図1の電子デバイス10などの電子デバイスは、電気構成要素及び無線通信回路を備えることができる。無線通信回路は、1つ以上のアンテナを含むことができ、複数の無線通信帯域での無線通信をサポートするために使用することができる。センサなどの電気構成要素は、無線通信回路内のアンテナに重ね合わせることができる。例えば、指紋センサは、指紋センサがアンテナ接地板の延長部分に重ね合わさる位置に搭載することができる。この位置は、指紋センサが指紋をキャプチャするために使用されることを可能にしながら、指紋センサとアンテナとの間の干渉を最小化するのに役立つことができる。
無線通信回路のアンテナとしては、ループアンテナ、逆Fアンテナ、ストリップアンテナ、平板逆Fアンテナ、スロットアンテナ、1種類よりも多くのアンテナ構造体を含む複合アンテナ、又はその他の好適なアンテナを挙げることができる。所望であれば、アンテナ用の導電性構造体は、電子デバイスの導電性構造体から形成することができる。電子デバイスの導電性構造体としては、導電性の筐体構造体を挙げることができる。筐体構造体としては、電子デバイスの周囲に延びる導電性周囲構造体などの周囲構造体を挙げることができる。導電性周囲構造体は、ディスプレイなどの平面構造体用のべゼルとして機能することができ、デバイス筐体用の側壁構造体として機能することができ、一体型平面後部筐体から上方に延びる(例えば、垂直平面側壁又は曲線状の側壁を形成するための)部分を有することができ、及び/又は他の筐体構造体を形成することができる。隙間は、導電性周囲構造体を周囲セグメントに分割する導電性周囲構造体内に形成することができる。セグメントの1つ以上は、電子デバイス10用の1つ以上のアンテナを形成するのに使用することができる。アンテナはまた、金属中央平面筐体構造体及び他の内部デバイス構造体などの導電性筐体構造体から形成されたアンテナ接地板を使用して形成することができる。筐体後壁部構造体は、アンテナ接地などのアンテナ構造体を形成するのに使用することができる。
電子デバイス10は、ポータブル電子デバイス又はその他の好適な電子デバイスであってもよい。例えば、電子デバイス10は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、腕時計型デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型デバイス、イヤホン型デバイス、又は他の着用可能若しくはミニチュアデバイスなどの幾分小さめのデバイス、セルラー電話機、メディアプレーヤ、又は他の小さなポータブルデバイスなどのハンドヘルドデバイスであってもよい。デバイス10はまた、テレビ、セットトップボックス、デスクトップコンピュータ、コンピュータを内蔵するコンピュータ用モニター、又はその他の好適な電子デバイスであってもよい。
デバイス10は、筐体12などの筐体を含むことができる。ケースと呼ばれることもある筐体12は、プラスチック、ガラス、セラミック、繊維複合体、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウムなど)、その他の好適な材料、又はこれらの材料の組み合わせで形成することができる。一部の状況では、筐体12の一部は、誘電体又は他の低導電性材料から形成することができる。他の状況では筐体12、又は筐体12を構成する構造体の少なくとも一部は、金属要素から形成することができる。
所望であれば、デバイス10はディスプレイ14などのディスプレイを有することができる。筐体12の背面は、平面筐体壁を有することができる。筐体後壁部は、プラスチック又は他の誘電体で充填された隙間により第1及び第2の部分に分離することができる。導電性構造体は、第1及び第2の部分を電気的に一体に結合することができる。ディスプレイ14は、筐体後壁部と対向するデバイス10の前面上に搭載することができる。ディスプレイ14は、容量性タッチ電極を組み込んだタッチスクリーンであってもよく、又はタッチに反応しなくてもよい。
ディスプレイ14は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、エレクトロウェッティングピクセル、電気泳動ピクセル、液晶ディスプレイ(LCD)構成要素、又はその他の好適な画像ピクセル構造体から形成される、画像ピクセルを含むことができる。ディスプレイ14の表面は、透明なガラス又はプラスチックの層などのディスプレイカバー層で覆うことができる。ボタン24などのボタンがカバー層内の開口部を貫通することができる。カバー層はまた、スピーカポート26用の開口部などの他の開口部を有することもできる。
筐体12は、構造体16などの周囲筐体構造体を含んでもよい。構造体16は、デバイス10及びディスプレイ14の周りに延びることができる。デバイス10及びディスプレイ14が4つの縁部を有する矩形形状を有する構成において、構造体16は、4つの対応する縁部を有する矩形環形状を有する周囲筐体構造体を使用して具現化されてもよい(例として)。周囲構造体16又は周囲構造体16の一部は、ディスプレイ14用のベゼル(例えば、ディスプレイ14の4辺全てを囲み、及び/又はディスプレイ14をデバイス10に保持する上で役立つ装飾用トリム)として機能することができる。所望ならば、周囲構造体16はまた、(例えば、垂直側壁、曲線状の側壁などを有する金属バンドなどを形成することにより)デバイス10用の側壁構造体も形成してもよい。
周囲筐体構造体16は、金属などの導電性材料から形成される場合があるため、(例として)、導電性周囲筐体構造体、導電性筐体構造体、周囲金属構造体、又は導電性周囲筐体部材と称される場合がある。周囲筐体構造体16は、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属、又はその他の好適な材料から形成されてもよい。周囲筐体構造体16を形成するにあたって、1つ、2つ、又は2つよりも多くの分離した構造体を使用してもよい。
周囲筐体構造体16が均一な断面を有する必要はない。例えば、所望であれば、周囲筐体構造体16の上部部分が、ディスプレイ14を適所に保持する上で役立つ内向きに突出したリップを有してもよい。周囲筐体構造体16の下部部分もまた、拡大されたリップを(例えば、デバイス10の背面の平面内に)有してもよい。周囲筐体構造体16は、実質的に直線の垂直側壁を有することができ、曲線状の側壁を有することができ、又は他の好適な形状を有することができる。幾つかの構成(例えば、周囲筐体構造体16がディスプレイ14のベゼルとして機能する場合)においては、周囲筐体構造体16が筐体12のリップの周りに延びてもよい(即ち、周囲筐体構造体16が筐体12の側壁の後縁部は覆わずに、筐体12のディスプレイ14を囲む縁部のみを覆ってもよい)。
