JP3205427B2 - ガスの濃度・流速を同時に測定する方法並びに装置 - Google Patents

ガスの濃度・流速を同時に測定する方法並びに装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタン等のガスの濃度・
流速を同時に測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特定の波長のレーザ光がある種の気体に
吸収されやすいことを利用してガスの有無を検出できる
ことが知られており、この原理を応用したセンシング技
術が工業計測、公害監視などに広く用いられている。そ
の一例として、HeーNeレーザより発生される波長
3.392μmの光がメタンに強く吸収されることを利
用してメタンの有無を感度良く検出することが可能であ
る。
【0003】最近、各種燃焼器からのNOx排出量を低
減して環境を良くするため予混合希薄燃焼が注目される
ようになったが、燃焼を安定的に完全に行い且つ燃焼音
を低下させる必要がある。このため、燃焼直前の都市ガ
スと空気の混合度合いの定量的な評価を行えるよう、ガ
スの濃度と流速の時間的変動を同時に測定する必要が生
じてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のガス濃度測定装
置では時間平均の濃度測定しかできなかった。燃焼装置
内部の都市ガスと空気の混合度合い、すなわちガス濃度
は局所的に且つ瞬時に変化するので、多数の局所の瞬時
の値を知ることは非常に難しいことである。従来は混合
気が流通しているパイプの直径方向の対抗壁に孔をあ
け、この二つの孔からパイプの中に、先端にフッ化マグ
ネシウムの窓を取り付けた内径3mm、外形5のステンレ
スパイプによる光のガイド部材2本を、中心線が一直線
になり且つ先端間の距離が8mmとなるように向き合わせ
て取付け、該ガイド部材の中及び長さ8mmの混合気中に
HeーNeレーザ光を通してガスの瞬時濃度を測定する
装置が開発されている。しかし、この装置ではパイプ中
の多くの局所のガス濃度を短時間に測定することは不便
であり、これを実現するには複雑な細工が必要である。
【0005】ガスの流速を測定する装置として、熱線流
速計が使用されている。これは簡易にして且つ高応答性
のある測定法であるが、ガスの濃度が変動する場所で
は、その原理上からガスの流速測定は不可能である。
【0006】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、混合気の濃度変化がある場でも、混合気流中の希望
の局所のガス濃度と流速を同時に高応答性をもって測定
することができる利便性を有し且つ空間分解能の良好な
プローブ型ガス濃度・流速同時測定装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、混合気流中の一定距離を通過したレーザ光か
ら光センサーにより混合気流中のガス濃度を測定し、同
時に前記一定距離内に配置された熱線の電気抵抗値から
混合気流中のガス流速を測定することを特徴とする。
【0008】また、レーザ光の吸収を利用して混合気中
のガスの濃度を測定すると同時に熱線の電気抵抗値から
ガス流速を測定する装置において、レーザ光を混合気流
中の一定距離通過させるための光路を備えて混合気流中
に挿入されるガス濃度測定プローブと、前記光路内に配
置された熱線を含むガス流速測定プローブとを具備する
ことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明のガス濃度・流速同時測定装置は光吸収
法によるガス濃度測定プローブと熱線流速計を組み合わ
せたものであるから、高応答性を有し、簡便に混合気中
の必要な局所に搬入してガス濃度・流速を瞬時に正確に
測定することができ、コストが安価であり、またレーザ
光と電流が測定プローブ内を往復するので測定効率が良
好である。
【0010】
【実施例】本発明を実施例について説明する。
【0011】図1は本発明のガス濃度・流速同時測定装
置の概略構成を示す断面図である。本発明のガス濃度・
流速同時測定装置の主要部をなす濃度測定プローブ11
は例えばステンレススチールからなる管状のガイド部材
12と、これに連結した補助部材13からなり、全体的
にプローブ形状である。このような形状は混合気流中に
差し込むのに便利である。ガイド部材12の先端にミラ
ーまたはプリズム14が固定されている。
【0012】ミラーまたはプリズム14に対面するガイ
ド部材12の壁に例えばフッ化マグネシウム製の窓16
があけられている。ガイド部材12のミラーまたはプリ
ズム14と対面して補助部材13にミラー15が取付け
られている。ガイド部材12と補助部材13のミラー1
5の表面は光路L離れていて、ここをレーザ光が往復す
る。この光路Lに混合気流が流入する。前記光路Lは例
えばガイド部材12と補助部材13との連結をねじ等に
より調節自在にすることにより、ガスの種類に対応した
最適の濃度測定を行う寸法にすることができる。
【0013】測定プローブ11のガイド部材12の後方
にハーフミラー18、さらにその後方にレーザ光源17
例えばHeーNeレーザが配置され、該レーザ光源17
から出たレーザ光10がハーフミラー18を通り抜け、
ガイド部材12の中をその長手方向に通過して先端のミ
ラーまたはプリズム14に達し、ここで90度方向転換
して窓16を通り抜け、上述の光路Lを通過して、補助
部材13のミラー15に入射するように構成されてい
る。
【0014】レーザ光10はミラー15で反射され、も
と来た路をたどってプリズム14に再入射し、ここで9
0度方向を変えてガイド部材12の中をその長手方向に
逆行し、前記ハーフミラーで90度方向を変えて光セン
サー19に入射する。
【0015】したがって、レーザ光10は上記光路Lに
存在する混合気を往復通過し、この時混合気中のガスに
吸収されて後光センサー19に入りその強度を測定され
る。光センサーは例えばACアンプ内蔵の電子冷却型M
CT素子、またはDC出力が得られかつ測定感度の高い
液体窒素冷却のInSb光起電力型素子を使用する。
前述の濃度測定プローブ11の窓16と補助部材13の
ミラー15の間の光路Lの中に細い金属の熱線3が配置
されている。すなわち、熱線3は濃度測定プローブ11
の補助部材13に固定されている流速測定プローブ1の
支柱2、2の先端に張られている。この熱線3は、流速
測定プローブ1の後方に配置され且つ流速測定プローブ
1に可撓電線により接続された熱線流速計4の電気回路
の一部を構成している。
【0016】上記構成になる本発明のガス濃度・流速同
時測定装置は次のように操作される。 (1)本発明のガス濃度・流速同時測定装置を例えば燃
焼炉の混合気流の中に挿入する。 (2)レーザ光源17をオンにすれば、ここから射出さ
れたレーザ光10が濃度測定プローブ11のガイド部材
12の内部を長手方向に通ってミラーまたはプリズム1
4に入射する。 (3)ミラーまたはプリズム14により反射されたレー
ザ光10がガイド部材12の窓16を通り、光路Lの混
合気中を通り、補助部材13のミラー15に入射する。
このミラー15により反射されたレーザ光10は往路を
バックしてハーフミラー18に達し、ここで反射して光
センサー19に入射する。
【0017】このように操作することにより、レーザ光
10が混合気中を通るときにその中の例えばメタンガス
に吸収されるので、混合気を通過後の弱くなったレーザ
光10の強度を光センサー19により電圧で検出してメ
タンガスの濃度を測定することができる。このような光
吸収法によるガス濃度の測定は混合気中の2流体の熱伝
導率の差が小さくても正確に行える特徴がある。この
点、従来の熱線濃度計では混合気中の2流体の熱伝導率
の差を利用していたので、熱伝導率の差が小さい場合は
測定が不正確であった。
【0018】ガスの流速測定は次のようにして行われ
る。
【0019】レーザ光10が光路Lを往復している時
に、この光路Lの中に配置されている熱線流速計の原理
は例えば定温度型熱線流速計では、熱線3の温度が常に
同じになるように流速に応じて熱線流速計4のブリッジ
電圧が変化するような仕組みになっている。しかし、こ
の場合は流体の熱伝導率が一定の時にのみ有効であり、
混合気体の濃度が変化するような場では正しい流速は測
定できない。
【0020】ところが、混合気の熱伝導率はその組成が
わかれば一意に決定する。本測定法ではこれを利用し
た。即ち、濃度と熱線流速計のブリッジ電圧を同時に測
定し、この電圧をその時の濃度によって補正することで
正確な流速を測定することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス濃度
・流速同時測定装置はレーザ光が細長い濃度測定プロー
ブ内の同じ光路を往復し、その途中の一定長さの狭い光
路で2回混合気に接触し、その中のガスに吸収されて後
に、その強度を光センサーにより検出するように構成
し、且つこの光路に配置した流速測定プローブの熱線の
温度を熱線流量計で検知するように構成したので、構造
簡単で軽量であるため製作容易で運搬や取扱が便利で、
コストも低廉であり、濃度測定手段としてレーザ光を使
用するので濃度測定が正確となり、応答性が高く、ガス
と空気のかたまりの混合気流中のいかなる小さい点、狭
い局所においてもガスの濃度及び流速を同時に簡便に瞬
時に測定判別することができ、さらに測定における空間
分解能を2倍に向上させることができると言う優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス濃度測定装置の概略構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 流速測定プローブ 3 熱線 10 レーザ光 11 濃度測定プローブ L 光路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合気流中の一定距離を通過したレーザ
    光から光センサーにより混合気流中のガス濃度を測定
    し、同時に前記一定距離内に配置された熱線の電気抵抗
    値から混合気流中のガス流速を測定することを特徴とす
    るガスの濃度・流速を同時に測定する方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光の吸収を利用して混合気中のガ
    スの濃度を測定すると同時に熱線の電気抵抗値からガス
    流速を測定する装置において、 レーザ光を混合気流中の一定距離通過させるための光路
    を備えて混合気流中に挿入されるガス濃度測定プローブ
    と、前記光路内に配置された熱線を含むガス流速測定プ
    ローブとを具備することを特徴とするガスの濃度・流速
    を同時に測定する装置。
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