JP3217990U - 薩摩芋貯蔵器 - Google Patents

薩摩芋貯蔵器 Download PDF

Info

Publication number
JP3217990U
JP3217990U JP2018002519U JP2018002519U JP3217990U JP 3217990 U JP3217990 U JP 3217990U JP 2018002519 U JP2018002519 U JP 2018002519U JP 2018002519 U JP2018002519 U JP 2018002519U JP 3217990 U JP3217990 U JP 3217990U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
satsuma
box
inner box
storage
outer box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2018002519U
Other languages
English (en)
Inventor
忠士 柴田
忠士 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2018002519U priority Critical patent/JP3217990U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3217990U publication Critical patent/JP3217990U/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Storage Of Harvested Produce (AREA)

Abstract

【課題】薩摩芋を貯蔵する貯蔵室内の湿度や二酸化炭素の濃度を自然に適切な状態に保持でき、簡易な構成であるために家庭内で使用するのに好適な薩摩芋貯蔵器を提供する。【解決手段】薩摩芋貯蔵器1は、上方に大径開口部2aが開口するとともに内部に収容部2bを有する外箱2と、上方に小径開口部3aが開口するとともに内部に薩摩芋を貯蔵する貯蔵室3bを有し、外箱2の内周面に接触しないように収容部2bに収容される内箱3と、気体を通過させるための窓部4cが設けられ、大径開口部2aに被せられる外蓋と、外箱2の底部2gに穿設される外側孔と、内箱3の底部3gに穿設される内側孔3hを連通する連通孔5を備え、内側孔3hは、網部材6で被覆される。【選択図】図1

Description

本考案は、薩摩芋を貯蔵する小型の薩摩芋貯蔵器に係り、特に、貯蔵器内の水分や二酸化炭素を自然に放出させることで、薩摩芋の品質を低下させることなくこれを長期に貯蔵することができる薩摩芋貯蔵器に関する。
まず、薩摩芋の優れた効能について述べる。出願人は、3日に一度は7kg程度の量の薩摩芋を必ず摂取することを習慣付けている。これは、薩摩芋を再々食するようにとの医師の勧めによるものである。この勧めに従った結果、整腸具合がとても良好になったため、薩摩芋を摂取することは大腸ガンや直腸ガン等の予防になると考えている。ところで、このような大腸ガン等の治療法として、人工肛門の設置がある。人工肛門とは、腸を切断した端部を腹壁に開口する開口部とし、この開口部に袋をぶら下げたものであって、元の肛門は閉鎖することになる。近年は袋等の装具に関する技術発展が目覚ましく、人工肛門が設置された患者の生活の質は大いに向上しているものの、それでも元の肛門が有するような機能を人工肛門によって得ることはできない。
そこで、薩摩芋を常時大量摂取することで大腸ガン等を予防しようと考えたのであるが、上記のとおり薩摩芋が健康上必須の食物であり、世界の国々の健康文化の基であるにも関わらず、我が国では特別に重要視されていない。一方で、何処の家庭の台所にも薩摩芋が常に置かれているが、これは時折の摂取時に合わせて少量が保管されているのであって、上記のように薩摩芋を常時大量摂取することを前提としたものではない。その理由は、薩摩芋が中南米の熱帯地域原産であることから、冬季に低温障害を起こし、変質したり、病気に罹り易くなったりするため、年間を通じて薩摩芋を鮮度良く保管することが困難であることが一因であると考えられる。
