JP3219915U - 雷対策用アークホーン - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で雷撃による不都合を低減できる雷対策用アークホーンを提供する。
【解決手段】アークホーン装着具は、アークホーンの先端部と嵌合する筒形の装着部10と、装着部10よりも先端側に延出された筒形の延出部11とを有し、キャップ部4は、延出部11と嵌合する筒部17と、膨張した空気の抵抗となる底壁部16とを有し、キャップ部4は、延出部11の先端域で外嵌して固定されるように構成してあり、アークホーン装着具を硬性の高い合成樹脂で構成し、キャップ部4をアークホーン装着具で採用された合成樹脂よりも硬性の低い合成樹脂で構成し、キャップ部4の合成樹脂が0℃〜35℃の温度で柔軟性を有する合成樹脂であり、キャップ部4をアークホーン装着具の先端部形状と相似形物で構成する。
【選択図】図1
【解決手段】アークホーン装着具は、アークホーンの先端部と嵌合する筒形の装着部10と、装着部10よりも先端側に延出された筒形の延出部11とを有し、キャップ部4は、延出部11と嵌合する筒部17と、膨張した空気の抵抗となる底壁部16とを有し、キャップ部4は、延出部11の先端域で外嵌して固定されるように構成してあり、アークホーン装着具を硬性の高い合成樹脂で構成し、キャップ部4をアークホーン装着具で採用された合成樹脂よりも硬性の低い合成樹脂で構成し、キャップ部4の合成樹脂が0℃〜35℃の温度で柔軟性を有する合成樹脂であり、キャップ部4をアークホーン装着具の先端部形状と相似形物で構成する。
【選択図】図1
Description
本考案は雷対策用アークホーンに関する。
現在、送電線におけるトリップ事故の大半は雷や鳥獣害である。
従来、トリップ事故を減らす目的として、例えば、鳥害防止用アークホーンの開発が行われてきた。また、本出願人も特許文献1において、電力線や鉄塔に雷撃を受けてアークホーンが閃絡した場合に何れの鉄塔の碍子連に閃絡事故が発生したかを標示する閃絡標示器を提案している。この閃絡標示器は、雷対策用のアークホーンの先端部に大径筒部で装着する合成樹脂材製の段付筒体と、この段付筒体に挿脱自在となる内部が空洞の球状部と、段付筒体の先端開口部に挿着するキャップ部とを一体連接した合成樹脂製の標示体から構成してある。
従来、トリップ事故を減らす目的として、例えば、鳥害防止用アークホーンの開発が行われてきた。また、本出願人も特許文献1において、電力線や鉄塔に雷撃を受けてアークホーンが閃絡した場合に何れの鉄塔の碍子連に閃絡事故が発生したかを標示する閃絡標示器を提案している。この閃絡標示器は、雷対策用のアークホーンの先端部に大径筒部で装着する合成樹脂材製の段付筒体と、この段付筒体に挿脱自在となる内部が空洞の球状部と、段付筒体の先端開口部に挿着するキャップ部とを一体連接した合成樹脂製の標示体から構成してある。
この構成であれば、飛出物は標示体のみで軽量かつ合成樹脂材製なので、落下による衝撃はほとんどない。さらに、標示体はその一部が球状部であるから、地上のどの方向からでも肉眼あるいは双眼鏡で容易に視認でき、閃絡の有無は標示体の有無で容易に判断することができる。
また、標示体は球状部に設けた複数の通孔が飛翔落下時大きな空気抵抗を生じるので、飛距離および落下速度が減少し、標示体の落下による衝撃はなくなり、市街地でも安心して使用することができる利点がある。
また、標示体は球状部に設けた複数の通孔が飛翔落下時大きな空気抵抗を生じるので、飛距離および落下速度が減少し、標示体の落下による衝撃はなくなり、市街地でも安心して使用することができる利点がある。
しかしながら、上記閃絡標示器であっても以下のような課題が残っていた。
(A)標示体はその一部が球状部であると、その球状部に鳥がとまりやすく、鳥害の発生を促進してしまう虞があった。
(B)球状部が大きく、落下したときに異物が落下してきたと認識され、市街地では住民に余計な心配をかける虞があった。
