JP3200996U - コマ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コマ本体の回転時間を長くすることができるコマ装置を提供する。【解決手段】コマ装置は、コマ本体の軸部23を回転可能に支持する第1軸受け部及び第2軸受け部を備えている。第1軸受け部及び第2軸受け部の少なくともいずれか一方には、軸部が挿入可能である有底の軸受け穴41が形成され、軸受け穴の底面と、軸部における底面と対向する面である対向面37と、の間には潤滑剤61が保持されている。上述した底面及び対向面のうちの少なくともいずれか一方には、軸部の回転時に潤滑剤に軸部の軸方向の圧力を発生させる動圧溝39、53が形成されている。【選択図】図2

Description

本考案は、回転するコマ本体を備えるコマ装置に関する。
回転するコマ本体の軸の両端を回転自在に支持する軸受を備え、ジャイロ効果による様々な動作を実現できるコマ装置がある。このようなコマ装置として、ラックアンドピニオン機構によりコマ本体を回転させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
実公昭63−019101号公報
ジャイロ効果は、コマ本体が高速で回転しているときに発現する。よって、コマ本体の高速回転が長期間継続することが好ましく、そのためには回転時の摩擦力を小さくすることが求められる。一般的に、摩擦力を小さくするためには軸と軸受けとの接触面積を小さくすることが考えられる。しかしながら、より高度に摩擦力を小さくする工夫が求められている。
本考案の目的は、コマ本体の回転時間を長くすることができるコマ装置を提供することである。
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の考案は、回転部と、該回転部の回転の軸となる軸部と、を有するコマ本体と、前記軸部の一端を回転可能に支持する第1軸受け部と、前記軸部における前記一端とは異なる他端を回転可能に支持する第2軸受け部と、前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部を連結する連結部と、を備え、前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部の少なくともいずれか一方には、前記軸部が挿入可能である有底の軸受け穴が形成され、また、前記軸受け穴の底面と、前記軸部における前記底面と対向する面である対向面と、の間に潤滑剤が保持されており、前記底面及び前記対向面のうちの少なくともいずれか一方には、前記軸部の回転時に前記潤滑剤に前記軸部の軸方向の圧力を発生させる動圧溝が形成されていることを特徴とするコマ装置である。
このように構成されたコマ装置は、軸部の先端と軸受け穴とにより、いわゆる流体動圧軸受けが形成される。よって、コマ本体が回転したときにコマ本体の摩擦抵抗が小さくなり、コマ本体の回転時間を長くすることができる。
なお、上述したコマ装置において、前記軸部は、円柱状の基部と、前記基部に設けられ、前記軸受け穴に挿入される挿入部と、を有しており、前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部のうちの前記軸受け穴が形成されている少なくともいずれか一方のうち、少なくとも前記軸受け穴が形成される部分は、前記基部と中心軸が同一直線上となるように形成された筒状形状であって、前記基部の直径と、前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部の外径と、の比は、1:0.9〜1.1の範囲であるように構成されていてもよい。
このように構成されたコマ装置では、基部と、第1軸受け部又は第2軸受け部と、の径が近いため、それらの部材の境界を曖昧にして同一の部材のように見せることで美観の向上を図ることができる。
また、上述したコマ装置において、前記軸受け穴の内周面、及び、前記軸部における前記軸受け穴に挿入される部分の外周面の少なくともいずれか一方に、前記軸部の回転時に前記潤滑剤に前記軸方向と直交する方向の動圧を発生させる動圧溝が形成されていてもよい。
このように構成されたコマ装置であれば、回転時のコマ本体の摩擦抵抗をより高度に低減することができる。
実施形態のコマ装置を示す斜視図である。 軸部の先端と軸受け部の一方を示す、軸部を通過する平面での断面図である。 図3(A)が、挿入部の先端を軸受け穴の底面側から見た図であり、図3(B)が、軸受け穴の底面を挿入部の先端側から見た図である。 コマ装置の変形例を示す斜視図である。
[1.実施形態]
(1)全体構成
図1に示すコマ装置1は、コマ本体11と、第1軸受け部13aと、第2軸受け部13bと、第1リング15と、第2リング17と、を備えている。ここでいうコマ装置とは、軸を中心として回転するコマ(本実施形態ではコマ本体11が該当)と、コマの軸を保持する部品と、を有するものを指す。
コマ本体11は、回転部21と、軸部23と、を有する。
回転部21は円盤状の部材であって、軸部23に固定されており、軸部23を回転軸として回転する。
軸部23は、回転部21の回転の軸となる部材であって、回転部21が回転するときに共に回転する。軸部23は、円柱状の基部31と、基部31の一端に設けられる円柱状の挿入部33aと、一端とは反対の他端に設けられる円柱状の挿入部33bと、を有している。挿入部33aと挿入部33bは同様の形状を有しており、以下の説明において、特にこれらを区別しない場合には単に挿入部33と記載する。
基部31は、挿入部33よりも直径が大きい。基部31の中心軸と挿入部33の中心軸とは同一直線上に位置する。また、回転部21の軸もそれらの中心軸と同一直線上に位置する。
なお以下の説明において、上述した中心軸の方向を上下方向とも記載する。また、上述した軸部23の一端及び他端は、挿入部33の上端及び下端とする。但し、この上下方向はあくまで説明の便宜上用いるものであり、コマ装置1を使用する際の方向などを規定するものではない。
また軸部23には、基部31を貫通する貫通穴35が形成されている。この貫通穴35に紐を通して軸部23に巻きつけた後、紐を引くことでコマ本体11を回転させることができる。
第1軸受け部13aは、上下に長さを有する円柱状の部材であって、下端に軸受け穴41aが形成されている。軸受け穴41aは、挿入部33よりもわずかに径の大きい円形の穴であって、上方向に深さを有しており、上端は閉じられている。つまり、第1軸受け部13aの下部は、下端に開口を有する有底の筒状形状である。ここでいう有底とは、軸受け穴41aの奥が閉塞されていて底面を有するという意味である。
第1軸受け部13aの上端は略球形に形成されており、上下方向と直交する方向の溝43が形成されている。
このように構成された第1軸受け部13aは、軸受け穴41aに軸部23の上端側の挿入部33aを挿入可能であり、挿入部33aが軸受け穴41aに挿入された状態で、軸部23の上端を回転可能に支持する。
第2軸受け部13bは、上下に長さを有する円柱状の部材であって、上端に軸受け穴41bが形成されている。軸受け穴41bは、第1軸受け部13aの軸受け穴41aと同様の形状である。すなわち、第2軸受け部13bの上部は、上端に開口を有する有底の筒状形状である。第2軸受け部13bの下端は略球形に形成されており、その下端に上方向に窪む凹部45が形成されている。
このように構成された第2軸受け部13bは、軸受け穴41bに軸部23の下端側の挿入部33bを挿入可能であり、挿入部33bが軸受け穴41bに挿入された状態で、軸部23の下端を回転可能に支持する。
なお第1軸受け部13a及び第2軸受け部13bは、溝43及び凹部45を除き同様の形状を有しているため、以下の説明において、特にこれらを区別しない場合には単に軸受け部13と記載する。また、軸受け穴41a及び軸受け穴41bも同様に、特にこれらを区別しない場合には単に軸受け穴41と記載する。
第1リング15は、軸が水平方向と平行である環状の部材であって、上端に第1軸受け部13aが固定され、下端に第2軸受け部13bが固定される。つまり、第1リング15は、第1軸受け部13a及び第2軸受け部13bの相対的な位置関係が変化しないようにそれらを連結する。第1軸受け部13a及び第2軸受け部13bそれぞれの軸受け穴41は、開口が互いに対向するように配置されている。
この第1リング15が、連結部の一例である。
第2リング17は、軸部23及び第1リング15と直交する位置関係で第1リング15に固定されている環状の部材である。第2リング17の軸と軸部23の中心軸とは同一直線上となる。第2リング17は回転部21の外周を覆うように配置される。
軸部23の先端と、軸受け穴41の内部の詳細な形状を、図2を用いて説明する。
軸受け穴41の底面51には、動圧溝53が形成されている。また、挿入部33の先端における底面51と対向する面である対向面37には、動圧溝39が形成されている。これら動圧溝の形状については後述する。