なお、従来の農民は、旧態依然としてそれぞれ囲炉裏の近くに縦穴を掘って薩摩芋を収容し、ごくわずかな地熱を頼りにその保管をしてきた。しかし、薩摩芋を鮮度良く保管するためには、最低でも13〜15℃の温度が必要であることから、上記の方法では温度不足となる。また、薩摩芋の呼吸によって二酸化炭素が放出されるのであるが、二酸化炭素の比重は空気の比重よりも大きいことから、放出された二酸化炭素は縦穴に溜まることになる。すると、溜まった二酸化炭素によって薩摩芋の呼吸が阻害され、薩摩芋を形成する細胞の生理活性が低下して腐敗が一層進行してしまうという課題があった。
さらに、縦穴内においては、薩摩芋の周囲に水分が存在することがある。この水分は上方へ発散するものもあるが、下方に垂れ落ちるものもある。しかし、垂れ落ちた水分は縦穴の下部の土壌によって吸収されることから、特に不都合はないかのように思われる。しかし、実際には、薩摩芋にこの水分が付着して薩摩芋を発芽させたり、この水分において雑菌が繁殖して薩摩芋を腐敗させたりするおそれがあるという課題もあった。
このような課題を解決するために、近年、芋貯蔵装置についての技術が開発されており、それに関して既にいくつかの考案が開示されている。
特許文献1には「いも類を貯蔵する定温庫の結露水排出装置」という名称で、貯蔵庫内を一定温度に保持しつつ、結露水を排出可能な結露水排出装置に関する考案が開示されている。
以下、特許文献1に開示された考案について説明する。特許文献1に開示された考案は、馬鈴薯等のいも類を貯蔵する定温庫において、天井壁の室内側に設置される通気孔を設けた波型の板状部材と、この板状部材の複数の谷部に形成される複数の流水溝の端部にそれぞれ連接される横樋と、この横樋に入口が連接されるとともに定温庫外に出口が開口する竪樋を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する考案においては、いも類からその呼吸熱によって常時水蒸気が蒸散しているので、冬季に外気温が定温庫内の温度よりも著しく低くなると、水蒸気が板状部材の通気孔を通過し外気によって冷却された天井壁に当たって結露水となる。しかし、この結露水は、複数の流水溝をそれぞれ流れて横樋に集められ、定温庫内に貯蔵された芋類の上に落下することなく竪樋を流れ下って定温庫外に排出される。
したがって、特許文献1に開示された考案によれば、いも類を長期に亘って品質を低下させることなく貯蔵することができる。
次に、特許文献2には「芋貯蔵装置」という名称で、貯蔵庫内の排気を十分に行うことのできる芋貯蔵装置に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示された考案は、芋貯蔵庫と、空調室と、この空調室の空気を芋貯蔵庫に吹き込む吹込送風機と、芋貯蔵庫の空気を排出する排気送風機及びこの排気送風機によって排気された空気の一部を排気する排気流路と、を備え、空調室は、外気を取り込む給気流路と、排気送風機によって排気された空気のうち排気流路を介して排気されない残りの空気を空調室へ還流させる還気流路が設けられ、排気流路、給気流路及び還気流路には開度を調整可能なダンパーがそれぞれ設けられることを特徴とする。
このような特徴を有する考案においては、吹込送風機によって芋貯蔵庫へ空気が吹き込まれ、その後排気送風機の吸引力によって芋貯蔵庫の空気が排出されることから、芋貯蔵庫内の空気が循環し、結露が防止される。また、排気流路、給気流路及び還気流路にそれぞれ設置されたダンパーの開度を調整することにより、空調室に取り込まれる外気の量と、還流する空気の量を変化させることができる。よって、外気温度が低い場合であっても貯蔵庫内の温度が一定以上に保持される。
したがって、特許文献2に開示された考案によれば、外気導入による空調を行うことができるので、芋を腐敗させることなく好適な状態で貯蔵することが可能である。
実開昭59−65382号公報 実開昭54−88369号公報
しかしながら、特許文献1に開示された考案においては、結露水を排出していも類の腐敗を防止できるが、二酸化炭素が板状部材の通気孔を通過せずに木箱の底側に滞留してしまうおそれがある。よって、いも類の腐敗を招き、品質を低下させてしまう可能性がある。
次に、特許文献2に開示された考案においては、空調室や排気送風機を備えるため、過剰な水分や二酸化炭素を十分に排出できると考えられる。しかしながら、家庭内で使用する芋貯蔵装置としては複雑で大掛かりとなりすぎて、導入し難いものと考えられる。また、複数のダンパーの開度をそれぞれ調節する必要があるので、一般人にとっては操作も煩雑になりすぎるおそれがある。