所望であれば、筐体12は導電性背面を有してもよい。例えば、筐体12は、ステンレス鋼又はアルミニウムなどの金属から形成されてもよい。筐体12の背面は、ディスプレイ14に対して平行な平面内にある場合がある。筐体12の背面が金属から形成されているデバイス10の構成においては、導電性周囲筐体構造体16の部分を、筐体12の背面を形成する筐体構造体の一体的部分として形成することが望ましい場合がある。例えば、デバイス10の筐体後壁部は、平面金属構造体から形成されてもよく、筐体12の側面上の周囲筐体構造体16の部分は、平面金属構造体の垂直に延びる一体的金属部分として形成されてもよい。これらなどの筐体構造体は、所望であれば、金属のブロックから機械加工することができ、及び/又は筐体12を形成するために一体に組み立てられる複数の金属片を含むことができる。筐体12の平面後部壁は、1つ以上、2つ以上、又は3つ以上の部分を有することができる。
ディスプレイ14は、容量性電極のアレイ、ピクセル要素をアドレス指定するための導電線、駆動回路などの導電性構造体を含んでもよい。筐体12は、金属フレーム部材、筐体12の壁部に広がる(中央平面と呼ぶこともある)平面筐体部材(即ち、部材16の対辺間を溶接ないしは別の方法で接続されている1つ以上の部分から形成されたほぼ矩形のシート)、プリント回路基板、及びその他の導電性の内部構造体などの内部構造体を含んでもよい。デバイス10内の接地板を形成するのに使用することができる、これらの導電性構造体は、ディスプレイ14のアクティブエリアAA(例えば、画像を表示するためのディスプレイモジュールを含むディスプレイ14の部分)の下方の筐体12の中央に配置することができる。
領域22及び20内においては、デバイス10の導電性構造体の内部(例えば、導電性筐体中央平面、又は筐体後壁部構造体、プリント回路基板、並びにディスプレイ14及びデバイス10内の導電性電気構成要素などの導電性周囲筐体構造体16と対向する導電性接地構造体との間)に開口部が形成される場合がある。隙間と呼ぶこともあるこれらの開口部は、空気、プラスチック、及び他の誘電体で充填される場合がある。
中央平面、プリント回路基板上のトレース、ディスプレイ14及び導電性電気構成要素などの、デバイス10内の導電性筐体構造体及び他の導電性構造体は、デバイス10内のアンテナ用の接地板として機能することができる。領域20及び22内の開口部は、オープンスロットアンテナ若しくはクローズドスロットアンテナ内のスロットとして機能することができ、ループアンテナ内の材料のうちの誘電経路によって囲まれた中央の誘電体領域として機能することができ、ストリップアンテナ共振素子若しくは逆Fアンテナ共振素子などのンテナ共振素子を接地板から分離するスペースとして機能することができ、無給電アンテナ共振素子の性能に寄与することができ、又は領域20及び22内に形成されたアンテナ構造体の一部として別の機能を果たすことができる。所望であれば、ディスプレイ14のアクティブエリアAAの下方の接地板及び/又はデバイス10内の他の金属構造体は、デバイス10の端部の部分内に延びる部分を有することができる(例えば、接地は、領域20及び22内の誘電体で充填された開口部に向けて延びることができる)。
デバイス10は、一般的に任意の好適な数(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上など)のアンテナを含むことができる。デバイス10内のアンテナは、細長いデバイス筐体の対向する第1及び第2の端部に(例えば、図1のデバイス10の端部20及び22に)、デバイス筐体の1つ以上の縁部に沿って、デバイス筐体の中央に、その他の好適な場所に、又はこれらの場所のうちの1つ以上の場所に配置することができる。図1の構成は、単なる例示である。
周囲筐体構造体16の部分には隙間構造体を設けることができる。例えば、周囲筐体構造体16に、図1に示すように隙間18などの1つ以上の隙間を設けることができる。周囲筐体構造体16におけるこの隙間は、ポリマー、セラミック、ガラス、空気、その他の誘電材料などの誘電体、又はこれらの材料の組み合わせで充填することができる。隙間18は、周囲筐体構造体16を1つ以上の導電性周囲セグメントに分割することができる。例えば、周囲筐体構造体16に、2つの導電性周囲セグメント(例えば、2箇所の隙間を有する構成)、3つの導電性周囲セグメント(例えば、3箇所の隙間を有する構成)、4つの導電性周囲セグメント(例えば、4箇所の隙間を有する構成など)があってもよい。このようにして形成される導電性周囲筐体構造体16のセグメントは、デバイス10内のアンテナの部分を形成することができる。所望であれば、隙間は、筐体12の後部壁の幅を横切ってて延びることができ、後部壁を異なる部分に分割するように筐体12の後部壁を貫通して貫入することができる。ポリマー又は他の誘電体で、これらの筐体の隙間(溝)を充填することができる。
一般的なシナリオでは、デバイス10は(例として)上部アンテナ及び下部アンテナを有することができる。上部アンテナは、例えば、領域22内においてデバイス10の上端に形成することができる。下部アンテナは、例えば、領域20内においてデバイス10の下端に形成することができる。これらのアンテナは、同一の通信帯域、重なり合う通信帯域、又は分離した通信帯域をカバーするために別々に使用することができる。これらのアンテナは、アンテナダイバーシティ方式又は多重入出力(MIMO)アンテナ方式を実施するために使用することができる。
デバイス10のアンテナは、対象とする任意の通信帯域に対応するために使用することができる。例えば、デバイス10は、ローカルエリアネットワーク通信、音声及びデータ用セルラー電話通信、全地球測位システム(GPS)通信又はその他の衛星航法システムによる通信、Bluetooth(登録商標)通信などに対応するアンテナ構造体を含むことができる。
