JP3221489U - ポータブルトイレ - Google Patents
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Abstract
【課題】設置及び移動が容易なポータブルトイレを提供する。【解決手段】背板3、底板4、左右扉5、6、及び天板7によって構成されてなる箱体2と、箱体内部に設けられた小便器ユニットと、を備え、各左右扉は、それぞれが箱体の外側に向って突出する弧形状、又はそれぞれが箱体の外側に向って突出する1若しくは複数の角を有する形状であって、背板の左右側端を軸にして左右に回動して開閉可能に軸着されてなることを特徴とする。これにより、軽量化及び省スペース化が実現でき、移動及び設置が容易になり、かつ、局部遮蔽効果を奏することにより安心して用を足すことができる。【選択図】図3
Description
本考案は、屋内外で使用するポータブルトイレに関する。
従来、建設現場や公園などの屋外では、クレーンなどを用いて移動させることが可能な略長方体のポータブルトイレが利用されている。
従来、建設現場や公園などの屋外では、クレーンなどの重機を用いて移動及び設置が可能な略長方体のポータブルトイレが利用されている。しかし、これらのポータブルトイレを設置するためには上記のような重機を用いることが必要であったため、設置及び移動が大変煩わしかった。
さらに、小規模の建設現場などでは、限られた面積の中でポータブルトイレを設置する必要があり、ポータブルトイレの省スペース化に対しての強いニーズがあった。
また、建設現場などへの仮設トイレの搬入の煩わしさから、所謂、立小便が行われるといった問題も存在する。
なお、省スペース化を図った先行技術として、特許文献2にポータブルトイレの例が記載されているが、便座に着座して使用した際には、使用者の前面を隠すものがなく、また、立ったままで使用した場合も左右を遮蔽するものがないため、一般的にこのような形状のポータブルトイレを屋外で使用することには、心理的な抵抗があると考えられる。なお、特許文献2に係るポータブルトイレには、前後左右を遮蔽するためにテントを用いることができる旨の記載があるが、テントの設営は極めて煩わしく、また、保管にも手間とスペースをとってしまうという問題がある。
したがって、使用者の多くが男性であったとしても、局部を外部の目から遮蔽することは極めて重要である。
また、省スペース化を実現しようとすると、ポータブルトイレ内部の使用時空間が狭くなってしまうというトレードオフの問題も存在する。
また、近年タワーマンションと称される超高層マンションやオフィスビルの建設が活況だがその建築現場では用を足すのに一階まで降りる必要があり、その都度仮設のエレベーターを使用する訳にもいかず、運搬に容易なポータブルトイレの需要が増してきていた。
本明細書及び実用新案登録請求の範囲において、正面側とは、箱体内部から見て背板の逆方向を、背面側とは、箱体内部から見て背板の方向を、上方とは、箱体内部から見て閉じている状態の天板の方向を、下方とは、箱体内部から見て底板の方向を、それぞれ意味するものとする。
前記の種々の課題を解決するために、本考案はなされた。本考案に係るポータブルトイレは、背板、底板、左右扉、及び天板によって構成されてなる箱体と、前記箱体内部に設けられた小便器ユニットと、を備え、前記各左右扉は、それぞれが箱体の外側に向って突出する弧形状、又はそれぞれが箱体の外側に向って突出する1若しくは複数の角を有する形状であって、前記背板の左右側端を軸にして左右に回動して開閉可能に軸着されてなることを特徴とする。
前記各左右扉の形状としては、前記箱体外側に向って突出した形状であることが必要である。これは、当該形状により構成されていることにより、前記各左右扉の開状態において、放尿中の使用者を包み込む箱体の形態を実現することができるからである。当該形状により、本考案に係るポータブルトイレの使用者は、局部を周囲の人から見られることがないように各左右扉が隠してくれているという安心感を抱き、リラックスして用を足すことができる。さらに、当該形状により構成されていることで、本ポータブルトイレを使用する際に、使用時空間が左右方向に広がりを持つこととなる。
上記各左右扉の形状は、半円形状であることが好ましい。左右扉を左右に回動して開くことで、局部遮蔽効果を十分に奏し、かつ、使用時空間を左右に広く確保することができるからである。しかし、半円形状に限られるものではなく、その他の弧形状や、外側に突出した1又は複数の角を有する形状でもよい。
なお、前記の各左右扉は、前記背板の左右側端を軸にして左右に回動させ、閉状態とした場合に、それぞれの回動中心軸の反対側の扉端部が互いに当接することとしてもよく、また、一方の扉の外側面の一部若しくは全部と他方の扉の内側面の一部若しくは全部が重なって略平行に接触することとしてもよい。
上記の構成を採用することにより、従来の略長方体形状のポータブルトイレと比較して、軽量化、並びに省スペース化を実現すると共に、左右方向に広さのある使用時空間を実現ことが可能である。
また、本考案に係るポータブルトイレは、前記背板が、箱体内部に配設されてなる小便器ユニットの裏面と一体として形成されていてもよい。
箱体の素材としては、プラスチック成形によって成形されてなるものを用いることが好ましい。この場合には、ポータブルトイレを軽量にできるからである。また、外部からの光の一部を透過できるプラスチック素材によって成形された場合には、光を透過するため箱体内部が光を透過しない他の素材を用いたときと比較して明るい。しかし、本考案に係るポータブルトイレの素材は上記のものに限らず、金属や木材などを用いることもできる。
小便器ユニットは、上述の通り、箱体内部に設けられなければならない。箱体内部に設けることで、本考案に係るポータブルトイレの局部遮蔽効果を奏するからである。また、小便器ユニットは、背板の箱体内部面に設けられることが好ましいが、背板に限らず、箱体内部であれば、任意の位置を選択可能である。
小便器ユニットの素材としても、プラスチック成形によって成形されてなるものを用いることが好ましい。この場合も、軽量にできるからである。しかし、本考案に係る小便器ユニットの素材は上記のものに限られるものではない。
小便器ユニットは、少なくとも小便器を含むものでなければならない。また、汚水を貯留可能な汲取タンク、若しくは下水管に接続可能な接続手段を有することが好ましい。しかし、小便を受け止めることが可能な構成であれば、上記の構成に限られることなく種々の態様で本考案を実施することができる。
また、前記小便器ユニットが、上方向に開放口が形成されてなる汚水を貯留可能な汲取タンクと、前記汲取タンクに設けられた閉塞栓を有する開口と、前記開放口を閉塞するように着脱自在に前記汲取タンクに載置されてなる小便器と、を有することとしても好ましい。
前記小便器の素材にはプラスチック成形により成形されてなるもの、又は陶器を用いることが好ましい。プラスチック成形により成形されてなるものを用いた場合には、本考案の目的に合致したさらに軽いポータブルトイレを実現することができる。また、陶器を用いた場合には、撥水性を有するため、臭いが付きにくく、清潔で、清掃が容易である。
上方向に開放口が形成さえてなる汚水を貯留可能な汲取タンクを備えることにより、前記小便器を経由して流入する汚水を汲取タンク内部に貯留可能となる。さらに、汲取タンクの上部に載置された小便器を取り外し、汚れがちな汲取タンクを目視して容易に、かつ、きれいに清掃することができる。
また、汲取タンクが閉塞栓を有する開口を備えることにより、汚水の容易な排出が可能となる。当該開口は汲取タンクの下端部に設けられることが好ましい。この場合には、閉塞栓を開口から外すことで汚水が自然落下し、最も容易に汚水を開口から排出することが可能である。しかし、当該開口が配設される位置は上記に限定されるものではなく、例えば、タンク上部に開口を設け、バキュームで汚水を吸い上げるような構成としてもよく、本考案の目的に反しない範囲で種々の構成を採用することができる。
さらに、前記小便器ユニットが、上方向に開放口が形成されてなる汚水を貯留可能な汲取タンクと、前記汲取タンクに設けられた閉塞栓を有する開口と、前記開放口を閉塞するように前記開放口の口縁周りの前記汲取タンクの一部、若しくは背板の上部に軸着されて、当該軸着部を回動中心として前記開放口を開閉可能に設けられてなる小便器と、を有することとしても好ましい。
当該構成によれば、汲取タンク内を清掃する際に、小便器を回動して、開放口を開状態にすることで目視して汲取タンク内を清掃することが可能となるため、清掃を容易かつきれいに行うことができる。また、小便器を下に置くことなく、支持することが可能なため、小便器に地面の砂などが付着し汚れるのを防止することができる。
