JP3206995U - 合成樹脂発泡薄片 - Google Patents

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Abstract

【課題】風合い、柔らかさ、嵩保持性、保温性の更なる向上を目指し、従来の羽毛代替品に較べ、より羽毛に近い物性を有する羽毛代替素材として利用できる合成樹脂発泡薄片を提供する。【解決手段】発泡した合成樹脂からなる薄片であって、上記薄片は略短冊形状を成し、その略短冊形状の幅方向の一方又は両方の端辺が波形曲線を形成し、その幅方向の長さの最大値(最大幅)と厚みとの比が3以上であることと、上記薄片の厚さ方向に対して直交する面に多数の孔3が形成されていることと、上記孔の孔径が0.1〜3.0mmである合成樹脂発泡薄片1とした。【選択図】図2

Description

本考案は、衣類、寝具、アウトドア用品等のインナー材(クッション材)として、好適に使用することができる合成樹脂発泡薄片に関するもので、特に羽毛の代替品として使用することができる合成樹脂発泡薄片に関するものである。
軽くて柔らかく、保温性に優れた羽毛は、水鳥の毛であり、近年、鳥獣愛護の観点から採取に難色が示されている。また、天然素材である羽毛は、気候や病気等の要因により供給量が安定せず、価格の変動が激しく、市場価格も不安定となっている。
これに対処するため、ダウンジャケット等の衣類、羽毛布団、枕、マットレス等の寝具、シュラフ等のアウトドア用品、ソファ、椅子、クッション等の家具等に詰めるインナー材として、羽毛等の天然素材に代わって、現在では合成繊維綿も広く使用されている。合成繊維綿の材料としては、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン等が良く知られている。これらの細い合成繊維の集合からなる合成繊維綿は、その繊維の間に空気を保持し、繊維間の空気によって保温性や柔軟性を担保している。
他方、物品の保管、搬送の際、物品を保護するための緩衝材として、合成樹脂発泡体が広く使用されている。合成樹脂発泡体の一般的な基材樹脂は、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン(主にポリエチレンやポリプロピレン)である。この他にも、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などもそれぞれの特性を生かした用途において発泡化されて用いられている。
合成樹脂発泡体は、通常、気泡を混入せしめる方法、発泡剤を利用する方法、溶剤気散法、化学反応によりガスを発生せしめる方法等により製造されており、このような合成樹脂発泡体を裁断して紐状あるいは糸(繊維)状としたものを、クッション材として用いることも提案されている。
例えば、特許文献1には、従来の合成繊維綿の軽量、比較的安価という利点を備えつつ、保温力が優れた紐状のクッション体を提案している。これは、合成樹脂発泡シートを抜き加工、あるいは裁断してなる紐状物を多数集合させてなるクッション体であって、上記合成樹脂発泡シートが、平均気泡数が350個/cm3以上、見掛け密度が10〜60g/L、厚みの平均値が0.1〜5.0mm、かつ厚みに縞状のばらつきを有することと、前記合成樹脂発泡シートの裁断により幅が0.1〜5.0mm、長さが10mm以上である紐に形成されているクッション体である。
特許文献2は、まず従来において羽毛等の代替品として開発された中空繊維の問題点を指摘している。中空繊維の問題点の第一は、天然繊維集合体に存在するような細かい空隙に比べて空気保持力が小さく、保温性はそれほど高くならないこと。第二は、各繊維の剛性が高く、繊維の集合体の内部に空気を保持するための適度な空隙が構成され難く、繊維の集合体として十分な保温性が得られないこと。第三は、やはり各繊維の剛性が大きいことに起因するが、例えば衣類などに用いた場合には、ごそごそとして肌触りが悪いことを指摘している。
そして、特許文献2には、上記した中空繊維の問題点を解決するため、多孔層を持つ繊維を提案している。これは、復元性の高いポリオレフィン系樹脂で多孔層を形成し、各繊維の表面に多孔層の孔を開放させ、繊維の表面に小さい凹部が多数形成したものであって、上下の非現出面ではそれらの孔が露出せず側面では露出するように構成されたもの、及び全て若しくはほぼ全てのそれらの孔が外部に開放されているものを提案している。
特開2014−180460号公報 特開2015−158022号公報
しかしながら、上記した特許文献等に記載された多数の孔を有する合成樹脂製のシートを紐状あるいは糸状に細かく切断して形成した羽毛代替品(以下、合成樹脂発泡繊維とも言う。)は、互いに絡み合って塊になる傾向がある。また、合成樹脂発泡繊維は外力が加わると、各紐又は糸は柔らかさを追及すればするほど簡単に曲がってしまうことから上記絡み合の原因となり、この絡み合いにより形成された塊は羽毛代替品の特性を低下させることがある。また、各紐あるいは各糸が相対的に細く柔らかいものであることから各紐あるいは各糸に形状復元力が十分に働かず、用途によっては合成樹脂発泡繊維集合体として形状復元力が不十分なものとなる虞がある。さらに、形状復元力が不十分なものは、圧縮後において空気を紐と紐、あるいは糸と糸の間に保持することができず、保温性が低下してしまう虞がある。このように合成樹脂発泡繊維は、十分な形状復元性や保温性を確保する上で改善の余地を残すものであった。
本考案は、上述した背景技術の現状に鑑みて成されたものであって、風合い、柔らかさ、嵩保持性、保温性の更なる向上を目指し、従来の上記した羽毛代替品に較べ、より羽毛に近い物性を有する羽毛代替素材として利用できる、合成樹脂発泡薄片(以下、薄片とも言う。)を提案することを課題とする。
上記した課題を解決するため、本考案は、次の〔1〕〜〔7〕に記載した合成樹脂発泡薄片とした。
〔1〕発泡した合成樹脂からなる薄片であって、上記薄片は略短冊形状を成し、その略短冊形状の幅方向の一方又は両方の端辺が波形曲線を形成し、その幅方向の長さの最大値(最大幅)と厚みとの比が3以上であることと、上記薄片の厚さ方向に対して直交する面に多数の孔が形成されていることと、上記孔の孔径が0.1〜3.0mmであることとを特徴とする、合成樹脂発泡薄片。
〔2〕上記薄片の厚みが0.1〜2.0mmあることと、上記薄片の長さが40mm以下であることとを特徴とする、上記〔1〕に記載の合成樹脂発泡薄片。
〔3〕上記薄片の幅方向の長さの最大値(最大幅)と幅方向の長さの最小値(最小幅)との比が1.3を超えることを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の合成樹脂発泡薄片。
〔4〕上記薄片の厚さ方向に対して直交する面に形成されている孔の孔数が1〜15個/mm2であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
〔5〕上記薄片に厚さ方向に連通する孔が形成されていることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
〔6〕上記合成樹脂の素材が曲げ弾性率400MPa以下のポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
〔7〕上記合成樹脂発泡薄片を集合させた集合体の嵩高性が20〜100mmであることを特徴とする、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
本考案の合成樹脂発泡薄片は、風合い、柔らかさ、嵩高性、保温性を向上させ、従来の合成樹脂発泡繊維と比べ、より羽毛に近い物性を付与したものとなり、衣料、寝具、アウトドア用品、防災用品等の柔らかさと保温性を求められる製品において羽毛代替品として使うことができる。また、合成樹脂製品であるので、供給量が天然羽毛と比べ、天候、病気の要因に左右されず安定供給が行なえ、市場価格の安定に結びつけることができる。
本考案に係る合成樹脂発泡薄片の一実施形態の拡大写真である。 本考案に係る合成樹脂発泡薄片の一実施形態を概念的に示した拡大斜視図である。 本考案に係る合成樹脂発泡薄片が集積している様子を概念的に示した斜視図である。 本考案に係る合成樹脂発泡薄片の製法の一例を示した図であって、(A)は合成樹脂発泡板を裁断して帯状体とする工程を概念的に示した斜視図、(B)は帯状体をさらに裁断して合成樹脂発泡薄片とする工程を概念的に示した斜視図である。 保温性試験装置を概念的に示した側面図である。 保温性試験結果を示したグラフである。
以下、図面を参照しながら、本考案に係る合成樹脂発泡薄片について、詳細に説明する。
なお、この明細書の中では、略短冊形状の合成樹脂発泡薄片の寸法が最大の方向を長手方向、長手方向に直交し寸法が最小の方向を厚さ方向、長手方向と厚さ方向に直交する方向を幅方向と定義する。
本考案に係る合成樹脂発泡薄片1は、発泡した合成樹脂からなる薄片であって、略短冊形状を成すものである。
上記薄片1の厚さ方向の厚みTは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.2〜1.5mmであることがさらに好ましく、0.3〜1.5mmであることが特に好ましい。また、上記薄片の長手方向の長さLは、40mm以下であることが好ましく、5〜35mmであることがさらに好ましく、10〜30mmであることが特に好ましい。薄片の厚さTが薄すぎるものは、裁断等により製造する際の生産性の観点から困難性を有する。一方、厚みTが2.0mm以下、さらに厚みTが小さい程、上記薄片に厚さ方向に連通する孔が形成される割合が高くなり薄片の構造が網目構造に近づくため、柔軟性、復元性において優れたものとなり、ごわつき感が明らかに抑制されたものとなる。また、薄片の長さLが特に40mm以下、さらに長さが小さくなる程、羽毛代替品として、被覆材内への充填性等、羽毛と同様の取扱いが可能となる良さがある。一方、長さLが長いほど嵩高さを高くすることかできる。さらに、本考案の薄片の長さLが上記範囲内で、少なくとも一方の端辺が波形曲線の構成を備えることのより、特に優れた高い嵩高性と復元性を共に具備したものとなる。
なお、上記厚みTは、薄片の長手方向において一方の端部から他方の端部へ等間隔で5点の厚みを測定し、求められた厚みの算術平均値である。上記長さLは、静置状態の薄片における長手方向の薄片の最大長さである。
上記合成樹脂発泡薄片1の幅方向の一方又は両方の端辺は、図1及び図2に示したように、波形曲線を成している。すなわち、薄片1の端辺には、凸部2aと凹部2bとが形成されている。ただし、それらの凸部2aと凹部2bは規則的であっても不規則であってもよく、従って一方の端辺の凸部2a(又は凹部2b)の位置は、他方の端辺の凸部2a(又は凹部2b)の位置と必ずしも対応していない。
本考案に係る合成樹脂発泡薄片1は、上記したように幅方向の端辺が波形曲線を成している略短冊形状のものであるので、幅方向の両端辺が平行な場合以外は、幅方向の長さは一定ではない。そして、その幅方向の長さの最大値(最大幅)Aと、上記した厚みTとの比(A/T)は、本考案の目的とする保温性、復元性の観点から3以上であり、さらに特に優れた柔らかさの観点から好ましくは3〜20であり、さらに好ましくは5〜15である。また、幅方向の長さの最大値(最大幅)Aと、幅方向の長さの最小値(最小幅)Bとの比(A/B)は、後述する薄片の集合体における薄片相互のずれ防止等の作用の観点から1.3を超えるものであることが好ましく、1.5〜10であることがさらに好ましく、2〜5であることが特に好ましい。
なお、上記最大幅Aは、図2に示すように厚み方向に対して直交する面における幅方向の薄片の最大幅であり、最小幅Bは、厚み方向に対して直交する面における幅方向の薄片の最小幅である。
上記した凸部2aと凹部2bが存在する波形曲線を成している端辺を有する略短冊形状の薄片とすることにより、本考案に係る合成樹脂発泡薄片1が堆積しているとき、図3に概念的に示したように、一つの合成樹脂発泡薄片と他の合成樹脂発泡薄片の凹凸が交わり、互いにずれ難くなり、堆積状態を保つという効果が生じる。堆積状態が保たれることは、空気が薄片間に保持され保温効果が担保されること、復元性と柔軟性に優れるものとなることを意味する。一方、凸部と凹部がない短冊形状である場合には、多数の合成樹脂発泡薄片を堆積させても、互いにずれてその堆積構造を保持できず、前記最大幅Aと厚みTとの比(A/T)が3未満の場合には、薄片が塊になってしまい易い。この結果、空気が薄片間に保持されず、保温効果と復元性等が損なわれる憂いがある。
また、本考案に係る合成樹脂発泡薄片1が堆積した集合体は、各薄片の方向が異なるので、集合体に外力が加わった時、各薄片は多様な形式で変形し、上記のとおり優れた形状復元性等を発現する。この形状復元特性は、厚みより幅が広く、且つ幅方向の一方又は両方の端辺が波形曲線を成す、紐でも糸でもない略短冊形状としていることにより得られるものである。細い紐あるいは糸になるように形成された従来技術の合成樹脂発泡繊維による羽毛代替品では、このような形状復元特性は得られない。
また、本考案に係る合成樹脂発泡薄片1は、図1及び図2に示したように、薄片の厚さ方向に対して直交する面に多数の孔3が形成されているものである。なお、本考案において薄片の厚さ方向に対して直交する面は、表裏の2面が存在し両面共に多数の孔3が形成されている。これらの薄片の孔3の孔径は、薄片の柔軟性の観点から0.1〜3.0mmであり、好ましくは0.2〜2.0mmであり、さらに好ましくは0.2〜1.5mmである。さらに、これらの孔3の孔数も薄片の柔軟性の観点から、1〜15個/mm2であることが好ましく、1〜10個/mm2であることがさらに好ましく、1〜8個/mm2であることが特に好ましい。これは、合成樹脂発泡薄片1の内部は、ほとんど多数の孔3によって占められていることと、孔3の壁厚が薄いことを意味する。また、該孔3は厚さ方向に連通していることが該薄片の集合体の復元性と柔軟性に特に優れるものとなる観点から好ましい。なお、該孔3の厚さ方向に連通しているものの割合は、全体個数の60%以上、さらに、80%以上、特に90%以上であることが好ましい。
なお、上記孔径は、薄片の厚み方向に対して直交する面の写真に基づいて、該写真上の全て(50個以上)の孔の最大孔径(図2参照)を測定して、測定された最大孔径の算術平均値を採用する。また、孔数は、薄片の厚み方向に対して直交する面の写真に基づいて、該写真上の全ての孔の数をカウントし、該カウント数を該写真上の薄片の厚み方向に対して直交する面の面積で除することに求まる値を採用する(但し、孔の数をカウントする際には該写真上の薄片の厚み方向に対して直交する面の右端と交差する孔はカウントしない。)。
上記したように、本考案に係る合成樹脂発泡薄片1は、その厚さ方向に対して直交する面に多数の孔3を有するものであるので、その孔3が空気をその中に保持し、各合成樹脂発泡薄片1自体も空気を保持する。そして合成樹脂発泡薄片1の集合体は、上記したように薄片間にも空気を保持するので、それらの相乗効果により、大きな保温性が生じる。また、孔の孔径が特定の値であることにより、合成樹脂発泡薄片1全体として簡単に変形できることとなる。しかも、上記したように幅方向の端辺に形成されている凸部2aに他の合成樹脂発泡薄片の凹部2bがあたかも噛み合うようになり、薄片は相互に大きく絡まりあうことなく相互のずれ防止作用が発現することにより形状復元力が高まるので、変形力がなくなると直ちに羽毛と同様に形状が復元する。すなわち本考案の薄片は、羽毛の肌触りに近い風合いを実現できる。
上記合成樹脂発泡薄片1を集合させた集合体の嵩高性は、20〜100mmであることが好ましく、50〜100mmであることがさらに好ましく、60〜100mmであることが特に好ましい。これは、本考案の薄片の材質、寸法、形状を調整することにより変えることができる。例えば、最大幅と最小幅の差を大きくする、薄片の長さを長くする等の方法により嵩高性は大きくなる。
なお、上記集合体の嵩高性は、JIS規格L1903:2011の試験方法に準拠して測定したものである。
天然羽毛の代替品としての用途のためには、保温性があり柔軟であり、かつ形状復元性が優れていることが必要である。上記した本考案に係る合成樹脂発泡薄片1は、多数の孔の寸法諸元により、大量の空気を内部に保持すること、及び略短冊形状の上述した形状諸元により薄片間に大量の空気を保持することにより、良好な保温性と、変形が可能な良好な柔軟性と、良好な形状復元性を実現することができる。なお、本考案の薄片は薄片集合体の形態で、衣類、寝具、家具等の充填材等として主に使用されるが、薄片集合体を構成する各薄片は寸法(厚さ、幅、長さ)の異なるものを混合して使用することもできるし、他素材と複合して使用することもできる。なお、該集合体中の上記寸法を満足する薄片は、50質量%以上、さらに70質量%以上、特に80質量%以上含まれることが本考案の薄片の特性を十分に発現させる上で好ましい。
本考案に係る上記合成樹脂発泡薄片1は、表面に凹凸が形成された合成樹脂発泡板を薄く切断することにより実現することができる。
該合成樹脂発泡板は、例えば、実開昭57−117365号公報、実開昭58−143229号公報等に記載の公知の方法によって製造することができる。この発泡板の製造方法は、押出機に基材樹脂、発泡剤及び気泡調整剤を供給し、これらを混練して発泡性溶融混練物を得た後、該混練物を目的とする合成樹脂発泡板表面の凹凸形状に対応する切欠を有する環状スリットから押出機内よりも低圧、低温の大気圧条件下に押出して筒状発泡体にする。このように押出された筒状発泡体を、押出方向に切り開く方法、或いは該筒状発泡体を上下に押し潰すことにより筒状発泡体内面を貼り合せることにより、表面に凹凸が形成された合成樹脂発泡板を得ることができる。
基材樹脂は、靭性、柔軟性、耐水性、復元性、耐薬品性等に優れるポリオレフィン系樹脂が好適であり、基材樹脂の50重量%以上、更に70重量%以上、特に90重量%以上をポリオレフィン樹脂により構成することが好ましい。また、耐久性、嵩高性、耐熱性の向上を目的として架橋ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂として選択することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の中でも、特に柔軟性、復元性に優れる観点からポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。同様の観点から、上記ポリオレフィン系樹脂のうち、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の曲げ弾性率が400MPa以下、さらに好ましくは100〜300MPaのポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。
なお、上記曲げ弾性率は、JIS規格 K7171:2008、試験片;射出成形により作製、試験片寸法80mm×10mm×4mm、試験片状態調節あり、試験速度2mm/分で測定したものである。
また、特に優れた耐熱性が求められる場合には、所期の目的を達成できる範囲でポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等を基材樹脂として選択してもよい。
また、上記合成樹脂発泡板を製造する際に用いる発泡剤としては、二酸化炭素、窒素等の無機系物理発泡剤、ノルマルブタン、イソブタン、ペンタン等の有機系物理発泡剤、アゾジカルボンアミド(ADCA)等の化学発泡剤が使用できる。
さらに、公知のADCA、重曹−クエン酸等の有機系、あるいはタルク、炭酸カルシウム等の無機系の気泡調整剤を用いて、合成樹脂発泡板内の気泡径、すなわち薄片の孔径を調整することができる。
そして、上記発泡剤の添加量は目的とする合成樹脂発泡板の見かけ密度、発泡剤の種類に応じて適宜調整し、上記気泡調整剤の添加量は、目的とする気泡径の大きさ、気泡調整剤の種類に応じて適宜調整する。
上記合成樹脂発泡板10から、本考案の合成樹脂発泡薄片1を形成する際には、合成樹脂発泡板10の押出方向に沿った、図4(A)の破線で示したカット線nで上記合成樹脂発泡板10(発泡板表面の凹凸は図示せず。)をカットし、複数の帯状体11を形成する。例えば、合成樹脂発泡板10の幅方向に、カット幅Lを保って複数のカッターを配置し、これらカッターに接触させた合成樹脂発泡板10を押出方向に搬送すれば、幅Lの帯状体11を複数同時に形成することができる。
上記のようにして帯状体11を形成したら、この帯状体11を、図4(B)に一点鎖線で示したカット線mに沿って、カット幅Tでカットすると、図1及び図2に示した合成樹脂発泡薄片1が完成する。
この合成樹脂発泡薄片1は、上記帯状体11の幅に相当する長さLと、帯状体11のカット幅に相当する厚みTと、合成樹脂発泡板の厚みである幅W(最大幅A,最小幅B)を有する略短冊形状の薄片となる。
以上、本考案に係る合成樹脂発泡薄片を詳しく説明してきたが、本考案の技術的範囲は、上記の説明には限定されないことは言うまでもない。上記に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本考案の技術的範囲に含まれ得ることが、実用新案登録請求の範囲の記載から明らかである。
−嵩高性、復元性試験−
本考案に係る合成樹脂発泡薄片(実施例1)と、従来技術による合成樹脂発泡繊維(比較例1)の嵩高性、復元性を比較する試験を行った。
なお、本考案に係る幅方向の一方の端辺が波形曲線の合成樹脂発泡薄片(実施例1)の寸法は、最大幅A:3mm、最小幅B:1mm、厚みT:0.5mm、長さL:30mmmであった。従来技術による合成樹脂発泡繊維(比較例1)の寸法は、幅:0.5mm、厚み:0.5mm、長さ:30mmであった。実施例1、比較例1共に、基材樹脂は、曲げ弾性率200MPaの低密度ポリエチレン(帯電防止剤含有)であった。実施例1の薄片の厚さ方向に対して直交する面において、孔径は1.5mmであり、平均孔数は1.3個/mm2、厚さ方向に連通している孔の割合は、全体個数の90%であった。一方、比較例1の合成樹脂発泡繊維の厚さ方向に対して直交する面において、孔径は1.6mmであり、平均孔数は1.5個/mm2であった。
この嵩高性、復元性試験は、JIS規格L1903:2011の試験方法に準拠し、以下の手順で行なった。
なお、測定装置として、100mm角のアクリル容器と、厚さ2mm、98mm角のアクリル板(23g)と、重さ89gの重りを用い、試験体量は5.7gとした。
1)アクリル容器に試験体を入れ、その上をアクリル板で蓋をし、さらに重りで荷重をかける。
2)圧縮開始2分後の上記蓋の位置を、角筒容器の4隅において1mm単位で計測し、その平均値を嵩高性とする。
3)重り荷重開放1分後の蓋の位置を、角筒容器の4隅において1mm単位で計測し、その平均値と上記2)の計測平均値との差を復元性とする。
測定結果は、表1の通りであった。
Figure 0003206995
この測定結果は、本考案に係る合成樹脂発泡薄片は、嵩高性及び復元性に優れていることを示している。
−保温性試験−
実施例1の合成樹脂発泡薄片と比較例1の合成樹脂発泡繊維の保温性を比較する試験を行った。
保温性試験は、次の手順で行った。
試験体をそれぞれ約46cm角の布製の袋内に、130g充填して試験サンプルSとした。
上記各サンプルSについて、図5に示す試験装置を用いて保温性試験を行なった。試験装置は、断熱材からなる基板上に43℃に調整した湯600mlを上面が解放している容器に入れた熱媒体を置き、それを網状の支持部材を介して上記したサンプルSで覆うものである。
上記サンプルSは、試験装置にセットする前に、あらかじめ室温23℃の雰囲気で養生しておくものとする。
この装置を、6℃の恒温槽内に入れて1時間放置し、温度センサで支持部材内(内雰囲気)温度を測定した。
測定結果は、図6及び表2の通りであった。
Figure 0003206995
この測定結果は、本考案に係る合成樹脂発泡薄片は、保温性に優れていることを示している。
以上、説明した本考案に係る合成樹脂発泡薄片は、風合い、柔らかさ、嵩保持性、保温性に優れたのもであり、羽毛の代替品として、衣類、寝具、アウトドア用品等のインナー材(クッション材)として好適に使用することができる。
1 合成樹脂発泡薄片
2a 凸部
2b 凹部
3 孔

Claims (7)

  1. 発泡した合成樹脂からなる薄片であって、上記薄片は略短冊形状を成し、その略短冊形状の幅方向の一方又は両方の端辺が波形曲線を形成し、その幅方向の長さの最大値(最大幅)と厚みとの比が3以上であることと、上記薄片の厚さ方向に対して直交する面に多数の孔が形成されていることと、上記孔の孔径が0.1〜3.0mmであることとを特徴とする、合成樹脂発泡薄片。
  2. 上記薄片の厚みが0.1〜2.0mmあることと、上記薄片の長さが40mm以下であることとを特徴とする、請求項1に記載の合成樹脂発泡薄片。
  3. 上記薄片の幅方向の長さの最大値(最大幅)と幅方向の長さの最小値(最小幅)との比が1.3を超えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の合成樹脂発泡薄片。
  4. 上記薄片の厚さ方向に対して直交する面に形成されている孔の孔数が1〜15個/mm2であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
  5. 上記薄片に厚さ方向に連通する孔が形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
  6. 上記合成樹脂の素材が曲げ弾性率400MPa以下のポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
  7. 上記合成樹脂発泡薄片を集合させた集合体の嵩高性が20〜100mmであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の合成樹脂発泡薄片。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10176898B2 (en) 2010-11-15 2019-01-08 Atomic Energy Of Canada Limited Nuclear fuel containing a neutron absorber
US10950356B2 (en) 2010-11-15 2021-03-16 Atomic Energy Of Canada Limited Nuclear fuel containing recycled and depleted uranium, and nuclear fuel bundle and nuclear reactor comprising same

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