JP3206203B2 - AlまたはAl合金溶湯からの除滓方法 - Google Patents

AlまたはAl合金溶湯からの除滓方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、AlまたはAl合金
(以下、Al合金で代表する)を製造するに当たり、湯
面に浮上する滓を効率よく除去する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】Al合金は鉄鋼材料に比べて軽量で比強
度が高く且つ耐食性においても優れたものであることか
ら、自動車や電車等の車輌用の外板材や部品材料、建築
材料、家庭用電気製品の外板材、缶材等として幅広く利
用されている。これらAl合金製品を得るまでの製造工
程を略示すると次の通りである。
【0003】溶製原料(地金やスクラップ等)→溶解
(主として反射炉)→鋳造→ソーキング→熱間加工→冷
間加工→熱処理→表面処理→検査→出荷 ここで反射炉を用いた溶解工程では、溶製原料表面の酸
化物(アルマイト等)や溶解工程で生成する酸化物等が
滓として湯面に浮上してくる。この滓は酸化物等の非金
属成分とメタル分(Al合金)が混在したものであり、
この滓をそのまま放置しておくと非金属成分がAl合金
溶湯内へ混入して溶湯汚染を生じるばかりでなく、出湯
後の炉壁や炉底部に付着堆積して溶解炉の容積を縮小せ
しめ、生産性にも悪影響を及ぼしてくる。
【0004】そこで原料溶解後は早期に湯面からの除滓
を行なうことが必要となる。しかしこの滓は上記の様に
多量のメタル分を包含していて溶湯との親和性が高いた
め湯離れが悪く、そのまま強引に湯面上から除滓しよう
とすると多量のメタル分を伴なって排出されることにな
り、Al合金溶湯の歩留りを著しく低下させる。そこ
で、除滓性を高めるための手段として現在汎用されてい
るのは、たとえばKCl−AlF3 等の様に塩化物や弗
化物を主体とするフラックスを散布し、もしくはハロゲ
ン系ガス(Cl2 、六塩化エタン、フロン等)を滓中に
吹込み、滓中のメタル分の一部を着火・燃焼させること
によって滓層全体を昇温せしめ、メタル分を溶解させて
溶湯中へ戻すと共に、滓中の酸化物は溶湯に対してより
濡れ性の低い(湯離れの良好な)高温生成酸化物に変化
させてから除滓する方法である。
【0005】しかしながらこの除滓工程で使用する精練
剤はハロゲン系であり、高温の処理条件下で有害なハロ
ゲンガスやハロゲン化水素ガスが多量生成するため、作
業環境を著しく汚染して健康障害の要因となり得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、Al
合金原料の溶解工程で生成する滓を、有害なハロゲン系
精練剤を使用することなく湯面上から効率よく除滓する
ことのできる方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る除滓法の構成は、反射炉を用いて
AlまたはAl合金を溶解するに当たり、AlまたはA
l合金溶湯表面の滓に黒曜石を添加すると共に、該滓の
温度を900℃以上に高めて該黒曜石を発泡せしめ、発
泡した該黒曜石と共に除滓するところに要旨を有するも
のである。
【0008】
【作用】本発明者らは上記の様な状況の下で、従来技術
に指摘される問題点を解消するには、新たな除滓用のフ
ラックスとして非ハロゲン系のフラックスを開発する必
要があると考え、その線に沿って研究を進めた。そし
て、天然ガラス質の火山岩である黒曜石に着目して除滓
効率向上効果の有無を調べた。
【0009】即ち本発明者等が予備実験によって確認し
たところによると、黒曜石は約900℃で著しい体積膨
張を起こし、AlまたはAl合金原料の溶解工程で生成
する酸化物に対しては優れた濡れ性を有し、且つメタル
分とは濡れ性の悪い綿状物に変わる。従ってこうした黒
曜石の特徴をうまく活用すれば、滓中の酸化物のみを選
択的に吸着して滓の湯離れを良くすると共に、滓中に混
在しているメタル分は溶湯中へ戻す作用を発揮し得るも
のと考えられる。
【0010】ただしAl合金原料の溶解は通常700〜
750℃で行なわれるので、この様な温度条件で黒曜石
を添加したとしても、発泡と綿状化による前述の様な除
滓性向上効果を有効に発揮させることはできず、処理温
度を少なくとも黒曜石の発泡温度である約900℃以上
に高めることが必須となる。
【0011】一方、Al原料の溶解炉として現在汎用さ
れているのは誘導溶解炉と反射炉であり、誘導溶解炉で
はAl合金原料の溶解に最適の温度範囲に昇温・保持で
きる様に加熱及び温度制御機構等が予め設定されている
ため、処理温度を900℃以上に高めるには大幅な設計
変更が必要となる。これに対し反射炉は、上部壁からの
直火および輻射熱によって湯面上方から加熱する方式で
あり、バーナーの焚き方(燃料の種類や供給量、空気比
等のコントロール)や湯面への直火の当て方等を工夫す
ることによって滓の温度を容易に900℃に高めること
ができる。しかも現状では、原料および溶湯への熱効率
の問題から、900℃以上で操業することもある。従っ
て本発明を実施するに当たっては、既存設備の大幅な設
計変更を要することなく、操業条件の変更のみで容易に
900℃以上の高温で確保することのできるものとし
て、反射炉が最適である。
【0012】この様なところから本発明では、溶解炉と
して反射炉を使用し、Al合金原料の溶解工程で湯面上
に生成する滓に黒曜石を添加すると共に滓を加熱して9
00℃以上に昇温して黒曜石を発泡せしめ、生成する綿
状物と共に除滓を行なう。このとき、黒曜石の発泡によ
って生成する綿状物はメタル分に対する濡れ性が悪く、
且つ主たる滓成分である酸化物との濡れ性は良好である
ので、酸化物はこの綿状物に捕捉されて湯離れのよい滓
となる一方、綿状物との濡れ性の悪いメタル分は溶湯へ
戻されることになり、メタル分の少ない滓成分を該綿状
物と共に湯面から容易に除去することができる。
【0013】黒曜石の添加時期や添加形態は特に制限さ
れず、滓を加熱して900℃以上に昇温させる前もしく
は900℃以上に昇温してから添加してもよく、更には
昇温過程で添加してもよく、また塊状、粒状、粉末状の
いずれの形態で添加してもよい。しかし、添加時の飛散
を抑制しつつ滓全体に均等に行き渡らせる様にする意味
から、粒状あるいは破砕片状で添加するのが最も好まし
い。
【0014】尚加熱によって生じる黒曜石の発泡反応は
約900℃で唯1回生じる不可逆反応であり、上記添加
時期に関係なく900℃以上に昇温すると発泡反応を起
こして綿状物に変化し、滓中の酸化物を選択的に吸着し
て湯離れのよい滓に変わるので、湯面からの除去が極め
て容易となる。またこの綿状物は前述の如くメタル分と
の濡れ性が悪いので、滓中に含まれているメタル分は、
酸化物が綿状物に吸着されるときに自然に滓から絞り出
される様に溶湯方向へ戻されるので、滓中に残存するメ
タル分も少なくなり、除滓時のメタルロスも大幅に低減
する。
【0015】尚黒曜石の添加量は特に限定されないが、
Al合金原料に対し0.5〜10重量%、より一般的に
は1〜6重量%添加することによって十分に目的を果た
すことができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施す
ることも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的
範囲に含まれる。
【0017】重油焚きもしくはLNG焚きの反射炉を使
用し、表1に示すAl合金原料を同表に示す温度に加熱
して大気溶解する。次いで湯面上に生成する滓に、Al
合金原料に対して2重量の黒曜石(粒状砕砕物)を添加
し、バーナ加熱により滓を1000±50℃に加熱し
た。すると黒曜石は発泡して綿状に変化し、酸化物を吸
着して湯離れのよい塊状に変わるので、これをレーキに
よって湯面上から除去した。この除滓工程で生じるメタ
ルロスと、黒曜石を添加しないで除滓したときのメタル
ロスを表1に一括して示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1からも明らかである様に、本発明に従
って黒曜石を添加してから除滓したときのメタルロス
は、黒曜石無添加で除滓したときのメタルロスに比べて
2/3〜1/3に低減しており、メタルロスを大幅に少
なくできることが分かる。また黒曜石無添加の滓の粘性
は高く且つ溶湯との親和性が大で湯離れが悪く、除滓作
業が非常に面倒で完全な除滓も困難であったが、黒曜石
を添加し発泡・吸着させたものでは、滓が綿状で湯離れ
の良好な塊状に変化するため、湯面からの除滓が極めて
簡単で且つ容易に完全除去することができた。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、既
存の反射炉を有効に活用し、滓に黒曜石を加えて加熱す
るという極めて簡単な手法で、有毒ガス発生による雰囲
気汚染を生じることなく除滓性を著しく改善することが
でき、除滓作業性を改善すると共に、除滓に伴なうメタ
ルロスを低減して溶湯歩留りを高め得ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 基浩 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (56)参考文献 特開 昭62−162657(JP,A) 実開 平1−178594(JP,U) 国際公開91/6684(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 - 61/00 C22C 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射炉を用いてAlまたはAl合金を溶
    解するに当たり、AlまたはAl合金溶湯表面の滓に黒
    曜石を添加すると共に、該滓の温度を900℃以上に高
    めて該黒曜石を発泡せしめ、発泡した該黒曜石と共に除
    滓することを特徴とするAlまたはAl合金溶湯からの
    除滓方法。
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