(C)球状部の構成が複雑であり、製造にコストがかかってしまう課題があった。したがって、簡単安価な構成で、落雷時のトリップ事故の発生を抑制できる技術が望まれていた。
(A)標示体はその一部が球状部であると、その球状部に鳥がとまりやすく、鳥害の発生を促進してしまう虞があった。
(B)球状部が大きく、落下したときに異物が落下してきたと認識され、市街地では住民に余計な心配をかける虞があった。
(C)球状部の構成が複雑であり、製造にコストがかかってしまう課題があった。したがって、簡単安価な構成で、落雷時のトリップ事故の発生を抑制できる技術が望まれていた。
本考案の目的は、送電線事故で最も多い「雷」の被害を最小限に留めるために、簡単な構成で雷撃による不都合を低減できる雷対策用アークホーンを提供することを目的とする。
他の目的として、上記従来技術の鳥害を抑制でき、住民に余計な心配をかけることがない雷対策用アークホーンを提供することにある。
さらに、他の目的として、構造が複雑で製造コストが高いという課題を解決することができる雷対策用アークホーンを提供することにある。
上記に記載した以外の考案の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
他の目的として、上記従来技術の鳥害を抑制でき、住民に余計な心配をかけることがない雷対策用アークホーンを提供することにある。
さらに、他の目的として、構造が複雑で製造コストが高いという課題を解決することができる雷対策用アークホーンを提供することにある。
上記に記載した以外の考案の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
請求項1に係る雷対策用アークホーンは、アークホーンの先端部に装着される合成樹脂製のアークホーン装着具と、前記アークホーン装着具の先端部にキャップ部を装着した雷対策用アークホーンであって、
前記アークホーン装着具は、前記アークホーンの先端部と嵌合する筒形の装着部と、前記装着部よりも先端側に延出された筒形の延出部とを有し、
前記キャップ部は、前記延出部と嵌合する筒部と、膨張した空気の抵抗となる底壁部とを有し、
前記キャップ部は、前記延出部の先端域で外嵌して固定されるように構成してあり、
前記アークホーン装着具を硬性の高い合成樹脂で構成し、前記キャップ部を前記アークホーン装着具で採用された合成樹脂よりも硬性の低い合成樹脂で構成し、
前記キャップ部の合成樹脂が0℃〜35℃の温度で柔軟性を有する合成樹脂であり、
前記キャップ部を前記アークホーン装着具の先端部形状と相似形物で構成したことを特徴とする。
この構成であれば、キャップ部をアークホーン装着具の先端部形状と相似形物で構成するとともに常温で柔軟性を有する合成樹脂で構成したので、非常に軽量かつ安全であり、簡単かつ安価な構成で装着しやすい構成とすることができるとともに落雷時にトリップ事故の発生を抑制できる。
前記アークホーン装着具は、前記アークホーンの先端部と嵌合する筒形の装着部と、前記装着部よりも先端側に延出された筒形の延出部とを有し、
前記キャップ部は、前記延出部と嵌合する筒部と、膨張した空気の抵抗となる底壁部とを有し、
前記キャップ部は、前記延出部の先端域で外嵌して固定されるように構成してあり、
前記アークホーン装着具を硬性の高い合成樹脂で構成し、前記キャップ部を前記アークホーン装着具で採用された合成樹脂よりも硬性の低い合成樹脂で構成し、
前記キャップ部の合成樹脂が0℃〜35℃の温度で柔軟性を有する合成樹脂であり、
前記キャップ部を前記アークホーン装着具の先端部形状と相似形物で構成したことを特徴とする。
この構成であれば、キャップ部をアークホーン装着具の先端部形状と相似形物で構成するとともに常温で柔軟性を有する合成樹脂で構成したので、非常に軽量かつ安全であり、簡単かつ安価な構成で装着しやすい構成とすることができるとともに落雷時にトリップ事故の発生を抑制できる。
請求項2に係る雷対策用アークホーンは、前記延出部は、先細り形状の筒体に構成してあることを特徴とする。
この構成であれば、熱膨張した空気が先に行くほど圧縮されるので、キャップ部を脱落しやすく設定できる。
