JP3195377B2 - 有機溶媒選択透過膜 - Google Patents

有機溶媒選択透過膜

Info

Publication number
JP3195377B2
JP3195377B2 JP13140091A JP13140091A JP3195377B2 JP 3195377 B2 JP3195377 B2 JP 3195377B2 JP 13140091 A JP13140091 A JP 13140091A JP 13140091 A JP13140091 A JP 13140091A JP 3195377 B2 JP3195377 B2 JP 3195377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic solvent
separation
water
membrane
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13140091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04227037A (ja
Inventor
優 星
勤 仲川
亜紺 樋口
俊夫 杉崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP13140091A priority Critical patent/JP3195377B2/ja
Priority to DE1991629209 priority patent/DE69129209T2/de
Priority to EP91109543A priority patent/EP0461607B1/en
Priority to US07/714,036 priority patent/US5173189A/en
Priority to AU79300/91A priority patent/AU635430B1/en
Publication of JPH04227037A publication Critical patent/JPH04227037A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3195377B2 publication Critical patent/JP3195377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/36Pervaporation; Membrane distillation; Liquid permeation
    • B01D61/362Pervaporation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/12Composite membranes; Ultra-thin membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/40Polymers of unsaturated acids or derivatives thereof, e.g. salts, amides, imides, nitriles, anhydrides, esters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/40Polymers of unsaturated acids or derivatives thereof, e.g. salts, amides, imides, nitriles, anhydrides, esters
    • B01D71/401Polymers based on the polymerisation of acrylic acid, e.g. polyacrylate
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/76Macromolecular material not specifically provided for in a single one of groups B01D71/08 - B01D71/74

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水−有機溶媒分離膜に
関し、水−有機溶媒混合物から有機溶媒を効率よく透過
分離して、水の浄化もしくは有機溶媒を濃縮回収するた
めの分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体および液体などの分離精製工程への
膜の利用が最近増加している。これは、例えば蒸留など
のような古くからの分離技術と比較して少ないエネルギ
ーで分離することが可能であるばかりでなく、蒸留によ
る分離法を用いると熱変性してしまうような物質,共沸
混合物あるいは異性体の分離の可能性が期待されるから
である。
【0003】現在実用化されている膜分離の例として
は、逆浸透膜を用いた超純水の製造あるいは海水の淡水
化、限外ろ過膜による人工透析、ビール酵母の分離など
のような食品工業への応用、燃焼用や医療用の酸素富化
膜による酸素富化などがある。
【0004】また、水−アルコールをはじめとする水−
有機溶媒混合物からの脱水を目的とする膜は実用化され
てはいるが、低濃度の有機溶媒を含む混合物から有機溶
媒を分離するための分離膜は実用の域に至っていない。
しかし、水−有機溶媒混合物からの有機溶媒の分離が可
能となれば、工業排水中や地下水中に含まれる、環境汚
染の原因となる物質,人体に有害な物質,再利用可能で
ある物質および目的物質である有機溶媒の分離に有効で
あるといえる。
【0005】水−有機溶媒混合物から有機溶媒を選択的
に透過、分離させるためには水と有機溶媒を比較して有
機溶媒に親和性の高い膜素材を用いればよい。これまで
には、ポリジメチルシロキサン膜、ゼオライトシリカ含
有ポリジメチルシロキサン膜、ポリスチレン−ポリフル
オロアルキレート共重合体膜、現在のところ気体透過性
が最も高いとされているポリ[1−トリメチルシリル−
1−プロピン]膜などで、水−アルコールなどの分離が
検討されている。しかし、実用的には、この膜の分離係
数は5〜40程度であり、分離性が不足している。また、
ポリジメチルシロキサンは、機械的強度が低いため薄膜
化が困難であり、透過速度を上げるためには不利であ
る。このように有機溶媒の分離性の高い分離膜は現在の
ところ得られていない。
【0006】液体分離で用いられている手法にパーベー
パレーション法(Pervaporation,浸透気化法)がある。
この方法は、蒸留などで分離困難な共沸混合物、近沸点
混合物などの分離に有効な手法である。
【0007】現在パーベーパレーション法において実用
化されている膜は、旧西ドイツのGFT 社が開発したポリ
ビニルアルコール系の複合膜が唯一のものといえる。こ
れは、水−アルコールなどのような共沸組成混合物から
の脱水に用いられるものである。しかし、発酵などから
得られた低濃度のアルコール溶液からアルコールを分離
するのに用いられる有機溶媒選択性膜は、充分な性能の
ものが得られていない。
【0008】また、工業排水あるいは地下水中に含まれ
ている有機溶媒を回収するのに十分な性能をもつ膜もま
だ開発されていない。水よりも沸点の高い有機溶媒を低
濃度で含む原液から有機溶媒を分離するために蒸留法を
用いた場合、非常に大きなエネルギーを必要とする。ま
た吸着、抽出などを利用すると処理後に有機溶媒を単離
する工程が必要となる。
【0009】従って、他方法に比べて利点の多いパーベ
ーパレーション法を適用することを前提とした有機溶媒
選択性膜の開発が必要であるといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の分離
法の持つ問題点を克服し、水−有機溶媒混合物から有機
溶媒を選択的に透過分離する分離膜を提供することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、α,β不飽和カルボニル化合物を主モノ
マーとする重合体を含むことを特徴とする。ここで、前
記α,β不飽和カルボニル化合物が、アクリル酸エステ
ルあるいはメタクリル酸エステルでもよい。また、前記
重合体が反応性官能基をもち、該官能基を架橋剤を用い
て架橋したものであってもよい。ここで、前記反応性官
能基が、カルボキシル基,ヒドロキシル基,グリシジル
基あるいはアミノ基であってもよい。さらに、前記架橋
剤が、ポリイソシアナート,メラミン樹脂,エポキシ樹
脂,金属キレート,多価金属あるいはポリアミンであっ
てもよい。前記重合体が支持体に積層されていてもよ
い。ここで、前記支持体は平膜状あるいは管状であって
もよい。前記管状の支持体は同心円筒状であってもよ
い。前記支持体は粒子,繊維あるいは中空糸のいずれか
であってもよい。また、本発明は、α,β−不飽和カル
ボニル化合物を主モノマとする重合体に少なくとも1つ
の支持体が積層されてなることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の分離膜によれば、アクリル酸エステル
またはメタクリル酸エステルを主成分とする共重合体
が、多孔質膜などの支持体上に製膜されているので、こ
の分離膜より、水−有機溶媒混合物から有機溶媒を選択
的に透過し水と有機溶媒を効率よく分離することができ
る。また、水−有機溶媒混合物中の有機溶媒の含有量が
少ない場合でも、有機溶媒を選択的に透過して高濃度の
有機溶媒を含む処理液を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0014】図1は本発明の一実施例に従う水−有機溶
媒分離膜の構成を示す断面図である。図1において符号
1は水−有機溶媒分離膜(以下、単に分離膜という)で
ある。分離膜1は平膜状の支持体2と、この支持体2の
一表面上にコーティング等の手法により設けられた重合
体膜3とから構成されている。
【0015】上記支持体2はこの実施例では平膜状の多
孔質膜である。上記重合体膜3はアクリル酸エステルあ
るいはメタクリル酸エステルのいずれかの共重合体より
形成されている。
【0016】なお、図1に示した分離膜において、その
重合体膜3の露出面2を図2に示すように、例えば他の
支持体2により保護するようにしてもよい。この場合の
分離膜は重合体膜3の両面が2枚の平膜状の支持体2に
より保護されたサンドイッチ構造となる。
【0017】ここで、本発明の分離膜作成に用いられる
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとして
は、側鎖が特定の有機溶媒との親和性が高いn-ブチル
基、tert- ブチル基、ベンジル基、ドデシル基などのよ
うな炭化水素系の基を有するものを挙げることができ
る。アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤とし、上
述の炭化水素系の基を有するものと例えばアクリル酸と
を酢酸エチル溶媒またはトルエン−酢酸エチル混合溶媒
(例えば、重量比でトルエン:酢酸エチル=1:20)
中において70℃で7〜8時間ラジカル重合させることに
より上述の共重合体が得られる。次にこの共重合体に分
離膜としての耐久性を要求する場合など必要に応じカル
ボキシル基と反応性のある官能基をもつ架橋剤を加える
ことができ、これにより、多孔質膜などの支持体上に例
えばコーティング等の手法を用いて製膜することにより
分離膜が得られる。
【0018】ここで、上記共重合体に適用して有用な架
橋剤としては、テトラグリシジルメタキシレンジアミン
(TGXDA)などを用いることができるが、カルボキ
シル基,ヒドロキシル基,グリシジル基あるいはアミノ
基のような反応性官能基を有する重合体に対して、ポリ
イソシアナート,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,金属キ
レート,多価金属あるいはポリアミンのような架橋剤を
用いることもできる。
【0019】水−有機溶媒を分離するには、パーベーパ
レーション法が用いられる。この方法は公知のものであ
り、近沸点混合物、共沸混合物、異性体などを分離する
のに有効な手段である。この方法は、膜を介して一方に
分離対象溶液を供給し、他方を真空に吸引して透過して
きた成分を冷却トラップを用いて捕集し分離するもので
ある。
【0020】物質の分離の程度は、一般に分離係数
(α)を用い以下のように示される。αB/A はB成分の
分離係数である。この場合、B成分が透過させたい物質
であり、A成分が除去したい物質である。分離係数
(α)は、分離される2つの物質AおよびBの濃度の比
で、透過物中の対応する物質の濃度の比を割った値とし
て定義される。濃度の単位は重量%でもモル比でもよ
い。
【0021】
【数1】
【0022】ここで、XA,XB: 供給側のA,B成分濃度、
YA,YB:透過側のA,B成分濃度、また、透過性能を示す
値としてFlux(フラックス,流束)、およびFluxに膜厚
をかけて補正し、素材自体の性能を示した透過速度を用
いそれぞれ以下のように示される。
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】 透過速度(kg・m/m2・hr)=Flux(kg/m2・hr)×膜厚(m) …(3) 膜素材の性能としては、分離係数αおよび透過速度が大
きいほど優れているものであり、また両者の積の大きい
膜の方が膜性能が優れているといえる。
【0025】本発明での分離膜では、分離係数αが数1
0〜数1000、 透過速度は10-5〜10-7(kg・m/m2・hr)であ
り、水−有機溶媒混合物から有機溶媒を分離あるいは回
収するのに有効であることを示している。これは水と有
機溶媒を比較した場合、膜形成するのに用いているα,
β不飽和カルボニル化合物であるアクリル酸エステルな
どが有機溶媒の方に親和性があるためと考えられる。
【0026】次に、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明する。
【0027】図3は本発明の水−有機溶媒分離膜につい
てパーベーパレーション透過測定を行うのに適した装置
を示す図である。図4は図3に示したパーベーパレーシ
ョンセルの拡大断面図である。図3および図4を参照し
てパーベーパレーション(PV)透過測定の方法について説
明する。
【0028】図3において11はスターラ21を回転させる
ためのかくはんモータであり、13は供給側と透過側とを
一定温度に保つための恒温槽である。コールドトラップ
16は、下部室29の出口30から枝別れした管30A に設けら
れたニードルバルブ14を介し、すりガラスジョイント15
によって下部室29に接続されている。14A はニードルバ
ルブであり、17は真空ゲージであり、18はコールドトラ
ップである。20は他の測定系統と真空ポンプ19とを接続
するための管である。
【0029】供給液31は、図4に示すふっ素系ゴムから
なる耐溶剤性のガスケット25(例えば商品名:バイトン
ガスケット(Viton gasket)タイガースポリマー社製)と
濾紙27とに挟まれた薄膜26によって分離される。濾紙27
は円盤状の金属板28の上に裁置されている。濾紙27は金
属板28と薄膜26との間の緩衝材であり、濾紙の代わりに
薄いグラスフィルターを用いてもよい。スターラ21は、
溶剤が蒸発するのを防ぐための栓22(例えば商品名:マ
イティシール(Mighty Seal),藤原製作所株式会社製)に
開けられた穴に通されている。
【0030】分離すべき供給液31がパーベーパレーショ
ンセル12の供給側すなわち上部室23に注入され、スター
ラ21によってかくはんされ、透過側すなわち下部室29を
真空ポンプ19を用いて減圧することにより供給液31を透
過させ、透過によって得られた透過物を図2に示したコ
ールドトラップ16で補集する。
【0031】補集後、試料重量(透過液の重量)を測定
する。またPV(パーベーパレーション)透過測定開始直
後の供給液31および補集された透過液をそれぞれガスク
ロマトグラフィーによって分析し、透過させたい物質お
よび透過させずに除去したい物質の組成をそれぞれ決定
する。薄膜26の厚さはPV透過測定開始前に測定してお
く。これらの測定結果を、前述の式(1),(2) および(3)
に代入することにより、分離係数,Fluxおよび透過速度
を求めることができる。
【0032】膨潤率の測定は次のようにして行う。すな
わち既定濃度に調製した溶液中にテトロンメッシュで挟
んだ膜を浸漬し、恒温槽中に放置する。48時間以上放置
した後、膜の溶媒を濾紙などでぬぐい、膜の重量を秤量
し、この重量を膨潤時の重量Wwとする。この膜を48時間
以上真空中で乾燥させ、膜の重量を秤量し、乾燥時の重
量Wdとする。膨潤率W(%)は、次式(4) から計算す
る。
【0033】
【数4】
【0034】なお、上記実施例では、支持体として平膜
状のものを用いたが、例えば粒子,繊維,中空糸などを
支持体として用いることができる。
【0035】図5は本発明の一実施例に従う水−有機溶
媒分離用の重合体膜を担持するための支持体として粒子
を用いた場合の複合型分離膜の作製工程を示す断面図で
ある。図5における(A) に示すように、容器40内で粒径
の揃った粒子を重合体の溶液中に浸漬させる。図5にお
ける(B) に示すように表面に重合体の溶液がコーティン
グされた粒子層41を例えばポリエチレンテレフタレート
などの仮支持部材42の上に形成する。乾燥後、図5にお
ける(C) に示すように粒子層41の上に第1の多孔質膜43
を載置したのち、仮支持部材42を取外し、図5における
(D) に示すように第2の多孔質膜44に代える。
【0036】このようにして得られた複合型分離膜は、
水−有機溶媒分離能を有する粒子層41の両面が2枚の多
孔質膜43および44により挾着されているので、粒子層41
が各粒子レベルに飛散することなく、水−有機溶媒分離
を確実に行うことができる。
【0037】図6は本発明の一実施例に従う水−有機溶
媒分離用の重合体膜を担持するための支持体として繊維
を用いた場合の複合型分離膜の作製工程を示す断面図で
ある。図6における(A) に示すように、まず複数本の繊
維50を用意し、例えば図5における(A) に示した容器内
の重合体の溶液中に浸漬して、繊維50の表面を重合体の
溶液でコーティングしたのち、乾燥させる。次に、図6
における(B) に示すように、第1の多孔質膜51の上に表
面コーティングされた繊維50を配置して層を形成する。
次に、繊維50の上に第2の多孔質膜52を配置して複合型
分離膜を得る。
【0038】この複合型分離膜にあっては、水−有機溶
媒分離能を有する繊維50を2枚の多孔質膜51および52が
挾み込んでいるので、繊維50が離散することなく、水−
有機溶媒分離を確実に行うことができる。
【0039】図7は本発明の一実施例に従う水−有機溶
媒分離用の重合体膜を担持するための支持体として管状
または同心円筒状の中空糸を用いた場合の複合型分離膜
の作製工程を示す断面図である。図7における(A) およ
び(B) に示すように、複数本の中空糸60を用意し、例え
ば図5における(A) に示した容器内の重合体の溶液中に
浸漬して、中空糸60の外表面および内表面を重合体の溶
液でコーティングしたのち、乾燥させる。次に、図7に
おける(C) に示すようにコーティングされた中空糸60を
平膜状の第1の多孔質膜61の上に配置したのち、中空糸
60の上に同じく平膜状の第2の多孔質膜62を配置して図
7における(D) に示すように複合型分離膜を得る。さら
に、図7における(E) に示すようにこの複合型分離膜を
1ユニットとし、これを複数組立ててモジュールを作製
してもよい。
【0040】この複合型分離膜にあっては、内外表面で
水−有機溶媒分離能を有する中空糸60を2枚の多孔質膜
61および62が挾み込んでいるので、中空糸60が離散する
ことなく、水−有機溶媒分離を確実に行うことができ
る。また、中空糸60は例えば同重量の繊維50と比較して
も、格段にコーティング面積が大きいので、繊維50より
水−有機溶媒分離能に優れたものとなる。
【0041】また、図7における(F) は、図7における
(C) に示した平膜状の多孔質膜61および62に代えて波板
状の多孔質膜63により中空糸60を支持するようにした複
合型分離膜の構成を示すものである。中空糸60が図7に
おける(F) に示したように波板状の多孔質膜63の谷部に
収まるように中空糸60と多孔質膜63の形状および寸法を
決定することにより、中空糸60を確実に固定できる。ま
た、図7における(F)に示した多孔質膜63の谷部にはそ
れぞれ1本の中空糸60が配設されているが、複数本の中
空糸60を配設することも可能である。
【0042】実施例1 トルエン−酢酸エチル混合溶媒(トルエン:酢酸エチル
=1:20,重量比)中にアクリル酸-n- ブチル(以下、
BAという)とアクリル酸(以下、AAという)を31:3の
重量比で溶解し、さらに重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリルを添加して重合用溶液を得た。この溶液
中のBAとAAとを70℃で約8時間ラジカル重合させてアク
リル酸エステル,アクリル酸ランダム共重合体を得た。
この共重合体の分子量は重量平均分子量で70〜80万程度
であった。
【0043】次に、上記溶液に得られた共重合体の含有
量が25wt%になるようにトルエンを加え、架橋剤として
テトラグリシジルメタキシレンジアミン(TGXDA) をエポ
キシ基/カルボキシル基=1/20の割合で加え充分にかく
はんした後、厚さ38μm の剥離処理されたポリエチレン
テレフタレート(以下PET という)フィルムの剥離処理
面上に塗工により溶液をコーティングし、80℃で5分間
乾燥したのち、厚さ25μm のポリプロピレン多孔質膜の
支持体を貼り合せた。その後、PET フィルムのみを剥離
すると前記支持体上に膜厚60〜90μm の重合体膜が形成
される。さらに、この重合体膜の上にポリプロピレン多
孔質膜を貼り合せて複合型分離膜とした。
【0044】なお、支持体としてのポリプロピレン多孔
質膜に代えてポリテトラフルオロエチレン(登録商標テ
フロン)系多孔質膜,フルオロポア(住友電工社製)な
どのフッ素樹脂多孔質膜あるいは通常限外濾過膜として
用いられる酢酸セルロール多孔質膜も使用可能であっ
た。
【0045】次に、このようにして得た複合型分離膜を
図3および図4に示したパーベーパレーション透過測定
装置に薄膜として装着し、25℃で水−1,1,2-トリクロロ
エタン(以下、TCE という)混合溶液を上部室内に供給
し下部室内を0.05〜0.5 mmHgの減圧状態としてパーベー
パレーション法による分離を行ない次のような結果を得
た。
【0046】図8は供給液中のTCE の濃度と透過液中の
TCE の濃度との関係を示す。0.4wt%程度の低濃度の供
給液から、TCE が60wt%に濃縮された透過液が得られて
いることがわかる。TCE の水に対する溶解度は、0.45g/
100g(TCE/ 水) であるので、得られた透過液は2層に分
離していた。
【0047】TCE の濃度が0.018,0.13, 0.24および0.41
wt%のとき、透過速度は、それぞれ1.08,1.21,1.81およ
び2.73(×10-6kg・m/m2・hr) であり、水に対するTCE の
分離係数αはそれぞれ629,373,379 および467 であっ
た。
【0048】図9および図10は供給液中のTCE の濃度変
化に対する分離係数αおよび全フラックスの関係を示
す。図9の曲線Aは分離係数αの変化を示し、図10の曲
線Bは全フラックスの変化を示す。
【0049】図9の曲線Aからわかるように、低濃度に
おける分離係数αは他の濃度における分離係数αの約2
倍になっている。PV透過法における分離係数αは、透過
液中のそれぞれの成分の組成比を供給液中のそれぞれの
成分の組成比で割った値となっているので、どちらかが
非常に低濃度の場合にわずかの濃度変化によって分離係
数αの変動が大きくなる。ガスクロマトグラフィーの低
濃度における検出精度によって分離係数αの変動が大き
くなるとも考えられる。透過速度は図10の曲線Bに示す
フラックスに膜厚をかけて算出されたものである。
【0050】図11は供給液中のTCE 濃度とTCE のフラッ
クス,水のフラックスおよび全フラックスの関係を示
す。これは供給液中におけるTCE 濃度の増加により、図
9および図10に示したように全フラックスおよび分離係
数αが増加することを示すために、それぞれの成分に分
けて示したものである。図11において、曲線CはTCE の
フラックス、曲線Dは水のフラックス、曲線Eは全フラ
ックスの変化を示す。
【0051】曲線Dから、水のフラックスは供給液濃度
の変化に対してほとんど変化していないことがわかる。
曲線CからTCE のフラックスは数倍の変化があることが
わかる。フラックスを求める式には各成分の濃度に依存
する項が含まれているので、曲線CおよびEのような変
化を示すものと考えられる。また、水のフラックスが一
定でTCE のフラックスが増加するので、透過液中のTCE
の割合も増加し、これに伴って分離係数αも増加すると
考えられる。
【0052】透過液は2層に分離して得られ、TCE の透
過速度はそれぞれ1.81,3.90,8.74および18.0(×10-7kg
・m/m2・hr) であった。
【0053】実施例2 実施例1で用いた分離膜で40,55 および70℃の各温度で
PV透過測定を行ない次のような結果を得た。
【0054】測定温度40℃、供給液中のTCE が0.17wt%
のとき、透過速度3.08(×10-6kg・m/m2・hr) 、水に対す
る分離係数(α)は316 であった。以下同様に55℃、0.
14wt%のとき透過速度は6.56(×10-6kg・m/m2・hr) 、分
離係数αは239 であり、70℃、0.15wt%のとき透過速度
は1.44(×10-5kg・m/m2・hr) 、分離係数αは145 であっ
た。また透過液は2層に分離して得られ、TCE の透過速
度は40,55 および70℃のときそれぞれ1.12,1.64 および
2.49(×10-6kg・m/m2・hr) であった。
【0055】図12は温度とTCE のフラックス,水のフラ
ックスおよび全フラックスの関係を示す。図12におい
て、曲線FはTCE のフラックス、曲線Gは水のフラック
ス、曲線Hは全フラックスの変化を示す。曲線Fに示す
ようにTCE のフラックスは温度変化に対して比例してい
るが、曲線Gに示すように水のフラックスは指数関数的
に増加している。このため、曲線Hに示すように全フラ
ックスは温度変化に対して大きく変化している。
【0056】実施例3 実施例1のアクリル酸-n- ブチルをメタクリル酸ラウリ
ル(LaMA)に替えた他は、同様の手順により得た分離膜で
PV透過測定を行ない次のような結果を得た。膜厚および
膜面積は実施例1と同様とした。
【0057】25℃でTCE 濃度が0.19wt%のとき、透過速
度は6.66(×10-7kg・m/m2・hr) 、水に対するTCE の分離
係数αは2264であった。また透過液は2層に分離して得
られ、TCE の透過速度は5.24(×10-7kg・m/m2・hr) であ
った。
【0058】実施例4 実施例1で用いた分離膜で、水−酢酸エチル混合溶液を
供給してパーベーパレーション法による分離(25℃)を
行い、次のような結果を得た。
【0059】上記混合液中の酢酸エチル濃度が0.162,
2.14, 5.33, 7.33wt %のとき、混合液の透過速度はそ
れぞれ0.0998, 0.245, 1.25, 2.34 ( ×10-5kg・m/m2・h
r) であり、水に対する酢酸エチルの分離係数αはそれ
ぞれ29.1, 59.3, 123, 96.3 であった。また透過液は2
層に分離して得られ、酢酸エチルの透過速度は0.00445,
0.138, 1.09, 2.07 (×10-5kg・m/m2・hr) であった。こ
れらの結果として透過液濃度の供給液濃度依存性を図13
に分離係数αおよびフラックスの供給液濃度依存性を図
14および図15に示す。
【0060】実施例5 実施例1で用いた分離膜で、水−クロロホルム混合溶液
を供給してパーベーパレーション法による分離(25℃)
を行い次のような結果を得た。
【0061】上記混合液中のクロロホルム濃度が0.080
7, 0.155, 0.470wt%のとき、透過速度はそれぞれ0.81
1, 1.07, 2.32 ( ×10-6kg・m/m2・hr) であり、水に対す
るクロロホルムの分離係数αはそれぞれ433, 467, 758
であった。またクロロホルムの透過速度は0.210, 0.45
0, 1.81 (×10-6kg・m/m2・hr) であった。
【0062】これらの結果として透過液濃度の供給液濃
度依存性を図16に分離係数αおよびフラックスの供給液
濃度依存性を図17および図18に示す。
【0063】実施例6 実施例1で用いた分離膜で、水−1,2-ジクロロエタン
(二塩化エチレン,EDC)混合溶液を供給してパーベー
パレーション法による分離(25℃)を行い次のような結
果を得た。
【0064】1,2-ジクロロエタン濃度が0.0922, 0.175,
0.500wt%のとき、透過速度は1.32, 1.70, 3.43(×10
-6kg・m/m2・hr) であり、水に対する1,2-ジクロロエタン
の分離係数αは246, 320, 441 であった。また1,2-ジク
ロロエタンの透過速度は0.243, 0.611, 2.36(×10-6kg
・m/m2・hr) であった。
【0065】これらの結果として透過液濃度の供給液濃
度依存性を図19に分離係数αおよびフラックスの供給液
濃度依存性を図20および図21に示す。
【0066】実施例7 実施例1で用いた分離膜で、水−トリクロロエチレン
(以下トリクレン)混合溶液を供給してパーベーパレー
ション法による分離(25℃)を行い次のような結果を得
た。
【0067】トリクレン濃度が0.0160, 0.0297, 0.052
9, 0.0798wt%のとき、透過速度は1.15, 1.25, 1.46,
1.53 (×10-6kg・m/m2・hr) であり、水に対するトリクレ
ンの分離係数αは833, 804, 804, 838であった。またト
リクレンの透過速度は0.135, 0.240, 0.436, 0.614 (×
10-6kg・m/m2・hr) であった。
【0068】これらの結果として透過液濃度の供給液濃
度依存性を図22に分離係数αおよびフラックスの供給液
濃度依存性を図23および図24に示す。
【0069】実施例8 実施例1で用いた分離膜で、水−テトラクロロエチレン
(以下パークレン)混合溶液を供給してパーベーパレー
ション法による分離(25℃)を行い次のような結果を得
た。
【0070】パークレン濃度が11.2, 35.3, 65.2, 92.4
ppm のとき、透過速度は10.0, 9.03, 9.75, 9.94 (×10
-7kg・m/m2・hr) であり、水に対するパークレンの分離係
数αは2682, 1177, 905, 977であった。またパークレン
の透過速度は0.290, 0.359,0.543, 0.824 (×10-7kg・m/
m2・hr) であった。
【0071】これらの結果として透過液濃度の供給液濃
度依存性を図25に分離係数およびフラックスの供給液濃
度依存性を図26および図27に示す。
【0072】比較例1 厚さ42μm のポリスチレンフィルムを用い、25℃でPV透
過測定を行ない以下のような結果を得た。
【0073】TCE 濃度が0.21wt%のとき、透過速度は2.
05(×10-8kg・m/m2・hr) であった。透過液中のTCE は検
出限界以下であり、従って分離係数αは算出不能であっ
た。
【0074】比較例2 厚さ15μm の低密度ポリエチレンフィルムを用い25℃で
PV透過測定を行ない以下の結果を得た。
【0075】TCE 濃度が0.18wt%のとき、透過速度5.10
(×10-8kg・m/m2・hr)、水に対するTCE の分離係数αは
3629であった。TCE の透過速度は4.50(×10-8kg・m/m2
hr)であった。
【0076】比較例3 ポリ塩化ビニルフィルムを用い25℃でPV透過測定を行な
い以下の結果を得た。
【0077】TCE 濃度が0.20wt%のとき、透過速度2.18
(×10-8kg・m/m2・hr) 、TCE は検出限界以下であり、比
較例1と同様に分離係数αは算出不能であった。
【0078】実施例1〜3および比較例1〜3における
供給液は水−TCE 混合系であり、実施例4においては、
水−酢酸エチル混合系である。また、実施例5では水−
クロロホルム混合系であり、実施例6では水−EDC 混合
系であり、実施例7では水−トリクレン混合系であり、
実施例8では水−パークレン混合系である。
【0079】表1に実施例1〜3および比較例1〜3に
おける水−TCE 混合系の測定結果を示し、表2に実施例
4〜8における水−有機溶媒混合系の測定結果を示す。
【0080】表1からわかるように、比較例よりも実施
例における(透過速度×α)の値が大きく、本実施例に
おいて作製された分離膜は優れた透過性を有することが
わかる。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】有機溶媒が透過した後、供給液中に残留し
た有機溶媒の濃度は0.05 〜0.08wt%(供給側濃度0.2w
t %,3時間測定後)であり、水−有機溶媒混合物中の
有機溶媒が効率よく回収されるとともに水が浄化され
る。
【0084】実施例9 実施例1のアクリル酸-n- ブチル(BA)をアクリル酸-t-
ブチル(tert-BA) ,アクリル酸シクロヘキシル(CHA) お
よびアクリル酸ベンジル(BeA) に替えそれぞれアクリル
酸(AA)との共重合体を合成した。これらと、実施例1お
よび3における薄膜BA-AA およびLaMA-AA とを比較する
ために、種々の測定値を表3に示す。
【0085】それぞれ膜厚が異なるので、一般的に膜厚
が厚くなると、拡散抵抗が増加し物質が透過しにくくな
る。Fluxは単位時間,単位面積あたりの透過量であるた
め、膜厚が異なる場合同じ素材であっても異なる結果が
得られる。よって膜厚が異なる場合は、これを考慮しな
いと透過性の差が側鎖の影響によるものなのか、膜厚に
よるものなのかの判定ができない。そこで、フラックス
に膜厚をかけて補正した透過速度を示した。BA-AA 膜お
よびLaMA-AA 膜の透過速度が残りの3種と比較して高い
のは、ガラス転移温度(Tg)が低いからであると考えられ
る。BA-AA 膜のTgは227.4K、LaMA-AA 膜のTgは216.5Kで
あり、残りの3種のTgは室温程度かそれ以上である。
【0086】一般に透過速度の低いものは分離係数αが
高いと考えられているが、tert-BA-AA膜,CHA-AA膜およ
びBeA-AA膜は、透過速度が低いにもかかわらず分離係数
αも低い。これはTgがBA-AA 膜およびLaMA-AA 膜と比較
して高いためであると考えられる。
【0087】膨潤率は前述の(4) 式から算出した。透過
速度の高いもの程膨潤率が高いことがわかる。
【0088】
【表3】
【0089】実施例10 実施例1の共重合体をBA:AA =97:3(重量比)とし、同
様の手順により得た膜のPV透過測定を行い、次のような
結果を得た。
【0090】25℃でTCE 濃度が0.199 wt%のとき、透過
速度は1.97 (×10-6kg・m/m2・hr) 、水に対するTCE の分
離係数αは731 であった。また、TCE の透過速度は1.17
(×10-6kg・m/m2・hr) であった。
【0091】実施例11 実施例1の共重合体をアクリル酸-n- ブチル(BA):アク
リル酸メチル(MA):アクリル酸-2- ヒドロキシエチル(H
EA)=60:30:10(重量比)、架橋剤をトリメチロールプ
ロパンアダクトトルイレンジイソシアナート(以下TMPT
DI)(イソシアナート基/ヒドロキシル基=1/20)に替え
た他は同様の手順により得た膜のPV透過測定を行い、次
のような結果を得た。
【0092】25℃でTCE濃度が0.207 wt%のとき、透
過速度は2.47 (×10-6kg・m/m2・hr)、水に対するTCE
の分離係数αは473 であった。またTCEの透過速度は
1.22(10-6kg・m/m2・hr) であった。
【0093】実施例12 実施例1の共重合体をBA:MA:HEA =83:10:7(重量比)、
架橋剤をTMPTDI(イソシアナート基/ヒドロキシル基=
1/20) とした他は、同様の手順により得た膜のPV透過測
定を行い、次のような結果を得た。
【0094】25℃でTCE 濃度が0.199 wt%のとき、透過
速度は2.56 (×10-6kg・m/m2・hr) 、水に対するTCE の分
離係数αは639 であった。また、TCE の透過速度は1.43
(×10-6kg・m/m2・hr) であった。
【0095】実施例13 実施例1の共重合体をアクリル酸-n- ブチル(BA):メタ
クリル酸メチル(MMA):アクリル酸−2− ヒドロ
キシエチル(HEA)=78:15:7(重量比)、架橋剤をTMPTDI
(イソシアナート基/ヒドロキシル基=1/20)に替えた
他は、同様の手順にて得た膜のPV透過測定を行い次のよ
うな結果を得た。
【0096】25℃でTCE 濃度が0.196 wt%のとき、透過
速度は2.32 (×10-6kg・m/m2・hr) 、水に対するTCE の分
離係数αは667 であった。またTCE の透過速度は1.32
(×10-6kg・m/m2・hr) であった。
【0097】次に、上記実施例10〜13の分離膜について
の実験結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の分離薄膜
においては以下のような効果がある。
【0100】 有機溶媒との親和性のあるアクリル酸
エステルおよびメタクリル酸エステルを用いることによ
り高い分離性をもっている。
【0101】 水と有機溶媒を効率よく分離すること
ができるので、水を浄化することができ、また有機物を
再利用することができる。
【0102】 多孔質膜などの支持体上にコーティン
グなどの手法により容易に薄膜形成可能である。
【0103】 一般に使用されている分離素材のポリ
ジメチルシロキサンに対しても、薄膜化が可能であり、
この素材との複合化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜の
構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施例に従うサンドイッチ構造を有
する水−有機溶媒分離膜の構成を示す概略断面図であ
る。
【図3】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜に
ついてパーベーパレーション透過測定を行うのに適した
装置の構成を示す概略立面図である。
【図4】図3に示した装置のパーベーパレーションセル
の構成を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離用の
重合体膜を担持するための支持体として粒子を用いた場
合の複合型分離膜の作製工程を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離用の
重合体膜を担持するための支持体として繊維を用いた場
合の複合型分離膜の作製工程を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離用の
重合体膜を担持するための支持体として管状または同心
円筒状の中空糸を用いた場合の複合型分離膜の作製工程
を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜を
用いたパーベーパレーション法による水−有機溶媒の分
離における供給液中のTCE 濃度と透過液中のTCE 濃度と
の関係を示すグラフである。
【図9】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜を
用いたパーベーパレーション法による水−有機溶媒の分
離における供給液中のTCE 濃度と水に対するTCE の分離
係数との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
を用いたパーベーパレーション法による水−有機溶媒の
分離における供給液中のTCE 濃度とフラックスとの関係
を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
を用いたパーベーパレーション法による水−有機溶媒の
分離における供給液中のTCE 濃度と全フラックス,水お
よびTCE フラックスとの関係を示すグラフである。
【図12】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
を用いたパーベーパレーション法による水−有機溶媒の
分離における全フラックス,水およびTCE フラックスの
温度依存性を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
(BA-AA) を用いたパーベーパレーション法による水−有
機溶媒の分離における供給液中の酢酸エチル濃度と透過
液中の同溶媒濃度との関係を示すグラフである。
【図14】図13に示した分離における供給液中の酢酸エ
チル濃度と、水に対する酢酸エチルの分離係数との関係
を示すグラフである。
【図15】図13に示した分離における供給液中の酢酸エ
チル濃度とフラックスとの関係を示すグラフである。
【図16】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
(BA-AA) を用いたパーベーパレーション法による水−有
機溶媒の分離における供給液中のクロロホルム濃度と透
過溶液中の同溶媒濃度との関係を示すグラフである。
【図17】図16に示した分離における供給液中のクロロ
ホルムと、水に対する同溶媒の分離係数との関係を示す
グラフである。
【図18】図16に示した分離における供給液中のクロロ
ホルム濃度と、フラックスとの関係を示すグラフであ
る。
【図19】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
(BA-AA) を用いたパーベーパレーション法による水−有
機溶媒の分離における供給液中のEDC 濃度と透過溶液中
の同溶媒濃度との関係を示すグラフである。
【図20】図19に示した分離における供給液中のEDC 濃
度と、水に対する同溶媒の分離係数との関係を示すグラ
フである。
【図21】図19に示した分離における供給液中のEDC 濃
度と、フラックスとの関係を示すグラフである。
【図22】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
(BA−AA) を用いたパーベーパレーション法によ
る水−有機溶媒の分離における供給液中のトリクレン濃
度と透過液中の同溶媒濃度との関係を示すグラフであ
る。
【図23】図22に示したトリクレンの分離における供給
液中のトリクレン濃度と、水に対するトクリレンの分離
係数との関係を示すグラフである。
【図24】図22に示したトリクレンの分離における供給
液中のトリクレン濃度とフラックスとの関係を示す図で
ある。
【図25】本発明の一実施例に従う水−有機溶媒分離膜
(BA-AA) を用いたパーベーパレーション法による水−有
機溶媒の分離における供給液中のパークレン濃度と透過
溶液中の同溶媒濃度との関係を示すグラフである。
【図26】図25に示したパークレンの分離における供給
液中のパークレン濃度と、水に対するパークレンの分離
係数との関係を示すグラフである。
【図27】図25に示したパークレンの分離における供給
液中のパークレン濃度とフラックスとの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 水−有機溶媒分離膜 2 支持部材 3 重合体膜 11 かくはんモータ 12 パーベーパレーションセル 13 恒温槽 14,14A ニードルバルブ 15 すりガラスジョイント 16,18 コールドトラップ 17 真空ゲージ 19 真空ポンプ 21 スターラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−126506(JP,A) 特開 昭64−11607(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/40 B01D 61/36 WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステルまたはメタクリル酸
    エステルを主モノマーとする重合体を含むことを特徴と
    する有機溶媒選択透過膜。
  2. 【請求項2】 前記重合体が反応性官能基をもち、該官
    能基を架橋剤を用いて架橋してなることを特徴とする請
    求項1記載の有機溶媒選択透過膜。
  3. 【請求項3】 前記反応性官能基が、カルボキシル基,
    ヒドロキシル基,グリシジル基あるいはアミノ基である
    ことを特徴とする請求項2記載の有機溶媒選択透過膜。
  4. 【請求項4】 前記架橋剤が、ポリイソシアナート,メ
    ラミン樹脂,エポキシ樹脂,金属キレート,多価金属あ
    るいはポリアミンであることを特徴とする請求項2記載
    の有機溶媒選択透過膜。
  5. 【請求項5】 前記重合体が支持体に積層されてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の有機溶媒選択透過膜。
  6. 【請求項6】 前記支持体は平膜状あるいは管状である
    ことを特徴とする請求項5記載の有機溶媒選択透過膜。
  7. 【請求項7】 前記管状の支持体は同心円筒状であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の有機溶媒選択透過膜。
  8. 【請求項8】 前記支持体は粒子,繊維あるいは中空糸
    のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の有機
    溶媒選択透過膜。
  9. 【請求項9】 アクリル酸エステルまたはメタクリル酸
    エステルを主モノマーとする重合体に少なくとも1つの
    支持体が積層されてなることを特徴とする有機溶媒選択
    透過膜。
JP13140091A 1990-06-14 1991-06-03 有機溶媒選択透過膜 Expired - Fee Related JP3195377B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13140091A JP3195377B2 (ja) 1990-06-14 1991-06-03 有機溶媒選択透過膜
DE1991629209 DE69129209T2 (de) 1990-06-14 1991-06-11 Membran zur Abtrennung eines organischen Lösungsmittels von einem Gemisch aus Wasser und organischem Lösungsmittel
EP91109543A EP0461607B1 (en) 1990-06-14 1991-06-11 Membrane for separating an organic solvent from a water-organic solvent mixture
US07/714,036 US5173189A (en) 1990-06-14 1991-06-12 Membrane for separating an organic solvent from a water-organic solvent mixture
AU79300/91A AU635430B1 (en) 1990-06-14 1991-06-25 Membrane for separating an organic solvent from a water-organic solvent mixture

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15400490 1990-06-14
JP2-154004 1990-06-14
JP13140091A JP3195377B2 (ja) 1990-06-14 1991-06-03 有機溶媒選択透過膜
AU79300/91A AU635430B1 (en) 1990-06-14 1991-06-25 Membrane for separating an organic solvent from a water-organic solvent mixture

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04227037A JPH04227037A (ja) 1992-08-17
JP3195377B2 true JP3195377B2 (ja) 2001-08-06

Family

ID=27156335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13140091A Expired - Fee Related JP3195377B2 (ja) 1990-06-14 1991-06-03 有機溶媒選択透過膜

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5173189A (ja)
EP (1) EP0461607B1 (ja)
JP (1) JP3195377B2 (ja)
AU (1) AU635430B1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0712420B2 (ja) * 1991-12-27 1995-02-15 工業技術院長 脱水用分離膜
GB9423805D0 (en) * 1994-11-25 1995-01-11 Bratton Graham J Dehydration apparatus
TW311947B (ja) * 1995-06-05 1997-08-01 Kuraray Co
NL1001060C2 (nl) * 1995-08-25 1997-02-27 Tno Membraan en werkwijze voor het scheiden van aromatische koolwaterstoffen uit een mengsel van diverse aromatische koolwaterstoffen of uit een mengsel van dergelijke aromatische koolwaterstoffen en niet-aromatische koolwaterstoffen.
US6316684B1 (en) 1999-09-01 2001-11-13 Membrane Technology And Research, Inc. Filled superglassy membrane
EP1866064A4 (en) 2005-03-09 2009-08-19 Univ California NANOCOMPOSITE MEMBRANES AND METHODS OF MAKING AND USING SAME
US8017016B2 (en) * 2006-07-07 2011-09-13 Sims Carl W Method and apparatus for pervaporation control in chromatographic systems
US8029857B2 (en) * 2006-10-27 2011-10-04 The Regents Of The University Of California Micro-and nanocomposite support structures for reverse osmosis thin film membranes
EP2209546A1 (en) * 2007-09-21 2010-07-28 The Regents of the University of California Nanocomposite membranes and methods of making and using same
US8177978B2 (en) 2008-04-15 2012-05-15 Nanoh20, Inc. Reverse osmosis membranes
EP2448657B1 (en) 2009-06-29 2018-12-26 NanoH2O Inc. Improved hybrid tfc ro membranes with nitrogen additives
WO2011118469A1 (ja) * 2010-03-26 2011-09-29 日本碍子株式会社 炭素膜及び浸透気化分離方法
CN103249475A (zh) * 2010-09-20 2013-08-14 苏舍化学技术有限公司 具有无孔分离层的膜及其用途和该膜的制备方法
AU2011326483B2 (en) 2010-11-10 2017-02-23 Nanoh2O, Inc. Improved hybrid TFC RO membranes with non-metallic additives
US8430949B2 (en) 2011-03-25 2013-04-30 Idex Health & Science Llc Apparatus for pervaporation control in liquid degassing systems
US8440003B2 (en) 2011-03-25 2013-05-14 Idex Health & Science, Llc Apparatus for pervaporation control in liquid degassing systems
US8668763B2 (en) 2011-03-25 2014-03-11 Idex Health & Science Llc Apparatus for pervaporation control in liquid degassing systems
US9555376B2 (en) 2013-01-26 2017-01-31 Adma Products, Inc. Multilayer, micro- and nanoporous membranes with controlled pore sizes for water separation and method of manufacturing thereof
US9861940B2 (en) 2015-08-31 2018-01-09 Lg Baboh2O, Inc. Additives for salt rejection enhancement of a membrane
US9737859B2 (en) 2016-01-11 2017-08-22 Lg Nanoh2O, Inc. Process for improved water flux through a TFC membrane
US10155203B2 (en) 2016-03-03 2018-12-18 Lg Nanoh2O, Inc. Methods of enhancing water flux of a TFC membrane using oxidizing and reducing agents
CN106964262B (zh) * 2017-04-13 2020-08-11 东华大学 一种纳米纤维基渗透汽化复合膜及其制备方法
CN112574469B (zh) * 2019-09-27 2022-07-12 中国石油化工股份有限公司 合成橡胶溶剂的除水方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3227510A (en) * 1958-03-04 1966-01-04 Tee Pak Inc Dyeing substrates ionically binding in localized areas catalysts for the predyeing olefin polymerization thereon
US4085168A (en) * 1971-02-22 1978-04-18 Cpc International Inc. Chemically joined, phase separated self-cured hydrophilic thermoplastic graft copolymers and their preparation
US4267295A (en) * 1979-02-09 1981-05-12 Syntex (U.S.A.) Inc. Polymeric compositions and hydrogels formed therefrom
US4415455A (en) * 1982-11-09 1983-11-15 Rohm And Haas Company Reverse osmosis membranes based on hydroxyalkyl methacrylate and methacrylic acid copolymers
NZ208867A (en) * 1983-07-14 1986-07-11 Holland Hitch Au Ltd Adjustable height fifth wheel coupling
GB8419174D0 (en) * 1984-07-27 1984-08-30 British Petroleum Co Plc Separation of water from organic liquids
US4725359A (en) * 1985-02-25 1988-02-16 Bend Research, Inc. Potable water from internal combustion engines
GB2174619B (en) * 1985-05-07 1989-05-04 Us Energy Pervaporation separation of ethanol-water mixtures using polyacrylic acid composite membranes
DE3814326A1 (de) * 1988-04-28 1989-11-09 Akzo Gmbh Verfahren zur modifizierung von cellulosischen dialysemembranen zur verbesserung der biocompatibilitaet und vorrichtung zur durchfuehrung des verfahrens
DE3911697A1 (de) * 1989-04-10 1990-10-25 Gessner & Co Gmbh Verwendung einer aus einem polymeren substrat und einer oberflaechenbeschichtung des substrats mit einem polyacrylsaeure- oder methacrylsaeurederivat aufgebauten mikroporoesen membran zur filtration von bier

Also Published As

Publication number Publication date
EP0461607A3 (en) 1993-02-24
AU635430B1 (en) 1993-03-18
JPH04227037A (ja) 1992-08-17
US5173189A (en) 1992-12-22
EP0461607A2 (en) 1991-12-18
EP0461607B1 (en) 1998-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3195377B2 (ja) 有機溶媒選択透過膜
Feng et al. Liquid separation by membrane pervaporation: a review
US8678203B2 (en) Polynorbornene pervaporation membrane films, preparation and use thereof
Takegami et al. Pervaporation of ethanol/water mixtures using novel hydrophobic membranes containing polydimethylsiloxane
US8528746B2 (en) Method of manufacturing hydrophilic membrane having improved antifouling property and hydrophilic membrane manufactured by the method
Gupta et al. Separation of phenol from aqueous solution by pervaporation using HTPB-based polyurethaneurea membrane
US5296144A (en) Composite membrane of a hydrophilic asymmetric membrane coated with an organosiloxane block copolymer
Zhang et al. Pervaporation membranes
US7622045B2 (en) Hydrophilic cross-linked polymeric membranes and sorbents
US5066403A (en) Process for separating azeotropic or close-boiling mixtures by use of a composite membrane, the membrane, and its process of manufacture
US4983303A (en) Method of separating a particular component from its liquid solution
Hoshi et al. Separation of aqueous phenol through polyurethane membranes by pervaporation
US7485233B2 (en) Hydrophilic mixed matrix material having reversible water absorbing properties
US4659590A (en) Pervaporation separation of ethanol-water mixtures using polyethylenimine composite membranes
Schwarz et al. Membranes based on polyelectrolyte–surfactant complexes for methanol separation
JPS5998705A (ja) ヒドロキシルアルキルメタクリレ−トとメタクリル酸とのコポリマ−をベ−スとする逆浸透膜、その製造方法およびその膜を用いる液体の精製方法
Itoh et al. Design of polymer membrane with permselectivity for water–ethanol mixture. II. Preparation of crosslinked poly (methyl acrylate) membrane with diethylene triamine and its permselectivity
US5143620A (en) Membrane separation process
EP0346739A2 (en) Method for separating a liquid component from a solution containing two or more liquid components
JPS61281138A (ja) エタノ−ル/水混合液から水を選択的に透過する複合膜およびその製造方法
JP3447416B2 (ja) 膜を用いたアルコールの分離方法
CN109157986B (zh) 具有“阶梯”交联度的渗透汽化复合膜及其制备方法
JPS5858104A (ja) 混合液分離膜
Spitzen Pervaporation: Membranes and models for the dehydration of ethanol
JPH09267031A (ja) 多種芳香族炭化水素の混合物、または、かかる芳香族炭化水素と非芳香族炭化水素の混合物から芳香族炭化水素を分離する膜および方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090601

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090601

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100601

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees