JP3216954B2 - 磁性粒子式制動装置 - Google Patents
磁性粒子式制動装置Info
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Description
に関するものである。
を示す断面図であり、図において1は環状の固定子、2
は固定子1の内部に周方向に内蔵されたコイル、3、4
はそれぞれ例えばねずみ鋳鉄で作製された円板状の第1
および第2のブラケットであり、これらの第1および第
2のブラケット3、4をボルト5により両側から固定子
1に取り付けて、固定子1が第1および第2のブラケッ
ト3、4に支承されている。6は外周面が固定子1の内
周面と相対するように第1のブラケット3にボルト7に
より取り付けられた制動子、8は第2のブラケット4に
内蔵された軸受け9、10に支承された回転軸、11は
鍔部11aが固定子1の内周面と制動子6の外周面との
間に位置するように回転軸8に固定された回転子、12
は制動子6と回転子11との間に封入された磁性粒子、
13は回転子11の鍔部11aの端部に取り付けられ磁
性粒子12の漏れを防止するプレートである。14は第
1のブラケット3側に固定された軸流ファン、15は固
定子1の外周面に取り付けられたサーマルスイッチであ
る。ここで、固定子1、制動子6および回転子11はコ
イル2の励磁の際に磁路を形成できるように、磁性材
料、例えば機械構造用炭素鋼の中の軟鋼材が用いられて
いる。
動作について説明する。まず、固定子1に内蔵されてい
るコイル2に電流を流すと、コイル2が励磁されて、図
中点線で示す磁路に磁束Φが発生する。そして、磁路を
構成する磁性粒子12は、回転子11と制動子6との間
で鎖状に連結する。そこで、回転軸8とともに回転する
回転子11は、回転子11と制動子6との間で鎖状に連
結された磁性粒子12により制動されながら回転を続け
るか、あるいは停止されることになる。また、コイル2
に流されている電流を遮断すると、磁路に磁束Φが流れ
なくなり、回転子11と制動子6との間の磁性粒子12
の鎖状の連結が解除され、回転子11の回転がフリーと
なる。
がら回転を続けた場合には、回転子11は磁性粒子12
を介して制動子6上をスリップすることになり、それら
の間で摩擦熱が発生する。この摩擦熱がある値以上とな
ると、磁性粒子12が焼結状態となり、さらには回転子
11から固定子1に伝達されてコイル2が焼け磁束Φを
発生できなくなり、制動装置としての機能を果たさなく
なる。これらの不具合を回避するために、制動装置の許
容仕事量を規制している。そこで、軸流ファン14を駆
動して第1のブラケット3に強制的に風を送り込むこと
により、固定子1および制動子6を介して第1のブラケ
ット3に伝達された摩擦熱が速やかに放散される。その
結果、制動装置の許容仕事量を大きくしている。
孔は風を吸い込む際に異物、例えば糸クズを吸入するこ
とがある。そこで、軸流ファン14には、異物の吸い込
み防止のために吸入孔に網目のカバーを取り付けている
が、カバーに異物が堆積して所望の風量が得られなくな
り、熱の放散性が低下してしまう。さらには、軸流ファ
ン14の軸受けが破損したり、コイルが断線した場合に
は、軸流ファン14が駆動できなくなる。その結果、上
記摩擦熱が速やかに放散されず、制動装置の焼損を発生
させるおそれがあった。そこで、サーマルスイッチ15
が固定子1の温度を監視し、固定子1が所定温度に達す
るとコイル2への通電を停止させて、制動装置の焼損を
防止している。
装置は以上のように、固定子1の外周面に取り付けられ
たサーマルスイッチ15により固定子1の所定温度を超
える温度上昇を検出してコイル2への通電を停止するよ
うに構成されている。しかしながら、回転子11が磁性
粒子12を介して制動子6上をスリップして発生する摩
擦熱は、回転子11と固定子1との間の空隙を介して回
転子11から固定子1に伝達されるため、熱伝達が遅く
なり回転子11と固定子1との温度差が生じてしまう。
その結果、サーマルスイッチ15にて異常な摩擦熱の検
知が遅れ、摩擦熱により磁性粒子12が酸化して劣化
し、寿命を短くしてしまい、最悪の場合にはコイル2の
焼損を発生させてしまうという課題があった。また、回
転子11と固定子1との間の空隙は、一般に0.2〜
0.6mmに確保されているが、作製上の加工公差から
バラツキがある。そこで、このバラツキにより回転子1
1から固定子1への熱伝達量、伝達速度が変動し、許容
仕事量の範囲内にも拘わらずサーマルスイッチ15が作
動してしまうことが発生し、サーマルスイッチ15が正
確に動作しなくなるという課題もあった。
ためになされたもので、サーマルスイッチにて回転子と
制動子との間で発生する摩擦熱の温度を正確にかつ速や
かに検出させ、磁性粒子の劣化を防止できるとともに、
コイルの焼損を防止できる磁性粒子式制動装置を得るこ
とを第1の目的とする。また、摩擦熱を第1のブラケッ
トを介して放散させ、磁性粒子の酸化を抑制して、磁性
粒子の長寿命化を図ることができる磁性粒子式制動装置
を得ることを第2の目的とする。
係る磁性粒子式制動装置は、ボスが制動子より良好な熱
伝導を有する材料で作製されているとともに、該ボスに
サーマルスイッチを取り付けたものである。
子式制動装置は、上記第1の発明において、軸流ファン
が第1のブラケットに取り付けられているものである。
子式制動装置は、上記第1の発明において、サーマルス
イッチは軸流ファンによる冷却風に直接曝される位置に
取り付けられているものである。
させたり、制動させながら回転を続けた際に、回転子が
磁性粒子を介して制動子上をスリップして発生する摩擦
熱は、ボスに取り付けたサーマルスイッチにて検出され
る。そして、摩擦熱により加熱された動作部の温度と制
動子の温度とはほぼ一致している。また、ボスが制動子
より良好な熱伝導を有する材料で作製されているので、
制動子を介して伝達された摩擦熱がボス内を速やかに伝
達される。そこで、動作部の温度は時間遅れなく正確に
サーマルスイッチで検出される。したがって、摩擦熱が
異常に発熱した場合にはサーマルスイッチにて瞬時に検
出されて、コイルへの通電が停止され、磁性粒子の焼結
やコイルの焼損を防止できる。また、摩擦熱を時間遅れ
なく検出できるので、回転子と制動子との間の磁性粒子
の過度の温度上昇が抑えられ、磁性粒子の酸化による劣
化が抑えられる。
動作部で発生した摩擦熱は制動子を介して第1のブラケ
ットに伝達され、回転子から固定子を介して第1のブラ
ケットに伝達される。そして、軸流ファンを駆動するこ
とにより冷却風が第1のブラケットに送り込まれ、摩擦
熱が第1のブラケットを介して放散される。
軸流ファンを駆動することにより冷却風がサーマルスイ
ッチに直接曝される。
る。比較例 1. 図1はこの発明の比較例1に係る磁性粒子式制動装置を
示す側断面図であり、図において図4に示した従来の磁
性粒子式制動装置と同一または相当部分には同一符号を
付し、その説明を省略する。
開口から露呈する制動子6の側壁面に取り付けられたサ
ーマルスイッチである。なお、他の構成は、図4に示し
た従来の磁性粒子式制動装置と同様に構成されている。
する。負荷を制動させたり、制動させながら回転を続け
た際に、回転子11が磁性粒子12を介して制動子6上
をスリップして、該動作部にて摩擦熱が発生する。そし
て、発生した摩擦熱は、主に制動子6の外周部から中央
部に伝達され、さらに制動子6と第1のブラケット3と
の当接面を介して第1のブラケット3に伝達される。ま
た、摩擦熱の一部は、回転子11から空隙の空気を介し
て固定子1に伝達され、さらに固定子1と第1のブラケ
ット3との当接面を介して第1のブラケット3に伝達さ
れる。ついで、装置の動作中、軸流ファン14が駆動さ
れて冷却風が第1のブラケット3に送り込まれ、摩擦熱
が第1のブラケット3を介して放散される。また、制動
子6に取り付けられたサーマルスイッチ16が動作部の
温度を監視している。そして、サーマルスイッチ16の
検出温度が規定温度に達した場合には、コイル2への通
電が停止される。
6内を速やかに伝達し、制動子6の中央部の温度は、動
作部の温度上昇に時間遅れなく追従して上昇する。一
方、固定子1の温度は、回転子11からの伝達経路中に
空気層が介在しているので、動作部の温度上昇に追従し
きれず、固定子1と回転子11との温度差が生じてしま
う。そこで、この比較例1(制動子6にサーマルスイッ
チ16を取り付けた場合)と従来技術(固定子1にサー
マルスイッチ15を取り付けた場合)との熱時定数を比
較したところ、従来技術での熱時定数はこの比較例1の
数倍にもなっていることが確認できた。
子6にサーマルスイッチ16を取り付けているので、サ
ーマルスイッチ16により動作部の温度を時間遅れなく
監視できる。そこで、異常な摩擦熱が発生した場合に
は、動作部の異常な温度上昇をサーマルスイッチ16に
より速やかにかつ確実に検出してコイル2への通電を停
止でき、動作部の異常な温度上昇による磁性粒子12の
焼結やコイル2の焼損の発生を防止でき、装置の信頼性
を高めることができる。また、第1のブラケット3側に
軸流ファン14を取り付けているので、第1のブラケッ
ト3を介して摩擦熱を放散できる。そこで、動作部の温
度上昇が抑えられ、許容仕事量を大きくできるととも
に、動作部の過度の温度上昇にともなって生じる磁性粒
子12の酸化が促進されず磁性粒子12の劣化が抑えら
れて、磁性粒子12の長寿命化を図ることができる。さ
