JP3200759B2 - 3次元火災延焼シミュレーションシステム - Google Patents

3次元火災延焼シミュレーションシステム

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JP3200759B2
JP3200759B2 JP8080995A JP8080995A JP3200759B2 JP 3200759 B2 JP3200759 B2 JP 3200759B2 JP 8080995 A JP8080995 A JP 8080995A JP 8080995 A JP8080995 A JP 8080995A JP 3200759 B2 JP3200759 B2 JP 3200759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は市街地における火災延焼
を予測・評価する方法に関し、火災延焼の経時的な変化
をシミュレーションによりトレースすることにより具体
的な市街地の焼失範囲や地域別危険度の算定を行なうこ
とにより、防災計画や都市計画を支援する3次元火災延
焼シミュレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】火災延焼シミュレーションの従来方法と
して第一に挙げられるのは、火点から四周の建物への火
災の広がりに要する延焼時間を実際の火災から導き出さ
れた経験式によって算出する方法である(浜田「火災の
延焼速度について」火災の研究、1巻(昭26)相模書
房)。これは浜田モデルといわれる。図12(1)に浜
田モデルを示す。家屋1201、1202がある時、家
屋幅a[m]、隣棟間隔d[m]、風速ν[m/se
c]を変数として延焼時間t[min]と延焼限界距離
D[m]を以下の方程式によって求める。 (1)風下方向への延焼: t1=(3+3(a/8)+8(d/D1))/(1+0.1ν +0.007ν2) D1=5+ν/2 (0<t1<10) t2=t1/1.2 D2=1.5D1 (10<t2<30) t3=t1/1.4 D3=3.0D1 (30<t3<60) t4=t1/1.6 D4=5.0D1 (60<t4) (2)風上方向への延焼: t’=(3+3(a/8)+8(d/D’))/(1+0.002ν2) D’=5+ν/5 (3)風横方向への延焼: t''=(3+3(a/8)+8(d/D''))/(1+0.005ν2) D''=5+ν/4 火災延焼シミュレーションの従来方法の第二番目とし
て、火災の延焼を確率によって表現する方法がある(青
木「類焼確率関数の導出とその性質」日本建築学会論文
報告集(平1−8))。図12(2)に青木の類焼確率
関数を示す。燃焼している家屋1203から隣棟間隔d
[m]、高さh[m]の家屋1204が単位時間後に延
焼する確率Pを以下の式で表現する。比例係数Cは単位
時間の長さや燃焼セル・延焼先セルの材質などで決定さ
れる定数である。
【0003】P=1−Exp(−C(h/d2))
【0004】
【発明が解決しようとする課題】浜田モデルは実際の火
災から導き出された経験式であるため、モデルの各係数
に例えば燃焼する家屋の発する火力やその距離に対する
減衰度など、物理的な意味を持たせる事ができない。従
って、小規模な火災実験の記録などから得られるデータ
を直接シミュレーションに反映させることができない。
この式は昭和初期に作られており、現在の都市の性質
(建築物の防火構造化、高層化)に適合しなくなった
が、上記の性質から実際に大規模な火災が起こり、その
延焼時間等の記録から式の係数を再構築しない限りこの
式を修正することはできない。また、浜田モデル、青木
の類焼確率関数は共に、その予測最小単位を家屋として
いる。しかし現在、高層ビルや地下街などの火災をも併
せて考えると、正しいシミュレーション結果を出すため
には家屋内の可燃物、壁・通路配置への考慮、更には高
さ方向への延焼をも直接表現する必要がある。また予測
最小単位が家屋であるため、家屋内の火災を示すような
延焼の詳細な経時変化を再現することができない。従っ
て、本発明の目的は、可燃物・通路・壁等、家屋内の詳
細な構造を表現でき、小規模な火災実験で求められる物
理的な定数(材質別の延焼時間など)をシミュレーショ
ンルールに直接表現でき、3次元的な火災延焼の詳細な
経時変化を高速にシミュレーションできるシミュレーシ
ョンシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、入力装置と、表示装置と、記憶装置と、
処理装置を備え、市街地等の火災延焼をシミュレートす
る3次元火災延焼シミュレーションシステムであり、シ
ミュレーション対象3次元空間を3次元的に分割して得
られる一様形状の各セルのセル材質、家屋境界フラグ、
燃焼状態、燃焼時間等の状態変数が前記記憶装置に格納
され、前記処理装置は、単位時間経過する毎に、各セル
の延焼確率をセルの周囲の状態およびセル材質に基づき
求め、該延焼確率に従い延焼判定をし、該判定の結果に
より前記状態変数の燃焼状態を更新するシミュレーショ
ン制御手段を備えるようにしている。さらに、前記シミ
ュレーション制御手段は、前記セルの状態変数の燃焼状
態が燃焼に変化した後単位時間経過する毎に該セルの状
態変数の燃焼時間を更新し、該燃焼時間が該セルに予め
設定された時間を超えたとき鎮火判定し、該鎮火判定に
従い前記状態変数の燃焼状態を鎮火状態に変更するよう
にしている。また、前記セルの延焼確率(P)を、燃焼
セルの発する火力に影響される延焼確率(Pf)と、燃
焼セルの周囲の温度分布に影響される延焼確率(Pc)
と、延焼先セルの燃えにくさに影響される延焼確率(P
r)と、気温・湿度などのその他の要因による延焼確率
(Po)を用いて、P=Pc×Pf×Pr×Poとする
ようにしている。また、前記セルの延焼確率Pcは、燃
焼中のセルの発する熱による等温面を想定し、前記セル
の存在する等温面の表面積Sと比例定数kにより、Pc