請求項3に係る雷対策用アークホーンは、前記キャップ部の前記キャップ底壁部に開口を設けたことを特徴とする。
この構成であれば、熱膨張した空気が先に行くほど圧縮されるので、キャップ部を脱落しやすく設定できる。
請求項3に係る雷対策用アークホーンは、前記キャップ部の前記キャップ底壁部に開口を設けたことを特徴とする。
請求項4に係る雷対策用アークホーンは、前記キャップ部の前記キャップ底壁部の中央域に突出部を形成し、前記突出部に開口を設けたことを特徴とする。
この構成であれば、アーク放電は先端の尖った部分に発生しやすいので、放電の発生箇所をキャップ底壁部の中央域に特定しやすくなり、雷対策用アークホーンの効果を高めることができる。
請求項5に係る雷対策用アークホーンは、前記突出部を前記キャップ部の合成樹脂材料の前記突出部領域を他の領域に比べて膜厚を厚くすることで形成したことを特徴とする。
この構成であれば、合成樹脂材料での製造性を向上できる。
この構成であれば、アーク放電は先端の尖った部分に発生しやすいので、放電の発生箇所をキャップ底壁部の中央域に特定しやすくなり、雷対策用アークホーンの効果を高めることができる。
請求項5に係る雷対策用アークホーンは、前記突出部を前記キャップ部の合成樹脂材料の前記突出部領域を他の領域に比べて膜厚を厚くすることで形成したことを特徴とする。
この構成であれば、合成樹脂材料での製造性を向上できる。
請求項6に係る雷対策用アークホーンは、前記開口は、キャップ底壁部に対して直径0.2mm〜1.0mmの縫い針のような太さの針を貫通させることによって形成された開口であることを特徴とする。
この構成であれば、常時は閉口して雨水等の侵入を防ぎ、閃絡時は開口して通電状態にすることができる。なお、さらに前記範囲は0.4mm〜0.8mmの範囲、特に0.6mm程度が好ましい。
この構成であれば、常時は閉口して雨水等の侵入を防ぎ、閃絡時は開口して通電状態にすることができる。なお、さらに前記範囲は0.4mm〜0.8mmの範囲、特に0.6mm程度が好ましい。
請求項7に係る雷対策用アークホーンは、前記アークホーン装着具を硬性の高い塩化ビニルで構成し、前記キャップ部を前記アークホーン装着具で採用された塩化ビニルよりも硬性の低い塩化ビニルで構成し、前記キャップ部が0℃〜35℃の温度で柔軟性を有する塩化ビニルで構成したことを特徴とする。
この構成であれば、共に塩化ビニルで構成することで、絶縁性、耐久性及び難燃性に優れており、好ましい。
この構成であれば、共に塩化ビニルで構成することで、絶縁性、耐久性及び難燃性に優れており、好ましい。
請求項8に係る雷対策用アークホーンは、落雷があった場合に、前記キャップ部のみが脱落するように、前記キャップ部の脱落し易さ度合を嵌合強度又は固定剤によって調整したことを特徴とする。
請求項9に係る雷対策用アークホーンは、前記キャップ部と前記延出部の嵌合は接着剤を用いずに行うことを特徴とする。
この構成であれば、キャップ部と延出部の嵌合は接着剤を用いずに行っているので、アークホーン装着具は落下しない状態でキャップ部のみを落下させることで、雷撃の被害を低減することができる。
請求項10に係る雷対策用アークホーンは、落下時に発見しやすいように前記キャップ部の色を、想定落下場所において、目立つ色相と彩度に設定したことを特徴とする。
請求項9に係る雷対策用アークホーンは、前記キャップ部と前記延出部の嵌合は接着剤を用いずに行うことを特徴とする。
この構成であれば、キャップ部と延出部の嵌合は接着剤を用いずに行っているので、アークホーン装着具は落下しない状態でキャップ部のみを落下させることで、雷撃の被害を低減することができる。
請求項10に係る雷対策用アークホーンは、落下時に発見しやすいように前記キャップ部の色を、想定落下場所において、目立つ色相と彩度に設定したことを特徴とする。
以上説明したように、本考案であれば、簡単安価な構成で、落雷時のトリップ事故の発生を抑制できる技術を提供できた。
また、前記した従来技術の各課題の少なくとも一つを解決する雷対策用アークホーンを提供できた。
また、前記した従来技術の各課題の少なくとも一つを解決する雷対策用アークホーンを提供できた。
[第1実施形態]
図1〜図2は本考案の第1実施形態に係る雷対策用アークホーンを説明するための図である。
<雷対策用アークホーンの全体構成>
図2に示すように、この雷対策用アークホーン1は、大別するとアークホーン本体部2と、アークホーン装着具3と、キャップ部4とを含んで構成してある。
雷対策用アークホーン1はこの実施形態では図4に示すように懸垂がいし装置21の接地側ホーンとして使用される場合が多い。
また、この雷対策用アークホーン1は、懸垂がいし装置21の接地側基部22に左右対称形に取り付けられる構成となっている。
図1〜図2は本考案の第1実施形態に係る雷対策用アークホーンを説明するための図である。
<雷対策用アークホーンの全体構成>
図2に示すように、この雷対策用アークホーン1は、大別するとアークホーン本体部2と、アークホーン装着具3と、キャップ部4とを含んで構成してある。
雷対策用アークホーン1はこの実施形態では図4に示すように懸垂がいし装置21の接地側ホーンとして使用される場合が多い。
また、この雷対策用アークホーン1は、懸垂がいし装置21の接地側基部22に左右対称形に取り付けられる構成となっている。
図2に示すように、アークホーン本体部2は、取付基部6と曲げ筒部7とを備えている。曲げ筒部7は取付け状態から考えて下方側へ湾曲した筒管で構成され、先端部は筒管が開口した状態のままにしてある。
アークホーン本体部2には後述するアークホーン装着具3が外嵌される長さの目安としての目印部8が設けられている。目印部8はアークホーン装着具3が所定長さまでしっかりと嵌合したことが分かるように、アークホーン装着具3をアークホーン本体部2に正しい位置にまで嵌合させた場合に、アークホーン装着具3の基端面3aが目印部8の先端側線8aにほぼ合致するように設定してある。
図2では目印部8はアークホーン本体部2の外周面に巻きつけられた目立つ色の接着テープで構成した例が示してある。
雷対策用アークホーン1は絶縁チュ−ブ(図示せず)を被着した方が好ましい。
アークホーン本体部2には後述するアークホーン装着具3が外嵌される長さの目安としての目印部8が設けられている。目印部8はアークホーン装着具3が所定長さまでしっかりと嵌合したことが分かるように、アークホーン装着具3をアークホーン本体部2に正しい位置にまで嵌合させた場合に、アークホーン装着具3の基端面3aが目印部8の先端側線8aにほぼ合致するように設定してある。
図2では目印部8はアークホーン本体部2の外周面に巻きつけられた目立つ色の接着テープで構成した例が示してある。
雷対策用アークホーン1は絶縁チュ−ブ(図示せず)を被着した方が好ましい。
<アークホーン装着具3>
アークホーン装着具3は、絶縁性と耐久性があり、難燃性の合成樹脂が好ましい。そのような合成樹脂としては塩化ビニル樹脂などが例示できる。
図1に示すように、アークホーン装着具3は、筒形の装着部10と筒形の延出部11を有している。装着部10の基端側の外周面には一対の鍔部12が形成してある。一対の鍔部12は、図示しない活線棒を用いてアークホーン装着具3をアークホーン1の先端部に取り付けるために設けられている。
アークホーン装着具3は、絶縁性と耐久性があり、難燃性の合成樹脂が好ましい。そのような合成樹脂としては塩化ビニル樹脂などが例示できる。
図1に示すように、アークホーン装着具3は、筒形の装着部10と筒形の延出部11を有している。装着部10の基端側の外周面には一対の鍔部12が形成してある。一対の鍔部12は、図示しない活線棒を用いてアークホーン装着具3をアークホーン1の先端部に取り付けるために設けられている。
この実施形態では延出部11は、基端側から先端側に向かうについて筒径が小さくなる先細形状に形成してある。このように先細形状に構成することで落雷時にキャップ部側に強い風圧をかけることできる。第1実施形態では延出部11の先端部は底壁がない筒体で構成してある。
また、図1(a)に示すように、装着部10の筒体の直径を内方側が小さく、外方側が大きく構成してある。2つの直径を装着部10は有しているので、アークホーン装着具3がアークホーン本体部2の先端部から簡単に脱落することを防止することができる。また、必要であれば装着強度の設定は、このような嵌合構造において公知の方法で調整することができる。
また、必要に応じて、装着部10の内周面には円周方向に延びて、内側に突設した圧接部(図示せず)を複数個備えることも可能であり、これらの圧接部によってアークホーン本体部2の先端部に強く装着するように構成することもできる。
これに対して、キャップ部4は柔軟性のある合成樹脂材で構成され、柔軟性のある合成樹脂によって嵌合されているだけで、固着されていないので、雷撃があった場合は、いち早く脱落することができる。
また、図1(a)に示すように、装着部10の筒体の直径を内方側が小さく、外方側が大きく構成してある。2つの直径を装着部10は有しているので、アークホーン装着具3がアークホーン本体部2の先端部から簡単に脱落することを防止することができる。また、必要であれば装着強度の設定は、このような嵌合構造において公知の方法で調整することができる。
また、必要に応じて、装着部10の内周面には円周方向に延びて、内側に突設した圧接部(図示せず)を複数個備えることも可能であり、これらの圧接部によってアークホーン本体部2の先端部に強く装着するように構成することもできる。
これに対して、キャップ部4は柔軟性のある合成樹脂材で構成され、柔軟性のある合成樹脂によって嵌合されているだけで、固着されていないので、雷撃があった場合は、いち早く脱落することができる。
<キャップ部4>
図1に示すように、キャップ部4は、この実施形態では、0℃〜35℃において柔軟性を有する塩化ビニル樹脂製のキャップである。また、キャップ部4は延出部11の先端部外形と相似形状の部材で構成してある。
キャップ部4は底壁部16と筒部17から構成してあり、底壁、筒部壁の厚さは例えば、0.5mm〜2.0mm程度であり、好ましくは0.8mm〜1.2mm程度である。なお、この厚さ範囲は一例であり、この厚さ範囲以外のものであっても利用できる。
図1に示すように、キャップ部4は、この実施形態では、0℃〜35℃において柔軟性を有する塩化ビニル樹脂製のキャップである。また、キャップ部4は延出部11の先端部外形と相似形状の部材で構成してある。
キャップ部4は底壁部16と筒部17から構成してあり、底壁、筒部壁の厚さは例えば、0.5mm〜2.0mm程度であり、好ましくは0.8mm〜1.2mm程度である。なお、この厚さ範囲は一例であり、この厚さ範囲以外のものであっても利用できる。
図1(c)に示す構成は、キャップ部4が開口を備えていない構成であり、このような構成も採用することができる。
図1(d)に示す構成は、キャップ部4の平らな底壁部16の中心に小開口20を設けている。この小開口20の直径は例えば、0.01mmから0.5mm程度である。なお、この小開口20の直径範囲は一例であり、他の大きさの範囲の小開口20を設けることもできる。
落下時に発見しやすいようにキャップ部4の色を、想定落下場所において、目立つ色相と彩度に設定することが好ましい。
例えば、森林にある鉄塔に取り付けられるアークホーンであれば、キャップ部を緑色にすると発見しづらくなる。一般的には、黄色、オレンジ色、青色などの目立つ色が好ましい。ストライプにすることも可能である。
図1(d)に示す構成は、キャップ部4の平らな底壁部16の中心に小開口20を設けている。この小開口20の直径は例えば、0.01mmから0.5mm程度である。なお、この小開口20の直径範囲は一例であり、他の大きさの範囲の小開口20を設けることもできる。
落下時に発見しやすいようにキャップ部4の色を、想定落下場所において、目立つ色相と彩度に設定することが好ましい。
例えば、森林にある鉄塔に取り付けられるアークホーンであれば、キャップ部を緑色にすると発見しづらくなる。一般的には、黄色、オレンジ色、青色などの目立つ色が好ましい。ストライプにすることも可能である。