らに、サーマルスイッチ16により異常に発生した摩擦
熱の検出において、回転子11から空隙を介して固定子
1に伝達される熱の寄与が極めて少なくい。そこで、作
製上の加工公差により該空隙のバラツキが生じてもサー
マルスイッチ16による異常に発生した摩擦熱の検出動
作に影響がなく、摩擦熱の異常発生を確実にかつ安定し
て検出することができる。
示す側断面図であり、図において17は第1のブラケッ
ト3の内周部にボルト7により取り付けられたボスであ
り、このボス17の外周には環状の制動子18が固着さ
れているとともに、第1のブラケット3の開口から露呈
する側壁面にはサーマルスイッチ16が取り付けられて
いる。ここで、制動子18は磁路を構成する必要上から
磁性材料、例えば軟鋼で作製され、ボス17は制動子1
8に比べて良好な熱伝導材、例えば銅で作製されてい
る。なお、この実施例1は、上記比較例1の制動子6が
ボス17と制動子18との2部品から構成されている点
を除いて、上記比較例1と同様に構成されている。
よびボス17を介して第1のブラケット3に伝達され
る。そこで、動作部から第1のブラケット3への熱の伝
達経路中における熱伝導の悪い制動子18の占める割合
が低減される。そして、摩擦熱は制動子18およびボス
17を介して第1のブラケット3に速やかに伝達され、
軸流ファン14により摩擦熱を効率よく放散できる。そ
の結果、上記比較例1に比べて、許容仕事量を一層大き
くできるとともに、磁性粒子12の長寿命化を一層図る
ことができる。また、制動子18から伝達された熱がボ
ス17内を速やかに伝達するので、サーマルスイッチ1
6により動作部の温度を時間遅れなく監視できる。そこ
で、異常な摩擦熱が発生した場合には、動作部の異常な
温度上昇をサーマルスイッチ16により速やかにかつ確
実に検出してコイル2への通電を停止でき、動作部の異
常な温度上昇による磁性粒子12の焼結やコイル2の焼
損の発生を防止でき、装置の信頼性を一層高めることが
できる。
示す側断面図であり、図において19はアルミニウムで
作製された第1のブラケットである。なお、この実施例
2は、アルミニウムで作製された第1のブラケット19
を用い、この第1のブラケット19にサーマルスイッチ
16を取り付けているている点を除いて、上記実施例1
と同様に構成されている。
が良熱伝導材であるアルミニウムで作製されているの
で、制動子18およびボス17を介して伝達された熱は
第1のブラケット19内を速やかに伝達する。そこで、
第1のブラケット19に取り付けられたサーマルスイッ
チ16により動作部の温度上昇を時間遅れなく監視で
き、異常な摩擦熱の発生を検出することができる。さら
に、ねずみ鋳鉄で作製された第1のブラケット3を用い
る上記実施例1に比べて、熱が第1のブラケット19内
をより速やかに伝達できるので、軸流ファン14による
摩擦熱の放散効率が向上し、動作部における温度上昇が
抑えられ、許容仕事量をさらに大きくできるとともに、
磁性粒子12の長寿命化をさらに図ることができる。ま
た、第1のブラケット19の熱伝導が良好であるので、
第1のブラケット19内の温度勾配が平坦化されて、サ
ーマルスイッチ16の取付自由度を増大できる。さら
に、第1のブラケット19をアルミニウムで作製するこ
とにより、良好な熱伝導が得られるとともに、加工性、
軽量化、耐食性等の点でも効果がある。
チ16を制動子6に取り付けるものとしているが、サー
マルスイッチ16を第1のブラケット3に取り付けるも
のとしてもよい。この場合、サーマルスイッチ15を固
定子1に取り付ける従来技術に比べ、摩擦熱の伝達経路
中に回転子11と固定子1との間の空隙がない分、動作
部の温度とサーマルスイッチ16による検出温度との温
度差が低減され、異常な摩擦熱の発生を時間遅れなく検
出できる。
ねずみ鋳鉄で作製された第1のブラケット6を用いるも
のとしているが、該第1のブラケット6に代えてアルミ
ニウムで作製された第1のブラケット19を用いるもの
としてもよい。この場合、摩擦熱が第1のブラケット1
9内を速やかに均一に伝達され、軸流ファン14による
第1のブラケット19を介しての摩擦熱の放散性を向上
させることができる。
て説明しているが、この発明は、制動子を回転可能に取
り付け、コイルの励磁により磁性粒子を連結させて制動
子と回転子とを連結して回転力を伝達する連結装置に適
用できることはいうまでもないことである。
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
動子より良好な熱伝導を有する材料で作製されていると
ともに、該ボスにサーマルスイッチを取り付けているの
で、制動子から伝達されてきた熱がボス内を速やかに伝
達される。そこで、サーマルスイッチにて異常な摩擦熱
の発生を時間遅れなく検出でき、過度の温度上昇にとも
なう磁性粒子の焼結やコイルの焼損を防止でき、信頼性
を向上させることができる。
記第1の発明において、軸流ファンが第1のブラケット
に取り付けられているので、摩擦熱が制動子を介して第
1のブラケットに伝達され、軸流ファンの駆動により第
1のブラケットを介して放散される。そこで、動作部の
温度上昇が抑えられ、許容仕事量を大きくできるととも
に、磁性粒子の酸化が抑制されて磁性粒子の長寿命化を
図ることができる。
記第1の発明において、サーマルスイッチは軸流ファン
による冷却風に直接曝される位置に取り付けられている
ので、摩擦熱がサーマルスイッチの取付部周りから放散
される。
置を示す側断面図である。
置を示す側断面図である。
置を示す側断面図である。
面図である。
第2のブラケット、6 制動子、8 回転軸、9 軸受
け、10 軸受け、11 回転子、11a鍔部、12
磁性粒子、14 軸流ファン、16 サーマルスイッ
チ、17 ボス、18 制動子、19 第1のブラケッ
ト。
Claims (3)
- 【請求項1】 コイルを内蔵した環状の固定子と、前記
固定子を両側から支承する第1および第2のブラケット
と、外周面を前記固定子の内周面に相対して所定間隙を
持つようにボスを介して前記第1のブラケットに固定さ
れた制動子と、前記第2のブラケットに軸受けを介して
回転可能に取り付けられた回転軸と、鍔部が前記制動子
の外周面と前記固定子の内周面との間に位置するように
前記回転軸の一端側に固定された回転子と、前記制動子
と前記回転子の鍔部との間の空隙に充填された磁性粒子
とを備えた磁性粒子式制動装置であって、前記ボスが前
記制動子より良好な熱伝導を有する材料で作製されてい
るとともに、前記ボスにサーマルスイッチを取り付けた
ことを特徴とする磁性粒子式制動装置。 - 【請求項2】 軸流ファンが前記第1のブラケットに取
り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁
性粒子式制動装置。 - 【請求項3】 前記サーマルスイッチは前記軸流ファン
による冷却風に直接曝される位置に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の磁性粒子式制動装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08181994A JP3216954B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 磁性粒子式制動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08181994A JP3216954B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 磁性粒子式制動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07293607A JPH07293607A (ja) | 1995-11-07 |
JP3216954B2 true JP3216954B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=13757104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08181994A Expired - Fee Related JP3216954B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 磁性粒子式制動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3216954B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005513387A (ja) * | 2001-12-31 | 2005-05-12 | ナサン ニレコ カンパニー, リミテッド | 磁性粒子式制動装置 |
JP6018510B2 (ja) * | 2013-01-24 | 2016-11-02 | 株式会社ソミック石川 | 制動装置 |
-
1994
- 1994-04-20 JP JP08181994A patent/JP3216954B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07293607A (ja) | 1995-11-07 |
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