JP3207445U - 掘削工具 - Google Patents

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重樹 田村
重樹 田村
坂本 千春
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Abstract

【課題】小さな掘削対象に対し、ユーザが手に持って掘削作業を行うのに適した掘削工具を提供すること。【解決手段】本考案は、胴体部10と、胴体部10の一端に設けられる先端部20と、先端部20に設けられるヘッド部30と、胴体部10に流入する空気の圧力によってヘッド部を往復運動させる駆動部40と、を有する掘削工具1において、先端部20は、胴体部10に流入した空気をヘッド部30の往復運動の方向に対して70度以上110度以下の方向に排出する排気口28を有するものである。【選択図】図1

Description

本考案は、掘削工具に関する。
岩盤を掘削するための工具(たとえば特許文献1参照)が知られている。特許文献1の工具では、チゼルと呼ばれる掘削器具を、空気圧を利用して往復運動させ、岩盤表面に打撃を加えることにより岩盤を掘削する。
特許第5082051号
上述のような掘削工具の利用形態として、ユーザが片手で持つことができる小型軽量の形態とし、遺跡選別のために小さな石の研磨や斫りを行ったり、金属部品またはガラスの面取りや研磨に利用したいという要望がある。このような要望に対し、特許文献1のような掘削工具を単に小型軽量化しただけでは、要望を満たすことは難しい。
たとえば、特許文献1の例では、往復運動の動力となる空気を掘削工具の前方に排気している。このように、空気を掘削工具の前方に排気する構成では、被掘削対象物がユーザの手元にある場合、掘削によって生じた粉塵が飛散してユーザがこれを吸い込むなどの不都合が生じる場合がある。または、排気口の位置によっては、ユーザの指によって排気口が塞がれて、往復運動が妨げられたり、排気がユーザの手に当たり、ユーザの手が冷却されて不快であるなどの問題が生じる場合がある。
本考案は、このような課題を解決するためのものであり、小さな被掘削対象物に対し、ユーザが手に持って掘削作業を行うのに適した掘削工具を提供することを目的とする。
本考案は、胴体部と、胴体部の一端に設けられる先端部と、先端部に設けられるヘッド部と、胴体部に流入する空気の圧力によってヘッド部を往復運動させる駆動部と、を有する掘削工具において、先端部は、胴体部に流入した空気をヘッド部の往復運動の方向に対して70度以上110度以下の方向に排出する排気口を有するものである。
上述の掘削工具において、先端部は、胴体部に一端が接続された先端部用部材と、先端部用部材の他端に接続された円錐台形状のインナーチューブとを有して構成され、インナーチューブの下底には軸方向に沿って少なくとも一つの溝が形成され、胴体部に流入した空気が溝を介してインナーチューブの下底と先端部用部材との間の隙間から排出されるようにすることができる。
上述の掘削工具において、胴体部と先端部から成る筐体は、ペンシル型に成形されたアルミニュウム製であることが好ましい。
上述の掘削工具において、ヘッド部は、異なる形状の複数種類が駆動部に対して着脱自在に設けられることが好ましい。
本考案によれば、小さな被掘削対象物に対し、ユーザが手に持って掘削作業を行うのに適した掘削工具を提供することができる。
本考案の掘削工具の全体構成図である。 図1の先端部の拡大構成図である。 図2のインナーチューブを側面から見た図である。 図2のインナーチューブを前方から見た図である。 本考案の掘削工具の使用例を示す図である。 複数種類の異なるヘッド部を示す図である。 駆動部の動作を説明するための図である。
本考案の実施の形態に係る掘削工具1を図1〜図7を参照しながら説明する。
(全体構成について)
本考案の掘削工具1は、図1に示すように、胴体部10と、胴体部10の一端に設けられる先端部20と、先端部20に設けられるヘッド部30と、胴体部10に流入する空気の圧力によってヘッド部30を往復運動させる駆動部40と、を有する。胴体部10と先端部20は、筐体50を成す。また、駆動部40は、可動部41、固定部42、Оリング43、および複座バネ44から構成される。不図示のエア供給源(エアコンプレッサなど)から供給される空気は、不図示のスピードコントローラを介して胴体部10の空気取入口11から胴体部10内に流入し、胴体部10内の圧力調整器12を介して圧力が調整された後、駆動部40に供給される。駆動部40の動作の詳細については図7を参照して後述する。なお、複座バネ44による複座機構の詳細については既存の技術で実現できるので図示は省略する。
(先端部20について)
先端部20は、図1および図2に示すように、アルミニュウム製の先端部用部材21と、プラスチック製のインナーチューブ22とから構成される。先端部用部材21の内周面には、インナーチューブ22がネジ込まれる雌ネジ23が切られ、インナーチューブ22の外周面には、先端部用部材21にネジ込まれる雄ネジ24が切られている。インナーチューブ22は、図2および図3に示すように、雄ネジ24が切られている挿入部22aと、先端部用部材21から突出する突出部22bとを有する。突出部22bは、円錐台形状である。
さらに、インナーチューブ22には、可動部41が貫通する貫通孔26と、空気が流通する溝27とを有する。溝27は、図4に示すように、インナーチューブ22の挿入部22aの長手方向に沿って等間隔に3本設けられている。なお、溝27の本数は3本に限定されるものではなく、1本以上あればよい。
すなわち、先端部20は、胴体部10に一端が接続された先端部用部材21と、先端部用部材21の他端に接続された円錐台形状のインナーチューブ22とを有して構成される。インナーチューブ22の下底には軸方向に沿って少なくとも一つの溝27が形成され、胴体部10に流入した空気が溝27を介してインナーチューブ22の下底と先端部用部材21との間の隙間から排出される。この隙間は後述する排気口28を成す。
(先端部20の排気口28について)
胴体部10には、図1に示すように、不図示のエア供給源(エアコンプレッサなど)およびスピードコントローラを介し、一点鎖線の中の矢印方向に、空気取入口11から空気が流入する。胴体部10に流入した空気は、圧力調整器12によって圧力が調整された後、後述する駆動部40の駆動源として使用され、図2および図3に示す溝27を通ってインナーチューブ22の突出部22bに向かって流れる。円錐台形状の突出部22bの下底の部分と先端部用部材21との間には、僅かな隙間があり、溝27の一部が外部に露出されている。溝27が先端部用部材21から露出されている部分は、排気口28として機能する。これにより、先端部20は、胴体部10に流入した空気をヘッド部30の往復運動の方向に対して70度以上110度以下の方向に排出する排気口28を有することができる。
(胴体部10と先端部20から成る筐体50について)
胴体部10と先端部20から成る筐体50は、図1に示すように、ペンシル型に成形されたアルミニュウム製である。これにより、図5に示すように、ユーザは、被掘削対象物60に対し、軽量な掘削工具1を用いて片手で容易に作業を行うことができる。
(ヘッド部30について)
ヘッド部30は、図6に示すように、異なる形状の複数種類のヘッド部30a〜30jが可動部41に対して着脱自在に設けられている。ヘッド部30a〜30jの可動部41への着脱の方法は、ネジ込み方式やスナップオン方式など、既存の様々な方法を採用することができる。なお、スナップオン方式とは、ヘッド部30a〜30jまたは可動部41に設けられた凹部と可動部41またはヘッド部30a〜30jに設けられた凸部とが互いに噛み合うことにより、ネジ込むことなく、ヘッド部30a〜30jを可動部41に固定する方式である。
たとえば、ヘッド部30a,30b,30eは、略円錐台形状であり側面に複数の凹凸を有する。この凹凸は、ヤスリの機能を有し、図5に示すように、ヘッド部30a,30b,30eの円錐台の側面を被掘削対象物60に接触させることにより被掘削対象物60に対して研磨や面取りの作業を行うことができる。
また、ヘッド部30d,30fは、尖頭形状であり、側面に複数の凹凸を有する。この凹凸はヤスリの機能を有し、ヘッド部30a,30b,30eと同様に、ヘッド部30d,30fの側面を被掘削対象物60に接触させることにより被掘削対象物60に対して研磨や面取りの作業を行うと共に、尖頭部により被掘削対象物60に打撃を与えることにより、被掘削対象物60に対して斫りや打刻の作業を行うことができる。
また、ヘッド部30c,30gは、円柱形状であり、円柱の外周に複数の凹凸を有する。この凹凸は、ヤスリの機能を有し、ヘッド部30c,30gの円柱の外周を被掘削対象物60に接触させることにより被掘削対象物60に対して研磨や面取りの作業を行うことができる。
また、ヘッド部30h〜30jは、直径がそれぞれ異なる球形状であり、球の表面に複数の凹凸を有する。この凹凸は、ヤスリの機能を有し、ヘッド部30h〜30jの球の表面を被掘削対象物60に接触させることにより被掘削対象物60に対して研磨や面取りの作業を行うことができる。
(駆動部40について)
駆動部40は、図1および図7に示すように、可動部41、固定部42、Оリング43、および複座バネ44から構成される。可動部41の固定部42と相対する端部は、円盤状に形成され、円盤状の周囲には、Оリング43が装着されている。図7の上段の図に示すように、Оリング43は、固定部42の内面に密着している。ここで、不図示のエアコンプレッサから固定部42の内面に、矢印方向に向かって空気が流入すると、図7の中段の図に示すように、可動部41は、空気の圧力によって、固定部42から先端部20に向かって押し出される。これにより、固定部42の内面と接触していたОリング43は、固定部42の内面から離れる。Оリング43が固定部42の内面から離れると、可動部41を押し出していた空気は、矢印方向に向かってに固定部42の外部に放出される。このとき、可動部41は複座バネ44の力によって、図7の下段の図に示すように、再び固定部42の方向に戻る。このように、図7の上段の図の状態から中断の図の状態を経て下段の図の状態となり、上段の図の状態に戻る。これにより、固定部42の内面に空気が供給されている間は、可動部41は、往復運動を繰り返す。このとき、図1に示すように、可動部41の先端に取り付けられているヘッド部30も可動部41の往復運動と共に往復運動をする。
(効果について)
本考案の掘削工具1は、小型かつ軽量であり、筐体50は、ペンシル型であり、ユーザが手に持ち易い形状である。これにより、掘削工具1は、図5に示すように、ユーザが片手で長時間使用することができる。
また、排気口28は、先端部20の最先端にあり、ユーザの手で排気口28を塞くことはない。これにより、駆動部40の駆動はスムースに行われる。また、排気口28が先端部20の最先端にあることで、ユーザの手に排気が吹き付けられることもない。これにより、ユーザの手に排気が吹き付けられることにより、ユーザが不快感を感じることもない。
また、排気口28から排気される空気は、ヘッド部30の往復運動の方向に対して70度以上110度以下の方向に排気される。これにより、被掘削対象物60に排気が吹き付けられることはなく、掘削によって被掘削対象物60から発生する粉塵が舞い上がることはない。
また、図6に示すように、ヘッド部30は、異なる形状の複数種類のヘッド部30a〜30jが駆動部40に対して着脱自在に設けられている。これにより、掘削工具1を様々な用途に使用することができる。
以上説明した掘削工具1によれば、小さな被掘削対象物60に対し、ユーザが掘削工具1を長時間片手で持って作業を行うことができ、排気が吹き付けられることなく快適に研磨、面取り、打刻、または斫りを行うことができる。また、掘削工具1は、金属部品やガラス端面の研磨、面取り、または、金属や石などへの打刻、または、遺跡選別などの様々な用途に使用することができる。
1…掘削工具、10…胴体部、20…先端部、21…先端部用部材、22…インナーチューブ、27…溝、28…排気口、30…ヘッド部、40…駆動部、50…筐体

Claims (4)

  1. 胴体部と、前記胴体部の一端に設けられる先端部と、前記先端部に設けられるヘッド部と、前記胴体部に流入する空気の圧力によって前記ヘッド部を往復運動させる駆動部と、を有する掘削工具において、
    前記先端部は、前記胴体部に流入した空気を前記ヘッド部の往復運動の方向に対して70度以上110度以下の方向に排出する排気口を有する、
    ことを特徴とする掘削工具。
  2. 請求項1に記載の掘削工具において、
    前記先端部は、前記胴体部に一端が接続された先端部用部材と、前記先端部用部材の他端に接続された円錐台形状のインナーチューブとを有して構成され、
    前記インナーチューブの下底には軸方向に沿って少なくとも一つの溝が形成され、前記胴体部に流入した空気が前記溝を介して前記インナーチューブの下底と前記先端部用部材との間の隙間から排出される、
    ことを特徴とする掘削工具。
  3. 請求項1または2に記載の掘削工具において、
    前記胴体部と前記先端部から成る筐体は、ペンシル型に成形されたアルミニュウム製である、
    ことを特徴とする掘削工具。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の掘削工具において、
    前記ヘッド部は、異なる形状の複数種類が前記駆動部に対して着脱自在に設けられる、
    ことを特徴とする掘削工具。
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