図1のデバイス10内に使用することができる例示的な構成要素を示す概略図を、図2に示す。図2に示すように、デバイス10は、記憶及び処理回路28などの制御回路を含み得る。記憶及び処理回路28は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するように構成された他の電気的にプログラムできる読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含む場合がある。記憶及び処理回路28内の処理回路は、デバイス10の動作を制御する目的で使用される場合がある。この処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
記憶及び処理回路28は、インターネットブラウジングアプリケーション、ボイスオーバー・インターネット・プロトコル(VOIP)通話アプリケーション、電子メールアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能などのソフトウェアをデバイス10上で走らせる目的で使用される場合がある。外部デバイスとの相互作用をサポートするために、通信プロトコルを実施する際に記憶及び処理回路28が使用される場合がある。記憶及び処理回路28を使用して実施できる通信プロトコルとしては、インターネットプロトコル、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えばIEEE802.11プロトコル(WiFi(登録商標)と呼ぶこともある))、Bluetooth(登録商標)プロトコルなどのその他の近距離無線通信リンク用プロトコル、セルラー電話プロトコル、MIMOプロトコル、アンテナダイバーシティプロトコルなどが挙げられる。
入出力回路30は、入出力デバイス32を含むことができる。入出力デバイス32は、デバイス10にデータを供給することを可能にし、デバイス10から外部デバイスにデータを供給することを可能にする目的で使用され得る。入出力デバイス32は、ユーザインタフェースデバイス、データポートデバイス、及び他の入出力構成要素を含んでもよい。例えば、入出力デバイスとしては、タッチスクリーン、タッチセンサ機能を持たないディスプレイ、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、カメラ、ボタン、スピーカ、状態インジケータ、光源、オーディオジャック及び他のオーディオポート構成要素、デジタルデータポートデバイス、光センサ、動きセンサ(加速度計)、容量センサ、近接センサ、指紋センサ(例えば、図1のボタン24などのボタンと一体化された指紋センサ)を挙げることができる。
入出力回路30は、外部装置と無線で通信するための無線通信回路34を含み得る。無線通信回路34は、1つ以上の集積回路から形成される高周波(RF)送受信機回路、電力増幅回路、低雑音入力増幅器、パッシブRF構成要素、1つ以上のアンテナ、送信ライン、及びRF無線信号を処理するための他の回路を含み得る。無線信号はまた、光線を使用して(例えば、赤外線通信を使用して)送信することもできる。
無線通信回路34は、様々な高周波通信帯域を扱うための高周波送受信機回路90を含み得る。例えば、回路34は、送受信機回路36、38、及び42を含むことができる。送受信機回路36は、WiFi(登録商標)(IEEE802.11)通信用の2.4GHz及び5HGzの帯域を処理することができ、2.4GHzのBluetooth(登録商標)通信帯域を処理することができる。回路34はまた、700〜960MHzの低通信帯域、1710〜2170MHzの中間帯域、及び2300〜2700MHzの高帯域、又は700MHz〜2700MHz若しくは他の好適な周波数間の他の通信帯域などの周波数範囲での無線通信を処理するための、セルラー電話送受信機回路38を使用することができる(例として)。回路38は、音声データ及び非音声データを処理してもよい。所望であれば、無線通信回路34は、その他の近距離及び遠距離無線リンク用の回路を含むことができる。例えば、無線通信回路34は、60GHzの送受信機回路、テレビ及びラジオの信号を受信するための回路、ページングシステムの送受信機、近距離通信(near field communications)(NFC)回路などを含むことができる。無線通信回路34は、1575MHzでのGPS信号を受信するため又は他の衛星測位データを処理するためのGPS受信機回路42などの全地球測位システム(GPS)受信機装置を含むことができる。WiFi(登録商標)リンク及びBluetooth(登録商標)リンク並びにその他の近距離無線リンクでは、数十フィートから数百フィートにわたってデータを伝達する目的で無線信号が使用されるのが典型的である。セルラー電話リンク及び他の遠距離リンクでは、数千フィート又は数マイルにわたってデータを伝達する目的で無線信号が使用されるのが典型的である。
無線通信回路34は、アンテナ40を含むことができる。任意の好適な種類のアンテナを使用してアンテナ40を形成することができる。例えば、アンテナ40としては、ループアンテナ構造体、パッチアンテナ構造体、逆Fアンテナ構造体、スロットアンテナ構造体、平板逆Fアンテナ構造体、ヘリカルアンテナ構造体、これらの設計の混成などから形成される共振素子を有するアンテナを挙げることができる。異なる帯域及び帯域の組み合わせに対して異なる種類のアンテナを使用することもできる。例えば、1種類のアンテナがローカル無線リンクアンテナの形成に使用されてもよく、別の種類のアンテナがリモート無線リンクアンテナの形成に使用されてもよい。
図3に示すように、無線回路34内の送受信機回路90は、経路92などの経路を使用してアンテナ構造体40に結合することができる。無線回路34は、制御回路28に結合することができる。制御回路28は、入出力デバイス32に結合することができる。入出力デバイス32は、デバイス10からの出力を供給することができ、デバイス10の外部のソースからの入力を受信することができる。
アンテナ(単数又は複数)40などのアンテナ構造体に対象とする通信周波数をカバーする能力を備えるために、アンテナ(単数又は複数)40は、フィルタ回路(例えば、1つ以上のパッシブフィルタ及び/又は1つ以上の同調フィルタ回路)などの回路を備えることができる。コンデンサ、インダクタ、及び抵抗器などの個別部品を、フィルタ回路内に組み込むことができる。コンデンサ構造体、インダクタ構造体、及び抵抗構造体はまた、パターニングした金属構造体(例えば、アンテナの一部)から形成することもできる。所望であれば、アンテナ(単数又は複数)40は、アンテナを対象とする通信帯域にわたって同調するために、同調可能な構成要素102などの調節可能な回路を備えることができる。同調可能な構成要素102は、同調フィルタ又は同調可能なインピーダンス整合ネットワークの一部とすることができ、アンテナ共振素子の一部とすることができ、アンテナ共振素子とアンテナ接地との間の隙間にわたることなどができる。同調可能な構成要素102としては、同調可能なインダクタ、同調可能なコンデンサ、又は他の同調可能な構成要素を挙げることができる。これらなどの同調可能な構成要素は、固定された構成要素のスイッチ及びネットワーク、関連付けられた分散型のキャパシタンス及びインダクタンスを生成する分散型の金属構造体、可変なキャパシタンス及びインダクタンス値を生成するための可変半導体デバイス、同調フィルタ、又は他の好適な同調可能な構造体に基づくことができる。デバイス10の動作中に、制御回路28は、経路93などの1つ以上の経路上に、インダクタンス値、キャパシタンス値、又は同調可能な構成要素102に関連付けられた他のパラメータを調整する制御信号を送信することができ、それにより、所望の通信帯域をカバーするようにアンテナ構造体40を同調することができる。
経路92は1つ以上の送信ラインを含んでもよい。一実施例として、図3の信号経路92は、ライン94などの正の信号導体及びライン96などの接地信号導体を有する送信ラインであってもよい。ライン94及び96は、(例として)同軸ケーブル又はマイクロストリップ送信ラインの一部を形成してもよい。インダクタ、抵抗器、及びコンデンサなどの構成要素から形成される整合ネットワークが、アンテナ(単数又は複数)40のインピーダンスを送信ライン92のインピーダンスと整合するのに使用されてもよい。整合ネットワーク構成要素は、個別部品(例えば、表面実装技術部品)として設けてもよく、又は、筐体構造体、プリント回路基板構造体、プラスチック支持体上の配線などから形成してもよい。これらなどの構成要素はまた、アンテナ(単数又は複数)40内のフィルタ回路を形成するのに使用してもよく、同調可能な及び/又は固定された構成要素としてもよい。
送信ライン92は、アンテナ構造体40と関連付けられたアンテナフィード構造体に連結され得る。一実施例として、アンテナ構造体40は、逆Fアンテナ、スロットアンテナ、複合逆Fスロットアンテナ、又は、端子98などの正のアンテナフィード端子及び接地アンテナフィード端子100などの接地アンテナフィード端子を有するアンテナフィードを有する他のアンテナを形成してもよい。正の送信ライン導電体94は、正のアンテナフィード端子98に結合されてもよく、接地送信ライン導電体96は、接地アンテナフィード端子92に結合されてもよい。所望であれば、他の種類のアンテナフィード配置構成が使用されてもよい。図3の例示的な給電構成は、単なる例示にすぎない。
カプラ95などの指向性カプラを、送信ライン経路92内に介挿することができる。制御回路28及び送受信機回路90は、指向性カプラ95を使用して、アンテナ40(又はアンテナ40の一部)のインピーダンスに関する位相及び大きさの情報を収集することができる。アンテナ40のインピーダンスに関するリアルタイムの情報を収集するためにカプラ95又は他の回路を使用することにより、制御回路28は、アンテナ40が外部のオブジェクトにより負荷を加えられている場合(例えば、ユーザの手がアンテナ40の近傍にあり、それゆえアンテナ40のインピーダンスに影響を与えている場合)を判定することができる。ユーザの手又は他の外部のオブジェクトがアンテナ40に隣接していることを検出したことに応じて、制御回路28は、補正アクションを取ることができる。例えば、制御回路28は、アンテナ40が所望のように動作することを確実にするために、調節可能なインダクタ又は他の同調可能な構成要素102を調整することができる。所望であれば、制御回路28は、アンテナ40が近隣の外部のオブジェクトの存在により影響を受けている場合を判定するのに、近接センサ(例えば、図2のセンサ32を参照)からの情報、受信した信号強度の情報、又は他の情報を使用することができる。指向性カプラ95からのアンテナフィードバックの使用は、単なる例示である。
図4は、デバイス10用のアンテナ40を実装するのに使用することができる例示的な逆Fアンテナ構造体の図である。図4の逆Fアンテナ40は、アンテナ共振素子106及びアンテナ接地(接地板)104を有する。アンテナ共振素子106は、アーム108などの主共振素子アームを有することができる。アーム108及び/又はアーム108の一部分の長さは、アンテナ40が所望の動作周波数で共振するように選択することができる。例えば、アーム108の長さは、アンテナ40用の所望の動作周波数での波長の4分の1とすることができる。アンテナ40はまた、高調波周波数でも共振を呈することができる。
主共振素子アーム108は、復帰経路110により接地104に結合することができる。アンテナフィード112は、正のアンテナフィード端子98及び接地アンテナフィード端子100を含むことができ、アーム108と接地104との間の復帰経路110と並列に延びることができる。所望であれば、図4の例示的なアンテナ40などの逆Fアンテナは、1つより多くの共振アーム枝を有することができる(例えば、複数の通信帯域内での動作をサポートするように複数の周波数共振を生成するために)、又は他のアンテナ構造体(例えば、無給電アンテナ共振素子、アンテナ同調をサポートするための同調可能な構成要素など)を有することができる。例えば、アーム108は、フィード112及び復帰経路110から外側に延びる左及び右の枝を有することができる。
