JP3208103U - ホイール用ブッシュ - Google Patents

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茂樹 井坂
茂樹 井坂
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Abstract

【課題】ホイールを取付け可能な車両を増やすことができ、市販のナットを適用することができるホイール用ブッシュを提供する。【解決手段】ホイールのハブボルト孔に嵌合されるブッシュ10であって、偏心位置に貫通孔12を有する円盤状のブッシュ本体11を備え、貫通孔12は、小径開口部13と、大径開口部14と、大径開口部に向かって傾斜したテーパー座面15と、を有している。【選択図】図2

Description

本考案は、ホイールのハブボルト孔に取付けられるホイール用ブッシュに関する。
通常、車両(自動車や二輪車等)の足回りに固定されるディスクホイール(以下単にホイールという)は、車体側のハブに突設されたハブボルトに締結・固定されている。具体的には、ホイール側に形成されたハブボルト孔にハブボルトを挿通し、ハブボルトにナットを締結することにより、ホイールをハブに固定している。
ここで、ホイールの強度向上やガタツキ防止等のため、ハブボルトとハブボルト孔との間にブッシュを設けた構成のホイールが広く流通している。このブッシュは、ハブボルト孔に嵌合可能な円盤状に形成されており、ブッシュの中心位置にハブボルトが挿通される貫通孔が形成されている。
ところで、ハブボルトにホイールを固定するには、各ハブボルトの突設位置と各貫通孔の配置が一致している必要がある。すなわち、ホイールの固定には、貫通孔にハブボルトを挿通する必要があるため、円状に配列されたハブボルトの配列サークルの直径は、貫通孔の配列サークルの直径と一致している必要がある。
しかしながら、メーカーや年代等の違いにより、車両及びホイールの規格が異なり、互いの配列サークルの直径が一致しない場合があった。そのような場合には、ハブにホイールを取付けることができなかった。
このような状況に鑑み、貫通孔の配列サークルの直径を変更することができるホイール取付け用の調整ブッシュ組立体が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のホイール取付け用の調整ブッシュ組立体は、貫通孔をブッシュの偏心位置に形成することにより、ブッシュを回転させることで貫通孔の配列サークルの直径を適宜変更することができるよう構成されている。このように、貫通孔の配列サークルの直径を適宜調節可能に構成することで、ハブボルトの配列サークルの直径が異なる車両に幅広く対応して、ホイールを取付けることができる。
特開昭62ー194901号公報
しかしながら、特許文献1に記載のホイール取付け用の調整ブッシュ組立体は、ブッシュ及びナットにそれぞれ加工を施すことにより抜け止め機構が形成されている。そのため、特許文献1のブッシュは、このブッシュ専用に形成されたナットが嵌合されるものであり、市販のナットをそのまま用いることできない場合があった。
本考案は、上記実情に鑑みてなされた考案であり、ホイールを取付け可能な車両を増やすことができ、市販のナットを適用することができるホイール用ブッシュを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本考案に係るホイール用ブッシュは、ホイールのハブボルト孔に嵌合されるブッシュであって、偏心位置に貫通孔を有する円盤状のブッシュ本体を備え、前記貫通孔は、小径開口部と、大径開口部と、この大径開口部に向かって傾斜したテーパー座面と、を有していることを特徴とする。
このように、貫通孔がブッシュ本体の偏心位置に設けられていることにより、ブッシュ本体を回転させることで、貫通孔をハブボルトの配列サークルに対応した位置に移動させることができる。その結果、ホイールを取付け可能な車両を増やすことができる。
さらに、貫通孔が大径開口部に向かって傾斜したテーパー座面を有していることにより、様々な大きさのナット部材に対応することができる。
本考案の好ましい形態では、前記テーパー座面の前記大径開口部との接続位置周辺は、前記ブッシュ本体の径方向の外側に向かって傾斜していることを特徴とする。
本考案の好ましい形態では、前記テーパー座面の傾斜角度は、50°〜70°の範囲に設定されていることを特徴とする。
このようなテーパー座面の傾斜角度に設定することにより、市販のテーパーナットやテーパーワッシャーを好適に用いることができる。
本考案は、ホイールを取付け可能な車両を増やすことができ、市販のナットを適用することができるホイール用ブッシュを提供することができる。
本考案の一実施形態に係るホイール用ブッシュ使用状態示す側面図である。 本考案の一実施形態に係るホイール用ブッシュの斜視図である。 本考案の一実施形態に係るホイール用ブッシュの側面図である。 本考案の一実施形態に係るホイール用ブッシュの平面図及び底面図である。 本考案の一実施形態に係るホイール用ブッシュの使用状態を示す縦断面図である。 本考案の一実施形態に係るホイール用ブッシュの使用状態を示す図である。
以下、本考案を図面に示した好ましい一実施形態について、図1〜図6を用いて詳細に説明する。本考案の技術的範囲は、添付図面に示した実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
図1は、ホイール30を車両のハブ40に固定する際に、本考案の一実施形態に係るホイール用ブッシュ10を取付ける様子を示している。このホイール用ブッシュ10は、図1に示すように、ホイール30のハブボルト孔31に嵌合され、ハブボルト41に接続されるナット部材20によって締結・固定される。
図2は、このホイール用ブッシュ10及びナット部材20の斜視図を示している。
ホイール用ブッシュ10は、円盤状に形成されたブッシュ本体11と、このブッシュ本体11の偏心位置Pに形成される貫通孔12と、を備えている。
ブッシュ本体11は、ハブボルト孔31に嵌合可能な大きさに形成されており、ハブボルト孔31の内周面31aに当接される周側面11aを有している。したがって、この周側面11aは、ハブボルト孔31の内周面31aに対応した形状を有している。例えば、ハブボルト孔31の内周面31aが、ハブ40側から順に、小径ガイド部31b,テーパー部31c,大径ガイド部31dを有している場合、この周側面11aには、小径ガイド部31bに当接される小径周側面11bと、テーパー部31cに当接されるテーパー周側面11cと、大径ガイド部31dに当接される大径周側面11dと、が形成されている(図1参照)。なお、このブッシュ本体11の直径としては、例えば、直径3cmから4cm程度の大きさに形成される。
図3は、ホイール用ブッシュ10及びナット部材20の側面図を示しており、貫通孔12の内周面を点線で示している。この貫通孔12は、この図3に示すように、ブッシュ本体11の中心位置Oから間隔Lだけ移動させた偏心位置Pを中心に形成されている。
貫通孔12は、ハブ40側に形成される小径開口部13と、この小径開口部13の反対側(ナット部材20側)に形成される大径開口部14と、を有しており、これらを連通するように形成されている。また、この小径開口部13と大径開口部14との間(貫通孔12の内周面)には、傾斜を有したすり鉢状のテーパー座面15が形成されている。
小径開口部13は、ハブボルト41を挿通可能な大きさに形成されており、大径開口部14は、小径開口部13よりも大径に形成されている。この小径開口部13及び大径開口部14は、図3に示すように、偏心位置Pを中心とした円状に形成されている。
テーパー座面15は、ナット部材20側に向かって広がるすり鉢状の傾斜面により形成されている。このテーパー座面15のナット部材20側は、このテーパー座面15の端部が大径開口部14の外縁部と接続している。つまり、テーパー座面15の大径開口部14との接続位置周辺は、ブッシュ本体11の径方向の外側に向かって傾斜している。一方、テーパー座面15のハブ40側は、垂直面16を形成してもよいし、テーパー座面15の端部を小径開口部13の外縁に接続させてもよい。
また、このテーパー座面15の傾斜角度としては、一般的なテーパーナットやテーパーワッシャーが当接可能なよう、例えば50°〜70°の範囲に設定されていることが望ましく、さらには60°程度に設定されていることが望ましい。
図4は、ホイール用ブッシュ10及びナット部材20を用いて、ホイール30をハブ40に固定した際の断面図を示している。ナット部材20は、角柱部21と、ワッシャー部22と、を備えている。
角柱部21は、ハブボルト41と螺合される雌ネジ部21aと、ワッシャー部22の座面22bに当接される当接面21bと、を有している。この角柱部21の周側面は、スパナやレンチ等を用いて締緩作業を行えるよう、例えば六角柱状に形成されている。
ワッシャー部22は、テーパー座面15に当接されるテーパー面22aと、角柱部21の当接面21bに当接される座面22bと、を有している。このワッシャー部22は、図4に示すように、角柱部21をハブボルト41に螺合した際に、角柱部21の当接面21bがワッシャー部22の座面22bにより圧接されて固定される。
図5(a)及び図5(b)は、ホイール用ブッシュ10及びナット部材20の平面図及び底面図を示している。本実施形態によれば、図5に示すように、貫通孔12の直径よりも大径に形成されたナット部材20を取付けることができる。これは、テーパー座面15の大径開口部14との接続位置周辺が、ブッシュ本体11の径方向の外側に向かって傾斜しているためである。
なお、ナット部材20として、角柱部21とワッシャー部22を別部材となっている構成を例示したが、テーパー面を有するテーパーナットを採用することも当然に可能である。
図6は、本実施形態に係るホイール用ブッシュ10を用いて、貫通孔12の配列サークルCの直径を適宜調節した図を示している。図6(a)は、直径が大きいハブボルト41の配列サークルC1に適用した場合を示している。この場合には、ブッシュ本体11の貫通孔12の位置を、径方向の最も外側に配置することにより、配列サークルC1と同じ直径に調節している。
一方、図6(b)は直径が小さいハブボルト41の配列サークルC2に適用した場合を示している。この場合には、ブッシュ本体11を回転させることにより、ブッシュ本体11の貫通孔12の位置を求心方向に移動させることで、貫通孔12の配列サークルを小径なハブボルト41の配列サークルC2と同じ直径となるよう調節している。
本考案によれば、ブッシュ本体11の偏心位置Pに貫通孔12が配置されているため、様々な直径の配列サークルに適用することができる。すなわち、ブッシュ本体11をハブボルト孔31内で回転させることにより、貫通孔12が形成する配列サークルの直径を適宜変更することができる。その結果、ハブボルト41の配列サークルCの直径に合わせてホイール30を固定することができる。そのため、本実施形態に係るホイール用ブッシュ10を用いることにより、異なる直径の配列サークルCを有した様々な車両に対して、幅広くホイール30を固定することができる。
また、本考案によれば、テーパー座面15が大径開口部14に接続されているため、様々な大きさのナット部材20を適用することができる。すなわち、テーパー座面15の開口端が傾斜しており、大径開口部14よりも大きな直径を有するナット部材20を設置することができる。これにより市販のナットを使用することができ、使用可能なナット部材20の種類を大幅に増やすことができる。
さらには、大径なナット部材20を用いることができるため、締緩作業を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
また、ブッシュ本体11自体を極めて簡易に製造することができ、ブッシュ専用のナット部材20を製造・加工する必要がない。そのため、製造コストを大幅に抑えることができる。
10 ホイール用ブッシュ
11 ブッシュ本体
12 貫通孔
20 ナット部材
21 角柱部
22 ワッシャー部
30 ホイール
31 ハブボルト孔
40 ハブ
41 ハブボルト
O 中心位置
P 偏心位置
C1,C2 配列サークル

Claims (4)

  1. ホイールのハブボルト孔に嵌合されるブッシュであって、
    偏心位置に貫通孔を有する円盤状のブッシュ本体を備え、
    前記貫通孔は、小径開口部と、大径開口部と、この大径開口部に向かって傾斜したテーパー座面と、を有していることを特徴とする、ホイール用ブッシュ。
  2. 前記テーパー座面の前記大径開口部との接続位置周辺は、前記ブッシュ本体の径方向の外側に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のホイール用ブッシュ。
  3. 前記テーパー座面の傾斜角度は、50°〜70°の範囲に設定されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のホイール用ブッシュ。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のホイール用ブッシュを備えたことを特徴とする、ホイール。

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