底面51と対向面37の間の空間を含む、軸受け穴41の内部空間全体には、オイル61が充填されている。また、軸受け穴41の開口部分には、挿入部33と開口との隙間を埋めるようにリング状のオイルシール63が設置される。オイルシール63は挿入部33の周囲を取り囲むように開口を塞いでおり、オイル61が挿入部33を伝わって流出することを抑制して、オイル61を上述した内部空間に保持する。
オイル61が潤滑剤の一例である。なお潤滑剤としては、オイルのほか、グリースなどを採用することもできる。
動圧溝の形状を、図3を用いて説明する。図3(A)は、対向面37を底面51側から見た図である。対向面37には、スパイラル状の動圧溝39が形成されている。挿入部33が矢印A方向(図中、右回り)に回転すると、対向面37の表面に位置するオイル61は相対的に矢印B方向(図中、左回り)に移動して動圧溝39に沿って中央に流れ、挿入部33の軸方向の圧力を発生させる。
また図3(B)は、底面51を対向面37側から見た図である。底面51には、スパイラル状の動圧溝53が形成されている。挿入部33が矢印A方向に回転すると、底面51の表面に位置するオイル61は矢印C方向(図中、右回り)に移動して動圧溝53に沿って中央に流れ、挿入部33の軸方向の圧力を発生させる。
すなわち、挿入部33と軸受け部13によって、いわゆる流体動圧軸受が構成される。動圧溝39及び動圧溝53は、オイル61に対して、軸方向の流体動圧を発生させる溝である。上述した軸方向の圧力とは、オイル61によるスラスト方向の動圧と言い換えることができる。
なお本実施形態では、動圧溝としてスパイラル状の溝を例示したが、溝の形状はこのような形状に限定されず、動圧を発生可能である様々な形状を採用することができる。例えばヘリングボーン形状の溝(いわゆるヘリングボーン溝)であってもよい。
ところで、図2に示すように、基部31の直径と、軸受け部13の外径と、は同じ大きさになるように形成されている。よって、恰も軸部23と軸受け部13とが1つの部品のように並んで見えるため、美観の向上を図ることができる。なお、基部31との直径と、軸受け部13の外径と、の比は、1:0.9〜1.1の範囲であれば、上述した効果を奏することができる。
(2)効果
本実施形態のコマ装置1では、挿入部33と軸受け穴41によりいわゆる流体軸受けが形成される。よって、コマ本体11が回転したときに軸部23の摩擦抵抗を小さくして、コマ本体11を長期間回転させることが可能となる。
[2.その他の実施形態]
以上本考案の実施形態について説明したが、本考案は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本考案の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
(2A)上記実施形態では、軸部23の上下両側において、軸受け部13と挿入部33とにより流体動圧軸受けが形成される構成を例示したが、上下のいずれか一方のみにおいて流体動圧軸受けが形成される構成であってもよい。
(2B)基部31の直径と軸受け部13の外径との比は、1:0.9〜1.1の範囲である構成を例示した。この比は、少なくとも、基部31の先端側の一部の範囲(すなわち、軸受け部13と接近する部分)と、軸受け部13の穴41の開口側における一部の範囲(すなわち、基部31と接近する部分)とにおいて成り立つように構成されていてもよく、他の部分は上述した範囲に含まれていなくともよい。
(2C)挿入部33の外周面及び軸受け穴41の内周面の少なくともいずれか一方において、軸部23の回転時にオイル61に軸方向と直交する方向の動圧を発生させる動圧溝が形成されていてもよい。これらの位置に動圧溝を形成することにより、軸受け部13と軸部23との間の摩擦力を高度に低減することができる。
なお、挿入部33の外周面とは、円柱状の挿入部33の中心軸から一定の距離に位置する中心軸の長さ方向に沿って広がる外壁面を意味しており、軸受け穴41の内周面とは、軸受け穴41を構成する壁面のうち、軸受け穴41の中心軸から一定の距離に位置する中心軸の長さ方向に沿って広がる部分を意味している。
(2D)コマ本体11、軸受け部13、第1リング15、第2リング17などの形状は、上記実施形態の形状に何ら限定されない。例えば、コマ本体11は円盤状でなくともよく、コマの胴体部として成り立つ様々な形態とすることができる。また、第1リング15は、第1軸受け部13aと第2軸受け部13bを連結することができる範囲で様々な形態とすることができる。
また軸受け部13や軸部23の形状も特に限定されない。例えば図4に示すコマ装置101のように形成されていてもよい。コマ装置101において、コマ本体111の軸部123は、円柱状の基部131と、先端側ほど細くなる挿入部133とを有している。また、軸受け部113(113a、113b)には挿入部133の形状に合せて奥側ほど徐々に幅の狭くなる軸受け穴141が形成されている。軸受け部113の外周には雄ねじ115が形成されており、第1リング15に対してねじにより固定されていてもよい。
また、軸部23は1つの部材でなくともよく、上下に分離した2つの部材であってもよい。また軸部23において、基部31と挿入部33の直径が同一であってもよい。
(2E)上記実施形態におけるM個(Mは1以上の整数)の構成要素が有する機能をN個(NはMより大きい整数)の構成要素として分散させたり、N個の構成要素が有する機能をM個の構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本考案の実施形態である。
1…コマ装置、11…コマ本体、13…軸受け部、13a…第1軸受け部、13b…第2軸受け部、15…第1リング、17…第2リング、21…回転部、23…軸部、31…基部、33…挿入部、33a…挿入部、33b…挿入部、35…貫通穴、37…対向面、39…動圧溝、41…軸受け穴、41a…軸受け穴、41b…軸受け穴、43…溝、45…凹部、51…底面、53…動圧溝、61…オイル、63…オイルシール、101…コマ装置、111…コマ本体、113…軸受け部、115…雄ねじ、123…軸部、131…基部、133…挿入部、141…軸受け穴。

Claims (3)

  1. 回転部と、該回転部の回転の軸となる軸部と、を有するコマ本体と、
    前記軸部の一端を回転可能に支持する第1軸受け部と、
    前記軸部における前記一端とは異なる他端を回転可能に支持する第2軸受け部と、
    前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部を連結する連結部と、を備え、
    前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部の少なくともいずれか一方には、前記軸部が挿入可能である有底の軸受け穴が形成され、また、前記軸受け穴の底面と、前記軸部における前記底面と対向する面である対向面と、の間に潤滑剤が保持されており、
    前記底面及び前記対向面のうちの少なくともいずれか一方には、前記軸部の回転時に前記潤滑剤に前記軸部の軸方向の圧力を発生させる動圧溝が形成されている
    ことを特徴とするコマ装置。
  2. 前記軸部は、円柱状の基部と、前記基部に設けられ、前記軸受け穴に挿入される挿入部と、を有しており、
    前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部のうちの前記軸受け穴が形成されている少なくともいずれか一方のうち、少なくとも前記軸受け穴が形成される部分は、前記基部と中心軸が同一直線上となるように形成された筒状形状であって、前記基部の直径と、前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部の外径と、の比は、1:0.9〜1.1の範囲である
    ことを特徴とする請求項1に記載のコマ装置。
  3. 前記軸受け穴の内周面、及び、前記軸部における前記軸受け穴に挿入される部分の外周面の少なくともいずれか一方に、前記軸部の回転時に前記潤滑剤に前記軸方向と直交する方向の動圧を発生させる動圧溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコマ装置。
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JP5959773B1 (ja) * 2016-01-19 2016-08-02 株式会社タカラトミー コマ玩具
JP2017153940A (ja) * 2016-10-21 2017-09-07 康夫 鉄羅 地球こまの製造方法

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