前記小便器の回動中心となる軸着部としては、前記開放口の口縁周りの前記汲取タンクの一部である汲取タンクの正面側上端、背面側上端、若しくは左右いずれかの側面側上端、又は小便器ユニットに連設されている背板の上部などを採用し得る。
なお、前記いずれの位置に軸着部を設けた場合であっても、小便器を前記汲取タンクから離間する方向へ当該軸着部を中心に回動させることで、前記開放口を閉状態から開状態へと変更することができる。
また、小便器の一端を軸によって支持し、他端を手で把持しても良いが、他端側を支持する支持手段を背板若しくはタンクなどの部材に設けることもできる。
またさらに、前記底板は、前記汲取タンクよりも正面側に突出してなることとしても好ましい。
本ポータブルトイレを利用していると、汚水が貯留された汲取タンクの重量が重くなるが、当該構成により、本ポータブルトイレが正面側に倒れるのを防止し、安定性を高めることが可能になる。
また、底板が汲取タンクよりも正面側に突出してなることにより、斜めに移動させて、把手から手を放して本ポータブルトイレを設置する際に、正面側に本ポータブルトイレが倒れてしまうという事態を防止するために当該底板の踏ん張りが効くようになり、さらに利用しやすいポータブルトイレを提供することができる。
さらにまた、前記天板が、前記箱体から離間する方向に回動可能に、前記背板の上端に軸着されてなることとしても好ましい。
当該構成によれば、運搬時や不使用時には、天板を閉状態とすることで雨水、鳥類などの浸入を防止することができ、使用時には、天板を開状態にすることで、使用者が本考案に係るポータブルトイレの箱体内部に入ることができるようになる。
前記の回動可能な天板を備える構成とした場合は、背板及び、左右扉の上下方向の長さを従来よりも短い、腰、若しくは胸辺りが覆われる長さとすることで、本考案に係るポータブルトイレの極めて顕著な軽量化・省スペース化を図ることができる。
また、前記箱体の下部に回動自在に軸支されてなる1又は複数の車輪を備えてなることとしても好ましい。
前記車輪の態様は、複数の車輪を箱体下部に設け、本ポータブルトイレを当該複数の車輪で支持することで、常時箱体の底板下側面が地面から離れている状態を実現可能な位置、又は、本ポータブルトイレの設置時において箱体底板下側面が地面と接地可能となる位置、例えば、車輪の外周面が底板と面一もしくはそれより上方となり、かつ、箱体の外側周側面から突出することとなる位置に設けることが考えられる。
前記車輪を設けることで、上述した通り極めて軽量かつコンパクトな本考案に係るポータブルトイレを、車輪を用いてさらに容易に移動させることが可能となる。
さらに、前記車輪が、前記車輪の外周面が前記底板の裏面と面一、若しく前記底板の裏面よりも上方向に配設されてなり、かつ、前記背板から突出するように配設されてなることとしても好ましい。
当該構成によれば、本考案に係るポータブルトイレを、車輪の外周面が前記底板の裏面と面一、若しく前記底板の裏面よりも上方向に配設されてなり、かつ、前記背板から突出するように配設されてなる車輪を軸として、前記箱体を底板が地面から離れて、車輪外周が地面に当接するまで地面と垂直方向から背面側へ斜めに傾けることで当該ポータブルトイレを容易に移動させることができる。
さらに、前記車輪が底板の裏面と面一或いはそれより上方に配設されていることにより、当該ポータブルトイレを設置若しくは利用している際に当該ポータブルトイレが車輪の作用により動いてしまうという事態を防止することができる。
さらにまた、前記箱体は、前記背板、若しくは/及び前記天板の前記箱体外側面に把手を有してなることとしても好ましい。
当該構成によれば、本考案に係るポータブルトイレを背面側へ斜めに傾けて移動させる際に、背板、若しくは天板に配設された把手を把持して移動させることが可能なため、さらに容易に当該ポータブルトイレを移動させることができる。
また、把手を背板、及び天板の両方に配設することにより、身長の低い使用者は背板に配設された把手を、身長の高い使用者は天板に配設された把手を把持することが可能となり、身長の異なる様々な使用者が本考案に係るポータブルトイレを容易に移動させることができるようになる。
また、身長の高い使用者の手は地面からより離れる高さに、身長の低い使用者の手はそれよりも多少低い高さに存在することとなるが、それぞれの高さに合わせた把手を選択して把持することで、移動時に箱体の地面に対する角度が斜めに傾き過ぎてしまうという事態や、反対に、あまり傾かないために、底板が地面から離れず、移動させることができないという事態を回避することが可能となる。
本考案に係るポータブルトイレによれば、従来の略長方体形状に形成されてなる箱体を有するポータブルトイレと比較して、極めて顕著な軽量化、及び省スペース化を実現することができ、人が箱体の内部に入ると左右方向に広さのある使用時空間を実現することができる。
また、前記各左右扉の外側方向突出形状により、局部を他人に見られてしまうという事態を防止することが可能であり、コンパクトになった本考案に係るポータブルトイレでも、安心して用を足すことができる。
以下、図面を参照しながら本考案の実施形態について詳しく説明する。
実施形態におけるポータブルトイレは、例えば、建設現場や公園などの屋外に設置して使用され、及びタワーマンションを称される超高層マンションやオフィスビルなどの建築現場の屋内において、任意の階(フロアー)に設置して使用される。
実施形態におけるポータブルトイレ1は、図1、図2及び図3に示すように、背板3、底板4、左扉5、右扉6及び天板7によって構成されてなる箱体2を有する。さらに、当該箱体2の背板3の箱体2外側面には、把手8が設けられている。さらに、当該箱体2の背板3の背面下端部には、二つの車輪9が配設されてなる。
また、図4及び図5に示すように、天板7は背板3の上端に設けられた天板回動軸7bを中心に箱体2から離間する方向に回動可能となるよう軸着されている。そして、左扉5は、背板3の左側端の左扉回動軸5bを中心に、右扉6は、背板3の右側端の右扉回動軸6bを中心に、それぞれ、左右に回動して、扉の開閉が可能となるように軸着されている。
なお、左扉5と右扉6はそれぞれが箱体2の外側に向って突出する弧形状に構成されている。また、天板7の正面側先端には、持ち手7aが形成されてなる。当該持ち手7aは、天板7の正面側先端において下方向に曲折し、左扉5及び右扉6の回動をロック可能に左扉5及び右扉6のそれぞれの上端外側面に圧接するようになっている。
またさらに、ポータブルトイレ1は、箱体2の内部である背板3の正面側の面に設けられた小便器ユニット13を有してなる。また、当該小便器ユニット13は、小便器14と、上端に形成されてなる上方向の開放口16が小便器14によって閉塞されてなる汲取タンク15と、汲取りサイン18とからなる。
なお、図4、図7及び図8に示すように、汲取タンク15は、例えば、底板4上に固定して配置される。開放口16は、上方向であって、天板7側に開口されている。
なお、図6に示すように、前記汲取りサイン18は、汲取タンク15内部に設けられた浮き19と、浮き19に連なって上方に向って柱状に突設されてなる汲取りサイン表示ポール17と、汲取りサイン表示ポール17の中間位置の周面に表示された汲取りサイン18によって、構成される。
また、小便器14は小便器孔14aを有する。図7に示すように、小便器14は、小便器孔14aから、開放口16を通して、汲取タンク15内に収納されて、開放口16を閉塞する。なお、図7に示すように、小便器14は、開放口16の口縁周りであって、汲取タンク15の正面側に係止されている。さらに、汲取タンク15は、汲取タンク15下部に開口20を有し、当該開口20には閉塞栓21が設けられている。閉塞栓21は取外自在に開口20内に挿入されて、開口20を閉塞している。
なおさらに、図8に示すように、小便器14は、背板の上部に設けられた小便器回動軸22を中心に上下に回動して、開放口16を開閉可能に軸着されており、その小便器14の正面側先端には小便器係止部23が設けられてなる。
さらに、図7に示すように、底板4は、汲取タンク15よりも正面側に突出してなる。
さらに、図9に示すように、ポータブルトイレ1の上下の長さは、使用者が利用する際に、使用者の胸のあたりまでが隠れる程度となっている。
さらに、図2及び図10に示すように、2つの車輪9は、箱体2の背板3の左端側及び右端側に車輪軸10を中心として回動自在に軸着されている。さらに、車輪外周面11が底板4の裏面と面一となり、かつ、車輪外周面11が背板3の外側よりも突出する位置に配設されてなる。
上記で、構成を説明した実施形態におけるポータブルトイレ1について、使用者の利用法及び当該利用により生ずる効果を以下で詳説する。
まず、ポータブルトイレ1を用いて用を足す方法から説明する。
まず、ポータブルトイレ1の使用者は、ポータブルトイレ1の天板7を上方に開くことで持ち手7aを左右扉5,6から外す。これにより、持ち手7aがロックしていた左扉5及び右扉6の開閉が可能になる。
次に、ロックが解除された左扉5を左側へ、右扉6を右側へそれぞれ開く。これにより、小便器ユニット13及び使用時空間が使用者の正面に表れる。また、左扉5及び右扉6は外側に突出した形状を保持したまま開くため、使用時空間の左右方向の幅を広く形成することができ、体の大きい使用者にも空間的な余裕を与えることができる。
その次に、使用者は、箱体2の内側であって、開いた左扉5及び右扉6の間に入る。また、必要に応じて、左扉5及び右扉6をそれぞれ内側へ旋回させて、使用者の回りを覆うことができる。
その後、使用者はズボン及びパンツを下ろし、用を足す。ここで、前記の通り、外側突出形状の左扉5及び右扉6が使用者の左右側方及び使用者の背中方向の一部を覆っているため、第三者に局部を露呈することがない。従って、使用者は安心して用を足すことができる。
次に、使用者はズボン及びパンツを上げ、その後、左扉5及び右扉6の間から、箱体2の外部に出る。
また、使用者は左扉5及び右扉6の間から外部に出た後、左扉5及び、右扉6を回動して閉状態とし、その後天板7を回動して閉状態とする。こうすることで、天板7の持ち手7aが左扉5及び右扉6の上端外側面に圧接して左扉5及び右扉6の回動をロックし、強風が吹いても、左扉5及び右扉6が開かないようにすることができる。
さらに、左扉5、右扉6、及び天板7の全てを閉状態とした場合は、雨天時の雨水の浸入や、虫、鳥類の侵入を防止することができる。
次に、汲取りサイン18について詳説する。
上記のように用を足すと、係る汚水Wは小便器14を経由して汲取タンク15に貯留される。
図6に示すように、汲取タンク15内部には、浮き19、浮き19の上方に連なってして設けられた汲取りサイン表示ポール17、及び汲取りサイン表示ポール17に設けられた汲取りサイン18が存在する。なお、汲取りサイン表示ポール17は、汲取タンク15に設けられた支持孔に挿通されて倒れないように支持されている。
汲取タンク15内部に貯留された汚水Wの量が一定量を超過し、その後も汚水Wの量が増えると、浮き19に連設されてなる汲取りサイン表示ポール17が、徐々に上方へと上がってくる。
その後も続けて用を足していると、当該汲取りサイン表示ポール17の中間部に設けられてなる汲取りサイン18が汲取タンク正面側の右上端部へ設けられた汲取サイン表示窓から出現する。
当該汲取りサイン18が当該汲取サイン表示窓から出現したところで、使用者は汲取タンク15内部に貯留された汚水Wの量が増加し、開口20からの放水が必要となったことを知ることができる。
次に、実施形態におけるポータブルトイレ1の清掃について詳説する。
前記の通り、汲取りサイン18を通して、ポータブルトイレ1の清掃が必要であることを知った使用者は、ポータブルトイレ1の清掃を行うことができる。
ポータブルトイレ1の清掃を行うために、汚水Wの放水が可能な場所へとポータブルトイレ1を移動させるべきである。
次に、使用者は、汲取タンク15下部に設けられ、背板3下端部に見える、開口20から閉塞栓21を抜き、開口20から汚水Wを放水する。
汚水Wの放水が終了したら、図8に示すように、小便器回動軸22を中心に小便器14を汲取タンク15の開放口16から離間する方向へと回動させる。これにより、汲取タンク15の開放口16が出現し、使用者は汲取タンク15の内部を目視して、容易かつ綺麗に汲取タンク15を清掃することができる。またこの際、例えば、小便器14を軸着することなく、着脱自在に汲取タンク15に載置しておくこともできる。
清掃には、例えば、ホースからの放水により汲取タンク15内部を洗い流した後、ブラシで汲取タンク15内部の壁面を擦って磨くといった態様が考えられる。この際、洗剤等を用いて清掃することが好ましい。このとき、清掃に使用した洗剤や水は、汲取タンク15の開口20から排水される。
汲取タンク15内部の清掃が終了したら、使用者は小便器回動軸22を中心に、小便器14を汲取タンク15の開放口16に向って回動させ、小便器14で開放口16を閉塞する。この際、小便器係止部23を開放口16の正面側へ係止することで、ズレを生じないように開放口16を小便器14で閉塞することができる。
その後、使用者は、タンク下部の背板3側へ設けられた開口20を、閉塞栓21で閉塞して、清掃を終了する。
なお、しばらくポータブルトイレ1を利用しない場合、使用者は、前記の汲取タンク15内部の清掃が終了した後、小便器14を開状態に固定し、かつ天板7を開状態に固定して放置することができる。
この場合には、上方より日光が汲取タンク15内部に差し込むため、一定時間放置すると、汲取タンク15内部が乾燥し、かつ、日光消毒が可能である。
次に、ポータブルトイレ1の移動方法、及びポータブルトイレ1の設置について詳説する。
本ポータブルトイレ1は、図10に示すように、車輪外周面11が底板4の裏面と面一、かつ、背板3から突出する位置に配設されてなる車輪9を有する。
使用者は、本ポータブルトイレ1を背板3方面へ斜めに傾け、車輪9の車輪外周面11を地面と接地させ、かつ、底板4を地面から離れさせる。これにより、ポータブルトイレ1は、押し引きすることで移動が可能となる。
また、ポータブルトイレ1を移動させる使用者は、背板3背面に設けられた把手8を手hで把持することができる。これにより、人Hがポータブルトイレ1を支持して走行できることから安定したポータブルトイレ1の移動が可能となる。
次に、ポータブルトイレ1を設置予定位置まで移動させたら、使用者はポータブルトイレ1を地面と平行に戻しながら、把手8から手hを離す。これにより、底板4が地面hに接触することでポータブルトイレ1の設置が完了する。
なお、ポータブルトイレ1は、前記の通り、汲取タンク15よりも正面側に突出してなる底板4を有してなる。当該底板4の長さにより、多少乱雑に把手8から手hを離した場合であっても、踏ん張りが効いて、ポータブルトイレ1が正面方向へ倒れるのを防止することができる。さらに、これにより、ポータブルトイレ1の使用時においてもさらなる安定性が実現される。
またさらに、車輪9が図10に示す位置に配設されてなることにより、ポータブルトイレ1の底板4を地面と平行にして設置している間は、底板4の裏面と地面との間に生ずる摩擦力が働くことで、車輪9によってポータブルトイレ1が前後方向に移動してしまうという事態が生じない。これにより、ストッパー等の部材を設ける必要がなくなり、さらなる軽量化、製造コストの低減等が実現される。
また、ポータブルトイレ1は、左扉5、及び右扉6を閉状態にした後、左扉凹部5a、及び右扉凹部6aを手hで把持することで容易にトラックへの積み上げ、積み下ろしをすることもできる。
本考案に係るポータブルトイレ1を利用することで、使用者は種々の効果を得ることができる。
例えば、外側に突出した弧形状の左扉5及び右扉6により、局部を遮蔽して安心して用を足すことができる。
さらに、ポータブルトイレ1は天板7の位置が人Hの頭頂の高さより低く、上下の長さが人Hの胸の高さ程度となっており、従来の略長方体形状のポータブルトイレ1と比較して、極めて顕著な軽量化、省スペース化を図ることができ、かつ、移動が容易である。
これにより、ポータブルトイレ1は、建設現場や公園などの屋外に運んで設置できる。また、ポータブルトイレ1は、タワーマンションと称される超高層マンションやオフィスビルの建築現場の屋内において、任意の階(フロアー)に容易に運んで設置できる。
これにより、ポータブルトイレ1は、建設現場や公園などの屋外に運んで設置できる。また、ポータブルトイレ1は、タワーマンションと称される超高層マンションやオフィスビルの建築現場の屋内において、任意の階(フロアー)に容易に運んで設置できる。
また、外側に向けて突出する弧形状を呈した左右扉5,6により、左右に広い使用時空間を確保することができる。
またさらに、上記のように、特定の位置に配設されてなる車輪9、並びに特定の長さを有する底板4によって、車輪9が付いているにも関わらず、使用時には前後に移動等することがなく安定してポータブルトイレ1を利用することができる。
1 ポータブルトイレ
2 箱体
3 背板
4 底板
5 左扉
5a 左扉凹部
5b 左扉回動軸
6 右扉
6a 右扉凹部
6b 右扉回動軸
7 天板
7a 持ち手
7b 天板回動軸
8 把手
9 車輪
10 車輪軸
11 車輪外周面
12 扉着設具
13 小便器ユニット
14 小便器
14a 小便器孔
15 汲取タンク
16 開放口
17 汲取りサイン表示ポール
18 汲取りサイン
19 浮き
20 開口
21 閉塞栓
22 小便器回動軸
23 小便器係止部
H 人
h 手
W 汚水
2 箱体
3 背板
4 底板
5 左扉
5a 左扉凹部
5b 左扉回動軸
6 右扉
6a 右扉凹部
6b 右扉回動軸
7 天板
7a 持ち手
7b 天板回動軸
8 把手
9 車輪
10 車輪軸
11 車輪外周面
12 扉着設具
13 小便器ユニット
14 小便器
14a 小便器孔
15 汲取タンク
16 開放口
17 汲取りサイン表示ポール
18 汲取りサイン
19 浮き
20 開口
21 閉塞栓
22 小便器回動軸
23 小便器係止部
H 人
h 手
W 汚水
Claims (8)
- 背板、底板、左右扉、及び天板によって構成されてなる箱体と、
前記箱体内部に設けられた小便器ユニットと、を備え、
前記各左右扉は、それぞれが箱体の外側に向って突出する弧形状、又はそれぞれが箱体の外側に向って突出する1若しくは複数の角を有する形状であって、前記背板の左右側端を軸にして左右に回動して開閉可能に軸着されてなる
ことを特徴とするポータブルトイレ。 - 前記小便器ユニットは、
上方向に開放口が形成されてなる汚水を貯留可能な汲取タンクと、
前記汲取タンクに設けられた閉塞栓を有する開口と、
前記開放口を閉塞するように着脱自在に前記汲取タンクに載置されてなる小便器と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のポータブルトイレ。 - 前記小便器ユニットは、
上方向に開放口が形成されてなる汚水を貯留可能な汲取タンクと、
前記汲取タンクに設けられた閉塞栓を有する開口と、
前記開放口を閉塞するように前記開放口の口縁周りの前記汲取タンクの一部、若しくは背板の上部に軸着されて、当該軸着部を回動中心として前記開放口を開閉可能に設けられてなる小便器と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のポータブルトイレ。 - 前記底板は、
前記汲取タンクよりも正面側に突出してなる
ことを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載のポータブルトイレ。 - 前記天板は、
前記箱体から離間する方向に回動可能に、前記背板の上端に軸着されてなる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のポータブルトイレ。 - 前記箱体の下部に回動自在に軸着されてなる1又は複数の車輪を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のポータブルトイレ。 - 前記車輪は、
前記車輪の外周面が、前記底板の裏面と面一、若しく前記底板の裏面よりも上方向に配設されてなり、かつ、前記背板から突出するように配設されてなる
ことを特徴とする請求項6に記載のポータブルトイレ。 - 前記箱体は、
前記背板、若しくは/及び前記天板における前記箱体外側面に把手を有してなる
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載のポータブルトイレ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019000923U JP3221489U (ja) | 2019-03-15 | 2019-03-15 | ポータブルトイレ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019000923U JP3221489U (ja) | 2019-03-15 | 2019-03-15 | ポータブルトイレ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3221489U true JP3221489U (ja) | 2019-05-30 |
Family
ID=66655586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019000923U Active JP3221489U (ja) | 2019-03-15 | 2019-03-15 | ポータブルトイレ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3221489U (ja) |
-
2019
- 2019-03-15 JP JP2019000923U patent/JP3221489U/ja active Active
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Legal Events
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