アンテナ40は、スロットアンテナ共振素子を含むことができる。図5に示すように、例えば、アンテナ40は、アンテナ接地104内に形成されたスロット114などの開口部を有するスロットアンテナとすることができる。スロット114は、空気、プラスチック、及び/又はその他の誘電体で充填することができる。スロット114の形状は、直線とすることができる、又は1つ以上の湾曲部を有することができる(すなわち、スロット114は、蛇行した経路に続く細長い形状を有することができる)。アンテナ40用のアンテナフィードは、正のアンテナフィード端子98及び接地アンテナフィード端子100を含むことができる。フィード端子98及び100は、例えば、スロット114の対向する側の上(例えば、対向する長い側面上)に配置することができる。図5のスロットアンテナ共振素子114などのスロットベースのアンテナ共振素子は、アンテナ信号の波長がスロットの周辺部に等しい周波数でのアンテナ共振を発生させることができる。狭いスロットでは、スロットアンテナ共振素子の共振周波数は、スロットの長さが波長の半分に等しい信号周波数に関連付けられる。スロットアンテナの周波数応答は、同調可能なインダクタ又は同調可能なコンデンサなどの、1つ以上の同調可能な構成要素を使用して同調することができる。これらの構成要素は、スロットの対向する側に結合された端子を有することができる(すなわち、同調可能な構成要素は、スロットを橋絡することができる)。所望であれば、同調可能な構成要素は、スロット114の側面の1つの長さに沿った対応する位置に結合された端子を有することができる。これらの構成の組み合わせもまた、使用することができる。
所望であれば、アンテナ40は、筐体12の一部分などの導電性デバイス構造体を組み込むことができる。一実施例として、導電性周囲構造体16は、図6のセグメント16B及び16Eなどの複数の部分を含むことができる。導電性周囲構造体16Eは、アンテナ接地板104の左及び右の縁部に沿って延びる導電性構造体とすることができる(例えば、筐体12の背面とは分離した、又は筐体12の後部壁から上方に延びる筐体12の一体化部分である筐体側壁)。接地板104は、金属筐体中央平面部材、金属筐体後壁部、ディスプレイ14の導電性部分、又は他の導電性アンテナ接地構造体の一部分により形成することができる。導電性周囲構造体16Bは、デバイス10の縁部(例えば、図6の実施例のデバイス10の下側周囲縁部)に沿って延びることができ、デバイス10の左及び右の縁部の区域に沿って延びるより短い部分を有することができる。
デバイス10の周囲に沿って、構造体16B及び16Eは、隙間18などの隙間により分離することができる。隙間18は、ポリマーなどの誘電体で充填することができる。接地板104は、構造体16Bと接地板104の残りの部分(すなわち、ディスプレイ14、金属筐体中央平面、及び/又は筐体12の平面後部壁の中央部分から形成された接地の一部分)との間のスペースに延びる延長部分104Eなどの延長部分を有することができる。
図6の実施例では、アンテナ40は、デバイス10の下側端部20に形成されている。これは単なる例示にすぎない。図6のアンテナ40などのアンテナは、デバイス10の対向する端部に形成することができ、又は異なるアンテナを、デバイス10のそれぞれの端部に形成することができる。デバイス10用の2つより多いアンテナを有する構成もまた、使用することができる。
アンテナ40は、スロット部分及び逆Fアンテナ部分の両方を有する複合逆Fスロットアンテナなどの複合アンテナとすることができる。接地104(接地板延長部分104Eを含む)は、アンテナ40用のアンテナ接地を形成することができる。図6のアンテナ40のスロット部分は、導電性周囲構造体16Bと接地104の接地板延長部分104Eとの間のスロット114から形成することができる。スロット114は、図6に示すようなC形状を有することができる(すなわち、スロット114は、デバイス10及び筐体12の周囲縁部に沿って延びるC形状のスロットとすることができる)、又は湾曲部を有する他のスロット形状を有することができる。所望であれば、湾曲部を有さない直線のスロットもまた、アンテナ40を形成するのに使用することができる。図6のアンテナ40の逆F部分は、導電性周囲構造体16B及び接地104(接地板延長部分104E)などの逆F共振素子から形成することができる。
プリント回路若しくはプラスチックキャリア上の金属又は金属トレースのストリップなどの導電経路は、アンテナ40の逆F部分用の復帰経路110を形成することができる。復帰経路110は、構造体16Bと接地104との間にフィード112と並列に結合することができる。アンテナ同調は、同調回路(例えば、アンテナフィード112内のフィード端子98及び100でアンテナ40に結合された同調可能なインピーダンス整合回路又は他の回路)により、及び/又は調節可能なインダクタ120などの同調可能な構成要素により提供することができる。調節可能なインダクタ120は、スロット開口部114により形成された誘電体の隙間にわたることができ、構造体16Bと接地延長部分104Eとの間にフィード112と並列に結合することができる。調節可能なインダクタ120は、アンテナ40の低通信帯域に関連付けられた周波数を同調するように調整することができ、又はアンテナ40用の他のアンテナ同調調整を行うために使用することができる。隙間18に関連付けられたキャパシタンスがあることがある。所望であれば、隙間18に関連付けられたキャパシタンスの影響を打ち消すために、固定又は同調可能なインダクタを隙間18を横切って結合することができる。
図4の逆Fアンテナ共振素子106の共振素子アーム108に関連して説明したように、導電性周囲筐体構造体16Bは、対象とする1つ以上の通信帯域をカバーする逆Fアンテナ共振素子を形成することができる。一実施例として、導電性周囲筐体構造体16Bは、低通信帯域(例えば、700MHz〜960MHzの周波数又は他の周波数範囲をカバーする帯域)での共振をサポートする図6の部分LBなどの第1の部分を有することができ、中間周波数(「中間帯域」)の通信帯域(例えば、1710MHz〜2170MHzの周波数又は他の周波数範囲をカバーする帯域)での共振をサポートする図6の部分MBなどの第2の部分を有することができる。スロット114は、高通信帯域(例えば、2300MHz〜2700MHzの周波数又は他の周波数範囲をカバーする帯域)での共振をサポートするスロット共振素子として機能することができる。低帯域、中間帯域、及び高帯域は、700MHzと2700MHzとの間の周波数範囲又は他の好適な周波数範囲内に位置することができる。所望であれば、他の逆Fスロット複合アンテナの構成を使用することができる。複合アンテナの逆F部分が低帯域及び中間帯域の通信帯域をサポートし、スロットアンテナ共振素子が高帯域での通信をサポートする図6の実施例は、単なる例示である。
