JP3212708B2 - 木材の熱処理方法 - Google Patents
木材の熱処理方法Info
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Description
状を改変する木材の熱処理方法に関する。
まあるいは製材した状態で、自然乾燥または人工乾燥
し、製品とされている。この木材の乾燥は、乾燥初期の
段階では、表面の水分が蒸発して表面含水率が内部の含
水率より低くなる。次いで、表面と内部との含水率差に
よって、内部の水分が拡散作用で表面に移動し、蒸発す
る。
材の乾燥においては、木口割れ,表面割れや裂け等の割
れが生じたり、ねじり,曲がりや反り等の狂いが生じる
という問題がある。特に、人工乾燥で急速に乾燥を行な
うと、これらの割れや狂いが発生し易い。その主な原因
は、一般に木材は、乾燥から自らを守るための細胞機構
を備えており、これは、細胞間にある有縁壁孔にトール
スという弁機構を備え、このトールスが閉じて水分の移
動を阻止しようとするからである。そのため、木材表面
の蒸発、特に急速な蒸発があると、トールスが閉じて木
材内部から水分が出にくくなり、木材表面と内部との含
水率差が急激に異なって、木材に内部応力が発生し、上
記の割れや狂いが生じるのである。
る有縁壁孔の弁機構の機能を減退させ、内部から表面へ
の水分の移動が円滑に行なわれるようにし、木材に内部
応力ができるだけ発生しないようにし、割れや狂いを生
じにくくして迅速に乾燥することができるようにする点
にある。
るため、本発明の第一の手段は、木材を、天然の硫化水
素型蒸気が吹き込まれ少なくとも遊離硫化水素を21.
5mg/Kg含むとともに90℃〜100℃にした温湯
もしくは天然の硫化水素型温泉水であって少なくとも遊
離硫化水素を21.5mg/Kg含むとともに90℃〜
100℃にした硫化水素型温泉水に適時間浸漬して熱処
理する木材の熱処理方法にある。
を、天然の硫化水素型蒸気が吹き込まれ少なくとも遊離
硫化水素を21.5mg/Kg含むとともに90℃〜1
00℃にした温湯もしくは天然の硫化水素型温泉水であ
って少なくとも遊離硫化水素を21.5mg/Kg含む
とともに90℃〜100℃にした硫化水素型温泉水に適
時間浸漬し、その後、高温のオイルに適時間浸漬して熱
処理する木材の熱処理方法にある。
然の硫化水素型蒸気が吹き込まれ少なくとも遊離硫化水
素を21.5mg/Kg含むとともに90℃〜100℃
にした温湯もしくは天然の硫化水素型温泉水であって少
なくとも遊離硫化水素を21.5mg/Kg含むととも
に90℃〜100℃にした硫化水素型温泉水に適時間浸
漬し、その後、高温のアルカリ水溶液に適時間浸漬して
熱処理する木材の熱処理方法にある。
材の熱処理方法によれば、木材が、天然の硫化水素型蒸
気が吹き込まれる温湯もしくは天然の硫化水素型温泉水
に浸漬されると、加熱されるとともに、表面から硫酸イ
オン及び硫化水素成分が浸透していく。これにより、木
材組織に熱作用及び化学的作用が及ぼされ、そのため、
木材の細胞間にある有縁壁孔に亀裂等が生じ、弁機構の
機能が減退させられ、また、木材のセルロース,リグニ
ンその他の低分子の多糖類が遊離され、これにより、セ
ルロース,リグニンその他の低分子の多糖類に吸着され
ていた結合水が遊離され、その一部が溶出していく。ま
た、木材表面においては、硫酸イオン及び硫化水素成分
との接触が多いので、タンニンとの反応により、着色が
行なわれる。
段に係る木材の熱処理方法によれば、木材が、高温のオ
イルに適時間浸漬されると、加熱されるとともに、オイ
ルが浸透するので、木材組織に熱作用及び化学的作用が
及ぼされ、そのため、木材の細胞間にある有縁壁孔に更
に亀裂等が生じて破壊が進むとともに、木材のセルロー
ス,リグニンその他の低分子の多糖類が更に遊離され、
結合水の遊離も進む。そして、このセルロース,リグニ
ンその他の低分子の多糖類が溶出していく。
の手段に係る木材の熱処理方法によれば、木材が、高温
のアルカリ水溶液に適時間浸漬されると、加熱されると
ともに、アルカリ水溶液が浸透するので、木材組織に熱
作用及び化学的作用が及ぼされ、そのため、木材の細胞
間にある有縁壁孔に更に亀裂等が生じて破壊が進むとと
もに、木材のセルロース,リグニンその他の低分子の多
糖類が更に遊離され、結合水の遊離も進む。そして、こ
