JP3207509U - 溶剤タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】埋設タンクに限らず、地上用タンク、縦置き型タンク等の溶剤タンクにフッソ樹脂板を貼着して補修するものであり、溶剤を漏らすことの無い溶剤タンクを提供する。【解決手段】溶剤タンク1であって、既存の鋼製タンクと、該鋼製タンクの内周に貼着され、該鋼製タンクからの溶剤漏れを防止する複数のフッソ樹脂板と、相隣り合う前記フッソ樹脂板の当接部が溶接機によって溶接されたライン状の溶接部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本考案は酢酸エチルや、トルエン、キシレン、アセトン等の有機溶剤を貯留する溶剤タンクの補修方法に関する。
今日、酢酸エチルや、トルエン、キシレン、アセトン等の有機溶剤は、塗装や、洗浄、印刷等の作業に広く使用されている。例えば、トルエンはペンキや、塗料用シンナー、印刷用インク、接着剤等の溶剤として広く使用され、キシレンも接着剤や塗料等の溶剤として使用されている。また、酢酸エチルはシンナーやラッカー等の塗料の溶剤として使用され、マニュキュアの除光液としてアセトン等と並び多用されている。さらに、パイナップルやバナナ等の天然の果実油の中にも広く含まれ、食品添加物の成分としても利用されている。
さらに、ベンゼンや、メタン、アルコール、エタン、エチレン、ケトン等の有機溶剤が工業用の溶媒として使用され、これらの有機溶剤は専用の容器やタンクに貯留されている。尚、近年炭酸ガス等の有害物質を排出しない燃料電池自動車(FCV(Fuel Cell Vehicle))の開発も盛んに行なわれ、水素ボンベを搭載する場合の重量や安全性の問題から、有機溶剤を使用する方法が検討されている。
したがって、上記のように多くの用途に使用される有機溶剤の容器やタンクは、内側を耐溶剤性材料で保護する必要がある。尚、特許文献1にはこのような場合の既存の燃料タンクを改修する方法が開示されている。
特開2002−211685号公報
しかしながら、上記従来の改修方法では、検査用の治具をタンクに合わせて制作しなければならず、装置が大がかりになり、作業性も悪い。
そこで、本考案は埋設タンクに限らず、地上用タンク、縦置き型タンク等の溶剤タンクに関してPFA板等のテフロン(登録商標)性の板(シート)を使用し、補修すると共に、テフロン板の接合部を同じ素材の溶接棒を使用して溶接し、タンクからの溶剤漏れを確実に防止できる溶剤タンクの補修方法を提案するものである。
上記課題を解決するため第1の考案は、既存の鋼製タンクと、該鋼製タンクの内周に貼着され、該鋼製タンクからの溶剤漏れを防止する複数のテフロン(登録商標)板と、相隣り合う前記テフロン板の当接部が溶接機によって溶接されたライン状の溶接部と、を備える溶剤タンクを提供することによって達成できる。
また、上記課題を解決するため第2の考案は、上記ライン状の溶接部は同じテフロン材料の溶接棒を前記当接部に近づけ、前記テフロン板の当接部に沿って直線状に溶接を行うことによって形成されることを特徴とする。また、上記溶剤タンクは、例えば地上又は地下に設けられていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため第3の考案は、該繊維強化複合材の内周に貼着され、上記鋼製タンクからの溶剤漏れを防止する複数のテフロン板と、相隣り合う前記テフロン板の当接部が溶接機によって溶接されたライン状の溶接部と、を備える溶剤タンクを提供することによって達成できる。
本考案によれば、地下や地上に設けられた溶剤タンクに酢酸エチルや、トルエン、キシレン等の有機溶剤を貯留しても、テフロン板で補修し、かつ各テフロン板の接合部を同じ素材の溶接棒を使用して溶接することによって、タンクからの溶剤漏れを確実に防止することができる。
本実施形態の溶剤タンクの例を示す図である。 本実施形態の溶剤タンクの断面図を示す図である。 テフロンシートを配設する際に使用する溶接機の外観構成を示す図である。 溶接機の内部回路を説明する図である。 (a)は溶剤タンクの内面にPFA板を配設する際のPFA板の溶接作業を説明する模式図であり、 (b)は相隣り合うPFA板の溶接部を説明する斜視図である。 相隣り合うPFA板の当接部の形状を説明する図である。
以下、本考案の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態の溶剤タンクの例を示す図である。溶剤タンク1には、例えば酢酸エチルや、トルエン、キシレン等の溶剤を注入する注油管2、溶剤タンク1から溶剤を吸引する給油管3、溶剤タンク1の通気を行う通気管4、及び溶剤タンク1に貯蔵された溶剤の液面高を計測する不図示の液面計が設けられている。また、溶剤タンク1は地表から所定の深さに埋設され、溶剤タンク1上にはコンクリート5が施設されている。
注油管2には地表に注油口6が設けられ、注油口6から溶剤の注油が行なわれる。また、給油管3には地表に計量器、ポンプ等の機器類7が設けられ、溶剤タンク1から溶剤を吸引し、吸引する溶剤の計量を行う。また、上記注油管2には不図示のバルブが設けられ、給油管3にも不図示のバルブが設けられ、溶剤タンク1の補修/改修作業の際、このバルブを共に閉鎖して行う。尚、通気管4には不図示の通気口が設けられ、溶剤タンク1内で発生するガスを排出する。
図2は、溶剤タンク1の断面構成を示す図であり、図1に示す溶剤タンク1のA−A´断面を示す図である。同図に示すように、埋設タンク1は鋼板13で構成され、この鋼板13の内側に本例で使用するテフロンシートを配設する。このテフロンシートとして、例えばPFA板14を使用する。尚、本例のPFA板を使用した溶剤タンクの具体的な補修の施工例については後述する。
図3は上記PFA板を配設する際に使用する溶接機18の外観構成を示す図であり、この溶接機18を使用して、溶剤タンク1の内周面にPFA板14を配設する。溶接機18は本体19に加熱部20を備え、不図示のコンプレッサから圧縮気体が送られ、溶接機18に取り付けられたノズル21の先端部21aに高熱を加え、PFA板14の溶接を行う。すなわち、溶剤タンク1の内面に配設されるPFA板14は一定の厚さを備え、縦横所定の長さを有する板状(シート状)のテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、溶剤タンク1の内径に対応した曲率を備え、このPFA板14を溶剤タンク1の内面に取り付ける際、相隣り合うPFA板の接合部の溶接を行う。
この為、溶接機18に設けられた加熱部20を加熱する電源線23a〜23cから、例えば230V/100Vの電源が供給され、後述する回路を駆動して加熱部20を加熱する。本例では後述するPFA棒(以下、溶接棒で示す)を使用する為、例えば加熱温度が20℃〜600℃に制御可能に設定されている。
尚、溶接に使用する溶接棒としては、例えば直径2.5〜4.0mmの断面円形の溶接棒を使用するが、所定幅を有する平棒を使用することもできる。
また、溶接機18にはパイプ24も取り付けられ、コンプレッサから送られる圧縮空気を溶接機18に取り入れ、ノズル21を通して先端部21aに送る。この際、圧縮空気は所定温度に加熱された加熱部20を通り、所定温度気体がノズル21を介して先端部21aから吐出する。
図4は溶接機18の内部回路を説明する図である。前述の加熱部20にはヒータ25、サーモスタット26、温度ヒューズ27、ファン28が内蔵され、ヒータ25は前述の電源供給に基づいて加熱部20を所定温度に加熱する。サーモスタット26及び温度ヒューズ27は加熱部20の異常温度を防止し、加熱部20の異常を検知すると遮断制御部29を駆動し、ヒータ25への電源供給を停止する。ファン28はヒータ25を介して所定温度に達した熱風をノズル21に供給する。
また、制御部30はヒータ25に供給する電源調整を行い、加熱部20を所定温度に設定する制御を行い、制御部30による制御は電子式温調部31から送られる制御信号に基づいて行う。具体的には電子式温調部31には加熱部20からの熱風の温度を検知する熱電対32が接続されており、熱電対32から送られてくる温度情報に基づいて制御部30に制御信号を送り、温度制御を行う。
次に、PFA板14を使用し、上記構成の溶接機18によって溶剤タンク1の補修を行う施工方法について説明する。
先ず、前述の溶剤タンク1内面の錆落としを行い、溶剤タンク1内面に凹凸が有れば、パテ(充填材)を使用し平滑仕上げを行う。
次に、指定された接着剤を溶剤タンク1の内面、及びPFA板の内面に薄く塗布し、溶剤タンク1の内面に貼り付ける。尚、貼り付けたPFA板が剥がれ落ちそうであれば、例えばバキューム法、若しくは支持棒を使用して接着剤が初期硬化するまで支持し、PFA板の落下を防ぐ。尚、使用する接着剤としては、例えばチクソ性付加剤を付加したエポキシ系接着剤を使用する。
次に、溶剤タンク1の内面に敷設されたPFA板14の突合部を上記溶接機18によって溶接する。図5(a)はこの作業を説明する模式図である。作業者は、例えば溶接機18を右手34で握り、左手35で溶接棒36を持ってPFA板14の突合部37に溶接棒36の先端を近づけ、相隣り合うPFA板14の突合部37を溶接する。
図6は相隣り合うPFA板14の突合部37の形状を説明する図であり、PFA板14の端部はテーパ状であり、一定の角度を有する。本例では、例えば相隣り合うPFA板14の突合部37において開先(θ)が50°〜90°に設定されている。したがって、作業者は溶接棒36を突合部37に近づけ、溶接機18の先端部21aの高熱によって溶接棒36を溶かし、相隣り合うPFA板14の突合部37を溶接する。
この際、溶接棒36はPFA板14と同じ材料であり、しかも上記のように突合部37においてPFA板14間の開先(θ)が50°〜90°に設定されているので、効率よく熱が回り、相隣り合うPFA板14を確実に溶接することができる。
図5(b)に示す図は上記処理を行った溶剤タンク1の内面の一部を示す図であり、PFA板14の突合部が上記溶接機18によってライン状に溶接された状態を示す図である。尚、同図(b)において、溶接後の突合部37を接合部38として示す。
同様に、具体的に図示しないが他の溶接個所もライン状に溶接され、PFA板14が溶剤タンク1から剥がれ落ちることなく、溶剤タンク1の補修をPFA板14によって確実に行うことができる。
以上のように溶接機18を使用して溶剤タンク1の補修を行えば、PFA板14の接合部38が確実に溶接され、PFA板14の接合部38からの溶剤洩れを確実に防止することができる。
尚、上記実施形態の説明では、図3に示す構成の溶接機18を使用したが、必ずしも上記構成の溶接機を使用する必要はなく、例えば他の構成のロブスト型送風機とコンプレッサの組み合わせの溶接装置を使用することもでき、更にロブスト型送風機以外の溶接装置を使用することも可能である。
また、溶接機で使用する温度も前述の説明の温度に限定される訳ではなく、例えば使用するPFA板14や溶接棒の材質や成分比によって適宜設定可能であり、使用する制御回路や供給電圧等の数値についても適宜設定可能である。
また、本実施形態の説明ではPFA板14を使用したが、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド等、他のフッ素樹脂素材の板材を使用してもよい。
また、上記実施形態の説明では埋設された溶剤タンク1について説明したが、地上に設置された溶剤タンクでも同様に実施することができる。
さらに、鋼板13にFRP(繊維強化複合材)が敷設された溶剤タンクに対しても同様に本例の補修方法を適用してもよい。この場合、溶剤タンク1の内周全面にFRPを敷設し、その後、FRPの内面に本例のPFA板14を配設し、前述の溶接機18を使用してPFA板14を溶接する。
1・・・溶剤タンク
2・・・注油管
3・・・給油管
4・・・通気管
5・・・コンクリート
6・・・注油口
7・・・ポンプ等の機器類
13・・鋼板
14・・PFA板
15・・溶剤
18・・溶接機
19・・本体
20・・加熱部
21・・ノズル
21a・・先端部
23a〜23c・・電源線
24・・パイプ
25・・ヒータ
26・・サーモスタット腕
27・・温度ヒューズ
28・・ファン
29・・遮断制御部
30・・制御部
31・・電子式温調部
32・・熱電対
34・・右手
35・・左手
36・・溶接棒
37・・突合部
38・・接合部
本考案は酢酸エチルや、トルエン、キシレン、アセトン等の有機溶剤を貯留する溶剤タンクに関する。

Claims (6)

  1. 既存の鋼製タンクと、
    該鋼製タンクの内周に貼着され、該鋼製タンクからの溶剤漏れを防止する複数のテフロン板と、
    相隣り合う前記テフロン板の当接部が溶接機によって溶接されたライン状の溶接部と、
    を備えることを特徴とする溶剤タンク。
  2. 前記ライン状の溶接部は同じテフロン材料の溶接棒を前記当接部に近づけ、前記テフロン板の当接部に沿って直線状に溶接を行うことによって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の溶剤タンク。
  3. 地上又は地下に設けられていることを特徴とする請求項2、又は3に記載の溶剤タンク。
  4. 鋼製タンクと、
    該鋼製タンクの内側に形成された繊維強化複合材と、
    該繊維強化複合材の内周に貼着され、前記鋼製タンクからの溶剤漏れを防止する複数のテフロン板と、
    相隣り合う前記テフロン板の当接部が溶接機によって溶接されたライン状の溶接部と、
    を備えることを特徴とする溶剤タンク。
  5. 前記ライン状の溶接部は同じテフロン材料の溶接棒を前記当接部に近づけ、前記テフロン板の当接部に沿って直線状に溶接を行うことによって形成されたことを特徴とする請求項4に記載の溶剤タンク。
  6. 地上又は地下に設けられていることを特徴とする請求項4、又は5に記載の溶剤タンク。
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