JP3222326U - 印鑑 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な構成で個人が印面で自分の氏名を正しく読んでもらえる上に、自分の氏名を印象付けることも可能な印鑑を提供する。【解決手段】印鑑は、円形、矩形又は多角形の印面の中央又は任意の箇所に配された自分の認印としての一字以上の漢字から成る漢字情報刻印部12Aと、前記円形、矩形又は多角形の印面12の前記一字以上の漢字の中央、上下、左右、又は前記円形、矩形又は多角形の印面の周縁の一部箇所の内から選択される任意の箇所に配された読み仮名情報刻印部が表す印面を有する。【選択図】図2
Description
本考案は、印鑑に関し、特に、円形又は矩形(角印)の印面の中央又は任意の箇所に配された自分の認印としての漢字と、前記漢字の中央、上下、左右、又は周縁の一部に配された読み仮名を有する印鑑に関する。
従来、個人や組織がその当事者であることを証明する印(しるし)として、切り口が円形、楕円形、角型等で全体は棒状等に構成された印鑑が用いられている。尚、上記のような当事者であることを証明する印(しるし)は、はんことし、捺印をした時に紙や書類などに残る文字や絵を表すもの、即ち、印影と呼ばれるものと同じものを印鑑と呼ぶ場合もあるが、現在では二つを同じ意味で使うことも多いので、ここでは、前者の意味、即ち、当事者であることを証明する印(しるし)として、切り口が円形、楕円形、角型等で全体は棒状等に構成されたものを印鑑と呼ぶ。我が国においては、日本語が公用語とされるので、印鑑の印面、即ち、上述した棒状等の部材の切り口であって、捺印をした時に紙や書類などに残る文字や絵を表す印影を生じるものは、日本語の漢字又はひらがなで構成されるものが多い(非特許文献1参照)。
印相秘訣集 第二版(昭和52年10月1日)105〜109頁(三須啓仙著・株式会社鶴書房)
上述した従来の印鑑は、個人や組織がその当事者であることを証明する印(しるし)としては充分に機能し、印面にその個人の姓や組織の名称等を漢字で形成し、或いはその個人の姓名や組織の略称等を漢字又は仮名で形成するものであった。しかしながら、宅配の受け取りや会社内の書類の作成など、社会人なら誰でも自分の認印が必要である一方、難訓の苗字や全国地方の特別な苗字、また同じ漢字を使用しても、例えば「上村」なら「うえむら」と「かみむら」、「西川」なら「にしかわ」と「さいかわ」など、読み仮名が相違する場合も多い。また、近年、我が国の少子化傾向等もあって子供に珍しい名前を漢字でつける傾向が生じたと共に、成熟化社会の中で、個性の主張等を企図して、大人になってから、新たにそのような珍しい名前を用いる場合もあり、いわゆるキラキラネームがこれに相当するが、このようなキラキラネームでは、特殊な漢字の読み方をするため、印面で自分の氏名を正しく読んでもらえない場合も多くなる。一方、特殊な読み方の漢字とその振り仮名(読み仮名)を同一印面上に表示できれば、印面だけで自分の氏名を印象付けることが容易になり、例えば、名刺などに押印することによる営業上のメリットも多い。 従って、以上のように、難訓の苗字や全国地方の特別な苗字、また同じ漢字でも読み仮名が相違する場合、更にキラキラネーム等を用いて印鑑を作製する需要がある上に、印面で自分の氏名を正しく読んでもらう必要性と、印面だけで自分の氏名を印象付けたいという要望も生じている。
本考案の目的は、上述した課題を解消し、比較的簡単な構成でありながら、個人が印面で自分の氏名を正しく読んでもらうことができる上に、印面だけで自分の氏名を印象付けることも可能な印鑑を提供することにある。
本考案者は、新規且つ有用で斬新な印鑑の構成について鋭意研究を重ねた結果、円形、矩形又は多角形の印面の中央又は任意の箇所に配された自分の認印としての一字以上の漢字から成る漢字情報刻印部と、前記円形、矩形又は多角形の印面の前記一字以上の漢字の中央、上下、左右、又は前記円形、矩形又は多角形の印面の周縁の一部箇所の内から選択される任意の箇所に配された読み仮名情報刻印部が表すという印面構造とすることで、個人が印面で自分の氏名を正しく読んでもらうことができる上に、印面だけで自分の氏名を印象付けることも可能になることを見出した。
即ち、上記目的を達成するため、本考案の印鑑は、円形、矩形又は多角形の印面の中央又は任意の箇所に配された自分の認印としての一字以上の漢字から成る漢字情報刻印部と、前記円形、矩形又は多角形の印面の前記一字以上の漢字の中央、上下、左右、又は前記円形、矩形又は多角形の印面の周縁の一部箇所の内から選択される任意の箇所に配された読み仮名情報刻印部が表す印面を有することを特徴とする。
また、前記読み仮名情報刻印部は、左から右に読ませる読み仮名を含むものであっても良い。
本考案によれば、比較的簡単な構成でありながら、個人が印面で自分の氏名を正しく読んでもらうことができる上に、印面だけで自分の氏名を印象付けることも可能な印鑑を提供することができる。
図1は、本考案の第1の実施形態に係る印鑑の斜視図、図2は、その印鑑の印面の平面面である。図1に示すように、本考案の第1の実施形態に係る印鑑は、印面(切り口)12が円形で全体は棒状に構成された印鑑(丸印)10であり、図2に示すように、その印面12の中央に配された自分の認印としての一字以上の漢字から成る漢字情報刻印部12Aと、その漢字の上部箇所に配された読み仮名情報刻印部12Bが表すという印面構造を有している。尚、この印鑑10は、個人が自分の苗字や氏名の押印をしてその認印として用いられるものでも良いし、いわゆるキラキラネームを表示し、或いは印面だけで自分の氏名を印象付けるために用いられるものであっても良く、この点は、以下の全ての実施形態において同様である。
尚、図2には、漢字情報刻印部12Aと、その漢字の上部箇所に配された読み仮名情報刻印部12Bとの境界を仮想的に破線で示しているが、実際の印鑑には、このような境界線は存在しないのは勿論である。また、漢字情報刻印部12Aのどちらがわの漢字から先に読む(読ませたい)かは、特に限定されず、どちらからでも良いが、近年では、契約書等に署名(記名)押印する場合、その署名(記名)は横書きの漢字にてなされる場合が多いので、その認印としては、漢字の氏名を左から右に読ませるのが望ましい。即ち、署名(記名)は横書きの漢字にてなされる場合の認印としては、読み仮名情報刻印部12Bは、左から右に読ませる読み仮名を含むものであるのが好適である。この点は、以下の全ての実施形態において同様である。
また、読み仮名情報刻印部12Bは、漢字情報刻印部12Aの漢字(1文字以上)の音読み、訓読み、或いは音読みと訓読みの組み合わせであっても良いし、音読みでも訓読みでも生じ得ない読み方でも良く、要は、図示しない印鑑所有者の正しい氏名等を表すものであれば良い。また、漢字情報刻印部12Aに刻印される漢字や読み仮名情報刻印部12Bに刻印されるかな(読み仮名)の字体(フォント)・大きさ等は任意のものを用いることができる。また、既存の字体(フォント)だけでなく、自由なデザイン形態の「漢字」や「かな」を刻印しても良い。尚、読み仮名情報刻印部12Bに刻印される「読み仮名」は、「ひらがな」だけでなく、「カタカナ」も含まれる。以上の点も、以下の全ての実施形態において同様である。
図5(a)は、本考案の第1の実施形態に係る印鑑の印面の実施例として漢字の氏名と、その読み仮名が形成されている例を示す図である。図5(a)では、例えば、漢字情報刻印部12Aに「山崎」という漢字情報、と、その漢字の上部箇所に配された読み仮名情報刻印部12Bに「やまざき」又は「やまさき」という読み仮名情報が刻印されている。このように、本考案の第1の実施形態によれば、比較的簡単な構成でありながら、例えば、漢字情報刻印部12Aに「山崎」という漢字情報を刻印し、その漢字の上部箇所に配された読み仮名情報刻印部12Bに「やまざき」又は「やまさき」という読み仮名情報が刻印されているので、個人が印面で自分の氏名を正しく読んでもらうことができる上に、印面だけで自分の氏名を印象付けることも可能である。また、以上の第1の実施形態では、円形の印面12において、漢字情報刻印部12Aの漢字の上部箇所に仮名情報刻印部12Bを配置したが、下部、左、右、又は任意の角度位置でも良い。
次に、本考案の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態に係る印鑑も、図示は省略するが、図1に示した第1の実施形態と同様に、印面(切り口)が円形で全体は棒状に構成された印鑑(丸印)である。図3は、本実施形態に係る印鑑の印面の平面面である。図3に示すように、印面22の上下に分割して配された自分の認印としての一字以上の漢字から成る漢字情報刻印部22A、22Aと、その上下の漢字の間の中央部に配された読み仮名情報刻印部22Bが表すという印面構造を有している。
尚、図3には、上下の漢字情報刻印部22A、22Aと、その上下の漢字の間の中央部に配された読み仮名情報刻印部22Bとの境界を仮想的に破線で示しているが、実際の印鑑には、このような境界線は存在しないのは勿論である。また、上下の漢字情報刻印部22A、22Aの上下どちらがわから先に読む(読ませたい)かは、特に限定されないが、通常は、上から下に読む(読ませたい)ものと考えられる。
図5(b)(c)(d)は、本考案の第2の実施形態に係る印鑑の印面の各種実施例として様々な漢字の氏名と、その読み仮名が形成されている例を示す図である。図5(b)では、例えば、上の漢字情報刻印部22Aに「碧」という漢字情報、下の漢字情報刻印部22Aに「空」という漢字情報と、その上下の漢字の間の中央部に配された読み仮名情報刻印部22Bに「みらん」という読み仮名情報が刻印されている。また、図5(C)では、例えば、上の漢字情報刻印部22Aに「田中」という漢字情報、下の漢字情報刻印部22Aに「優杏」という漢字情報と、その上下の漢字の間の中央部に配された読み仮名情報刻印部22Bに「ゆず」という読み仮名情報が刻印されており、この「ゆず」は、下の漢字情報刻印部22Aに刻印された「優杏」という漢字情報のみの読み仮名情報、即ち、氏名のうち名前のみの読み仮名情報が刻印されているものである。一方、図5(d)では、例えば、上の漢字情報刻印部22Aに「中村」という漢字情報、下の漢字情報刻印部22Aに「海音」という漢字情報と、その上下の漢字の間の中央部に配された読み仮名情報刻印部22Bに「なかむらまりん」という読み仮名情報が刻印されており、この「なかむらまりん」は、上下両方の漢字情報刻印部22A、22Aに刻印された「中村・海音」という漢字情報の読み仮名情報、即ち、氏名の読み仮名情報が刻印されているものである。
次に、本考案の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態に係る印鑑も、図示は省略するが、図1に示した第1の実施形態と同様に、印面(切り口)が円形で全体は棒状に構成された印鑑(丸印)である。図4は、本実施形態に係る印鑑の印面の平面面である。図4に示すように、円形の印面32の主要部に配された自分の認印としての一字以上の漢字から成る漢字情報刻印部32Aと、その印面32の下部周縁箇所に配された読み仮名情報刻印部32Bが表すという印面構造を有している。
尚、図4には、円形の印面32の主要部に配された漢字情報刻印部32Aと、その印面32の下部周縁箇所に配された読み仮名情報刻印部32Bとの境界を仮想的に破線で示しているが、実際の印鑑には、このような境界線は存在しないのは勿論である。また、印面32の下部周縁箇所に配された読み仮名情報刻印部32Bの左右どちらがわ
から先に読む(読ませたい)かは、特に限定されないが、左から右に読む(読ませたい)ものとするのが好適である。
から先に読む(読ませたい)かは、特に限定されないが、左から右に読む(読ませたい)ものとするのが好適である。
図5(e)(f)(g)(h)は、本考案の第3の実施形態に係る印鑑の印面の各種実施例として様々な書体の漢字の氏名と、その読み仮名が形成されている例を示す図である。これら図5(e)(f)(g)(h)では、いずれも円形の印面32の主要部に配された漢字情報刻印部32Aに「山本・奏夢」という2段併記の漢字情報と、その印面32の下部周縁箇所に配された読み仮名情報刻印部32Bに「やまもとりずむ」という読み仮名情報が刻印されている。そして、漢字情報刻印部32Aの「山本・奏夢」という2段併記の漢字情報は、それぞれ図5(e)では康印体、図5(f)では楷書体、図5(g)では丸ゴシック体、図5(h)ではまるもじ体で形成されている。このように、漢字情報刻印部に刻印される漢字の書体は限定されず、これら以外の書体でも良い。読み仮名情報刻印部における読み仮名も、同様である。また、以上の第3の実施形態では、円形の印面32の下部周縁箇所に読み仮名情報刻印部32Bを配置したが、上部、左、右、又は任意の位置の周縁箇所でも良い。
以上に述べた実施形態では、本考案を丸印に適用したが、本考案は、特許請求の範囲の記載の範囲内で、楕円形を含む円形、矩形又は多角形の印面を有する印鑑に広く適用される。即ち、角印等、その他の形状の印鑑にも広く適用され、例えば、書画等に製作者が使用する雅号に用いる角印である雅号印にも好適に適用可能である。また、本考案は、朱肉を別途用いない浸透印の印鑑にも適用されるのは勿論である。この浸透印の印鑑に適用する場合、全体に朱色のインクを浸透させる通常の形態だけでなく、例えば、漢字情報刻印部12Aと読み仮名情報刻印部12Bとで浸透するインクの色を変えて自分の氏名をより強く印象付けることも可能な構造の印鑑としても良い。更に、本考案は、認印・職印・三文判等の印鑑の用途、木材・貴石・チタン等の印鑑の材質を問わず広く適用することができる。
10 印鑑、 12 印面、12A 漢字情報刻印部、12B 読み仮名情報刻印部
Claims (2)
- 円形、矩形又は多角形の印面の中央又は任意の箇所に配された自分の認印としての一字以上の漢字から成る漢字情報刻印部と、前記円形、矩形又は多角形の印面の前記一字以上の漢字の中央、上下、左右、又は前記円形、矩形又は多角形の印面の周縁の一部箇所の内から選択される任意の箇所に配された読み仮名情報刻印部が表す印面を有することを特徴とする印鑑。
- 前記読み仮名情報刻印部は、左から右に読ませる読み仮名を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の印鑑。
Priority Applications (1)
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2019
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