JP3199623B2 - 目標追尾方法およびその方法を用いたレーダ装置 - Google Patents

目標追尾方法およびその方法を用いたレーダ装置

Info

Publication number
JP3199623B2
JP3199623B2 JP00102896A JP102896A JP3199623B2 JP 3199623 B2 JP3199623 B2 JP 3199623B2 JP 00102896 A JP00102896 A JP 00102896A JP 102896 A JP102896 A JP 102896A JP 3199623 B2 JP3199623 B2 JP 3199623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
tracking
motion
equation
acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00102896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09189761A (ja
Inventor
秀彦 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP00102896A priority Critical patent/JP3199623B2/ja
Publication of JPH09189761A publication Critical patent/JPH09189761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3199623B2 publication Critical patent/JP3199623B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Aiming, Guidance, Guns With A Light Source, Armor, Camouflage, And Targets (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、送信波を目標に
当ててその反射波を受信し、これに処理を施すことによ
って目標の追尾を行う方法、およびこの方法を用いたレ
ーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来装置1. 追尾レーダは、例えば防衛用の警戒管制
用、観測用ロケットや人工衛星の発射・観測用に利用さ
れている。図7は特開平4−116489号公報に開示
されたレーダ装置(以下「従来装置1」という)の構成
図である。従来装置1の目的は、目標の追尾のみなら
ず、その識別を行う点にある。
【0003】[構成]従来装置1は、レーダ送信波を生
成する送信機7、送受信のためのアンテナ1、目標から
の反射波を受信する受信機2、クラッタを抑制する移動
目標処理回路3、目標の位置検出を行う目標検出回路
4、目標の追尾処理の中心となる追尾処理回路5、目標
のタイプまたは機種などの種類(以下単に「種類」とい
う)を識別する目標識別回路9、目標に関する情報の表
示を制御する表示制御器6、探索領域の地形情報を保持
する地形情報ファイル8を持つ。この地形情報ファイル
8が従来装置1の特徴である。
【0004】[動作]まず送信波が送信機7によって生
成され、これがアンテナ1を介して放射される。送信波
は目標に当たって反射し、反射波がアンテナ1に到達す
る。アンテナ1は送受信機能の切り替えが可能であり、
反射波の到達時には受信モードにある。反射波はアンテ
ナ1を介して受信機2に入力され、移動目標処理回路3
で不要反射波成分であるクラッタの除去を行う。この
後、目標検出回路4で目標の位置(距離および方向)特
定が行われ、以降この目標が追尾処理回路5によって追
尾される。追尾は目標位置と目標速度に基づく。
【0005】従来装置1の特徴は、前記目標位置と目標
速度をもとに目標の識別を行う部分にある。すなわち、
地形情報ファイル8を参照することによって目標位置の
地形、例えば空中、陸上、海上等の区別がわかるため、
目標が航空機、車両、船舶のいずれであるかが大まかに
判明する。これに目標速度(高速、低速等)を加味すれ
ば、目標の種類をより正確に特定できる。なお、識別結
果を含む情報は表示制御器6によって表示され、この情
報から目標検出回路4に対して探索エリアの指定がなさ
れる。
【0006】従来装置2.目標の識別を行う他の装置
(従来装置2という)として、合成開口等による分解能
