JP3215021B2 - 周波数変換装置 - Google Patents

周波数変換装置

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JP3215021B2 JP23561095A JP23561095A JP3215021B2 JP 3215021 B2 JP3215021 B2 JP 3215021B2 JP 23561095 A JP23561095 A JP 23561095A JP 23561095 A JP23561095 A JP 23561095A JP 3215021 B2 JP3215021 B2 JP 3215021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波発振装置、
特に駆動高周波信号(入力信号)に対して整数倍の周波
数を発生する周波数変換(逓倍)装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
衛星通信や移動体通信等において、1〜40GHz帯を
搬送波に用いた高周波通信システムが実用化されてい
る。この周波数帯域において、搬送波電力や参照波とし
て用いられる安定度の高い高周波信号を得るために、ガ
ンダイオードやインパットダイオード等の半導体素子に
よる直接発振、あるいは水晶振動子の出力を非線形素子
に与え、高次高調波を取り出す周波数逓倍器等が用いら
れている。
【0003】一方、その他の発振源として、ジョセフソ
ン効果を用いたものが提案されている。ジョセフソン素
子では、素子両端の電圧に応じて高周波発振が生じる交
流ジョセフソン効果や、素子に磁場を印加することによ
って生じる磁束フロー発振と呼ばれる高周波発振現象が
知られている(参考文献 例えば:AntonioBa
rone and Gianfranco Pater
no、 Physics and Applicati
ons of The JosephsonEffec
t、1982 Jhon Wiley & Sons,
Inc.,New York, U.S.A.)。電
圧状態のジョセフソン素子の両端子間には、交流ジョセ
フソン効果による交流発振が存在し、その発振周波数
(f)は、以下の(数1)で表される。
【0004】
【数1】f=2eV/h
【0005】ここで、eは素電荷であり、hはプランク
定数、Vは素子の電極間の電圧である。従って、ジョセ
フソン素子は、その両端の電圧を変化させることによ
り、周波数が変化する発振素子として動作し、その周波
数の値は483GHz/mVである。また、その上限周
波数は、用いる超伝導体の超伝導エネルギーギャップ
(2Δ)程度までである。金属系超伝導体であるNb
(2Δ〜2meV)を用いたジョセフソン素子では約1
THz、酸化物高温超伝導体であるY1Ba2Cu37 -x
(但し、x≦1)(2Δ〜20meV)では約10TH
z程度にまで達する。
【0006】高周波通信システムにおいて、ミリ波帯、
さらにはサブミリ波帯は、将来その利用が期待される周
波数領域である。しかしながら、現在のところ、これら
の周波数領域で用いられる、周波数安定度が高く、しか
も周波数可変の発振源が実用化されておらず、その開発
が望まれていた。一般に、ミリ波(約100GHz)以
上の高周波の領域では、通常の半導体素子を用いた周波
数逓倍は動作しない。そのため、周波数発振装置とし
て、ガンダイオードやインパットダイオード等の半導体
素子の直接発振、あるいはジョセフソン素子の交流ジョ
セフソン効果を用いた発振等の応用が考えられる。
【0007】しかしながら、ガンダイオードやインパッ
トダイオード等の半導体素子を用いた周波数発振装置
は、基本的に発振周波数が固定され、周波数を広帯域で
変化させることは困難である。一方、ジョセフソン素子
を用いた周波数発振装置は、端子電圧を制御することで
広帯域の発振が可能であるが、単一の素子で得られる出
力が小さく、また周波数安定度が電圧ノイズに比例する
ため安定度が低く、さらに発振線幅が広いという問題点
を有している。
【0008】一方、ジョセフソン素子に、外部より高周
波の電磁波を印加すると、交流ジョセフソン効果との相
互作用により、印加周波数に応じた電圧の整数倍のとこ
ろに電流ステップを生じる。これは通常シャピロステッ
プといい、良く知られた現象である。高次のシャピロス
テップ上では(電圧は一定であり、交流ジョセフソン効
果の関係式が成り立つので)印加周波数の整数倍の周波
数で発振が起こっている。外部より周波数安定度の高い
発振器の出力をジョセフソン素子に印加し、この電流ス
テップにバイアスすれば、安定な周波数逓倍器として動
作する。しかし、この電流ステップの高さは、高次にな
るほど(高周波になるほど)小さくなり、すなわち電流
バイアスが困難になる。また、高い出力の高周波発振を
得る目的で複数個のジョセフソン素子を用いる場合、多
くの素子をアレイ化することが提案されている。しか
し、これら多数のジョセフソン素子を同一条件でバイア
スし動作せることはさらに困難である。従って、各素子
のバイアス条件をなるべく緩和することが要求されてい
る。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するため
になされたものであり、第1にミリ波帯又はサブミリ波
帯での高周波電力発振源を提供することを目的とし、第
2にジョセフソン素子用いた逓倍器におけるジョセフソ
ン素子に存在する上記特有の問題点を解決する手段を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の周波数変換装置は、複数のジョセフソン素
子を含む直流駆動超伝導量子干渉計(dc−SQUI
D)を数含む超伝導素子モジュールと、前記超伝導素
子モジュールの一部に磁気的に結合された電流線路と、
前記dc−SQUIDのうち、少なくとも1つに対して
接続された高周波スイッチング素子とを具備し、前記高
周波スイッチング素子をスイッチングさせることにより
全体の高周波出力を制御するように構成される
【0011】上記構成において、前記所定数のdc−S
QUIDが電気回路的に並列に接続され、かつ、前記d
c−SQUIDのうち、少なくとも1つに対して、電気
回路的に直列にスイッチング素子が接続された構成とす
ることができる。
【0012】また、上記構成において、前記所定数のd
c−SQUIDが電気回路的に直列に接続され、かつ、
前記dc−SQUIDのうち、少なくとも1つに対し
て、電気回路的に並列にスイッチング素子が接統された
構成とすることができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の周波数変換装置は、ジョ
セフソン素子で構成される直流駆動超伝導量子干渉計
(dc−SQUID)を所定数含むように超伝導素子モ
ジュールを形成し、その超伝導素子モジュールの一部に
駆動高周波信号用の電流線路を磁気的に結合し、その超
伝導素子モジュールの一部に直流磁場を印加するように
構成されている。所定数のdc−SQUIDは電気回路
的に並列又は直列に接続され、各超伝導素子モジュール
に単一の直流バイアス電源が接続されている。さらに、
所定のdc−SQUIDに対して、電気回路的に直列又
は並列にスイッチング素子が接続されている。
【0016】G.S.Leeらは、dc−SQUIDに
印加する磁場を高周波とすることにより、単独のジョセ
フソン素子に比べて高次のシャピロステップの高さが大
きくなることを見いだしている。(G.S.Lee、
H.L.Ko、R.C.Ruby、A.T.Barfk
necht:IEEE Trans.Appl.Sup
er.3、2740−2743(1993)参照)。本
発明者らは、この現象を利用し、さらにdc−SQUI
Dを所定の個数用いることにより、非常に周波数安定性
が高い高周波発振器を構成できることを見いだした。
【0017】すなわち、ジョセフソン素子で構成される
直流駆動超伝導量子干渉計(dc−SQUID)を、所
定数含む超伝導素子モジュールを形成し、これらを電気
的に並列又は直列に結合し、さらにその超伝導素子モジ
ュールの一部に駆動高周波信号用電流線路を磁気的に結
合し、この電流線路に駆動高周波電流を流すことによ
り、駆動電流の偶数倍の高周波電力を発生させ、外部に
取り出すことができることを見いだした。さらに、超伝
導素子モジュールの一部に直流磁場を印加することによ
り、駆動電流の奇数倍の高周波電力を発生させ、外部に
取り出すことができることを見いだした。さらに、所定
のdc−SQUIDに対して、電気回路的に直列又は並
列にスイッチング素子を接続することにより、出力電力
を調整できることを見いだした。これらの周波数変換装
置は、周波数逓倍型の動作をしており、駆動する高周波
の電流振幅(電力値)によりその逓倍次数を変化するこ
とができる。また、電流バイアス条件は、動作次数にお
いても(高次の動作状態でも)dc−SQUIDの臨界
電流値以下の広い範囲で有効であることを見いだした。
さらに、取り出せる高周波の周波数安定度は、駆動高周
波電流の安定度に比例しており、高い安定度の駆動電源
を用いることにより、非常に安定な出力が得られること
を見いだした。
【0018】
【実施例1】以下、本発明の周波数変換装置の第1の実
施例を図1を参照しつつ説明する。図1は本発明の周波
数変換装置の第1の実施例の主要部分を示す電気的等価
回路図である。図1において、ジョセフソン素子1を2
個並列に接続し直流駆動超伝導量子干渉計(dc−SQ
UID)10a、10b、10c、10d・・・を形成
し、それぞれを1つの超伝導素子モジュールとする。た
だし、超伝導素子モジュールのインピーダンスの設計値
により、複数のdc−SQUIDを並列に並べても良
い。
【0019】図1に示す第1の実施例では、dc−SQ
UID10a・・・を直流的に並列に構成し、さらにそ
のdc−SQUID10a・・・を並列に電流バイアス
するように接続している。これにより、すべてのdc−
SQUID10a・・・の端子電圧を同一とし、従って
発振周波数を同一とすることができる。さらに、dc−
SQUID10a・・・間の所定の部分をキャパシタ4
で接続し、高周波信号に対する位相を一致させる。これ
により、各dc−SQUID10a・・・の高周波発振
電力を有効に加え合わせ、全体の発振電流の振幅を大き
くすることができる。また、各dc−SQUID10a
・・・に平行に近接する形で、駆動高周波信号用伝送線
路3が設けられている。駆動高周波信号用伝送線路3に
高周波電力を印加することにより、駆動高周波信号用伝
送線路3とdc−SQUID10a・・・との間に磁気
結合6が生ずる。
【0020】この周波数変換装置に接続される出力用高
周波伝送線路として、例えば50Ωに設計したマイクロ
ストリップ型又はコプレーナ型伝送線路を用いる場合、
周波数変換装置と伝送線路間のインピーダンスマッチン
グを取るために、超伝導素子モジュールを構成するジョ
セフソン素子1の数、並びに超伝導素子モジュール自体
の数を適宜選択して、周波数変換装置全体のインピーダ
ンスを50Ωとする。超伝導素子モジュールの素子抵抗
は、並列に接続するdc−SQUID10a・・・の数
に比例して小さくなるが、キャパシタ4により、高周波
的に等価的に直列となるよう構成できるので、所定数の
超伝導素子モジュールを用いることにより、周波数変換
回路のインピーダンスを制御できる。これにより、外部
の、例えば50Ω伝送線路に有効に高周波電力を取り出
すことができる。
【0021】
【実施例2】次に、本発明の周波数変換装置の第2の実
施例を図2を参照しつつ説明する。図2は本発明の周波
数変換装置の第2の実施例の主要部分を示す電気的等価
回路図である。図2において、ジョセフソン素子1を2
個並列に接続してdc−SQUID10a・・・を形成
し、それぞれを1つの超伝導素子モジュールとする。1
つの超伝導素子モジュールにおけるdc−SQUIDの
数は、超伝導素子モジュールのインピーダンス設計値に
より、複数であってもよく、必ず1つで構成しなくては
いけないというものではない。
【0022】図2に示す第2の実施例では、各dc−S
QUID10a・・・は直列に電流バイアスするように
接続されている。各dc−SQUID10a・・・間の
接続は薄膜伝送線路型(実際にはマイクロストリップ
型)の伝送線路7により、高周波信号の位相を各dc−
SQUID10a・・・間で一致させる又は周期的に変
化させる構造とした。
【0023】第1の実施例と同様に、この周波数変換装
置に接続される出力用高周波伝送線路として、例えば5
0Ωに設計したマイクロストリップ型又はコプレーナ型
伝送線路を用いる場合、周波数変換装置と伝送線路間の
インピーダンスマッチングを取るために、超伝導素子モ
ジュールを構成するジョセフソン素子1の数、並びに超
伝導素子モジュール自体の数を適宜選択して、周波数変
換装置全体のインピーダンスを50Ωとする。
【0024】上記第1及び第2の実施例では、各dc−
SQUID10a・・・間の接続をキャパシタ4又は伝
送線路7としたが、高周波電力の位相を決定できるよう
な回路であればどのような構成でも良く、例えば抵抗成
分やインダクタンス成分を含むものでもよい。また、上
記第1及び第2の実施例では直流磁場印加用の構成には
していないが、駆動高周波信号用電流線路3に直流電流
を重畳することにより等価的にdc−SQUID10a
・・・に直流磁場を印加する構成としてもよい。また、
これとは別に独立に磁場印加機構を設けても良い。簡単
には、駆動高周波信号用電流線路3と同様に、dc−S
QUID10a・・・に近接させてもうひとつ電流線路
を設けたり、dc−SQUID10a・・・に結合する
形で薄膜コイルを形成しても良い。
【0025】上記第1及び第2の実施例において、dc
−SQUID10a・・・に高周波スイッチング素子
(PINダイオードなど)を付加し、適宜スイッチング
を行い、全体の高周波出力を制御できることを確認し
た。この構成は、高周波出力を適当な値に制御しなくて
はならない高周波ミキサーの局部発振源等の用途に有効
である。
【0026】
【具体例】以下に、ジョセフソン素子を用いた周波数変
換装置の具体例を示す。基板として厚さ0.5mmのM
gO単結晶を用い、その上にジョセフソン素子及び高周
波伝送線路を形成する構成とした。伝送線路はAu薄膜
よりなるマイクロストリップ型伝送線路である。従っ
て、基板裏面全面にAu薄膜を形成し、接地面を形成し
ている。超伝導素子は、いわゆる2212相のBi系酸
化物超伝導体を用いた積相型ジョセフソン素子(参考文
献:Koich Mizuno 他 Appl.Phy
s.Lett.56(1990)1469−1471;
Jpn.J.Appl.Phys.30(1991)L
1559−L1561 で報告されているものと同様の
構造)であり、同一真空中で形成した多層膜より素子を
形成している。この素子構造はジョセフソン素子を並列
にアレイ化するのに適した素子構造である。
【0027】まず、ジョセフソン素子を含むdc−SQ
UIDを、超伝導薄膜を含む多層膜成膜および数回のパ
ターニングプロセスで形成し、その後Au薄膜を全面に
形成し、伝送線路パターン、駆動高周波信号用電流線路
及び各種パッド部分を形成し、周波数変換装置を完成さ
せた。さらに、完成した周波数変換装置の一端を高周波
伝送線路パターンに接続した。本具体例では、2個のジ
ョセフソン素子を並列接合して1つのdc−SQUID
とし、1つのdc−SQUIDで超伝導素子モジュール
を構成した。超伝導素子モジュールを7段つなげ、各段
間は薄膜キャパシタにより高周波的に結合した。なお、
1つのジョセフソン素子の素子抵抗は1Ω程度であり、
電極とのコンタクト抵抗を含めると15Ω程度である。
従って、2個並列のdc−SQUIDを高周波的に7段
直列とすることにより、ほぼ50Ωのインピーダンスが
得られた。また、各dc−SQUIDに平行に近接する
形で、駆動高周波信号用の伝送線路を形成し、ここに流
れる高周波電力とdc−SQUIDが磁気結合するよう
設計した。なお、dc−SQUID自体の直流駆動電源
は外部回路とし、dc−SQUIDに接続した。
【0028】この素子を50K以下の温度に冷却したと
ころ、dc−SQUIDは磁束計として動作し、さらに
駆動高周波信号用電流線路に高周波電力を供給すること
により、その偶数倍の周波数の電力がdc−SQUID
端子に発生することを確認した。さらに、駆動高周波信
号用電流線路に直流バイアス電流を重畳することによ
り、各dc−SQUIDに直流磁場を印加すると、ある
直流バイアス磁場の大きさの時に、駆動高周波信号用電
流線路に供給される高周波電力の奇数倍の周波数の出力
が得られることを確認した。
【0029】なお、他の具体例として、dc−SQUI
Dをいわゆる123構造のY系酸化物超伝導体を用いた
ステップエッジ型ジョセフソン素子(参考文献:Yos
hito Fukumoto 他 Jpn.J.App
l.Phys.30(1991)3907−3910
で報告されているものと同様の構造)で形成した。この
場合も同様に周波数変換装置が形成できることを確認し
た。このタイプのジョセフソン素子は、基板表面に加工
した段差を利用して素子を形成しているが、基板加工、
超伝導薄膜成膜及びパターニングの3つの主要行程によ
り形成でき、製造工程が簡単であるという利点を有す
る。
【0030】さらに、本発明の周波数変換装置はジョセ
フソン効果を利用しており、用いられる超伝導体は金属
系材料(例えばNb、Nb合金、PbあるいはPb合金
等)でも良く、また他の高温酸化物超伝導体(Y系、T
l系、Hg系等)でも良い。高周波伝送線路を形成する
のは、他の金属材料(Pt、Cu、Ag及びこれらの合
金、Auを含む合金等)でも良く、上記の超伝導体でも
良い。実際には、使用される周波数領域で最小の表面抵
抗を示す材料を用いる設計が望ましい。さらに、基板材
料は高周波での誘電損失が小さいものが望ましく、サフ
ァイア等種々の誘電材料を用いることができる。酸化物
超伝導体を用いる場合、良好な超伝導特性を得るため
に、基板材料の格子定数は超伝導体の格子定数と近いこ
とが望ましく、その点でLaAlO3、LaGaO3、L
aSrO3等のペロブスカイト系単結晶も用いることが
できる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の周波数変換
装置によれば、複数のジョセフソン素子を含む直流駆動
超伝導量子干渉計(dc−SQUID)を所定数含む超
伝導素子モジュールと、前記超伝導素子モジュールの一
部に磁気的に結合された電流線路とを具備するので、こ
の電流線路に駆動高周波電流を流すことにより、駆動電
流の偶数倍の高周波電力を発生させ、外部に取り出すこ
とができる。
【0032】また、超伝導素子モジュールの一部に直流
磁場を印加することにより、駆動電流の奇数倍の高周波
電力を発生させ、外部に取り出すことができる。また、
所定数のdc−SQUIDを電気回路的に並列又は直列
に接続し、超伝導素子モジュールに単一のバイアス電源
を接続することにより、駆動する高周波の電流振幅(電
力値)によりその逓倍次数を変化することができる。ま
た、電流バイアス条件は、動作次数においても(高次の
動作状態でも)dc−SQUIDの臨界電流値以下の広
い範囲で有効であり、取り出せる高周波の周波数安定度
は、駆動高周波電流の安定度に比例し、高い安定度の駆
動電源を用いることにより、非常に安定な出力が得られ
る。また、所定数のdc−SQUIDのうち、少なくと
も1つに対して、電気回路的に直列又は並列にスイッチ
ング素子を接続することにより、出力電力を調整でき
る。
【0033】以上の結果、本発明の周波数変換装置は、
現在利用されあるいは将来利用が期待される数十GHz
以上THzに及ぶ高周波数帯域での高周波通信の局部発
振器として利用することができる。また、駆動高周波信
号として安定度の高い水晶振動子や他の発振回路の出力
を用いることにより、その逓倍の高周波電力を得ること
ができ、しかも非常に高周波まで(高次まで)動作する
ことができる。さらに、駆動電力の周波数や出力を可変
とすることにより、広帯域に出力の周波数を変化させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の周波数変換装置の第1の実施例におけ
る電気的等価回路図
【図2】本発明の周波数変換装置の第2の実施例におけ
る電気的等価回路図
【符号の説明】
1 :ジョセフソン素子 2 :直流バイアス線 3 :駆動高周波信号用電流線路 4 :キャパシタ 5 :直流バイアス電源 6 :磁気結合 10a〜10d:dc−SQUID
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−45433(JP,A) 特開 昭64−89805(JP,A) 特開 昭64−50975(JP,A) 特開 昭61−284679(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 39/22 - 39/24 H01L 39/00 H03K 5/00 G01R 33/035

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のジョセフソン素子を含む直流駆動
    超伝導量子干渉計(dc−SQUID)を数含む超伝
    導素子モジュールと、前記超伝導素子モジュールの一部
    に磁気的に結合された電流線路と、前記dc−SQUI
    Dのうち、少なくとも1つに対して接続された高周波ス
    イッチング素子とを具備し、前記高周波スイッチング素
    子をスイッチングさせることにより全体の高周波出力を
    制御するように構成した周波数変換装置。
  2. 【請求項2】 前記所定数のdc−SQUIDが電気回
    路的に並列に接続され、かつ、前記dc−SQUIDの
    うち、少なくとも1つに対して、電気回路的に直列にス
    イッチング素子が接続された請求項1記載の周波数変換
    装置。
  3. 【請求項3】 前記所定数のdc−SQUIDが電気回
    路的に直列に接続され、かつ、前記dc−SQUIDの
    うち、少なくとも1つに対して、電気回路的に並列にス
    イッチング素子が接統された請求項1記載の周波数変換
    装置。
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