JP3197713U - 排水回収用容器及び貯水用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗濯機横の小スペースに常設し、ホースでつなぐだけの簡易な作業を行うだけで、洗濯機の排水を一時的に収容し、そこから市販のポンプを使って容積の大きい市販のバケツやタンクに容易に送水することができる排水回収用容器、及び排水回収用容器に一時的に収容された排水を貯水しておく貯水用容器を提供する。【解決手段】洗濯機20の水位と同じ高さの壁面と二重の底面とによって囲われた二つの収容室、下部収容室壁面の下部底面近傍に形成された出水口5、上部収容室壁面の上部底面近傍に形成された入水口4、及び該上部底面に形成された通水孔6を備えた。【選択図】図4

Description

本考案は、洗濯機からの排水を再利用するため、その排水を一時的に収容する排水回収用容器及びその排水回収用容器に収容された排水を移して貯水しておく貯水容器に関する。
現在、大部分の家庭では、水洗トイレの排泄物を洗浄したり、洗濯機で洗濯やすすぎを行う際に、一般的に上水道の水を使用するので、水道使用料や下水道使用料の家計費に占める割合が無視できない状況である。また、上水道の使用量が増加すると、水源を確保したり、浄水施設を増設する必要があるので行政負担も増加する。上水道の水は、風呂、水洗トイレ、洗濯機などのほか調理や飲用にも使用されるので、水不足の際には風呂の残り水等を洗濯機や水洗トイレで再利用する方法が採られているものの節水できる水の量は限定的である。そこで、雨水を貯留して活用するシステム(特許文献1参照)や、住宅内の風呂、洗濯機、洗面器で使用した排水を水洗トイレに供給する住宅用水再利用装置(特許文献2参照)等が開発されている。しかしながら、大掛かりな工事が必要なので、大規模なマンションやアパート、公共施設などを新築する場合に限られる。そこで、一般家庭でも風呂の残り水を容易に再利用することができる装置(特許文献3参照)や、ポンプとタンクを設置して洗濯機の排水を水洗トイレに給水して再利用する機器(特許文献4参照)等が提案されている。
特許第5349887号 特許第2539040号 特開平10−204942号 特許第2539040号
しかしながら、特許文献3記載の装置は、洗濯機よりも高い位置と低い位置、及び水洗トイレのロータンクより高い位置それぞれに貯水タンクを設置する一方、配管工事によりそれらをつなぐ必要があるので、費用負担が大きいうえ、設置スペースや配管スペースを確保しなければならない。また、特許文献4記載の機器は、洗濯機よりも高い位置と低い位置に貯水タンクを設置する必要があるうえ、洗濯機の排水がなくなったときは上水道から給水する必要があるため、排水と上水とを切替える手段や、高い位置に貯水タンクを設置するスペースが必要である。
本考案は、上記事情に鑑み、洗濯機横の小スペースに常設し、ホースでつなぐだけの簡易な作業を行うだけで、洗濯機の排水を一時的に収容し、そこから市販のポンプを使って容積の大きい市販のバケツやタンクに容易に送水することができる排水回収用容器、及び排水回収用容器に一時的に収容された排水を貯水しておく貯水用容器を提供するものである。
本考案の排水回収用容器は、洗濯機の水位と同じ高さの壁面と二重の底面とによって囲われた二つの収容室、下部収容室壁面の下部底面近傍に形成された出水口、上部収容室壁面の上部底面近傍に形成された入水口、及び該上部底面に形成された通水孔を備えたことを特徴とする。
このように、洗濯機の水位と排水回収用容器の高さが同じであれば、洗濯機より排水回収容器の底面積が小さい場合であっても、洗濯水が溢れ出る心配がない。また、二重底の上部底面に通水孔を設け、下部底面近くの壁面に出水口があるので、不要な洗濯水はいつでも簡単に廃棄することができる。
ここで、上記通水孔を塞ぐ着脱自在な栓を備え、上記洗濯機の排水口に設置されたホースを上記入水口に接続し、該洗濯機から上記上部収容室に入水する洗濯水を一時的に収容することや、上記出水口と下水管とをつなぐホースを備え、上記栓を抜いて該下水管に上記洗濯水を排出することができる。また、上記洗濯機から上記洗濯水を排水するとき、上記上部収容室に収容された上記洗濯水を該洗濯機よりも多量の水が収納できる貯水用容器に小型ポンプで送水することができる。
このように、上部底面の通水孔に栓をして、上部収容室に洗濯水を入水すれば、漏水の恐れが少ないうえ、手で栓を抜けば、洗濯水を直ちに下水管に廃棄することができる。また。小型ポンプを使って、洗濯水を容量の大きい収納容器に送水すれば、複数回分の洗濯水をその収納容器に収容できるうえ、排水回収用容器の容量を小さくすることができる。
本考案の貯水用容器は、高さの異なる二段階の底面を有し、壁面で周囲を囲まれた蓋付きの貯水用容器であって、上部壁面に形成された、洗濯機の洗濯水を取入れる取水口と、高さの高い上部底面に形成された上記洗濯水の出水口と、を備え、上記出水口に取り付けたコックにより上記上部底面直下に設置した小分け用容器に上記洗濯水を排水することを特徴とする。
このように、二段階の底面の上部底面にコックのついた出水口を設ければ、上部底面直下に設置した小分け用容器に容易に送水できる。
ここで、上記壁面及び上記底面は、透明なプラスチックで成形され、上記洗濯機よりも多量の洗濯水が収納できる容積を有するものであり、上記出水口にホースが接続された送水ポンプを備え、上記洗濯水の水位が上記上部底面よりも低いときは、上記送水ポンプの電源をONにして上記小分け用容器に上記洗濯水を排水することができる。
このように、容器が透明であれば、内部にはいった洗濯水の水位が一目でわかり、また、洗濯水の水位が出水口より低くなっても、出水口にホースが接続された送水ポンプを備えれば、小分け用容器に上記洗濯水を排水することができる。
さらに、上記下部底面は、横幅が奥行きの半分以下の大きさを有し、上記上部底面は、奥側を頂点とする三角形に成形されたことも好ましい。
このように、横幅を狭くコンパクトにすれば、洗濯機などや他の家具などに挟まれたデッドスペースを活用して設置することができ、上部底面の奥側を頂点とする三角形に成形すれば、小分け用容器がずれないようにすることができる。
本考案の排水回収用容器は、洗濯機と同じ水位まで洗濯水の水位が上昇するので、市販の小型ポンプを使って別の大きな容器に送水することができるうえ、排水回収用容器の高さが洗濯機の最高水位と同じなので、容積が小さくても洗濯水が溢れ出る心配がない。また、二重底になっていて、上部底面に栓を設け、下部底面近くの壁面に出水口があるので、上部収容室に洗濯水が入っているときは水圧によって栓が抜ける恐れがないうえ、手で栓を抜いて洗濯水を直ちに廃棄することができる。さらに、本考案の排水回収用容器は、簡単な構造で、配管工事も不要であり、洗濯機の排水を低コストで水洗トイレの洗浄等に活用できる。
また、本考案の貯水用容器は、二段階の底面の上部底面に出水口があるので、コックをひねれば、上部底面直下に設置した小分け用容器に送水できる。また上部底面よりも水位が低い場合でも、送水ポンプで送水できる。さらに、横幅を狭くコンパクトにしたので、デッドスペースに設置することができる。
図1は、第一の実施形態の排水回収バケツを示す正面図である。 図2は、第一の実施形態の排水回収バケツを示す側面図である。 図3は、第一の実施形態の排水回収バケツを示す上面図である。 図4は、第一の実施形態の排水回収バケツの使用例を示す図である。 図5は、第一の実施形態の排水回収バケツに収納した洗濯水の使用例を示す図である。 図6は、第一の実施形態の排水回収バケツに収納した洗濯水の使用例を示す図である。 図7は、第二の実施形態の貯水用バケツを示す側面図である。 図8は、第二の実施形態の貯水用バケツを示す正面図である。 図9は、二段になった底面直下に配置してする小分け用バケツの一例を示す側面図である。 図10は、二段になった底面直下に配置してする小分け用バケツの一例を示す上面図である。
「第一の実施形態」
第一の実施形態は、本考案の排水回収用容器の実施形態が適用される排水回収バケツ及びその使用例を示す。
図1から図3は、第一の実施形態の排水回収バケツを示す図であり、図1は正面図、図2は側面図、図3は、上面図である。
図1から図3に示すように、本実施形態の排水回収バケツ10は、洗濯機の最高水位と同じ高さの壁面1と、二重底2を形成する上部底面2aと下部底面2bと、壁面1及び二重底2で囲われた水を貯える二つの収容室3と、下部底面2bの近傍の下部収容室3bにおける正面の壁面1に形成された出水口5と、上部底面2aの近傍の上部収容室3aにおける正面の壁面1に形成された入水口4と、上部底面2aに形成された通水孔6とを備えている。そして、通水孔6を塞いだり、開けたりするゴム栓13が鎖12に繋がれて上部収容室3aの壁面上部に例えば吸盤11等で固定されている。
ここで、本実施形態の排水回収バケツ10は、高さが800mm、幅が150mm、奥行きが300mm、上部底面2aの高さが40mmに設定されたプラスチック容器で、正面に形成された入水口4と出水口5の直径及び上部底面2aに形成された通水孔6の直径がそれぞれ30mmに設定されている。しかしながら、これらの数値は一例であって、必ずしもこれらの数値に限定されない。ただし、洗濯機が満水のとき、その洗濯水を入水口4から取込んだ場合でも、洗濯機と排水回収バケツ10は常に同じ水位になるので、底面積を小さく設定しても、排水回収バケツ10を洗濯機の最高水位と同じ高さに設定すれば、排水回収バケツ10から洗濯水が溢れることはない。また、排水回収バケツの材質としてプラスチックを用いているが、金属であってもよい。
図4は、第一の実施形態の排水回収バケツの使用例を示す図である。
図4に示すように、排水回収バケツ10は、防水パン22に載置して全自動洗濯機20の横に配置する。但し、排水回収バケツ10は、必ずしも防水パン22に載置する必要はないが、防水パン22に載置すれば、排水口や入水口から万一水漏れがあったとしても、床の水濡れを防ぐことができる。次ぎに、洗濯機の排水口21に設置されたホースを排水回収バケツ10の入水口4に接続し、出水口5をホースで下水管30に接続する。また、全自動洗濯機20から排出される洗濯水の容量(例えば53リットル)よりも大きな容量(例えば90リットル)の市販のポリバケツ50と、ホースつきの市販の小型の送水ポンプ40とを用意してポリバケツ50を排水回収バケツ10の近傍に配置する。また、送水ポンプ40は上部収容室3aに挿入し、そのホース先端をポリバケツ50に挿入する。
全自動洗濯機20を「洗い」にセットして洗濯を行った後、全自動洗濯機20を「脱水」にセットしてスタートボタンを押し、排水回収バケツ10の上部収容室3aに洗濯水を排水する。そして、送水ポンプ40のスイッチを入れて排水回収バケツ10の洗濯水をポリバケツ50に回収する。次ぎに、全自動洗濯機20を「すすぎ」にセットし、すすぎを行った後、全自動洗濯機20を再び「脱水」にセットしてスタートボタンを押し、排水回収バケツ10の上部収容室3aに洗濯水を排水する。以下、同様の手順で、洗濯水をポリバケツ50に回収する。なお、回収の必要が無い場合は、鎖12に繋がれたゴム栓13を通水孔6から抜いて上部収容室3a及び下部収容室3bの洗濯水を排出する。
ここで、洗濯水の容量が40リットル程度であれば、送水ポンプ40の能力は、毎分8リットル程度でもよいが、糸屑等により流速が落ちると全自動洗濯機の脱水ドラムが回転開始するまでに、十分な排水が行われず脱水ドラムが回転できない恐れがある。したがって、毎分13リットル程度の能力のものを使用することが好ましい。また、送水ポンプ40を固定設置せず、その都度挿入することにすれば、糸屑や毛髪が巻き付いて送水速度が低下したとき、取り出して簡単に除去することができる。
ここで、2人家族の洗濯で、一回に約37リットルの水が使用されるので、90リットルのポリバケツ50を用意すれば、2回分の洗濯水を収納することができる。なお、ここでは、ポリバケツ50に回収することにしているが、ポリタンクであってもよい。
図5及び図6は、第一の実施形態の排水回収バケツに収納した洗濯水の使用例を示す図である。
図5及び図6に示すように、ポリバケツ50に収納された洗濯水は、送水ポンプ40を用いて10リットル程度の小分けバケツに小分けして使用する。そして、ポリバケツ50から洗濯水を小分けした小分けバケツを、小便の場合は1/3杯、大便の場合は1乃至2杯使用して水洗トイレを洗浄する。
「第二実施形態」
第二の実施形態は、本考案の貯水用容器の実施形態が適用される貯水用バケツであり、第一の実施形態で示した排水回収バケツに一時的に収容した洗濯水を回収して貯水する容器である。したがって、その使用例は、第一の実施形態の使用例として示す図4から図6と概ね同じであり、本実施形態の貯水用バケツは、図4及び図5に示すポリバケツに代わるものであり、ここでは使用例の説明を省略する。
図7及び図8は、第二の実施形態の貯水用バケツを示す図であり、図7は側面図、図8は正面図である。
図7及び図8に示すように、本実施形態の貯水用バケツ51は、周囲を壁面53で囲った透明なプラスチック容器で、蓋52でおおわれている。そして、底面54の一部は、上部底面54a及び下部底面54bの二段になっており、上部底面54aは、奥側を頂点とする三角形をなしている。また、壁面53の上部には取水口55があり、上部底面54aにはコック57のついた出水口56が設けられている。さらに、貯水用バケツ51の内部には送水ポンプ45が据え置かれ、そのホース46は、出水口56に接続されている。
したがって、貯水用バケツ51に入った洗濯水の水位が上部底面54aよりも高い場合には、コック57をひねれば出水口56から排水できるが、洗濯水の水位が上部底面54aよりも低い場合には、さらに送水ポンプ45の電源をONにして排水する。
ここで、本実施形態の貯水バケツ51は、高さが1100mm、幅が300mm、奥行きが640mm、上部底面54aの高さが350mmに設定され、洗濯機の容量(例えば53リットル)の約3倍の170リットルの容量がある透明なプラスチック容器で、上部底面54aは、奥側を頂点とし、底辺が200mmの三角形をなしている。
しかしながら、これらの数値は一例であって、必ずしもこれらの数値に限定されない。
また、二段階をなした底面の上部底面54aは、必ずしも三角形である必要はなく、
四角形であってもよい。
図9及び図10は、二段になった底面直下に配置してする小分け用バケツの一例を示す図であり、図9は側面図、図10は上面図である。
図9及び図10に示すように、小分け用バケツ60は、上面の一部が、貯水用バケツ51の上部底面54aと同じ形状をなし、幅が200mm、奥行きが200mm、高さが300mmに設定され、約10リットルの水が入る大きさとなっている。
この小分け用バケツ60を貯水用バケツ51の上部底面54a直下に差し込み、コック57をひねって小分け用バケツに必要量の洗濯水を入れる。
本考案の排水回収用容器は、水槽の底面近傍に排水口があり、水槽にポンプを入れる事ができない機器等の排水を再利用する際に、その排水を一時的に収容する容器としても活用できる。また、本考案の貯水用容器は、災害を含む断水時に備えて多量の水を貯えておき、その水を小分けして使用する容器としても活用できる。
1 壁面
2 二重底
2a 上部底面
2b 下部底面
3 収容室
3a 上部収容室
3b 下部収容室
4 入水口
5 出水口
6 通水孔
10 排水回収バケツ
11 吸盤
12 鎖
13 ゴム栓
20 全自動洗濯機
21 排水口
22 防水パン
30 下水管
40、45 送水ポンプ
46 ホース
50 ポリバケツ
51 貯水用バケツ
52 蓋
53 壁面
54 底面
54a 上部底面
54b 下部底面
55 取水口
56 出水口
57 コック
60 小分け用バケツ

Claims (7)

  1. 洗濯機の水位と同じ高さの壁面と二重の底面とによって囲われた二つの収容室、下部収容室壁面の下部底面近傍に形成された出水口、上部収容室壁面の上部底面近傍に形成された入水口、及び該上部底面に形成された通水孔を備えたことを特徴とする排水回収用容器。
  2. 前記通水孔を塞ぐ着脱自在な栓を備え、前記洗濯機の排水口に設置されたホースを前記入水口に接続し、該洗濯機から前記上部収容室に入水する洗濯水を一時的に収容することを特徴とする請求項1記載の排水回収用容器。
  3. 前記洗濯機から前記洗濯水を排水するとき、前記上部収容室に収容された前記洗濯水を該洗濯機よりも多量の水が収納できる貯水用容器に送水することを特徴とする請求項2記載の排水回収用容器。
  4. 前記出水口と下水管とをつなぐホースを備え、前記栓を抜いて該下水管に前記洗濯水を排出することを特徴とする請求項2記載の排水回収用容器。
  5. 高さの異なる二段階の底面を有し、壁面で周囲を囲まれた蓋付きの貯水用容器であって、
    上部壁面に形成された、洗濯機の洗濯水を取入れる取水口と、
    高さの高い上部底面に形成された前記洗濯水の出水口と、を備え、
    前記出水口に取り付けたコックにより前記上部底面直下に設置した小分け用容器に前記洗濯水を排水することを特徴とする貯水用容器。
  6. 前記壁面及び前記底面は、透明なプラスチックで成形され、前記洗濯機よりも多量の洗濯水が収納できる容積を有するものであり、
    前記出水口にホースが接続された送水ポンプを備え、前記洗濯水の水位が前記上部底面よりも低いときは、前記送水ポンプの電源をONにして前記小分け用容器に前記洗濯水を排水することを特徴とする請求項5記載の貯水用容器。
  7. 前記下部底面は、横幅が奥行きの半分以下の大きさを有し、
    前記上部底面は、奥側を頂点とする三角形に成形されたことを特徴とする請求項6記載の貯水用容器。
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