の改善によって目標の形状自体を特定するというものが
ある。従来装置2の場合も、追尾の方法自体は従来装置
1と同等である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来装置1、2
によれば、以下の点で改善の余地があると考えられる。
【0008】(1)追尾の維持について 追尾の際、目標の現在位置を参照するが、加速度につい
ては目標の物理的特性に特別な考慮が払われない。しか
し実際には、例えば航空機やミサイルが複数存在する場
合、雲などのクラッタ要因が多い場合など、追尾途中で
目標の乗り移り(取り違え)が発生することがある。目
標の現在位置だけで正確な未来位置を予想することは困
難である。
【0009】(2)目標の識別について 従来装置1は簡便かつ比較的安価な識別を目的とするも
のと考えられ、目標が航空機であるか車両であるかなど
の大まかな識別が可能となるが、航空機の中でもいずれ
かの機種であるかまでを特定する場合には最適とはいえ
ない。
【0010】一方、従来装置2は遠方の目標の形状をク
ラッタ等の影響を除去しながら識別するため、誤差が問
題となる。誤差を最小限に抑えるためには装置が非常に
高価にならざるを得ず、好ましくない。また、たとえ誤
差を抑えたとしても、追尾・識別処理のリアルタイム性
に問題が残る。
【0011】[目的]本発明の目的は、追尾の維持を容
易にするとともに、目標識別の精度を改善する方法およ
びレーダ装置を提供することにある。とくにレーダ装置
については、高い追尾性能と目標識別率の実現、安い価
格の両立が可能な装置を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目標追尾方法
は、送信波を目標に当ててその反射波を受信し、これに
処理を施すことによって目標の追尾を行う方法であっ
て、目標の運動を支配する力学モデルを導入することに
よって該目標の運動方程式を記述し、この運動方程式を
解くことによって該目標の加速度を推定し、この加速度
から目標の未来位置を予測して追尾を行う。目標が航空
機の場合、力学モデルの例として、航空機の空力特性や
操縦に関するパラメータ(定数、変数両方を含む)をそ
の力学的な性質によって分類し、各パラメータが次の瞬
間にとり得る値を、前記分類ごとに同じ仮定のもとに数
値表現するモデルがある。
【0013】この方法ではさらに、予め目標の種類ごと
に運動特性を記憶し、前記追尾の結果判明する目標の運
動特性から目標の種類の識別を行ってもよい。運動特性
の例として、航空機の場合は最大上昇速度がある。例え
ば、追尾から判明した目標の最大上昇速度V1と、ある
航空機Aの仕様上の最大上昇速度V2の間に、 V1>V2 が成立すれば、目標は航空機Aではありえない。従っ
て、運動特性を予めデータベース等に蓄積しておけば、
目標の種類の絞り込みが可能となる。
【0014】またこの方法では、予め目標の種類ごとに
記憶されている力学定数の中から前記識別された目標の
種類について記憶されている力学定数を検索し、この力
学定数を前記運動方程式に投入して該方程式を適宜補正
し、補正された運動方程式を解くことによって加速度を
推定してもよい。力学定数とは、目標の運動に力学的な
意味で関係する定数をいい、航空機の場合、有害抵抗係
数などがある。力学定数は目標の種類ごとに決まるた
め、例えば目標が航空機Bと識別された場合、航空機B
に関する一連の力学定数を見い出すことができる。これ
ら力学定数を運動方程式に投入すれば、目標に対して最
適の運動方程式を立てることができ、追尾がさらに容易
となる。
【0015】さらにこの方法では、力学モデルを記述す
る力学変数を、目標操縦者の操縦意図によって直接的に
変化する一次変数と間接的に変化する二次変数に分類
し、これら2種類の変数に異なる挙動モデルを適用する
ことによって前記運動方程式を記述してもよい。力学モ
デルでは、前記の力学定数の他に力学変数を導入して目
標の運動を解析する。力学変数の例に、航空機の速度、
推力などがある(ただし最大速度、最大推力は定数であ
り、前述の運動特性として利用できる)。この場合、目
標操縦者、すなわち航空機のパイロットは、速度を上げ
たいとき現実には揚力係数の減少(迎え角の減少)を指
示しているか、または推力の増加と揚力係数の減少を指
示している。従って、揚力係数または推力が一次変数、
最終目的である速度は二次変数と分類することができ
る。一次変数は二次変数よりも目標操縦者の意図に直接
的に依存するため、本態様ではこれらに対して別々の挙
動モデルを採用する。
【0016】この観点から、本発明のある態様では、前
記一次変数を目標操縦者の操縦意図に従う確率変数とし
て記述し、前記二次変数を目標の移動履歴に基づく外挿
値として記述する。外挿値は目標の複数の過去位置の差
から求められる。
【0017】この方法のある態様では、追尾の目標とし
て少なくも航空機を含み、前記一次変数は推力、揚力係
数、バンク角を含み、前記二次係数は経路角、速度を含
むものである。
【0018】一方、本発明のレーダ装置は、送信波を送
信する送信機と、目標からの反射波を受信する受信機
と、受信した反射波に処理を施して目標を検出する目標
検出手段と、検出された目標の追尾を行う目標追尾手段
と、検出された目標の識別を行う目標識別手段と、予め
目標の種類ごとにその力学定数を保持する力学定数保持
手段とを含む。受信した反射波に施す処理として、クラ
ッタの低減がある。
【0019】この構成において、力学定数保持手段に保
持されている力学定数の中から、識別された目標の種類
について記憶されている力学定数を検索し、これを目標
追尾処理に利用する。
【0020】ここで、前記目標追尾手段は目標の加速度
を算出する加速度算出手段を含み、この加速度算出手段
は、目標の運動方程式に前記力学定数を投入し、これを
解くことによって加速度の算出を行う。
【0021】本発明のある態様では、前記加速度算出手
段によって算出された加速度を前記追尾処理手段に与え
てこれを目標の未来位置の特定に用い、前記追尾処理手
段で判明した目標の運動状況を前記識別処理手段に与え
てこれを目標の識別に用い、前記識別処理手段の識別結
果を前記加速度算出手段に与えてこれを前記運動方程式
の補正に用いる。各部の処理結果をフィードバックしあ
うことにより、識別と追尾の精度改善を行う。
【0022】またこのレーダ装置は、風向および風力を
計測する風計測手段と、測定された風向および風力をも
とに、目標が受ける風の影響を補正する風補正手段とを
含んでもよい。より正確な航空力学パラメータの推定の
ためである。
【0023】さらにこのレーダ装置は、目標からの反射
波を前記受信機から離れた位置で受信する第二受信機
と、第二受信機で受信した反射波に処理を施して目標を
検出する第二目標検出手段と、前記目標検出手段および
前記第二目標検出手段で処理された信号を合成する信号
合成手段とを含んでもよい。信号合成により、例えば目
標のドップラー速度から速度ベクトルが判明する。すな
わち、バイスタティックまたはマルチスタティック構成
をとることにより、目標の速度等をより正確に測定する
ためである。
【0024】このレーダ装置の目標追尾手段のフィルタ
としては、適応ラティスフィルタを用いてもよい。「適
応ラティスフィルタ」とは、フィルタ係数を適応アルゴ
リズムによって変化させながら使用されるフィルタをい
う。
【0025】またこのレーダ装置は、受信した反射波の
電力および検出した目標の位置から目標のRCS(レー
ダクロスセクション:レーダ断面積)を算出するRCS
算出手段を含んでもよい。この場合、目標識別手段は目
標の識別の際、算出されたRCSを補助的に用いる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係るレーダ装置を図面を
適宜参照しながら説明する。このレーダ装置は本発明の
目標追尾方法を利用するものである。本発明の基礎は、
本出願の発明者が追尾精度向上のために、従来特別考慮
されなかった加速度に注目した点にある。
【0027】実施形態1.ここでは目標を航空機と仮定
する。
【0028】[構成]図1は本実施形態に係るレーダ装
置の構成図である。同図において従来装置1と同等の構
成には同じ符号を与え、その説明を省略する。
【0029】本装置で新たに設けられた構成は、航空力
学パラメータデータベース20および加速度推定部21
であり、これに伴って追尾処理部22と識別処理部23
も従来とは異なる。
【0030】航空力学パラメータデータベース20は、
航空機の種類別に航空力学パラメータを蓄積保持する。
パラメータは主に各航空機の空力特性に関係する定数で
あり、翼面加重、有害抵抗係数、アスペクト比、揚力係
数範囲などが含まれる。本実施形態では、このデータベ
ースが識別処理部23に接続されている。識別処理部2
3は運動特性データ記憶部24を内蔵している。運動特
性データ記憶部24は、目標の運動特性を目標の種類ご
とにデータ(以下「運動特性データ」という)として記
憶している。運動特性データには、最大上昇下降速度、
最大上昇下降中の水平移動速度、巡回速度、最大旋回加
速度、最大旋回時の速度、最小旋回半径、最小旋回時の
速度などがある。
【0031】加速度推定部21、追尾処理部22、識別
処理部23は、それぞれ相互接続され、処理結果をフィ
ードバックしあう。フィードバック関係は以下の通りで
ある。
【0032】1.加速度推定部21→追尾処理部22 加速度が与えられ、目標の未来位置が特定される 2.追尾処理部22→識別処理部23 目標の運動の様子が与えられ、運動特性データをもとに
目標が識別される 3.識別処理部23→加速度推定部21 識別結果に基づく航空力学パラメータが与えられ、運動
方程式が補正される [動作]以下、各部の動作を詳述する。
【0033】(1)加速度推定部21 目標に力学モデルを導入し、このモデルのもとに運動方
程式を立てる。図2は目標である航空機に働く力を示す
図である。同図において外力(ベクトル)は、機首方向
に働く推力T、速度と逆方向に働く抗力D、主翼上方の
向きに働く揚力L、および鉛直下方に働く重力Gであ
る。航空機の加速度、質量をそれぞれa、mとすれば、
運動方程式は、 ma=T+D+L+G (式1) となる。ここで機首方向を速度方向と仮定してこの方向
をxp、機体の左翼方向をyp、垂直尾翼方向をzpと
する航空機座標系xp−yp−zpを導入し、各外力ベ
クトルの記号がそのままベクトルの大きさを表すとすれ
ば、式1の各成分は、
【数1】 と書ける。図3はこの座標系から経路角θとバンク角φ
を考慮した別の座標系xv−yv−zvへの座標変換を
示す図である。ここでxvは、速度方向と鉛直方向によ
って決まる平面内にあって、かつ鉛直方向と直交する方
向にとる。このとき鉛直方向にzvをとり、これらx
v、zvの双方に直交する方向にyvをとる。この座標
系では、式2はそれぞれ以下の形になる。
【0034】 maxv=(T−D)cos θ+Lcos φsin θ (式3) mayv=−Lsin φ (式4) mazv=−(T−D)sin θ+Lcos φcos θ−mg (式5) このとき、ρを大気密度、Sを機体の翼面積、CD0を有
害抵抗係数、CL を揚力係数ARをアスペクト比、eを
機体係数とし、 k=ρS/2 CD =CD0 +CL 2 /(πeAR) (CD は抵抗係数) とおけば、式3〜5は以下の形となる。
【0035】 maxv=(T−kC)cos θ+kCcos φsin θ ( 式6) mayv=−kCsin φ (式7 ) mazv=−(T−kC)sin θ +kCcos φcos θ−mg (式8) これらの式のうち一次変数と考えられる推力T、揚力係
数C、バンク角φは確率変数として扱い、二次変数
と考えられる経路角θ、速度vは過去の移動履歴から外
挿によって求め、その他の定数パラメータは、識別処理
部23における識別結果を検索手段として、航空力学パ
ラメータデータベース20から与えられる。こうして運
動方程式を適宜補正しながら、加速度を推定し、推定結
果を追尾処理部22へ渡す。
【0036】(2)追尾処理部22 与えられた加速度をもとに、目標の未来位置を計算しな
がら追尾を行う。具体的には、目標検出回路4から与え
られた目標位置に加速度を加味して次のサンプルタイミ
ングにおける目標の位置を予測する。追尾のためのフィ
ルタとして、カルマンフィルタのほか、適応ラティスフ
ィルタを用いてもよい。後者の場合、逆行列を次数拡張
型漸化式で求めるため、前者でしばしば問題となる計算
の発散を回避しやすい利点がある。
【0037】(3)識別処理部23 追尾の結果、目標の運動の様子がわかるため、この運動
に関するデータを追尾処理部22から受け取る。受け取
ったデータから運動特性(例えば実際に観測された旋回
のうちの最小半径)を計算し、運動特性データ保持部2
4に検索をかける。この検索結果から、最も近いパター
ンを持つ航空機を特定する。この際、当然ながら、より
多くの運動特性について検索を行うことが望ましい。航
空機の特定過程は表示制御器6に与えれ、モニタに表示
される。運動特性の似通った航空機が複数存在して識別
が困難な場合はその旨もモニタに表示され、オペレータ
の指示を仰ぐ構成としてもよい。
【0038】識別処理部23による識別が完了すれば航
空機の種類が判明するため、この航空機に関する航空力
学パラメータを航空力学パラメータデータベース20か
ら検索し、加速度推定部21に与える。本実施形態では
さらに、識別処理部23が機体の運動状態から機体の姿
勢も推定し、推力T等の一次変数がとりうる範囲および
その確率モデルを決定し、これを加速度推定部21に与
えるものとする。
【0039】以上が実施形態1の概要である。なお、本
実施形態では航空機を目標としたが、これは当然車両や
船舶等、別の目標であってもよい。種々の目標に対応す
るために、本装置は陸上移動物、海上移動物などについ
ても力学モデルや力学パラメータデータベースを備える
ことが望ましい。
【0040】実施形態2.図4は実施形態2に係るレー
ダ装置の構成図である。同図において図1同様の構成に
は同一の符号を与え、説明を省略する。
【0041】実施形態2の特徴は、目標付近の風の影響
を考慮する点にある。実施形態2で新たなに設けられた
構成は、風計測用アンテナ30、風計測用の送信波を生
成する風計測用送信部31、反射波を受信する風計測用
受信部32、受信の内容から目標付近の風力、風向を計
算する風力・風向計算部33である。この計算結果は、
加速度推定部21、識別処理部23それぞれに設けられ
た風補正部(図示せず)に与えられる。なお、この実施
形態では、計算の結果が識別処理部23に入力されてい
るが、識別処理部23は追尾処理部22および加速度推
定部21と緊密に処理情報の交換をしているため、いず
れの構成に入力しても処理は可能である。
【0042】この構成において、風計測用アンテナ30
から放射された電波は、空気中の水蒸気や埃などに反射
し、風計測用受信部32で受信され、風力、風向が計算
される。この計算結果が前記風補正部で参照され、この
結果、識別率と加速度推定の精度改善が可能となる。
【0043】実施形態3.図5は実施形態3に係るレー
ダ装置の構成図である。実施形態3の特徴は、バイスタ
ティック構成を採用する点にある。新たな構成は、アン
テナ1とある程度離して設置されるバイスタティックア
ンテナ40、送信機7から送信された送信波が目標で反
射した後、これを受信するバイスタティック受信部4
1、受信内容ら移動目標処理回路3同様クラッタ除去等
を行うバイスタティック移動目標処理部42、この出力
を受け、目標検出回路4同様、目標の位置を検出するバ
イスタティック目標検出部43、および目標検出回路4
とバイスタティック目標検出部43の処理結果を合成す
るデータ合成部44である。データ合成部44には、通
信回線等を介してデータが送られる。
【0044】この構成において、アンテナ1から放射さ
れた電波は目標で反射し、受信機2およびバイスタティ
ック受信部41で受信される。データ合成部44では、
目標のドップラー速度から目標の位置と速度を計算し、
これを識別処理部23、追尾処理部22および加速度推
定部21に渡す。この結果、さらに識別率と加速度推定
の精度改善が可能となる。当然ながら、マルチスタティ
ック構成を採用してもよい。
【0045】実施形態4.図6は実施形態4に係るレー
ダ装置の構成図である。実施形態4の特徴は、目標のR
CSを測定する点にある。新たな構成は、受信機2に接
続され、受信波を受け取るRCS測定部50である。R
CS測定部50では、受信電力と目標の位置から目標の
RCSを測定し、測定結果を識別処理部23に渡す。識
別処理部23では、RCSを補助的に用いて目標の識別
を行う。
【0046】以上、実施形態2以降、風の補正、バイ
(マルチ)スタティック構成、RCSの測定を説明した
が、当然ながらこれらの任意の組合せを採用することが
できる。
【0047】
【発明の効果】本発明の目標追尾方法によれば、目標の
加速度を推定したため、この加速度から目標の未来位置
をより正確に予測することができる。これにより、追尾
の維持が容易となる。
【0048】予め目標の種類ごとに運動特性が記憶され
ている場合は、目標の種類の絞り込みが容易となり、識
別率が上昇する。
【0049】識別された目標に関する力学定数を検索し
て運動方程式を適宜補正する場合は、方程式がより適切
な形となるため、目標の追尾精度が向上する。
【0050】力学変数を一次変数と二次変数に分類し、
これらに異なる挙動モデルを適用する場合は、従来のよ
うにすべての変数を単に確率的に扱うよりも、運動の現
実に即した合理的な目標の追尾が可能となる。
【0051】一次変数を確率変数として記述し、二次変
数を目標の移動履歴に基づく外挿値として記述する場合
は、操縦者の意図のような偶発的な要素を確率的に処理
できる一方、それ以外の要素については過去のデータか
ら妥当性の高い記述が可能となる。
【0052】一次変数が推力、揚力係数、バンク角を含
み、二次係数が経路角、速度を含む場合、航空機の追尾
を高い精度で行うことができる。
【0053】一方、本発明のレーダ装置は、力学定数保
持手段を持つため、識別された目標の種類に関する力学
定数を利用することにより、目標追尾が容易となる。
【0054】目標追尾手段が加速度算出手段を含む場合
は、従来殆ど考慮されなかった加速度を含めて目標の追
尾を行うことができるため、追尾精度が高まる。
【0055】加速度を追尾に利用し、追尾結果を識別に
用い、識別結果を加速度算出に利用する場合は、各部の
処理結果の緊密なフィードバックによる識別と追尾の精
度改善効果が大きい。また、装置の運転に従ってこの効
果がさらに大きくなる点も有利である。
【0056】風の影響を考慮する場合は、より正確な追
尾が可能となる。
【0057】バイスタティックまたはマルチスタティッ
ク構成をとる場合は、目標の速度等をより正確に測定す
ることができる。
【0058】目標追尾手段のフィルタとして適応ラティ
スフィルタを用いる場合は、計算の発散を回避すること
ができる。
【0059】目標のRCSを算出する場合は、このRC
Sを補助的に用いて識別精度を改善することができる。
【0060】以上、本発明によれば、格別高価な構成要
素も実現困難な要素技術も必要とせず、コストパフォー
マンス、リアルタイム性に優れたレーダ装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係るレーダ装置の構成図であ
る。
【図2】 追尾の目標である航空機に働く力を示す図で
ある。
【図3】 航空機座標系から別の座標系xv−yv−z
vへの座標変換を示す図である。
【図4】 実施形態2に係るレーダ装置の構成図であ
る。
【図5】 実施形態3に係るレーダ装置の構成図であ
る。
【図6】 実施形態4に係るレーダ装置の構成図であ
る。
【図7】 特開平4−116489号公報に開示された
レーダ装置の構成図である。
【符号の説明】
20 航空力学パラメータデータベース、21 加速度
推定部、22 追尾処理部、23 識別処理部、24
運動特性データ記憶部、30 風計測用アンテナ、31
風計測用送信部、32 風計測用受信部、33 風力
・風向計算部、40 バイスタティックアンテナ、41
バイスタティック受信部、42 バイスタティック移
動目標処理部、43 バイスタティック目標検出部、4
4 データ合成部、50 RCS測定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−157391(JP,A) 特開 平4−29080(JP,A) 特開 昭63−231284(JP,A) 特開 昭63−249073(JP,A) 特開 平6−174838(JP,A) 特開 平8−75437(JP,A) 特開 平2−184785(JP,A) 特開 平8−105965(JP,A) 実開 平5−57686(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95 F41G 3/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信波を目標に当ててその反射波を受信
    し、これに処理を施すことによって目標の追尾を行う方
    法において、 目標の運動を支配する力学モデルを導入することによっ
    て該目標の運動方程式を記述し、 この運動方程式を解くことによって該目標の加速度を推
    定し、 この加速度から目標の未来位置を予測して追尾を行い、 予め目標の種類ごとに運動特性を記憶し、前記追尾の結
    果判明する目標の運動特性から目標の種類の識別を行
    い、 予め目標の種類ごとに記憶されている力学定数の中から
    前記識別された目標の種類について記憶されている力学
    定数を検索し、この力学定数を前記運動方程式に投入し
    て該方程式を適宜補正し、補正された運動方程式を解く
    ことによって前記加速度を推定する方法であって、 前記力学モデルを記述する力学変数を、目標操縦者の操
    縦意図によって直接的に変化する一次変数と間接的に変
    化する二次変数に分類し、これら2種類の変数に異なる
    挙動モデルを適用することによって前記運動方程式を記
    述する ことを特徴とする目標追尾方法。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の目標追尾方法におい
    て、 前記一次変数は目標操縦者の操縦意図に従う確率変数と
    して記述し、 前記二次変数は目標の移動履歴に基づく外挿値として記
    述することを特徴とする目標追尾方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の目標追
    尾方法において、該方法の追尾の目標は少なくも航空機
    を含み、 前記一次変数は推力、揚力係数、およびバンク角を含
    み、 前記二次係数は経路角および速度を含むことを特徴とす
    る目標追尾方法。
  4. 【請求項4】 送信波を送信する送信機と、 目標からの反射波を受信する受信機と、 受信した反射波に処理を施して目標を検出する目標検出
    手段と、 検出された目標の追尾を行う目標追尾手段と、 検出された目標の識別を行う目標識別手段と、 予め目標の種類ごとにその力学定数を保持する力学定数
    保持手段と、 を含み、力学定数保持手段に保持されている力学定数の
    中から、目標識別手段によって識別された目標の種類に
    ついて記憶されている力学定数を検索し、これを目標追
    尾処理に利用するレーダ装置であって、 前記目標追尾手段は、目標の運動方程式に前記力学定数
    を投入し、これを解くことによって目標の加速度を算出
    する加速度算出手段を含み、この加速度算出手段によっ
    て算出された加速度を用いて目標の未来位置を特定して
    目標を追尾し、 前記目標識別手段は、前記目標追尾手段の追尾処理で判
    明した目標の運動状況に基づき目標の識別を行い、 前記運動方程式で用いる力学変数を目標操縦者の操縦意
    図によって直接的に変化する一次変数と間接的に変化す
    る二次変数に分類し、これら2種類の変数に異なる挙動
    モデルを適用することによって前記運動方程式を記述
    ることを特徴とするレーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のレーダ装置において、 前記一次変数は目標操縦者の操縦意図に従う確率変数と
    して記述し、 前記二次変数は目標の移動履歴に基づく外挿値として記
    述することを特徴とするレーダ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4、5のいずれかに記載のレーダ
    装置において、該装置の追尾の目標は少なくも航空機を
    含み、 前記一次変数は推力、揚力係数、およびバンク角を含
    み、 前記二次係数は経路角および速度を含むことを特徴とす
    るレーダ装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載のレーダ
    装置において、該装置はさらに、 風向および風力を計測する風計測手段と、 測定された風向および風力をもとに、目標が受ける風の
    影響を補正する風補正手段と、 を含むことを特徴とするレーダ装置。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載のレーダ
    装置において、該装置はさらに、 目標からの反射波を前記受信機から離れた位置で受信す
    る第二受信機と、 第二受信機で受信した反射波に処理を施して目標を検出
    する第二目標検出手段と、 前記目標検出手段および前記第二目標検出手段で処理さ
    れた信号を合成する信号合成手段と、 を含むことを特徴とするレーダ装置。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれかに記載のレーダ
    装置において、 前記目標追尾手段のフィルタとして、適応ラティスフィ
    ルタを用いることを特徴とするレーダ装置。
  10. 【請求項10】 請求項4〜9のいずれかに記載のレー
    ダ装置において、該装置はさらに、 受信した反射波の電力および検出した目標の位置から目
    標のRCSを算出するRCS算出手段を含み、 前記目標識別手段は目標の識別の際、算出されたRCS
    を補助的に用いることを特徴とするレーダ装置。
JP00102896A 1996-01-08 1996-01-08 目標追尾方法およびその方法を用いたレーダ装置 Expired - Fee Related JP3199623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00102896A JP3199623B2 (ja) 1996-01-08 1996-01-08 目標追尾方法およびその方法を用いたレーダ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00102896A JP3199623B2 (ja) 1996-01-08 1996-01-08 目標追尾方法およびその方法を用いたレーダ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09189761A JPH09189761A (ja) 1997-07-22
JP3199623B2 true JP3199623B2 (ja) 2001-08-20

Family

ID=11490115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00102896A Expired - Fee Related JP3199623B2 (ja) 1996-01-08 1996-01-08 目標追尾方法およびその方法を用いたレーダ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3199623B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5601881B2 (ja) * 2010-05-17 2014-10-08 三菱電機株式会社 パッシブレーダシステムおよびパッシブレーダ方法
CN110501671B (zh) * 2019-08-30 2021-04-13 深圳大学 一种基于测量分配的目标跟踪方法及装置
JPWO2023157157A1 (ja) * 2022-02-17 2023-08-24
CN115326072B (zh) * 2022-08-09 2024-04-16 中国电子科技集团公司第三十八研究所 一种用于机动平台的高动态目标记忆跟踪方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09189761A (ja) 1997-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1610152B1 (en) Tracking of a moving object for a self-defence system
Adams et al. Robotic navigation and mapping with radar
Schuster et al. Probabilistic data association for tracking extended targets under clutter using random matrices
KR101882483B1 (ko) 무인 수상정의 장애물 탐지 장치 및 방법
CN117250961B (zh) 无人移动靶船协同编队控制方法及系统
CN105372653B (zh) 面向岸基空管雷达系统中一种高效转弯机动目标跟踪方法
CN111121770B (zh) 一种交互式多弹多模型航迹融合方法
CN113687349A (zh) 基于多传感器融合的无人艇海面目标追踪方法及装置
KR101968327B1 (ko) 항적 거리 보상 장치 및 방법
Page et al. Detection and tracking of moving vehicles with Gotcha radar systems
CN109839633B (zh) 基于最小覆盖空域的机载预警雷达的多帧检测前跟踪方法
JP3199623B2 (ja) 目標追尾方法およびその方法を用いたレーダ装置
Vitiello et al. Detection and tracking of non-cooperative flying obstacles using low SWaP radar and optical sensors: an experimental analysis
CN105842686A (zh) 基于粒子平滑的快速tbd检测方法
Han et al. Method of target tracking with Doppler blind zone constraint
RU2190863C2 (ru) Способ ранжирования целей
CN102426357B (zh) 一种具有图像确认的多目标跟踪方法
Wilthil Maritime Target Tracking with Varying Sensor Performance
Nurfalah et al. Track Association and Fusion in Maritime Tactical Data System: A Review
Schuster et al. Target tracking in marine environment using automotive radar and laser range sensor
JP2003227698A (ja) 目標判別装置
CN114140699B (zh) 基于在线局部Fisher矢量机的SAR图像目标识别方法及系统
CN114994655B (zh) 雷达/红外异构信息融合处理方法
JP3440010B2 (ja) 目標追尾装置
RU2815305C1 (ru) Способ и устройство сопровождения маневрирующих целей в обзорной доплеровской рлс

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees