示されている。いま、石英開口部の透過光強度と
位相シフタ部の透過光強度の差が石英開口部の光強度の
1%以内が許容範囲とするシフタの屈折率は、次の関係
を満たすことが必要である。
【0093】 1.46≦ns ≦1.55 … (15) 次に、石英開口部の透過光強度と位相シフタ部の透過光
強度の差の許容範囲がより厳しく0.05%とすると、
【数3】 となる。また、位相シフタ膜厚の180°からのズレ量
の許容範囲が±10度とすると、前記(12)式となる。
【0094】図15はKrFエキシマレーザーを用いた
ときのIs /Iq の位相シフタ屈折率ns 依存性を示し
ている。(9) 式を満たすIs /Iq の値は図15の斜線
部で示されている。いま、石英開口部の透過光強度と位
相シフタ部の透過光強度の差が石英開口部の光強度の1
%以内が許容範囲とするシフタの屈折率は次の関係を満
たすことが必要である。
【0095】 1.48≦ns ≦1.53 … (17) ここで、石英開口部の透過光強度と位相シフタ部の透過
光強度の差の許容範囲が石英開口部の光強度の±1%以
内望ましくは±0.5%以内となる根拠について図16
を用いて説明する。図16はレジスト寸法の透過光強度
の所望値からのずれ依存性である。図16よりデバイス
試作に必要な焦点深度±0.5μm以上得るには、透過
光強度の所望値からのずれの許容範囲は±1%であるこ
とが分かる。また、図16より商品デバイス作製に必要
な焦点深度±1.0μm以上得るには、透過光強度の所
望値からのずれの許容範囲は±0.5%であることが分
かる。
【0096】このように本実施例によれば、位相シフタ
と同じ膜を透明基板開口部と位相シフタ部の両方に形成
する手法を用いないとき、石英開口部の透過光強度と位
相シフタ部の透過光強度の差が許容範囲内となるように
シフタ材料の屈折率(即ち適したシフタ材料)を選ぶこ
とによって、位相シフタ部と透明基板開口部で形成され
る解像パターンに不均一性が生じることなく所望通りパ
ターンが形成されるようになる。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、0
°,90°,180°,270°の位相組み合わせ(隣
合うパターンを透過した光の相対位相差が90°若しく
は180°)で位相シフタを配置することにより、位相
シフト法における十分な解像力を保持しながら、マスク
の設計的な制約を小さくすることのできる位相シフトマ
スクを実現することが可能となる。
【0098】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わる位相シフトマスクの構造
を示す平面図と断面図。
【図2】第2の実施例に係わる位相シフトマスクの製造
工程を示す断面図。
【図3】第3の実施例に係わる位相シフトマスクの製造
工程を示す断面図。
【図4】第4の実施例に係わる位相シフトマスクの製造
工程を示す断面図。
【図5】第5の実施例に係わる位相シフトマスクの位相
シフタ配置例を示す平面図。
【図6】比較のために従来の位相シフトマスクのシフタ
配置例を示す平面図。
【図7】第6の実施例に係わる位相シフトマスクの位相
シフタ配置例を示す平面図。
【図8】第7の実施例に係わる位相シフトマスクの位相
シフタ配置例を示す平面図。
【図9】第8の実施例に係わる位相シフトマスクの位相
シフタ配置例を示す平面図。
【図10】第9の実施例に係わる位相シフトマスクの位
相シフタ配置例を示す平面図。
【図11】第10の実施例に係わる位相シフトマスクの
位相シフタ配置例を示す平面図。
【図12】第11の実施例に係わる位相シフトマスクの
構造を示す断面図。
【図13】第11の実施例における位相角と透過率との
関係を示す特性図。
【図14】第11の実施例における膜厚と整数値との関
係を示す特性図。
【図15】第12の実施例における最適屈折率を持つシ
フタ材料を選ぶ方法を説明するための図。
【図16】レジスト寸法の透過光強度の所望値からのず
れ依存性を示す図。
【図17】本発明の作用を説明するためのもので、デフ
ォーカス値とコントラストとの関係を示す特性図。
【図18】本発明の作用を説明するためのもので、基板
開口部を透過した光強度Iq と位相シフタを透過した光
強度Is の値が異なる様子を示す図。
【図19】本発明の作用を説明するためのもので、透明
基板/シフタの2層構造におけるシフタ内の多重反射の
様子を示す図。
【図20】位相シフト法の原理を示す図。
【符号の説明】
1,10,16,26,50…透明基板 2,11,17,27,51,52…遮光膜 3,13,15,18,20…位相シフタ 12,14,19,21,28,29…レジスト 53…バッファ膜 101,110〜113,116〜123…透明開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板と、この基板上に形成された遮
    光層からなる所定パターンと、この遮光層で覆われてい
    ない開口領域に選択的に形成され、前記基板を透過する
    リソグラフィ光に対して位相を、90°,180°,2
    70°シフトする位相シフタ層が形成された位相シフト
    マスクにおいて、 隣接する開口領域を透過した光の相対位相差が略180
    °となるように位相シフタ層を配置した任意の2本の平
    行な第1の開口部で囲まれた領域に形成された第2の開
    口部の全て若しくは一部が第1の開口部に平行であり、
    かつ第1の開口部に垂直な任意の断面における第2の開
    口部の本数が偶数の部分では、第2の開口部内で隣接す
    るもの同士の相対位相差を180°とし、かつ第1の開
    口部とそれに隣接する第2の開口部の相対位相差を18
    0°とし、第2の開口部の本数が奇数の部分では、第2
    の開口部内で隣接するもの同士の相対位相差を90°若
    しくは180°とし、かつ第1の開口部とそれに隣接す
    る第2の開口部の相対位相差を90°若しくは180°
    となるように設定してなることを特徴とする位相シフト
    マスク。
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