JP3197975U - 熱電発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で発電効率の高い熱電発電装置を提供する。【解決手段】熱電発電装置1は、熱伝導性を有する伝熱板4と、伝熱板の両面側のそれぞれに一方の面が貼着されている複数のペルチェ素子5と、複数のペルチェ素子の他方の面側に配されて伝熱板の全域を覆い、冷水が収容されるべき冷却容器2、3と、ペルチェ素子の他方の面と冷却容器との間に配されて互いを接着する接着剤11と、冷却容器、接着シート、伝熱板の全てを貫通して締め付け力によりこれらを互いに密厚に圧着させるボルト16と、伝熱板を昇温させるための昇温ユニット14とを備える。伝熱板及び冷却容器は平面視にて略円形状を有し、冷却容器の中心部に貫通孔13が設けられ、昇温ユニットは集光レンズであり、貫通孔の軸線上に配置されている。【選択図】図1
Description
本考案は、ペルチェ素子を利用した熱電発電装置に関する。
ペルチェ素子を用いた温度差発電装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1は、多列に配置した軟質樹脂配管に温水、冷水を各々に通した配管の間にペルチェ素子を配置し、この集合体を多重に積層し、縦横多列に配置しゼーベック効果による温度差発電を行うものである。
このペルチェ素子は、両面側に金属が配されてそれぞれ発熱側及び吸熱側となり、これら金属は互いに電気的に接続されているものである。この接続部分に電流を流すことで吸熱側から発熱側に熱が移動するものである。
このペルチェ素子の特性は発電にも用いられている。すなわち、発熱側を熱し、吸熱側を冷却することで接続部分から電流を得ることができる。これは熱電発電と称されている。このことはすなわち、発熱側と吸熱側との間の温度差によって起電力が生じることを意味している。より詳しくは、この電位差が生じている間は、発熱側に金属イオンが、吸熱側に電子が移動され、発熱側と吸熱側に温度差が形成されている。
しかしながら、効率よく発熱側と吸熱側に温度差を発生させ、さらにこれを簡単な構造で実現する工夫がまだまだ必要であることが現状である。特に特許文献1のようなチューブを用いることは構造が複雑化し、好ましくない。
本考案は、上記従来技術を考慮したものであり、簡単な構造で発電効率の高い熱電発電装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本考案では、熱伝導性を有する伝熱板と、該伝熱板の両面側のそれぞれに一方の面が貼着されている複数のペルチェ素子と、該複数のペルチェ素子の他方の面側に配されて前記伝熱板の全域を覆い、冷水が収容されるべき冷却容器と、前記ペルチェ素子の他方の面と前記冷却容器との間に配されて互いを接着する接着剤と、前記冷却容器、前記接着シート、前記伝熱板の全てを貫通して締め付け力によりこれらを互いに密厚に圧着させるボルトと、前記伝熱板を昇温させるための昇温ユニットとを備えたことを特徴とする熱電発電装置を提供する。
好ましくは、前記伝熱板及び前記冷却容器は平面視にて略円形状を有し、前記冷却容器の中心部は貫通して貫通孔が設けられていて、前記昇温ユニットは前記貫通孔を通じて前記伝熱板に昇温作用を施す位置に配されている。
好ましくは、前記昇温ユニットは集光レンズであり、前記貫通孔の軸線上に配されている。
本考案によれば、伝熱板が昇温ユニットにて昇温されるので、この伝熱板と接しているペルチェ素子の一方の面が高温となる。一方で冷水が収容された冷却容器と接するペルチェ素子の他方の面が低温となる。これによりペルチェ素子の両面側にて温度差が生じるので、ペルチェ素子から電力を取り出すことができる。このとき、ボルトにより全体が互いに密厚に圧着しているので、伝熱板とペルチェ素子の一方の面、冷却容器とペルチェ素子の他方の面が確実に接することになる。したがって昇温させるために必要な熱エネルギーを有効にペルチェ素子の一方の面に伝えることができ、熱電発電の効率を向上できる。
また、伝熱板の昇温位置を円の中心とすることで、熱の伝達ルートの長さを均一にすることができる。このため効率よく熱伝達を行うことができる。結果として熱電変換効率を向上させることができる。
また、昇温ユニットとして集光レンズを用いれば、太陽光を用いて効率よく発電できる。集光レンズを貫通孔の軸線上に配することで、レンズによる集光を簡単な構造で伝熱板の中心に集めることができる。
図1及び図2に示すように、本考案に係る熱電発電装置1は、二つの冷却容器2、3に板形状の伝熱板4が挟持された状態で構成されている。すなわち、冷却容器2、3は伝熱板4の表面全域を覆うような大きさに形成され、覆うように配されている。伝熱板4はどのような形状でもいいが、図の例では略円板形状、すなわち平面視で略円形状を有している。この伝熱板4は熱伝導性を有し、例えば銅で形成される。伝熱板4の両面側にはそれぞれペルチェ素子5が配されている。
このペルチェ素子5は、図3に示すように、+と−のそれぞれのリード線6、7を有し、これが互いにPN接合された板形状の高温板8及び低温板9の一方に接続されている。すなわち、高温板8と低温板9との間にはP型及びN型の熱電半導体10が複数配設されている。このペルチェ素子5は、電流を流すことによって低温板9から高温板8へ熱が移動するものであり(ペルチェ効果)、逆にリード線6、7に直流電流を流すことで低温板9が吸熱し、高温板8が発熱する(ゼーベック効果)。すなわち、高温板8と低温板9との間に温度差を与えることで電圧を生じさせることができ、リード線6、7を介して電力を得ることができるものである。
伝熱板4には、複数のペルチェ素子5が貼着されている。より詳しくは、ペルチェ素子5の一方の面である高温板8が伝熱板4に対して接着剤や接着シート等(不図示)を用いて接着されている。ペルチェ素子5の他方の面である低温板9は、冷却容器2、3と接着されている。この接着も接着剤(図の例では接着シート11)にて行われている。換言すれば、接着シート11はペルチェ素子5の他方の面である低温板9と冷却容器2又は3との間に配されて互いを接着している。
冷却容器2、3はその内部が空洞になっていて、ここには冷水が収容される。この冷水は、冷却容器2、3にそれぞれ設けられた給水口12から給水される。そして、冷水は冷却容器2、3にそれぞれ設けられた排水口19から排水される。このようにして、冷却容器2、3内の冷水は循環するので、冷却容器2、3の表面はある程度の低温を保持される。なお図示したように、給水口12及び排水口19にはそれぞれ水を流すためのホース又は管を接続するための接続カプラが取り付けられている(図では給水口12及び排水口19をそれぞれ接続カプラとして描いている)。冷却容器2、3のうち、一方の冷却容器2には、その中心部(平面視で円の中心近傍部分)に貫通孔13が設けられている。
この貫通孔13の軸線上には、伝熱板4を昇温させるための昇温ユニットの一例としての集光レンズ14が配されている。集光レンズ14を配することにより、例えば太陽光をこのレンズ14内で屈折させて集中させ、熱エネルギーを伝熱板4に与えることができる。この熱エネルギーが付与されることにより伝熱板4は昇温する。したがって集光レンズ14は伝熱板4を昇温するための昇温ユニットとして機能すればよいので、伝熱板4に熱エネルギーを与えるものであればどのようなものを用いてもよい。例えばレーザー発光器を適宜伝熱板4に昇温作用を施せるような位置に配すれば、同様の効果を得ることができる。単純に電気を用いて伝熱板4を熱してもよい。図の例では、集光レンズ14は貫通孔13の入口とある程度の間隔を形成するためにスペーサ20を介して取り付けられている。なお、集光レンズ14は図2では省略している。
このような構成により、伝熱板4が昇温することでこれに接着されている高温板8も昇温する(伝熱板4の熱が伝達される)。一方で冷水が収容された冷却容器2、3と接着されている低温板9は高温板8よりも低温となっている。したがって高温板8と低温板9との間には温度差が生じる。このため、ゼーベック効果によりペルチェ素子5は発電(熱電発電)する。これによりリード線6、7の間に電圧が発生し、このリード線6、7を介して電力を取り出すことができる。
ここで、冷却容器2、3には上述した貫通孔13とは別に、容器2、3を貫通するボルト孔15が複数設けられている。このボルト孔15は接着シート11及び伝熱板4にも設けられている。このボルト孔15にボルト16が挿通される。したがって、冷却容器2、3及び伝熱板4を重ねた際に、ボルト孔15は平面視にて同一の位置に形成されている。ボルト16はナット17とセットで用いられる。ボルト16及びナット17の締め付け力により、冷却容器2、3と伝熱板4とは互いに密厚に圧着される。したがってペルチェ素子5と冷却容器2、3及び伝熱板4とも厚密に圧着されるので、熱伝導率が高まって高温板8と低温板9との間に大きな温度差を生じさせることができ、結果として発電効率を高めることができる。なお、この締め付け力により冷却容器2、3が破損することを防止するため、冷却容器2、3の外側表面には補強のためのステンレス製の板材18がそれぞれ配されている。
このように、本考案によれば、伝熱板4が昇温ユニット(集光レンズ14)にて昇温されるので、この伝熱板4と接しているペルチェ素子5の一方の面(高温板8)が高温となる。一方で冷水が収容された冷却容器2、3と接するペルチェ素子の他方の面(低温板9)が低温となる。これによりペルチェ素子5の両面側にて温度差が生じるので、ペルチェ素子5から電力を取り出すことができる。このとき、ボルト16により全体が互いに密厚に圧着しているので、伝熱板4とペルチェ素子5の一方の面(高温板8)、冷却容器2、3とペルチェ素子5の他方の面(低温板9)が確実に接することになる。したがって昇温させるために必要な熱エネルギーを有効にペルチェ素子5の一方の面(高温板8)に伝えることができ、熱電発電の効率を向上できる。
また、伝熱板4の昇温位置を円の中心とすることで、熱の伝達ルートの長さを均一にすることができる。このため効率よく熱伝達を行うことができる。結果として熱電変換効率を向上させることができる。このような伝熱ルートを放射状としてその均一性を確保することで、熱伝達効率を高めることができる。このため、冷却容器2、3及び伝熱板4を平面視にて円形状とし、伝熱板4の中心から熱していく構造とすることが重要となってくる。接着シート11や板材18等、これに付随する部材も平面視にて円形状となる。また、昇温ユニットとして集光レンズ14を用いることで、太陽光を用いて効率よく発電できる。集光レンズ14を貫通孔13の軸線上に配することで、レンズ14による集光を簡単な構造で伝熱板4の中心に集めることができる。
1:熱電発電装置、2:冷却容器、3:冷却容器、4:伝熱板、5:ペルチェ素子、6:リード線、7:リード線、8:高温板、9:低温板、10:熱電半導体、11:接着シート、12:給水口、13:貫通孔、14:集光レンズ、15:ボルト孔、16:ボルト、17:ナット、18:板材、19:排水口、20:スペーサ
Claims (3)
- 熱伝導性を有する伝熱板と、
該伝熱板の両面側のそれぞれに一方の面が貼着されている複数のペルチェ素子と、
該複数のペルチェ素子の他方の面側に配されて前記伝熱板の全域を覆い、冷水が収容されるべき冷却容器と、
前記ペルチェ素子の他方の面と前記冷却容器との間に配されて互いを接着する接着剤と、
前記冷却容器、前記接着シート、前記伝熱板の全てを貫通して締め付け力によりこれらを互いに密厚に圧着させるボルトと、
前記伝熱板を昇温させるための昇温ユニットとを備えたことを特徴とする熱電発電装置。 - 前記伝熱板及び前記冷却容器は平面視にて略円形状を有し、
前記冷却容器の中心部は貫通して貫通孔が設けられていて、
前記昇温ユニットは前記貫通孔を通じて前記伝熱板に昇温作用を施す位置に配されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。 - 前記昇温ユニットは集光レンズであり、前記貫通孔の軸線上に配されていることを特徴とする請求項2に記載の熱電発電装置。
Priority Applications (1)
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JP2015001507U JP3197975U (ja) | 2015-03-30 | 2015-03-30 | 熱電発電装置 |
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Publications (1)
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JP3197975U true JP3197975U (ja) | 2015-06-11 |
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Family Applications (1)
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2015
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