<第1実施形態の作用>
まず、本考案に係る雷対策用アークホーン1は、図4に示すように架空送電線支持用の懸垂がいし装置21に付設されるものであって、雷撃時に生じる短絡電流、地絡電流を短時間内に遮断するためのものである。アークホーン1の先端側を囲む絶縁性筒体としてのアークホーン装着具3を設け、雷撃に伴う閃絡時にアークホーン装着具3の先端部に装着されたキャップ部4の小開口20からアークジェットを噴出させて続流の遮断を行う。このような遮断を行うことにより、雷撃時のトリップ事故の発生を抑制する。
まず、本考案に係る雷対策用アークホーン1は、図4に示すように架空送電線支持用の懸垂がいし装置21に付設されるものであって、雷撃時に生じる短絡電流、地絡電流を短時間内に遮断するためのものである。アークホーン1の先端側を囲む絶縁性筒体としてのアークホーン装着具3を設け、雷撃に伴う閃絡時にアークホーン装着具3の先端部に装着されたキャップ部4の小開口20からアークジェットを噴出させて続流の遮断を行う。このような遮断を行うことにより、雷撃時のトリップ事故の発生を抑制する。
さらに説明する。
上記のようにキャップ部4を取り付けたアークホーン装着具3を雷対策用アークホーン1に装着した状態で、雷撃があった場合は、鉄塔電圧が上昇し、ホーン間放電が開始されて系統電流がアークホーン1内を貫通する。このとき、アークホーン1内ではキャップ部4の小開口20からアークジェットが噴出し、続流の遮断を行える。また、電流が流れることによって、アークホーン1内の温度が急激に上昇する。この温度上昇に伴って空気が膨張することでホーン内圧力が上昇して、その膨張圧によりキャップ部4が飛出する。一方、無底であるアークホーン装着具3はアークホーン1に留まることになる。従って、飛出物としての落下物はキャップ部4のみで軽量であるうえに柔軟性のある合成樹脂製なので、市街地に落ちても、落下による不都合は生じることはない。
上記のようにキャップ部4を取り付けたアークホーン装着具3を雷対策用アークホーン1に装着した状態で、雷撃があった場合は、鉄塔電圧が上昇し、ホーン間放電が開始されて系統電流がアークホーン1内を貫通する。このとき、アークホーン1内ではキャップ部4の小開口20からアークジェットが噴出し、続流の遮断を行える。また、電流が流れることによって、アークホーン1内の温度が急激に上昇する。この温度上昇に伴って空気が膨張することでホーン内圧力が上昇して、その膨張圧によりキャップ部4が飛出する。一方、無底であるアークホーン装着具3はアークホーン1に留まることになる。従って、飛出物としての落下物はキャップ部4のみで軽量であるうえに柔軟性のある合成樹脂製なので、市街地に落ちても、落下による不都合は生じることはない。
キャップ部4の色は想定される落下位置の背景の色に対して目立つ色にしてあるので、小さくても発見しやすくなる。また、前記した従来技術のように球状部を設けた構成に比べて、構造が簡単で故障が少なく製造コストも低くできる。また、鳥が止まる箇所が少なくなり、鳥害も低減することができる。
[第2実施形態]
図2及び図3は、本考案の第2実施形態を示す雷対策用アークホーンの図である。
この第2実施形態に係るアークホーン1においても同様の部材には、第1実施形態のアークホーン1と同じ符号が付してある。第2実施形態を示すアークホーン1は、第1実施形態のアークホーン1と比較して以下の点を特徴としている。
まず、第1の点は、第1実施形態の構成では、延出部11は先細り形状の筒体に構成してあるのに対して、第2実施形態の構成では延出部11は基端から先端まで、ほぼ同径の筒形体で構成されている点である。
図2及び図3は、本考案の第2実施形態を示す雷対策用アークホーンの図である。
この第2実施形態に係るアークホーン1においても同様の部材には、第1実施形態のアークホーン1と同じ符号が付してある。第2実施形態を示すアークホーン1は、第1実施形態のアークホーン1と比較して以下の点を特徴としている。
まず、第1の点は、第1実施形態の構成では、延出部11は先細り形状の筒体に構成してあるのに対して、第2実施形態の構成では延出部11は基端から先端まで、ほぼ同径の筒形体で構成されている点である。
第2の点は、図3(b)に示すように、キャップ部4の底壁部16の中心域になだらかに突出した平山形の突出部18が設けられ、その突出部18の中心位置に縫い針で開けたような小開口20が設けられている点である。突出部18は図に示すように、突出部18の部分だけが周辺から中心に向けて樹脂壁がなだらかに厚くなるように構成してある。小開口20の大きさは0.01mmから0.5mm程度である。
第2実施形態の構成であれば、第1実施形態の構成に比べて構成が簡単であり、安価に構成することができる。
第2実施形態の構成であれば、第1実施形態の構成に比べて構成が簡単であり、安価に構成することができる。
本考案は上記実施形態以外にも本考案の要旨を変更しない範囲で種々の変形を行うことが可能である。
(1)前記キャップ部4の第1色と、前記キャップ部4が嵌合される前記延出部11の先端域の第2色を異ならせるのが好ましい。肉眼又は望遠鏡で見た場合などにおいて、キャップ部が落下した場合にその落下したことがすぐに分かるように、第1色と第2色を色相的に異なる色にする構成である。例えば、アークホーン装着具3の延出部11を黒色で構成し、キャップ部4を黄色に構成する。
(2)前記実施形態ではアークホーン装着具とキャップ部を同じ塩化ビニル樹脂で構成したが、同程度の耐久性と絶縁性及び難燃性を備えた樹脂であれば、他の合成樹脂を採用しても良い。但し、入手のしやすさや価格的に検討すれば塩化ビニル樹脂が最も好ましいと言える。
(1)前記キャップ部4の第1色と、前記キャップ部4が嵌合される前記延出部11の先端域の第2色を異ならせるのが好ましい。肉眼又は望遠鏡で見た場合などにおいて、キャップ部が落下した場合にその落下したことがすぐに分かるように、第1色と第2色を色相的に異なる色にする構成である。例えば、アークホーン装着具3の延出部11を黒色で構成し、キャップ部4を黄色に構成する。
(2)前記実施形態ではアークホーン装着具とキャップ部を同じ塩化ビニル樹脂で構成したが、同程度の耐久性と絶縁性及び難燃性を備えた樹脂であれば、他の合成樹脂を採用しても良い。但し、入手のしやすさや価格的に検討すれば塩化ビニル樹脂が最も好ましいと言える。
(3)アークホーン装着具3とアークホーン1の先端部との脱落し易さ度合の調整をそれぞれの嵌合部分に注入される液状の潤滑剤(グリースのようなもの)を注入したり又は所定の力がかかると離脱する固定剤で調整することもできる。
本考案は、送電線事故で最も多い「雷」の被害を最小限に留めるために、簡単な構成で雷撃による不都合を低減できる雷対策用アークホーンを提供できるとともに鳥害を抑制でき、住民に余計な心配をかけることがない雷対策用アークホーンを提供でき、産業上においても極めて有用な考案である。
1…雷対策用アークホーン
2…アークホーン本体部
3…アークホーン装着具
4…キャップ部
8…目印部
10…装着部
11…延出部
16…キャップ部の底壁部
17…キャップ部の筒部
18…突出部
20…小開口
2…アークホーン本体部
3…アークホーン装着具
4…キャップ部
8…目印部
10…装着部
11…延出部
16…キャップ部の底壁部
17…キャップ部の筒部
18…突出部
20…小開口
Claims (10)
- アークホーンの先端部に装着される合成樹脂製のアークホーン装着具と、前記アークホーン装着具の先端部にキャップ部を装着した雷対策用アークホーンであって、
前記アークホーン装着具は、前記アークホーンの先端部と嵌合する筒形の装着部と、前記装着部よりも先端側に延出された筒形の延出部とを有し、
前記キャップ部は、前記延出部と嵌合する筒部と、膨張した空気の抵抗となる底壁部とを有し、
前記キャップ部は、前記延出部の先端域で外嵌して固定されるように構成してあり、
前記アークホーン装着具を硬性の高い合成樹脂で構成し、前記キャップ部を前記アークホーン装着具で採用された合成樹脂よりも硬性の低い合成樹脂で構成し、
前記キャップ部の合成樹脂が0℃〜35℃の温度で柔軟性を有する合成樹脂であり、
前記キャップ部を前記アークホーン装着具の先端部形状と相似形物で構成したことを特徴とする雷対策用アークホーン。 - 前記延出部は、先細り形状の筒体に構成してあることを特徴とする請求項1に記載の雷対策用アークホーン。
- 前記キャップ部の前記キャップ底壁部に開口を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか一つに記載の雷対策用アークホーン。
- 前記キャップ部の前記キャップ底壁部の中央域に突出部を形成し、前記突出部に開口を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の雷対策用アークホーン。
- 前記突出部を前記キャップ部の合成樹脂材料の前記突出部領域を他の領域に比べて膜厚を厚くすることで形成したことを特徴とする請求項4に記載の雷対策用アークホーン。
- 前記開口は、キャップ底壁部に対して直径0.2mm〜1.0mmの縫い針のような太さの針を貫通させることによって形成された開口であることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一つに記載の雷対策用アークホーン。
- 前記アークホーン装着具を硬性の高い塩化ビニルで構成し、前記キャップ部を前記アークホーン装着具で採用された塩化ビニルよりも硬性の低い塩化ビニルで構成し、前記キャップ部が0℃〜35℃の温度で柔軟性を有する塩化ビニルで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の雷対策用アークホーン。
- 落雷があった場合に、前記キャップ部のみが脱落するように、前記キャップ部の脱落し易さ度合を嵌合強度又は固定剤によって調整したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載の雷対策用アークホーン。
- 前記キャップ部と前記延出部の嵌合は接着剤を用いずに行うことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載の雷対策用アークホーン。
- 落下時に発見しやすいように前記キャップ部の色を、想定落下場所において、目立つ色相と彩度に設定したことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載の雷対策用アークホーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018004421U JP3219915U (ja) | 2018-11-14 | 2018-11-14 | 雷対策用アークホーン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018004421U JP3219915U (ja) | 2018-11-14 | 2018-11-14 | 雷対策用アークホーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3219915U true JP3219915U (ja) | 2019-01-31 |
Family
ID=65228838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018004421U Active JP3219915U (ja) | 2018-11-14 | 2018-11-14 | 雷対策用アークホーン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3219915U (ja) |
-
2018
- 2018-11-14 JP JP2018004421U patent/JP3219915U/ja active Active
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