送信ライン92は、50Ωのインピーダンス又は他の好適なインピーダンスを有することができる。アンテナ40のインピーダンスを送信ライン92のインピーダンスに整合するのに役立ち、それにより、アンテナ性能を強化するために、デバイス10は、インピーダンス整合回路を備えることができる。例えば、図7の整合回路138などのインピーダンス整合回路は、正のアンテナフィード端子98と接地アンテナフィード端子100との間に結合することができる。接地端子136は、接地104(例えば、延長部分104E)に結合することができる。整合回路126は、インダクタ、コンデンサ、及び抵抗器などの、インピーダンス整合ネットワークを形成する1つ以上の構成要素を含むことができる。整合回路126は、端子98と100との間に結合することができる。図6に示すようにスロット114を横切って結合することができる同調可能なインダクタ120(図6)は、スイッチング回路128並びにインダクタ130、132、及び134などのインダクタを使用して実装することができる。インダクタ130、132、及び134は、異なる値を有することができ、又はこれらのインダクタの2つ以上は、同じ値を有することができる。スイッチング回路128は、調節可能なインダクタ120の全体のインダクタンスを調整するために、インダクタの1つ以上を使用状態に切換えることができる。例えば、制御回路28は、アンテナ40が所望の通信帯域をカバーすることができるようにインダクタ120のインダクタンスを調整する(例えば、インダクタ120を低帯域を同調するように調整することができる)ために、スイッチング回路128を調整することができる。
スイッチング回路(スイッチ)124及びインダクタ122は、直列に接続することができ、アンテナ40に(例えば、フィード端子又は他の位置に)結合することができる。一実施例として、スイッチ124及びインダクタ122は、隙間18のうちの1つを横切って結合することができる(又は複数のそのような切換可能なインダクタを設けることができる)。スイッチ124は、制御回路28により制御することができ、アンテナ40の近傍に(例えば、隙間(単数又は複数)18の近傍に)外部のオブジェクトが存在するときに起こり得るアンテナの離調を補償するように、インダクタ122を使用状態及び非使用状態に切換えるために使用することができる。アンテナ40に隣接する手又は他の外部のオブジェクトが存在しない動作中に、スイッチ124は、閉じることができ、インダクタ122は、使用状態に切換ることができる。ユーザの手又は他の外部のオブジェクトが隙間(単数又は複数)18の近傍に(すなわち、アンテナ40に隣接して)存在する場合、隙間(単数又は複数)18のキャパシタンスは、上昇することがある。このキャパシタンスの上昇は、アンテナ40を離調する可能性を有する。ユーザの手の存在は、近接センサ(例えば、容量性近接センサ、光に基づく近接センサなど)を使用して、温度センサを使用して、カメラを使用して、アンテナ40又はアンテナ40の一部分のインピーダンスをリアルタイムに測定するインピーダンス測定回路(例えば、指向性カプラ95からのフィードバック)を使用して、又は他の検出技術を使用して、検出することができる。
アンテナを離調するユーザの把握の可能性のために、アンテナ40の近傍の外部のオブジェクトの存在が検出されるといつでも、スイッチ124は、開状態に置かれることがある。アンテナ40に隣接するユーザの手又は他の外部のオブジェクトの存在の検出に応じてスイッチ124が開いている場合、インダクタ122は、非使用状態に切換えられ、アンテナ40の周波数応答(同調)は、所望のように維持されるであろう。
図8は、インダクタ122を使用状態及び非使用状態に切換えるスイッチ124などのスイッチング回路を使用する効果を示すスミスチャートである。送信ライン92は、インピーダンス140により示すように、50Ωのインピーダンス(例として)を有することができる。アンテナ40が通常に動作している(700MHzと2700MHzとの間の周波数の範囲又は他の周波数範囲にわたって)場合、アンテナ40は、例示的なインピーダンス142などのインピーダンスを呈することがある。インピーダンス142は、図7のインダクタ122の使用に関連付けることができる(すなわち、スイッチ124を閉じることによりインダクタ122が使用状態に切換えられている場合、アンテナ40は、インピーダンス142を有するであろう)。
インピーダンス142は、所望のように送信ラインのインピーダンス140に近接して整合されている。隙間(単数又は複数)18の存在に(すなわち、アンテナ40に隣接して)ユーザの手又は他の外部のオブジェクトが置かれると、アンテナのインピーダンス142は、スイッチ124が開かれてインダクタ122が非使用状態に切換えられなければ、インピーダンス146に離調することがある。ユーザの手又は他の外部のオブジェクトが隙間(単数又は複数)18の近傍に存在することを検出したこと(すなわち、ユーザの手がアンテナ40に隣接していることを検出したこと)に応じて、アンテナ40の動作を調整するためにスイッチ124が開かれてインダクタ122が非使用状態に切換えられると、アンテナ40は、良好なインピーダンス144を呈するであろう。ユーザの手の不在又は存在に基づいて、それぞれインダクタ122を使用状態及び非使用状態に切換えるスイッチ124の使用により、したがって、アンテナ40が受容できない量に離調しないことを確実にすることができる。
図9は、アンテナ40の特性を阻害せずに電子構成要素をアンテナ40の近傍に搭載することができる様子を示す。図9の実施例では、ボタン24は、指紋センサ152などの指紋センサを備えている。指紋センサ152は、交流信号を供給する、リング150などの金属製外側リング又は他の電極を含むことができる。リング150は、中央エリア156を囲むことができる。指紋センサの電極154は、エリア156内に一次元又は二次元のアレイに形成することができる。ユーザが指を領域156の上方に置くと、信号をリング150からユーザの指に射出して、領域156内の電極154のアレイによりピックアップすることができる。これにより、指紋センサ152がユーザの指に対する指紋パターンを測定することが可能になる。指紋センサ152からのキャプチャされた指紋又は他のデータは、フレキシブルプリント回路158上の金属の信号トレースを使用して制御回路28に伝達することができる。
フレキシブルプリント回路158は、接地104の延長部分104Eに重ね合わさる部分160などの末端部分を有することができる。部分160上の金属トレース及び指紋センサ152の金属構造体が接地板の延長部分104Eに重ね合わさるため、アンテナ40は、指紋センサ152の存在からの干渉なしに適切に動作する。図9の実施例では、指紋センサ152は、延長部分104Eに重ね合わさり、延長部分104Eとデバイス10の中心の接地104との間に延びるフレキシブルプリント回路上に搭載されている。これは単なる例示にすぎない。指紋センサ152は、接地板の延長部分104E上のデバイス10の他の部分内、又は接地104に重ね合わさるどこにでも配置することができる。
図10は、接地板の延長部分104Eを、短絡構造体164を介して接地板104に短絡することができる様子を示す。短絡構造体164は、接地板104を接地板の延長部分104Eに電気的に結合する、金属箔のストリップ、金属筐体構造体、1つ以上のフレキシブルプリント回路上の金属トレース、プラスチックキャリア上のレーザー直接構造化金属トレース、誘電体キャリア上の他の金属、金属クリップ、ワイヤ、又は他の導電性構造体などの導電性構造体166を含むことができる。この種類の構成における接地板104及び接地板の延長部分104Eは、機械加工された金属部品(例えば、筐体12用の平面後部壁の対応する部分などの平面金属構造体)から形成することができる。導電性構造体166は、半田、溶接、導電接着剤、ねじ若しくは他の締め具、又は他の導電性結合構造体を使用して、接地板104と接地板の延長部分104Eとの間に結合することができる。
金属筐体12は、図10の隙間114及び162などの隙間を有することができる。これらの隙間は、空気又はその他の誘電体で充填することができる。隙間114は、接地板の延長部分104Eを金属周囲筐体構造体16Bから分離することができる。隙間162は、構造体104Eを形成する金属筐体12の平面後部壁部分を接地104を形成する金属筐体12の平面後部壁部分から分離することができる。隙間162は、短絡構造体164を使用して橋絡することができる。短絡構造体は、接地の延長部分104Eが接地104の延長部分として機能するように、接地104及び接地の延長部分104Eを形成する筐体の部分を電気的に結合する。
図10の短絡構造体164は、デバイス10の内側上に形成することができる。デバイス10の外側から見ると、隙間114及び隙間162は、図11に示すように見えることがある。図11に示すように、隙間114及び162は、プラスチックなどの誘電材料で充填することができる。プラスチックは、筐体12の外面と同一平面に位置することができる。隙間162内のプラスチックは、短絡構造体164などの内部構造体をカバーすることができ、したがって、これらの内部構造体を見えないように隠すことができる。
図12は、指紋センサ152を接地の延長部分104Eに重ね合わさるデバイス10の部分内のボタン24内に形成することができる様子を示す、デバイス10の側断面図である。図12に示すように、ディスプレイ14は、ディスプレイカバー層178などのディスプレイカバー層、及びディスプレイモジュール180などのディスプレイモジュールを有することができる。ディスプレイカバー層178は、ガラスの透明な層、透明なプラスチック層、又は他の透明材料から形成することができる。ディスプレイモジュール180は、液晶ディスプレイモジュールとすることができ、有機発光ダイオードディスプレイモジュールとすることができ、又は他の種類のディスプレイ技術を使用して形成されたディスプレイ層を含むことができる。ディスプレイモジュール180は、接地板104に関連付けられた筐体12の部分に重ね合わさるデバイス10の中央に配置することができる。図1のアクティブエリアAAは、図12のディスプレイモジュール180をカバーすることができる。
図12の接地板104は、筐体12、ディスプレイモジュール180、金属中央平面(図12に示されない)、プリント回路基板上の金属トレースなどの導電性構造体から形成することができる。例えば、接地板104は、筐体12の後部壁の第1の平面部分から形成することができる。ディスプレイモジュール180は、接地の延長部分104Eに重ね合わせることなく、アンテナ接地の中央部分(すなわち、隙間162により接地の延長部分104Eから分離された接地104の部分)に重ね合わせることができる。ディスプレイカバー層178は、ディスプレイモジュール180が重ね合わさる接地104の部分及び接地の延長部分104Eの両方に重ね合わせることができる。接地の延長部分104Eは、筐体12の後部壁の第2の平面部分から形成することができる。
接地板104を形成する筐体12の部分と接地板の延長部分104Eを形成する筐体12の部分との間の隙間162を充填するために、プラスチックを使用することができる。導電性構造体166は、接地板の延長部分104Eを接地板104内の筐体12に電気的に接続することができる。構造体184及びレセプタクル174などの支持構造体は、オスコネクタ182(例えば、ケーブルの端部又は他のアクセサリに結合されたコネクタ)を受容するメスコネクタを形成することができる。ボタン24は、プラグ182を受容するコネクタに重ね合わせることができる(すなわち、ボタン24は、プラグ用レセプタクル174に重ね合わせることができる)。導電性周囲構造体16Bは、筐体12の端部(例えば、筐体12の下側端部)の筐体壁を形成することができる。コネクタ182に対応するために、導電性周囲構造体16B内に開口部を形成することができる。
ボタン24は、金属トリム150(例えば、金属リング)により囲まれたボタン部材170などのボタン部材から形成することができる。ボタン部材170は、プラスチック又はガラスなどの誘電体から形成することができる(例として)。ボタン24は、指紋センサ152を含むことができる。指紋センサ152は、ボタン部材170の下方に搭載することができる(例として)。動作中に、センサ152内の指紋センサの電極154は、ボタン部材170の誘電体を介してユーザの指に容量結合することができる。ボタン24内の金属リング150は、指紋キャプチャ動作中にユーザの指を介して電極154に結合された交流信号を供給することができる。センサ152は、フレキシブルプリント回路158上の金属トレースに結合することができる。
ボタン24は、スイッチ172などのスイッチを有することができる。スイッチ172は、ボタン24及びボタン24内の指紋センサ152がスイッチ172と重ね合わさるように、指紋センサ152の下面上に搭載することができる(例として)。ボタン24(すなわち、ボタン部材170)が下方向に(デバイス10の内部に向かって)押圧されると、スイッチ172は、ボタン部材170とレセプタクル174又は他の支持構造体などの下にある構造体との間で圧縮されるであろう。圧縮されると、ボタン24は、状態を変更するであろう(すなわち、ボタン24は、スイッチ170の作動により、開状態から閉状態に又はその逆に遷移するであろう)。スイッチ170は、ドームスイッチ又は他の好適なスイッチとすることができる。所望であれば、ボタン機能を実現するために静電容量式タッチセンサを使用するボタン24用の構成(例えば、スイッチのないボタン)を使用することができる。ボタン24及びボタン24内の指紋センサ152は、接地板の延長部分104Eに重ね合わさるため、アンテナ40の動作は、ボタン24及び指紋センサ152の存在により阻害されないであろう。
一実施形態によれば、導電性周囲構造体を有する筐体、複合逆Fスロットアンテナ、アンテナフィード及び指紋センサを含む電子デバイスが提供される。複合逆Fスロットアンテナは、逆Fアンテナ共振素子及びアンテナ接地から形成された逆Fアンテナ部分を有する。逆Fアンテナ共振素子は、導電性周囲構造体から形成される。複合逆Fスロットアンテナは、逆Fアンテナ共振素子とアンテナ接地との間の開口部から形成されたスロットアンテナ部分を有する。アンテナ接地は、スロットに隣接する延長部分を有する。アンテナフィードは、逆Fアンテナ部分及びスロットアンテナ部分の両方に給電する。指紋センサはアンテナ接地の延長部分に重ね合わさる。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、フレキシブルプリント回路を含み、指紋センサは、フレキシブルプリント回路に搭載され、上に指紋センサが搭載されるフレキシブルプリント回路の一部分は、アンテナ接地の延長部分に重ね合わさる。
別の実施形態によれば、筐体は、金属後部壁を有し、アンテナ接地は、金属後部壁から形成される。
別の実施形態によれば、アンテナ接地の延長部分は、金属後部壁から形成される。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、スイッチを有するボタンを含む。
別の実施形態によれば、ボタンは、アンテナ接地の延長部分に重ね合わさる。
別の実施形態によれば、指紋センサは、ボタン内に搭載される。
別の実施形態によれば、金属後部壁は、プラスチックで充填された隙間により分離され、導電性構造体により電気的に結合された第1の平面部分及び第2の平面部分を有し、第1の部分は、アンテナ接地の少なくとも一部を形成し、第2の部分は、アンテナ接地の延長部分を形成する。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、コネクタ用レセプタクルを含み、ボタンは、コネクタ用レセプタクルに重ね合わさる。
別の実施形態によれば、開口部は、導電性周囲構造体に沿って延びる部分を有するC形状のスロットである。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、アンテナ接地の延長部分に重ね合わさらずにアンテナ接地に重ね合わさるディスプレイモジュールを有し、ディスプレイモジュール及びアンテナ接地の延長部分に重ね合わさるディスプレイカバー層を有する、ディスプレイを含む。
別の実施形態によれば、スロットは、筐体の周囲縁部に沿って延びるC形状のスロットであり、アンテナフィードは、C形状のスロットの対向する側上の第1及び第2のフィード端子を有する。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、直列に接続され、複合逆Fスロットアンテナに結合されたインダクタ及びスイッチを含み、スイッチは、複合逆Fスロットアンテナに隣接する外部のオブジェクトの存在によるアンテナの離調を補償するために、インダクタを使用状態及び非使用状態に切換えるように構成される。
一実施形態によれば、誘電体で充填された隙間により分離された第1の後部壁部分及び第2の後部壁部分を有する後部壁を有する金属筐体、隙間を橋絡し第1の後部壁部分を第2の後部壁部分に電気的に結合する導電性構造体、及び第2の後部壁部分に重ね合わさる指紋センサを含む電子デバイスが提供される。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、アンテナを含み、後部壁は、アンテナ用のアンテナ接地を形成し、アンテナ接地は、第2の後部壁部分から形成された接地の延長部分を有する。
別の実施形態によれば、アンテナは、接地の延長部分と金属筐体内の導電性周囲構造体との間の開口部から形成されたスロットアンテナ共振素子を含む。
別の実施形態によれば、開口部は、C形状のスロットである。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、アンテナ内の逆Fアンテナ共振素子を形成する導電性周囲構造体に結合されたフィード端子、導電性周囲構造体と接地の延長部分との間に結合されたアンテナ用の通信帯域を同調するための調節可能なインダクタ、及び直列に結合されアンテナに結合されたスイッチ及びインダクタを含み、スイッチは、外部のオブジェクトがアンテナに隣接して存在するという判定に応じて、インダクタを非使用状態に切換えるように構成される。
一実施形態によれば、逆Fアンテナ共振素子、スロットアンテナ共振素子、及びアンテナ接地を有する複合逆Fスロットアンテナ、並びに複合逆Fスロットアンテナに結合されたスイッチ及びインダクタを含む電子デバイスが提供され、スイッチは、アンテナに隣接するユーザの手を検出したことに応じて、インダクタを非使用状態に切換えるように構成される。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、アンテナ接地の一部分に重ね合わさる指紋センサを含む。
別の実施形態によれば、スロットアンテナ共振素子は、逆Fアンテナ共振素子をアンテナ接地の一部分から分離するC形状のスロットから形成される。
別の実施形態によれば、電子デバイスは、スロットアンテナ共振素子を横切って結合され、複合逆Fスロットアンテナ用の低通信帯域を同調する調節可能なインダクタを含む。
上述の内容は単なる例示にすぎず、説明された実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者によって様々な修正を行うことができる。前述の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実行することができる。