本考案は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、薩摩芋を貯蔵する貯蔵室内の湿度や二酸化炭素の濃度を自然に適切な状態に保持することができ、しかも簡易な構成であるために家庭内で使用するのに好適な薩摩芋貯蔵器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の考案は、上方に大径開口部が開口するとともに内部に収容部を有する外箱と、上方に小径開口部が開口するとともに内部に薩摩芋を貯蔵する貯蔵室を有し、外箱の内周面に接触しないように収容部に収容される内箱と、気体を通過させるための窓部が設けられ、大径開口部に被せられる外蓋と、外箱の底部に穿設される外側孔と、内箱の底部に穿設される内側孔を連通する連通孔を備え、連通孔は、網部材で被覆されることを特徴とする。
このような構成の考案において、例えば、外箱、内箱、外蓋はいずれも平板状の板材から構成され、外蓋の窓部には有害虫や小動物の侵入を防止するために、網体や通気性を有する布体が張設されることが考えられる。
また、内箱が外箱の内周面に接触しないように収容部に収容されるために、内箱の外周面と外箱の内周面の間に一定の隙間が確保される。
上記構成の考案においては、内箱が外箱の内周面に接触しないように収容部に収容されるため、内箱と外気の間に空気が存在し得る。この空気は、外箱の外部にある空気の温度変化の影響を遮断するので、冬季においては内箱の貯蔵室内に結露が発生することが軽減される。
また、内箱の貯蔵室に存在する空気が外蓋の窓部や連通孔を介して排出され、これに伴い外箱の外部に存在する空気が貯蔵室へ補充される。さらに、貯蔵室に存在する空気中には、貯蔵室に貯蔵される薩摩芋の呼吸によって放出された二酸化炭素が含まれるが、この二酸化炭素は内箱の下方に滞留し易い。しかし、内箱の内側孔には連通孔が設けられているため、滞留した二酸化炭素が連通孔を介して排出されることになる。さらに、貯蔵室内に発生した水分も連通孔を介して排出されるため、水分に接触することによる薩摩芋の発芽が防止される。
そして、連通孔は網部材で被覆されるので、内箱の貯蔵室に薩摩芋を貯蔵する際に薩摩芋が連通孔を通過して外箱の外部に落下することや、貯蔵室へ有害虫や小動物が侵入することが防止される。
次に、第2の考案は、第1の考案において、少なくとも、内箱の底部における上表面は、金属又はプラスチックで形成されることを特徴とする。
通常、収穫された薩摩芋からは水分が放出されるので、薩摩芋を保管中に、水分等が内箱の底部に付着してこの底部が腐食するおそれがある。
そこで、第2の考案においては、第1の考案の作用に加えて、少なくとも、内箱の底部における上表面が、金属又はプラスチックといった水分によって腐食し難い材質で形成されることにより、上記の腐食が防止される。なお、内箱の内周面全体が金属又はプラスチックで形成されても良い。
続いて、第3の考案は、第1又は第2の考案において、外箱の内周面と内箱の外周面の間に、保温手段が設置されることを特徴とする。
このような構成の考案において、保温手段として、電気毛布、電気マット、電気あんか等が考えられる。また、保温手段には、発泡スチロールやアルミ蒸着シートといった断熱材も含まれる。
上記構成の考案においては、外箱の内周面と内箱の外周面の間に、保温手段が設置されることにより、内箱と外気の間に存在する空気の温度が一定温度以上に保温されるので、外気温が低い場合であっても内箱の貯蔵室内の温度が低下することが防止される。
第1の考案によれば、内箱と外箱の隙間に存在し得る空気によって、例えば冬季においては内箱の貯蔵室内に結露が発生することが軽減されるため、薩摩芋の腐敗を有効に防止することができる。
また、内箱の貯蔵室に存在する空気が外蓋の窓部や連通孔を介して排出され、これに伴い外箱の外部に存在する空気が貯蔵室へ補充されるので、貯蔵室には空気が出入りし易く、貯蔵室内の湿度が過剰になることを自然に防止することができる。
さらに、連通孔が設けられることで、内箱の下方に滞留した二酸化炭素を速やかに排出することが可能である。そのため、貯蔵室に貯留された薩摩芋の呼吸が阻害されず、この点においても薩摩芋の腐敗を防止することができる。
そして、連通孔が網部材で被覆されることにより、薩摩芋の外箱の外部への落下や有害虫等の侵入が防止されるので、薩摩芋の損傷や食害を防ぐことができる。
また、第1の考案は、外箱と、内箱と、外蓋等からなる構成であって、ダンパー等の操作対象が設けられないことから、取り扱いが簡単であり一般人が家庭内で使用するのに好適である。
したがって、第1の考案によれば、簡易な構成でありながら、薩摩芋の腐敗や損傷を十分に防止可能であるから、薩摩芋の品質を低下させることなく長期に貯蔵することができる。
第2の考案によれば、第1の考案の効果に加えて、内箱の底部における上表面が、水分によって腐食し難いため、内箱の貯蔵室の清潔性を維持することができるとともに、製品寿命を延ばすことができる。
第3の考案によれば、第1又は第2の考案の効果に加えて、外気温が低い場合であっても内箱の貯蔵室内の温度が低下することが防止されるため、薩摩芋の低温障害を確実に防止可能である。
実施例に係る薩摩芋貯蔵器の斜透視図である。 図1におけるA−A線矢視断面図である。 実施例に係る薩摩芋貯蔵器を構成する連通孔と網部材の部分斜視図である。 実施例の変形例に係る薩摩芋貯蔵器の斜透視図である。
本考案の実施の形態に係る薩摩芋貯蔵器について、図1乃至図4を用いて詳細に説明する。図1は、実施例に係る薩摩芋貯蔵器の斜透視図である。
図1に示すように、実施例に係る薩摩芋貯蔵器1は、いずれも木製の平板で形成される外箱2と、内箱3と、外蓋4と、連通孔5を備える。なお、外箱2と、内箱3と、外蓋4を形成する平板の厚みは、例えば、それぞれ2cm、1.4cm、1.4cmである。
このうち、外箱2は、立方形状をなしており、上方(図中Y方向)に大径開口部2aが開口するとともに内部に収容部2bを有している。また、外箱2の底部2gにはその中心寄りに四角形状の外側孔2h(図2参照)が穿設される。さらに、外箱2のすべての角部の内側には、4cm×4cmの太さを有する角材2iが設けられており、この角材2iに外箱2の周壁を構成する平板が、ねじくぎ(図示せず)を用いて固定されている。また、角材2iの下端は、底部2gを貫通し、そのまま薩摩芋貯蔵器1を支持する脚部2jとなっている。そして、この脚部2jの末端には移動用の車輪2kが取り付けられている。なお、外箱2の収容部2bのサイズは、例えば、奥行きL方向が95cm、幅W方向が82cm、高さH方向が76cmである。また、外側孔2hのサイズは、奥行きL方向が8cm、幅W方向が16cmである。
次に、内箱3は、外箱2よりも小型の立方形状をなしており、上方に小径開口部3aが開口するとともに内部に薩摩芋(図示せず)を貯蔵する貯蔵室3bを有している。また、内箱3は、その外周面3c〜3fがそれぞれ外箱2の内周面2c〜2fに接触せず、かつその底部3gが外箱2の底部2gに接触するように、収容部2bに収容されている。
さらに、内箱3のすべての角部の内側にも、4cm×4cmの太さを有する角材2i´が設けられており、この角材2i´に内箱3の周壁を構成する平板が、ねじくぎ(図示せず)を用いて固定されている。また、角材2i´の下端は、底部3gの上表面3Sに接触して止まっておりこれを貫通していない。内箱3の底部3gにはその中心寄りに外側孔2hと同形状の内側孔3hが穿設される。なお、内箱3は、その底部3gの中心が外箱2の底部2gの中心と一致するように収容部2bに収容される。
次に、内箱3の貯蔵室3bの内部のサイズは、例えば、奥行きL方向が83cm、幅W方向が70cm、高さH方向(小径開口部3aの端面からステンレス製の平板部7aの裏面までの長さ)が74.6cmである。したがって、外箱2の内周面2cと内箱3の外周面3cの奥行きL方向に沿った間隔は、{95cm−(83cm+1.4cm×2)}/2=4.6cmとなり、内周面2eと外周面3eの奥行きL方向に沿った間隔も4.6cmとなる。また、内周面2dと外周面3dの幅W方向に沿った間隔は、{82cm−(70cm+1.4cm×2)}/2=4.6cmとなり、内周面2fと外周面3fの幅W方向に沿った間隔も4.6cmとなる。
このほか、連通孔5を構成する内側孔3hは、プラスチック製の網部材6で被覆されるが、その詳細な構成については、図3を用いながら説明する。
続いて、外蓋4は、四方に端面4bを有する四角形状の天井面4aを備える。また、外蓋4は、天井面4aに気体を常時通過させるための窓部4cが設けられ、大径開口部2aの全面に被せられる。この窓部4cには、有害虫や小動物の侵入を防止するために、金属網が張設される。また、4つの端面4bと外箱2の外周面には、これらを連結又は分離させる金属製のパチン錠pが合計4箇所に取り付けられる。そのため、薩摩芋が貯蔵室3bに貯蔵されている場合は、4個の金属製のパチン錠pをロックすることによって外蓋4は外箱2の大径開口部2aの端面に固定されている。一方、薩摩芋を大径開口部2aから出し入れする際には、4個のパチン錠pのロックを解除して外蓋4を大径開口部2aから取り外す。
また、薩摩芋貯蔵器1は、外箱2の底部2gに穿設される外側孔2h(図2参照)と、内箱3の底部3gに穿設される内側孔3hを連通する連通孔5を備える。すなわち、連通孔5のY方向に沿った長さは、内側孔3hの厚み(1.4cm)と外側孔2hの厚み(2cm)を合計した値の、3.4cmとなる。また、連通孔5の直上には網部材6が設置される。
次に、実施例に係る薩摩芋貯蔵器の構成について、図2を用いながらより詳細に説明する。図2は、図1におけるA−A線矢視断面図である。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、薩摩芋貯蔵器1は、内箱3の底部3gにおける上表面3Sが、ステンレス製の厚み0.2cmの薄板からなる表面部材7で被覆される。この表面部材7は、内側孔3hを除く上表面3Sを被覆する平板部7aである。
また、平板部7aは、内箱3の上表面3Sに対し、図示しないビス及び接着剤によって固定されている。
続いて、実施例に係る薩摩芋貯蔵器を構成する網部材について、図3を用いながら説明する。図3は実施例に係る薩摩芋貯蔵器を構成する連通孔と網部材の部分斜視図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号を付して、その説明を省略する。また、図3(a)においては、角材2i,2i´の図示も省略する。
図3に示すように、網部材6は、平面視で四角形状をなし、内箱3の内側孔3hの直上に設置されるプラスチック製の枠体6aと、この枠体6aの内側の横断面全体に亘って設けられるプラスチック製の網体6bと、枠体6aのすべての角部において網体6bの下方に設けられる脚部6cからなる。なお、網部材6は、プラスチック原材料が一体成型されたものであって、大量生産される汎用品を利用したものである。
上記構成の網部材6は、脚部6cが内箱3の内側孔3hに落下しないように位置調整されて、表面部材7の平板部7aに固定されることなく載置される。ただし、脚部6cの先端と平板部7aの上表面に、例えば面ファスナーがそれぞれ貼設されることで、網部材6が平板部7aから引き剥がし可能に貼り付けられても良い。
また、内箱3は、外箱2から取り出し可能に収容部2bへ収容される。
上記構成の薩摩芋貯蔵器1においては、外蓋4が内箱3を収容した外箱2の大径開口部2aに被せられているとき、内箱3の外周面3c〜3fがそれぞれ外箱2の内周面2c〜2fに接触しないように収容部2bに収容されているために、内箱3と外箱2の隙間に空気が存在し得る。この空気は外箱2の外部にある空気の温度変化の影響を遮断するので、内箱3の貯蔵室3bに存在する空気がこの温度変化の影響を受け難くなる。そのため、冬季に内箱2の貯蔵室3b内に結露したり、夏季に熱気が貯蔵室3b内に籠ったりすることが軽減される。
さらに、薩摩芋貯蔵器1においては、内箱3の貯蔵室3bに存在する空気が外蓋4の窓部4cや連通孔5を介して排出され、これに伴い外箱2の外部に存在する空気が貯蔵室3bへ補充される。
また、貯蔵室3bに存在する空気中には、貯蔵室3bに貯蔵される薩摩芋の呼吸によって放出された二酸化炭素が含まれるが、この二酸化炭素は一部が外蓋4の窓部4cを介して排出されるものの、二酸化炭素の比重は空気の比重よりも重いことから、外気温や外蓋4の開閉回数によっては二酸化炭素は内箱3の下方、すなわち底面3g寄りに滞留し易く、薩摩芋の呼吸を阻害することになる。しかし、内箱3の内側孔3hには連通孔5が設けられているため、滞留した二酸化炭素が連通孔5を介して排出されることになる。
そして、内側孔3hが網部材6で被覆されることによって、内箱3の貯蔵室3bに薩摩芋を貯蔵する際に、薩摩芋が連通孔5を通過して外箱2の外に落下したり、連通孔5を閉塞して二酸化炭素の排出が妨げられたり、あるいは貯蔵室3bへ有害虫や小動物が侵入したりすることが防止される。
一方で、内箱3の内側孔3hが網部材6に被覆されているため、その枠体6aによって二酸化炭素が連通孔5へ速やかに流入できないのではないかとも考えられる。しかし、枠体6aは、網体6bの角部にある脚部6cによって表面部材7の平板部7aの表面からかさ上げされているため、二酸化炭素は脚部6c同士の間を通過し連通孔5へ速やかに流入することが可能である。
加えて、薩摩芋貯蔵器1においては、収穫された薩摩芋から放出された水分が内箱3の底部3gに付着するため、底部3gが木材のみで形成されていると腐食のおそれがある。
しかし、ステンレス製の表面部材7は、水分によって腐食し難く、さらに内側孔3hを除く上表面3Sを被覆していることから、上記の腐食が防止される。
さらに、内箱3の底部3gが外箱2の底部2gに接触しているため、貯蔵室3bに貯蔵された薩摩芋の荷重によって内箱3が傾斜することや、貯蔵室3bに薩摩芋を貯蔵する際に内箱3が横ずれを起こすことが防止される。
以上説明したように、薩摩芋貯蔵器1によれば、内箱3と外箱2の隙間に存在し得る空気によって、冬季に内箱2の貯蔵室3b内に結露したり、夏季に熱気が貯蔵室3b内に籠ったりすることが軽減されることから、年間を通じて貯蔵室3bに貯蔵された薩摩芋の腐敗を有効に防止することができる。
また、内箱3の貯蔵室3bに存在する空気が外蓋4の窓部4cや連通孔5を介して排出され、これに伴い外箱2の外部に存在する空気が貯蔵室3bへ補充されるので、貯蔵室3bには空気が自然に出入りし易く、貯蔵室3b内の湿度が過剰になることを防止することができる。
さらに、薩摩芋貯蔵器1によれば、連通孔5が設けられることで、内箱2の下方に滞留した二酸化炭素を速やかに排出することが可能である。そのため、貯蔵室3bに貯留された薩摩芋の呼吸が阻害されず、この点においても薩摩芋の腐敗を防止することができる。
そして、内側孔3hが網部材6で被覆されることにより、薩摩芋の外箱2の外部への落下や有害虫等の侵入が防止されるので、薩摩芋の損傷や食害を防ぐことができる。
また、網部材6が脚部6cでかさ上げされていることにより、貯蔵室3b内に滞留した二酸化炭素は連通孔5へ速やかに流入することが可能であるので、網部材6の設置による不利益の発生を未然に防ぐことができる。なお、この網部材6は、プラスチックを原材料とした汎用品であることから、市場に出回っているものを容易に入手可能である。
加えて、表面部材7が内箱3の底部3gの上表面3Sの腐食を防止していることから、薩摩芋を貯蔵している際に、貯蔵室3bの清潔性を維持することができる。また、薩摩芋貯蔵器1の製品寿命を延ばすことができる。
さらに、内箱3の底部3gが外箱2の底部2gに接触していることで内箱3の傾斜や横ずれを防止しているため、内箱3を外箱2の収容部2bへ安定的に収容することができる。
また、薩摩芋貯蔵器1は、外箱2と、内箱3と、外蓋4等からなる構成であって、ダンパー等の操作対象が設けられないことから、取り扱いが簡単であり一般人が家庭内で使用するのに好適である。さらに、外箱2等は、木製の平板や金網を材料としているため、安価かつ簡単に製造可能である。したがって、個人の消費者にとって経済的負担が少なく、容易に購入できることが期待できる。
したがって、薩摩芋貯蔵器1は、薩摩芋を貯蔵する貯蔵室3b内の湿度や二酸化炭素の濃度を自然に適切な状態に保持することができ、しかも簡易な構成であるために家庭内で使用するのに好適である。
次に、実施例の変形例に係る薩摩芋貯蔵器について、図4を用いながら説明する。図4は、実施例の変形例に係る薩摩芋貯蔵器の斜透視図である。なお、図1乃至図3で示した構成要素については、図4においても同一の符号を付して、その説明を省略する。また、外蓋4の図示も省略する。
図4に示すように、実施例の変形例に係る薩摩芋貯蔵器1aは、外箱2の内周面2c〜2fと内箱3の外周面3c〜3fの間に、保温手段8が設置される。
保温手段8は、具体的には電気毛布であって、複数のプラスチック製の留め具10を使用して外箱2の内周面2c〜2fに貼り付けられて保持される。なお、保温手段8の角部のうちの一つには、保温手段8に通電するためのコネクタ9が取り付けられている。このコネクタ9と、電源のオン・オフや温度調節を制御するためのコントローラ(図示せず)は、コード線(図示せず)を介して接続されるから、コネクタ9とコード線を通過させるための通過孔が必要である。このような通過孔は、外箱2の大径開口部2aの周縁又は外蓋4の端面4b(図1,2参照)が切り欠かれることで設けられると使い勝手が良好となる。
また、複数の留め具10は点ファスナーであって、それぞれ、凹んだ形状をなす凹部10aと、この凹部10aに嵌め込むことのできる突出部を備える凸部10bからなる。凹部10aは外箱2の内周面2c〜2f全体に上下左右に間隔を空けて面状に分布するよう、接着剤によって内周面2c〜2fに接着されている。また、凸部10bは凹部10aの分布に対応して保温手段8の一方の面に接着剤によって接着されている。ただし、凹部10aを内箱3の外周面3c〜3fに接着し、かつ凸部10bを保温手段8の他方の面に接着することにより、保温手段8を内箱3の外周面3c〜3fに巻き付けるようにして設置しても良い。
上記以外の薩摩芋貯蔵器1aの構成は、実施例に係る薩摩芋貯蔵器1の構成と同様である。
上記構成の薩摩芋貯蔵器1aにおいては、外箱2の内周面2c〜2fと内箱3の外周面3c〜3fの間に保温手段8が設置されることにより、内箱3と外箱2の隙間に存在する空気が暖められ、一定温度を維持するように保温される。そのため、外気温が低い場合であっても、内箱3の貯蔵室3b内の空気が外気温の影響を受けないので貯蔵室3b内の温度が低下することが防止されるとともに、貯蔵室3b内に結露が発生することが防止される。また、保温手段8の設定温度は、外箱2の外部にあるコントローラを操作することによって自在に調節される。
さらに、保温手段8は、留め具10の凸部10bを凹部10aに嵌め込み、逆に引き抜くことによって、外箱2の内周面2c〜2fと内箱3の外周面3c〜3fの間に設置、又は取り外される。なお、保温手段8を外箱2の内周面2c〜2fへ貼り付けることを容易にするため、内箱3の底部3gは、底部2gの上表面に固定されず、載置されているのみであることが望ましい。
上記以外の薩摩芋貯蔵器1aの作用は、実施例に係る薩摩芋貯蔵器1の作用と同様である。
以上説明したように、薩摩芋貯蔵器1aによれば、保温手段8によって、貯蔵室3b内の気温を薩摩芋の貯蔵に適した温度に容易に調節することができる。そのため、冬季に薩摩芋が低温障害を起こすことを確実に防止できる。また、保温手段8の設定温度は、コントローラを操作することによって自在に調節されるため、外気温に応じた適切な温度で保温でき、使い勝手が良い。上記以外の薩摩芋貯蔵器1aの効果は、実施例に係る薩摩芋貯蔵器1の効果と同様である。
なお、本考案に係る薩摩芋貯蔵器は、実施例に示すものに限定されない。例えば、外箱2や内箱3等のサイズは、実施例で説明した以外のサイズであっても良い。また、表面部材7は、ステンレス製の薄板が用いられる代わりに、プラスチックで構成されても良い。さらに、脚部2jは省略されるほか、車輪2kが省略されても良い。
加えて、内側孔3hを被覆する網部材6において、枠体6aと、脚部6cが省略され、網体6bのみが内側孔3hに被せられたり、内側孔3hと外側孔2hの間に挟み込まれたりするほか、外側孔2hの下縁に貼り付けられても良い。
本考案は、薩摩芋を貯蔵する小型の薩摩芋貯蔵器として利用可能である。
1,1a…薩摩芋貯蔵器 2…外箱 2a…大径開口部 2b…収容部 2c〜2f…内周面 2g…底部 2h…外側孔 2i,2i´…角材 2j…脚部 2k…車輪 3…内箱 3a…小径開口部 3b…貯蔵室 3c〜3f…外周面 3g…底部 3h…内側孔 3S…上表面 4…外蓋 4a…天井面 4b…端面 4c…窓部 5…連通孔 p…パチン錠 6…網部材 6a…枠体 6b…網体 6c…脚部 7…表面部材 7a…平板部 8…保温手段 9…コネクタ 10…留め具 10a…凹部 10b…凸部

Claims (3)

  1. 上方に大径開口部が開口するとともに内部に収容部を有する外箱と、
    上方に小径開口部が開口するとともに内部に薩摩芋を貯蔵する貯蔵室を有し、前記外箱の内周面に接触しないように前記収容部に収容される内箱と、
    気体を通過させるための窓部が設けられ、前記大径開口部に被せられる外蓋と、
    前記外箱の底部に穿設される外側孔と、前記内箱の底部に穿設される内側孔を連通する連通孔を備え、
    前記連通孔は、網部材で被覆されることを特徴とする薩摩芋貯蔵器。
  2. 少なくとも、前記内箱の前記底部における上表面は、金属又はプラスチックで形成されることを特徴とする請求項1に記載の薩摩芋貯蔵器。
  3. 前記外箱の前記内周面と前記内箱の外周面の間に、保温手段が設置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薩摩芋貯蔵器。
JP2018002519U 2018-07-03 2018-07-03 薩摩芋貯蔵器 Expired - Fee Related JP3217990U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018002519U JP3217990U (ja) 2018-07-03 2018-07-03 薩摩芋貯蔵器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018002519U JP3217990U (ja) 2018-07-03 2018-07-03 薩摩芋貯蔵器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3217990U true JP3217990U (ja) 2018-09-13

Family

ID=63518750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018002519U Expired - Fee Related JP3217990U (ja) 2018-07-03 2018-07-03 薩摩芋貯蔵器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3217990U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109699314A (zh) * 2018-12-26 2019-05-03 广西壮族自治区药用植物园 广西莪术种姜的贮藏方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109699314A (zh) * 2018-12-26 2019-05-03 广西壮族自治区药用植物园 广西莪术种姜的贮藏方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5034030B2 (ja) 発芽・育成装置及び植物栽培用器具
WO2010126530A1 (en) Multiple tray vermicomposter with thermal siphon airflow
JP2011244705A (ja) 植物栽培方法
CN108925466A (zh) 一种多功能蜂箱及一种取蜜方法
JP3217990U (ja) 薩摩芋貯蔵器
US20220264809A1 (en) Greenhouse
CN209628366U (zh) 一种节能环保型育雏箱
JP5767506B2 (ja) 植物のディスプレイ装置及びこれを用いた植物の陳列方法
CN2847846Y (zh) 便携式塑料保温蜂箱
JP2011244706A (ja) 植物栽培方法
CN211267748U (zh) 一种西葫芦种子的防萌芽储存装置
KR101426912B1 (ko) 고구마 저장장치
CN107173050A (zh) 家庭阳台装配式立体栽培菌菜共生系统
WO2000057694A1 (en) Artificially ventilated beehive
JP2020115836A (ja) 養蜂箱保温容器
JP6181832B1 (ja) 水耕栽培装置
KR100391799B1 (ko) 저온 저장이 가능한 정미기 겸용 쌀통
KR101790030B1 (ko) 버섯 재배장치
CN202035339U (zh) 一种温室换热通风系统
CN209314522U (zh) 盒装芽苗菜的培育保鲜贮存机构
CN204498830U (zh) 一种低温季节种子贮藏简易库
CN214482570U (zh) 一种室内出菇装置
TWI760949B (zh) 智能灌溉棒
CN205962458U (zh) 一种苦瓜捕虫装置
CN213368951U (zh) 一种夏季通风防虫蔬菜大棚

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3217990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees