JP3198301B2 - 汚染された無機物質表層の除染方法 - Google Patents

汚染された無機物質表層の除染方法

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JP3198301B2
JP3198301B2 JP15856599A JP15856599A JP3198301B2 JP 3198301 B2 JP3198301 B2 JP 3198301B2 JP 15856599 A JP15856599 A JP 15856599A JP 15856599 A JP15856599 A JP 15856599A JP 3198301 B2 JP3198301 B2 JP 3198301B2
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武男 三森
行雄 岩崎
博文 鎌田
正明 立岩
ウィグナラージャ・シバクマラン
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文部科学省研究開発局長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染された無機物
質表層の除染方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電、原子力研究などの原子力関
連施設、病院などの放射性物質取り扱い施設では、コン
クリートなどの無機物質表層がコバルト、セシウム、あ
るいはα核種であるプルトニウムなどを含む放射性物質
によって汚染されている。
【0003】このような放射性物質が浸透して汚染した
コンクリート表層は、従来はブレーカ、スキャブラ、プ
レーナなどの機械を使用して研磨したり研削して除去す
る方法が一般的であった。
【0004】このような処理は、原子力関連施設に限ら
ず、その他の有害物質を取り扱う施設においても同様で
あった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】前記した従来の汚染
された無機物質表層の除染方法にあっては、次のような
問題点がある。 <イ>研磨機器の刃先の高速回転によって汚染したコン
クリートが微粉体として飛散し、作業員が汚染され、周
囲にも二次汚染を与える。 <ロ>研磨処理できる範囲は、機器の刃先の回転範囲に
制限されるから、天井などの上面や、床と壁が交わる隅
角部の処理が困難である。 <ハ>汚染の浸透深さはそれまでの条件によって大きく
相違するが、そのような深さに応じて除去深さを制御す
ることが困難である。 <ニ>研磨機器の刃先も汚染される。 <ホ>研磨処理に際して騒音、振動が伴う。 <ヘ>遠隔操作が困難である。
【0006】本発明は上記したような従来の問題を解決
するためになされたもので、汚染した微粉末を周囲に散
布することなく、あらゆる角度の面を、汚染深さに応じ
て処理することができ、二次汚染を生じさせることのな
い、汚染された無機物質表層の除染方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明は、放射性物質や有害物質の浸透に
よって汚染された無機物質表層を除染する方法であっ
て、対象とする無機物質の融点を下げる物質を、汚染表
面に塗布し、その後に汚染した無機物質表層面に光エネ
ルギーを照射することにより、表層を溶融してガラス化
させ、次いで生成されたガラス層を剥離して行う、汚染
された無機物質表層の除染方法を特徴としたものであ
る。
【0008】又は、本発明は、前記汚染された無機物質
表層の除染方法において、照射の対象とする無機物質の
融点を下げる物質として、塩化ナトリウム水溶液を使用
することを特徴としたものである。
【0009】
【本発明の実施の態様】以下図面を参照しながら本発明
の汚染された無機物質表層のガラス化剥離による除染方
法の実施の態様について説明する。
【0010】<>ガラス化剥離の原理 放射性物質や有害物質の浸透によって汚染されたコンク
リートなどの無機物質表層を対象とする除染方法であ
る。そのような汚染された無機物質表層面に光エネルギ
ーを照射する(図1参照)。
【0011】光エネルギーとして、例えばCO2レー
ザ、COレーザ、Nd:YAGレーザを使用し、このよ
うな光エネルギーを走査しながら照射する。すると光エ
ネルギーによって表層は溶融する。その後に自然冷却に
よって、溶融層は汚染物質を含有したまま凝固し、ガラ
ス化する。凝固生成されたガラス層は、冷却による体積
収縮によって、基材との境界面における付着力が低下し
ている。
【0012】そのためにブラシや吸引によって容易に基
材から剥離してしまう。したがって、その後の排除、回
収も、吸引によって容易に行うことができる。
【0013】光エネルギーの走査照射によってヒューム
が生じる場合は、局所的なフードを使用して吸引排出、
あるいは吸引回収を行うことができる。
【0014】<>ガラス化剥離の条件 模擬汚染無機物質として、普通コンクリート、重量コン
クリート、およびモルタルを選定し、繰り返し最適な条
件を求めた。なお、以下の条件の用語の定義は図3に示
す。レーザ出力密度(W/mm2)は、レーザビームの
出力(W)/ビーム面積(mm2)である。
【0015】模擬汚染物質としてCo(NO326H2
O、Sr(NO32、CsNO3をモルタル製作時に投
入し、均一となるように練り混ぜる。このモルタルをコ
ンクリートの表面に薄く打ち込み、所定の強度になるま
で養生することにより、模擬汚染層を形成する。このモ
ルタル表面にレーザを照射すると、模擬汚染層がガラス
化する。
【0016】このガラス層を図2に示すような装置で剥
離、回収した。図2において、1はガラス層、2はガラ
ス層剥離跡、3はブラシ剥離装置、4は吸引回収路を示
す。回収したガラス層に含有する上記模擬物質の量を計
測し、初期投入量との比較で除染効果を確認した。その
結果、レーザ照射条件は次の表1ような範囲が利用可能
であることが明かとなった。
【0017】
【表1】
【0018】さらに最適な条件は下記の表2の通りであ
った。
【0019】
【表2】
【0020】<>ガラス化剥離のその他の条件 1)生成されたガラス層を剥離した後、同じ部位に再照
射すると、再度ガラス化剥離が可能であることが分かっ
た。したがって同一部位に対してレーザ照射とレーザ照
射によって生成したガラス層の剥離を繰り返し行うこと
により、より深い浸透汚染を除染することができる。 2)コンクリート融点を下げる物質、例えば塩化ナトリ
ウム水溶液(濃度26%)を照射前にコンクリート汚染
表面に塗布した。すると、同じ照射条件であっても塗布
していない場合と比較してガラス化剥離量が10%程度
増加した。 3)生成されたガラス層は、放置時間を長くすると、い
っそう容易に剥落させることができることが分かった。
特に照射後4週間程度放置した場合は剥離がきわめて容
易となった。ただし4週間以上放置しても、剥落の容易
性はそれ以上向上しなかった。
【0021】
【本発明の効果】本発明の汚染された無機物質表層の除
染方法は以上説明したようになるから次のような効果を
得ることができる。 <イ>汚染物質をフード内に閉じ込めて吸引して回収す
ることができる。したがって作業員の被曝や周囲の二次
汚染を防止することができる。 <ロ>汚染層の表面から10cm以上離れた位置から非
接触で照射して剥離を促進する方法である。したがって
壁と天井が交差するような隅角部などにおいても容易に
対応することができる。 <ハ>出力、ビーム径、走査速度などの照射条件を調整
することにより、剥離深さを精度良く制御することがで
きるため、汚染されていない部分は残し、汚染層だけを
剥離することが可能である。 <ニ>レーザを照射するヘッドは、研磨機器の回転刃の
ように汚染部分に直接接触することがない。そのために
ヘッドが汚染されることがなく、その後の管理が容易で
ある。 <ホ>レーザを照射するヘッドは、汚染表面とは接触し
ていない。そのために騒音や振動を生じることがなく剥
離作業を行うことができる。 <ヘ>遠方に設置したレーザ発振器からの光エネルギー
をフレキシブルなファイバー、あるいはミラーによって
照射ヘッドまで伝送可能である。したがって遠隔操作を
行うことができ、汚染部分に接近せずに作業を行うこと
ができるようになった。 <ト>ガラス化剥離では生成されたガラス層を剥離した
後、同一部位に再照射すると再度ガラス化が可能であ
る。この操作を繰り返すことにより、より深い浸透汚染
を除染することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染された無機物質表層の除染方法で
あるガラス化剥離の説明図
【図2】ガラス層を回収する状態の説明図
【図3】用語の定義の説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立岩 正明 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 ウィグナラージャ・シバクマラン 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−99999(JP,A) 特開 平7−209491(JP,A) 特開 平7−225300(JP,A) 特開 平9−281296(JP,A) 特開 平4−168400(JP,A) 特開 昭63−241399(JP,A) 特開 平4−109200(JP,A) 特開 平8−110396(JP,A) 特表 平6−507977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性物質や有害物質の浸透によって汚染
    された無機物質表層を除染する方法であって、 対象とする無機物質の融点を下げる物質を、汚染表面に
    塗布し、 その後に汚染した無機物質表層面に光エネルギーを照射
    することにより、表層を溶融してガラス化させ、 次いで生成されたガラス層を剥離して行う、 汚染された無機物質表層の除染方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の汚染された無機物質表層
    の除染方法において、 照射の対象とする無機物質の融点を下げる物質として、
    塩化ナトリウム水溶液を使用することを特徴とする、 汚染された無機物質表層の除染方法。
JP15856599A 1999-06-04 1999-06-04 汚染された無機物質表層の除染方法 Expired - Lifetime JP3198301B2 (ja)

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JP4782629B2 (ja) * 2006-07-13 2011-09-28 大成建設株式会社 床材の加工方法
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