のセルロース,リグニンその他の低分子の多糖類が溶出
していく。
係る木材の熱処理方法について詳細に説明する。
理方法を示している(→)。これは、以下の工程に
よる。先ず、伐採した針葉樹または広葉樹の生の木材M
を用意する。木材Mは、原木のままあるいは、製材した
もの等、どのような形態であっても良い。
1には、地熱発電所等でも用いられている天然の硫化水
素型蒸気が吹き込まれ、または、天然の硫化水素型温泉
水が入れられている。今、硫化水素型温泉水の例で説明
すると、例えば、図3乃至図5に示すような成分の硫化
水素型温泉水が用いられる。この硫化水素型温泉水は、
硫酸イオン濃度が高く、硫化水素が遊離成分としてあ
る。そして、湯温を、例えば、90〜100℃にして、
上記の木材Mを、適時間(例えば、50時間)浸漬す
る。
に、硫酸イオン及び硫化水素成分が浸透するので、木材
組織に熱作用及び化学的作用が及ぼされ、そのため、木
材の細胞間にある有縁壁孔に亀裂等が生じ、トールスの
弁機構の機能が減退させられ、また、木材のセルロー
ス,リグニンその他の低分子の多糖類が遊離され、これ
により、セルロース,リグニンその他の低分子の多糖類
に吸着されていた結合水が遊離されていく。そして、一
部のセルロース,リグニンその他の低分子の多糖類が温
泉水内に溶出していく。また、木材表面においては、硫
酸イオン及び硫化水素成分との接触が多いので、タンニ
ンとの反応により、着色が行なわれる。特に、樹皮がつ
いた原木では、樹皮のタンニンと硫酸イオン及び硫化水
素成分との反応により生じる着色物質が樹皮下の木質表
面に付着し、該表面が染色される。
げ、その後、樹皮がついた原木においては樹皮をはぎ、
例えば、自然乾燥させる。この場合、木材Mの乾燥は、
先ず、表面の水分が蒸発して表面含水率が内部の含水率
より低くなり、次いで、表面と内部との含水率差によっ
て、内部の水分が拡散作用で表面に移動し蒸発するが、
木材Mは、木材の細胞間にある有縁壁孔のトールスの弁
機構の機能が減退させられ、また、セルロース,リグニ
ンその他の低分子の多糖類に吸着されていた結合水の遊
離が進んでいるので、内部から表面への水分の移動が円
滑に行なわれ、木材内部から水分が出易くなり、そのた
め、乾燥速度が早くなるとともに、木材表面と内部との
含水率差が急激に異なることがないので、木材に内部応
力が発生しにくくなり、そのため、割れや狂いが生じる
事態が防止される。
内で、木材のセルロース,リグニンその他の低分子の多
糖類が遊離し、ある程度温泉水中に溶出しており、ま
た、水分も少なくなることから、組織的にポーラス(多
孔質)な性状に変化したものになる。即ち、割れや狂い
がほとんどなく、表面が着色され、ポーラスで軽い材質
の木材Mになる。
理方法も示している(→→)。これは、以下の工
程による。先ず、上記第一の実施例と同様に、この木材
Mを、硫化水素型温泉水の湯槽1に適時間浸漬する。次
に、湯槽1から引上げて、ある程度乾燥後、植物油等の
オイルの入った加圧タンク2に入れる。加圧タンク2
は、上記の高温の温泉水を熱源として加熱されるととも
に、内部圧が数Kg/cm2 に設定され、これにより、
オイルは、例えば、80〜120℃に設定される。
適時間(例えば50時間)浸漬する。この場合、木材M
は、加熱されるとともに、オイルが浸透するので、木材
組織に熱作用及び化学的作用が及ぼされ、そのため、木
材の細胞間にある有縁壁孔に更に亀裂等が生じて破壊が
進むとともに、木材のセルロース,リグニンその他の低
分子の多糖類が更に遊離され、結合水の遊離も進む。そ
して、このセルロース,リグニンその他の低分子の多糖
類が溶出していく。
し、脱脂処理等した後、例えば、自然乾燥させる。この
場合、木材の乾燥は、先ず、表面の水分が蒸発して表面
含水率が内部の含水率より低くなり、次いで、表面と内
部との含水率差によって、内部の水分が拡散作用で表面
に移動し蒸発するが、木材は、加圧タンク2内でより一
層、木材の細胞間にある有縁壁孔のトールスの弁機構の
機能が減退させられ、また、セルロース,リグニンその
他の低分子の多糖類に吸着されていた結合水の遊離がよ
り一層進んでいるので、内部から表面への水分の移動が
円滑に行なわれ、木材内部から水分が出易くなり、その
ため、乾燥速度が早くなるとともに、木材表面と内部と
の含水率差が急激に異なることがないので、木材に内部
応力が発生しにくくなり、そのため、割れや狂いが生じ
る事態が防止される。
及び加圧タンク2内で、木材のセルロース,リグニンそ
の他の低分子の多糖類が遊離して溶出しており、また、
水分も少なくなることから、組織的にポーラス(多孔
質)な性状に変化したものになる。即ち、上記第一の実
施例よりも一層、割れや狂いがなくなり、ポーラスで軽
い材質の木材Mになる。
材の熱処理方法を示している(→→)。これは、
以下の工程による。この例では、木材Mは、樹皮のつい
た原木を用いる。
木材Mを、硫化水素型温泉水の湯槽1に適時間浸漬す
る。次に、湯槽1から引上げて、樹皮をはぐ。この場
合、樹皮は温泉水によって柔らかくなっているので、剥
離しやすくなり、効率が良い。そして、樹皮をはいだ状
態でそのままあるいは、ある程度乾燥後、数%濃度の苛
性ソーダ(NaOH水溶液)の入った加圧タンク2に入
れる。加圧タンク2は、上記の高温の温泉水を熱源とし
て加熱されるとともに、内部圧が数Kg/cm2 に設定
され、これにより、苛性ソーダは、例えば、80〜12
0℃に設定される。
適時間(例えば50時間)浸漬する。この場合、木材M
は、加熱されるとともに、NaOHが浸透するので、木
材組織に熱作用及び化学的作用が及ぼされ、そのため、
木材の細胞間にある有縁壁孔に更に亀裂等が生じて破壊
が進むとともに、木材のセルロース,リグニンその他の
低分子の多糖類が更に遊離され、結合水の遊離も進む。
そして、このセルロース,リグニンその他の低分子の多
糖類が溶出していく。
し、中和処理等した後、例えば、自然乾燥させる。この
場合、木材Mは、加圧タンク2内でより一層、木材の細
胞間にある有縁壁孔のトールスの弁機構の機能が減退さ
せられ、また、セルロース,リグニンその他の低分子の
多糖類に吸着されていた結合水の遊離がより一層進んで
いるので、内部から表面への水分の移動が円滑に行なわ
れ、木材内部から水分が出易くなり、そのため、乾燥速
度が早くなるとともに、木材表面と内部との含水率差が
急激に異なることがないので、木材に内部応力が発生し
にくくなり、そのため、割れや狂いが生じる事態が防止
される。
及び加圧タンク2内で、木材のセルロース,リグニンそ
の他の低分子の多糖類が遊離して溶出しており、また、
水分も少なくなることから、組織的にポーラス(多孔
質)な性状に変化したものになる。即ち、上記第一の実
施例よりも一層、割れや狂いがなくなり、ポーラスで軽
い材質の木材になる。
験) A−1.実験方法 赤松、から松、杉の針葉樹、ブナ、栗、ナラの広葉樹に
ついて上記温泉水(図3)で処理をおこない、処理後の
重量変化、寸法変化を計測し、木材試料の形態安定性を
検討した。試料は20×20×70mmの二方柾でと
り、500mlのコニカルビーカー内で実験をおこなっ
た。温泉水の条件を一定にするために溶液は湯花で調整
しpH3.0にしてある。また、温泉水の処理効果を検
討するために同一条件で蒸留水でも実験をおこなった。
する効果の他に、後処理工程での加工を有利にさせる膨
潤効果が期待できる。赤松試料の蒸留水および温泉水に
よる重量変化、密度変化の結果を図6に示してある。他
の種類の試料についても略同様の結果が得られた。いず
れの樹種についても処理時間が長いものほど重量減少が
大きく、密度も低下している。重量変化、密度変化とも
に48時間処理までは急激な変化を示しており、その後
の変化量は少ない。これにより、温泉水は硫化水素を主
成分とする酸性溶液となっていることから、重量変化に
おいて、蒸留水に比較して差がありその効果が見られ
た。
樹皮あるいは幹部より抽出されるタンニンと反応して、
独特の色相を木材表面に形成する。特に、杉、から松、
栗は顕著である。温泉水の酸性浴からは、木材繊維のう
ちのリグニン、あるいはヘミセルロースの一部が溶出
し、処理時間が長いものほど重量は軽くなるが、その後
の加工作業を検討した場合、48時間処理が妥当と思わ
れる。
中でそれらの木材を再処理する実験を行った。樹種およ
び試料の大きさは実験Aと同じ条件である。使用したオ
イルはポリエチレングリコール化合体を主成分とする水
溶性高温用熱媒オイルである。48時間温泉水で前処理
された試料を、オイルの入った500mlコニカビーカ
ー内で、120℃、50、130、160、190時間
処理し、重量変化、密度変化を求めた。試料内のオイル
を完全に溶脱するために、後処理後の試料は熱水中で洗
浄しさらにアセントで48時間抽出処理してある。
℃の高温で長時間後処理されるため、木材内部の成分を
さらに溶出する。6種類の試料の重量減少率の結果は図
7に示してある。オイルの処理時間が長くなるにつれ
て、重量減少も大きくなる。なお、実験では、オイルの
溶脱が不十分であったことから、実際は一端重量を増や
してから、しだいに重量を減少させている。
15〜20%が減少しうることが分かった。そして、更
に、温泉水による前処理後さらに試料を高温で処理すべ
くオイルを溶媒とした溶液中で長時間加熱処理すると、
木材繊維の構造をそのままにして、組織の充填物質であ
る結合水、リグニン、あるいはヘミセルロースの一部
が、溶出させられる。高温で処理されるため実際の重量
は減少していると思われるが、オイルが完全に溶脱しき
れていないために、初期段階で試料は見かけ上重くなっ
ている。しかしながら、100時間処理以降はしだいに
重量減少率を高めており、試料が軽くなっていることが
分かる。
ている。木材を処理する三つの高温加圧槽を包む地熱蒸
気槽と、処理槽にオイルを注入する油槽とコンプレッサ
ーの部分からなり、実際の地熱蒸気が得られる場所に装
置を設置し実験を行った。
の高温高圧処理(後処理)、木材の洗浄である。これ
ら一連の工程を実験室での基礎データをもとに実際のプ
ラントに近い状態で実験を行い、実用化に向けた木材加
工装置を具体的に検討する資料とした。実験に供した木
材は、樹皮のついた生材で、実験を行う1週間以内に伐
採されたものである。針葉樹として、赤松、から松、
杉、広葉樹として白樺、ナラ、栗、けやきの7種類を実
験した。処理槽内に温泉水を注入し48時間、常圧で1
00℃の前処理を行った後、樹皮をはがしオイル(植物
性油)を再注入して500、1000時間、2〜3kg
/cm2 の圧力、120℃処理を行った。
の試料の重量をW(0)、前処理後の重量をW(1)、
オイル処理前後の重量をW(2)W(3)、脱オイル処
理後の重量をW(4)、乾燥後の重量をW(5)として
ある。後処理後の試料はそのまま加工槽内で洗浄される
が、完全にオイルを溶脱できない。そこで、各試料の小
片をアセントで脱オイル処理して、乾燥重量のW(5)
との減少率Rを求め係数とし、理論的な重量を推定し
た。
を見てみると、500時間処理の赤松、杉、ナラ、けや
きは50%を割っており初期重量の半分の重量になるこ
とが分かった。1000時間処理ではさらに重量減少が
進んでいる。いずれの樹種についても、500時間処理
の場合よりも重量が減少しており、特に赤松は27%の
重量まで減っている。以上の結果より、木材加工装置で
の連続的な木材処理は重量の減少に関して、きわめて有
効的に機能することが分かった。
効果 この実験加工装置は80cm長の木材を処理する能力が
あるが、今回は40cm長の丸太を2段にして実験を行
った。500〜1000時間というように長時間処理を
行うために、木材からの抽出成分が多く溶媒中にはタン
ニンと硫化水素あるいはFe分との結合による黒い不溶
性物質がかなりの濃度で生じている。それらが最終的に
木材の内部に残留する傾向にあるため、高温高圧処理後
の丸太試料は20〜30%前後の重量減少のみである。
による強制的な抽出工程が明らかに必要であるが、小片
による抽出実験ではかなりのオイルが溶出された。それ
らの値を元に推定した処理材の重量は、処理前と比較し
て40〜70%の減少を示しており、高温高圧処理の有
効性が得られた。
に、温泉水での前処理と組み合わせた方法を検討すべ
く、NaOH処理効果について実験した。試料はすでに
前処理を終えた杉材(18cm径、15cm長)を用
い、1%のNaOH溶液で1〜4週間処理を行い、重量
変化を計測した。実験は木材加工装置の1つの槽を使用
し、120℃、2〜3kg/cm2 の加圧条件で行っ
た。
るが、処理期間と重量減少には相関関係があり、あきら
かにNaOH処理が効果的に機能していることが分かっ
た。
(丸太)の重量変化 E−1.実験方法 温泉水で48時間前処理した丸太材をさらにNaOHで
処理し、重量の経時変化を計測した。試料は樹皮の付い
た杉材(100mm径、600mm長)を用い、80
℃、100℃、2〜3kg/cm2 の加圧条件で、2.
5%NaOH溶液中で1日〜3日処理を行った。実験装
置は(D)の場合と同様のものである。
化率および径方向、長さ方向の変化率については図13
に示してある。各々のデーターから、処理後に急速な乾
燥が始まっていることが分かる。前処理、NaOH処理
の加工温度を変えた試料No.1と2との比較、あるい
はNaOHの処理日数を変えた試料No.1と3とを比
較して、重量変化だけ見た場合、加工温度が高く、Na
OH処理時間の長い物ほど重量減少が大きくなってい
る。
(角材)の重量変化 F−1.実験方法 温泉水で48時間処理した角材をさらにNaOHで処理
し、重量の経時変化を計測した。試料は9.5×60c
mの角材で、芯持ち、芯さりの杉、栗、から松、赤松、
の8種類で、それぞれ3日〜14日処理した。NaOH
の濃度は1%である。
よび径方向、長さ方向の変化率については図15に示し
てある。芯持ち、芯さり材の種類に関わりなくNaOH
処理時間の長い条件のものが重量を減少させており、そ
の結果はEの場合と同様である。
木材の高温加圧処理を補助する上でのNaOH処理は、
木材を短時間で処理するためにも十分検討する必要があ
る。特に、膨潤した木材のヘミセルロースを溶出するた
めには大きな効果が期待できる。低濃度のNaOHで長
時間処理するか、あるいは濃度を高めにして短時間処理
を行うかが問題であるが、本実験においてはNaOH処
理を数日間でとどめる濃度、すなわち1〜3%の濃度で
実験した。処理濃度が高い方が、また長い時間処理した
方が重量減少率も大きく効率もよい。また試料の大きさ
にもよるが、丸太材と角材では、われの発生や加工処理
後の木どりの問題を考慮して、丸太材のほうが有利と思
われた。
液として、苛性ソーダを用いたが必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、他のアルカリ水溶液を用いても良
い。また、上記実施例において、高温のオイルに適時間
浸漬し、その後、高温のアルカリ水溶液に適時間浸漬
し、あるいは、その逆に、高温のアルカリ水溶液に適時
間浸漬し、その後、高温のオイルに適時間浸漬する等、
オイル処理とアルカリ処理を併用しても良く、適宜変更
して差し支えない。
処理方法によれば、木材を、天然の硫化水素型蒸気が吹
き込まれる温湯、または、天然の硫化水素型温泉水で熱
処理することから、木材の細胞間にある有縁壁孔に亀裂
等を生じさせるとともに、木材のセルロース,リグニン
その他の低分子の多糖類を遊離して溶出させることがで
きるので、木材の乾燥において、内部から表面への水分
の移動を円滑に行なわせることができ、そのため、乾燥
速度を早くすることができ、また、木材表面と内部との
含水率差が急激に異なることがないので、木材に内部応
力が発生しにくくなり、そのため、割れや狂いが生じる
事態を防止することができる。
の低分子の多糖類を遊離させて溶出させ、水分も少なく
できることから、木材を組織的にポーラス(多孔質)に
し、軽い材質の性状にすることができ、木材の応用分野
を拡大することができるという効果がある。特に、その
温湯もしくは温泉水が、少なくとも遊離硫化水素を2
1.5mg/Kg含むとともに、90℃〜100℃に加
熱されるので、硫化水素が遊離成分として多く含有する
ことから、また、積極的に90〜100℃に加熱するこ
とから、熱作用及び化学的作用を活発にすることがで
き、そのため、より一層木材のセルロース,リグニンそ
の他の低分子の多糖類を遊離させ易くその溶出効率を向
上させることができ、より一層木材の乾燥において乾燥
速度を早くすることができ、木材に内部応力を発生しに
くくして割れや狂いが生じる事態を防止することができ
るとともに、より一層木材をポーラスにすることができ
る。
の生じない乾燥材として加工し、それらをさらに機能性
特殊材料として高次に加工し高付加価値化を図ることが
できる。また、地熱蒸気や温泉水は、近年は、地熱発電
所、地域暖房温室、栽培、養魚等に利用されているが、
更に、木材の熱処理にも利用することができ、利用範囲
を拡大できるという効果がある。
き込まれる温湯もしくは天然の硫化水素型温泉水に適時
間浸漬し、その後、高温のオイルに適時間浸漬して熱処
理した場合には、高温のオイルによって、更に、加熱さ
れるとともに、オイルが浸透するので、木材の細胞間に
ある有縁壁孔の破壊を促進し、木材のセルロース,リグ
ニンその他の低分子の多糖類の遊離を促進するので、よ
り一層、乾燥速度を早くすることができるとともに、よ
り一層、割れや狂いが少ないポーラスで軽い材質にする
ことができる。
が吹き込まれる温湯もしくは天然の硫化水素型温泉水に
適時間浸漬し、その後、高温のアルカリ水溶液に適時間
浸漬して熱処理した場合には、高温のアルカリ水溶液に
よって、更に、加熱されるとともに、アルカリ水溶液が
浸透するので、木材の細胞間にある有縁壁孔の破壊を促
進し、木材のセルロース,リグニンその他の低分子の多
糖類の遊離を促進するので、より一層、乾燥速度を早く
することができるとともに、より一層、割れや狂いが少
ないポーラスで軽い材質にすることができる。
材の熱処理方法を示す工程図である。
を示す工程図である。
一例を示す図(a)である。
一例を示す図(b)である。
一例を示す図(c)である。
る試料の重量減少率及び密度変化を蒸留水処理との比較
において示すグラフである。
る試料の重量減少率を示すグラフである。
装置の構成を示す図である。
装置によるオイル処理の重量変化を示す図である。
工装置によるオイル処理の重量変化を示す図である。
による試料の重量変化を示すグラフである。
による試料の重量変化を示すグラフである。
による試料の重量及び寸法変化を示す図である。
による試料の重量変化を示すグラフである。
による試料の重量及び寸法変化を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 木材を、天然の硫化水素型蒸気が吹き込
まれ少なくとも遊離硫化水素を21.5mg/Kg含む
とともに90℃〜100℃にした温湯もしくは天然の硫
化水素型温泉水であって少なくとも遊離硫化水素を2
1.5mg/Kg含むとともに90℃〜100℃にした
硫化水素型温泉水に適時間浸漬して熱処理することを特
徴とする木材の熱処理方法。 - 【請求項2】 木材を、天然の硫化水素型蒸気が吹き
込まれ少なくとも遊離硫化水素を21.5mg/Kg含
むとともに90℃〜100℃にした温湯もしくは天然の
硫化水素型温泉水であって少なくとも遊離硫化水素を2
1.5mg/Kg含むとともに90℃〜100℃にした
硫化水素型温泉水に適時間浸漬し、その後、高温のオイ
ルに適時間浸漬して熱処理することを特徴とする木材の
熱処理方法。 - 【請求項3】 木材を、天然の硫化水素型蒸気が吹き込
まれ少なくとも遊離硫化水素を21.5mg/Kg含む
とともに90℃〜100℃にした温湯もしくは天然の硫
化水素型温泉水であって少なくとも遊離硫化水素を2
1.5mg/Kg含むとともに90℃〜100℃にした
硫化水素型温泉水に適時間浸漬し、その後、高温のアル
カリ水溶液に適時間浸漬して熱処理することを特徴とす
る木材の熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24332492A JP3212708B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 木材の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24332492A JP3212708B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 木材の熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0691610A JPH0691610A (ja) | 1994-04-05 |
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