=k/Sとするようにしている。さらに、前記等温面
を、中心を燃焼セルのZ座標上方に持ちかつ長軸方向が
Z軸であるX−Z平面の楕円形を、Z軸を軸として回転
させた回転楕円体で近似するようにしている。また、延
焼確率Pfは、延焼確率Pfのとる最大値Pfp、延焼
確率Pfが最大値Pfpを取った時の時間tp、経過時
間tとして、 Pf(t)=Pfp×(t/tp)×Exp(1−(t
/tp)) と近似するようにしている。また、前記処理装置は、前
記入力装置から入力された地図データと、該地図データ
内の各図形毎に入力された高さ情報、材質情報等の属性
情報によりベクトル地図データを作成するベクトル地図
データ作成部と、該ベクトル地図データに基づき前記各
セルの状態変数の内のセル材質を設定するセルデータ作
成部を備えるようにしている。また、前記セルを、前記
家屋境界フラグにより、家屋内セルと、家屋内と家屋外
との境界部セルとに区別し、前記シミュレーション制御
手段は家屋内のセルについては延焼候補セルを燃焼セル
にに隣接しているセルに限定して延焼判定を行うように
している。また、前記シミュレーション制御手段は、現
在燃焼中のセルのIDリストを生成し、単位時間経過す
る毎に、新たに延焼と判定されたセルを前記IDリスト
の最後尾に加え、前記IDリスト内のセルが鎮火と判定
されたとき、該鎮火と判定されたセルを該IDリストか
ら削除すると共にリスト最後尾の燃焼セルIDを削除し
た鎮火セルID部分に移動するようにしている。また、
前記処理部は表示部を備え、該表示部は、前記シミュレ
ーション制御手段により単位時間毎に更新される前記各
セルの状態変数に基づき各セル毎に延焼状態と鎮火状態
を前記表示装置に表示するようにしている。さらに、前
記各セル毎の延焼状態と鎮火状態を状態変数に応じて色
別および色の明暗により前記表示装置に表示するように
している。また、前記処理部は表示部を備え、該表示部
は、前記シミュレーション制御手段により単位時間毎に
更新される前記各セルの状態変数に基づき家屋単位に延
焼状態と鎮火状態を前記表示装置に表示するようにして
いる。さらに、前記家屋単位の延焼状態を家屋の材質に
応じて色別および色の明暗により表示し、鎮火状態を延
焼状態とは異なる色および色の明暗により前記表示装置
に表示するようにしている。
【0006】
【作用】シミュレーションの対象となる空間を一定形状
のセルによって3次元的に分割することにより、家屋内
の詳細な構造を表現することができる。またさらに、延
焼確率を複数の延焼原因の積の形で表現することにより
延焼原因が独立に切り出され、小規模な火災実験で求め
られる物理的な定数(材質別の延焼時間など)をシミュ
レーションルールに直接表現できる。燃焼セルの周囲の
温度分布に影響されるPcを導入することにより、3次
元的な火災延焼を表現できる。燃焼セルの発する火力に
影響されるPfを導入することにより、延焼の詳細な経
時変化を再現できる。また、リストによる燃焼セルの管
理を用いることにより高速なシミュレーションが行なえ
る。
【0007】
【実施例】ここでは、本3次元火災延焼シミュレーショ
ンシステムの実施例について以下に説明する。図2に本
発明の火災延焼シミュレーションシステムの機器構成の
例を示す。シミュレーションシステムは、シミュレーシ
ョンの条件などを入力するキーボード201、マウス2
02等の入力装置、シミュレーション結果などを出力す
るディスプレイ203、プリンタ204などの出力装
置、また紙地図205をディジタル化してデータに取り
込むために用いられる自動図面入力装置206、データ
を格納するメモリ、ハードディスクなどの記憶装置20
7、システム全体の制御やシミュレーションの準備・実
行を行なう処理装置208からなる。記憶装置207に
は、処理装置208が適宜利用するための実行プログラ
ム209の他、立体的な家屋等の地理情報を表現するベ
クトル地図データ210、シミュレーション空間を3次
元的に分割したセルの状態変数の集合であるセルデータ
211が格納されている。
【0008】次に、本システムの基本となる火災延焼シ
ミュレーションについて示す。
【0009】初めに、火災延焼シミュレーションの概要
を説明する。建物の立体的な形状や内部構造、それにそ
の中の延焼状況をシミュレーションで表現するために、
家屋を含む立体都市空間を、図3の302に示す立体格
子状に並んだ一様な直方体(以降これをセルと呼ぶ)で
分割する。セルは状態変数を持つ。セルの状態変数は、
セルの占める空間が代表する値である。その例として
は、例えばセル材質304、家屋境界フラグ305、燃
焼状態306、燃焼時間307等が挙げられる。本火災
延焼シミュレーションは、火災燃焼の延焼状況や鎮火状
況をセルデータに格納されている状態変数の推移によっ
て表現する。火災延焼は、燃焼状態306が「未燃焼」
のセルが「燃焼中」となり、やがて「鎮火」となるとい
う一連の状態変化で表現される。以降燃焼状態が「未燃
焼」のセルを未燃焼セル、「燃焼中」のセルを燃焼セ
ル、「鎮火」のセルを鎮火セルと呼ぶ。未燃焼セルを燃
焼セルに変化させる判定ルールとして延焼ルールを、燃
焼セルを鎮火セルに変化させる判定ルールとして鎮火ル
ールを設定する。延焼ルールは、1つの燃焼セルとその
周囲の複数の未燃焼セルとの間に適用され、物理現象に
おける火が周囲へと燃え広がる(延焼する)状況を表
す。延焼ルールは、(1)燃焼セルの周囲にある、延焼
する可能性のあるセルの選択(影響圏の選択)と、
(2)実際に延焼したかどうかの判定(延焼判定)の二
段階から構成される。延焼判定は、燃焼セルと未燃焼セ
ルとの間で計算される延焼確率を用いて行われる。延焼
確率は、燃焼セルの火力の強さ、燃焼セルと未燃焼セル
の位置関係、未燃焼セルの燃えにくさなど、様々な変数
の関数となる。そこで延焼確率を、個々の変数に対する
確率(以降これを要素確率と呼ぶ)の積として表現す
る。また、要素確率として、「燃焼セルの発する火力に
影響される延焼確率」、「燃焼セルの周囲の温度分布に
影響される延焼確率」、「延焼先のセルの燃えにくさに
影響される延焼確率」を設定する。鎮火ルールは、燃焼
時間がセルの材質ごとに定められた最大燃焼時間を越え
た時点において確定的に生じるとする。このようにし
て、立体都市空間での火災延焼が計算機上で表現でき
る。
【0010】次に火災シミュレーションの詳細について
説明する。まずセルによる空間分割方法とセルの状態変
数について、次に延焼ルール、鎮火ルールについて説明
する。延焼ルールにおいては、延焼判定を適用するセル
の範囲の選択(影響圏の選択)について、および延焼判
定とそれに用いられる延焼確率の導出について説明す
る。
【0011】セルによる空間分割とセルの状態変数につ
いて説明する。図3に、ベクトル地図データで表現され
ている立体的な建物301を、セルによって分割して表
現した様子(302)の説明図を示す。セルの形状は直
方体であり、シミュレーション対象となる空間をこのセ
ルによって東西南北・上下方向に立体的に格子状に分割
する。ここで、セルの寸法は固定ではなく、必要に応じ
て任意の大きさを取ることができる。セルの形状も直方
体に限らず、三角柱や六角柱でも構わない。シミュレー
ション空間を十分小さいサイズのセルで分割し、セル材
質304で分類することで、建物の形状や構成する材
質、壁の位置や窓、部屋割り等の内部構造が表現でき
る。また、このようにセルで空間を分割することによっ
て、出火点の設定、火災の進行状況、最終的な焼失面積
など、シミュレーションの過程や結果の全てを基本的に
このセルの状態変数の変化で表現することができる。こ
のセルの状態変数は、セルの位置(x,y,z)に従っ
てメモリ空間303内に順番に格納される。セルの状態
変数として、セルが占める直方体領域の任意のパラメー
タを設定することができる。本実施例では、セル材質3
04、家屋境界フラグ305、燃焼状態306、燃焼時
間307を設定する。セル材質304は、セルが占める
空間にある物質の平均的な材質を表す。例えば純木造、
防火木造、耐火造、空き地、等と設定することができ
る。また、より詳細に、外壁、内壁、窓、通路などと設
定することができる。この材質情報を設定することによ
り、たとえば火災シミュレーションにおいて、各セルが
燃焼した時の火力や燃焼速度、燃えにくさなどの計算に
利用することができる。家屋境界フラグ305は、その
セルが家屋の内部にあるのか、それとも家屋外との境界
にあるのかを区別する。これは例えば火災の広がりかた
が家屋内と家屋間で異なることを表現したい場合に利用
することができる。燃焼状態306は、そのセルが火災
によって既に燃焼しているかどうかを区別する。たとえ
ば未燃焼/燃焼中/鎮火、という値を取り、燃焼中のセ
ルが未燃焼のセルへ延焼していき、やがて鎮火する、と
いうルールを取ることにより、火災の進行を表現するこ
とができる。また、「燃焼中」状態を「前半焼」と「後
半焼」とに分け、それによって周囲のセルへの延焼ルー
ルを変えることによって、より詳細な延焼状況を表現す
ることもできる。燃焼時間307は、そのセルが燃焼を
始めてからの経過時間を示す。例えばその燃焼セルの発
する火力が燃焼時間によって逐次変化する、あるいは一
定時間が経過したら鎮火するなどのルールを適用する場
合、この値を利用することができる。
【0012】次に、本火災延焼シミュレーションで適用
される延焼ルールについて説明する。延焼は、燃焼セル
が周囲の未燃焼セルを燃焼させていくことで表現でき
る。シミュレーションの単位時間が経過するたびに、シ
ミュレーション空間内の全燃焼セルに延焼ルールが適用
され、その結果未燃焼セルが燃焼していき、火災は周囲
へと広がっていく。延焼ルールは、(1)延焼の候補と
なる未燃焼セルの選択(影響圏の設定)と、(2)各候
補に対して行われる実際に延焼したかどうかの判定(延
焼判定)から構成される。
【0013】延焼ルールにおける影響圏の設定について
説明する。最も簡単な影響圏の設定は、影響圏を「全シ
ミュレーション空間内の未燃焼セル」とすることであ
る。しかしこれは実際の現象と合わない上に計算時間も
必要以上にかかる。従って例えば燃焼セルが最大の火力
で燃焼している時に、延焼する現実的な可能性のある最
大の範囲をあらかじめ計算しておき、その範囲内の未燃
焼セルを影響圏とすることができる。また単位時間毎に
燃焼セルのその時点での火力が分かっている時、その火
力での最大延焼範囲を影響圏として、単位時間毎に影響
圏を変化させていくようにしてもよい。また、影響圏の
用途として、次のことが挙げられる。火災延焼は家屋内
と家屋外では異なる挙動を示す。家屋外での燃焼は隣家
に飛火するなど、数セル分離れたセルに延焼する可能性
がある。しかし家屋内では壁などの障壁物があるため、
このような延焼の可能性は少ない。このような家屋内/
家屋外の違いを表現する場合に、影響圏の設定を用いる
ことができる。たとえば影響圏を次の2ルールで設定す
る。(1)燃焼セルが家屋外との境界にある場合、影響
圏は前述した方法で求める。(2)燃焼セルが家屋内に
ある場合、影響圏を、前後左右の隣接した4セル(ある
いはさらに斜め方向を入れた8セル)に限定する。この
方法を取ることで、家屋内/家屋外の延焼の違いを表現
することができる。
【0014】次に延焼ルール内における、延焼判定につ
いて説明する。燃焼セルと、延焼候補である未燃焼セル
がある時、火災が燃焼セルから未燃焼セルへ延焼したか
どうかの判定には、延焼確率を用いる。すなわち、延焼
判定の時点で、燃焼セルから未燃焼セルへの延焼確率を
計算し、乱数を利用して、その延焼確率で火災が延焼す
る、と判定するルールを設ける。延焼確率は以下の方法
で計算する。一般にある事象が確率Pで生じる時、その
事象の原因となる事象の生じる確率(要素確率)をP
1,P2,…,Pi,…とし、それぞれの事象が独立で
あるとすると、確率Pは以下のように、各要素確率の積
の形で書くことができる。
【0015】 [式1] P=P1×P2×…×Pi×… 延焼過程は燃焼セルと未燃焼セルの状態変数とセル間の
位置関係で決定される。延焼確率の例として次の式が挙
げられる。
【0016】 [式2] 延焼確率P=Pf×Pc×Pr×Po ただし Pf:燃焼セルの発する火力に影響される延焼
確率 Pc:燃焼セルの周囲の温度分布に影響される延焼確率 Pr:延焼先セルの燃えにくさに影響される延焼確率 Po:気温・湿度などのその他の要因による延焼確率 各要素確率の式は、それぞれ個別の実験等を行うことに
よって導出することができる。このように延焼確率をそ
の要素確率の積という形で表現することによって、式に
用いられる各パラメータはお互いに独立となる。この方
法を用いることにより、たとえば異なる都市環境にこの
火災シミュレーションを適用する場合、従来の技術とし
て挙げた浜田モデル等のように、式全体を修正する必要
はなく、変化した要素確率の式のみを修正すればよく、
従って式の修正が容易となる。
【0017】[式2]の延焼確率を構成する要素確率の
一つである、「燃焼セルの発する火力に影響される延焼
確率Pf」の計算方法について以下に示す。セルの材質
ごとに、セルが燃焼した時に発生する火力の時間変化を
設定する。この火力は実験による測定値(例えば木材を
燃焼した時の木材表面の温度変化)をデータとして持っ
たり、近似式によって代用したりすることができる。近
似式としては、例えば以下の式が挙げられる。 [式3] Pf=Pfp×(t/tp)×Exp(1
−t/tp) ただし、t:セルが燃焼を始めてからの経過時間 Pfp:各材質ごとに定められたセルの最大延焼確率 tp:上記の瞬間の時間 図4に[式3]のグラフを示す。この近似式は、二つの
実験的事実、すなわち、(1)延焼・着火直後の火力は
急激に拡大する、(2)鎮火寸前には、そのセルが含む
材質の違いにより各材質の燃焼継続時間がばらつくた
め、火力は最終的に指数関数的に縮小する、という事実
に適合する。この式中の係数(tp、Pfp)は実際の
火災実験などによる温度の経時変化のグラフ等により決
定することができる。
【0018】[式2]の延焼確率を構成する要素確率の
一つである、「燃焼セルの周囲の温度分布に影響する延
焼確率Pc」の計算方法について以下に示す。まず燃焼
セルが作る等温閉曲面の集合を考える。例えば、図13
に示すように、燃焼中のセル1205があり、隣接ビル
のセル1206、1207、1208の延焼確率Pcを
求める時、燃焼セル1205が発する熱の各セルにおけ
る等温面1209、1210、1211を求める。この
閉曲面上のある一点の単位面積当たりの受熱量は、
(1)等温閉曲面内部での熱損失が無視できるほど少量
であり、(2)等温閉曲面上で受熱量が均一であるとい
う仮定のもとに、燃焼セルの発する総熱量をこの等温閉
曲面の表面積で割ったものと考えることができる。また
一般に、熱源の輻射熱を考える場合、空気の対流を無視
するとその等温閉曲面は熱源を中心とした球面となる。
空気の対流を考慮した場合、空気密度の変化は温度によ
ってのみ起こるとすれば、加熱された空気が浮力をもっ
て上昇するという効果のみが現れ、その結果この等温閉
曲面は上方に伸ばされた回転楕円体構造に近い構造を取
る。従って本シミュレーションシステムでは等温閉曲面
を回転楕円体として以下の式で近似する。 [式4] x2+y2+((z−LKa)/K)2=a2 図5に回転楕円体を示す。この回転楕円体509は
(x,y)平面では円形、(x,z)平面ではz軸方向
に偏心した楕円形をしている。回転楕円体509は
(x,z)平面の楕円形をz軸を軸として回転した形状
をしている。(x,z)平面の楕円形の短軸半径はa、
長軸半径はKa、燃焼セルから見た楕円体の中心座標は
(0,0,LKa)である。
【0019】延焼確率Pcの具体的な計算方法について
示す。たとえば、家屋501のセル502が燃焼してお
り、隣接する家屋503の未燃焼セル504への延焼確
率を算出するとする。燃焼セル502による等温閉曲面
は、パラメータaを変化させた相似形の回転楕円体50
5、506、507、508、…となる。延焼先候補セ
ル504をその表面に含む回転楕円体は507である。
未燃焼セル504の燃焼セル502から見た相対座標を
(x,y,z)とすると、[式4]を解くことにより、
変数aは次式で求められる。
【0020】
【数5】
【0021】また、この回転楕円体の表面積は一般に次
式で与えられる。
【0022】
【数6】
【0023】また、延焼先セルの受熱量が等温閉曲面の
表面積の逆数に比例すると仮定したことから、延焼確率
Pcを次式とおく。 [式7] Pc=c/S(ただしcは比例定数)) したがって、[式5]、[式6]、[式7]を使うこと
で、未燃焼セルと燃焼セルとの位置関係から延焼確率P
cが求められる。延焼ルールで用いた影響圏は、この
「燃焼セルの周囲の温度分布に影響される延焼確率P
c」の値から算出することができる。延焼確率Pcが小
さすぎて無視しても構わないというボーダーラインを設
け、延焼確率Pcがこのボーダーラインに達した場合、
この時の回転楕円体の内部にある未燃焼セルを影響圏と
する。
【0024】[式2]の延焼確率Pを構成する要素確率
の一つである、「延焼先セルの燃えにくさに影響される
延焼確率Pr」の計算方法について以下に示す。たとえ
ば延焼先のセルが純木造であるか耐火造であるかで、延
焼時間は変わってくる。延焼確率を用いることで延焼先
セルの材質による延焼時間の違いを表現することができ
る。延焼確率Prは例えばセルの材質ごとに決めた固定
値とすることができる。
【0025】[式2]の延焼確率Pを構成する要素確率
の一つである、「気温・湿度などのその他の要因による
延焼確率Po」の計算方法について以下に示す。火災延
焼の要因としては、上記で述べた延焼確率に含まれる要
因以外に、例えば気温や湿度など、現在考慮されていな
い要因もある。延焼確率Poはシミュレーションルール
の拡張用の延焼確率であり、通常は定数値(例えば1)
を取り、シミュレーションが拡張される時にこの部分に
新たな延焼確率を定義・導入することにより容易にルー
ルの拡張を行うことができる。以上で本発明の3次元火
災延焼シミュレーションシステムの説明を終わる。
【0026】次にこのシミュレーションを実現するシミ
ュレーションシステムの各機能ブロック、およびその実
現処理について説明する。図1に本シミュレーションシ
ステムの機能ブロック図を示す。本シミュレーションシ
ステムは(1)準備ブロック、(2)シミュレーション
ブロック、の二つのブロックに分けられる。以下にそれ
ぞれのブロックについて、順番に説明する。初めに、図
1(1)に示す、準備ブロックについて説明する。準備
ブロックはシミュレーションの実行に先立ち、シミュレ
ーションに用いるセルデータ108を作成することを目
的とする。これはベクトル地図データ作成部105、セ
ルデータ作成部107から構成される。準備ブロックの
ベクトル地図データ作成部105について説明する。ベ
クトル地図データ作成部105は、紙地図101を自動
図面入力装置102によって読み込むことによって、
(x,y)座標からなる平面図形を作成する。そして各
図形毎にキーボード103、マウス104等を用いて高
さ情報、材質情報などの属性情報を与えることにより、
立体的な都市構造を表現するベクトル地図データ106
を作成する。ベクトル地図データ106は、平面図形で
ある家屋底面図形と、属性情報として家屋高さ、家屋の
材質から構成される。これによって表現される立体図形
は多角柱の形状をしている。この多角柱を組み合わせる
ことによって家屋を表す様々な形状の立体図形を表現す
ることが可能である。
【0027】準備ブロックのセルデータ作成部107に
ついて説明する。セルデータ作成部107は、ベクトル
地図データ106からセルデータ108を自動的に作成
する。セルデータ108は図3に示したセルの状態変数
の集合である。304〜307にセルの状態変数を示し
たが、セルデータ作成部107ではこのうち、セル材質
304の設定を行う。なお、家屋境界フラグ305は、
全シミュレーション空間を検索して、隣接セルの材質が
「空き地」であるセルを家屋境界とすることにより設定
できる。シミュレーション開始時には、燃焼状態306
は全て未燃焼、燃焼時間307は全て0とする。セルは
全シミュレーション空間に隙間なく存在する。セル材質
設定の手順として、まず地表面に位置するセルの材質を
設定し、それをもとに地表面より上のセル材質を設定し
ていく。地表面でのセル材質は、ベクトル地図データ1
06で表現される家屋の底面図形から取得する。図6に
その取得の説明図を示す。家屋底面図形601の近傍に
あるセルの集合を求める。その中のそれぞれのセルに対
し、内外判定を行い、セルが底面図形601の内部にあ
る場合はセル材質をその家屋の材質と同じ値に設定し、
外部にある場合はセル材質を「空き地」に設定する。こ
こで用いられる内外判定について説明する。セルの代表
点(例えばセル左上端の点)から(x,y)平面上の任
意の方向(例えばX軸正の方向)に半直線を引き、その
半直線と家屋底面図形の構成線分との交差回数を数え
る。交差回数が0回または偶数回の場合は、その代表点
は家屋図形の外側にあり、交差回数が奇数回の場合はそ
の代表点は家屋図形の内側にある。例えばセルの代表点
603は底面図形に対し交差0回、点606は交差2回
なのでいずれも家屋外部、点604は交差3回、点60
5は交差1回なのでいずれも家屋内部と判定できる。地
表面のセル材質が全て確定した時、残りのセル材質を次
のようにして設定する。全シミュレーション空間内のセ
ルで、(x,y)座標が家屋の底面図形内にあり、Z座
標がそれぞれの家屋高さより低い位置にあるセルは全て
家屋内にあり、それより高い位置にあるセルは家屋外
(すなわち、家屋の上空)にある。従って家屋図形の高
さを参照することにより、セルの材質を設定することが
できる。この作業を全家屋図形とその近傍のセルに対し
て行うことにより、全シミュレーション空間のセル材質
は設定できる。
【0028】図7にセルデータ作成部の処理を示す。ま
た以下に各ステップの簡単な説明を示す。 [STEP1] 全シミュレーション空間内のセル材質
を初期値として「空き地」に設定する。 [STEP2] [STEP3]〜[STEP6]を全
家屋図形について実行する。 [STEP3] 家屋図形の材質情報、高さ情報を取得
する。 [STEP4] (x,y)平面上の家屋底面図形に外
接する四角形を計算することにより、家屋内外判定を行
うセル(すなわち、家屋の近傍にあるセル)の候補をリ
ストアップする。 [STEP5] それぞれの候補セルの代表点について
上で述べた内外判定を行う。 [STEP6] (x,y)座標が家屋底面図形内にあ
り、かつ家屋高さより低い位置にあるセルについて、図
形の材質情報を設定する。 以上の処理により、シミュレーションに用いられるセル
データが作成される。
【0029】次に図1(2)に示す、シミュレーション
ブロックについて説明する。シミュレーションブロック
は準備ブロックで作成したセルデータ108を用いて、
実際に火災延焼シミュレーションを実行する。これはシ
ミュレーション制御部110、ルール適用部111、表
示部112から構成される。初めに、シミュレーション
制御部110について説明する。シミュレーション制御
部110は、シミュレーションの単位時間毎にルール適
用部111を参照し、セルデータ109の全ての燃焼セ
ルに延焼ルールと鎮火ルールを適用しながら、セルデー
タ109の状態変数を更新していく。シミュレーション
制御部では更に状態変化したセルの状態変数を表示部1
12に送り、ディスプレイ113等の表示装置にシミュ
レーション結果を逐次表示していく。シミュレーション
制御部110の処理について説明する。この処理は、単
位時間毎にシミュレーション空間内の全燃焼セルに対し
て延焼ルール、鎮火ルールを適用する。これによりシミ
ュレーションが行われる。
【0030】単位時間毎に全シミュレーション空間を検
索すると計算時間が不必要にかかる。従って処理の高速
化のために、燃焼セルにIDを割り振り、燃焼セルのI
Dをリストで管理するという方法を用いる。この方法に
より全シミュレーション空間から燃焼セルを検索する必
要がなくなり、処理の高速化が得られる。ここでIDと
は、燃焼セルを区別するものであり、例えば通し番号や
座標値(x,y,z)などが適用できる。シミュレーシ
ョンを開始するにあたり、ユーザがマウス、キーボード
等を利用して指定した出火地点のセルを燃焼セルとし、
それを初期データとして燃焼セルのIDリストを作成す
る。そしてシミュレーションが進行する過程で、延焼判
定で新たに燃焼したセルのIDをリストに加え、鎮火判
定で鎮火したセルのIDをリストから削除していく。
【0031】図8にセルのリストへの追加方法、リスト
からの削除方法についての説明図を示す。図8(1)に
おいて、延焼判定で新たに燃焼したセル802がリスト
801に追加される場合、燃焼セル802はリスト80
1の最後尾に加えられる。リスト801はリスト803
の状態となる。図8(2)において、鎮火判定で鎮火し
たセル805がリスト804から削除される場合、リス
ト最後尾の燃焼セル806が鎮火セル805のあった位
置に移動する。リスト804はリスト807の状態とな
る。次に、図1(2)に示すシミュレーションブロック
の、ルール適用部111について説明する。ルール適用
部111は、シミュレーション制御部110から呼び出
され、シミュレーション制御部110が提示したセルに
対して延焼判定、あるいは鎮火判定を行い、その結果を
シミュレーション制御部110に返す。ルール適用部1
11ではまた、延焼判定、鎮火判定に限らず、シミュレ
ーション制御部が判定を要求する他のルール判定につい
ても対応できるよう拡張することができる。
【0032】図9にシミュレーション制御部、およびル
ール適用部のアルゴリズムを示す。また以下に各ステッ
プについて説明する。 [STEP1] 全シミュレーション空間内から燃焼セ
ルを検索し、リストに追加する。 [STEP2] シミュレーションが終了するまで、
[STEP3]〜[STEP10]を繰り返す。[ST
EP3]〜[STEP10]はシミュレーション単位時
間あたりの処理の内容となる。 [STEP3] リストに格納されている全燃焼セルに
対して[STEP4]〜[STEP6]を繰り返す。 [STEP4] 家屋境界の燃焼セルに対し、家屋間延
焼ルールを適用し、前述の方法で影響圏を取り、影響圏
内の未燃焼セルに対して延焼判定を行う。 [STEP5] [式2]で表されるセルの延焼確率を
計算し、同時に生成した乱数との比較で延焼判定を行
う。この延焼判定は、例えば、延焼確率を0〜100%
の形で算出し、乱数を0〜100の範囲で自動生成し、
生成した乱数の値が延焼確率を下回っていた場合、延焼
が行なわれたと判定する。延焼した場合は、延焼した未
燃焼セルの燃焼状態を「燃焼中」に変更し、リストにそ
のセルのIDを追加する。 [STEP6] 家屋内の燃焼セルに対し、家屋内延焼
ルールを適用し、影響圏を隣接セル4個に限定して、影
響圏内の未燃焼セルに対して延焼判定を行う。延焼判定
は、[STEP5]と同じ処理を行う。 [STEP7] リストに格納されている全燃焼セルの
燃焼時間を更新する。 [STEP8] リストに格納されている全燃焼セルに
対し、鎮火判定を行う。 [STEP9] 燃焼セルの燃焼時間があらかじめ設定
されている最大燃焼時間を越えた場合、鎮火と判定す
る。鎮火した場合は、鎮火した燃焼セルの燃焼状態を
「鎮火」に変更し、リストからそのセルのIDを削除す
る。 [STEP10] シミュレーション系全体の経過時間
を単位時間更新する。
【0033】次に、図1(2)に示すシミュレーション
ブロックの、表示部112について説明する。表示部1
12の目的は、シミュレーションの実行結果、すなわち
火災延焼の状況をユーザから見て受け止めやすい形でデ
ィスプレイ上に表示することにある。表示には(1)セ
ル単位での表示、(2)家屋図形単位での表示、の二通
りが考えられる。
【0034】セル単位での表示は、家屋のどの部分から
延焼したのか、家屋内をどのような経路で延焼したのか
等の、詳細な情報を得ることができる。セル単位での表
示では、セルの材質とセルの燃焼状態の配色が、ユーザ
が一目で理解できる配色である必要がある。配色の一例
を次に示す。未燃焼状態の純木造のセルを白色、防火木
造のセルを黄色、耐火造のセルを緑色、空き地の色を青
色とする。鎮火状態のセルはそれぞれの材質の色を暗く
した配色とする。また、燃焼状態のセルはセルの材質に
かかわらず赤色とする。このような配色で、セルの各高
さ毎の平面図を用いた表示、あるいは立体的な透視図で
の表示を行うことにより、セル単位での表示が行われ
る。
【0035】一方、家屋単位の表示は、シミュレーショ
ンが設定した仮想的な領域であるセルではなく、家屋を
表示の単位としているため、セル単位での表示よりユー
ザから見て理解しやすい。家屋単位での表示の例を次に
示す。家屋図形は、ベクトル図形データ106を用いて
表示する。未燃焼の家屋は、材質別に色分けして表示す
る。例えば純木造の家屋は白色、防火木造の家屋は黄
色、耐火造の家屋は緑色で表示する。燃焼中の家屋は、
家屋内の全セルの中で燃焼セルの占める割合に応じて、
その色を変化させる。例えば純木造の家屋が燃焼してい
る場合、家屋の色は白色から赤色までの、燃焼セルの割
合に応じた中間色で表示される。鎮火した家屋は、家屋
内の全セルの中で鎮火セルの占める割合に応じて、その
色を変化させる。例えば純木造の家屋が鎮火した場合、
家屋の色は白色から黒色までの、鎮火セルの割合に応じ
た中間色で表示される。
【0036】図10に家屋単位の表示を説明する図を示
す。未燃焼の家屋1001は、燃焼するに従って、10
02、1003と、その表示色を赤色に変化させてい
く。そして家屋内の燃焼セルが全て鎮火して、家屋が鎮
火したと判定された時は、家屋焼失の割合に応じて10
04、1005と異なる表示色で表示される。家屋のご
く一部のみが焼失した場合、家屋の色は未燃焼の家屋に
近い色(1004)で表示され、家屋が全焼した場合は
家屋は黒色(1005)で表示される。
【0037】図11に表示部における、「家屋単位の表
示」の処理について示す。 [STEP1] 家屋の未燃焼色として、家屋の材質別
の表示色を設定する。 [STEP2] 家屋内に燃焼セルがある時は[STE
P3]、燃焼セルがなく、鎮火セルがある時は[STE
P4]、両方ない場合は[STEP5]を実行する。 [STEP3] 家屋は燃焼中である。家屋内の全セル
の中で燃焼セルの占める割合を求め、その割合に従って
家屋の表示色を未燃焼色と赤色との中間色から設定す
る。 [STEP4] 家屋は鎮火している。家屋内の全セル
の中で鎮火セルの占める割合を求め、その割合に従って
家屋の表示色を未燃焼色と黒色との中間色から設定す
る。 [STEP5] 家屋は未燃焼である。家屋の表示色は
[STEP1]で設定した未燃焼となる。 [STEP6] 上のそれぞれのステップで設定した表
示色で家屋図形を描画する。
【0038】
【効果】本発明によれば、可燃物・通路・壁等、家屋内
の詳細な構造を3次元的に考慮し、小規模な火災実験で
求められる物理定数(材質別の延焼時間など)をシミュ
レーションルールに直接的に表現でき、3次元的な火災
延焼の詳細な経時変化を高速に表現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本シミュレーションシステムの機能ブロック図
である。
【図2】本シミュレーションシステムの機器構成図であ
る。
【図3】セルによって離散化した立体地図データの例
と、各セルの状態変数リストを示す図である。
【図4】燃焼セルの発する火力に影響される延焼確率の
近似式をグラフで示した図である。
【図5】等温閉曲面の近似面とその寸法を示す図であ
る。
【図6】内外判定法を説明するための図である。
【図7】セルデータ作成部の処理を示すPAD図であ
る。
【図8】燃焼セルIDのリストへの追加・削除を説明す
るための図である。
【図9】シミュレーション制御部およびルール適用部の
処理を示すPAD図である。
【図10】シミュレーション結果の家屋単位による表示
を説明するための図である。
【図11】表示部の処理を示すPAD図である。
【図12】従来の火災延焼シミュレーションを説明する
ための図である。
【図13】燃焼中のセルと隣接ビルの複数のセルとの関
係を等温面で示した図である。
【符号の説明】
101、205 紙地図 102、206 自動図面入力装置 103、201 キーボード 104、202 マウス 105 ベクトル地図データ作成部 106 ベクトル地図データ 107 セルデータ作成部 108、109 セルデータ 110 シミュレーション制御部 111 ルール適用部 112 表示部 113、203 ディスプレイ 204 プリンタ 207 記憶装置 208 処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 剛三 東京都小平市御幸町32番地 日立電子株 式会社 小金井工場内 (56)参考文献 特開 平5−134600(JP,A) 稲垣“時間の概念を組込んだ確率型延 焼モデルについて 防火木造建物の場 合”消防研究所報告No.60(1985−09 −30)pp.75−81. 平林 他“延焼確率を用いた市街地延 焼シミュレーション”情報処理学会第32 回全国大会講演論文集Vol.3,N o.3W−3(1986−03−11〜13)p p.2121−2122. 木俣 他“広域火災シミュレーショ ン・システムによる地震火災危険の分 析”電算機利用に関するシンポジウム講 演集Vol.13(1988−10−19〜21)p p.131−138. 小出 他“戸別延焼シミュレーション 手法の開発”近代消防Vol.28,N o.3(1990−03−01)pp.79−84. 東京消防庁“特集 関東地方大地震 大震火災が道路等で焼け止まるかの効果 を測定 延焼シミュレーション手法を採 用し、実火災に近似した予測を実現”近 代消防Vol.30,No.11(1992−10 −01)pp.47−54. 岡崎 他“地図情報のコンピュータに よる管理と検索”情報処理学会研究報告 Vol.90,No.34(90−CH−5− 2)(1990−05−11)pp.1−8. 糸井川 他“防災情報処理の現状と動 向”電気学会論文誌D 産業応用部門誌 Vol.110−D,No.9(1990−09 −20)pp.944−947. 二ノ宮“特集 都市の震災と都市設備 都市の地震火災とその対策”建築設備 と配管工事Vol.31,No.3(1993 −03−01)pp.80−83. 室 他“立体都市データを用いた空間 シミュレーション方式とその火災延焼予 測への適用”情報処理学会研究報告Vo l.97,No.113(97−MPS−16− 1)(1997−11−21)pp.1−6. (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 19/00 110 JICSTファイル(JOIS)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力装置と、表示装置と、記憶装置と、
    処理装置を備え、市街地等の火災延焼をシミュレートす
    る3次元火災延焼シミュレーションシステムであって、 シミュレーション対象3次元空間を3次元的に分割して
    得られる一様形状の各セルのセル材質、家屋境界フラ
    グ、燃焼状態、燃焼時間等の状態変数が前記記憶装置に
    格納され、 前記処理装置は、単位時間経過する毎に、各セルの延焼
    確率をセルの周囲の状態およびセル材質に基づき求め、
    該延焼確率に従い延焼判定をし、該判定の結果により前
    記状態変数の燃焼状態を更新するシミュレーション制御
    手段を備えることを特徴とする3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 前記シミュレーション制御手段は、前記セルの状態変数
    の燃焼状態が燃焼に変化した後単位時間経過する毎に該
    セルの状態変数の燃焼時間を更新し、また鎮火判定とし
    て、該燃焼時間が該セルに予め設定された時間を超えた
    とき鎮火するとして、前記状態変数の燃焼状態を鎮火状
    態に変更することを特徴とする3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 前記セルの延焼確率(P)を、燃焼セルの発する火力に
    影響される延焼確率(Pf)と、燃焼セルの周囲の温度
    分布に影響される延焼確率(Pc)と、延焼先セルの燃
    えにくさに影響される延焼確率(Pr)と、気温・湿度
    などのその他の要因による延焼確率(Po)を用いて、
    P=Pc×Pf×Pr×Poとすることを特徴とする3
    次元火災延焼シミュレーションシステム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 前記セルの延焼確率Pcは、燃焼中のセルの発する熱に
    よる等温面を想定し、前記セルの存在する等温面の表面
    積Sと比例定数kにより、Pc=k/Sとすることを特
    徴とする3次元火災延焼シミュレーションシステム。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 前記等温面を、中心を燃焼セルのZ座標上方に持ちかつ
    長軸方向がZ軸であるX−Z平面の楕円形を、Z軸を軸
    として回転させた回転楕円体で近似することを特徴とす
    る3次元火災延焼シミュレーションシステム。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 延焼確率Pfは、延焼確率Pfのとる最大値Pfp、延
    焼確率Pfが最大値Pfpを取った時の時間tp、経過
    時間tとして、 Pf(t)=Pfp×(t/tp)×Exp(1−(t
    /tp)) と近似することを特徴とする3次元火災延焼シミュレー
    ションシステム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 前記処理装置は、前記入力装置から入力された地図デー
    タと、該地図データ内の各図形毎に入力された高さ情
    報、材質情報等の属性情報によりベクトル地図データを
    作成するベクトル地図データ作成部と、該ベクトル地図
    データに基づき前記各セルの状態変数の内のセル材質を
    設定するセルデータ作成部を備えることを特徴とする3
    次元火災延焼シミュレーションシステム。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 前記セルのうち家屋部分のセルを、前記家屋境界フラグ
    により、家屋内セルと、家屋内と家屋外との境界部セル
    とに区別し、前記シミュレーション制御手段は家屋内の
    セルについては延焼候補セルを燃焼セルに隣接している
    セルに限定して延焼判定を行うことを特徴とする3次元
    火災延焼シミュレーションシステム。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステムにおいて、 前記シミュレーション制御手段は、現在燃焼中のセルの
    IDリストを生成し、単位時間経過する毎に、新たに延
    焼と判定されたセルを前記IDリストの最後尾に加え、
    前記IDリスト内のセルが鎮火と判定されたとき、該鎮
    火と判定されたセルを該IDリストから削除すると共に
    リスト最後尾の燃焼セルIDを削除した鎮火セルID部
    分に移動することを特徴とする3次元火災延焼シミュレ
    ーションシステム。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の3次元火災延焼シミュ
    レーションシステムにおいて、 前記処理部は表示部を備え、該表示部は、前記シミュレ
    ーション制御手段により単位時間毎に更新される前記各
    セルの状態変数に基づき各セル毎に延焼状態と鎮火状態
    を前記表示装置に表示することを特徴とする3次元火災
    延焼シミュレーションシステム。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の3次元火災延焼シミ
    ュレーションシステムにおいて、 前記各セル毎の延焼状態と鎮火状態を状態変数に応じて
    色別および色の明暗により前記表示装置に表示すること
    を特徴とする3次元火災延焼シミュレーションシステ
    ム。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の3次元火災延焼シミュ
    レーションシステムにおいて、 前記処理部は表示部を備え、該表示部は、前記シミュレ
    ーション制御手段により単位時間毎に更新される前記各
    セルの状態変数に基づき家屋単位に延焼状態と鎮火状態
    を前記表示装置に表示することを特徴とする3次元火災
    延焼シミュレーションシステム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の3次元火災延焼シミ
    ュレーションシステムにおいて、 前記家屋単位の延焼状態を家屋の材質に応じて色別およ
    び色の明暗により表示し、鎮火状態を延焼状態とは異な
    る色および色の明暗により前記表示装置に表示すること
    を特徴とする3次元火災延焼シミュレーションシステ
    ム。
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