JP3208941B2 - 高純度アルミニウム合金の連続鋳造方法 - Google Patents
高純度アルミニウム合金の連続鋳造方法Info
- Publication number
- JP3208941B2 JP3208941B2 JP20652293A JP20652293A JP3208941B2 JP 3208941 B2 JP3208941 B2 JP 3208941B2 JP 20652293 A JP20652293 A JP 20652293A JP 20652293 A JP20652293 A JP 20652293A JP 3208941 B2 JP3208941 B2 JP 3208941B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic field
- aluminum alloy
- molten metal
- continuous casting
- ingot
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
金の連続鋳造方法に関するものである。更に詳細には、
未凝固溶湯に特定条件で回転磁場を与えて該未凝固溶湯
を回転せしめることにより、微細で均一化された組織を
有する鋳塊の連続鋳造方法に関するものである。
溶湯からビレット等の鋳塊を連続的に鋳造する為に筒状
の鋳型が用いられ、溶湯を上方から該鋳型内に供給する
一方、該鋳型内で凝固せしめられた鋳塊を、順次下方よ
り取り出すようにした連続鋳造方法が採用されている。
このような方法により得られた鋳塊の鋳造組織は一般的
には粗大な柱状晶組織(羽毛状晶組織を含む)となって
いる。
金は熱処理、熱間加工、冷間加工等の工程を経て、板、
箔、成形品等に加工される。用途に応じてはその結晶組
織を所望の状態に制御することが必要となる。例えば電
解コンデンサ用箔やスパッタリング用アルミターゲット
の場合、結晶粒径が微細、均一でしかも結晶方位が特定
方向に揃っていることが要求される。この為、当業者は
微細化剤の添加や鋳塊を熱処理や特殊な加工を行う等に
より目的物を得るべく諸条件を工夫している。
の鋳造組織が粗大な柱状晶組織の場合、鋳造組織を破壊
し、微細、均一な結晶粒径及び所望の結晶方位を得る為
には過度の加工、熱処理等の工夫を必要とする。また、
Al−Ti母合金、Al−Ti−B母合金添加等の微細
化剤を用いる場合には、TiB2 等が鋳塊内に凝集して
介在物欠陥となることがある。また電解コンデンサ用箔
やスパッタリング用アルミターゲットの場合には、T
i、B等の鋳造組織の微細化に有効な元素の添加は商品
特性に影響する為厳しく規制されており高純度アルミニ
ウム合金の鋳造組織の微細化には適用しがたい状況にあ
る。
開昭56−136262号公報に未凝固溶湯を回転磁場
を与えて攪拌し、凝固界面で発達、成長しつつある樹枝
状晶を溶湯の流動によって分断し、分断したこの樹枝状
晶をサンプ内を浮遊させ結晶核とすることにより得られ
る鋳塊の結晶組織を微細化する方法が提案されている
が、高純度アルミニウム合金では固溶限の小さいFe等
の遷移金属の含有量が極めて少ない為樹枝状晶の生成が
困難で、樹枝状晶の分断による微細化は適用できない。
心方向に電磁力を印可し、メニスカスの縁が下がるよう
にすることにより、鋳塊の一次皮層の厚さが最小となる
ようにすると、電磁力印可の結果として向心型の溶湯流
動が生じ、結晶粒径が減少することが報告されている
が、高純度アルミニウム合金の場合には、後述の理由に
より向心方向の電磁力で誘発されるような弱い溶湯流動
のみでは微細化できず、更にメニスカス及び溶湯流動の
制御が困難で工業的実用性に乏しい。
発明者らは連続鋳造法に於いて、得られた鋳塊が微細な
結晶組織を有する高純度アルミニウム合金を得るべく鋭
意検討を重ねた結果、連続鋳造方法に於ける高純度アル
ミニウム合金の凝固は除去される熱流方向にセル状に進
行するので、特定鋳造条件を採用し、セル状凝固界面の
凝固ゆらぎを効率的に生じせしめる場合には、セル状晶
の微細化が可能であることを見出し本発明を完成するに
至った。
鋳塊周囲に回転磁界発生装置を設けて磁場を回転せしめ
ることにより、未凝固溶湯に回転磁場を与えて該未凝固
溶湯を回転しつつ凝固せしめるアルミニウム合金の連続
鋳造方法に於いて、回転磁界発生のための交番周波数が
5〜60Hzで、電流(A)とコイル巻数(T)の積が
6000〜24000ATで、かつ未凝固溶湯深さ
(H)と鋳塊短片長さ(D)の比(H/D)が0.2以
上となる条件で鋳造する事を特徴とする高純度アルミニ
ウム合金の連続鋳造方法を提供するにある。
明の連続鋳造法の一実施態様を図1に示す。図1に於い
て1はノズル、2は湯量調整用フロートである。該ノズ
ル1及び該フロート2を通して鋳型3内に高純度アルミ
ニウム合金溶湯が供給される。本発明に用いる溶融アル
ミニウム合金はFe等の遷移元素合計量が100ppm
以下の99.98〜99.999重量%の範囲の高純度
アルミニウムをベースにSi,Cu,Zn,Ga等の固
溶限の大きい元素を合計量で40ppm以上含む。これ
ら固溶限の大きい元素の含有量の上限は特に制限されな
いが、通常2重量%以下である。図1に於いて、鋳型3
の内部には水室が設けられ、該水室内に冷却水が供給さ
れることにより、鋳型3内に供給された溶湯は鋳型壁よ
り凝固を開始し、該鋳型下部に設けられた孔より噴き出
したスプレー水により順次凝固してゆき、所定形状の鋳
塊6が形成される。一方、該鋳塊6は下型7に支持され
つつ順次下方に移動せしめられ、連続鋳塊となる。この
ような鋳造装置に於いて、該鋳型3の下方で鋳塊6の周
囲に位置するよう回転磁界発生装置4が配置される。
化に於いては、凝固界面にゆらぎを生じせしめる、つま
り凝固界面に於ける未凝固溶湯に特定速度以上の流動を
付与することが効果的であるが未凝固溶湯のメタル流速
は、回転磁界発生コイルに印加する交流電流量、コイル
巻数及び交流周波数が大きな影響を及ぼす。本発明者等
は高純度アルミニウム合金の連続鋳造に先立ち、磁界発
生コイル種類及び交番周波数等の悠々金属流動等に及ぼ
す影響を把握するため、図2に示すように130mmφテ
フロンビーカー(C)内に30℃で液体になるより安全
な溶融ガリウム10Kg(D)を供給しビーカー(C)の
上部を囲撓するように155mmφ用鋳型(A)を配設
し、鋳型の下部に回転磁界発生コイルの中心がくるよう
磁界発生装置(B)を配設し、この装置を用いて磁界強
さ測定及び溶湯メタルの流動状態の予備テストを実施し
た。
イルでのテストでは60Hz迄は交流周波数を増加する
程磁界強さが強くなり、溶融ガリウムの流動も強くな
る。しかし、回転磁界発生コイルでは2Aの電流量で溶
融ガリウムが流動するのに対し、向心磁界発生コイルで
は18Aでも流動が見られず回転磁界発生コイルに比べ
流動能力は格段に劣っている。更に向心磁界発生コイル
の流動は、側壁部より中央部に向かっての流動で中央部
が盛り上がり、溶融ガリウムの表面が波打ち、流動がつ
よくなる程この現象は顕著となる。また回転磁界発生コ
イルを用いた場合に得られる安定した回転流に比べ非定
常的流れを示すため、連続鋳造法に適用する場合にはメ
ニスカスの安定的な制御の観点から困難性を伴う。
溶融アルミニウム表面の波打ち現象は、溶融アルミニウ
ム表面の酸化皮膜を破壊し、鋳塊内部に酸化皮膜を取り
込む危険性があり、回転磁界発生コイルに比し優れた方
法とは言えない。本発明方法に於いては凝固中の鋳塊周
囲に回転磁界発生装置(コイル)を配設する。回転磁界
発生コイルは表1に示すように、交番周波数としては低
周波数領域が望ましく約5〜約60Hzで使用される。
5Hz未満の周波数では電流値、交番周波数とも安定し
にくく、他方約60Hzを越えると微細化効果が小さく
なる。
生コイルの中心部と鋳型下端部を合わせるように配置す
るのが望ましい。高純度アルミニウム合金は熱伝導度が
優れ、他の金属の連続鋳造法に比べ鋳造速度が遅い為、
サンプ深さは深くならない。従って未凝固溶湯を回転さ
せるには、磁界が一番強いコイル中心を鋳型下端部の位
置を合わせて配置するのが効果的である。
る為には、特定速度以上の溶湯流動が必要である。溶湯
流動は磁界強さに比例し、磁界強さは電流(A)とコイ
ル巻数(T)の積に比例する。従って電流(A)とコイ
ル巻数(T)の積の最適化を図らなければならない。電
流(A)とコイル巻数(T)の積は約6000〜約24
000ATで設定される。好ましくは約10000〜約
18000ATである。6000AT未満では回転流動
が不十分で、十分な微細鋳塊組織が得られない。240
00ATを越えると回転流動が強くなり過ぎ、未凝固溶
湯が鋳型から飛び出すという操作性の危険性を伴う。ま
た凝固速度が早過ぎる場合、溶湯流動があったとしても
セル状凝固界面の凝固ゆらぎに打ち勝って凝固が進行す
る為、微細化がされにくくなる。
さ(サンプ深さ:H)と鋳塊短片長さD(丸棒の場合は
直径)の比H/Dを約0.2以上にすることを必須とす
る。該値が0.2未満では微細な鋳塊が得られにくい。
高純度アルミニウム合金の連続鋳造法の場合、サンプ深
さが深くなりにくい。サンプ深さを深くする為には鋳造
速度を上げる、冷却水量を少なくする等の方法がある
が、ノズルからの溶湯吐出位置を上部に移動せしめメニ
スカス部を鋳型上部に移動させるのが有効である。
純度アルミニウムを連続鋳造する場合には微細、均一化
された鋳造組織を有する鋳塊を得ることが可能となる
為、結晶粒径が微細均一で、結晶方位が特定の方向に揃
っている板、箔、成形品等が容易に得られることにな
り、その産業上の利用価値は頗る大なるものである。
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下端部に合わせた位置に配置し、表2に示す組成の高純
度アルミニウムを連続鋳造し、鋳塊のマクロ組織観察を
した。結果を表2に示す。連続鋳造は155mmφビレッ
ト及び240mm×330mmスラブで実施し、155mmφ
ビレットについては鋳造速度110mm/分、冷却水量
5.5m3/Hr本、240mm×330mmスラブについて
は、鋳造速度60mm/分、冷却水量は13m3/Hr本で行
った。サンプ深さの変更は鋳型に接するメニスカス部の
高さを変更することにより行った。回転磁界発生コイル
には3相交流を使用し、コイルの巻数は600巻、交番
周波数は15Hz一定条件下でスライダックスにより電
流量の調整を行った。
・微細化にムラがあり、かつ○よりも粗い、×・・・微
細化していない。
に用いた実験装置の概略図である。
生装置、5は未凝固溶湯、6は鋳塊、7は下型、8はメ
ニスカス部、Aは155mmφ用鋳型、Bは磁界発生装
置、Cは130mmφテフロンビーカー、Dは溶融ガリウ
ムを示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 凝固中の鋳塊周囲に回転磁界発生装置を
設けて磁場を回転せしめることにより、未凝固溶湯に回
転磁場を与えて該未凝固溶湯を回転しつつ凝固せしめる
アルミニウム合金の連続鋳造方法に於いて、回転磁界発
生の為の交番周波数が5〜60Hzで、かつ電流(A)
とコイル巻数(T)の積が6000〜24000AT
で、かつ未凝固溶湯深さ(H)と鋳塊短片長さ(D)の
比(H/D)が0.2以上となる条件で鋳造する事を特
徴とする高純度アルミニウム合金の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20652293A JP3208941B2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 高純度アルミニウム合金の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20652293A JP3208941B2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 高純度アルミニウム合金の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0751820A JPH0751820A (ja) | 1995-02-28 |
JP3208941B2 true JP3208941B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=16524763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20652293A Expired - Fee Related JP3208941B2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 高純度アルミニウム合金の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3208941B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102629164B1 (ko) | 2021-06-17 | 2024-01-24 | 청주대학교 산학협력단 | 마스크 프레임 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5086592B2 (ja) * | 2006-09-25 | 2012-11-28 | 住友化学株式会社 | 冷間加工材 |
JP5086598B2 (ja) * | 2006-10-06 | 2012-11-28 | 住友化学株式会社 | 冷間加工材 |
JP5360591B2 (ja) * | 2009-01-08 | 2013-12-04 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム合金鋳塊およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-08-20 JP JP20652293A patent/JP3208941B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102629164B1 (ko) | 2021-06-17 | 2024-01-24 | 청주대학교 산학협력단 | 마스크 프레임 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0751820A (ja) | 1995-02-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4960163A (en) | Fine grain casting by mechanical stirring | |
US5381847A (en) | Vertical casting process | |
US5400851A (en) | Process of producing monotectic alloys | |
CA1202490A (en) | Alloy remelting process | |
US20050098298A1 (en) | Treating molten metals by moving electric arc | |
JP3208941B2 (ja) | 高純度アルミニウム合金の連続鋳造方法 | |
US9783871B2 (en) | Method of producing aluminium alloys containing lithium | |
CA1264522A (en) | Continuous casting method and ingot produced thereby | |
JP3488093B2 (ja) | 溶鋼の連続鋳造方法 | |
Yan et al. | Study on horizontal electromagnetic continuous casting of CuNi10Fe1Mn alloy hollow billets | |
CN115194111A (zh) | 一种大圆坯至特大圆坯半连铸垂直浇铸工艺与设备 | |
Langenberg et al. | Grain refinement by solidification in a moving electromagnetic field | |
SUH et al. | Effect of the melting rate on the carbide cell size in an electroslag remelted high speed steel ingot | |
Hao et al. | Improvement of casting speed and billet quality of direct chill cast aluminum wrought alloy with combination of slit mold and electromagnetic coil | |
JP2003500543A (ja) | 平版印刷板用の支持体として使用されるアルミニウム合金板 | |
JP2003500543A5 (ja) | ||
SU908487A2 (ru) | Способ непрерывной разливки металла | |
JP2000000638A (ja) | ビレットの連続鋳造方法 | |
CN116571707B (zh) | 一种提高高碳钢连铸坯中心缩孔质量的方法 | |
JP3962301B2 (ja) | 金属の鋳造方法並びに装置 | |
JPH08120366A (ja) | チタン鋳塊の連続鋳造方法 | |
Jones et al. | Microstructural evolution in intensively melt sheared direct chill cast Al-alloys | |
SU900951A1 (ru) | Способ охлаждени слитка при непрерывном литье в электромагнитный кристаллизатор | |
JP4501223B2 (ja) | 連続鋳造方法 | |
JP3062339B2 (ja) | 半凝固金属の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080713 Year of fee payment: 7 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090713 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130713 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |