JP3212346B2 - 靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靭性が優れ、かつ低降
伏比で塑性変形能の優れた直接焼入れ型調質高張力鋼
板、水冷型TMCP(Thermo Mechanic
al Control Process)等溶接構造用
鋼板の製造方法に関するものである。
伏比で塑性変形能の優れた直接焼入れ型調質高張力鋼
板、水冷型TMCP(Thermo Mechanic
al Control Process)等溶接構造用
鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、安全性確保の観点から構造物の重
要部材に、靭性が優れ、低い降伏比を具備することが要
望され、特に建築関係では、耐震設計を重要視するよう
になり低い降伏比の鋼材の要求は年々高まる傾向が顕著
に見られる。
要部材に、靭性が優れ、低い降伏比を具備することが要
望され、特に建築関係では、耐震設計を重要視するよう
になり低い降伏比の鋼材の要求は年々高まる傾向が顕著
に見られる。
【0003】鋼材の強度、靭性、加工性等の諸特性はそ
の組織が微細化するほど向上することが一般的な事実と
して広く知られ、鋼材の低温での靭性を向上させるには
結晶粒微細化がきわめて有効で鋼材の組織制御に関し、
各種分野で検討がなされている。
の組織が微細化するほど向上することが一般的な事実と
して広く知られ、鋼材の低温での靭性を向上させるには
結晶粒微細化がきわめて有効で鋼材の組織制御に関し、
各種分野で検討がなされている。
【0004】例えば、制御圧延の例として、フェライト
粒径を微細化する技術として特開昭59−47323号
公報の提案がある。しかしこの圧延方法は低温で加熱
し、未再結晶域で大きな加工を与える方法である。また
従来から鋼材の細粒化には特開昭58−19431号公
報に開示されているように、NiやNb等の合金を使用
している。
粒径を微細化する技術として特開昭59−47323号
公報の提案がある。しかしこの圧延方法は低温で加熱
し、未再結晶域で大きな加工を与える方法である。また
従来から鋼材の細粒化には特開昭58−19431号公
報に開示されているように、NiやNb等の合金を使用
している。
【0005】一方、従来から製造されている調質高張力
鋼板、水冷型TMCP鋼板の溶接構造用鋼板は高い引張
強さを有する一方、軟鋼あるいは焼きならし法による高
張力鋼板(YR=降伏強さ/引張強さ)が80%超と高
く塑性変形能が劣っていた。鋼材を低降伏比化する製造
法としては、例えば特公昭55−52207号公報及び
特開昭59−211528号公報並びに特開昭58−1
20725号公報により提案されている。
鋼板、水冷型TMCP鋼板の溶接構造用鋼板は高い引張
強さを有する一方、軟鋼あるいは焼きならし法による高
張力鋼板(YR=降伏強さ/引張強さ)が80%超と高
く塑性変形能が劣っていた。鋼材を低降伏比化する製造
法としては、例えば特公昭55−52207号公報及び
特開昭59−211528号公報並びに特開昭58−1
20725号公報により提案されている。
【0006】これらの提案は鋼板を再加熱焼入れした後
オーステナイトとフェライトの2相域に再び加熱し、そ
の後空冷する方法及び圧延後オーステナイトとフェライ
トの2相域迄冷却した後、水冷を行なう方法、あるいは
圧延後15℃/秒以下(実施例に示された最高冷却速
度)の比較的遅い速度で冷却する方法である。つまりこ
れ等の提案はいずれも鋼板をフェライト又はマルテンサ
イトの混合組織とすることを特徴とするものである。
オーステナイトとフェライトの2相域に再び加熱し、そ
の後空冷する方法及び圧延後オーステナイトとフェライ
トの2相域迄冷却した後、水冷を行なう方法、あるいは
圧延後15℃/秒以下(実施例に示された最高冷却速
度)の比較的遅い速度で冷却する方法である。つまりこ
れ等の提案はいずれも鋼板をフェライト又はマルテンサ
イトの混合組織とすることを特徴とするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た提案は実用時に次に述べるような問題を内在してお
り、改善が待たれている。結晶粒微細化では特開昭59
−47323号公報の提案のように低温で加熱し、未再
結晶域での加工量を大きくし、かつ制御冷却を必須と
し、圧延後の急冷により微細なフェライト及びマルテン
サイトとする方法は、他のスラブの加熱温度と対象のス
ラブの加熱温度が異なるため、この前後で加熱操業条件
を調整する時間が必要となる。
た提案は実用時に次に述べるような問題を内在してお
り、改善が待たれている。結晶粒微細化では特開昭59
−47323号公報の提案のように低温で加熱し、未再
結晶域での加工量を大きくし、かつ制御冷却を必須と
し、圧延後の急冷により微細なフェライト及びマルテン
サイトとする方法は、他のスラブの加熱温度と対象のス
ラブの加熱温度が異なるため、この前後で加熱操業条件
を調整する時間が必要となる。
【0008】また、加熱効率の大幅な低下が避けられ
ず、更には未再結晶域での加工量を大きくするため、制
御圧延時の温度待ち時間が極めて長くなり、圧延効率の
低下、再加熱、及び制御冷却に伴うコスト上昇を招き、
生産性の向上を追求している現状における問題が多い。
特開昭58−19431号公報に開示されているよう
に、NiやNb等の合金の添加は、鋼材の製造コストを
引き上げるばかりでなく、多量の使用は鋼材の溶接性の
劣化を招き、溶接部の所定の特性を満足できないことに
なる。
ず、更には未再結晶域での加工量を大きくするため、制
御圧延時の温度待ち時間が極めて長くなり、圧延効率の
低下、再加熱、及び制御冷却に伴うコスト上昇を招き、
生産性の向上を追求している現状における問題が多い。
特開昭58−19431号公報に開示されているよう
に、NiやNb等の合金の添加は、鋼材の製造コストを
引き上げるばかりでなく、多量の使用は鋼材の溶接性の
劣化を招き、溶接部の所定の特性を満足できないことに
なる。
【0009】また低降伏比を有する鋼板のつくり込み技
術として、特公昭55−52207号公報の提案は再加
熱処理が必要であり、特開昭59−211528号公報
の提案は鋼板の冷却に待ち時間が必要であり、ともに生
産性が低下するばかりでなく、空冷中に粗大なフェライ
トが析出して靭性の劣化が避けられない。
術として、特公昭55−52207号公報の提案は再加
熱処理が必要であり、特開昭59−211528号公報
の提案は鋼板の冷却に待ち時間が必要であり、ともに生
産性が低下するばかりでなく、空冷中に粗大なフェライ
トが析出して靭性の劣化が避けられない。
【0010】また特開昭58−120725号公報の提
案のごとく、比較的遅い冷却速度15℃/秒以下による
冷却は焼入れによる強度上昇効果が減じられる。本発明
は上記の各問題点を解消して生産性よく経済的に靭性の
優れた低降伏比高張力鋼板を製造する方法を提供するこ
とを課題とするものである。
案のごとく、比較的遅い冷却速度15℃/秒以下による
冷却は焼入れによる強度上昇効果が減じられる。本発明
は上記の各問題点を解消して生産性よく経済的に靭性の
優れた低降伏比高張力鋼板を製造する方法を提供するこ
とを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の要旨は、以下の通り
である。 (1) 重量%で、C:≦0.18%、P:≦0.04
0%、Si:≦0.55%、S:≦0.040%、M
n:≦1.50%を含有し、C+Si/24+Mn/6
+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14で示す炭
素等量を0.44重量%以下とし、残部がFe及び不可
避的成分からなる鋼片を900℃以上1200℃以下に
加熱後、Ar3 点温度以上で終了する圧延中に、スラブ
厚t(mm)と平均冷却速度V(℃/秒)との間の関係が
V>(18/t)0.5 を満足する冷却を、圧延開始から
該圧延終了するまでの間に行ないながら圧延を終了し、
続いて鋼板表面がAr3 点以上の温度から冷却速度5℃
/秒以上で、Ar3 −20℃以下、Ar3 −100℃以
上に予備冷却を行なった後、鋼板表面をAr3 −100
℃以上に一旦復熱させ、再び15℃/秒を超える冷却速
度で600℃以下400℃迄冷却することを特徴とする
靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の製造法。
である。 (1) 重量%で、C:≦0.18%、P:≦0.04
0%、Si:≦0.55%、S:≦0.040%、M
n:≦1.50%を含有し、C+Si/24+Mn/6
+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14で示す炭
素等量を0.44重量%以下とし、残部がFe及び不可
避的成分からなる鋼片を900℃以上1200℃以下に
加熱後、Ar3 点温度以上で終了する圧延中に、スラブ
厚t(mm)と平均冷却速度V(℃/秒)との間の関係が
V>(18/t)0.5 を満足する冷却を、圧延開始から
該圧延終了するまでの間に行ないながら圧延を終了し、
続いて鋼板表面がAr3 点以上の温度から冷却速度5℃
/秒以上で、Ar3 −20℃以下、Ar3 −100℃以
上に予備冷却を行なった後、鋼板表面をAr3 −100
℃以上に一旦復熱させ、再び15℃/秒を超える冷却速
度で600℃以下400℃迄冷却することを特徴とする
靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の製造法。
【0012】(2) 重量%で、C:≦0.18%、
P:≦0.040%、Si:≦0.55%、S:≦0.
040%、Mn:≦1.50%を含有し、C+Si/2
4+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/
14で示す炭素等量を0.44重量%以下とし、残部が
Fe及び不可避的成分からなる鋼片を900℃以上12
00℃以下に加熱後、Ar3 点温度以上で終了する圧延
中に、スラブ厚t(mm)と平均冷却速度V(℃/秒)と
の間の関係がV>(18/t)0.5 を満足する冷却を、
圧延開始から該圧延終了するまでの間に行ないながら圧
延を終了し、続いて鋼板表面がAr3 点以上の温度から
冷却速度5℃/秒以上で、Ar3 −20℃以下、Ar3
−100℃以上に予備冷却を行なった後、鋼板表面をA
r3 −100℃以上に一旦復熱させ、再び15℃/秒を
超える冷却速度で400℃未満に冷却した後、400℃
以上Ac1 点以下で焼戻しをすることを特徴とする靭性
の優れた低降伏比高張力鋼板の製造法。 (3) 鋼成分として、更に重量%で、Cu:≦1.0
%、Ni:≦1.0%、Cr:≦0.5%、Mo:≦
0.5%、V:≦0.1%、Nb:≦0.1%、Ti:
≦0.1%の1種又は2種以上を含有することを特徴と
する前記(1)又は(2)に記載の靭性の優れた低降伏
比高張力鋼板の製造法。 (4) 鋼成分として、更に重量%で、REM:≦0.
1%、Ca:≦0.1%、Mg:≦0.1%の1種又は
2種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれか1項に記載の靭性の優れた低降伏比高
張力鋼板の製造法。
P:≦0.040%、Si:≦0.55%、S:≦0.
040%、Mn:≦1.50%を含有し、C+Si/2
4+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/
14で示す炭素等量を0.44重量%以下とし、残部が
Fe及び不可避的成分からなる鋼片を900℃以上12
00℃以下に加熱後、Ar3 点温度以上で終了する圧延
中に、スラブ厚t(mm)と平均冷却速度V(℃/秒)と
の間の関係がV>(18/t)0.5 を満足する冷却を、
圧延開始から該圧延終了するまでの間に行ないながら圧
延を終了し、続いて鋼板表面がAr3 点以上の温度から
冷却速度5℃/秒以上で、Ar3 −20℃以下、Ar3
−100℃以上に予備冷却を行なった後、鋼板表面をA
r3 −100℃以上に一旦復熱させ、再び15℃/秒を
超える冷却速度で400℃未満に冷却した後、400℃
以上Ac1 点以下で焼戻しをすることを特徴とする靭性
の優れた低降伏比高張力鋼板の製造法。 (3) 鋼成分として、更に重量%で、Cu:≦1.0
%、Ni:≦1.0%、Cr:≦0.5%、Mo:≦
0.5%、V:≦0.1%、Nb:≦0.1%、Ti:
≦0.1%の1種又は2種以上を含有することを特徴と
する前記(1)又は(2)に記載の靭性の優れた低降伏
比高張力鋼板の製造法。 (4) 鋼成分として、更に重量%で、REM:≦0.
1%、Ca:≦0.1%、Mg:≦0.1%の1種又は
2種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれか1項に記載の靭性の優れた低降伏比高
張力鋼板の製造法。
【0013】本発明が対象とする構造用鋼は、鋼板成分
の限定理由及び炭素等量の限定の範囲は、本発明が前記
のごとく既存の溶接構造用鋼板の製造方法を改善するこ
とを目的とし、且つ本発明は全溶接構造用鋼板に適用し
て効果が得られることから、溶接用鋼に所要の成分及び
炭素等量を定めたJIS G3106の定めの範囲とし
た。
の限定理由及び炭素等量の限定の範囲は、本発明が前記
のごとく既存の溶接構造用鋼板の製造方法を改善するこ
とを目的とし、且つ本発明は全溶接構造用鋼板に適用し
て効果が得られることから、溶接用鋼に所要の成分及び
炭素等量を定めたJIS G3106の定めの範囲とし
た。
【0014】尚、本発明が対象とする溶接構造用鋼材の
分野では、上記の他、通常は大入熱溶接時のHAZ靭性
に有害な粒界フェライト、フェライトサイドプレートの
抑制及びBNの析出によるHAZの固溶Nの固定等、H
AZ靭性向上のためにBを添加している。
分野では、上記の他、通常は大入熱溶接時のHAZ靭性
に有害な粒界フェライト、フェライトサイドプレートの
抑制及びBNの析出によるHAZの固溶Nの固定等、H
AZ靭性向上のためにBを添加している。
【0015】しかし多量の添加はFe23(CB)6 の析
出による靭性低下及びフリーBによるHAZの硬化性の
増加を招くので、これらを防止するために0.003%
を上限としている。
出による靭性低下及びフリーBによるHAZの硬化性の
増加を招くので、これらを防止するために0.003%
を上限としている。
【0016】更に母材の強度の上昇、及び母材、HA
Zの各靭性向上の目的で、Cu,Ni,Cr,Mo,
V,Nb,Tiの1種または2種以上、HAZの結晶
粒粗大化防止と母材の異方性の低減を目的としてRE
M,Ca,Mgの1種又は2種以上を用い、現実はと
のいずれか一方又はとの両方を添加している。
Zの各靭性向上の目的で、Cu,Ni,Cr,Mo,
V,Nb,Tiの1種または2種以上、HAZの結晶
粒粗大化防止と母材の異方性の低減を目的としてRE
M,Ca,Mgの1種又は2種以上を用い、現実はと
のいずれか一方又はとの両方を添加している。
【0017】しかしながら群のCuは母材の強度を高
める割りにHAZの硬さ上昇が少ないが、応力除去焼鈍
によりHAZの硬化性が増加するので、この増大を防止
するために1.0%を上限としている。又Niは母材の
強度と靭性及びHAZ靭性を同時に高めるために添加す
るが、焼入れ性の増加によりHAZにおける粒内変態フ
ェライト(以下IFPと称す)の形成が抑制されること
があるので、それを防止するため1.0%の添加量を上
限としている。
める割りにHAZの硬さ上昇が少ないが、応力除去焼鈍
によりHAZの硬化性が増加するので、この増大を防止
するために1.0%を上限としている。又Niは母材の
強度と靭性及びHAZ靭性を同時に高めるために添加す
るが、焼入れ性の増加によりHAZにおける粒内変態フ
ェライト(以下IFPと称す)の形成が抑制されること
があるので、それを防止するため1.0%の添加量を上
限としている。
【0018】更に、Cr,Mo,V,Nb,Tiは焼入
れ性の向上と析出硬化とにより母材強度を高め、母材の
低温靭性を向上するため添加しているが、HAZ靭性及
び硬化性への悪影響を防止するため、それぞれの影響度
に応じてCr,Moは各々0.5%、及びV,Nb,T
iは各々0.1%を上限としている。
れ性の向上と析出硬化とにより母材強度を高め、母材の
低温靭性を向上するため添加しているが、HAZ靭性及
び硬化性への悪影響を防止するため、それぞれの影響度
に応じてCr,Moは各々0.5%、及びV,Nb,T
iは各々0.1%を上限としている。
【0019】又前記したのREM,Ca,Mgは酸化
物、硫化物もしくは酸硫化物を形成し、HAZの結晶粒
粗大化、母材の異方性の軽減を目的に添加されるが、I
FPの生成核となるMnSの形成が困難になる。これを
防止するため、これ等の元素の1種又は2種以上を混合
添加する場合も各々を単独添加する場合も、各々の添加
量は0.1%を上限としている。
物、硫化物もしくは酸硫化物を形成し、HAZの結晶粒
粗大化、母材の異方性の軽減を目的に添加されるが、I
FPの生成核となるMnSの形成が困難になる。これを
防止するため、これ等の元素の1種又は2種以上を混合
添加する場合も各々を単独添加する場合も、各々の添加
量は0.1%を上限としている。
【0020】以上の各合金元素は、本発明においても必
要に応じて同時に添加し同様の作用効果を得ることがで
き、これらの合金元素の添加により本発明により製造さ
れた鋼板は、60kgf/mm2 以上の使用分野においても材
質上の支障は全くない。
要に応じて同時に添加し同様の作用効果を得ることがで
き、これらの合金元素の添加により本発明により製造さ
れた鋼板は、60kgf/mm2 以上の使用分野においても材
質上の支障は全くない。
【0021】また、本発明が対象とする鋼は通常連続鋳
造方法で製造されるので、一般的には不可避的に溶鋼の
脱酸材としてAlが使用され、このAlは溶接構造用鋼
材の母材組織の細粒化、固溶窒素の固定等に兼用されて
おり、その添加量は通常は0.005%を下限とし、鋼
の清浄度の低下防止の観点から0.1%を上限としてい
る。本発明で製造する鋼板も同様に不可避的成分とし
て、この範囲のAlを含有している。
造方法で製造されるので、一般的には不可避的に溶鋼の
脱酸材としてAlが使用され、このAlは溶接構造用鋼
材の母材組織の細粒化、固溶窒素の固定等に兼用されて
おり、その添加量は通常は0.005%を下限とし、鋼
の清浄度の低下防止の観点から0.1%を上限としてい
る。本発明で製造する鋼板も同様に不可避的成分とし
て、この範囲のAlを含有している。
【0022】このようにして製造される鋼片の加熱温度
は、通常のこの種鋼板の加熱条件、即ち圧延中の温度低
下の作業性を考慮して900℃を下限とし、上限はオー
ステナイトの粗大化防止から1200℃を上限としてい
る。
は、通常のこの種鋼板の加熱条件、即ち圧延中の温度低
下の作業性を考慮して900℃を下限とし、上限はオー
ステナイトの粗大化防止から1200℃を上限としてい
る。
【0023】また上記した構造用の鋳片を圧延する際の
圧延の終了温度は、Ar3 点温度未満になると変態した
フェライトが加工されて表層部の靭性が劣化するので、
本発明においては圧延終了温度をAr3 点温度以上とし
た。また予備冷却開始温度は、Ar3 点温度未満から冷
却すると粗大な初析フェライトが析出して低温靭性が向
上しないのでAr3 点以上としている。
圧延の終了温度は、Ar3 点温度未満になると変態した
フェライトが加工されて表層部の靭性が劣化するので、
本発明においては圧延終了温度をAr3 点温度以上とし
た。また予備冷却開始温度は、Ar3 点温度未満から冷
却すると粗大な初析フェライトが析出して低温靭性が向
上しないのでAr3 点以上としている。
【0024】この予備冷却は、短時間に終え速やかに復
熱して鋼板表面温度Ar3 −20℃以下Ar3 −100
℃以上にするために、5℃/秒以上の冷却速度とする。
予備冷却の復熱時間は表面に十分な復熱をもたらすため
に、板厚に応じて決定すればよいが、長時間になると復
熱から一度空冷を経由して加速冷却に入ることとなり、
加速冷却の効果が削減されるので留意が必要である。
熱して鋼板表面温度Ar3 −20℃以下Ar3 −100
℃以上にするために、5℃/秒以上の冷却速度とする。
予備冷却の復熱時間は表面に十分な復熱をもたらすため
に、板厚に応じて決定すればよいが、長時間になると復
熱から一度空冷を経由して加速冷却に入ることとなり、
加速冷却の効果が削減されるので留意が必要である。
【0025】この鋼板を加速冷却するには、圧延終了後
に水、水蒸気、気水混合体等の何れかの冷却剤を使用し
て、冷却速度は図3に明らかなように、冷却速度が15
℃/秒以下では60kgf/mm2 以下に低下するばかりか、
靭性がvTrs−40℃以下に悪化して不足するので1
5℃/秒超で冷却する。
に水、水蒸気、気水混合体等の何れかの冷却剤を使用し
て、冷却速度は図3に明らかなように、冷却速度が15
℃/秒以下では60kgf/mm2 以下に低下するばかりか、
靭性がvTrs−40℃以下に悪化して不足するので1
5℃/秒超で冷却する。
【0026】更に冷却停止温度は、その後の放冷で整粒
オーステナイトから得たフェライト、ベイナイト混合組
織を自動焼戻しに必要な温度範囲として600℃以下4
00℃以上に限定した。600℃超になると自動焼戻し
の温度が高くなり過ぎると強度の低下が大きく、400
℃未満になると降伏比と靭性の悪化が大きい。しかし4
00℃未満に冷却した場合も400℃以上、Ac1 点以
下の温度範囲で焼戻すと強度、靭性・降伏比とも許容範
囲の鋼材が得られる。
オーステナイトから得たフェライト、ベイナイト混合組
織を自動焼戻しに必要な温度範囲として600℃以下4
00℃以上に限定した。600℃超になると自動焼戻し
の温度が高くなり過ぎると強度の低下が大きく、400
℃未満になると降伏比と靭性の悪化が大きい。しかし4
00℃未満に冷却した場合も400℃以上、Ac1 点以
下の温度範囲で焼戻すと強度、靭性・降伏比とも許容範
囲の鋼材が得られる。
【0027】
【作用】本発明者等は、前記従来技術が有する問題を解
決すると共に、本発明の課題を達成するため、一般的な
構造用鋼を代表する供試鋼として実施例の表1に示す鋼
種2を用いて種々実験検討を繰り返した。
決すると共に、本発明の課題を達成するため、一般的な
構造用鋼を代表する供試鋼として実施例の表1に示す鋼
種2を用いて種々実験検討を繰り返した。
【0028】本発明者等は、生産性良く、経済的に母材
靭性を向上する方法を確立するために圧延中の冷却速度
が0.4〜0.5℃/秒と認識されている通常の圧延に
おける鋳片厚みと冷却速度の関係を調査した。この時に
使用した鋳片は、従来の圧延技術では全く活用されてい
ない被圧延材の厚みに対応した冷却速度の実態が判明し
た。その実態をそれぞれ、図1に曲線Aに示す。
靭性を向上する方法を確立するために圧延中の冷却速度
が0.4〜0.5℃/秒と認識されている通常の圧延に
おける鋳片厚みと冷却速度の関係を調査した。この時に
使用した鋳片は、従来の圧延技術では全く活用されてい
ない被圧延材の厚みに対応した冷却速度の実態が判明し
た。その実態をそれぞれ、図1に曲線Aに示す。
【0029】本発明者等は、この実態を活用し、従来技
術に共通する生産性の低下と経済性の悪化の要因となっ
ている鋳片の極端な低温加熱、及び従来行なわれている
圧延温度調整のための滞留、待機、更には低温域での再
加熱圧延等を用いることなく、従来技術で得られていた
ものと同等又はそれ以上の母材靭性を有する鋼板の製造
方法を確立するため、次の2点に着眼し、実験検討を重
ねた。
術に共通する生産性の低下と経済性の悪化の要因となっ
ている鋳片の極端な低温加熱、及び従来行なわれている
圧延温度調整のための滞留、待機、更には低温域での再
加熱圧延等を用いることなく、従来技術で得られていた
ものと同等又はそれ以上の母材靭性を有する鋼板の製造
方法を確立するため、次の2点に着眼し、実験検討を重
ねた。
【0030】圧延中に冷却することによる鋳片滞留時
間の減少、鋼板の結晶粒の粒成長の抑制と微細化の関
係。 と母材靭性の関係。 この実験検討で、母材靭性としてのシャルピー衝撃試験
でのvTrsが−110℃を示した鋼材の再結晶終了か
ら圧延終了までの各厚み別冷却速度をそれぞれ図1に曲
線Bで示す。
間の減少、鋼板の結晶粒の粒成長の抑制と微細化の関
係。 と母材靭性の関係。 この実験検討で、母材靭性としてのシャルピー衝撃試験
でのvTrsが−110℃を示した鋼材の再結晶終了か
ら圧延終了までの各厚み別冷却速度をそれぞれ図1に曲
線Bで示す。
【0031】図1の曲線は鋳片の厚みをtとすると、
(18/t)0.5 で近似できることが判明した。これに
より圧延中に被圧延材が圧延により厚みが変化しても、
冷却速度V(℃/秒)が(18/t)0.5 以上を満足す
ると本発明の課題が達成できることが判明した。図2に
冷却条件t×V2 〔mm・(℃/秒)2 〕と圧延後の鋼板
のt/2母材靭性の関係を示す。
(18/t)0.5 で近似できることが判明した。これに
より圧延中に被圧延材が圧延により厚みが変化しても、
冷却速度V(℃/秒)が(18/t)0.5 以上を満足す
ると本発明の課題が達成できることが判明した。図2に
冷却条件t×V2 〔mm・(℃/秒)2 〕と圧延後の鋼板
のt/2母材靭性の関係を示す。
【0032】図2の製造条件は次の通りである。 加熱温度:1195℃ 仕上温度: 905℃ 鋳片厚 : 210mm 製品厚 : 25mm 供試鋼 :表1の2 焼入れ焼戻し
【0033】また圧延後の冷却速度、冷却停止温度と強
度、靭性及び降伏比の関係をそれぞれ図3,図4に示
す。図3に示すように、本発明における急速冷却するに
は水、水蒸気、気水混合体等の何れの冷却剤を用いて
も、冷却速度が15℃/秒以下では強度が低下するばか
りか、靭性も低下し、15℃/秒超で冷却すると高強
度、良靭性の下に降伏比を発揮する鋼材が製造できるこ
とを知見した。
度、靭性及び降伏比の関係をそれぞれ図3,図4に示
す。図3に示すように、本発明における急速冷却するに
は水、水蒸気、気水混合体等の何れの冷却剤を用いて
も、冷却速度が15℃/秒以下では強度が低下するばか
りか、靭性も低下し、15℃/秒超で冷却すると高強
度、良靭性の下に降伏比を発揮する鋼材が製造できるこ
とを知見した。
【0034】図4に示すように、本発明における冷却停
止温度は、その後の放冷で整粒オーステナイトから得た
フェライト・ベイナイト混合組織を自動焼戻しに必要な
温度範囲として、600℃以下400℃以上とすればよ
く、600℃超では自動焼戻しの温度が高くなり過ぎ強
度低下が大きく、400℃未満では降伏比と靭性が悪化
するが400℃以上、Ac1 点以下の温度で焼戻すと強
度、靭性・降伏比とも許容範囲の鋼材が製造できること
を知得した。
止温度は、その後の放冷で整粒オーステナイトから得た
フェライト・ベイナイト混合組織を自動焼戻しに必要な
温度範囲として、600℃以下400℃以上とすればよ
く、600℃超では自動焼戻しの温度が高くなり過ぎ強
度低下が大きく、400℃未満では降伏比と靭性が悪化
するが400℃以上、Ac1 点以下の温度で焼戻すと強
度、靭性・降伏比とも許容範囲の鋼材が製造できること
を知得した。
【0035】本発明者等は上記した実験・検討の結果、
圧延中のオーステナイト再結晶域で結晶粒の細粒化を行
ない、次の予備冷却過程で特定の冷却速度を用いてAr
3 −20℃以下、Ar3 −100℃以上の範囲に冷却後
該鋼板表面をAr3 −20℃以下、Ar3 −100℃以
上に復熱し、これを15℃/秒以上の冷却速度で400
〜600℃まで冷却するか、400℃未満に冷却したも
のを400℃以上Ac1 点以下の温度で焼戻すと、細粒
フェライト+ベイナイトあるいはマルテンサイトの混合
組織が得られ、強度・靭性・降伏比が許容範囲の鋼材が
製造できることを知得し、本発明の課題が達成できるこ
とを知見したものである。本発明は上記知見をもとに作
成されたものである。
圧延中のオーステナイト再結晶域で結晶粒の細粒化を行
ない、次の予備冷却過程で特定の冷却速度を用いてAr
3 −20℃以下、Ar3 −100℃以上の範囲に冷却後
該鋼板表面をAr3 −20℃以下、Ar3 −100℃以
上に復熱し、これを15℃/秒以上の冷却速度で400
〜600℃まで冷却するか、400℃未満に冷却したも
のを400℃以上Ac1 点以下の温度で焼戻すと、細粒
フェライト+ベイナイトあるいはマルテンサイトの混合
組織が得られ、強度・靭性・降伏比が許容範囲の鋼材が
製造できることを知得し、本発明の課題が達成できるこ
とを知見したものである。本発明は上記知見をもとに作
成されたものである。
【0036】
【実施例】供試鋼(表1)について圧延、冷却、焼戻し
条件(表2)を圧延スケジュール(表3)に基づき実施
した。表1に示す供試鋼は鋼種1〜11が60kgf/mm2
級鋼、鋼種12〜14が70kgf/mm2 級鋼である。また
供試鋼は必要に応じてV,Nb,Ni,Ti,Cu,C
r,Mo等の合金元素を添加したものである。
条件(表2)を圧延スケジュール(表3)に基づき実施
した。表1に示す供試鋼は鋼種1〜11が60kgf/mm2
級鋼、鋼種12〜14が70kgf/mm2 級鋼である。また
供試鋼は必要に応じてV,Nb,Ni,Ti,Cu,C
r,Mo等の合金元素を添加したものである。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】鋼番1〜14は本発明例は何れも再加熱す
ることなく、冷却のための待ち時間も置かず製造したに
もかかわらず、目標とした低降伏比を満足し所要の強度
と靭性を十分に備えた優れた溶接用鋼板が得られた。
ることなく、冷却のための待ち時間も置かず製造したに
もかかわらず、目標とした低降伏比を満足し所要の強度
と靭性を十分に備えた優れた溶接用鋼板が得られた。
【0047】これに対し鋼番15〜28の比較例はそれ
ぞれに問題点があり、前記要望を満たす溶接用構造用鋼
板が得られなかった。即ち、冷却終了温度が600℃を
超えた鋼種15,16は、強度が所要の域に到達しなか
った。予備冷却が5℃/秒未満と遅い鋼番18は、強
度、靭性共に所要レベルに到達せず、予備冷却の終了温
度が適切でない鋼番19は復熱鋼板の表面温度がAr3
−100℃以下となって強度、靭性が十分でなく、該復
熱鋼板の表面がAr3 −20℃以上と高い鋼番20は降
伏比が80%を超え、冷却終了温度が400℃を下回っ
た鋼番21は靭性が不足した。
ぞれに問題点があり、前記要望を満たす溶接用構造用鋼
板が得られなかった。即ち、冷却終了温度が600℃を
超えた鋼種15,16は、強度が所要の域に到達しなか
った。予備冷却が5℃/秒未満と遅い鋼番18は、強
度、靭性共に所要レベルに到達せず、予備冷却の終了温
度が適切でない鋼番19は復熱鋼板の表面温度がAr3
−100℃以下となって強度、靭性が十分でなく、該復
熱鋼板の表面がAr3 −20℃以上と高い鋼番20は降
伏比が80%を超え、冷却終了温度が400℃を下回っ
た鋼番21は靭性が不足した。
【0048】圧延中冷却を実施していない鋼番17〜1
9,21,23〜28は同じ鋼種を使用して製造した本
発明例3〜4,7,9〜14に比べ、靭性が著しく劣化
していた。加熱温度が1300℃と高い鋼番22,28
は靭性が不良で、鋼番28は強度が不良で計画した用途
に使用できず、冷却速度が下限を下回った鋼番23〜2
8は降伏比が80%以下と良好であったが強度・靭性が
所要の域に達しなかった。
9,21,23〜28は同じ鋼種を使用して製造した本
発明例3〜4,7,9〜14に比べ、靭性が著しく劣化
していた。加熱温度が1300℃と高い鋼番22,28
は靭性が不良で、鋼番28は強度が不良で計画した用途
に使用できず、冷却速度が下限を下回った鋼番23〜2
8は降伏比が80%以下と良好であったが強度・靭性が
所要の域に達しなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、圧延中冷却、圧延後の冷却工程の技術条件を限定的
に組み合わせることにより、塑性変形能の優れた80%
以下の低降伏比を示す60kgf/mm2 以上の構造用鋼板を
強度、靭性を損なうことなく、再加熱、冷却待ち等を省
略した高い生産性のもとに円滑に安定して製造すること
を可能としたので、生産性の向上、製造コストの低減等
に多大の効果をもたらす。
に、圧延中冷却、圧延後の冷却工程の技術条件を限定的
に組み合わせることにより、塑性変形能の優れた80%
以下の低降伏比を示す60kgf/mm2 以上の構造用鋼板を
強度、靭性を損なうことなく、再加熱、冷却待ち等を省
略した高い生産性のもとに円滑に安定して製造すること
を可能としたので、生産性の向上、製造コストの低減等
に多大の効果をもたらす。
【図1】板厚と冷却速度の関係を示す図表である。
【図2】冷却条件と母材の靭性の関係を示す図表であ
る。
る。
【図3】冷却速度と鋼板の材質、降伏比の関係を示す図
表である。
表である。
【図4】冷却終了温度と鋼板の材質、降伏比の関係を示
す図表である。
す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 宏 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株 式会社 大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭59−20421(JP,A) 特開 平3−188216(JP,A) 特開 昭63−20413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/00 - 8/10 C22C 38/00 - 38/60
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C :≦0.18%、 P:≦0.040%、 Si:≦0.55%、 S:≦0.040%、 Mn:≦1.50% を含有し、C+Si/24+Mn/6+Ni/40+C
r/5+Mo/4+V/14で示す炭素等量を0.44
重量%以下とし、残部がFe及び不可避的成分からなる
鋼片を900℃以上1200℃以下に加熱後、Ar3 点
温度以上で終了する圧延中に、スラブ厚t(mm)と平均
冷却速度V(℃/秒)との間の関係がV>(18/t)
0.5 を満足する冷却を、圧延開始から該圧延終了するま
での間に行ないながら圧延を終了し、続いて鋼板表面が
Ar3 点以上の温度から冷却速度5℃/秒以上で、Ar
3 −20℃以下、Ar3 −100℃以上に予備冷却を行
なった後、鋼板表面をAr3 −100℃以上に一旦復熱
させ、再び15℃/秒を超える冷却速度で600℃以下
400℃迄冷却することを特徴とする靭性の優れた低降
伏比高張力鋼板の製造法。 - 【請求項2】 重量%で、 C :≦0.18%、 P:≦0.040%、 Si:≦0.55%、 S:≦0.040%、 Mn:≦1.50% を含有し、C+Si/24+Mn/6+Ni/40+C
r/5+Mo/4+V/14で示す炭素等量を0.44
重量%以下とし、残部がFe及び不可避的成分からなる
鋼片を900℃以上1200℃以下に加熱後、Ar 3 点
温度以上で終了する圧延中に、スラブ厚t(mm)と平均
冷却速度V(℃/秒)との間の関係がV>(18/t)
0.5 を満足する冷却を、圧延開始から該圧延終了するま
での間に行ないながら圧延を終了し、続いて鋼板表面が
Ar 3 点以上の温度から冷却速度5℃/秒以上で、Ar
3 −20℃以下、Ar 3 −100℃以上に 予備冷却を行
なった後、鋼板表面をAr3 −100℃以上に一旦復熱
させ、再び15℃/秒を超える冷却速度で400℃未満
に冷却した後、400℃以上Ac1 点以下で焼戻しをす
ることを特徴とする靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の
製造法。 - 【請求項3】 鋼成分として、更に重量%で、 Cu:≦1.0%、 Ni:≦1.0%、 Cr:≦0.5%、 Mo:≦0.5%、 V :≦0.1%、 Nb:≦0.1%、 Ti:≦0.1%の1種又は2種以上を含有することを
特徴とする請求項1又は2に記載の靭性の 優れた低降伏比高張力鋼板の製造法。 - 【請求項4】 鋼成分として、更に重量%で、 REM:≦0.1%、 Ca:≦0.1%、 Mg:≦0.1% の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項
1〜3のいずれか1項に記載の靭性の優れた低降伏比高
張力鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06642092A JP3212346B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06642092A JP3212346B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271761A JPH05271761A (ja) | 1993-10-19 |
JP3212346B2 true JP3212346B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=13315287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06642092A Expired - Fee Related JP3212346B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 靭性の優れた低降伏比高張力鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212346B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-24 JP JP06642092A patent/JP3212346B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH05271761A (ja) | 1993-10-19 |
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