JP3205173B2 - 内燃機関の潤滑油消費量計測装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑油消費量計測装置

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JP3205173B2
JP3205173B2 JP10041794A JP10041794A JP3205173B2 JP 3205173 B2 JP3205173 B2 JP 3205173B2 JP 10041794 A JP10041794 A JP 10041794A JP 10041794 A JP10041794 A JP 10041794A JP 3205173 B2 JP3205173 B2 JP 3205173B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の潤滑油消
費量計測装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関において供給された潤滑油の一
部はミストとなって燃料と共に燃焼されて消費されるた
めに、常時その消費量を把握しておく必要がある。従
来、潤滑油消費量の計測方法としては次のような方法が
ある。 (1) クランクケースに平行してこのクランクケースに
連通するレベル計を設けて、このレベル計内にクランク
ケース内における潤滑油レベルと同レベルの潤滑油の柱
を形成する。そして、このレベル計内における潤滑油の
油面位置の変化を目視測定する。 (2) クランクケースに平行してこのクランクケースに
連通するレベル計を設けて、このレベル計内における潤
滑油の油面位置の変化を差動トランスを用いて測定す
る。 (3) 実験や開発段階においては、エンジンそのものの
重量を計測することによって潤滑油量の変化を測定す
る。 (4) 予め潤滑油内に硫黄や放射性物質を混入してお
き、排気ガス中に含まれる硫黄や放射性物質の量によっ
て潤滑油の有無を判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の潤滑油消費量の計測方法には以下のような問題があ
る。 (イ) 計測方法(1)の場合には、エンジンが稼働中であ
る場合には潤滑油が高温となって膨張するために油面レ
ベルが温度によって変動する。また、レベル計の油面変
位は微々たるものである。そこで、1日1回、朝のエン
ジン停止時でないと計測できず、連続測定が不可能であ
るという問題がある。そのために、実験の場合や短時間
の無理な試運転の場合のように連続変化を測定する必要
がある場合等には不向きである。さらに、目視計測には
個人差があり、客観的な計測値が得られないという問題
もある。
【0004】(ロ) 計測方法(2)の場合には、差動トラ
ンスの動作範囲には限界があり、自ずと油面位置の計測
範囲にも限界がある。したがって、潤滑油消費量(すな
わち、潤滑油の油面位置の変化量)の急激な変化を捕ら
えてエンジンの異常を検知するような大きな変化を捕ら
える場合には不向きである。
【0005】(ハ) 計測方法(3)の場合には、最近の計
測技術の進歩によって正確な計測値を得ることができる
ので、連続測定は可能である。しかしながら、エンジン
全体の重量を計測することは実際の運転中に実施するこ
とは不可能である。したがって、運転中のエンジンの潤
滑油消費量を連続測定して、潤滑油消費量の急激な変化
を捕らえてエンジンの異常を検知することは不可能であ
る。
【0006】(ニ) 計測方法(4)の場合には、結果を得
るのに分析を必要とするために、実験の場合にはよいが
潤滑油消費量を連続して測定する場合には不向きであ
る。また、潤滑油中に異物を混入することは通常運転に
際しては好ましいことではない。
【0007】そこで、この発明の目的は、連続測定が可
能であり、個人差がなく客観的な計測値が得られ、潤滑
油の油面位置の急激な変化を捕らえて短時間に評価可能
な内燃機関の潤滑油消費量計測装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の内燃機関の潤滑油消費量計測
装置は、内燃機関におけるクランクケースに下部が連通
されて,上記クランクケース内における潤滑油の油面レ
ベルと略同一レベルの油面を有する潤滑油の柱を形成す
るサブタンクと、上面に光を反射する反射面を有すると
共に,上記サブタンク内の潤滑油の油面に浮設された浮
子と、上記浮子の上方に設置されると共に,下方にレー
ザ光を出射して上記浮子における反射面によって反射さ
れたレーザ光を取り込んで、上記浮子までの距離を上記
潤滑油の油面レベルの値として検出する油面レベル検出
部と、上記油面レベル検出部によって検出された上記油
面レベルの値に基づいて,潤滑油の消費量を算出する潤
滑油消費量算出部を備えたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の内燃機関の潤滑油消費量計測装置において、
上記潤滑油の温度を検出する温度検出部と、上記温度検
出部によって検出された潤滑油の温度に基づいて,上記
油面レベル検出部によって検出された潤滑油の油面レベ
ルの値を補正して補正後の油面レベルの値を出力する温
度補正部を備えて、上記潤滑油消費量算出部は、上記補
正後の油面レベルの値に基づいて潤滑油の消費量を算出
することを特徴としている。
【0010】また、請求項3に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の内燃機関の潤滑油消費量計
測装置において、上記潤滑油のミスト圧を検出するミス
ト圧検出部と、上記ミスト圧検出部によって検出された
潤滑油のミスト圧に基づいて,上記油面レベル検出部に
よって検出された潤滑油の油面レベルの値を補正して補
正後の油面レベルの値を出力するミスト圧補正部を備え
て、上記潤滑油消費量算出部は、上記補正後の油面レベ
ルの値に基づいて潤滑油の消費量を算出することを特徴
としている。
【0011】また、請求項4に係る発明は、請求項1乃
至請求項3の何れか一つに係る発明の内燃機関の潤滑油
消費量計測装置において、上記潤滑油消費量算出部によ
って得られた潤滑油の消費量の値を時系列に所定数だけ
保存する潤滑油消費量値保存部と、潤滑油消費量の正常
範囲を記憶する正常範囲記憶部と、上記潤滑油消費量値
保存部に保存された所定数の潤滑油消費量値と上記正常
範囲記憶部に記憶された潤滑油消費量の正常範囲とに基
づいて,当該内燃機関の異常を診断する内燃機関異常診
断部を備えたことを特徴としている。
【0012】また、請求項5に係る発明は、請求項1乃
至請求項3の何れか一つに係る発明の内燃機関の潤滑油
消費量計測装置において、上記油面レベル検出部によっ
て検出された油面レベルの値あるいは上記温度補正部に
よって補正された油面レベルの値あるいは上記ミスト圧
補正部によって補正された油面レベルの値を,時系列に
所定数だけ保存する油面レベル値保存部と、上記油面レ
ベル値保存部に保存された油面レベル値における時系列
変化の変化点に基づいて,当該内燃機関の異常を診断す
る内燃機関異常診断部を備えたことを特徴としている。
【0013】また、請求項6に係る発明は、請求項1乃
至請求項5の何れか一つに係る発明の内燃機関の潤滑油
消費量計測装置において、上記浮子における反射面には
撥油剤が塗布されていることを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1に係る発明では、油面レベル検出部に
よって、クランクケースに連通されたサブタンク内の潤
滑油の油面に浮設された浮子の反射面によって反射され
て戻るレーザ光が取り込まれて、上記浮子までの距離が
上記潤滑油の油面レベルの値として検出される。そし
て、潤滑油消費量算出部によって、上記油面レベル検出
部で検出された上記油面レベルの値に基づいて、潤滑油
の消費量が算出される。こうして、レーザ光を用いてμ
mのオーダーで油面レベルの変位が連続して検出され、
高精度に且つ連続して潤滑油の消費量が計測される。
【0015】また、請求項2に係る発明では、温度検出
部によって上記潤滑油の温度が検出される。そうする
と、温度補正部によって、上記温度検出部で検出された
潤滑油温度に基づいて、上記油面レベル検出部で検出さ
れた潤滑油の油面レベルの値が補正されて補正後の油面
レベルの値が出力される。こうして、上記補正後の油面
レベルの値に基づいて、上記潤滑油消費量算出部によっ
て更に高精度な潤滑油消費量が得られる。
【0016】また、請求項3に係る発明では、ミスト圧
検出部によって上記潤滑油のミスト圧が検出される。そ
うすると、ミスト圧補正部によって、上記ミスト圧検出
部で検出された潤滑油のミスト圧に基づいて、上記油面
変位検出部で検出された潤滑油の油面レベルの値が補正
されて補正後の油面レベルの値が出力される。こうし
て、上記補正後の油面レベルの値に基づいて、上記潤滑
油消費量算出部によって更に高精度に潤滑油の消費量が
計測される。
【0017】また、請求項4に係る発明では、潤滑油消
費量値保存部によって、上記潤滑油消費量算出部で得ら
れた潤滑油の消費量の値が時系列に所定数だけ保存され
る。そして、内燃機関異常診断部によって、上記潤滑油
消費量値保存部に保存された所定数の潤滑油消費量値と
正常範囲記憶部に記憶された潤滑油消費量の正常範囲と
に基づいて、当該内燃機関の異常が診断される。こうし
て、連続して計測された潤滑油の消費量値に基づいて、
内燃機関の異常が短時間に検知される。
【0018】また、請求項5に係る発明では、油面レベ
ル値保存部によって、上記油面レベル検出部によって検
出された油面レベルの値、あるいは、上記温度補正部に
よって補正された油面レベルの値、あるいは、上記ミス
ト圧補正部によって補正された油面レベルの値が、時系
列に所定数だけ保存される。そして、内燃機関異常診断
部によって、上記油面レベル値保存部に保存された油面
レベル値における時系列変化の変化点に基づいて、当該
内燃機関の異常が診断される。こうして、連続して計測
された潤滑油の油面レベルの値に基づいて、内燃機関の
異常がリアルタイムに検知される。
【0019】また、請求項6に係る発明では、上記浮子
における反射面に塗布されている撥油剤によって、上記
サブタンク内の潤滑油のミストが上記反射面に付着する
ことが防止される。こうして、潤滑油ミストによる上記
反射面の汚れによって上記油面レベル検出部の検出精度
が低下することが防止される。
【0020】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。図1は、本実施例の内燃機関の潤滑油消費量
計測装置におけるブロック図である。エンジンのクラン
クケース1の下部とクランクケース1に併設されたサブ
タンク2の下部とを細い連通管3によって連通し、サブ
タンク2内にクランクケース1内における潤滑油の油面
レベルと略同一油面レベルを有する油柱を形成する。こ
うして、サブタンク2とクランクケース1とを細い連通
管3によって連通することによって、クランクの回転に
よってクランクケース1内の潤滑油に発生する脈動がサ
ブタンク2内の油柱に伝わるのを防止するのである。
【0021】上記サブタンク2内の油柱における油面に
は浮子4が浮いており、この浮子4の上方にはレーザ変
位計5が設置されている。レベル検出器6からの指令に
呼応してレーザ変位計5の投光部から下方にレーザ光が
出射される。そして、サブタンク2内における油面の浮
子4の表面に設けられた反射板で反射したレーザ光がレ
ーザ変位計5の受光部に入射されて、検知信号が出力さ
れる。そうすると、レベル検出器6は、レーザ変位計5
へ指令信号を出力してから上記受光部からの検知信号を
受信するまでの時間によって、浮子4の表面までの距離
を検出して潤滑油の油面レベルを検出する。
【0022】このように、レーザ光によって潤滑油の油
面レベルを計測することによって油面レベルの変位をμ
mのオーダで正確に計測でき、油面のレベル変位の連続
計測が可能となるのである。その際に、浮子4はサブタ
ンク2内における潤滑油の油面上に浮設されているの
で、オイルミストによる上記反射板の汚れは少ない。ま
た、上記反射板の表面に撥油剤を塗布することによって
積極的に汚れを防止することも可能である。上述のよう
にして得られた潤滑油の油面レベルの値は、データ収録
部7に送出される。
【0023】上記クランクケース1の側壁における潤滑
油の油面位置より上部には、ミスト圧センサ8が取り付
けられており、このミスト圧センサ8からの検出信号が
圧力検出器9に送出される。そして、圧力検出器9によ
って、ミスト圧センサ8からの上記検出信号に基づいて
クランクケース1内における潤滑油のミスト圧が検知さ
れ、この検知されたミスト圧値がデータ収録部7に送出
される。また、上記サブタンク2の側壁における潤滑油
の油面位置より下部には、温度センサ10が取り付けら
れており、この温度センサ10からの検出信号が温度検
出器11に送出される。そして、温度検出器11によっ
て、温度センサ10からの上記検出信号に基づいて潤滑
油温度が検知され、この検知された潤滑油温度値がデー
タ収録部7に送出される。
【0024】上述のようにして、上記レベル検出器6,
圧力検出器9および温度検出器11からデータ収録部7
に送出された上記油面レベル値,ミスト圧値および潤滑
油温度値は、データ収録部7に取り込まれてデータ収録
部7内の夫々のバッファに格納されて保持される。
【0025】制御部12は、CPU(中央演算処理装
置)、各種基準値やテーブル等を格納した内部メモリお
よびタイマ等によって構成され、上記データ収録部7の
各バッファに格納されている上記油面レベル値,ミスト
圧値および潤滑油温度値に基づいて、潤滑油の油面レベ
ルに対するミスト圧および潤滑油温度による補正や潤滑
油消費量の算出やエンジン異常の検知等を実施する。そ
して、潤滑油消費量を表示するための表示信号を表示部
13に送出して、表示部13に現在の潤滑油消費量を表
示する。また、エンジン異常を告知するための警告信号
を上記警報部14に送出して、警報部14によってエン
ジン異常を知らせる。
【0026】図2は、上記制御部12によるデータ収録
部7,表示部13および警報部14の制御の下に実施さ
れる潤滑油消費量計測処理動作のフローチャートであ
る。以下、図2に従って潤滑油消費量計測処理について
説明する。ここで、予め、上記制御部12の上記内部メ
モリには、定常状態での潤滑油の密度ρ0の値および潤
滑油消費量の正常範囲の上限値PHと下限値PLが格納さ
れているものとする。
【0027】ステップS1で、上記サブタンク2内の潤
滑油の油面レベルを表すレベルKの値と潤滑油の密度ρ
の値に、初期値“0“がセットされる。ステップS2
で、上記データ収録部7のバッファに格納されている上
記潤滑油温度値が取り込まれ、この潤滑油温度に基づい
て上記内部メモリに格納された定常状態での潤滑油密度
ρ0の値が補正される。そして、この補正値によって上
記密度ρの値が更新される。ステップS3で、上記デー
タ収録部7の各バッファに格納されている上記油面レベ
ル値,ミスト圧値および潤滑油温度値が取り込まれる。
ステップS4で、上記タイマがセットされる。
【0028】ステップS5で、上記ステップS3において
取り込まれた油面レベル値によってレベルKの内容が更
新される。ステップS6で、上記ステップS3において取
り込まれたミスト圧値および潤滑油温度値に基づいて、
ステップS5において更新されたレベルKの値が補正さ
れる。その際における補正は、例えば以下のような手順
によって実施される。すなわち、上記ミスト圧値および
潤滑油温度値を用いて上記内部メモリに格納された補正
テーブルを引いてレベルKの補正量を得る。そして、レ
ベルKの値を補正量によって補正するのである。
【0029】ステップS7で、上記ステップS6において
補正されたレベルKの値と上記ステップS2において更
新された密度ρの値とに基づいて潤滑油消費量の値が算
出され、上記内部メモリに格納された複数の消費量値が
時系列に連なって成る時系列データに上記算出された消
費量値が付け加えられる。その際に、上記時系列データ
を構成する消費量値の数が所定数だけ存在する場合に
は、最も古い消費量値が削除される。ステップS8で、
上記ステップS4においてセットされたタイマが所定時
間を計時したか否かが判別される。その結果、所定時間
を計時していればステップS3に戻って、データ収録部
7から次の油面レベル値,ミスト圧値および潤滑油温度
値が取り込まれて、レベルKの補正と消費量値の算出と
時系列データの更新が実施される。一方、所定時間を計
時していなければステップS9に進む。
【0030】ステップS9で、上記ステップS7において
更新された時系列データを用いて所定時間における潤滑
油消費量の値が算出され、得られた潤滑油消費量が表示
部13に表示される。ステップS10で、上記ステップS
7において更新された時系列データに基づく各消費量の
値が上限値PHおよび下限値PLとの間に在るか否かによ
って、エンジン異常であるか否かが判別される。その結
果、エンジン異常であればステップS11に進み、そうで
なければステップS12に進む。ステップS11で、エンジ
ン異常を告知するための警告信号が警報部14に送出さ
れてエンジン異常が報知される。
【0031】ステップS12で、上記ステップS4におい
てセットされたタイマが所定時間を計時したか否かが判
別される。その結果、所定時間を計時していれば上記ス
テップS3に戻って、データ収録部7から次の油面レベ
ル値,ミスト圧値および潤滑油温度値が取り込まれて、
レベルKの補正と消費量の算出と時系列データの更新が
実施される。一方、所定時間を計時していなければステ
ップS13に進む。ステップS13で、潤滑油消費量の計測
処理の停止が指示されたか否かが判別される。その結
果、停止が指示されていなければ、ステップS12に戻っ
て所定時間が計時されるのを待つ。一方、停止が指示さ
れていれば潤滑油消費量計測処理動作を終了する。
【0032】すなわち、本実施例においては、上記潤滑
油消費量値保存部,正常範囲記憶部および油面レベル値
保存部を制御部12の上記内部メモリで構成し、上記潤
滑油消費量算出部,温度補正部,ミスト圧補正部および内
燃機関異常診断部を制御部12のCPUで構成するので
ある。更に詳しく言えば、上記潤滑油消費量算出部は上
記CPUの制御の下に実施される潤滑油消費量計測処理
動作のフローチャートにおけるステップS1〜ステップ
S7に相当し、上記温度補正部およびミスト圧補正部は
ステップS5に相当し、上記内燃機関異常診断部はステ
ップS10に相当するのである。
【0033】図3は潤滑油消費量の上限値PHと下限値
Lとを示し、図4は一定負荷における潤滑油消費量の
時系列変化の一例を示す。図に示すように、計測された
潤滑油消費量は、正常であれば正常範囲内で推移する。
そこで、本実施例においては、上記潤滑油消費量の正常
範囲の上限値PHおよび下限値PLの値を運転負荷別に上
記制御部12における上記内部メモリに格納しておく。
そして、上述のようにして得られた潤滑油消費量の値
が、図中に“○"で表示されるように、該当する運転負
荷における上限値PHまたは下限値PLの値を越える場合
には、エンジン異常であると判定するのである。尚、図
中“●"で表示される潤滑油消費量の値は正常値であ
る。
【0034】このように、潤滑油消費量を連続して計測
することによってエンジン稼働中にエンジン異常を検知
できるので、リングスカッフの予防や潤滑油への異物
(例えば水など)混入の早期発見が可能となるのである。
【0035】上述のように、本実施例においては、上記
クランクケース1に併設したサブタンク2の下部とクラ
ンクケース1の下部とを細い連通管3によって連通し
て、サブタンク2内にクランクケース1内における潤滑
油の油面レベルと略同一レベルの油面を有する油柱を形
成する。そして、上記制御部12によるデータ収録部
7,表示部13および警報部14の制御の下に、レーザ
変位計5およびレベル検出器6によって計測されたサブ
タンク2内の油面上の浮子4における反射板位置に基づ
いて潤滑油表面のレベルKを得る。そして更に、圧力検
出器9からの潤滑油のミスト圧および温度検出器11か
らの潤滑油温度に応じて上記レベルKの値を補正して、
この補正後のレベルKの時系列から得られる最新の潤滑
油消費量の値を表示部13に表示する。
【0036】このように上記レーザ変位計5によって潤
滑油表面のレベルKを計測することによって、μmのオ
ーダでの潤滑油の表面レベルの検出が可能となり、潤滑
油消費量を連続して客観的に計測可能となる。したがっ
て、本実施例によれば、上述のように連続して計測され
た潤滑油消費量の時系列変化とその上下限値PH,PL
ら稼働中にエンジン異常を検知することが可能となり、
警報部14によってエンジン異常を報知できる。
【0037】次に、本内燃機関の潤滑油消費量計測装置
における油面レベルの連続計測機能の他の利用例を示
す。図5は、上記潤滑油消費量計測処理における上記ス
テップS6において得られた補正後のレベルK(油面レベ
ル)における運転条件(たとえば、運転負荷等)別の時系
列変化の一例を示す。図3および図4に示すように、潤
滑油消費量が上限値PHと下限値PLとの間にあると言う
ことは油面レベルの時系列変化の度合が一定である(図
5に示すように、油面レベルの時系列変化の近似直線の
傾きが一定である)と言うことである。そこで、図5に
点線で示すように、上記油面レベルの時系列変化の度合
(近似直線の傾き)の変化点(イ)を検出することによっ
て、潤滑油消費量が正常範囲を越える前にリアルタイム
でエンジン異常を検知できるのである。
【0038】また、エンジンの運転負荷を負荷A→負荷
B→負荷Cの如く連続的に変化させて、上記潤滑油消費
量計測処理における上記ステップS3〜ステップS6を繰
り返して潤滑油の油面レベル(レベルK)の変位を連続し
て計測する。こうして、図6に示すように得られた運転
負荷別のレベルKの変化における近似直線の傾きa1,a
2,a3から、各運転負荷別の潤滑油消費量を1回の計測
で得ることができるのである。
【0039】尚、上記潤滑油消費量計測処理動作は、図
2に示すフローチャートに限定されるものではない。ま
た、上記潤滑油消費量計測処理動作のフローチャートに
おけるステップS6において実行されるレベルKの値の
補正は、上記内部メモリに格納された補正テーブルを引
いて得た補正量を用いて実行するようにしているが、こ
の発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上
記ミスト圧値または潤滑油温度値によるレベルKの補正
式を上記内部メモリに格納しておき、この補正式によっ
て、上記ミスト圧値および潤滑油温度値に基づいてレベ
ルKの補正値を得るようにしても差し支えない。
【0040】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の内燃機関の潤滑油消費量計測装置は、内燃機関
におけるクランクケースに連通管によって連続されたサ
ブタンク内の潤滑油の油面に浮子を浮設し、油面レベル
検出部によって上記浮子における反射面で反射されたレ
ーザ光を取り込んで上記浮子までの距離の変位を上記潤
滑油の油面レベルの値として検出し、潤滑油消費量算出
部によって上記油面レベル検出部で検出された上記油面
レベルの値に基づいて潤滑油の消費量を算出するので、
上記潤滑油の油面レベルの微小変位が検出可能であり、
潤滑油の消費量を連続して客観的に計測することができ
る。したがって、この発明によれば、潤滑油の油面位置
の急激な変化を捕らえて、短時間に評価することが可能
となる。
【0041】また、請求項2に係る発明の内燃機関の潤
滑油消費量計測装置は、温度検出部によって検出された
潤滑油温度に基づいて、温度補正部によって、上記油面
レベル検出部で検出された潤滑油の油面レベルの値を補
正するので、上記潤滑油の油面レベルの変位を更に精度
よく連続して検出することができる。したがって、この
発明によれば、上記潤滑油の消費量を更に精度よく計測
できる。
【0042】また、請求項3に係る発明の内燃機関の潤
滑油消費量計測装置は、ミスト圧検出部で検出された潤
滑油のミスト圧に基づいて、ミスト圧補正部によって、
上記油面変位検出部によって検出された潤滑油の油面レ
ベルの値を補正するので、上記潤滑油の油面レベルの変
位を更に精度よく連続して検出することができる。した
がって、この発明によれば、上記潤滑油の消費量を更に
精度よく計測できる。
【0043】また、請求項4に係る発明の内燃機関の潤
滑油消費量計測装置は、内燃機関異常診断部によって、
上記潤滑油消費量算出部で得られて潤滑油消費量値保存
部に保存された所定数の潤滑油消費量値と正常範囲記憶
部に記憶された潤滑油消費量の正常範囲とに基づいて、
当該内燃機関の異常を診断するので、内燃機関の異常状
態を早期発見できる。
【0044】また、請求項5に係る発明の内燃機関の潤
滑油消費量計測装置は、内燃機関異常診断部によって、
油面レベル値保存部に保存されている油面レベル値にお
ける時系列変化の変化点に基づいて当該内燃機関の異常
を診断するので、内燃機関の異常状態をリアルタイムで
検知できる。
【0045】また、請求項6に係る発明の内燃機関の潤
滑油消費量計測装置は、上記浮子における反射面には撥
油剤が塗布されているので、上記反射面に潤滑油ミスト
が付着して汚染されることが防止される。したがって、
この発明によれば、上記油面レベル検出部による潤滑油
の油面レベルの検出精度が上記浮子の反射面の汚染によ
って低下するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の内燃機関の潤滑油消費量計測装置に
おけるブロック図である。
【図2】図1における制御部の制御の下に実行される潤
滑油消費量計測処理動作のフローチャートである。
【図3】潤滑油消費量の上限値と下限値の説明図であ
る。
【図4】エンジンの運転負荷が一定負荷である場合の潤
滑油消費量の時系列変化の一例を示す図である。
【図5】図2に示す潤滑油消費量計測処理動作によって
得られた油面レベル変化の一例を示す図である。
【図6】エンジンの運転負荷を種々変更した際の潤滑油
消費量を1回の計測で得る場合の説明図である。
【符号の説明】
1…クランクケース、 2…サブタンク、
3…連通管、 4…浮子、5…レ
ーザ変位計、 6…レベル検出器、7…
データ収録部、 9…圧力検出部、11
…温度検出部、 12…制御部、13…
表示部、 14…警報部。
フロントページの続き (72)発明者 河野 高秀 大阪府大阪市中央区徳井町2丁目4番14 号 ダイハツディーゼル株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 11/10 F01M 11/06 F01M 11/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関におけるクランクケースに下部
    が連通されて、上記クランクケース内における潤滑油の
    油面レベルと略同一レベルの油面を有する潤滑油の柱を
    形成するサブタンクと、 上面に光を反射する反射面を有すると共に、上記サブタ
    ンク内の潤滑油の油面に浮設された浮子と、 上記浮子の上方に設置されると共に、下方にレーザ光を
    出射して上記浮子における反射面によって反射されたレ
    ーザ光を取り込んで、上記浮子までの距離を上記潤滑油
    の油面レベルの値として検出する油面レベル検出部と、 上記油面レベル検出部によって検出された上記油面レベ
    ルの値に基づいて、潤滑油の消費量を算出する潤滑油消
    費量算出部を備えたことを特徴とする内燃機関の潤滑油
    消費量計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された内燃機関の潤滑油
    消費量計測装置において、 上記潤滑油の温度を検出する温度検出部と、 上記温度検出部によって検出された潤滑油の温度に基づ
    いて、上記油面レベル検出部によって検出された潤滑油
    の油面レベルの値を補正して補正後の油面レベルの値を
    出力する温度補正部を備えて、 上記潤滑油消費量算出部は、上記補正後の油面レベルの
    値に基づいて潤滑油の消費量を算出することを特徴とす
    る内燃機関の潤滑油消費量計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載の内燃
    機関の潤滑油消費量計測装置において、 上記潤滑油のミスト圧を検出するミスト圧検出部と、 上記ミスト圧検出部によって検出された潤滑油のミスト
    圧に基づいて、上記油面レベル検出部によって検出され
    た潤滑油の油面レベルの値を補正して補正後の油面レベ
    ルの値を出力するミスト圧補正部を備えて、 上記潤滑油消費量算出部は、上記補正後の油面レベルの
    値に基づいて潤滑油の消費量を算出することを特徴とす
    る内燃機関の潤滑油消費量計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記
    載の内燃機関の潤滑油消費量計測装置において、 上記潤滑油消費量算出部によって得られた潤滑油の消費
    量の値を時系列に所定数だけ保存する潤滑油消費量値保
    存部と、 潤滑油消費量の正常範囲を記憶する正常範囲記憶部と、 上記潤滑油消費量値保存部に保存された所定数の潤滑油
    消費量値と上記正常範囲記憶部に記憶された潤滑油消費
    量の正常範囲とに基づいて、当該内燃機関の異常を診断
    する内燃機関異常診断部を備えたことを特徴とする内燃
    機関の潤滑油消費量計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記
    載の内燃機関の潤滑油消費量計測装置において、 上記油面レベル検出部によって検出された油面レベルの
    値、あるいは、上記温度補正部によって補正された油面
    レベルの値、あるいは、上記ミスト圧補正部によって補
    正された油面レベルの値を、時系列に所定数だけ保存す
    る油面レベル値保存部と、 上記油面レベル値保存部に保存された油面レベル値にお
    ける時系列変化の変化点に基づいて、当該内燃機関の異
    常を診断する内燃機関異常診断部を備えたことを特徴と
    する内燃機関の潤滑油消費量計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記
    載の内燃機関の潤滑油消費量計測装置において、 上記浮子における反射面には撥油剤が塗布されているこ
    とを特徴とする内燃機関の潤滑油消費量計測装置。
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