JP3201959U - 樹脂オカリナ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のオカリナ特有の素朴でまろやかな音色を残したまま、演奏時の唾液や呼気蒸気等の溜まりによる音色や音程の変化が少なく、しかも軽量、低コストで落下破損しにくいといった数々の特徴を有する新規な樹脂オカリナを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂に吸水性パウダーを40〜80重量%配合した組成物からなり、且つその吸水率が2〜10%であることを特徴とする樹脂オカリナ。【選択図】図1

Description

本考案は、吸水性パウダーを配合した樹脂オカリナに関する。
オカリナの語源は、その一風変わった形状からイタリア語の「小さい鵞鳥」に由来し、土笛特有の素朴でまろやかな音色による癒し効果と手軽さが好まれて、近年その愛好者が急増している。
このオカリナは、発音原理で分類される気鳴楽器のうち、空洞内の空気を振動させて発音する吹奏気鳴楽器に属するもので、図1に示すように内部が空洞である共鳴胴部1と、該共鳴胴部の一端部に気道2を介して設けられた笛口3と、前記気道の共鳴胴部側に設けられた歌口4と、前記共鳴胴部に穿孔された複数の指孔5とを備えてなり、笛口から吹き込まれた呼気が共鳴胴部の空洞を振動させ、この振動音が歌口から外部に出て行くことで音が鳴る仕組みである。
ところがオカリナは、素焼きや陶器製のものが主流であるため、焼き物であるが故の脆弱性から落下破損しやすいという問題を有するほか、その乾燥・焼成工程で15%ほどの大きな収縮を伴うことから音色や音程の管理が困難で、歩留まりの悪化や高コストを余儀なくされるという問題を抱えている。また、演奏時間が長くなると、唾液や呼気蒸気が気道に溜まって音色や音程が微妙に変化することから、演奏時には音程のすべてを息使いで調整しなければならず、「息使い8割、指使い2割」と言われるほどのデリケートな楽器であるため、同調性が要求される演奏会等で他の楽器とのアンサンブルが困難であるといった指摘があるのも事実である。
かかる従来の素焼きや陶器製オカリナ特有の問題を改善するために、その材質を合成樹脂やガラス、金属等に変更するといった提案(特許文献1〜3)がなされているが、これらいずれの提案も非多孔質体であるという材質上の制約から、従来の素焼きや陶器製オカリナに見られるような共鳴胴部内での呼気による空気の振動がその硬くて多孔質な胴部断面を通って発音される独特の素朴でまろやかな音色が損なわれたり、材質的に吸水性が乏しいために5分ほどの短時間の演奏でも呼気蒸気や唾液が歌口に溜まって高音部の音がかすれ、極端な場合は音が出なくなるといった致命的な問題を有している。
特開2010−117453号公報 特開2006−096645号公報 特開2006−284996号公報
本考案は、従来のオカリナ特有の素朴でまろやかな音色を残したまま、演奏時の唾液や呼気蒸気等の溜まりによる音色や音程の変化が少なく、しかも軽量、低コストで落下破損しにくいといった数々の特徴を有する新規な樹脂オカリナの提供を目的とする。
本考案者等は、上記課題を解決するために、これまでほとんど検討されてこなかったオカリナの材料組成について鋭意検討したところ、元来、軽量、低コストで落下破損しにくい樹脂製のオカリナに、吸水性パウダーを添加して特定の多孔質な構造と吸水性を持たせることで、素焼きや陶磁器製オカリナに匹敵する素朴でまろやかな音色を残しつつ、しかも長時間の演奏が可能となること、またその硬度を特定すれば音質が更に向上すること、などを突き止め本考案を完成させるに至ったものである。
即ち、本考案のうちの第1の考案は、熱可塑性樹脂に吸水性パウダーを40〜80重量%配合した組成物からなり、且つその吸水率が2〜10%であることを特徴とする樹脂オカリナであり、第2の考案は上記第1考案記載の樹脂オカリナにおいてその表面鉛筆硬度が1H以上である樹脂オカリナであり、また第3の考案は上記第1考案記載の熱可塑性樹脂がポリプロピレンである樹脂オカリナであり、更に第4の考案は上記第1考案記載の吸水性パウダーが米粉を主材としてなるものである樹脂オカリナである。
本考案によれば、熱可塑性樹脂に吸水性を有するパウダーを配合し、得られる樹脂オカリナに特定の多孔質な構造と吸水性を持たせることで、従来の素焼きや陶磁器製のオカリナに匹敵する素朴でまろやかな音色を保持すると共に、軽量、低コストで落下破損しにくく、しかも演奏時の呼気蒸気や唾液の溜まりが改善されて、長時間の演奏が可能になるほか、これまで困難視されてきた他の楽器とのアンサンブルが可能となるなど数々の優れた効果を奏する。また、当該樹脂オカリナの表面硬度を高くすれば音質が更に向上するほか、吸水性パウダーとして米粉を主材とした場合は、資源の有効利用や二酸化炭素の削減といった観点から温暖化対策等の環境適応性により一層優れたものとなる。
は、本考案の樹脂オカリナの上半体と下半体の一例を示すもので、図中(a)が上半体、(b)が下半体を示す平面図である。 は、本考案の樹脂オカリナの上半体と下半体を組み合わせた完成図の一例を示す平面図である。図中(a)は上半体側から見た平面図、(b)は下半体側から見た平面図である。
以下、本考案について詳しく説明する。
本考案で使用する熱可塑性樹脂としては、射出成形が可能なポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などの少なくとも一種が例示できるが、中でも安価で成形温度が比較的低く、環境適応性に優れるポリプロピレンが好ましい。
また、本考案で使用する吸水性パウダーとしては、木粉や米粉、小麦粉、米ぬか粉、もみ殻粉、トウモロコシ粉等の有機系パウダー、又はベントナイト、珪藻土等の無機系パウダー、などから選ばれる少なくとも一種が使用可能である。中でも米粉を主材とした場合は、適度な吸水性に加えて、樹脂と米粉の界面がデンプン質で形成されるため、得られるオカリナの表面硬度が高く、素焼きや陶器製オカリナに近い音色になるという特筆すべき効果が得られる。また、この米粉は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンとの相溶性も良く、しかも余剰米や廃棄米、古古米、多収穫米、屑米、カビ米、有色米等の資源米が利用できることから、資源の有効利用や地球温暖化防止の観点からその有用性は計り知れないものである。
本考案の樹脂オカリナは、上記熱可塑性樹脂と吸水性パウダーの混合物よりなるものであるが、両者の配合割合は熱可塑性樹脂に吸水性パウダーを40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%とする必要がある。熱可塑性樹脂に対する吸水性パウダーの配合割合が40重量%未満の場合は、熱可塑性樹脂成分が多過ぎて多孔質な構造体となすことができないことから、オカリナ特有の素朴でまろやかな音色が損なわれるのに対し、吸水性パウダーが80重量%を超えると成形精度が悪く、音色や音程に狂いが生じやすくなって製品歩留まりが低下するほか、強度が弱くなって落下破損したり、有機系パウダーを使用した場合はカビが発生しやすいといった数々の問題が生起する。
本考案の樹脂オカリナはまた、吸水率を2〜10%、好ましくは3〜8%としたものである。吸水率が2%未満の場合は、演奏中に唾液や呼気蒸気が溜まりやすくなって、長時間の演奏が困難になるほか、音程も高くなってオカリナ特有のまろやかな音色が出にくくなるのに対し、吸水率が10%を超えるとカビの発生や音質の低下を余儀なくされる。
また、本考案の樹脂オカリナは、表面鉛筆硬度が1H以上のものが好ましい。表面鉛筆硬度が1H未満の場合は、オカリナ特有のまろやかな音質が損なわれるもので、その理由は表面硬度が高いと発音される音が共鳴胴部内で共振し、音質に幅ができることで音色が一層まろやかになるものと推察される。
本考案の樹脂オカリナにおいて、熱可塑性樹脂と吸水性パウダーの混合方法は、熱可塑性樹脂中に吸水性パウダーをそのままで分散させたり、あるいは有機系パウダーの場合は一旦パウダーを溶液状又は糊状にした形で熱可塑性樹脂中に分散させる方法などいかなる方法でも差支えないが、樹脂中への分散性をより均一にするには後者の溶液状又は糊状にしたものを混合分散させるのが好ましい。
本考案の樹脂オカリナは、上記のごとく熱可塑性樹脂と吸水性パウダーを主材としたものであるが、その他にも本考案の特性を阻害しない範囲で炭酸カルシウムやタルク、クレイ、カオリン、ゼオライト、シリカ、シラスバルーン、パーライト等のパウダーを添加したり、また抗菌剤や防かび剤、熱安定剤、成形助剤、離型剤、着色剤などを適宜添加しても差し支えないほか、樹脂オカリナの表面に漆や図柄を塗装して意匠性を高めたり、各樹脂をコーティングして表面強度や硬度を高めたものでも良い。
本考案の樹脂オカリナを成形する方法としては、成形効率や成形精度の観点から射出成形法で上半体と下半体をそれぞれ分割成形した後、両者を接合する方法が最も優れるが、樹脂成形が可能であれば型押し成形や鋳込み成形等のいかなる成形方法でも差支えない。
本考案の樹脂オカリナは、図1に例示するような通常のオカリナに見られる共鳴胴部1、気道2、笛口3、歌口4と複数の指孔5を備えたものであるが、それらの配置は音色や音階が変わらなければ特に制約はない。また、本考案の樹脂オカリナは、演奏中の音色や音程の変化を更に軽減させるべく、気道の中に溜まりやすい呼気蒸気や唾液を外部に拡散させるための蒸気抜孔6(図2参照)を設けたものや、笛口3を下半体側に一体的に設けたもの(図1参照)がより好ましい。
以下、本考案を実施例に基づき説明するが、本考案はこれら実施例に限定されるものでない。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
米粉パウダーを予め温水で糊状となした後、該糊状の米粉パウダーをMFR25g/10分のポリプロピレン中に米粉パウダーの含有割合が30、40、60、80、90重量%になるよう配合し、米粉パウダー入りポリプロピレン原料を作製した。これらの原料をそれぞれ射出成形機にて図1に示すような上半体と下半体を成形した後、ゴム系ボンドで上半体と下半体の周辺部を接合して図2に例示の樹脂オカリナを作製し、それぞれについて吸水率、表面鉛筆硬度、音色、演奏持続時間、カビ発生の有無を調べ、その結果を表1に示した。
尚、表中の評価項目のうち、吸水率はJIS K 7209に準ずる方法で測定した。
また、表面鉛筆硬度は、JIS K 5600に準ずる方法で測定した。
得られたオカリナの音色は、オカリナ奏者10名による感音テストを行い、従来の素焼き製オカリナの音色を(◎)とした時に、6名以上の奏者が素焼き製オカリナに近い音色と判定したものを(○)、同様に6名以上がオカリナ特有のまろやかさに欠ける音色と判定したものを(×)とした。
また、演奏持続時間は、30分以上の演奏でも音程の狂いがほとんどなかったものを(○)、10分以上、30分未満の間で音程の狂いがあったものを(△)、10分未満で明らかな音程の狂いが見られたものを(×)とした。
また、カビ発生の有無は、温度40℃、湿度95%雰囲気中にオカリナを放置してカビ発生の有無を調べた。1週間後のカビの発生状況を目視で判定した。
表1の結果から、本考案の米粉パウダーを配合した樹脂オカリナは、適度な吸水性と表面硬度を有することから素焼き製のオカリナに近い素朴でまろやかな音色を持ち、長時間の連続演奏が可能で、しかもバイオマス製品でありながらもカビ発生が全く見られないなど、これまでの樹脂オカリナでは到底成し得なかった数多くの優れた特性を有することが確認された。
本考案の樹脂オカリナは、上記の如く従来の素焼きや陶磁器製オカリナに近い素朴でまろやかな音色を有すると共に、軽量、安価で長時間の演奏が可能となるほか、衛生的で落下破損の問題もないことから、一般のオカリナ愛好者はもちろん、小中学生を対象にした音楽教材用の楽器としても有用であるなど、学校教育の現場における情緒豊かな人格形成に資する楽器として極めて汎用性の高いものである。
1・・・共鳴胴部
2・・・気道
3・・・笛口
4・・・歌口
5・・・指孔
6・・・蒸気抜孔

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂に吸水性パウダーを40〜80重量%配合した組成物からなり、且つその吸水率が2〜10%であることを特徴とする樹脂オカリナ。
  2. 表面鉛筆硬度が1H以上である請求項1記載の樹脂オカリナ。
  3. 熱可塑性樹脂がポリプロピレンである請求項1記載の樹脂オカリナ。
  4. 吸水性パウダーが米粉を主材としてなるものである請求項1記載の樹脂オカリナ。
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